JP2018171014A - 耐熱保型性粒状油脂組成物 - Google Patents

耐熱保型性粒状油脂組成物 Download PDF

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【課題】呈味素材や呈色成分を含み、加熱調理後もパンや菓子の生地中に局在化し、口溶けが良好で、少量でも味を強く感じさせることができる安価なパン・菓子用粒状油脂組成物の提供。【解決手段】呈味素材及び/又は呈色成分を含むパン・菓子用粒状油脂組成物であって、油脂組成物全体中、無脂カカオ分が2重量%以下、カカオバターが15重量%以下、水分が10重量%以下であり、固体脂含量が10℃で10〜95%、20℃で5〜90%、35℃で0〜30%の油脂を20〜70重量%、デキストリン、乳糖、麦芽糖、食物繊維及びトレハロースから選ばれる少なくとも1種である水溶性の固形分を25〜75重量%含有し、水溶性固形分/水分(重量比率)が5.0以上である粒状油脂組成物。パーム系油脂の中融点部及び/又はラウリン系油脂の極度硬化油を含むことが好ましい、前記パン・菓子用粒状油脂組成物【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱保型性を有する粒状油脂組成物及びそれを含むパン・菓子に関する。
パン・菓子への風味付けの一つに、焼成後もそのままの形状で残るナッツやドライフルーツ、チョコチップ等の呈味素材を、ベースとなる生地に混合する方法がある。この方法で風味付けをしたパンや菓子は、局在化した呈味部分を噛んだ際、食感とともに風味が口に広がり、その素材の風味を強く感じることができる。しかし、この方法をとることができるのは、パン・菓子を焼成もしくは蒸しても溶けずに残る、耐熱保型性をもった呈味素材のみであった。また、たとえ耐熱保型性があっても、粉末のシナモンや胡椒、カレー粉のように粒の細かい素材は生地中に分散してしまい、噛んだ瞬間に強い風味を感じさせるのは難しかった。
風味を局在化させ、菓子やパンの生地中で焼き残らせる方法として、キャラメルやいちご等の呈味素材や香料、色素を含むホワイトチョコレートチップをパン・菓子生地に混ぜたり、トッピングする方法がある。ホワイトチョコレート生地は、油分と、油分に対して一定以上の比率の固形分を混合したものであるが、これを粒状に成型するには、縦型油脂であるカカオバターが必要であった。また、固形分としてはショ糖が使用されることが一般的である。以上より、ホワイトチョコレートチップは、カカオバター特有の風味とショ糖の甘味をベースの風味として有する。このため、惣菜系やスパイス系呈味素材とは相性が悪かった。加えて、カカオバターは一般の油脂と比べて高価であり、原料として使うことで製品コストが高くなるという問題点もあった。
特許文献1では、粉体と油脂を混合した耐熱性トッピング材が開示されているが、油脂としてカカオバター、粉体として粉糖が選択されており、カカオバターの風味や粉糖の甘い風味と相性の良い風味しか付与できなかった。また、カカオバターが使用されているため製品コストが高くなる。特許文献2では油脂と穀粉類を混合したチップ状の組成物が開示されているが、パンのクラムに近い食感にするために水に不溶の穀粉類を選択しているため、粉っぽい食感になり口どけの良さに欠ける。
特開2008−125384号公報 特開2009−240260号公報
本発明の目的は、呈味素材や呈色成分を含み、加熱調理後もパンや菓子の生地中に局在化し、口溶けが良好で、少量でも味を強く感じさせることができる安価なパン・菓子用粒状油脂組成物を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、無脂カカオ分、カカオバター、水分の含有量が一定量以下であり、特定の油脂、水溶性の固形分を特定量含有し、水溶性固形分/水分(重量比)が特定値である粒状油脂組成物に加え、呈味素材や呈色成分を含有する粒状油脂組成物は、パン・菓子生地に入れて加熱調理した後も局在化したまま焼き残り、呈味素材や呈色成分を少量しか添加しなくても味を強く感じさせ、濃い色を呈することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、呈味素材及び/又は呈色成分を含むパン・菓子用粒状油脂組成物であって、油脂組成物全体中、無脂カカオ分が2重量%以下、カカオバターが15重量%以下、水分が10重量%以下であり、固体脂含量が10℃で10〜95%、20℃で5〜90%、35℃で0〜30%の油脂を20〜70重量%、デキストリン、乳糖、麦芽糖、食物繊維及びトレハロースからなる群より選ばれる少なくとも1種である水溶性の固形分を25〜75重量%含有し、水溶性固形分/水分(重量比)が5.0以上であるパン・菓子用粒状油脂組成物に関する。好ましい実施態様は、パーム系油脂の中融点部及び/又はラウリン系油脂の極度硬化油を含む上記記載の、パン・菓子用粒状油脂組成物に関する。より好ましくは、呈味素材と呈色成分の合計含有量が油脂組成物全体中0.001〜55重量%である上記記載のパン・菓子用粒状油脂組成物に関する。本発明の第二は、前記記載のパン・菓子用粒状油脂組成物が含まれるパン又は菓子に関する。本発明の第三は、油脂組成物全体中、無脂カカオ分が2重量%以下、カカオバターが15重量%以下、水分が10重量%以下であり、油脂の固体脂含量が10℃で10〜95%、20℃で5〜90%、35℃で0〜30%の油脂を20〜70重量%、デキストリン、乳糖、麦芽糖、食物繊維及びトレハロースからなる群より選ばれる少なくとも1種である水溶性の固形分を25〜75重量%含有し、水溶性固形分/水分(重量比)が5.0以上であり、前記油脂中に呈味素材及び/又は呈色成分を含む混合物を攪拌し、冷却した後、粒状に成型することを特徴とするパン・菓子用粒状油脂組成物の製造方法に関する。
本発明に従えば、呈味素材や呈色成分を含み、加熱調理後もパンや菓子の生地中に局在化し、口溶けが良好で少量で味を強く感じさせることができる安価なパン・菓子用粒状油脂組成物を提供することができる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明の粒状油脂組成物は、専らパン・菓子用として用いるものであり、パン・菓子用生地を加熱後も焼け残り、パン・菓子中で呈味素材や呈色成分ごと不均一分散した状態となる。そのような粒状油脂組成物においては、無脂カカオ分、カカオバター、水分の含有量が一定量以下であり、特定の油脂、特定の水溶性の固形分を特定量含有し、水溶性固形分/水分(重量比)が特定値であることを特徴とする。
本発明の粒状油脂組成物を使用するパン・菓子とは、特に種類を問わないが、食パン、フランスパン、サンドロール、菓子パン、デニッシュ、クロワッサン、蒸しパン、パイ、クッキー、ビスケット、サブレ、クラッカー、パウンドケーキ、スポンジケーキ、その他焼き菓子、スナック菓子、蒸しケーキ等が挙げられるが、特にクッキー、ビスケット、サブレ、クラッカー、その他焼き菓子等に用いることが好ましい。また、焼き菓子とは、主な固形分が穀粉類のものや甘味の強いものには限らず、チーズを主な固形分とする焼き菓子やスナック菓子のようなものも含む。
前記無脂カカオ分とは、カカオからカカオバターを取り除いたもののことであり、惣菜系やスパイス系呈味素材とは相性が悪かったり、原料の値段が高いため、使用量は少ないほど好ましい。従って、無脂カカオ分の含有量は、パン・菓子用粒状油脂組成物全体中2重量%以下が好ましく、0.5重量%以下がより好ましい。2重量%より多いと、原料費が高くなったり、呈味素材の風味が無脂カカオ分の風味に邪魔される場合がある。
前記カカオバターは、カカオから無脂カカオ分を除いたものであり、惣菜系やスパイス系呈味素材とは相性が悪かったり、原料の値段が高いため、使用量は少ないほど好ましい。従って、カカオバターの含有量は、パン・菓子用粒状油脂組成物全体中15重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましく、5重量%以下がさらに好ましい。15重量%より多いと、呈味素材の風味がカカオバターの風味に邪魔される場合がある。
本発明のパン・菓子用粒状油脂組成物全体中においては、水分量は10重量%以下が好ましく、0〜8重量%がより好ましく、0.5〜6重量%が更に好ましく、0.5〜4重量%が特に好ましい。水分量が10重量%を超えると、耐熱保型性が悪い場合がある。
本発明の油脂組成物に含まれる油脂の固体脂含量は、10℃で10〜95%、20℃で5〜90%、35℃で0〜30%が好ましい。また、10℃で50〜85%、20℃で30〜70%、35℃で0〜15%がより好ましい。上記範囲を外れると、パン・菓子用粒状油脂組成物の耐熱保型性が落ちる場合がある。なお、油脂の固体脂含量は、社団法人日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の「2.2.9‐2003 固体脂含量(NMR法)」の測定方法に従って測定することができる。
前記油脂の種類は特に限定されないが、パーム油、パーム核油、ヤシ油、ラード、牛脂、菜種油、ハイエルシン菜種油、大豆油、コーン油、ひまわり油、サフラワー油やこれらの分別油、極度硬化油、さらにそれらをエステル交換した油脂等が挙げられる。それらの中でも、特に結晶化速度が速く口溶けの良い油脂が好ましく、パーム系油脂の分別中融点部、パーム核油やヤシ油等のラウリン系油脂がより好ましい。
前記油脂の含有量は、パン・菓子用粒状油脂組成物全体中20〜70重量%が好ましく、25〜60重量%がより好ましく、35〜55重量%が更に好ましい。20重量%より少ないと、油脂が少ないことで流動性が無く、製造することが難しくなる場合や食感が粉っぽくてざらざらする場合がある。また70重量%より多いと、相対的に固形分が少なくなり、油脂を保持する力が無くなって焼き残り性(耐熱保型性)が悪化する場合がある。
本発明の油脂組成物に含まれる水溶性固形分としては、デキストリン、乳糖、麦芽糖、食物繊維及びトレハロースが好ましく、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
前記デキストリンとは、デンプン又はグリコーゲンの加水分解で得られる低分子量の炭水化物の総称であり、該デキストリンのDEは4〜20が好ましい。ここでDEとは、dextrose equivalent(デキストロース当量)の略で、デンプンの糖化率を示す数値のことである。DEは、レーンアイノン(LANE−EYNON)法で測定できる。
前記乳糖とは、ラクトースとも呼ばれ、二糖類の低甘味度甘味料のことである。
前記麦芽糖とは、マルトースとも呼ばれ、α-グルコース2分子がα-1,4-グリコシド結合した還元性のある二糖類のことである。
前記トレハロースとは、2つのα-グルコースが1,1−グリコシド結合してできた二糖類のことである。
前記水溶性固形分の含有量は、パン・菓子用粒状油脂組成物全体中25〜75重量%が好ましく、35〜65重量%がより好ましい。25重量%より少ないと、耐熱保型性が不十分で焼き残らない(耐熱保型性が悪い)場合がある。また75重量%より多いと、流動性が無くなって製造が困難になったり、食感が粉っぽくなって口溶け感が悪化する場合がある。
前記水溶性固形分/前記水分(重量比)は、5.0以上が好ましく、10.0以上がより好ましい。重量比が5.0より小さいと、水溶性固形分が水に溶解し、耐熱保型性が低下する場合がある。ここで耐熱保型性とは、生地を加熱調理した後も、加熱調理前と同じ形・同じ大きさを保つ性質のことである。
本発明の、パン・菓子用粒状油脂組成物の形状は、粒状であれば問わないが、パン、菓子の中で焼き残りして風味が十分に得られるだけの、存在感のある大きさであることが好ましく、概ね一粒の重量が5〜3000mg程度であることが好ましい。
本発明における呈味素材としては、香料、乳呈味材、風味エキス、塩、有機酸類、醤油、酢、魚醤、だし、味噌、みりん、各種ソース類、ケチャップ、マヨネーズ、マスタード、ハーブ類、果実類加工品、野菜加工品、肉類の加工品、スパイス、カレー粉、バター、香味油、などが挙げられ、デキストリン、乳糖、麦芽糖、食物繊維及びトレハロースは呈味素材に含まれない。それらの中でも、パン・菓子としての風味の観点からは、香料、乳呈味剤、塩、風味エキスが好ましい。
前記呈味素材は、耐熱保型性に乏しい物であれば、より本発明の効果を享受できて好ましく、また耐熱保型性のある素材の場合でも、最大の長さが1〜10mmの物であれば、パン・菓子中での分散を容易にコントロールできるので、より本発明の効果を享受できて好ましい。
本発明における呈色成分としては、着色の効果があるものであれば特に限定されないが、呈色成分としては、アマランス、エリスロシン、アルラレッド、ニューコクシン、フロキシン、ローズベンガル、アシッドレッド、タートラジン、サンセットイエロー、ファストグリーン、ブリリアントブルー、インジゴカルミン、カラメル色素、クチナシ色素、アナトー色素、コチニール色素、ベータカロテン、パプリカ色素、フラボノイド色素、ベニバナ色素、ベニコウジ色素、アントシアニンなどが挙げられる。
そして、前記呈味素材と前記呈色成分は、少なくとも何れかがパン・菓子用粒状油脂組成物に含まれていれば良く、それらの合計含有量は、パン・菓子用粒状油脂組成物全体中0.001〜55重量%が好ましく、0.005〜50重量%がより好ましく、0.01〜45重量%が更に好ましい。合計含有量が0.001重量%より少ないと、目的とする風味や色調が得られない場合があり、55重量%より多いと、風味や色調が強くなりすぎる場合がある。
本発明の粒状油脂組成物の製造例を以下に例示する。まずは食用油脂を混合し、必要に応じて乳化剤を溶解する。さらに香料等の油溶性の呈味素材や呈色成分を混合し、十分に攪拌した後、水溶性固形分および水溶性の呈味素材や呈色成分を混合し、十分に攪拌する。油脂と水溶性固形分をよくなじませるため、通常の攪拌装置による攪拌の他に、ホモミキサー、ロールミキサー、ロールミル等を使用することもできる。このようにして油脂と水溶性固形分をなじませた、液状もしくはペースト状の混合物を固化して粒状にすることで、本発明の粒状油脂組成物を得ることができる。固化及び粒状化の方法としては、前記液状もしくはペースト状の混合物をそのままチップ状に滴下して冷却固化しても構わないし、ライン上で冷却固化しながらレイヤーカット等で成型しても良い。また、液状、もしくはペースト状の混合物はブロック状に固めた後に、押し出し成型装置等で粒状に成型して作製してもかまわない。
本発明の粒状油脂組成物は、穀粉類を用いて生地を作製して加熱調理する食品全般即ちパン、菓子用に幅広く用いることができる。ここで加熱調理とは、焼いたり、揚げたり、蒸したり、蒸し焼きにしたり、レンジ調理したりする加工のことを言い、加熱中の生地温度が80〜120℃で維持しながら1〜90分間加熱調理することが好ましい。該粒状油脂組成物は、パン・菓子全体中に1〜35重量%含まれることが好ましい。含有量が前記範囲にあれば、本発明の効果を充分に享受することができる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
<クッキーの評価>
実施例・比較例で作製したクッキーを、熟練した10名のパネラーにそのまま食べてもらい、粒状油脂組成物の焼き残り状態、風味及び/又は色調、口溶けの観点で各々食感を評価し、以下の基準により官能評価を実施し、それらの平均点を評価値とした。
(粒状油脂組成物の焼き残り状態)
5点:粒状油脂組成物の形状が完全に残っている
4点:粒状油脂組成物の形状がほぼ完全に残っている
3点:粒状油脂組成物の形状が大まかに残っている
2点:粒状油脂組成物の形状がかなり損なわれている
1点:粒状油脂組成物の形状が完全に損なわれている
(風味及び色調)
5点:呈味素材の風味や呈色成分の色調が極めて強く感じられる
4点:呈味素材の風味や呈色成分の色調が非常に強く感じられる
3点:呈味素材の風味や呈色成分の色調が強く感じられる
2点:呈味素材の風味や呈色成分の色調が弱く感じられる
1点:呈味素材の風味や呈色成分の色調自体がほとんど感じられない
(口溶け)
5点:粒状油脂組成物が口残りせず、口溶けが極めて良好
4点:粒状油脂組成物の口残りがほとんどなく、口溶けが非常に良好
3点:粒状油脂組成物の口残りがややあるが、口溶けが良好
2点:粒状油脂組成物の口残りがややあり、口溶けがあまり良くない
1点:粒状油脂組成物の口残りが強く、口溶けが非常に悪い
<クッキーの総合評価>
実施例・比較例で作製したクッキーの粒状油脂組成物の焼き残り状態、風味及び色調、口溶けの各評価結果を基に、総合評価を行った。その際の評価基準は以下の通りである。
A:クッキーの粒状油脂組成物の焼き残り状態、風味及び色調、口溶けが全て4.0点以上5.0点以下を満たすもの
B:クッキーの粒状油脂組成物の焼き残り状態、風味及び色調、口溶けが全て3.5点以上5.0点以下であり、且つ3.5以上4.0未満が少なくとも一つあるもの
C:クッキーの粒状油脂組成物の焼き残り状態、風味及び色調、口溶けが全て3.0点以上5.0点以下であり、且つ3.0以上3.5未満が少なくとも一つあるもの
D:クッキーの粒状油脂組成物の焼き残り状態、風味及び色調、口溶けが全て2.0点以上5.0点以下であり、且つ2.0以上3.0未満が少なくとも一つあるもの
E:クッキーの粒状油脂組成物の焼き残り状態、風味及び色調、口溶けの評価において、2.0未満が少なくとも一つあるもの
<実施例及び比較例で使用した原料>
1)(株)カネカ製「ヤシ油」
2)(株)カネカ製「極度硬化パーム核油」
3)(株)カネカ製「極度硬化パーム核ステアリン」
4)公益財団法人塩事業センター製「精製塩(水分:0.1%)」
5)よつ葉乳業(株)社製「よつ葉バター(食塩不使用、油分:83%、水分:15.8%)」
6)ライオンケミカル(株)製「ハイアルファSF」
7)HILMAR CHEESE(株)製「ラクトース HILMAR FINE GRAIND」
8)ADM社製「Yelkin TS」
9)理研ビタミン(株)製「ポエムDM−100」
10)(株)林原製「トレハ」
11)日清製粉(株)製「カメリア(水分:14%)」
12)扶桑化学工業(株)製「クエン酸」
13)扶桑化学工業(株)製「酒石酸」
14)日研フード(株)製「昆布エキスパウダーCN」
15)日研フード(株)製「ポークエキスYZ」
16)(株)カネカサンスパイス製「カレーパウダーMG」
17)松谷化学工業(株)「パインデックス#1(DE:8、水分:4%)」
18)日清製粉(株)製「バイオレット」
19)(株)カネカ製「エバーライト」
20)東洋精糖(株)製「上白糖」
21)キュピータマゴ(株)製「液全卵(殺菌)」
22)(株)カネカ製「フランジェM」
23)(株)カネカ製「ラシェンテG」
24)純正化学(株)製「炭酸水素ナトリウム」
25)純正化学(株)製「炭酸水素アンモニウム」
(製造例1) パーム系油脂のエステル交換油脂の分別液状油脂の作製
脱酸処理されたパームステアリン(ヨウ素価35、株式会社カネカ製):100重量部を500Paの減圧下で90℃に加熱し、ナトリウムメチラート(日本曹達株式会社製):0.2重量部を加えて30分攪拌してランダムエステル交換した。水洗した後、500Paの減圧下、90℃において活性白土(水澤化学工業株式会社製):2重量部を加えて脱色した。脱色後の油脂を、70℃に加熱して完全に溶融させ、46℃で攪拌しながら24時間晶析した。晶析後、3MPaでフィルタープレスして液状部を得た。得られた液状部を240℃、200Paの条件で1時間脱臭してヨウ素価43のパーム系油脂のエステル交換油脂の分別液状部を得た。なお、ヨウ素価は、「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法2.3.4.1−1996」に従い分析を行った。
(製造例2)パームステアリンのエステル交換油脂の作製
パームステアリン(株式会社カネカ製):100重量部を500Paの減圧下90℃に加熱し、ナトリウムメチラート(日本曹達株式会社製):0.2重量部を加えて30分攪拌してランダムエステル交換した。水洗した後、500Paの減圧下、90℃において活性白土(水澤化学工業株式会社製):2重量部を加えて脱色し、240℃、200Paの条件で1時間脱臭してパームステアリンのエステル交換油脂を得た。
(実施例1) 粒状油脂組成物の作製
表1に示す配合に従って、粒状油脂組成物を作製した。即ち、パーム系油脂のエステル交換油脂の分別液状油脂(製造例1)、ヤシ油、極度硬化パーム核油を所定量混合してから70℃に加熱後、レシチン、ジグリセリン脂肪酸エステル、バター香料、着色料を所定量溶解させた。さらに乳糖、塩を所定量加えて60℃で攪拌混合し、ホモミキサーで3600rpm、30分ホモジナイズした。攪拌、水冷しながら30℃に冷却してから容器に入れ、冷蔵庫で一日冷やした後、20℃で5時間温調して直径7mmの穴の開いた押し出し成型器で1cmの長さでカットして粒状に成型し、粒状油脂組成物を得た。得られた粒状油脂組成物中の水分、カカオバター以外の油脂の含有量とその固体脂含量、カカオバターの含有量、無脂カカオ分の含有量、水溶性固形分量、水溶性固形分/水分(重量比)、呈味素材と呈色成分の合計量は表1に示した。
Figure 2018171014
(実施例2,3、比較例1,2) 粒状油脂組成物の作製
表1の配合に従い、粒状油脂組成物を作製した。即ち、パーム系油脂のエステル交換油脂の分別液状油脂(製造例1)、ヤシ油、極度硬化パーム核油の混合比率は同じで、その配合量を変更し、乳糖で全体量を調整した以外は、実施例1と同様にして粒状油脂組成物を得た。得られた粒状油脂組成物中の水分、カカオバター以外の油脂の含有量とその固体脂含量、カカオバターの含有量、無脂カカオ分の含有量、水溶性固形分量、水溶性固形分/水分(重量比)、呈味素材と呈色成分の合計量は表1に示した。
(実施例4) 粒状油脂組成物の作製
表1の配合に従い、粒状油脂組成物を作製した。即ち、油脂の含有量は同じで、パーム系油脂のエステル交換油脂の分別液状油脂(製造例1)、ヤシ油、極度硬化パーム核油の代わりに、パームステアリンのエステル交換油脂(製造例2)と極度硬化パーム核ステアリンを配合した以外は、実施例1と同様にして粒状油脂組成物を得た。得られた粒状油脂組成物中の水分、カカオバター以外の油脂の含有量とその固体脂含量、カカオバターの含有量、無脂カカオ分の含有量、水溶性固形分量、水溶性固形分/水分(重量比)、呈味素材と呈色成分の合計量は表1に示した。
(実施例5) 粒状油脂組成物の作製
表1の配合に従い、粒状油脂組成物を作製した。即ち、油脂の含有量は減らした上で、パーム系油脂のエステル交換油脂の分別液状油脂(製造例1)のみを使用し、呈味素材としてバターを配合した以外は、実施例1と同様にして粒状油脂組成物を得た。得られた粒状油脂組成物中の水分、カカオバター以外の油脂の含有量とその固体脂含量、カカオバターの含有量、無脂カカオ分の含有量、水溶性固形分量、水溶性固形分/水分(重量比)、呈味素材と呈色成分の合計量は表1に示した。
(比較例3) 粒状油脂組成物の作製
表1の配合に従い、粒状油脂組成物を作製した。即ち、油脂の含有量は同じで、パーム系油脂のエステル交換油脂の分別液状油脂(製造例1)、ヤシ油、極度硬化パーム核油の代わりに、パームステアリンのエステル交換油脂(製造例2)のみを配合した以外は、実施例1と同様にして粒状油脂組成物を得た。得られた粒状油脂組成物中の水分、カカオバター以外の油脂の含有量とその固体脂含量、カカオバターの含有量、無脂カカオ分の含有量、水溶性固形分量、水溶性固形分/水分(重量比)、呈味素材と呈色成分の合計量は表1に示した。
(実施例6) 粒状油脂組成物の作製
表2の配合に従い、粒状油脂組成物を作製した。即ち、乳糖の配合量を減らして、その分水を添加した以外は、実施例1と同様にして粒状油脂組成物を得た。得られた粒状油脂組成物中の水分、カカオバター以外の油脂の含有量とその固体脂含量、カカオバターの含有量、無脂カカオ分の含有量、水溶性固形分量、水溶性固形分/水分(重量比)、呈味素材と呈色成分の合計量は表2に示した。
Figure 2018171014
(実施例7、比較例4) 粒状油脂組成物の作製
表2の配合に従い、粒状油脂組成物を作製した。即ち、パーム系油脂のエステル交換油脂の分別液状油脂(製造例1)、ヤシ油、極度硬化パーム核油の混合比率は同じのまま配合量を減らし、さらに乳糖の配合量も減らして、その分水を添加した以外は、実施例1と同様にして粒状油脂組成物を得た。得られた粒状油脂組成物中の水分、カカオバター以外の油脂の含有量とその固体脂含量、カカオバターの含有量、無脂カカオ分の含有量、水溶性固形分量、水溶性固形分/水分(重量比)、呈味素材と呈色成分の合計量は表2に示した。
(実施例8) 粒状油脂組成物の作製
表2の配合に従い、粒状油脂組成物を作製した。即ち、乳糖をトレハロースに変更した以外は、実施例1と同様にして粒状油脂組成物を得た。得られた粒状油脂組成物中の水分、カカオバター以外の油脂の含有量とその固体脂含量、カカオバターの含有量、無脂カカオ分の含有量、水溶性固形分量、水溶性固形分/水分(重量比)、呈味素材と呈色成分の合計量は表2に示した。
(比較例5) 粒状油脂組成物の作製
表2の配合に従い、乳糖を強力粉に変更した以外は、実施例1と同様にして粒状油脂組成物を得た。得られた粒状油脂組成物中の水分、カカオバター以外の油脂の含有量とその固体脂含量、カカオバターの含有量、無脂カカオ分の含有量、水溶性固形分量、水溶性固形分/水分(重量比)、呈味素材と呈色成分の合計量は表2に示した。
(実施例9) 粒状油脂組成物の作製
表3に示す配合に従って、粒状油脂組成物を作製した。即ち、パーム系油脂のエステル交換油脂の分別液状油脂(製造例1)、ヤシ油、極度硬化パーム核油を所定量混合し、70℃に加熱後、レシチン、ジグリセリン脂肪酸エステル、レモン香料を所定量溶解させた。さらにクエン酸、塩、トレハロース、デキストリンを所定量加えて60℃で攪拌混合し、ホモミキサーで3600rpm、30分ホモジナイズした。攪拌、水冷しながら30℃に冷却してから容器に入れ、冷蔵庫で一日冷やした後、20℃で5時間温調して直径7mmの穴の開いた押し出し成型器で1cmの長さでカットして粒状に成型し、粒状油脂組成物を得た。得られた粒状油脂組成物中の水分、カカオバター以外の油脂の含有量とその固体脂含量、カカオバターの含有量、無脂カカオ分の含有量、水溶性固形分量、水溶性固形分/水分(重量比)、呈味素材と呈色成分の合計量は表3に示した。
Figure 2018171014
(比較例6) 粒状油脂組成物の作製
表3の配合に従い、粒状油脂組成物を作製した。即ち、油脂の含有量は同じで、パーム系油脂のエステル交換油脂の分別液状油脂(製造例1)、ヤシ油、極度硬化パーム核油の代わりに、パームステアリンのエステル交換油脂(製造例2)のみを配合した以外は、実施例9と同様にして粒状油脂組成物を得た。得られた粒状油脂組成物中の水分、カカオバター以外の油脂の含有量とその固体脂含量、カカオバターの含有量、無脂カカオ分の含有量、水溶性固形分量、水溶性固形分/水分(重量比)、呈味素材と呈色成分の合計量は表3に示した。
(実施例10) 粒状油脂組成物の作製
表3の配合に従い、粒状油脂組成物を作製した。即ち、クエン酸を酒石酸に変更した以外は、実施例9と同様にして粒状油脂組成物を得た。得られた粒状油脂組成物中の水分、カカオバター以外の油脂の含有量とその固体脂含量、カカオバターの含有量、無脂カカオ分の含有量、水溶性固形分量、水溶性固形分/水分(重量比)、呈味素材と呈色成分の合計量は表3に示した。
(比較例7) 粒状油脂組成物の作製
表3の配合に従い、粒状油脂組成物を作製した。即ち、油脂の含有量は同じで、パーム系油脂のエステル交換油脂の分別液状油脂(製造例1)、ヤシ油、極度硬化パーム核油の代わりに、パームステアリンのエステル交換油脂(製造例2)のみを配合した以外は、実施例10と同様にして粒状油脂組成物を得た。得られた粒状油脂組成物中の水分、カカオバター以外の油脂の含有量とその固体脂含量、カカオバターの含有量、無脂カカオ分の含有量、水溶性固形分量、水溶性固形分/水分(重量比)、呈味素材と呈色成分の合計量は表3に示した。
(実施例11) 粒状油脂組成物の作製
表3の配合に従い、粒状油脂組成物を作製した。即ち、呈味素材のクエン酸を昆布エキスとポークエキスに、水溶性固形分のトレハロースとデキストリンを乳糖に変更し、さらにレモン香料をチーズ香料に変更し、これらの配合量を調整して全体量を100重量部とした以外は、実施例9と同様にして粒状油脂組成物を得た。得られた粒状油脂組成物中の水分、カカオバター以外の油脂の含有量とその固体脂含量、カカオバターの含有量、無脂カカオ分の含有量、水溶性固形分量、水溶性固形分/水分(重量比)、呈味素材と呈色成分の合計量は表3に示した。
(比較例8) 粒状油脂組成物の作製
表3の配合に従い、粒状油脂組成物を作製した。即ち、油脂の含有量は同じで、パーム系油脂のエステル交換油脂の分別液状油脂(製造例1)、ヤシ油、極度硬化パーム核油の代わりに、パームステアリンのエステル交換油脂(製造例2)のみを配合した以外は、実施例11と同様にして粒状油脂組成物を得た。得られた粒状油脂組成物中の水分、カカオバター以外の油脂の含有量とその固体脂含量、カカオバターの含有量、無脂カカオ分の含有量、水溶性固形分量、水溶性固形分/水分(重量比)、呈味素材と呈色成分の合計量は表3に示した。
(実施例12) 粒状油脂組成物の作製
表3の配合に従い、粒状油脂組成物を作製した。即ち、チーズ香料を配合せず、カレーパウダーを配合し、その分乳糖を減らした以外は、実施例11と同様にして粒状油脂組成物を得た。得られた粒状油脂組成物中の水分、カカオバター以外の油脂の含有量とその固体脂含量、カカオバターの含有量、無脂カカオ分の含有量、水溶性固形分量、水溶性固形分/水分(重量比)、呈味素材と呈色成分の合計量は表3に示した。
(比較例9) 粒状油脂組成物の作製
表3の配合に従い、粒状油脂組成物を作製した。即ち、油脂の含有量は同じで、パーム系油脂のエステル交換油脂の分別液状油脂(製造例1)、ヤシ油、極度硬化パーム核油の代わりに、パームステアリンのエステル交換油脂(製造例2)のみを配合した以外は、実施例12と同様にして粒状油脂組成物を得た。得られた粒状油脂組成物中の水分、カカオバター以外の油脂の含有量とその固体脂含量、カカオバターの含有量、無脂カカオ分の含有量、水溶性固形分量、水溶性固形分/水分(重量比)、呈味素材と呈色成分の合計量は表3に示した。
(実施例13) クッキーの作製
表4の配合に従って、クッキーを作製した。即ち、上白糖及びショートニングをボールに入れてミキシングし、油脂組成物を得た。液全卵、練り込みクリーム、ホイップクリーム、重曹、炭酸水素アンモニウムを混合し、ミキシングしながら前記油脂組成物に少しずつ加え入れた。そこに薄力粉と強力粉を混ぜて篩を通したものを加えてミキシングし、最後に粒状油脂組成物(実施例1)を低速でミキシングし、冷蔵庫で一晩静置して生地を作製した。一晩静置した生地をシーターで5mmの厚さに延ばし、型抜きして180℃で13分間焼成して、クッキーを得た。得られたクッキーの粒状油脂組成物の焼き残り状態、風味及び色調、口溶けの評価を表5に示した。
Figure 2018171014
Figure 2018171014
(実施例14〜17、比較例10〜12) クッキーの作製
表4の配合に従い、クッキーを作製した。即ち、粒状油脂組成物(実施例1)を他の粒状油脂組成物(実施例2〜5、比較例1〜3)に変更した以外は、実施例13と同様にして各クッキーを得た。得られたクッキーの粒状油脂組成物の焼き残り状態、風味及び/又は色調、口溶けの評価を表5に示した。
表5から明らかなように、カカオバター以外の油脂の含有量が40重量%、乳糖の含有量が56.5重量%の粒状油脂組成物(実施例1)を配合したクッキー(実施例13)は、粒状油脂組成物の焼き残り状態、風味及び色調、口溶けの何れも良好で商品性のあるものであった。そして、カカオバター以外の油脂の含有量が30重量%、乳糖の含有量が66.5重量%の粒状油脂組成物(実施例2)を配合したクッキー(実施例14)は、実施例13のクッキーに比べると、口溶けが若干劣るものの商品性のある良好なもののであった。また、カカオバター以外の油脂の含有量が60重量%、乳糖の含有量が36.5重量%の粒状油脂組成物(実施例3)を配合したクッキー(実施例15)は、粒状油脂組成物の焼き残り状態、風味及び色調が若干劣るものの、口溶けが良好で、商品性のあるものであった。
一方、カカオバター以外の油脂の含有量が15重量%、乳糖の含有量が81.5重量%の粒状油脂組成物(比較例1)を配合したクッキー(比較例10)は、粒状油脂組成物の焼き残り状態、風味及び色調は比較的良好であるものの、口溶けが極めて悪く商品性がないものであった。更に、カカオバター以外の油脂の含有量が75重量%、乳糖の含有量が21.5重量%の粒状油脂組成物(比較例2)を配合したクッキー(比較例11)は、口溶けは比較的良好であったものの、粒状油脂組成物の焼き残り状態、風味及び色調が極めて悪く商品性がないものであった。
また、油脂の固体脂含量が10℃で82.8%、20℃で65.6%、30℃で25.8%の粒状油脂組成物(実施例4)を配合したクッキー(実施例16)は、実施例13のクッキーに比べ、風味及び/又は色調と口溶けが若干劣るものの、粒状油脂組成物の焼き残り状態が極めて良好で、商品性のあるものであった。更に、油脂の固体脂含量が10℃で63.6%、20℃で40.1%、30℃で7.5%の粒状油脂組成物(実施例5)を配合したクッキー(実施例17)は、粒状油脂組成物の焼き残り状態、風味及び/又は色調、口溶けの何れも良好で、総合的に非常に好ましいものであった。一方、油脂の固体脂含量が10℃で96.7%、30℃で37.1%の粒状油脂組成物(比較例3)を配合したクッキー(比較例12)は、粒状油脂組成物の焼き残り状態は良好であるものの、風味と口溶けが悪く、商品性のないものであった。
(実施例18〜20、比較例13及び14) クッキーの作製
表4の配合に従い、クッキーを作製した。即ち、粒状油脂組成物(実施例1)を他の粒状油脂組成物(実施例6〜8、比較例4及び5)に変更した以外は、実施例13と同様にして各クッキーを得た。得られたクッキーの粒状油脂組成物の焼き残り状態、風味及び/又は色調、口溶けの評価を表6に示した。
Figure 2018171014
表6から明らかなように、実施例13のクッキーに使用した粒状油脂組成物(実施例1)中の乳糖を2重量%減らして、その分添加水を増やした粒状油脂組成物(実施例6)を配合したクッキー(実施例18)は、実施例13のクッキーに比べて、粒状油脂組成物の焼き残り状態は若干劣ったものの、風味及び/又は色調と口溶けが向上し、総合的に極めて良好なものであった。さらに、実施例13のクッキーに使用した粒状油脂組成物(実施例1)中、油脂の配合比率は同じでその配合量を2重量%と乳糖を4重量%減らして、その分添加水を増やした粒状油脂組成物(実施例7)を配合したクッキー(実施例19)は、実施例13のクッキーに比べて、粒状油脂組成物の焼き残り状態と風味及び/又は色調が劣ったものの、口溶けは極めて良好で、商品性があるものであった。
一方、実施例13のクッキーに使用した粒状油脂組成物(実施例1)中、油脂の配合比率は同じでその配合量を5重量%と乳糖を7重量%減らして、その分添加水を増やした粒状油脂組成物(比較例4)を配合したクッキー(比較例13)は、口溶けは良好であったものの、粒状油脂組成物の焼き残り状態と風味及び色調が悪く、商品性のないものであった。
また、実施例13のクッキーに使用した粒状油脂組成物(実施例1)中の乳糖をトレハロースに変更した粒状油脂組成物(実施例8)を配合したクッキー(実施例20)は、実施例13のクッキーとほぼ同等の、粒状油脂組成物の焼き残り状態、風味及び色調、口溶けを有する良好なものであった。一方、実施例13のクッキーに使用した粒状油脂組成物(実施例1)中の乳糖を非水溶性固形分である強力粉に変更した粒状油脂組成物(比較例5)を配合したクッキー(比較例14)は、風味及び色調と、特に口溶けが悪く、商品性がないものであった。
(実施例21〜24、比較例15〜18) クッキーの作製
表4の配合に従い、クッキーを作製した。即ち、粒状油脂組成物(実施例1)を他の粒状油脂組成物(実施例9〜12、比較例6〜9)に変更した以外は、実施例13と同様にして各クッキーを得た。得られたクッキーの粒状油脂組成物の焼き残り状態、風味及び色調、口溶けの評価を表7に示した。
Figure 2018171014
表7から明らかなように、油脂の固体脂含量が10℃で74.8%、20℃で46.7%、30℃で6%の粒状油脂組成物(実施例9〜12)を配合したクッキー(実施例21〜24)は、何れも粒状油脂組成物の焼き残り状態、風味及び色調、口溶けが良好で、配合した呈味素材の風味が口に広がり、その素材の風味を強く感じることができるものであった。一方、油脂の固体脂含量が10℃で96.7%、20℃で72.1%、30℃で37.1%の粒状油脂組成物(比較例6〜9)を配合したクッキー(比較例15〜18)は、何れも粒状油脂組成物の焼き残り状態は良好なものの、口溶けが極めて悪く、呈味素材の風味も感じにくい商品性のないものであった。

Claims (5)

  1. 呈味素材及び/又は呈色成分を含むパン・菓子用粒状油脂組成物であって、油脂組成物全体中、無脂カカオ分が2重量%以下、カカオバターが15重量%以下、水分が10重量%以下であり、固体脂含量が10℃で10〜95%、20℃で5〜90%、35℃で0〜30%の油脂を20〜70重量%、デキストリン、乳糖、麦芽糖、食物繊維及びトレハロースからなる群より選ばれる少なくとも1種である水溶性の固形分を25〜75重量%含有し、水溶性固形分/水分(重量比)が5.0以上であるパン・菓子用粒状油脂組成物。
  2. パーム系油脂の中融点部及び/又はラウリン系油脂の極度硬化油を含む、請求項1に記載のパン・菓子用粒状油脂組成物。
  3. 呈味素材と呈色成分の合計含有量が油脂組成物全体中0.001〜55重量%である、請求項1又は2に記載のパン・菓子用粒状油脂組成物。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のパン・菓子用粒状油脂組成物が含まれるパン又は菓子。
  5. 油脂組成物全体中、無脂カカオ分が2重量%以下、カカオバターが15重量%以下、水分が10重量%以下であり、油脂の固体脂含量が10℃で10〜95%、20℃で5〜90%、35℃で0〜30%の油脂を20〜70重量%、デキストリン、乳糖、麦芽糖、食物繊維及びトレハロースからなる群より選ばれる少なくとも1種である水溶性の固形分を25〜75重量%含有し、水溶性固形分/水分(重量比)が5.0以上であり、前記油脂中に呈味素材及び/又は呈色成分を含む混合物を攪拌し、冷却した後、粒状に成型することを特徴とするパン・菓子用粒状油脂組成物の製造方法。
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