JP5158124B2 - ハードキャンディの製造方法 - Google Patents

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本発明は、乾燥果実、および/または乾燥野菜を含有するハードキャンディの製造方法に関するものである。
近年の健康志向により、乾燥果実が主体で乾燥果実のおいしさをより引き出すべく別素材と組み合わせ、保存性をさらに向上させ、かつ乾燥果実のおいしさを最大限に引き出し、なおかつ見栄えがよく手軽にいつでもどこででも食することが可能なものが要望されていることに鑑み、発明者らは、乾燥果実を含有する新規なハードキャンディを発明してきた(特許文献1)。このハードキャンディは果実特有の風味とハードキャンディの風味を同時に味わえる画期的なものである。
特開2009−247329号公報
このようなハードキャンディを大量に生産する方法として、下記の3つの方法が考えられる。
(1)棒状に成形した果実加工生地を、同じく棒状にしたハードキャンディ生地表面に貼り付けて、これを切断および成形を行なう方法
(2)果実加工生地を内包した棒状のハードキャンディ生地を製作し、これを小片に切断する方法
(3)果実加工生地を事前に成形しておき、これを成形後のハードキャンディ生地に貼り付ける方法である。
しかしながら、上記の方法にはいずれも重大な問題点が挙げられる。
例えば、(1)の方法においては、次の問題点が挙げられる。ハードキャンディ生地の切断や成形を行う場合には、ハードキャンディ生地自身を加熱し、成形可能な軟らかさに変える必要がある。そのため、(1)の方法の場合、ハードキャンディ生地が有する熱が、ハードキャンディ生地表面に貼り付けられた果実加工生地に移ってしまう。この熱の影響で、果実加工生地にべたつきが発生して、製造装置へ付着し、製造トラブルの原因となる。
(2)の方法の場合、果実加工生地はハードキャンディ生地内に内包されているので、熱の影響を受けても、製造装置と直接接触する場合は少なく、(1)の方法のような問題が生じないようにも考えられるが、(2)の方法にも以下の問題が発生する。(2)の方法で大量生産する場合、成形後のハードキャンディ生地の端から一粒ずつ切断する、または、幾枚かの並列した回転刃により一気にハードキャンディを切断する工程が必要である。前者の場合は、製造速度が非常に遅くなるため、コストパフォーマンスが非常に悪くなる。また、後者の場合、前者の問題点は解決されるが、切断されたハードキャンディ同士が接近した状態であるため、ハードキャンディ生地を切断する工程後に移動する時、または移動後に個々のハードキャンディ同士が接触し、果実加工生地がハードキャンディ表面を汚してしまうか、あるいは果実加工生地を介してハードキャンディ同士が結着してしまう可能性が非常に高く、製品の品質を一定に保つことができない。
また、(3)の方法の場合は、成形後のハードキャンディ生地に、成形済みの果実加工生地を貼り付けるのであるが、成形直後の場合、ハードキャンディ生地の熱で成形した果実加工生地が型崩れしてしまって、製品の品質を一定に保つことができない。また、果実加工生地を冷却後のハードキャンディ生地に貼り付けた場合には、双方の生地の接着力が弱く、食べた際に口の中で双方の生地が剥離してしまうので、異なる物性の食品を同時に味わうというこの乾燥果実を含有するハードキャンディの本来の目的にそぐわないものとなってしまう。
一方、乾燥果実だけではなく、携帯性に優れ、時と場所を選ぶことなく手軽に効率良く乾燥野菜を摂取することができて、さらに、乾燥野菜の健康感を損なうことなくおいしく食することが可能な乾燥野菜を含有するハードキャンディの登場も期待されるところである。
したがって、本発明の目的は、果実または乾燥野菜特有の風味とハードキャンディの風味を同時に味わえるハードキャンディを、高い品質を維持しつつ大量に生産可能なハードキャンディの製造方法を提供することである。
前記目的を達成するため、本発明は、乾燥果実、および/または乾燥野菜を含有するハードキャンディの製造方法であって、乾燥果実、および/または乾燥野菜を40重量%以上、油脂量を1〜15重量%、水分量を5〜15重量%、ゲル化剤量を0.1〜10重量%含有する加工生地を製造する加工生地製造工程と、水分量が5重量%未満であるハードキャンディ生地を製造するキャンディ生地製造工程と、前記加工生地と前記ハードキャンディ生地とを合わせて成形生地を製造する成形生地製造工程と、前記成形生地を複数の切断刃によって切断し、前記加工生地と前記ハードキャンディ生地との表面積比が1:20〜5:1である複数の小片に切断する切断工程と、前記切断工程直後に隣り合う前記小片を、該小片毎に設けられたレーンであって、隣接する前記レーン同士が互いに傾斜が異なるように配置されたレーン上を移動させて個々に分離する分離工程と、前記分離工程後、または、前記分離工程において、前記小片の表面に粉末を被覆する被覆工程とを備えることを特徴とするハードキャンディの製造方法である。
また、本発明は、前記加工生地は棒状に製造され、前記成形生地は、前記棒状の加工生地が、該棒状の加工生地の周りを前記ハードキャンディ生地で包みこんだ状態で成形されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記分離工程において、隣接して互いに傾斜が異なる2種類の前記レーンを互い違いに上下に設置することを特徴とする。
また、本発明は、前記粉末が粉末オブラートであることを特徴とする。
本発明によれば、乾燥果実、および/または乾燥野菜を含有する加工生地とハードキャンディ生地とを組み合わせて成形した成形生地を一度に複数個の小片に切断することができるとともに、切断したハードキャンディ同士が接触しないように分離するため、加工生地がハードキャンディ表面を汚してしまったり、ハードキャンディ同士が結着してしまったりすることによる品質のばらつきを抑制することができる。
また本発明によれば、ハードキャンディ生地が有する熱が加工生地に移ることによって、加工生地のべたつきが発生しても、ハードキャンディ生地に包みこまれた加工生地が製造装置と直接接触する場合は少ないので、加工生地が製造装置へ付着することによる製造トラブルを抑制することが可能となる。また、食した際のハードキャンディ生地と加工生地との剥離も防ぐことができ、異なる物性の食品を同時に味わうことが可能となる。
また本発明によれば、成形生地を一度に切断して製造された複数個の小片を確実に効率よく分離することが可能となる。
また本発明によれば、複数の小片に切断されたハードキャンディ同士が接触しても、ハードキャンディ同士が結着することを効果的に抑制することが可能となる。
成形生地の形状の例を示す図である。 成形生地を小片に切断して分離する切断刃およびレーンの一例を示す概略図である。 成形生地を切断する工程を説明する図である。 切断後の小片の形状の例を示す図である。 切断された形成された小片がトレイに移動する一例を示す概略図である。 トレイに移動された小片の例を示す図である。
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
本発明の乾燥果実、および/または乾燥野菜を含有するハードキャンディの製造方法は、(1)乾燥果実、および/または乾燥野菜を含有する加工生地を製造する加工生地製造工程、(2)ハードキャンディ生地を製造するキャンディ生地製造工程、(3)加工生地とハードキャンディ生地とを合わせて成形生地を製造する成形生地製造工程、(4)成形生地を複数の切断刃によって複数の小片に切断する切断工程、(5)小片を移動させて個々に分離する分離工程、(6)小片の表面に粉末を被覆する被覆工程を備える。
本発明で得られる果実含有ハードキャンディは、乾燥果実、および/または乾燥野菜を40重量%以上、油脂量を1〜15重量%、水分量を5〜15重量%、ゲル化剤量が0.1〜10重量%である加工生地と、水分量が5重量%未満であるハードキャンディ生地とからなる。そして、加工生地とハードキャンディ生地とを合わせて成形生地を製造し、成形生地を切断して得られた小片は、加工生地とハードキャンディ生地との表面積比が1:20〜5:1であることを特徴としている。
本発明では、成形生地を切断して得られた小片において、乾燥果実、および/または乾燥野菜の重量%、油脂量、水分量、およびゲル化剤量を規定した加工生地と、水分量を規定したハードキャンディ生地との表面積比を特定の範囲に調整することで、乾燥果実や乾燥野菜由来の風味とハードキャンディ由来の風味とが良好にハーモナイズした従来にない新規な風味を奏するようになり、よりおいしく食することができる。
(1)加工生地製造工程
加工生地製造工程では、乾燥果実、および/または乾燥野菜を40重量%以上、油脂量を1〜15重量%、水分量を5〜15重量%、ゲル化剤量を0.1〜10重量%含有する加工生地を製造する。
本発明に使用する乾燥果実、および/または乾燥野菜の加工生地における含有量は、40重量%以上であり、40〜50重量%がより好ましい。乾燥果実、および/または乾燥野菜の比率を大きく設定すれば、乾燥果実、および/または乾燥野菜が有する独特の食感と風味とを強くすることができるが、前記含有量としては所望に応じて適宜設定すればよい。
前記乾燥果実としては、マンゴー、りんご、干し柿、プラム、いちじく、レーズン、ブルーベリー、クランベリー、バナナ、サンザシ、アプリコット、洋なし、パイナップル、イチゴ、キウイ等が、利用できるが、これらに限定されるものではない。その他、フリーズドライ果実およびその粉末品も原料として使用することが可能である。
前記乾燥野菜としては、乾燥野菜とすることが可能な乾燥野菜であればよく、ホウレン草やキャベツに代表される葉菜類、トマトやカボチャに代表される果菜類、ニンジンやタマネギに代表される根菜類、インゲンやエダマメに代表される豆類等が利用できるが、これらに限定されるものではない。その他、フリーズドライ乾燥野菜およびその粉末品も原料として使用することが可能である。
また、乾燥果実または乾燥野菜としては、生の果実または生の野菜の形を保ったものをそのまま加工生地に使用してもよいが、油脂およびゲル化剤の添加効果が顕著に得られる点や、加工のし易さを考慮に入れると、乾燥果実または乾燥野菜を所望のミキサー等によって適当な大きさに粉砕処理したものを用いることが好ましい。
加工生地における油脂量は、加工生地中に1〜15重量%、好ましくは3〜8重量%、より好ましくは4〜6重量%である。油脂量が1重量%より少ないと加工生地がべたつき、成形生地製造工程等での作業性に問題が生じる。また、15重量%よりも多いと加工生地表面に油が浮き出るので、油っぽい味となり好ましくない。なお、油脂量とは、乾燥果実、および/または乾燥野菜含有ハードキャンディの加工生地における含有量(重量%)をいう。
本発明において使用する油脂としては、固体脂含有量(Solid Fat Content;以下SFCと略す)が30℃以下で70%以上であり、かつ50℃以上で40%以下のものが好ましい。SFCとしては、10〜30℃の温度範囲で70%以上が好ましく、かつ50℃以上では40%以下が好ましい。SFCが10〜30℃で70%未満であると成形時に加工生地から油脂が染み出し易くなり、またSFCが50℃以上で40%を超えると口溶けが非常に悪くなる傾向がある。
前述の範囲のSFCを有する油脂としては、天然の動植物油脂の他、それらにエステル交換、水素添加、分別等を施した加工油脂が挙げられるが、乾燥果実や乾燥野菜の風味を損なわないという観点から無味無臭の油脂が好ましい。なお、SFCの測定方法は、IUPAC2.150(Solid Content Determination in Fats by NMR)に準じて行うことができる。
また、加工生地の水分量(乾燥果実、および/または乾燥野菜中の水分も含む)としては5〜15重量%、好ましくは9〜12重量%である。水分量が5重量%より少ないと味、食感において乾燥果実や乾燥野菜のおいしさを損なってしまい、また15重量%よりも多いと、加工生地とハードキャンディとの界面で水分移行が起こり、保存性および耐久性に問題が生じてしまう。なお、水分量とは、乾燥果実、および/または乾燥野菜含有ハードキャンディの加工生地中における含有量(重量%)をいい、減圧乾燥法で測定することができる。
また、加工生地のゲル化剤量としては0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%、より好ましくは2〜4重量%である。ゲル化剤量が0.1重量%よりも少ないと、後述する成形生地製造工程で加工生地とハードキャンディ生地とを合わせて成形生地を製造するときに、伸展しにくく、油脂の染み出しも生じやすいという問題が生じ、また10重量%よりも多いと、ゲル化剤による弾力感、口溶けの悪化が生じ、加工生地の味、食感が、乾燥果実や乾燥野菜本来の味、食感からはかけ離れたものとなるため、好ましくない。なお、ゲル化剤量とは、乾燥果実、および/または乾燥野菜含有ハードキャンディの加工生地中における含有量(重量%)をいう。また、本発明で使用できるゲル化剤はプルランとペクチンの併用、またはどちらか単体での使用が最も好ましいが、用途によっては寒天、カラギーナン、ゼラチン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カードラン、ジェランガム、その他のゲル化剤を使用してもよい。
また、加工生地にはセルロース誘導体、および/または界面活性剤を使用してもよい。後述するセルロース誘導体群から選ばれる1種以上と界面活性剤とを併用することで、ハードキャンディ同士の付着や、製造装置への付着を軽減することができる。
加工生地にセルロース誘導体を添加する際の含有量としては、0.1〜5.0重量%が好ましく、0.5〜2.5重量%がより好ましく、0.7〜1.5重量%がさらに好ましい。セルロース誘導体量が0.1重量%よりも少ないと、成形生地製造工程での成形生地の製造装置への付着性が大きくなる、または切断したハードキャンディの小片同士が付着性が大きくなるという問題が生じ、また、5.0重量%よりも多いとセルロース誘導体由来の味が強く出るので好ましくない。なお、セルロース誘導体の含有量とは、乾燥果実、および/または乾燥野菜含有ハードキャンディの加工生地中における含有量(重量%)をいう。また、本発明で使用できるセルロース誘導体は、熱ゲル化性のアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、およびヒドロキシアルキルアルキルセルロースからなる群により選ばれる1種以上が好ましい。アルキルセルロースとしてはメチルセルロースが、ヒドロキシアルキルセルロースとしてはヒドロキシプロピルセルロースが、ヒドロキシアルキルアルキルセルロースとしてはヒドロキシプロピルメチルセルロースがそれぞれ好ましい。
一方、加工生地に界面活性剤を添加する際の含有量としては、ハードキャンディの味を良好に保つ観点から、0.1〜5.0重量%、好ましくは0.5〜2.5重量%、より好ましくは0.7〜1.5重量%である。また、本発明で使用できる界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、およびアルキルグリセリルエーテルからなる群により選ばれる1種以上が好ましいが、ソルビタン脂肪酸エステル単体またはソルビタン脂肪酸エステルとその他の界面活性剤との組み合わせがより好ましい。また、界面活性剤は、乳化目的として使用するのではなく、加工生地中に分散させることによって効果が得られる。
次に上記成分より、加工生地を製造する方法について説明する。
まず、乾燥果実、および/または乾燥野菜をミンチ状に加工し、油脂、膨潤させたゲル化剤を混合し、必要であれば酸、香料、着色料等を均一に混合する。その後、必要に応じてセルロース誘導体、界面活性剤を混合、混練して加工生地を調製する。乾燥果実や乾燥野菜をミンチ状に加工した時の乾燥果実や乾燥野菜の大きさは、乾燥果実や乾燥野菜の種類、加工生地の組成等に基づいて決定すればよい。混合(混練)条件は、油脂、ゲル化剤の種類により一概に限定できないが、少なくとも油脂の一部が溶解するような温度条件で行うことで、混練物の粘度が下がり、油脂が均一に果実にいきわたるという利点があるため、好ましい。
前述のミンチ状に加工する工程において、使用するグラインダー、ミンサー等のグラインダープレート径は3mm〜6mmが好ましい。乾燥果実や乾燥野菜を3mmよりも細かくミンチすると乾燥果実や乾燥野菜の持つ繊維感を損なってしまい、また、6mmよりも荒くミンチすると、その後に行われる油脂、ゲル化剤の混合において、均一に混合されず好ましくない。
混練物は、加工生地として使用でき、後述する成形生地製造工程で成形生地の成形を容易にする点から、成形することが好ましい。形状としては、棒状、板状、球状などがあげられるが、成形生地の成形性の点から棒状が好ましい。
(2)キャンディ生地製造工程
キャンディ生地製造工程では、水分量が5重量%未満であるハードキャンディ生地を製造する。
ハードキャンディ生地は、砂糖、水飴、もしくは、糖アルコールのベースに、必要であれば塩類、香辛料、果汁、動植物抽出物及びその加工物、増粘多糖類加工物などを混合したものを溶解した後に濃縮し、更に酸味料や香料などを適宜添加・混合し、所望の形状に成型したものを冷却することによって得られる。
加工生地と組み合わせるハードキャンディ生地は、水分量が5重量%以下のハードキャンディ生地であれば特に限定はなく、砂糖ベースのハードキャンディ生地のほか、マルチトール、パラチノース等の糖アルコールベースのノンシュガーハードキャンディ生地でもよい。
味としても限定はなくミルクハードキャンディのほか、黒飴、はちみつハードキャンディ、フルーツハードキャンディ、ミントハードキャンディ等様々な味が可能であり、加工生地が有する果実又は野菜のおいしさを引き出すような味が付与されたハードキャンディ生地であればよい。
(3)成形生地製造工程
成形生地製造工程では、加工生地とハードキャンディ生地を合わせて成形生地を製造する。
成形生地製造工程では、例えば棒状に成形した加工生地を別に作製したハードキャンディ生地で包み込み、適当な大きさで切断する。具体的には、まず、押し出し成型などの従来公知の製法によって前記所定の棒状に形成するか、大きな面積で作製した加工生地を切断することにより棒状にする。成形生地製造工程では、例えば、加工生地をスクリュー型押し出し機等で押出して棒状にし、ハードキャンディ生地で包むように加工生地を投入し、バッチローラー等で加工生地とハードキャンディ生地を同時に棒状にすることによって、棒状の成形生地が製造される。なお、棒状には、線状、線状のものをひねった糸状、糸状のものを数本束ねたひも状等が含まれる。
図1は、成形生地の形状の例を示す図である。棒状の成形生地1は、外側がハードキャンディ生地2でその内側に加工生地3が貫通した形状である。
ハードキャンディ生地で包む加工生地は、何本かの棒状の加工生地を使用したり、より合わせたりした後にハードキャンディ生地で包み込むことも可能である。ハードキャンディ生地で包むように加工生地を投入する場合のハードキャンディ生地の温度は、65〜75℃が好ましい。
(4)切断工程
切断工程では、成形生地1を複数の切断刃によって切断し、加工生地とハードキャンディ生地との表面積比が1:20〜5:1である複数の小片に切断する。
なお、ここでいう表面積比とは、小片の切断面を含む外表面の面積における加工生地とハードキャンディ生地との表面積の比率をいう。
図2は、成形生地を小片に切断して分離する切断刃およびレーンの一例を示す概略図である。図2においては、切断刃として、回転刃を用いた例を示している。レーン12は、各回転刃10間に1本ずつ複数設けられている。また、図3は、成形生地を切断する工程を説明する図である。図3に示すように、成形生地1は、複数の並列した回転刃10により輪状に切断される。本例では、回転刃10に対して、上方から成形生地1を落とし込んで切断しているが、回転刃10側を成形生地1に移動させて切断するように構成してもよい。図4は、切断後の成形生地の小片11の形状の例を示す図である。
本発明の乾燥果実、および/または乾燥野菜含有ハードキャンディでは、小片における加工生地とハードキャンディ生地の表面積比が1:20〜5:1、好ましくは1:5〜3:1、より好ましくは1:2〜2:1である。1:20よりも加工生地の表面積が少ないと、ハードキャンディ主体の味となってしまい、乾燥果実や乾燥野菜本来の風味および食感の面で不十分となり、5:1よりも加工生地の表面積が多いと、乾燥果実や乾燥野菜本来の濃厚な味を出す事はできるが、ハードキャンディとの味の調和が生まれず、加工生地をおいしく食する形態として好ましくない。
なお、表面積比は、常法により、測定することができる。例えば、表面積の測定は、成形生地の外形から表面に露出している加工生地またはハードキャンディ生地の表面積を目視で直接測定してもよいし、オリンパス株式会社製のデジタルマイクロスコープ「MVX−XD System」等の市販の測定器を用いて測定してもよい。
また、表面積比については、成形条件(例えば、棒状の加工生地の形状、大きさ、ハードキャンディ生地による加工生地の被覆率等)や、切断条件を調整することで、加工生地とハードキャンディ生地との表面積比を調整することができる。
(5)分離工程
分離工程では、切断工程によって、成形生地1から切断された複数の小片11を個々に分離する。具体的には、上記回転刃10で切断された小片11が、当該回転刃10間に設けられた小片11ごとのレーン12の上を下方に転がって移動することによって、隣り合う小片11が再びくっついてしまうことなく、個々に分離された状態で回転刃10から移動する。図5は、切断された形成された小片がトレイに移動する一例を示す概略図である。図5に示すように、ガイド板15に沿って、回転刃10に向けて移動した成形生地1は、複数の小片11に切断された後に、各々のレーン12を移動する。各レーン12は、隣接するレーン同士を互いに傾斜が異なるようにして、確実に小片11が分離可能となるようにされており、本例では、傾斜の異なる2種類のレーン12を互い違いに上下に設置するとともに、トレイ20が上段レーン専用トレイと下段レーン専用トレイとに分けて設けられることによって、隣り合う小片11が互いに異なるトレイ20(上段レーン専用トレイおよび下段レーン専用トレイ)に向けて移動し、確実に分離可能となるように構成されている。
(6)被覆工程
被覆工程では、分離工程後、または、分離工程において、小片11の表面に粉末を被覆する。図6は、トレイに移動された小片の例を示す図である。複数の小片11は各々のレーン12を移動し、図6に示すように、小片11は、粉末21が敷き詰められたトレイ20上で表面に粉末21が塗布される。
被覆工程で、小片11の表面に粉末を被覆することによって、小片11の切断面に露出に露出する加工生地が粉末で被覆されるので、ハードキャンディ生地が有する熱の影響により加工生地にべたつきが発生しても、個々のハードキャンディ同士が接触して、果実加工生地がハードキャンディ表面を汚してしまうことや、加工生地を介してハードキャンディ同士が結着してしまうことを抑制することができる。
被覆工程において使用する粉末21は、ハードキャンディの見た目等を考慮すると、粉末オブラートが最も好ましいが、粉糖、コーンスターチ、タルク等その他の粉末を用いてもよい。また、これらの粉末に関しては様々な粒子サイズのものが存在するが、これらのサイズによって限定されるものではない。
分離工程後に粉末21を小片11の表面に被覆する方法としては、成形生地1から小片11に切断後、粉末21が敷き詰められたトレイ20上に移動し、このトレイ20を大きく振動させることによって小片11表面に粉末を塗布する方法や、トレイ20に微振動を与えることによって、粉末21中に小片11を埋める方法等がある。また、分離工程において小片11の表面に粉末21を被覆する方法としては、粉末21を充満させた空間内で小片11をレーン12上で移送させる方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明で得られる乾燥果実、および/または乾燥野菜を含有するハードキャンディおいては、ハードキャンディの表面上に、加工生地によるべたつきが現れることが抑制される。また、乾燥果実や乾燥野菜本来の風味および食感を備えるとともに、乾燥果実や乾燥野菜とハードキャンディとの味のハーモニーから新規な風味を楽しむことが可能となる。また、本発明のハードキャンディは、保存性が良好であるため、例えば、菓子の詰め合わせ等において、焼き菓子類、チョコレート、ガム等の菓子類とも好適に組み合わせることが可能である。
次に実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら制限されるものではない。なお、「部」は重量部を示す。
(実施例1)
果実含有ハードキャンディの例である。
まず、水分量15重量%のドライマンゴー200部をグラインドプレート径が4mmのミンチ機にて粉砕し、水分量が13重量%になるまで40℃の温風庫にて乾燥した。砂糖40部、粉飴20部、還元水飴10部、植物油脂としてハードバター(メラノNEWSS−7:不二製油社製)15部、ゲル化剤として、プルラン(林原商事社製)3部およびペクチン(GENU pectin type BB RAPID SET J:三昌株式会社製)7部、酸味料5部、香料1部、着色料0.4部を加えて混合、混錬し、ドライマンゴー加工生地を得た。なお、ゲル化剤は事前に水で膨潤させておく事が望ましい。
別に、砂糖500部、水飴425部、乳成分100部を水200部に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、ミルク香料を少量加えて水分量4重量%のミルクハードキャンディ生地を得た。
上記ドライマンゴー加工生地を押出式のパスタマシンを用いて棒状に成形した後、ドライマンゴー加工生地とミルクハードキャンディ生地とが表面積比で1:1となるようにドライマンゴー加工生地をハードキャンディ生地で包み込んで直径2.0cm、長さ20cmの円柱状に成形生地を製造した。次に、図2に示した装置にて70℃で成形生地を切断して小片が得られた。切断工程では、全長35cmの回転軸表面に、刃間が1cm、回転軸からの刃渡りが2cmの回転刃を用い、1,200rpmの回転速度にて高さ1.0cm、直径2.0cmの円柱状の小片に切断した。
その後、粉末オブラートを1.0cm堆積させたトレイへ小片をレーン上で移動させて投入し、回転速度130rpmにてトレイの一角が直径20cmの円を描くようにトレイを振動させて、ハードキャンディ小片表面に粉末オブラートを被覆した。これによって、単重5.0gのドライマンゴー含有ハードキャンディを作製した。
このようにして得られたドライマンゴー含有ハードキャンディは、良好な風味を有しており、さらに、品質的にも切断後に加工生地がハードキャンディ生地の表面を汚しておらず、ハードキャンディ同士が再付着したり、製造装置へ付着することがなく、見た目もよりよいものであった。食感、耐久性および保存性も良好であった。
(実施例2)
野菜含有ハードキャンディの例である。
まず、水分量4重量%のホウレン草パウダー200部に、砂糖45部、粉飴25部、還元水飴10部、植物油脂としてハードバター(メラノNEWSS−7:不二製油社製)15部、ゲル化剤としてプルラン(林原商事社製)3部とペクチン(GENU pectin type BB RAPID SET J:三昌株式会社製)7部、酸味料4部、香料1部を加えて混合した後に、セルロース誘導体であるヒドロキシプロピルセルロース(Klucel Nutra W:三栄源エフ・エフ・アイ社製)3部を加えてさらに混合、混錬し、乾燥ホウレン草加工生地を得た。なお、ゲル化剤は事前に水で膨潤させておく事が望ましい。
別に、砂糖600部、水飴525部、濃縮リンゴ果汁15部を水200部に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、酸味料、リンゴ香料を少量加えて水分量3重量%のリンゴハードキャンディを得た。上記乾燥ホウレン草加工生地を押出式のパスタマシンを用いて棒状に成形した後、乾燥ホウレン草加工生地とリンゴハードキャンディとを表面積比で1:1となるようにドライマンゴー加工生地をハードキャンディ生地で包み込んで直径1.9cm、長さ25cmの円柱状に成形生地を製造した。次に、図2に示した装置にて70℃で成形生地を切断して小片が得られた。切断工程では、全長35cmの回転軸表面に、刃間が1.1cm、回転軸からの刃渡りが2cmの回転刃を用い、1,000rpmの回転速度にて直径1.9cm、高さ1.1cmの円柱状の小片に切断した。
その後、粉糖を1.5cm堆積させたトレイへ小片をレーン上で移動させて投入し、往復振動速度130回/分にて直線状に20cm往復振動させることでハードキャンディ小片表面に粉糖を被覆した。これにより、単重5.0gの乾燥ホウレン草含有ハードキャンディを作製した。
このようにして得られた乾燥ホウレン草含有ハードキャンディは、良好な風味を有しており、さらに、品質的にも切断後にハードキャンディ同士が再付着したり、製造装置へ付着することがなく、見た目もよりよいものであった。
(実施例3)
果実および野菜含有ハードキャンディの例である。
まず、水分量15重量%のドライアップル150部と乾燥ニンジン粉末50部をグラインドプレート径が4mmのミンサーにて粉砕し、水分量が13重量%になるまで40℃の温風庫にて乾燥した。砂糖45部、粉飴25部、還元水飴10部、植物油脂として高融点油脂(メルバ45:不二製油社製)15部、ゲル化剤としてプルラン(林原商事社製)10部、酸味料3部、香料0.8部、着色料0.5部を加えて混合した後に、界面活性剤としてソルビタン脂肪酸エステル(第一工業製薬社製)1部を加えてさらに混合・混錬し、ドライアップルおよび乾燥ニンジン混合加工生地を得た。なお、ゲル化剤は事前に水で膨潤させておく事が望ましい。
別に、砂糖600部、水飴525部、はちみつ40部を水200部に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、酸味料、はちみつ香料を少量加えて水分量3重量%のはちみつハードキャンディ生地を得た。ドライアップルおよび乾燥ニンジン混合加工生地とはちみつハードキャンディ生地とをバッチローラーで同時に棒状にした後、ドライアップルおよび乾燥ニンジン混合加工生地とはちみつハードキャンディ生地とが表面積比で1:1となるようにドライアップルおよび乾燥ニンジン混合加工生地をはちみつハードキャンディ生地で包み込むように挿入して成形生地を製造した。次に、図2に示した装置にて70℃で成形生地を切断して小片が得られた。切断工程では、全長35cmの回転軸表面に、刃間が1.2cm、回転軸からの刃渡りが2.0cmの回転刃を用い、1,000rpmの回転速度にて直径2.0cm、長さ15cmのハードキャンディを、直径2.0cm、高さ1.2cmの円柱状の小片に切断した。
その後、粉末オブラートを2.0cm堆積させたトレイへ小片をレーン上で移動させて投入し、上下振動速度50回/分にて垂直に0.5cm上下振動させて、ハードキャンディ小片を粉末中に埋没させ、ハードキャンディ小片表面に粉末オブラートを被覆した。これにより、単重5.0gのドライアップルおよび乾燥ニンジン含有ハードキャンディを作製した。
このようにして得られたドライアップルおよび乾燥ニンジン含有ハードキャンディは、野菜ミックスジュース風の良好な風味を有しており、さらに、品質的にも切断後にハードキャンディ同士が再付着したり、製造装置へ付着することがなく、見た目も良好であった。
(実施例4)
野菜含有ハードキャンディの例である。
まず、水分量17重量%のドライトマト200部をグラインドプレート径が4mmのミンサーにて粉砕し、水分量が13重量%になるまで40℃の温風庫にて乾燥した。砂糖45部、粉飴25部、還元水飴10部、植物油脂として硬化菜種油(硬化菜種油35:不二製油社製)15部、ゲル化剤としてプルラン(林原商事社製)3部およびペクチン(GENU pectin type BB RAPID SET J:三昌株式会社製)7部、酸味料4部、香料1.2部、着色料0.5部を加えて混合した後に、セルロース誘導体としてメチルセルロース(メトローズ MCE-100:信越化学工業社製)4部、界面活性剤としてソルビタン脂肪酸エステル(第一工業製薬社製)1部を加えてさらに混合、混錬し、ドライトマト加工生地を得た。なお、ゲル化剤は事前に水で膨潤させておく事が望ましい。
別に、黒砂糖300部、砂糖300部、水飴525部を水200部に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、黒糖香料を少量加えて水分量3重量%の黒糖ハードキャンディ生地を得た。上記ドライトマト加工生地と黒糖ハードキャンディ生地をバッチローラーで同時に棒状にした後、表面積比で1:1となるようにドライトマト加工生地をハードキャンディ生地で包み込んで成形生地を製造した。次に、図2に示した装置にて70℃で成形生地を切断して小片が得られた。切断工程では、全長35cmの回転軸表面に、刃間が1.3cm、回転軸からの刃渡りが2.0cmの回転刃を用い、1,200rpmの回転速度にて直径1.8cm、長さ20cmのハードキャンディを直径1.8cm、高さ1.3cmの円柱状の小片に切断した。
その後、粉末オブラートを1.0cm堆積させたトレイへ小片をレーン上で移動させて投入し、回転速度100rpmにて、トレイの一角が直径15cmの円を描くようにトレイを振動させることでハードキャンディ小片表面に粉末オブラートを被覆した。これにより、単重5.0gのドライトマト含有ハードキャンディを作製した。
このようにして得られたドライトマト含有ハードキャンディは、良好な風味を有しており、さらに、品質的にも切断後にハードキャンディ同士が再付着したり、製造装置へ付着することがなく、見た目もよりよいものであった。
(実施例5、6)
実施例5では、実施例1のドライマンゴー加工生地の油脂量を1.4重量%となるように変更し、また、実施例6では、実施例1のドライマンゴー加工生地の油脂量を12.9重量%となるように変更して、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gのドライマンゴー含有ハードキャンディを作製した。実施例5の配合で作製した場合、実施例1と比較するとドライマンゴー加工生地の食感が若干硬くなったものの、良好な風味を有し、生産上問題なく作ることができた。食感、耐久性および保存性も問題なかった。
また、実施例6の配合で作製した場合、実施例1と比べるとドライマンゴー加工生地の食感がやや柔らかくなったものの、見た目が良好で、生産上問題なく作ることができた。風味、食感、耐久性および保存性も問題なかった。
(実施例7、8)
実施例7では、実施例1において、ドライマンゴー加工生地の砂糖、粉飴、還元水飴量を調整することで、加工生地の水分量を5.3重量%となるように変更し、また、実施例8では、加工生地の水分量を13.9重量%となるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gのドライマンゴー含有ハードキャンディを作製した。実施例7の配合で作製した場合、実施例1と比べると水分量が低いものの、見た目が良好で、生産上問題なく作ることができた。風味、食感、耐久性および保存性も問題なかった。
また、実施例8の配合で作製した場合、良好な風味を有し、実施例1と比べると加工生地の水分量が高いため食感が若干柔らかいものの、風味が良好で、生産上問題なく作ることができた。食感、見た目、耐久性および保存性も問題なかった。
(実施例9、10)
実施例9では、実施例1において、ドライマンゴー加工生地のゲル化剤量を0.14重量%となるように変更し、また、実施例10では、ゲル化剤量を9.4重量%となるように変更しそれ以外は実施例1と同様にして単重5.0gのドライマンゴー含有ハードキャンディを作製した。実施例9の配合で作製した場合、良好な風味を有し、実施例1と比べると成形時のドライマンゴー加工生地の伸展性が若干低いものの、風味、食感が良好で、生産上問題なく作ることができた。見た目、耐久性および保存性も問題なかった。
また、実施例10の配合で作製した場合、実施例1と比べるとドライマンゴー加工生地の食感がやや弾力性を有したものとなったものの問題がなく、風味、見た目が良好で、生産上問題なく作ることができた。食感、耐久性および保存性も問題なかった。
(実施例11、12、13、14)
実施例11では、実施例1において、ドライマンゴー加工生地とハードキャンディ生地との表面積比を4:1となるように変更し、また、実施例12,13,14はそれぞれ表面積比が2:1,1:5,1:20となるように変更して、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gのドライマンゴー含有ハードキャンディを作製した。実施例11の比率で作製した場合、実施例1と比較してドライマンゴーの風味が若干強いものの風味は問題がなく、ドライマンゴーとハードキャンディとの味のハーモニーを生み出し、食感が良好であった。また、生産上問題なく作ることができ、見た目、耐久性および保存性も問題なかった。
実施例12の比率で作製した場合、実施例1と比較してドライマンゴーの風味が若干強いものの風味は問題がなく、食感、見た目が良好であった。また、生産上問題なく作ることができ、耐久性および保存性も問題なかった。
また、実施例13の比率で作製した場合、実施例1と比べハードキャンディの風味が若干強いものの風味は問題がなく、見た目が良好で食感、生産上も問題なく作ることができた。耐久性および保存性も問題なかった。
また、実施例14の比率で作製した場合、実施例1と比べハードキャンディの風味が若干強いものの風味は問題がなく、生産上も問題なく作ることができた。食感、見た目、耐久性および保存性も問題なかった。
(比較例1)
ドライマンゴー加工生地とミルクハードキャンディ生地との表面積比が1:25となるように変更した以外は実施例1と同様にして単重5.0gのハードキャンディを作製した。得られたハードキャンディはドライマンゴーの風味が弱く、ミルクハードキャンディの風味を少し引き立てる程度の味わいしか感じられなかった。食感、生産性、見た目、耐久性および保存性は問題なかった。
(比較例2)
ドライマンゴー加工生地とミルクハードキャンディ生地との表面積比が7:1となるように変更した以外は実施例1と同様にして単重5.0gのハードキャンディを作製した。得られたハードキャンディは、ドライマンゴーの濃厚な味は感じられるものの、ハードキャンディとの味のハーモニーが生まれないため風味が悪く、ドライマンゴーをよりおいしく食べさせるという面では、実施例1で得られたドライマンゴー含有ハードキャンディと比べ劣っていた。食感、生産性、見た目、耐久性および保存性は問題なかった。
(比較例3、4)
比較例3では、ドライマンゴー加工生地の油脂量を0.7重量%となるように変更し、また、比較例4では、油脂量を15.3重量%となるように変更して、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gのハードキャンディを作製した。比較例3の配合で作製した場合、良好な風味を有するものの、油脂量が少ないため、伸展性に乏しく生産上問題が生じた。食感、見た目も悪いものであった。耐久性および保存性は問題なかった。
また、比較例4の配合で作製した場合、食感は問題ないものの、油脂量が多いため、油っぽい風味となって風味は悪いものであった。また、成形時ドライマンゴー加工生地から油の染み出しを起こし、成形生地の切断工程で回転刃に油が大量に付着して、生産上問題を生じる結果となった。見た目、耐久性および保存性もよくなかった。
(比較例5、6)
比較例5は、ドライマンゴー加工生地の砂糖、粉飴、および還元水飴量を調整することで、水分量を4.7重量%となるように変更し、比較例6は、水分量を15.7重量%となるように変更して、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gのハードキャンディを作製した。比較例5の配合で作製した場合、水分が少ないため、ドライマンゴー加工生地の風味が弱く、また硬い食感となってしまった。見た目もよくなかった。生産性、耐久性および保存性は問題なかった。
また、比較例6の配合で作製した場合、良好な風味を有し、食感も問題なかったが、水分が高すぎるため成形生地の切断工程で、成形生地が回転刃に付着してしまい、生産上問題が生じた。見た目、耐久性および保存性もよくなかった。
(比較例7、8)
比較例7は、ドライマンゴー加工生地のゲル化剤量を0.08重量%となるように変更し、比較例8は、ドライマンゴー加工生地のゲル化剤量を10.8重量%となるように変更して、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gのハードキャンディを作製した。比較例7の配合で作製した場合、良好な風味を有し、食感も問題なかったが、ゲル化剤が少ないため、見た目が悪く、伸展性に乏しく生産上問題が生じた。耐久性および保存性は問題なかった。
また、比較例8の配合で作製した場合、見た目が良く、良好な風味を有しするものの、ゲル化剤量が多いため、ゲル化剤由来の弾力感が際立っており、果実の自然な食感からはほど遠いものとなってしまった。生産性、耐久性および保存性は問題なかった。
(比較例9)
比較例9は、実施例1と同様に、ハードキャンディ生地とドライマンゴー加工生地とから成形生地を製造し、成形生地を切断して得られた複数の小片を、粉末オブラートを堆積させたトレイへ1つのレーン上で移動させて投入した。その後、粉末オブラートを被覆して単重5.0gのハードキャンディを作製した。得られたハードキャンディの中には、切断後ハードキャンディ同士が付着しているもの多数見られた。風味、耐久性および保存性は問題なかった。
(比較例10)
比較例10は、実施例1と同様に、ハードキャンディ生地とドライマンゴー加工生地とから成形生地を製造し、成形生地を切断後は、小片に粉末を被覆せずに単重5.0gのハードキャンディを作製した。得られたハードキャンディ小片の中には、ハードキャンディ小片同士が付着しているものが見られた。食感、生産性、見た目、耐久性および保存性は問題なかった。
実施例1〜14および比較例1〜10で得られた、ハードキャンディの組成と評価(風味、食感、生産性、見た目、耐久性および保存性)を表1および表2に示す。
Figure 0005158124
Figure 0005158124
表1の結果より、実施例1〜14で得られた、ハードキャンディはいずれも風味、食感、生産性、見た目、耐久性および保存性などすべての項目において品質が良好であることがわかる。
表1、2における評価基準は以下のとおりである。
(1)風味
「◎」乾燥果実や乾燥野菜加工生地の風味が良好で、かつハードキャンディ生地と非常によく調和している。
「○」乾燥果実や乾燥野菜加工生地の風味が良好で、かつハードキャンディ生地とよく調和している。
「×」乾燥果実や乾燥野菜加工生地の風味が弱いまたは油っぽいなどハードキャンディ生地との味の調和が見られない。
(2)食感
「◎」素材感(繊維感)を非常に感じやすい食感となっている。
「○」素材感(繊維感)を感じやすい食感となっている。
「×」硬すぎるため、素材のおいしさを引き出せていない食感である。
(3)生産性
「◎」べたつきがない・油染みがない・伸展性に優れている等、極めて作業性がよい。
「○」べたつきがない・油染みがない・伸展性に優れている等、作業性がよい。
「×」べたつきが激しい、油染みが強い、伸展性に乏しい等の理由により、作業性が悪い。
(4)見た目
「◎」乾燥果実、および/または乾燥野菜加工生地とハードキャンディ生地が極めてきれいに組み合わさっており、かつ、ハードキャンディ表面が汚れていない。
「○」乾燥果実、および/または乾燥野菜加工生地とハードキャンディ生地がきれいに組み合わさっており、かつ、ハードキャンディ表面が汚れていない。
「×」乾燥果実、および/または乾燥野菜加工生地とハードキャンディ生地が乱雑に組み合わさっている、または、ハードキャンディ表面が汚れている。
(試験例)
実施例1〜14および比較例1〜10で得られたハードキャンディを37℃・湿度80%で1.5ヶ月間保存した後に食し、風味、食感の耐久性および保存性について評価した。これらの評価結果を表1、2に示す。なお、表1、2中、「○」は耐久性および保存性あり、「×」は耐久性および保存性なしとする。
実施例1〜14で得られたハードキャンディは、いずれもハードキャンディの風味、食感、見た目は良好であった。特に、乾燥果実や乾燥野菜加工生地の風味および食感に大きな変化はなく、評価の優れたものであった。
しかし、比較例4のように加工生地中の油脂量が多すぎるものは時間とともに加工生地から油が染み出し、また比較例6のように加工生地中の水分量が多すぎるものはハードキャンディ生地との界面で水分移行を起こした。また、加工生地のゲル化剤量が少ない比較例7では加工生地の伸縮性が乏しく、生産性を落とす原因となった。また、見た目もパサついていた。
これらの結果によって、実施例1〜14で得られたハードキャンディはいずれも風味、食感、見た目のみならず、生産性、耐久性および保存性に優れたものであることが判明された。
1 成形生地
2 ハードキャンディ生地
3 加工生地
10 回転刃
11 小片
12 レーン
20 トレイ
21 粉末

Claims (4)

  1. 乾燥果実、および/または乾燥野菜を含有するハードキャンディの製造方法であって、
    乾燥果実、および/または乾燥野菜を40重量%以上、油脂量を1〜15重量%、水分量を5〜15重量%、ゲル化剤量を0.1〜10重量%含有する加工生地を製造する加工生地製造工程と、
    水分量が5重量%未満であるハードキャンディ生地を製造するキャンディ生地製造工程と、
    前記加工生地と前記ハードキャンディ生地とを合わせて成形生地を製造する成形生地製造工程と、
    前記成形生地を複数の切断刃によって切断し、前記加工生地と前記ハードキャンディ生地との表面積比が1:20〜5:1である複数の小片に切断する切断工程と、
    前記切断工程直後に隣り合う前記小片を、該小片毎に設けられたレーンであって、隣接する前記レーン同士が互いに傾斜が異なるように配置されたレーン上を移動させて個々に分離する分離工程と、
    前記分離工程後、または、前記分離工程において、前記小片の表面に粉末を被覆する被覆工程と、
    を備えることを特徴とするハードキャンディの製造方法。
  2. 前記加工生地は棒状に製造され、
    前記成形生地は、前記棒状の加工生地が、該棒状の加工生地の周りを前記ハードキャンディ生地で包みこんだ状態で成形されていることを特徴とする請求項1に記載のハードキャンディの製造方法。
  3. 前記分離工程において、隣接して互いに傾斜が異なる2種類の前記レーンを互い違いに上下に設置することを特徴とする請求項1または2に記載のハードキャンディの製造方法。
  4. 前記粉末が粉末オブラートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハードキャンディの製造方法。
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