JP4924661B2 - 野菜含有ハードキャンディ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、野菜を含有するハードキャンディ及びその製造方法に関するもので、更に詳しくは、乾燥野菜を主体とし、油脂とゲル化剤、及び、セルロース誘導体を含有する野菜加工品部を有するハードキャンディ及びその製造方法に関するものである。
近年、生活環境悪化による生活習慣病の発症率の増加や、高齢化社会の到来により、健康維持における食事の重要性がますます認識されるようになった。特に、野菜に関しては、多くの科学論文により、野菜の摂取が生活習慣病発症のリスクを下げることが報告されている。我が国では、厚生労働省は、「一日当り350g以上の野菜を摂取すること」を目標値に設定している。しかし、現実には50歳以下の日本人の野菜摂取量は一日当り250gしかなく、目標値を大きく下回っている。そのため、携帯性に優れ、なおかつ見栄え良く手軽にいつでもどこででも効率よく野菜を摂取することが可能なものが望まれている。
しかしながら、野菜は独特の風味や味を伴うものが多く、おいしくない、食べにくい等の問題がある。このような事情に鑑み、野菜そのもの、あるいは野菜の成分に着目し、果物等と組み合わせ食べやすく加工した商品が数多く提案されている。主だった例としては、野菜ジュースや、野菜を添加したプリンやヨーグルト、クッキー等がある。野菜ジュースは、野菜がその内訳の50重量%以上を占めるものも多く、効率的な野菜の摂取が可能である。しかし、野菜ジュースをおいしく食するためには、冷蔵もしくは加温が必要であり、携帯性に乏しく、食べたい時に、気軽に食べることができない。一方、食べやすさを考慮し作られた、菓子類等のその他の食品で野菜をうたっているものは、風味付け、もしくはイメージとして野菜を使用しているだけであり、野菜の使用量は極めて少なく、実際にはほとんど野菜を摂取することはできない。
この問題を解決するために、野菜そのものに携帯性を付加した加工品の提案は数多くなされている。例えば、粉砕した野菜をシート状に加工したもの(特許文献1)、ペースト状の野菜を凝固剤で固めたもの(特許文献2)等がある。しかし、これらは食事時に食卓を彩る食品としては有効だが、いずれもシチュエーションが限定されており、手軽にどこでも食べることができない。さらに、野菜ペーストに澱粉質原料や油脂等を加え焼成したもの(特許文献3)、野菜成分を固形油脂で固めたもの(特許文献4)等がある。これらは携帯性に優れ、簡易に食べることができるが、食用油脂を多量に含んでおり、野菜の健康的なイメージとは程遠い。
一方、携帯性に優れ、且つ、様々な味展開が可能な菓子としてハードキャンディが挙げられる。野菜とハードキャンディの組み合わせはこれまでにも数多く提案されている。例えば、味覚糖(株)製「新 野菜粒ほうれん草飴(登録商標)」や、春日井製菓(株)「野菜週間(登録商標)」等が挙げられる。これらはハードキャンディを作る際に、砂糖、水飴を溶解し、さらに野菜エキス等を加え、水分を5重量%以下まで濃縮する事、もしくは砂糖、水飴を溶解し、水分を5重量%以下まで濃縮した後に野菜エキスもしくはパウダーを添加する事で作られるため、携帯性は高いものの、キャンディに含有可能な野菜の量は極めて少なく、効率的に野菜を摂取することはできない。
なお、セルロース誘導体は、例えば、被覆軟カプセルの付着防止(特許文献5)に見られるように、フィルム形物質として用いた技術は知られているが、添加剤として効果については一般的ではない。
上記のように、携帯性に優れ、なおかつ,見栄え良く、時と場所を選ぶことなく手軽に効率良く野菜を摂取することができ、さらに、野菜の健康感を損なうことなくおいしく食することが可能な新しい食品の登場が期待されている。
特開2002−45143号公報 特開平10−295316号公報 特開2007−295899号公報 特開平8−214824号公報 特開平8−34727号公報
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、野菜の持つ健康感を損なうことなく、よりおいしく、且つ、効率的に野菜を食することが可能な野菜含有のハードキャンディ及びその製造方法を提供し、また同時に品質の向上、生産性の向上を図ることを目的とする。
先に本出願人は、乾燥果実の水分量と油脂量を規定した乾燥果実部をハードキャンディと組み合わせる事で、果実本来の濃厚な味わいを表現したハードキャンディの作製に成功し、この内容を発明として特許を出願している(特願2008−103210号)。しかし、この発明において果実を野菜に置き換えた場合、野菜と果実の成分的な差異により、出来上がった野菜加工品はパサついた見た目、及び、食感になり、ハードキャンディと組み合わせた際にも成形が難しいという問題があった。さらに、この野菜加工品のパサつきを抑えようと水分量を上げたり、ゲル化剤を添加したりすればするほど、成型時に機器への付着性が強まるという、相反する問題も内包していた。すなわち、より付着性を低減し、歩留まりの向上をはかると共に、より品質の良い製品を作ることが求められていた。
以上このような、付着を防止あるいは低減する方法として、例えば本出願人は、先に出願した提案(特願2009−43744号)において乾燥野菜、油脂、ゲル化剤に加えて、界面活性剤を用いることにより、野菜加工品部のべたつきが減少し、カッティング後のキャンディ同士の再付着、及び機器への付着が抑えられることを可能にした。
本発明者らは、前記事情を踏まえ鋭意研究を行った結果、野菜加工品部にセルロース誘導体を添加することで、驚くべきことに野菜加工品部の付着性が低減することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、
[1]乾燥野菜40重量%以上、油脂1〜15重量%、ゲル化剤0.1〜10重量%、セルロース誘導体0.1〜5重量%及び水分5〜15重量%を含有する野菜加工品部と、水分値が5重量%以下であるハードキャンディ部とからなり、前記野菜加工品部がミンチ状の乾燥野菜と油脂とゲル化剤とセルロース誘導体とが混練されてなり、前記野菜加工品部と前記ハードキャンディ部の表面積の比が1:20〜5:1であることを特徴とする野菜含有ハードキャンディ
[2]前記ゲル化剤がプルラン及び/又はペクチンである前記[1]に記載の野菜含有ハードキャンディ、
[3]前記セルロース誘導体が、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースよりなる群から選ばれる1種以上である前記[1]又は[2]に記載の野菜含有ハードキャンディ、
[4]乾燥野菜に油脂と膨潤させたゲル化剤、セルロース誘導体を混合・混練して野菜加工品を調製する工程、及び
野菜加工品を押し出して線状にし、ハードキャンディと組み合わせる工程、又は野菜加工品とハードキャンディとを線状にして組み合わせる工程を有することを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の野菜含有ハードキャンディの製造方法に関する。
本発明の野菜含有ハードキャンディは、乾燥野菜を40重量%以上含んだ野菜加工部がキャンディ表面に露出しており、キャンディの味が野菜の独特の風味を和らげることで、野菜をおいしく、且つ、効率的に食することができる。また、セルロース誘導体を添加することで、野菜加工部のべたつきを一層低減し、歯つきの低減や機械への付着防止効果だけでなく、見た目も大幅に改善することができ、生産性と品質を同時に向上させることが可能となる。
本発明の野菜含有ハードキャンディは、乾燥野菜を40重量%以上、油脂1〜15重量%、ゲル化剤0.1〜10重量%、セルロース誘導体0.1〜5重量%及び水分5〜15重量%を含有する野菜加工品部と、水分値が5重量%以下であるハードキャンディ部からなり、前記野菜加工品部表面積と前記ハードキャンディ部表面積の比が1:20〜5:1であることを特徴としている。
乾燥野菜をハードキャンディ中に含有させる等して単純に組み合わせた場合、乾燥野菜とハードキャンディの口溶けの差に起因するなめ心地の悪さや風味の問題、さらには、生産上の問題(伸展性に乏しい、機器等への付着による目詰まり等)がある。また、これらの問題は乾燥野菜の含有率を大きくするほど顕著になる。
これに対し、本発明では、乾燥野菜、特定量の油脂、ゲル化剤、セルロース誘導体等を含有する野菜加工品部を形成し、この野菜加工品部と別途作製したハードキャンディ部とを組み合わせることで、前記のような問題が解消された、又は顕著に低減された野菜含有ハードキャンディとすることができる。
本発明に使用する野菜加工品部は、乾燥野菜、油脂、ゲル化剤、セルロース誘導体及び水を含む。
前記野菜加工品部における乾燥野菜の含有量としては、40重量%以上であり、40〜50重量%がより好ましい。
前記乾燥野菜としては、乾燥野菜とすることが可能な野菜であればよく、ホウレン草やキャベツに代表される葉菜類、トマトやカボチャに代表される果菜類、ニンジンやタマネギに代表される根菜類、インゲンやエダマメに代表される豆類等が利用できるが、これらに限定されるものではない。その他、フリーズドライ野菜及びその粉末品も原料として使用することが可能である。
また、前記乾燥野菜としては、生の野菜の形を保ったものをそのまま野菜加工品部に使用してもよいが、前記油脂、ゲル化剤、及びセルロース誘導体の添加効果が顕著になり、加工のし易さを考慮に入れると、乾燥野菜を所望のミキサー等によって適当な大きさに粉砕処理したものを用いることが好ましい。
野菜加工品部の油脂の含有量としては、野菜加工品部中に1〜15重量%、好ましくは3〜8重量%、より好ましくは4〜6重量%である。油脂量が1重量%より少ないと野菜加工品部のべたつきが激しく成型工程等の作業性に問題をきたす傾向があり、また、15重量%よりも多いと野菜加工品部表面に油が浮き出てきて、油っぽい味となる傾向がある。なお、前記油脂量とは、野菜含有ハードキャンディの野菜加工品部における含有量をいう。
本発明において使用する油脂としては、食品用油脂であればよいが、野菜加工品の伸展性に優れるという観点から、固体脂含量(Solid fat content;以下SFCと略す)が10〜30℃で70%以上であり、且つ、50℃以上で40%以下のものが好ましい。具体的には、前記SFCが10℃、20℃、30℃のいずれかで70%以上であり、かつ50℃で40%以下のものであるものが好ましい。
本発明では、前記の特定範囲のSFCの油脂を使用することで、野菜加工品の製造時において野菜加工品の油分の一部が液体状態となることから野菜加工品はハードキャンディと同様の伸展性ある物性となり、ゲル化剤による伸縮性とあい合わさり作業性が極めてよくなり生産性を向上させるという利点がある。
前記SFCを有する油脂としては、天然の動植物油脂の他、それらにエステル交換、水素添加、分別等を施した加工油脂が挙げられるが、野菜の風味・健康感を損なわないという観点から無味無臭の油脂が好ましい。
なお、SFCの測定は、IUPAC2.150(Solid Content Determination in Fats by NMR)に準じて行うことができる。
また、野菜加工品部の水分値(乾燥野菜中の水分も含む)としては、5〜15重量%、好ましくは6〜10重量%、より好ましくは7〜9重量%である。水分値が5重量%より低いと味・食感において乾燥野菜のおいしさが出にくい傾向があり、また15重量%よりも多いと、ハードキャンディとの界面で水分移行が起こりやすく、保存性・耐久性が低下する傾向がある。なお、前記水分値とは、野菜含有ハードキャンディの野菜加工品部中における含有量をいう。
また、水分値は、減圧乾燥法で測定することができる。
また、野菜加工品部におけるゲル化剤の含有量としては0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜4重量%、より好ましくは1〜3重量%である。
ゲル化剤の含有量が0.1重量%より低いと味・食感において乾燥野菜のおいしさが出にくい傾向があり、また10重量%よりも多いと、ゲル化剤による弾力感、口溶けの悪化が生じやすく、野菜本来の健康的なイメージとそぐわない。なお、前記ゲル化剤含量とは、野菜含有ハードキャンディの野菜加工品部中における含有量をいう。
また、本発明で使用できるゲル化剤としては、水溶性に優れ、増粘性があり、かつ弾力性に乏しいという観点から、プルランとペクチンとの併用、もしくはどちらか単体での使用が好ましいが、用途によっては寒天、カラギーナン、ゼラチン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カードラン、ジェランガム、その他のゲル化剤を使用しても何ら問題はない。
また、野菜加工品部のセルロース誘導体の含有量としては、0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜2.5重量%、より好ましくは0.7〜1.5重量%である。セルロース誘導体の含有量が0.1重量%よりも少ないと、後述の成型時に、野菜含有キャンディ同士、及び、野菜含有キャンディ中の野菜加工品部の機器への付着が生じやすい。また、5重量%よりも多いとセルロース誘導体独特の味や香がキャンディに残りやすくなる。なお、前記セルロース誘導体含量とは、野菜含有ハードキャンディの野菜加工品部中における含有量をいう。
また、本発明で使用できるセルロース誘導体とは、可逆的熱ゲル特性を有するものであればよく、特に限定はない。すなわち、高温時にはゲル化し、低温時には元に戻るという物性を有することが重要である。中でも、メチルセルロース(MC)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)よりなる群から選ばれる1種類以上がより好ましい。MCは食品添加物公定書に収載されているセルロースエーテルであり、HPMCはMCに2−ヒドロキシプロピル基を導入したセルロース誘導体である。また、前記セルロース誘導体は、野菜加工品部中に分散することによって効果が得られる。またセルロース誘導体の特徴としてはキャンディの成型時において、高温時にゲル化することで野菜加工品部の保型性を高め、食する際にはそのゲルが形成されていないため、味や食感への影響がほとんど出ないと考えられる。
また、さらに界面活性剤と併用することも可能である。
本発明で使用できる界面活性剤は、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテルよりなる群から選ばれる1種以上が好ましいが、より好ましくはショ糖脂肪酸エステルとソルビタン脂肪酸エステルの併用、もしくはどちらか単体での使用が望ましいが、用途によってはその他の界面活性剤と組み合わせても何ら問題はない。また、前記界面活性剤は、乳化目的として使用するのではなく、野菜加工品部中に分散することによって効果が得られる。
また、野菜加工品部中の界面活性剤の含有量としては、後述の成型用型からのキャンディの離型をより効率よく行い、またキャンディの味を良好に保つ観点から、0.1〜5.0重量%、好ましくは0.5〜2.5重量%、より好ましくは0.7〜1.5重量%である。
また、前記野菜加工品部は、必要であれば糖類、香料、着色料等を含有してもよい。
前記野菜加工品部と組み合わせるハードキャンディ部は、水分値が5重量%以下のハードキャンディであれば特に限定はなく、砂糖ベースのキャンディのほか、マルチトール、パラチノース等の糖アルコールベースのノンシュガーキャンディでもよい。味としても限定はなくミルクキャンディのほか、黒飴、はちみつキャンディ、フルーツキャンディ、ミントキャンディ等様々な味が可能であり、野菜加工品部のおいしさを引き出すような味が付与されたハードキャンディであればよい。
前記ハードキャンディに使用される成分としては、公知のハードキャンディと同じものであればよく、特に限定はない。また、前記ハードキャンディ部は、公知の方法に従って製造すればよく、例えば、砂糖、水飴、還元水飴等の糖類を、必要であれば乳成分、果汁、はちみつ等と共に加熱溶解し、濃縮する方法が挙げられる。
また、本発明の野菜含有ハードキャンディでは、前記野菜加工品部と前記ハードキャンディ部の表面積比率が1:20〜5:1、好ましくは1:5〜3:1、より好ましくは1:2〜2:1である。1:20よりも野菜加工品部の表面積が少ないと、ハードキャンディ主体の味となってしまい、野菜の効率的な摂食や健康感という観点から考えると不十分となり、5:1よりも野菜加工品部の表面積が多いと、野菜由来の独特な風味が出てしまい、ハードキャンディとの味の調和が生まれず、野菜加工品をよりおいしくたべさせる形態として好ましくない。
なお、前記表面積比率は、野菜含有ハードキャンディの全表面積における露出している野菜加工品部の表面積と、露出しているハードキャンディ部の表面積とを測定した場合の比率であり、常法により、測定することができる。例えば、表面積の測定は、目視で直接野菜含有ハードキャンディの外形を測定してもよいし、オリンパス株式会社製のデジタルマイクロスコープ「MVX−XD System」等の市販の測定器を用いて測定してもよい。
以上のような構成を有する本発明の野菜含有ハードキャンディの製造方法は、
[1]乾燥野菜に油脂と膨潤させたゲル化剤、セルロース誘導体を混合して野菜加工品を調製する工程、
[2]野菜加工品を押し出して線状にし、ハードキャンディと組み合わせる工程、又は野菜加工品とハードキャンディとを線状にして組み合わせる工程
を有することを特徴とする。
本発明の製造方法では、まず、乾燥野菜を所望の形状で使用し、必要であればミンチ状等に加工し、油脂及び膨潤させたゲル化剤、セルロース誘導体、必要であれば酸や香料、着色料等を均一に混合・混練して野菜加工品を調製する。前記乾燥野菜の大きさは、乾燥野菜の種類、野菜加工品の組成等に基づいて決定すればよい。前記混合(混練)条件は、油脂、ゲル化剤、及び、セルロース誘導体の種類により一概に限定できないが、少なくとも油脂の一部が溶解するような温度条件で行うことで、混合物(混練物)の粘度が下がり、油脂が均一に野菜にいきわたるという利点があるため、好ましい。
前記乾燥野菜をミンチ加工する場合には、グラインダー、ミンサー等を使用することができ、これらのグラインダープレート径は3mm〜6mmであることが好ましい。3mmよりも細かくミンチしすぎると野菜の持つ繊維感を損なってしまい、また6mmよりも荒すぎると、その後の油脂及び酸、香料、着色料、セルロース誘導体との混合が均一に行われず好ましくない。
また、野菜加工品を製造する際に、SFCが10〜30℃で70%以上であり、50℃以上で40%以下の油脂を用いていることで、比較的高温での処理が必要なハードキャンディと野菜加工品の張り合わせ工程もしくは両部材を線状にする工程において、前記の特定範囲のSFCの油脂を使用することで、野菜加工品の油分の一部が液体状態となることから野菜加工品はハードキャンディと同様の伸展性ある物性となり、ゲル化剤による伸縮性とあい合わさり作業性が極めてよくなり生産性を向上させるという利点がある。
また、野菜加工品を製造する際に、セルロース誘導体を用いることでべたつきがなくなり、カット後のキャンディ同士の再付着、及び、機器への付着がなくなるため、連続的な生産が可能となり、また品質面の安定化にもつながる。
また、ゲル化剤の膨潤は、公知の手段により行えばよく、その程度についても特に限定はない。例えば、ゲル化剤と水や水飴とを混合させることで膨潤させることができる。
続く工程では、得られた野菜加工品をスクリュー型押し出し機等で押出して線状にし、ハードキャンディと組み合わせスタンピング成型する、あるいはハードキャンディで包むように野菜加工品を投入し、バッチローラー等で野菜加工品とハードキャンディを同時に線状にした後、フラワーカッターにてカット成型する。
前記成型条件(例えば、線状の野菜加工品の形状、大きさ、ハードキャンディによる野菜加工品の被覆率等)を調整することで、野菜加工品部とハードキャンディ部との表面積の比率を調整することができる。なお、前記線状には、ロープ状、糸状、棒状等が含まれる。
また、前記スタンピング成型条件としては、油脂、ゲル化剤、及び、セルロース誘導体の種類、野菜加工品、及び、ハードキャンディの組成により一概に限定できないが、例えば、60〜80℃であることが好ましい。
スタンピング成型した後は、油脂が急速に固化するためスタンピング機材から容易にデモールドすることが可能となる。
また、ハードキャンディで包むように野菜加工品を投入する場合のハードキャンディの温度は、65〜75℃が好ましい。
線状にした前記野菜加工品やハードキャンディはフラワーカッター等でさらに所望の大きさにカット成形する。本発明では、フラワーカッター等でカットする場合、カッティング後のアベックの問題が出ず容易に成形できる。
以上のようにして得られる本発明の野菜含有ハードキャンディは、そのまま食した場合に、乾燥野菜とハードキャンディの口溶けの差に起因するなめ心地の悪さや風味の問題が解消され、野菜本来の健康感を損なわず、野菜とキャンディとの味の調和から新規な風味を楽しむことができる。また、本発明の野菜含有ハードキャンディは、保存性が良好であるため、例えば、焼き菓子類、チョコレート、ガム等の菓子類とも好適に組み合わせることが可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
水分値4重量%のホウレン草パウダー200部に砂糖50部、粉飴50部、還元水飴100部、植物油脂として「メラノNEWSS−7」(不二製油社製)20部、ゲル化剤として「プルラン」(林原商事)3部と「GENU pectin type BB RAPID SET-J」(三昌株式会社)7部、セルロース誘導体としてHPMC4部を加えて40℃で混合装置((株)井上製作所製、ニーダーKH-20-S)で混合・混錬しながら、酸味料5部、香料1部を加えてさらに混合・混錬し、乾燥ホウレン草加工品を得た。なお、ゲル化剤は事前に還元水飴と混合し、膨潤させておくことが望ましい。
別途、砂糖500部、水飴425部、乳成分100部を水に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、ミルク香料を少量加えて水分値4重量%のミルクキャンディを得た。
上記乾燥ホウレン草加工品をエクストルーダーを用いてロープ状に成形した後、乾燥ホウレン草加工品とミルクキャンディとを表面積比率で1:1となるように70℃でスタンピング成型し、単重5gの野菜含有ハードキャンディを作製した。
このようにして得られた野菜含有ハードキャンディは、口中でホウレン草本来の風味・食感を十分に感じることが出来つつも、ミルクキャンディの風味により野菜独特のえぐさが緩和され、ホウレン草を主体に使った、洋菓子風のおいしい風味を引き出すことができた。また成型後のキャンディ同士の付着や、スタンピングマシーンへのキャンディの付着も見られず、見た目にもきれいなキャンディであった。
なお、表面積の測定は、目視にて行い、得られた野菜含有ハードキャンディの全表面積中における乾燥ホウレンソウ加工品部とハードキャンディ部の表面積の比率を測定した。以下の実施例等でも同様にして表面積の測定を行った。
(実施例2)
水分値8重量%の乾燥ニンジン200部をグラインドプレート径が4mmのミンサーにて粉砕し、砂糖60部、粉飴50部、還元水飴90部、植物油脂として「メラノNEWSS−7」20部、ゲル化剤として「プルラン」(林原商事)3部と「GENU pectin type BB RAPID SET-J」(三昌株式会社)6部、セルロース誘導体としてMC4部を加えて40℃で混合・混錬しながら、酸味料5部を加えてさらに混合・混錬し、乾燥ニンジン加工品を得た。なお、ゲル化剤は事前に還元水飴と混合し、膨潤させておくことが望ましい。
別途、砂糖600部、水飴525部、濃縮マンゴー果汁15部を水に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、酸味料、マンゴー香料を少量加えて水分値3重量%のマンゴーキャンディを得た。上記ニンジン加工品をロープ状に成形した後、ニンジン加工品とマンゴーキャンディとを表面積比率で1:1となるように70℃でスタンピング成型し、単重5gの野菜含有ハードキャンディを作製した。
このようにして得られた野菜含有ハードキャンディは、口中でニンジン本来の風味・健康感を十分に感じることが出来、深みあるニンジンの風味とマンゴーキャンディのさわやかな香りが混じり合って、新しいおいしさを引き出すことができた。
(実施例3)
水分値15重量%の乾燥カボチャ200部をグラインドプレート径が4mmのミンサーにて粉砕し、水分値が13重量%になるまで40℃の温風庫にて乾燥した。砂糖80部、粉飴80部、還元水飴10部、植物油脂として「メルバ45」(不二製油社製)20部、ゲル化剤として「プルラン」(林原商事)3部と「GENU pectintype AS confectionary-J」(三昌株式会社)7部、セルロース誘導体としてHPMC4部を加えてを加えて40℃で混合・混錬しながら、酸味料3部を加えてさらに混合・混錬し、乾燥カボチャ加工品を得た。なお、ゲル化剤は事前に乾燥カボチャミンチと混合し、膨潤させておくことが望ましい。
別途、砂糖500部、水飴425部、乳成分100部、卵成分10部を水に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、酸味料、プリン香料を少量加えて水分値3重量%のプリンキャンディを得た。上記カボチャ加工品とプリンキャンディをバッチローラーで同時に線状にした後、表面積比率で1:1となるようにフラワーカッターでカット成型し、単重5gの野菜含有ハードキャンディを作製した。
このようにして得られた野菜含有ハードキャンディは、口中でカボチャ本来の風味・食感を十分に感じることが出来、且つ、プリンキャンディの風味が野菜本来のえぐさを絶妙にマスキングすることで、まるでカボチャプリンを味わっているかのような洋菓子的なおいしさを引き出すことができた。また成型後のキャンディ同士の付着や、フラワーカッターへのキャンディの付着も見られず、見た目にもきれいなキャンディであった。
(実施例4)
水分値20重量%のトマトペースト200部を水分値が13重量%になるまで40℃の温風庫にて乾燥した。砂糖80部、粉飴80部、還元水飴10部、植物油脂として「硬化菜種油35」(不二製油社製)20部、ゲル化剤として「プルラン」(林原商事)10部、セルロース誘導体としてHPMC4部を加えて40℃で混合・混錬しながら、酸味料6部を加えてさらに混合・混錬し、トマト加工品を得た。なお、ゲル化剤は事前にトマトペーストと混合し、膨潤させておくことが望ましい。
別途、黒砂糖300部、砂糖300部、水飴525部を水に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、黒糖香料を少量加えて水分値3重量%の黒糖キャンディを得た。上記ドライトマト加工品と黒糖キャンディをバッチローラーで同時に線状にした後、表面積比率で1:1となるようにフラワーカッターでカット成型し、単重5gの野菜含有ハードキャンディを作製した。
このようにして得られた野菜含有ハードキャンディは、口中でトマト本来の風味・食感を十分に感じることが出来、且つ、黒糖キャンディの風味がトマトの青臭さを押さえ込み、まるでトマトに黒蜜がかかったかのような新しいおいしさを引き出すことができた。また成型後のキャンディ同士の付着や、フラワーカッターへのキャンディの付着も見られず、見た目にもきれいなキャンディであった。
(実施例5、6)
実施例1において、野菜加工品の油脂含量を表1となるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gの野菜含有ハードキャンディを作製した。実施例5の配合で作製した場合、実施例1と比べると野菜加工品の食感が幾分硬くなったものの、良好な風味を有し、生産上問題なく作ることができた。また、実施例6の配合で作成した場合、実施例1と比べると野菜加工品の食感がやや柔らかくなったものの、良好な風味を有し、生産上問題なく作ることができた。
(実施例7、8)
実施例1において、野菜加工品の砂糖・粉飴・還元水飴量を調整することで、水分含量を表1となるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gの野菜含有ハードキャンディを作製した。実施例7の配合で作製した場合、実施例1と比べると水分含量が低いものの、良好な風味・食感を有し、また生産上問題なく作ることができた。また実施例8の配合で作製した場合、実施例1と比べると水分含量が高いため良好な風味を有し、食感が幾分柔らかいものの、生産上問題なく作ることができた。
(実施例9、10)
実施例1において、野菜加工品のゲル化剤含量を表1となるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gの野菜含有ハードキャンディを作製した。実施例9の配合で作製した場合、実施例1と比べると野菜加工品の食感が粉っぽくなったものの、良好な風味を有し、生産上問題なく作ることができた。また、実施例10の配合で作製した場合、実施例1と比べると野菜加工品の食感に弾力が生じやや硬くなり、野菜の風味が多少落ちるため健康感を感じにくくなったものの、良好な風味を有し、生産上問題なく作ることができた。
(実施例11、12)
実施例1において、野菜加工品のセルロース誘導体含量を表1となるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gの野菜含有ハードキャンディを作製した。実施例11の配合で作製した場合、実施例1と比べると若干べたつきがあったものの、良好な風味を有し、生産上問題なく作ることができた。また、実施例12の配合で作製した場合、実施例1と比べると野菜の風味が多少落ちるため健康感を感じにくくなったものの、良好な風味を有し、生産上問題なく作ることができた。
(実施例13、14、15、16)
実施例1において、野菜加工品とキャンディの表面積比率を表1となるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gの野菜含有ハードキャンディを作製した。実施例13、14の比率で成型した場合、実施例1と比べ野菜の風味が幾分強いものの、キャンディとの味のハーモニーを生み出し、生産上問題なく作ることができた。また、実施例15、16の比率で作製した場合、実施例1と比べキャンディの風味が幾分強いものの野菜加工品との味のハーモニーを生み出し、生産上問題なく作ることができた。
(実施例17)
実施例1において、植物油脂を液体油脂である「パームエース10」(不二製油製)に変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5gの野菜含有ハードキャンディを作製した。得られた野菜含有ハードキャンディは、スタンピング成型時、圧力で油が染み出したのか、若干油っぽいものの、良好な風味を有し、生産上問題なく作ることができた。
(実施例18)
実施例1において、植物油脂を「メラノSS−400」(不二製油製)に変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5gの野菜含有ハードキャンディを作製した。実施例1と比較して、ホウレン草加工品部とミルクキャンディを張り合わせて引き伸ばす工程において、ホウレン草加工品部が若干伸びにくかったものの、良好な風味を有し、生産上問題なく作ることができた。
(比較例1)
ホウレン草加工品とミルクキャンディの表面積比率を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様にして単重5gのキャンディを作製した。得られたキャンディはホウレン草の風味が弱く、健康感溢れる野菜キャンディとしては物足りない程度の味わいしか感じられなかった。
(比較例2)
ホウレン草加工品部とミルクキャンディ部の表面積比率を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様にして単重5gのキャンディを作製した。得られたキャンディは、ホウレン草の青臭い風味は感じられるものの、ハードキャンディとの味のハーモニーが生まれず、ホウレン草をよりおいしく食べさせるという面では、実施例1で得られた野菜含有ハードキャンディと比べ劣っていた。
(比較例3、4)
野菜加工品の油脂含量を表2に示すように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gのキャンディを作製した。比較例3の配合で作製した場合、良好な風味を有するものの、油脂含量が少ないため、べたつきが激しく生産上問題をきたした。
また、比較例4の配合で作製した場合、良好な食感を有するものの、油脂含量が多いため、油っぽい風味となり、また成型時野菜加工品から油の染み出しを起こし、スタンピング機材に油が大量に付着し、生産上問題をきたす結果となった。
(比較例5、6)
野菜加工品の砂糖・粉飴・還元水飴量を調整することで、水分含量を表2となるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gのキャンディを作製した。比較例5の配合で作製した場合、水分が少ないため、野菜加工品の風味が弱く、また硬い食感となってしまった。また、比較例6の配合で作製した場合、良好な風味・食感を有したものの、水分が多すぎるためスタンピング機材に付着してしまい、生産上問題をきたした。
(比較例7)
実施例1において、植物油脂を液体油脂である「パームエース10」(不二製油製)に変更し、さらに、野菜加工品の油脂含量を表2となるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gのキャンディを作製した。比較例7の配合で作製した場合、得られたキャンディは、スタンピング成型時、圧力で油が染み出し、味としても油っぽかったため、風味、食感、生産性、品質の全ての評価が悪いものであった。
(比較例8)
実施例1において、植物油脂を「メラノSS−400」(不二製油製)に変更し、野菜加工品の油脂含量を表2となるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5gのキャンディを作製した。しかし、ホウレン草加工品部とミルクキャンディを張り合わせて引き伸ばす工程において、ホウレン草加工品部が伸びにくく、作業工程に問題をきたした。
(比較例9)
実施例1において、植物油脂を「メラノSS−400」(不二製油製)に変更し、さらに、野菜加工品の油脂含量を表2となるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gのキャンディを作製した。比較例9の配合で作製した場合、良好な風味を有するものの、液状の油脂含量が少ないため、べたつきが激しく生産上問題をきたした。
(比較例10、11)
野菜加工品のゲル化剤含量を表2に示すように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gのキャンディを作製した。比較例10の配合で作製した場合、良好な風味を有するものの、ゲル化剤を含まないため、ホウレン草加工品部とミルクキャンディを張り合わせて引き伸ばす工程において、ホウレン草加工品部が伸びにくく、作業工程に問題をきたした。
また、比較例11の配合で作製した場合、良好な食感を有するものの、ゲル化剤含量が多いため、野菜加工品部の口溶けが悪く、野菜の香りがほとんどでないため、野菜の健康感を感じることができない。又はドキャンディと組み合わせた際に、ハードキャンディの持つ熱によるゲル化剤のべたつきにより、スタンピング機材への野菜加工品が付着し、生産上問題をきたす結果となった。
(比較例12、13)
野菜加工品のセルロース誘導体含量を表2に示すように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gのキャンディを作製した。比較例12の配合で作製した場合、良好な風味を有するものの、セルロース誘導体を含まないため、ホウレン草加工品部とミルクキャンディを張り合わせて引き伸ばす工程において、ホウレン草加工品部のべたつきがやや強く、特に量産化において、歩留まりが悪く、また見た目の品質面に課題が残る結果となった。
また、比較例13の配合で作製した場合、良好な食感を有し、作業工程自体には問題は見られなかったが、セルロース誘導体含量が多いため、セルロース誘導体独特の臭味が感じられ、野菜の香りがわかりにくいため、野菜の健康感を感じることができない。
以上のように、実施例1〜18で得られた野菜含有ハードキャンディはいずれも風味、食感、生産性、及び品質に優れたものであることがわかる。
なお、実施例1〜18及び比較例1〜13で得られた野菜含有ハードキャンディの組成と評価(風味、食感、生産性、品質)を表1、2に示す。また、使用した油脂のSFCを表3に示す。
表1、2における評価基準は以下のとおり。
風味
「◎」野菜加工品の風味が良好で、且つ、キャンディと非常によく調和している。
「○」野菜加工品の風味が良好で、且つ、キャンディとよく調和している。
「×」野菜加工品の風味が弱いもしくは油っぽい等キャンディとの味の調和が見られない。
食感
「◎」素材感(繊維感)を非常に感じやすい食感となっている。
「○」素材感(繊維感)を感じやすい食感となっている。
「×」硬すぎるため、素材のおいしさを引き出せていない食感である。
生産性
「◎」べたつきがない・油染みがない・伸展性に優れている等、極めて作業性がよい。
「○」べたつきがない・油染みがない・伸展性に優れている等、作業性がよい。
「△」べたつきがあり、作業性にやや劣る。
「×」べたつきが激しい、油染みが強い、伸展性に乏しい等の理由により、作業性が悪い。
品質
「◎」野菜加工品部とハードキャンディ部が極めてきれいに組み合わさっている。
「○」野菜加工品部とハードキャンディ部がきれいに組み合わさっている。
「△」野菜加工品部とハードキャンディ部、乱雑に組み合わさっているものが一部発生する。
「×」野菜加工品部とハードキャンディ部が乱雑に組み合わさっている。
(試験例)
実施例1〜18及び比較例1〜13で得られた野菜高含有ハードキャンディを37℃・湿度80%で1.5ヶ月間保存した後、食べてみて、風味、食感の耐久・保存性について評価した。これらの評価結果を表1、2に示す。
実施例1〜18で得られた野菜高含有ハードキャンディは、いずれもキャンディの風味、特に野菜加工品部の風味及び食感に大きな変化はなかった。しかし、比較例4のように油脂含量が多すぎるものは時間とともに油が染み出し、また比較例6のように水分含量が多すぎるものはハードキャンディ部と野菜加工品部との界面で水分移行を起こした。また、比較例7のものは、油の染み出しが多く、べたついたような見た目となった。一方、比較例11のようにゲル化剤含量が多いものは、野菜加工品部の食感が固くなり、口溶けも悪化していた。
したがって、実施例1〜18で得られた野菜高含有ハードキャンディはいずれも耐久・保存性に優れたものであることがわかる。
なお、表1、2中、「○」は耐久・保存性あり、「×」は耐久・保存性なしとする。
Figure 0004924661
Figure 0004924661
Figure 0004924661

Claims (4)

  1. 乾燥野菜を40重量%以上、油脂1〜15重量%、ゲル化剤0.1〜10重量%、セルロース誘導体0.1〜5重量%及び水分5〜15重量%を含有する野菜加工品部と、水分値が5重量%以下であるハードキャンディ部とからなり、前記野菜加工品部がミンチ状の乾燥野菜と油脂とゲル化剤とセルロース誘導体とが混練されてなり、前記野菜加工品部と前記ハードキャンディ部の表面積の比が1:20〜5:1であることを特徴とする野菜含有ハードキャンディ
  2. 前記ゲル化剤がプルラン及び/又はペクチンである請求項1に記載の野菜含有ハードキャンディ。
  3. 前記セルロース誘導体が、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースよりなる群から選ばれる1種以上である請求項1又は2に記載の野菜含有ハードキャンディ。
  4. 乾燥野菜に油脂と膨潤させたゲル化剤、セルロース誘導体を混合・混練して野菜加工品を調製する工程、及び
    野菜加工品を押し出して線状にし、ハードキャンディと組み合わせる工程、又は野菜加工品とハードキャンディとを線状にして組み合わせる工程を有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の野菜含有ハードキャンディの製造方法。
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