JP2008072969A - 打錠菓子とキャンディの組み合わせ菓子とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】苦味成分、辛味成分、渋味成分の少なくとも1種類以上の成分が、食品自体のおいしさを阻害することなく、むしろその食品の味の特徴やインパクトとして有効に感じられる組み合わせ菓子、および該組み合わせ菓子を容易に製造する方法を提供すること。
【解決手段】苦味成分、辛味成分、渋味成分の少なくとも1種類以上を含有する打錠菓子がその一部が露出した状態でキャンディに埋め込まれることを特徴とする組み合わせ菓子、並びに苦味成分、辛味成分、渋味成分の少なくとも1種類以上を含有する打錠菓子を作製する工程、モールドに前記打錠菓子を載置する工程、キャンディ組成分を前記モールドに載置された打錠菓子に流し込む工程からなることを特徴とする、組み合わせ菓子の製造方法。
【選択図】 図1
【解決手段】苦味成分、辛味成分、渋味成分の少なくとも1種類以上を含有する打錠菓子がその一部が露出した状態でキャンディに埋め込まれることを特徴とする組み合わせ菓子、並びに苦味成分、辛味成分、渋味成分の少なくとも1種類以上を含有する打錠菓子を作製する工程、モールドに前記打錠菓子を載置する工程、キャンディ組成分を前記モールドに載置された打錠菓子に流し込む工程からなることを特徴とする、組み合わせ菓子の製造方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、苦味成分、辛味成分、渋味成分等の本来おいしさを阻害する成分を含有することで、インパクトのあるおいしい新形態の組み合わせ菓子を提供するものである。
近年、本格的な高齢社会の到来、肥満や生活習慣病の増加、国民医療費の増大等を背景に、国民の健康志向が高まり、食を通じた健康づくりへの関心が高まる中で、機能性を持った素材や有効成分を含む食品が次第に増える傾向にある。しかし、それらの機能性素材や有効成分の中には苦味成分、辛味成分、渋味成分を有しているものが多く、添加することで食品自体のおいしさを阻害するとして敬遠されてきたものも少なくない。したがって、苦味成分、辛味成分、渋味成分と香料や高甘味度甘味料、酵母エキスなどを主成分とする味覚マスキング剤とを混合したり、苦味成分、辛味成分、渋味成分を含有している機能性素材や有効成分を芯物質層として、糖衣やフィルムコーティングをはじめとする各種コーティング技術により、苦味、辛味、渋味を感じにくくしたり、完全に感じられないように処理されている。
また、これらの発明に関連する特許として、特許文献1があるが、これはメントール配合量の異なる2層以上の層を有する錠剤または飴とし、舌に接触するメントール濃度が経時的に徐々に高くなるようにすることで、メントールの多量添加によって助長された苦味等の不快な味が軽減されたものである。しかし、食品自体のおいしさを阻害することなく、むしろ食品の味の特徴やインパクトとしてメントールの苦味が有効に感じられる機能は発現しない。
また、打錠菓子とキャンディとを組み合わせた菓子について、特許文献2には、打錠菓子様の菓子をチューインガムもしくはキャンディで被覆した組み合わせ菓子が記載されている。この組み合わせ菓子は確実に内層部に錠菓様の食感を持つ菓子を含有し、外層部のガムもしくはキャンディの食感と内層部の硬い打錠菓子様の食感とを同時に楽しむことのできるものであるが、苦味成分、辛味成分、渋味成分を積極的に含有することについては記載がない。
特許文献3には、ハードキャンディ粉粒体、食用結着剤粉粒体、食用滑沢剤粉粒体、および食用改良剤粉粒体を特定量ドライブレンドした後、打錠機を用いて打錠された適度な硬度とシャリシャリ感を合わせ有する錠菓が記載されている。しかし、錠菓をキャンディに埋め込むものではなく、苦味成分、辛味成分、渋味成分を積極的に含有することについては記載がない。
特許文献4には、動物のキャラクタなどの形をした飴等の食品を発泡粉末飲料でくるんで錠剤とした錠剤型粉末飲料が記載されている。しかし、しかし、錠菓をキャンディに埋め込むものではなく、苦味成分、辛味成分、渋味成分を積極的に含有することについては記載がない。
更に、株式会社黄金糖の商品であるVITAIN(ビタイン)は、平たい円柱状の打錠菓子とキャンディを表面積比が13対17(キャンディの表面積に対する打錠菓子の露出面積が約76%)になるよう張り合わせた、まるでオセロの駒のような組み合わせ菓子だが、本商品は、口中でこれを回転させながら味わうことにより、2つの味のハーモニーを楽しむことを目的としたものである。しかし、苦味成分、辛味成分、渋味成分については配合されていない。
また、三星食品株式会社の商品であるロエンCSキャンディは、酸味成分を含有させたスタンピング成型のキャンディと流し込み成型のキャンディを組み合わせた飴菓子である。しかし、本商品は、両パーツがキャンディであるがゆえに、パーツ間の味の出方や食感の差異を楽しむことはできず、この場合も苦味成分、辛味成分、渋味成分が配合されていない。
前記のように不快な味として苦味、辛味、渋味を抑えてきた従来の組み合わせ菓子に対し、本発明者等は、当該分野ではこれらの苦味、辛味、渋味を強く感じながらも、美味しく食べられるという新しい技術を開発することで、本発明を完成させるに至った。
本発明の第1の目的は、苦味成分、辛味成分、渋味成分の少なくとも1種類以上の成分が、食品自体のおいしさを阻害することなく、むしろその食品の味の特徴やインパクトとして有効に感じられる組み合わせ菓子を提供することであり、本発明の第2の目的は、そのような組み合わせ菓子を容易に製造する方法を提供することである。
本発明者等は、苦味成分、辛味成分、渋味成分の少なくとも1種類以上を何らかの固形物に含有させ、その一部を露出させた状態でキャンディで被覆することにより従来では不快な味とされてきた苦味、辛味、渋味を、食品自体のおいしさを阻害することなく、むしろ食品の味の特徴やインパクトとして有効に感じることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。また、本発明者等は、種々検討した結果、予め所望の大きさに打錠機等で圧縮成型しておいた打錠菓子をモールドに載置し、キャンディ組成分を該モールドに載置された打錠菓子に流し込むことにより、苦味成分、辛味成分、渋味成分の少なくとも1種類以上含有した打錠菓子がキャンディと良好にマッチングすることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、
〔1〕苦味成分、辛味成分、渋味成分の少なくとも1種類以上を含有する打錠菓子がその一部が露出した状態でキャンディに埋め込まれていることを特徴とする組み合わせ菓子、
〔2〕打錠菓子の露出部の表面積が、キャンディの表面積の3%〜75%の範囲であることを特徴とする前記〔1〕記載の組み合わせ菓子、
〔3〕苦味成分、辛味成分、渋味成分の少なくとも1種類以上を含有する打錠菓子を作製する工程、モールドに前記打錠菓子を載置する工程、キャンディ組成分を前記モールドに載置された打錠菓子に流し込む工程からなることを特徴とする、苦味成分、辛味成分、渋味成分の少なくとも1種類以上を含有する打錠菓子にその一部が露出した状態でキャンディが埋め込まれている組み合わせ菓子の製造方法
を提供するものである。
〔1〕苦味成分、辛味成分、渋味成分の少なくとも1種類以上を含有する打錠菓子がその一部が露出した状態でキャンディに埋め込まれていることを特徴とする組み合わせ菓子、
〔2〕打錠菓子の露出部の表面積が、キャンディの表面積の3%〜75%の範囲であることを特徴とする前記〔1〕記載の組み合わせ菓子、
〔3〕苦味成分、辛味成分、渋味成分の少なくとも1種類以上を含有する打錠菓子を作製する工程、モールドに前記打錠菓子を載置する工程、キャンディ組成分を前記モールドに載置された打錠菓子に流し込む工程からなることを特徴とする、苦味成分、辛味成分、渋味成分の少なくとも1種類以上を含有する打錠菓子にその一部が露出した状態でキャンディが埋め込まれている組み合わせ菓子の製造方法
を提供するものである。
以上のように、本発明の組み合せ菓子は、従来から不快な味とされてきた苦味、辛味、渋味を、食品自体のおいしさを阻害することなく、むしろ食品の味の特徴やインパクトとして楽しむことができる、従来にはなかった組み合わせ菓子である。
また、苦味成分、辛味成分、渋味成分を有している機能性素材や有効成分の中には耐熱性に欠けるものが多く、製造時に高温になるキャンディにそれらの成分を含有させることは非常に困難であった。しかし、本発明の製造方法に基づき、これらの成分を打錠菓子に含有させ、キャンディに埋め込まれることにより、機能性素材や有効成分を熱による損失から守り、かつおいしく摂取することができる。
更に、酸味成分を有している機能性素材や有効成分の中にはキャンディに含有させると、糖質の転化を促進し、キャンディの耐久性を著しく低下させるものが多く、特に製造時に高温になる流し込み成型のキャンディにそれらの成分を含有させることは非常に困難であった。しかし、本発明の製造方法に基づき、これらの成分を打錠菓子に含有させ、キャンディに埋め込まれることにより、糖質の転化を防ぎ、かつ酸味成分をおいしく摂取することができる。
本発明の組み合わせ菓子は、苦味成分、辛味成分、渋味成分の少なくとも1種類以上を含有する打錠菓子とキャンディとからなり、前記打錠菓子にその一部が露出した状態で前記キャンディが埋め込まれていることを特徴とするものである。
本発明では、前記のように打錠菓子に苦味成分、辛味成分、渋味成分などを含有させることで、これらの成分をキャンディの中に含有させた場合や、糖衣などで味を抑えた場合に比べて、苦味、辛味、渋味そのものの味をより明確に感じることができる。そして、この打錠菓子の一部が露出した状態でキャンディに埋め込まれることで苦味、辛味、渋味を感じながら、同時に甘味も感じることができる。このように、本発明の組み合わせ菓子では苦味、辛味及び渋味本来の味と甘味とを同時にかつ明確に感じることができるため、苦味成分、辛味成分、渋味成分が食品自体のおいしさを阻害することがなく、しかもその食品の味の特徴やインパクトとしても有効に感じることができる。さらに、本発明の組み合わせ菓子では、打錠菓子とキャンディとの食感差があることで、上記の味をより楽しみ易くなっている。
本発明でいう打錠菓子とは、糖を主原料とし、打錠機等で圧縮成型したものである。また、苦味成分、辛味成分、渋味成分を含有させる前記打錠菓子はキャンディの組成である糖類に溶け込まず、かつキャンディの滑らかな食感を損なうことのない溶解性もしくは崩壊性の良いものである必要があるため、水分含有量は0〜10重量%であることが好ましい。打錠菓子の水分含有量が10重量%を越えると打錠菓子・キャンディ間での水分移行が起こり、キャンディの耐久性が著しく損なわれる恐れがある。尚、上記打錠菓子は乾式打錠または湿式打錠等従来公知の製法によって成型した後、加湿器等で水分を染み込ませることで、上記範囲内であればその水分含有量を調節してもよい。
前記苦味成分としては、ゴーヤ、クララ、ゲンチアナ、トウリンドウ、センブリ、ニガキ、ラカンカ、キハダ、オウレン、ダイダイ、ゴマ、ワイン、大豆、ブルーベリー、秋ウコン、紫ウコン、春ウコン、バフンウニ、コーヒー、フキノトウ、ホップ、グレープフルーツ、キュウリ、スイカ、メロン、カンピョウ、カボチャ、ゴボウ、サトイモ、トマト、ムラサキハシドイ、酵母、ノビル、ウド、タラノメ、フキ、セリ、葉ワサビ、花ワサビ、コシアブラ、コゴミ、ウルイ、ワラビ、行者ニンニク、ゼンマイ、ネマガリダケ、ベラ、ユズ、霊芝、カカオ、万年茸、セロリ、アーティチョーク、タンポポ、バレイショ、ピーマン、ソバ、オリーブ、シソ、ニンジン、クアッシア、リンゴ、食塩、キダチコミカソウ、牛乳、菜の花、ヒョウタン、ニーム、ミカン、カキ、ヤマブシタケ、アーモンド、キナ、ヒソップ、ナナカマド、ブナシメジ、大根、八朔、ワインビネガー、米、クジン、レタス、チコリ、キウイ、プロポリス、人参、韃靼そば、イチョウ、チャーガ、ゴボウ、オリーブ、クルミ、リコリス、ワイルドレタス、コウルツフット、タチジャコウソウ、ニガハッカ、ペパーミント、セイヨウノコギリソウ、ヤーコン(ハーブ、キノコ、カンキツ)、カンゾウ、リュウタン、クジンのなかから抽出された1種以上の成分を用いることができる。
又、アロエ、オウバク、オウレン、キキョウ、ゲンチアナ、センブリ、センナ、ニガキなどの医薬品や、インドメタシン、アスピリン、サリチル酸メチル、ペニシリン、イソプロピルアンチピリンなどの一般的な医薬成分も、記載しているものに限らず、用いることができる。
前記辛味成分としては、オランダセンニチ、キバナオランダセンニチ、サンショウ、ショウガ、トウガラシ、ヤナギタデ、コショウ、ヒハツ、コマツナ、キャベツ、タマネギ、ダイコン、ショウガ、コゼナダイコン、ワサビ、カブ、ニンニク、ネギ、ハクサイ、ハバネロ、タカノツメ、融水菜、アザミ菜、黄金唐辛子、ブラックペッパー、ホワイトペッパー、レッドペッパー、ロングペッパー、レッドチリ、オリエンタルマスタード、ホワイトマスタード、ブラックマスタード、イエローマスタード、ブラウンマスタード、タチジャコウソウ、シシトウ、金時ショウガ、クレソン、ブロッコリー、ケール、紫辛味ダイコン、ワサビダイコン、ミョウガ、ウスバサイシン、ケイリンサイシンのなかから抽出された1種以上の成分を用いることができる。
前記渋味成分としては、柿、茶、タマネギ、モモ、ネクタリン、ナス、コーヒー、柿、魚、ブドウ、大豆、バナナ、グレープフルーツ、シイタケのなかから抽出された1種以上の成分を用いることができる。
本発明に用いられる打錠菓子中の前記苦味成分、辛味成分、渋味成分の量は、その味の種類、味の強さにより一概に限定できないが、例えば、賦形剤を除いて0.1〜20重量%が好ましい。残部は前記糖であればよい。
打錠菓子に用いられる糖としては、砂糖、結晶セルロース、糖アルコール、ブドウ糖などが挙げられる。
また、打錠菓子には、苦味、辛味、渋味を阻害しない程度であれば、イソプロピルアンチピリンなどの薬剤、ステアリン酸カルシウムなどの食品添加物、植物性又は動物性油脂、その他香料、着色料、酸味料、重曹、pH調整のためのカルボン酸塩などの他の成分を含有してもよい。
前記打錠菓子はその一部が露出した状態でキャンディに埋め込まれる。本発明でいうキャンディは、1種類以上の糖類を主原料とし、混合溶解した後、濃縮し、酸味成分などを適宜添加して撹拌したものであり、水分含有量は4重量%以下であることが好ましい。キャンディの水分含有量が4重量%を越えると、キャンディの耐久性が著しく損なわれる恐れがある。
前記糖類としては砂糖、ブドウ糖、果糖、ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、砂糖混合ブドウ糖果糖液糖、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖、乳糖、糖アルコール、水飴及び粉飴のなかから選択された1種以上の糖類を用いることができる。キャンディ生地中の糖類の含有量としては、70〜100重量%の範囲が好ましい。
前記酸味成分としては、酢、ミカン、レモン、ブドウ、黒麹菌、ウメ、ハイビスカス、パパイヤ、コーヒー豆、ユズ、トマト、スモモ、グレープフルーツ、イチゴ、ラズベリー、ブルーベリー、ブラックベリー、ザクロ、ガルシニアカンボジア、ヨーグルト、アセロラ、リンゴ、パイナップル、ミラクルフルーツ、オレンジ、八朔、梨、カシス、アプリコット、ビワ、ゴールデングリーンレーズン、その他の果物及び野菜の中から抽出された1種以上の成分を用いることができる。
尚、本発明のキャンディの生地中には、上記した酸味成分以外に、植物性又は動物性油脂、その他香料、着色料、酸味料、pH調整のためのカルボン酸塩を加えることができる。また、キャンディの生地中には不快な味とならない程度に上記苦味成分、辛味成分、渋味成分等を加えてもよい。
上記の構成を有する組み合わせ菓子の製造方法は、苦味成分、辛味成分、渋味成分の少なくとも1種類以上を含有する打錠菓子を作製する工程、モールドに前記打錠菓子を載置する工程、キャンディ組成分を前記モールドに載置された打錠菓子に流し込む工程からなることを特徴とする。
具体的には、まず、苦味成分、辛味成分、渋味成分の少なくとも1種類以上の成分を、糖を主原料とする他の原料と混合し、乾式打錠または湿式打錠等従来公知の製法によって所定の大きさに成型し、打錠菓子を製造する。上記のようにして作製した打錠菓子を、例えば、運搬装置を用いて半球型のモールドに載置する。一方、キャンディ生地は、砂糖と水飴などを混合溶解した後、濃縮し、酸味料や香料などを適宜添加して撹拌後、モールドに載置された上記打錠菓子に充填し、冷却して苦味成分、辛味成分、渋味成分の少なくとも1種類以上を含有する打錠菓子にその一部が露出した状態でキャンディが埋め込まれている本発明の組み合わせ菓子を製造する。打錠菓子の一部を露出した状態とは、組み合わせ菓子の表面に打錠菓子の一部が露出している状態をいう。かかる状態は、上記のようにモールド内にキャンディ生地を流し込む際に、打錠菓子の一部を予めキャンディに接触しない状態にしておくことで得られるが、モールド内で冷却後、所望の形になるように切断などの加工を施して打錠菓子の露出面積を調整してもよい。
具体的には、まず、苦味成分、辛味成分、渋味成分の少なくとも1種類以上の成分を、糖を主原料とする他の原料と混合し、乾式打錠または湿式打錠等従来公知の製法によって所定の大きさに成型し、打錠菓子を製造する。上記のようにして作製した打錠菓子を、例えば、運搬装置を用いて半球型のモールドに載置する。一方、キャンディ生地は、砂糖と水飴などを混合溶解した後、濃縮し、酸味料や香料などを適宜添加して撹拌後、モールドに載置された上記打錠菓子に充填し、冷却して苦味成分、辛味成分、渋味成分の少なくとも1種類以上を含有する打錠菓子にその一部が露出した状態でキャンディが埋め込まれている本発明の組み合わせ菓子を製造する。打錠菓子の一部を露出した状態とは、組み合わせ菓子の表面に打錠菓子の一部が露出している状態をいう。かかる状態は、上記のようにモールド内にキャンディ生地を流し込む際に、打錠菓子の一部を予めキャンディに接触しない状態にしておくことで得られるが、モールド内で冷却後、所望の形になるように切断などの加工を施して打錠菓子の露出面積を調整してもよい。
なお、前記モールドの形としては、特に限定はなく、半球型、円筒型、多角柱型など所望の組み合わせ菓子の形にあわせたものであればよい。
本発明の組み合わせ菓子においては、打錠菓子の露出部の表面積は、キャンディの表面積の3%〜75%の範囲であることが好ましい。打錠菓子の露出部の表面積がキャンディの表面積の3%未満の場合には、苦味成分、辛味成分、渋味成分の味に対する影響が小さすぎて、味の特徴やインパクトとして有効に感じることが出来ない。一方、打錠菓子の露出部の表面積がキャンディの表面積の75%を越える場合には、苦味成分、辛味成分、渋味成分の味に対する影響が大きすぎて、食品自体のおいしさを阻害する傾向がある。また、打錠菓子の味成分の強さにもよるが、打錠菓子の露出部の表面積は、キャンディの表面積の3%〜50%であることがより好ましい。なお、この表面積とは完成品である組み合わせ菓子の表面積をいう。
また、本発明の組み合わせ菓子では、本発明に特有の味を長く楽しむ観点から、口の中で前記打錠菓子とキャンディとが最後まで溶け残るように設計することが好ましい。このような手段としては、打錠菓子とキャンディとの溶解速度により一概に限定できないが、例えば、前記打錠菓子とキャンディとの量を調整する方法が挙げられ、具体的には、打錠菓子/キャンディ(重量比)1/2〜1/20が好ましく、1/4〜1/10がより好ましい。
以上のようにして得られる組み合わせ菓子の形状としては、その表面の一部に前記打錠菓子が露出していれば特に限定はない。
例えば、図1は、本発明の組み合わせ菓子の1例を示すものである。本実施形態では、組み合わせ菓子1は、直径7mm×高さ3mmの円柱状の打錠菓子2の底面のみが露出した状態で、直径14mm×高さ7mmの半球状のキャンディ3に埋め込まれる形態となっている。
例えば、図1は、本発明の組み合わせ菓子の1例を示すものである。本実施形態では、組み合わせ菓子1は、直径7mm×高さ3mmの円柱状の打錠菓子2の底面のみが露出した状態で、直径14mm×高さ7mmの半球状のキャンディ3に埋め込まれる形態となっている。
図2、3、4も、本発明の組み合わせ菓子の1例を示すものであり、図2、3は図1の変形例である。図2では打錠菓子2の底面の形を星型にしている。図3ではキャンディ3の形を六角柱状にしている。また、図4では組み合わせ菓子1は、六面体のキャンディ3の上下2面の表面に打錠菓子2が露出しており、打錠菓子2の含有量が多い実施形態を示す。
次に実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら制限されるものではない。なお、実施例の記載中、とくに断らない限り、「%」は「重量%」を、「部」は「重量部」を表す。
まず次のようにして打錠菓子を製造した。砂糖70部、生姜抽出物28部(辛味成分2部、賦形剤26部)を粉体混合し、流動層造粒機を使用して造粒品を調製した。さらに、前記のように調製した造粒品にステアリン酸カルシウム1部、香料1部を混合し、打錠機で直径7mm、厚さ3mm、1粒あたりの重量0.25gに圧縮成型した。この打錠菓子の水分含有量は0.8%であった。上記のようにして作成した打錠菓子を自在に吸気、排気ができる穴の開いたドラムを用いて直径14mm、深さ20mmの半球型のモールドに1粒ずつ載置した。
一方、砂糖60部、水飴37部を真空クッカーで水分2.5%まで煮詰め、レモン粉末果汁2部、酸味料0.9部、香料0.1部を加圧ミキサーで混合し、キャンディ生地を得た。上記のようにして作製したキャンディ生地を、モールドに載置された上記打錠菓子の底面のみが露出するように2g充填し、冷却して本発明の組み合わせ菓子を作製した(打錠菓子の露出部の表面積8%)。このようにして得られた組み合わせ菓子は、生姜抽出物の辛味が、キャンディのおいしさを阻害することなく、むしろ組み合わせ菓子の味のインパクトとして有効に感じられる新規のおいしい組み合わせ菓子であった。
実施例1において、生姜抽出物の代わりにホップエキスを用いた以外は実施例1と同様にして打錠菓子を得、組み合わせ菓子を作製した。このようにして得られた組み合わせ菓子は、ホップエキスの苦味が、キャンディのおいしさを阻害することなく、むしろ組み合わせ菓子の味のインパクトとして有効に感じられる新規のおいしい組み合わせ菓子であった。
実施例1において、レモン粉末果汁の代わりに紅茶抽出物を用いた以外は実施例1と同様にしてキャンディ生地を得、組み合わせ菓子を作製した。このようにして得られた組み合わせ菓子は、生姜抽出物の辛味が、紅茶風味のキャンディのおいしさを阻害することなく、むしろ組み合わせ菓子の味のインパクトとして有効に感じられる新規のおいしい組み合わせ菓子であった。
実施例1において、レモン粉末果汁の代わりにホップエキスを用いた以外は実施例1と同様にしてキャンディ生地を得、組み合わせ菓子を作製した。このようにして得られた組み合わせ菓子は、生姜抽出物の辛味が、ほのかな苦味のあるホップ風味のキャンディのおいしさを阻害することなく、むしろ組み合わせ菓子の味のインパクトとして有効に感じられる新規のおいしい組み合わせ菓子であった。
実施例1において、打錠菓子を厚さ5mm、1粒あたりの重量0.25gの星型に圧縮成型した以外は実施例1と同様にして打錠菓子を得、組み合わせ菓子を作製した(打錠菓子の露出部の表面積7%)(図2)。このようにして得られた組み合わせ菓子は、生姜抽出物の辛味が、組み合わせ菓子の味のインパクトとして有効に感じられる、見た目にも可愛らしい新規のおいしい組み合わせ菓子であった。
実施例1において、モールドを一辺4.2mm、深さ20mmの正六角柱型のモールドにした以外は実施例1と同様にして、組み合わせ菓子を作製した(打錠菓子の露出部の表面積7%)(図3)。このようにして得られた組み合わせ菓子は、生姜抽出物の辛味が、組み合わせ菓子の味のインパクトとして有効に感じられる、見た目にも美しい新規のおいしい組み合わせ菓子であった。
実施例1において、キャンディ生地の充填量を3gにした以外は実施例1と同様にして、組み合わせ菓子を作製した。このようにして得られた組み合わせ菓子は、生姜抽出物の辛味が、組み合わせ菓子の味のインパクトとして有効に感じられる、新規のおいしい組み合わせ菓子であった。
実施例1において、打錠菓子を直径3mm、長さ15mm、1粒あたりの重量0.22gの棒状に圧縮成型した。これを1辺5mm、深さ20mmの正四角柱型のモールドに1粒ずつ垂直に載置し、その上下面のみが露出するように上記キャンディを充填し、冷却して、図4に示す形態の本発明の組み合わせ菓子を作製した(打錠菓子の露出部の表面積4.2%)。このようにして得られた組み合わせ菓子は、生姜抽出物の辛味が、組み合わせ菓子の味のインパクトとして有効に感じられる、新規のおいしい組み合わせ菓子であった。
まず次のようにして打錠菓子を製造した。キシリトール75部、結晶セルロース7部を粉体混合し、流動層造粒機を使用して造粒品を調製した。さらに、前記のように調製した造粒品にイソプロピルアンチピリン15部、ステアリン酸カルシウム2部、香料1部を混合し、打錠機で直径7mm、厚さ3mm、1粒あたりの重量0.25gに圧縮成型した。この打錠菓子の水分含有量は0.8%であった。上記のようにして作製された打錠菓子を自在に吸気、排気ができる穴の開いたドラムを用いて直径14mm、深さ20mmの半球型のモールドに1粒ずつ載置した。
一方、還元パラチノースを真空クッカーで水分1.5%まで煮詰め、ビタミンC3部、甘味料0.3部、レモン香料0.1部を加圧ミキサーで混合し、キャンディ生地を得た。上記のようにして作製されたキャンディ生地を、モールドに載置された上記打錠菓子の底面のみが露出するように2g充填し、冷却して本発明の組み合わせ菓子を作製した。このようにして得られた組み合わせ菓子は、イソプロピルアンチピリンの苦味が、レモンキャンディの美味しさを阻害することなく、むしろ柑橘のピール感として有効に感じられる新規の美味しい組み合わせ菓子であった。
一方、還元パラチノースを真空クッカーで水分1.5%まで煮詰め、ビタミンC3部、甘味料0.3部、レモン香料0.1部を加圧ミキサーで混合し、キャンディ生地を得た。上記のようにして作製されたキャンディ生地を、モールドに載置された上記打錠菓子の底面のみが露出するように2g充填し、冷却して本発明の組み合わせ菓子を作製した。このようにして得られた組み合わせ菓子は、イソプロピルアンチピリンの苦味が、レモンキャンディの美味しさを阻害することなく、むしろ柑橘のピール感として有効に感じられる新規の美味しい組み合わせ菓子であった。
1 組み合わせ菓子
2 打錠菓子
3 キャンディ
2 打錠菓子
3 キャンディ
Claims (3)
- 苦味成分、辛味成分、渋味成分の少なくとも1種類以上を含有する打錠菓子がその一部が露出した状態でキャンディに埋め込まれていることを特徴とする組み合わせ菓子。
- 打錠菓子の露出部の表面積が、キャンディの表面積の3%〜75%の範囲であることを特徴とする請求項1記載の組み合わせ菓子。
- 苦味成分、辛味成分、渋味成分の少なくとも1種類以上を含有する打錠菓子を作製する工程、モールドに前記打錠菓子を載置する工程、キャンディ組成分を前記モールドに載置された打錠菓子に流し込む工程からなることを特徴とする、苦味成分、辛味成分、渋味成分の少なくとも1種類以上を含有する打錠菓子にその一部が露出した状態でキャンディが埋め込まれている組み合わせ菓子の製造方法。
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