JP2013222049A - 磁性1成分現像剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】所望する濃度の画像を形成でき、長期間にわたって印刷が行われ、現像装置内でトナーが長時間撹拌されても、トナーを所望の帯電量に帯電させることができ、オフセット、及び文字チリの発生を抑制できる、磁性1成分現像剤を提供すること。
【解決手段】少なくとも磁性粉を含み、磁性1成分現像剤であって、結着樹脂中に離型剤を含まない球形トナーと、結着樹脂中に離型剤を含まない非球形トナーとからなり、トナーの粒子100個について、走査型電子顕微鏡画像から測定される球形トナーと非球形トナーの円形度が所定範囲の値であり、球形トナーと非球形トナーとの個数比率が所定範囲である、磁性1成分現像剤。
【選択図】図3

Description

本発明は、磁性1成分現像剤に関する。
一般に電子写真法等の画像形成方法においては、静電潜像担持体(感光体)の表面をコロナ放電等により帯電させた後、レーザー等により露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成し、さらにこのトナー像を記録媒体に転写して高品質な画像を得ている。通常トナー像の形成に使用するトナーには熱可塑性樹脂等の結着樹脂に、着色剤、電荷制御剤、離型剤等を混合して混練、粉砕、分級を行い平均粒径5〜10μmのトナー粒子としたものが用いられる。
そして、トナーに流動性を付与したり、トナーの帯電不良の抑制を行ったり、転写されずに感光体上に残留したトナーのクリーニング性を向上させたりする目的で、トナーの球形化や、トナーに対するシリカや酸化チタン等の無機微粉末等の外添剤の付与がなされている。
ところで、現在、実用化されている種々の静電複写方式における乾式現像法としては、トナー及び鉄粉等のキャリアを用いる2成分現像方式と、キャリアを用いずトナー内部に磁性粉を含有するトナーを用いる磁性1成分現像方式が知られている。
そして、このような磁性1成分現像方式に用いられるトナーに関して、トナーの流動性を向上させたり、トナーを良好に帯電させたりするために、例えば、熱処理により表面改質されており、誘電体損が3.5×10−3以下である磁性トナー(特許文献1参照)や、熱処理によりトナー粒子を球形化した磁性トナーが提案されている(特許文献2参照)。
特開平6−51556号公報 特開平5−281783号公報
しかし、特許文献1及び2に記載の磁性トナーでは、トナーの製造工程での加熱や、摩擦により生じる熱等に起因して、トナー中に含まれる離型剤がトナー表面に染み出しやすい。離型剤がトナー表面に染み出した場合、長期間にわたって印刷が行われ、現像装置内でトナーが長時間撹拌される場合に、トナーの流動性の低下や、トナー表面の一部が染み出した離型剤により被覆されてしまうことによって、トナーを所望の帯電量に帯電させにくくなる。トナーが所望の帯電量に帯電されない場合、所望の画像濃度の画像を形成しにくくなる問題がある。
また、定着ローラー等の伝熱部材を用いて画像の定着を行う場合に、伝熱部材とトナー像とが接触することによって、伝熱部材が帯電してしまうことがある。伝熱部材が帯電された場合、帯電電荷が、未定着トナー像を静電的にはじいたりひきつけたりすることによって、「文字チリ」(定着された画像において、文字等の近傍にトナーが飛散付着している現象)といわれる画像不良が生じることが知られている。この「文字チリ」の画像不良は、トナーが所望の帯電量に帯電されない場合より生じやすくなる。
特許文献1及び2に記載の磁性トナーの、上記の帯電量に関する課題を解決するために、離型剤の使用量を減らすか、離型剤を使用しないことが考えられる。しかし、この場合、加熱された定着ローラーにトナーが融着することによるオフセットが生じやすい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、所望する濃度の画像を形成でき、長期間にわたって印刷が行われ、現像装置内でトナーが長時間撹拌されても、トナーを所望の帯電量に帯電させることができ、オフセット、及び文字チリの発生を抑制できる、磁性1成分現像剤を提供すること目的とする。
本発明者らは、結着樹脂中に少なくとも磁性粉を含み離型剤を含まない球形トナーと、結着樹脂中に少なくとも磁性粉と離型剤とを含む非球形トナーとからなり、球形トナーの円形度が0.980以上であり、非球形トナーの円形度が0.960以下であって、球形トナーと非球形トナーとを、特定の範囲の個数比率で含む、磁性1成分現像剤により上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明は、結着樹脂中に少なくとも磁性粉を含み離型剤を含まない球形トナーと、結着樹脂中に少なくとも磁性粉と離型剤とを含む非球形トナーとからなる磁性1成分現像剤であって、
球形トナーと非球形トナーとからなるトナーの粒子100個について倍率3000倍で撮影した走査型電子顕微鏡画像から測定される、球形トナーの円形度が、非球形トナーの円形度、及び前記球形トナーの粒子数(A)の、前記非球形トナーの粒子数(B)に対する個数比率(A)/(B)が、下式(1)〜(3)の関係を満たす、磁性1成分現像剤に関する。
球形トナーの円形度≧0.980・・・(1)
非球形トナーの円形度≦0.960・・・(2)
3/7≦個数比率(A)/(B)≦5/5・・・(3)
本発明によれば、長期間にわたって印刷が行われ、現像装置内でトナーが長時間撹拌されても、当該トナーを用いて所望する濃度の画像を形成でき、オフセット、及び文字チリの発生を抑制できる、磁性1成分現像剤を提供することができる。
本発明の磁性1成分現像剤に含まれる磁性粉の形状を模式的に示す斜視図である。 磁性粉のSEM写真を示す図である。 本発明の磁性1成分現像剤のSEM写真を示す図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
本発明の磁性1成分現像剤(以下、単に現像剤ともいう)は、少なくとも磁性粉を含む、磁性1成分現像剤であって、結着樹脂中に離型剤を含まない球形トナーと、結着樹脂中に離型剤を含む非球形トナーとからなり(以下、球形トナーと、非球形トナーとを合わせて、単にトナーともいう)、トナーの粒子100個について、走査型電子顕微鏡画像から測定される球形トナーと非球形トナーの円形度が所定範囲の値であり、球形トナーと非球形トナーとの個数比率が所定範囲である。本発明の現像剤は、結着樹脂中に、必要に応じ、着色剤、電荷制御剤等を含んでいてもよい。また、本発明の現像剤は、所望によりその表面を外添剤により処理されたものであってもよい。
以下、本発明の磁性1成分現像剤を構成する、球形トナーと非球形トナーの構成成分として必須、又は任意の成分である、結着樹脂、磁性粉、離型剤、着色剤、電荷制御剤、及び外添剤と、磁性1成分現像剤の製造方法とについて順に説明する。
〔結着樹脂〕
結着樹脂は、従来からトナー粒子の構成成分としての結着樹脂として用いられている樹脂であれば特に制限されない。結着樹脂の具体例としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂の中でも、トナー中の着色剤に対する分散性、トナーの帯電性、用紙に対する定着性の面から、スチレンアクリル系樹脂、及びポリエステル樹脂が好ましい。以下、スチレンアクリル系樹脂、及びポリエステル樹脂について説明する。
スチレンアクリル系樹脂は、スチレン系単量体とアクリル系単量体との共重合体である。スチレン系単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン等が挙げられる。アクリル系単量体の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
ポリエステル樹脂は、2価又は3価以上のアルコール成分と2価又は3価以上のカルボン酸成分との縮重合ないし共縮重合によって得られるものを使用することができる。ポリエステル系樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下のアルコール成分やカルボン酸成分が挙げられる。
2価又は3価以上のアルコール成分の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の3価以上のアルコール類が挙げられる。
2価又は3価以上のカルボン酸成分の具体例としては、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、又はn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等のアルキル又はアルケニルコハク酸等の2価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等の3価以上のカルボン酸等が挙げられる。これらの2価又は3価以上のカルボン酸成分は、酸ハライド、酸無水物、低級アルキルエステル等のエステル形成性の誘導体として用いてもよい。ここで、「低級アルキル」とは、炭素原子数1から6のアルキル基を意味する。
結着樹脂がポリエステル樹脂である場合の、ポリエステル樹脂の軟化点は、80〜150℃であることが好ましく、90〜140℃がより好ましい。
結着樹脂としては、定着性が良好であることから熱可塑性樹脂を用いることが好ましいが、熱可塑性樹脂単独で使用するだけでなく、熱可塑性樹脂に架橋剤や熱硬化性樹脂を添加することができる。結着樹脂内に一部架橋構造を導入することにより、定着性を低下させることなく、トナーの保存安定性、形態保持性、耐久性等を向上させることができる。
熱可塑性樹脂と共に使用できる熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂やシアネート系樹脂が好ましい。好適な熱硬化性樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、シアネート樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、2種以上を組み合わせて使用できる。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、50〜65℃が好ましく、50〜60℃がより好ましい。結着樹脂のガラス転移点が低すぎる場合、画像形成装置の現像部の内部でトナー同士が融着したり、保存安定性の低下により、トナー容器の輸送時や倉庫等での保管時にトナー同士が一部融着したりする場合がある。また、ガラス転移点が高すぎる場合、結着樹脂の強度が低下し、潜像担持部(感光体)にトナーが付着しやすい。ガラス転移点が高すぎる場合、トナーが低温で良好に定着しにくい傾向がある。
なお、結着樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、比熱の変化点から求めることができる。より具体的には、測定装置としてセイコーインスツルメンツ株式会社製示差走査熱量計DSC−6200を用い、吸熱曲線を測定することで求めることができる。測定試料10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25〜200℃、昇温速度10℃/minで常温常湿下にて測定して得られた吸熱曲線よりガラス転移点を求めることができる。
〔磁性粉〕
本発明の磁性1成分現像剤を構成する、球形トナーと非球形トナーとは、磁性トナーであるため、それぞれ結着樹脂中に磁性粉を含む。結着樹脂中に配合される磁性粉の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。
本発明の磁性1成分現像剤に用いる磁性粉としては、以下のような粒子形状の磁性粉を用いるのが好ましい。具体的には、図1に二点鎖線及び破線で示す8個の三角形で囲まれた凸多面体である八面体2を基本とし、且つ、実線で示す、八面体2の各頂点及び稜線が曲面状である粒子形状の磁性粉1が好ましい。さらに、図2に示されるように、好適な粒子形状の磁性粉は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて撮影した写真(投影像)により観察される、粒子の外周部が略直線状である。
図1に示される磁性粉1は、電荷の放出点となる尖った頂点や稜線を有しないため、トナーに内包させた際に、電荷のリークを起こしにくい。さらに、流動性、及び結着樹脂に対する分散性に優れており、結着樹脂中に均一に分散させやすい。また、個々のトナー粒子における磁性粉の分散状態にばらつきが生じるのを防止して、個々の磁性トナーの、帯電のしやすさや、帯電量等を均一化しやすい。
また、磁性粉1は、基本形状が八面体であるため、当該八面体を構成する、頂点又は稜線を挟んで隣り合う面の何れか、若しくは頂点を挟んで隣り合う稜線の何れかが、必ず90°未満の鋭角で交わっている。このため、隣り合う面又は稜線が鋭角で交わった頂点や、隣り合う面が鋭角で交わった稜線に、電荷が集中しやすい。さらに、磁性粉1は、投影像の外周部が略直線状であり、八面体の隣り合う面が交差する稜線や頂点が曲面で構成されているものの、その曲面の曲率半径が、同等の粒径を有する球状の磁性粉の曲率半径に比べて小さい。そのため、磁性粉1によれば、電荷が集中しやすい頂点や稜線から、電荷を、適度な割合で放出させやすい。
好適に用いられる磁性粉の具体例としては、フェライト、マグネタイト等の鉄;コバルト、ニッケル等の強磁性金属;鉄、及び/又は強磁性金属を含む合金;鉄、及び/又は強磁性金属を含む化合物;熱処理等の強磁性化処理を施された強磁性合金;二酸化クロム等が挙げられる。特に、磁性トナーに、良好な磁気特性を付与することを考慮すると、磁性粉としては、Feに対して0.1〜10原子%の、Mn、Zn、Ni、Cu、Al、Ti、及びSiから選択される少なくとも1種の元素を含むマグネタイトによって形成する磁性粉を用いるのが好ましい。
磁性粉の平均粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で限定されない。具体的な磁性粉の平均粒子径は、0.01〜0.50μmが好ましく、0.05〜0.35μmがより好ましく、0.15〜0.30μmが特に好ましい。このような範囲の平均粒子径の磁性粉を用いる場合、結着樹脂中に磁性粉を均一に分散させやすい。磁性粉の平均粒子径が過少である場合、トナー粒子の表面に露出する磁性粉の割合が増加しやすく、露出した磁性粉から電荷が放出されて、磁性トナーの帯電不足を招く結果、形成画像の画像濃度が所望する値より低くなりやすい。一方、磁性粉の平均粒子径が過大である場合、トナー粒子の表面に露出する磁性粉の割合が減少し、露出した磁性粉から放出される電荷が少なくなりやすく、磁性トナーのチャージアップを招く結果、特に画像形成を繰り返した際に、形成画像の画像濃度が所望する値より低くなりやすい。なお、磁性粉の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡によって撮影した写真(倍率1万倍)を4倍に拡大し、写真に写された300個の磁性粉について測定したマーチン径(円相当径)の平均値を算出することにより求められる。
図1に示される粒子形状であり、マグネタイトからなる磁性粉は、例えば、下記の方法により製造できる。
(磁性粉の製造方法)
1.5mol/リットルのFe2+を含む硫酸第一鉄塩水溶液26.7リットルを、あらかじめ反応容器中に入れておいた、3.4Nの水酸化ナトリウム水溶液25.9リットル(Fe2+に対し1.10当量に相当する)に加え、90℃に加熱して、pHを10.5に維持しながら、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩懸濁液を生成させる。
次いで、第一鉄塩懸濁液の液温を90℃に維持しながら、懸濁液に毎分100リットルの空気を80分間にわたって吹き込んで、第一鉄塩の酸化反応率が60%になるまで酸化反応させる。次に、硫酸水溶液により懸濁液のpHを6.5に調整した後、懸濁液の液温を90℃に維持しながら、懸濁液に毎分100リットルの空気を50分間にわたって吹き込んで、懸濁液中にマグネタイト粒子を生成させる。
そして、水酸化ナトリウム水溶液により、マグネタイト粒子を含む懸濁液のpHを10.5に調整した後、懸濁液の液温を90℃に維持しながら、懸濁液に毎分100リットルの空気を20分間にわたって吹き込む。その後、生成したマグネタイト粒子を水洗し、濾別し、乾燥して、マグネタイト粒子の凝集物を得る。得られるマグネタイト粒子の凝集物を粉砕して、磁性粉が得られる。
なお、上記の合成反応の際、水酸化アルカリ水溶液、若しくは水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液に、水可溶性ケイ酸塩等の、水溶性の各種金属化合物を、各々の金属に換算して、Feに対して0.1〜10原子%の割合で加えると共に、第1段階の反応において、酸素含有ガスの通気を開始する際の、液のpHを8.0〜9.5に調整すると、合成される磁性粉は、Feに対して、上記所定の割合で、Mn、Zn、Ni、Cu、Al、Ti、及びSiから選択される少なくとも1種の元素を含むマグネタイトからなる磁性粉が得られる。
磁性粉は、結着樹脂中での分散性を改良する目的等で、チタン系カップリング剤やシラン系カップリング剤等の表面処理剤により表面処理されたものを使用できる。中でも、シラン系カップリング剤が好ましく、具体例としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン等が挙げられる。また、1分子中に2〜12個のシロキサン単位を有し、且つ末端に位置するシロキサン単位に各々1個ずつ、ケイ素原子に結合した水酸基を含むジメチルポリシロキサン等を用いることもできる。
球形トナー及び非球形トナーでの磁性粉の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的な磁性粉の使用量は、トナー全量を100質量部とした場合に、35〜60質量部が好ましく、35〜55質量部がより好ましい。磁性粉の使用量が過多である場合、現像剤担持体に内蔵した固定磁石の磁力によって、当該現像剤担持体の表面に、トナーの薄層を保持させる効果が強くなり過ぎるため、形成画像の画像濃度が所望する値より低くなるおそれがある。また、相対的に結着樹脂の割合が低下するため、トナーの、被記録媒体への定着性が低下したり、耐久性が低下したりするおそれもある。一方、磁性粉の使用量が過少である場合、現像剤担持体の表面に、磁性トナーの薄層を保持させる効果が低下するため、長期間にわたって印刷を行う際に、形成画像にかぶりが発生しやすかったり、形成画像の画像濃度を維持しにくくなったりする場合がある。
〔離型剤〕
磁性1成分現像剤を構成する非球形トナーは、定着性や耐オフセット性を向上させる目的で、離型剤を含む。非球形トナーに添加する離型剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。離型剤としてはワックスが好ましく、ワックスの例としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フッ素樹脂系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックス等が挙げられる。これらのワックスは2種以上を組み合わせて使用できる。これらの離型剤をトナーに添加することにより、オフセットや像スミアリング(画像をこすった際の画像周囲の汚れ)の発生をより効率的に抑制することができる。
非球形トナーでの離型剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的な離型剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、2〜10質量部が好ましい。離型剤の使用量が過少である場合、オフセットや像スミアリングの発生の抑制について所望の効果が得られない場合があり、離型剤の使用量が過多である場合、トナー同士の融着によって保存安定性が低下する場合がある。一方、球形トナーでは、離型剤が含まれない。非球形トナーの離型剤の含有量が過少、又は含まれない場合、オフセットの発生を抑制しにくい。
〔着色剤〕
本発明の磁性1成分現像剤は、磁性粉を必須の成分として含むため、通常黒色である。このため、トナーは、本発明の目的を阻害しない範囲で、本発明の磁性1成分現像剤を用いて形成した形成画像をより好ましい黒色の色相に調整する目的で、着色剤として、公知の染料又は顔料を含んでいてもよい。具体的には、顔料としてはカーボンブラック等が挙げられ、染料としてはアシッドバイオレット等が挙げられる。
着色剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。典型的には、結着樹脂100質量部に対して、1〜20質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。
〔電荷制御剤〕
トナーは、結着樹脂中に電荷制御剤を含んでいてもよい。電荷制御剤は、トナーの帯電レベルや、所定の帯電レベルに短時間でトナーを帯電可能か否かの指標となる帯電立ち上がり特性を向上させ、耐久性や安定性に優れたトナーを得る目的で使用される。トナーを正帯電させて現像を行う場合、正帯電性の電荷制御剤が使用され、トナーを負帯電させて現像を行う場合、負帯電性の電荷制御剤が使用される。本発明の磁性1成分現像剤は、球形トナーと非球形トナーとから構成されるが、トナーが電化制御剤を含む場合、球形トナーと非球形トナー双方が電化制御剤を含むのが好ましい。
電荷制御剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来よりトナーに使用されている電荷制御剤から適宜選択できる。正帯電性の電荷制御剤の具体例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン等のアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ−ンBH/C、アジンディ−プブラックEW、及びアジンディーブブラック3RL等のアジン化合物からなる直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体等のニグロシン化合物;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ等のニグロシン化合物からなる酸性染料;ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの正帯電性の電荷制御剤の中では、より迅速な帯電の立ち上がり性が得られる点で、ニグロシン化合物を使用することが特に好ましい。これらの正帯電性の電荷制御剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
官能基として4級アンモニウム塩、カルボン酸塩、又はカルボキシル基を有する樹脂も正帯電性の電荷制御剤として使用できる。より具体的には、4級アンモニウム塩を有するスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン系樹脂、カルボン酸塩を有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン系樹脂、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル系樹脂等の1種又は2種以上が挙げられる。これらの樹脂の分子量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、オリゴマーであってもポリマーであってもよい。
正帯電性の電荷制御剤として使用できる樹脂の中では、帯電量を所望の範囲内の値に容易に調節することができる点から、4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン−アクリル系樹脂がより好ましい。4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン−アクリル系樹脂において、スチレン単位と共重合させる好ましいアクリル系コモノマーの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
また、4級アンモニウム塩としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキル(メタ)アクリルアミド、又はジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドから第4級化の工程を経て誘導される単位が用いられる。ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、ジアルキル(メタ)アクリルアミドの具体例としてはジメチルメタクリルアミドが挙げられ、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの具体例としては、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドが挙げられる。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有重合性モノマーを重合時に併用することもできる。
負帯電性の電荷制御剤の具体例としては、例えば、有機金属錯体、キレート化合物等が挙げられる。有機金属錯体、及びキレート化合物としては、アルミニウムアセチルアセトナートや鉄(II)アセチルアセトナート等のアセチルアセトン金属錯体、及び、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸クロム等のサリチル酸系金属錯体又はサリチル酸系金属塩が好ましく、サリチル酸系金属錯体又はサリチル酸系金属塩がより好ましい。これらの負帯電性の電荷制御剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
正帯電性又は負帯電性の電荷制御剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。正帯電性又は負帯電性の電荷制御剤の使用量は、典型的には、トナー全量を100質量部とした場合に、1.5〜15質量部が好ましく、2.0〜8.0質量部がより好ましく、3.0〜7.0質量部が特に好ましい。電荷制御剤の使用量が過少である場合、所定の極性にトナーを安定して帯電させ難いため、形成画像の画像濃度の低下や、画像濃度を長期にわたって維持することが困難になることがある。また、このような場合、電荷制御剤が均一に分散し難く、形成画像にかぶりが生じやすくなったり、潜像担持部のトナーによる汚染が起こりやすくなったりする。電荷制御剤の使用量が過多である場合、耐環境性の悪化による、高温高湿下での帯電不良に起因する形成画像における画像不良や、潜像担持部のトナーによる汚染等が起こりやすくなる。
〔外添剤〕
本発明の磁性1成分現像剤は、所望によりその表面を外添剤により処理することができる。外添剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来からトナー用に使用されている外添剤から適宜選択できる。好適な外添剤の具体例としては、シリカや、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の金属酸化物が挙げられる。これらの外添剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。また、これらの外添剤は、アミノシランカップリング剤やシリコーンオイル等の疎水化剤により疎水化して使用することもできる。疎水化された外添剤を用いる場合、高温高湿下での帯電量の低下を抑制しやすく、流動性に優れるトナーを得やすい。
外添剤の粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、典型的には0.01〜1.0μmが好ましい。
外添剤の体積固有の抵抗値は、外添剤の表面に酸化スズ及び酸化アンチモンからなる被覆層を形成し、被覆層の厚さや、酸化スズと酸化アンチモンとの比率を変えることにより調整できる。
外添剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。外添剤の使用量は、典型的には、外添処理前のトナー粒子100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。なお、球形トナーと、非球形トナーは別個に外添処理されてもよい。また、球形トナーと非球形トナーとが別個に外添処理される場合、球形トナーと非球形トナーとの外添剤の使用量は異なっていてもよい。
〔磁性1成分現像剤の製造方法〕
磁性1成分現像剤の製造方法は、それぞれ所定の形状である離型剤を含まない球形トナーと離型剤を含む非球形トナーとを、後述する所定の比率で混合する方法であれば特に限定されない。球形トナーと、非球形トナーとを混合する方法は、これらを均一に混合できれば特に限定されない。球形トナーと、非球形トナーとを混合する方法としては、例えば、ヘンシェルミキサー等の混合装置を用いる方法が挙げられる。
球形トナー及び非球形トナーの好適な製造方法としては、結着樹脂と所定の成分とを混合した後に、得られた混合物を粉砕してトナーを得る、粉砕法が好ましい。本発明のトナーは磁性粉を含む磁性トナーであるが、粉砕法を適用する場合、所定量の磁性粉を含む磁性トナーの調製が容易である。以下、粉砕法による、球形トナーと、非球形トナーの製造方法について具体的に説明する。
(球形トナーの製造方法)
球形トナーの粉砕法による製造方法としては、結着樹脂に、磁性粉と、必要に応じて、着色剤、電荷制御剤等の任意成分とを混合機等により混合した後、一軸又は二軸押出機等の混練機により結着樹脂と結着樹脂に配合される成分とを溶融混練し、冷却された混練物を粉砕した後に、粉砕物を球形化処理する方法が挙げられる。前述の粉砕工程は、混練物を粗粉砕して粗粉砕物を得た後、得られた粗粉砕物をさらに微粉砕して微粉砕物を得る工程を含むのが好ましい。球形トナーは、分級により所望の粒子径に調整されるが、分級は、球形化処理の前後何れで行われてもよい。球形トナーの平均粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、一般的には5〜10μmが好ましい。
粉砕物を球形化処理する方法は、球形トナーの円形度を所定の範囲とすることができれば特に限定されない。好適な球形化処理方法としては、上述の粉砕物を、熱処理する方法が挙げられる。熱処理を含む粉砕法に限らず、結着樹脂、着色剤、離型剤等の微粒子を凝集させる凝集法等の離型剤を含む球形トナーを調製する場合、トナー表面への離型剤の染み出しが生じやすいが、本発明の磁性1成分現像剤は、離型剤を含まない球形トナーを含むため、離型剤の染み出しにより生じる種々の問題を回避できる。
熱処理の条件は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。典型的には、熱処理の際の温度は300〜400℃が好ましい。球形トナーの円形度は、熱処理の温度を変えることにより調整することができる。熱処理の温度を高くすることにより、得られるトナーの円形度を高くすることができる。熱処理は、トナーの溶融や、トナー同士の融着を避けるため、通常、瞬間的に行われる。好適な、熱処理方法としては、サフュージョン(日本ニューマチック工業株式会社製)等の熱処理装置を用いる方法が挙げられる。
(非球形トナーの製造方法)
非球形トナーの粉砕法による製造方法としては、結着樹脂に、磁性粉と離型剤と、必要に応じて、着色剤、電荷制御剤等の任意成分とを混合機等により混合した後、一軸又は二軸押出機等の混練機により結着樹脂と結着樹脂に配合される成分とを溶融混練し、冷却された混練物を粉砕した後に、粉砕物を分級する方法が挙げられる。前述の粉砕工程は、混練物を粗粉砕して粗粉砕物を得た後、得られた粗粉砕物をさらに微粉砕して微粉砕物を得る工程を含むのが好ましい。非球形トナーの平均粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、一般的には5〜10μmが好ましい。
非球形トナーの円形度を調整する方法は特に限定されない。例えば、非球形トナーの円形度は、上述の混練物を、粗粉砕した後に、所望の粒子径まで微粉砕する際に、微粉砕工程を2回以上の複数回に分けて行うことにより調整できる。例えば、平均粒子径100μmの粗粉砕物を、平均粒子径5μmまで微粉砕する場合について、平均粒子径100μmの粗粉砕物を平均粒子径50μまで微粉砕した後に微粉砕物を回収し、回収された微粉砕物を平均粒子径20μmまで微粉砕した後に回収し、回収された微粉砕物を平均粒子径5μmまで微粉砕するような場合について、微粉砕を3回に分けて行ったものとする。微粉砕の分割回数を増やすことにより、得られる非球形トナーの円形度が高くなる傾向がある。
トナーが離型剤を含まない場合、トナーが過度に帯電されやすく、所望する濃度の画像を形成しにくい場合がある。しかし、本発明のトナーは、離型剤を含有する非球形トナーを所定の比率で含有するため、トナーの過度の帯電を抑制でき、所望する濃度の画像を形成しやすい。
なお、球形トナー、及び非球形トナーをそれぞれ製造する際、磁性1成分現像剤の球形トナーの数(A)の、非球形トナーの数(B)に対する個数比率(A)/(B)を調整しやすくするために、球形トナー、及び非球形トナーの1個当たりのそれぞれの質量が等しくなるように製造条件を調整するのが好ましい。例えば、上記した球形トナー、及び非球形トナーの好適な製造方法について、分級処理まで(球形トナーについては球形化処理まで)を、離型剤を含有させるか否かの条件以外は、共通の条件で製造することにより、球形トナー、及び非球形トナーの1個当たりのそれぞれの質量を近づけることができる。
球形トナー、及び非球形トナーの1個当たりのそれぞれの質量が等しくなるように製造することによって、球形トナーと、非球形トナーとを混合する際、それぞれの質量比にて個数比率(A)/(B)が調整しやすくなる。つまり、球形トナーの質量(A)の、非球形トナーの質量(B)に対する混合比率(A)/(B)を、3/7〜5/5を満たすように混合することで、個数比率(A)/(B)も3/7〜5/5を満たすように調製できる。
本発明の磁性1成分現像剤は、トナーの粒子100個を走査型電子顕微鏡により観察した場合に観測される、球形トナーの数(A)の、非球形トナーの数(B)に対する個数比率(A)/(B)が、3/7〜5/5である。
非球形トナーの数(B)に対して、球形トナーの数(A)が過多である場合、得られるトナーの流動性が良好であり、トナーを所望の帯電量に帯電させやすくなるものの、トナー中の離型剤含有量の低下によって、オフセットによる画像不良が発生しやすくなり、その結果、形成画像の画像濃度が所望する値より低くなりやすい。また、トナーが球形トナーのみで構成される場合には、トナーが過剰に帯電されやすく、所望する濃度の画像を形成できず、文字チリ等の発生も抑制しにくい。
一方、非球形トナーの数(B)に対して、球形トナーの数(A)が過少である場合、流動性の良好なトナーを得にくく、トナーを所望の帯電量に帯電させにくい。このため、文字チリ等の発生を抑制しにくくなる。
本発明の磁性1成分現像剤は、上述の構成の球形トナーと非球形トナーとからなるが、本発明の目的を阻害しない範囲で、以上説明した球形トナー及び非球形トナー以外の他のトナー粒子を含んでいてもよい。トナーが、以上説明した球形トナー及び非球形トナー以外の他のトナー粒子を含む場合、トナー中の他のトナー粒子の含有量は、5質量%以下が好ましく、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
本発明の磁性1成分現像剤には、球形トナーと非球形トナーとが含まれるが、球形トナーの円形度は0.980以上であり、非球形トナーの円形度は0.960以下である。球形トナーと非球形トナーとの円形度は、後述する方法によって、球形トナーと非球形トナーとを含むトナーの粒子100個の走査型電子顕微鏡画像により測定できる。
本発明の磁性1成分現像剤は、円形度が0.980以上である球形トナーを含むために、流動性が良好であり、トナーを所望の帯電量に帯電させやすい。このため、本発明の磁性1成分現像剤によれば、所望する濃度の画像を形成しやすく、文字チリ等の発生による画像欠陥を抑制しやすい。ここで、円形度の高いトナーを多く含む場合、画像形成装置のクリーニング部が備える、例えば弾性ブレード等の、潜像担持体上の転写残トナーを除去するための部材をすり抜けやすい問題がある。転写残トナーが上記部材をすり抜けた場合、画像不良の原因となる。
そこで、本発明の磁性1成分現像剤は、円形度が0.980以上である球形トナーに加えて、円形度が0.960以下である非球形トナーを含み、それらのトナーは、球形トナーの数(A)の、非球形トナーの数(B)に対する個数比率(A)/(B)が、3/7〜5/5となるように含まれるため、上記部材にて、転写残トナーのすり抜けを抑制しやすい。このため、本発明の磁性1成分現像剤によれば、転写残トナーのすり抜けによる画像不良を抑制しやすい。このとき、球形トナーと非球形トナーとを含むトナーの平均円形度は、0.965〜0.970の範囲とするのが好ましい。上記平均円形度が低すぎる場合、トナーが潜像担持体から転写されにくくなり、形成画像に「中抜け」と呼ばれる画像不良が発生しやすい。
球形トナーと、非球形トナーとの外見上の違いを、図3に示す、走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影された磁性1成分現像剤のSEM画像によって球形トナーと、非球形トナーとの外見上の違いを確認することができる。図3に示すように、トナーのSEM画像では、球形トナー10と、非球形トナー11とを区別することができる。図示するように、球形トナーは真円に近い形状を確認できるため、球形トナーと非球形トナーとを容易に区別することができる。
ここで、トナーの円形度、及び個数比率は以下の方法に従って測定される。
<円形度、及び個数比率測定方法>
走査型電子顕微鏡により倍率3000倍で撮影された画像に含まれる、100個のトナー粒子について、球形トナーの数(A)と、非球形トナーの数(B)とをそれぞれカウントして、球形トナーの数(A)の、非球形トナーの数(B)に対する個数比率(A)/(B)を求める。例えば、図3に示したトナーのSEM画像によると、球形トナー数(A)は6個、非球形トナー数は11個であり、その個数比率(A)/(B)は6/11である。なお、図3に示すように、SEM画像の端で一部が写っていないトナーについては、球形トナー、又は非球形トナーとしてカウントしない。また、球形トナー、及び非球形トナーの分類は、SEM画像を用いて目視にて行うことができる。
次いで、カウントされた球形トナーの数(A)と、非球形トナーの数(B)に基づき、球形トナー及び非球形トナーの円形度を算出する。球形トナー粒子、及び非球形トナー粒子それぞれについて、粒子像と同じ投影面積を持つ円の円周の長さ(L)と、粒子投影像の外周の長さ(L)とを測定し、下式により円形度を求める。球形トナーの粒子の円形度の総和を、球形トナーの粒子数(A)で除した値を球形トナーの円形度とする。また、非球形トナーの粒子の円形度の総和を、非球形トナーの粒子数(B)で除した値を非球形トナーの円形度とする。
(円形度算出式)
円形度a=L/L
なお、トナーの粒子像の投影面積、及び粒子投影像の外周の長さ(L)は、得られた画像を、画像解析ソフトウェア(WinROOF(ver.5.5.0)、(三谷商事株式会社製))により、自動2値化(モード:Pタイル)で2値化して画像処理して行うことで測定できる。
トナー粒子の表面に外添剤を付着させる方法は特に限定されず、従来知られる方法から適宜選択できる。具体的には、外添剤の粒子がトナーの表面に埋め込まれないように処理条件を調整し、ヘンシェルミキサーやナウターミキサー等の混合機によってトナーと外添剤とを混合する方法により、外添剤による処理が行われる。
以上説明した本発明の磁性1成分現像剤によれば、所望する濃度の画像を形成でき、長期間にわたって印刷が行われ、現像装置内でトナーが長時間撹拌されても、トナーを所望の帯電量に帯電させることができ、オフセット、及び文字チリの発生を抑制できる。このため、本発明の磁性1成分現像剤は、磁性1成分現像方式を採用した種々の画像形成装置で好適に使用される。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
実施例、及び比較例で結着樹脂として用いるスチレンアクリル系樹脂を、調製例1に記載の方法に従い調製した。
〔調製例1〕
反応容器に溶剤としてキシレン300質量部を仕込み、スチレン845質量部及びアクリル酸n−ブチル155質量部の混合モノマーと、ジ−tert−ブチルペルオキサイド(重合開始剤)8.5質量部及びキシレン125質量部の混合液とを、窒素雰囲気下、170℃にて、3時間かけて反応容器に滴下した。次いで、同温度にて1時間反応を行った。反応終了後、冷却し、溶剤を除去してスチレンアクリル系樹脂を得た。
〔実施例1〕
(非球形トナーの製造)
調製例1で得られたスチレンアクリル系樹脂49質量部、磁性粉(粒子径:0.22μm、磁気特性:79.6kA/mにおける飽和磁化σs=62(Am/kg)、形状:丸八面体状(図1の形状))45質量部、離型剤(サゾールワックスH1(サゾールワックス社製))5質量部、及び正帯電性電荷制御剤(4級アンモニウム塩化合物、P−51(オリヱント化学工業株式会社製))3質量部をヘンシェルミキサー(FM−20B(日本コークス工業株式会社製))により、回転数2500rpmの条件で、5分間撹拌・混合した後、得られた混合物を2軸押出機(PCM−45(株式会社池貝製))によりシリンダー温度120℃、回転数150rpm、処理速度300g/分の条件にて溶融混練した。得られた溶融混練物を冷却し、ロートプレックス粉砕機(株式会社東亜機械製作所製)で粗粉砕した。得られた粗粉砕物を、ターボミル(ターボ工業株式会社製)により、10000rpm、10kg/hの条件にて微粉砕し、微粉砕物をエルボージェット分級機(EJ−LABO(日鉄鉱業株式会社製))で分級して非球形トナー母粒子を得た。下記方法に従って測定した非球形トナー母粒子の平均粒子径は6.8μmであった。
<体積平均粒子径測定方法>
コールターカウンターマルチサイザー3(ベックマンコールター社製)を用いて、体積平均粒子径を測定した。電解液としてアイソトンII(ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャーとして100μmのアパーチャーを用いた。電解液(アイソトンII)5mlに少量の界面活性剤を添加した溶液にトナー10mgを加え、超音波分散器によりトナーを電解液中に分散させた。トナーが分散した電解液を測定試料として用い、コールターカウンターマルチサイザー3によりトナー母粒子の粒度分布を測定し、トナー母粒子の体積平均粒子径を求めた。
(球形トナーの製造)
離型剤を用いない他は、上述の非球形トナーと同様にして、微粉砕物を得た。次いで、得られた微粉砕物を、熱処理装置(サフュージョン(日本ニューマチック工業株式会社製))により、処理量20kg/時、350℃にて熱処理した。熱処理により球形化された微粉砕物を、エルボージェット分級機(EJ−LABO(日鉄鉱業株式会社製))で分級して球形トナー母粒子を得た。得られた球形トナー母粒子の平均粒子径は6.8μmであった。
得られた球形トナー母粒子と、非球形トナー母粒子とを、質量比(球形トナー母粒子/非球形トナー母粒子)が2/3となるように、ヘンシェルミキサー(FM−20B(日本コークス株式会社製))に投入し、2分間混合して混合トナー母粒子を得た。
(外添処理)
得られた混合トナー母粒子100質量部に対して、シリカ微粒子(RA−200H(日本アエロジル株式会社製))1.0質量部と、酸化チタン(EC−100(チタン工業株式会社製))2.0質量とを加え、ヘンシェルミキサー(FM−20B(日本コークス株式会社製))にて、回転数2500rpmにて5分間混合して実施例1の現像剤を得た。
〔実施例2〕
球形トナー母粒子の質量の、非球形トナー母粒子の質量に対する比率(球形トナー母粒子/非球形トナー母粒子)が3/7となるように混合することの他は、実施例1と同様にして実施例2の現像剤を得た。
〔実施例3〕
球形トナー母粒子の質量の、非球形トナー母粒子の質量に対する比率(球形トナー母粒子/非球形トナー母粒子)が1/1となるように混合することの他は、実施例1と同様にして実施例3の現像剤を得た。
〔実施例4〕
非球形トナー母粒子を調製する際の微粉砕工程を6000rpm、10kg/hの3段階の工程に分けることと、球形トナー母粒子を調製する際の熱処理温度を350℃から330℃に変えることの他は、実施例3と同様にして実施例4の現像剤を得た。
〔実施例5〕
非球形トナー母粒子を調製する際の微粉砕工程を9000rpm、10kg/hに変えることと、球形トナー母粒子を調製する際の熱処理温度を350℃から370℃に変えることとの他は、実施例3と同様にして実施例5の現像剤を得た。
〔比較例1〕
球形トナー母粒子と、非球形トナー母粒子との質量比(球形:非球形)が2:8となるように混合することの他は、実施例1と同様にして比較例1の現像剤を得た。
〔比較例2〕
球形トナー母粒子と、非球形トナー母粒子との質量比(球形:非球形)が6:4となるように混合することの他は、実施例1と同様にして比較例2の現像剤を得た。
〔比較例3〕
実施例1の現像剤に含まれる球形トナー母粒子のみを用いることにより比較例3の現像剤を得た。
〔比較例4〕
実施例1の現像剤に含まれる非球形トナー母粒子のみを用いることにより比較例4の現像剤を得た。
〔比較例5〕
実施例1の球形トナー母粒子に離型剤を含有させること以外は実施例1と同様にして比較例5の現像剤を得た。
〔比較例6〕
比較例5の現像剤に含まれる球形トナー母粒子のみを用いることにより比較例6の現像剤を得た。
〔比較例7〕
離型剤を用いない他は、実施例1の現像剤に用いた非球形トナー母粒子と同様にして非球形トナー母粒子を得、この非球形母粒子のみを用いることにより比較例7のトナーとした。
〔比較例8〕
球形トナー母粒子を調製する際の熱処理温度を350℃から290℃に変える他は、実施例5と同様にして比較例8の現像剤を得た。
≪円形度、及び個数比率≫
実施例1〜5、及び比較例1〜8で得られた現像剤について、前述の方法に従って、球形トナー、及び非球形トナーの円形度、並びに球形トナーの粒子数(A)の、非球形トナーの粒子数(B)に対する個数比率(A)/(B)を測定した。球形トナー、及び非球形トナーの円形度、並びに個数比率(A)/(B)の測定結果を表1、及び表2に記す。
≪評価≫
実施例1〜5、及び比較例1〜8で得られた現像剤について、下記方法に従い、帯電量、画像濃度、並びに、文字チリ、及びオフセットの発生を評価した。実施例1〜5、及び比較例1〜8の現像剤の、帯電量、画像濃度、並びに、文字チリ、及びオフセットの発生の評価結果を表1に記す。
帯電量、画像濃度、並びに、文字チリ、及びオフセットの発生の評価は、ページプリンターFS−1020D(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製)を用いて行った。なお、比較例3、及び6の現像剤は耐久印刷中に、評価が十分に実施できるだけの形成画像が得られなくなったため、100,000枚印字後の帯電量、及び画像濃度の評価は行わなかった。また、比較例7は初期画像にて、画像濃度を測定できないほどの著しいオフセットが発生したため、初期画像、及び100,000枚連続印字後の画像について画像濃度、及び文字チリの評価は行わなかった。
<帯電量>
各実施例、及び比較例の現像剤4質量部とフェライトキャリア(FK−150(パウダーテック株式会社製)100質量部を混合する。20℃65%RH環境下にて、容量20mlのポリプロピレン製のボトル中にキヤリア10g、現像剤0.4gを入れ、ボトルを密閉した状態で、ボールミル(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製)にて100rpmの回転数で3分間摩擦帯電をさせた時の帯電量(μC/g)を初期帯電量とした。帯電量は、帯電させたトナー約100mgを試料として用い、帯電量測定装置(Q/M Meter 210HS(TRek社製))により測定した。また、上記のページプリンターを用いて、各実施例、及び比較例の現像剤により印字率5%にて100,000枚連続して印字を行った。100,000枚の連続印字後のトナーの帯電量を、初期の帯電量と同様に測定した。
<画像濃度>
20℃65%RH環境下にて、評価用の初期画像を印字し、初期画像に含まれるベタ画像の画像濃度を反射濃度計(RD914(グレタグマクベス社製))により測定した。次いで印字率5%にて100,000枚連続して印字を行った後に、評価用の画像を印字して初期画像と同様に画像濃度を測定した。画像濃度1.3以上を○と判定し、1.3未満を×と判定した。
<文字チリ、及びオフセットの発生>
上記画像濃度評価にて用いた、評価用の初期画像を用い、目視にて文字チリ、及びオフセットの発生を以下の評価基準により評価した。
(文字チリ)
○:文字チリの発生が確認できなかった。
×:文字チリの発生が確認できた。
(オフセット)
○:オフセットによる画像欠陥が確認できなかった。
△:オフセットによる画像欠陥がわずかに確認された。
×:オフセットによる著しい画像欠陥が確認された。
表1によれば、結着樹脂中に少なくとも磁性粉を含み離型剤を含まない球形トナーと、結着樹脂中に少なくとも磁性粉と離型剤とを含む非球形トナーとからなる現像剤であって、球形トナーと非球形トナーとからなるトナーの粒子100個について倍率3000倍で撮影した走査型電子顕微鏡画像から測定される、球形トナーの円形度、非球形トナーの円形度、及び球形トナーの粒子数(A)の、非球形トナーの粒子数(B)に対する個数比率(A)/(B)が、下式(1)〜(3):
球形トナーの円形度≧0.980・・・(1)
非球形トナーの円形度≦0.960・・・(2)
3/7≦個数比率(A)/(B)≦5/5・・・(3)
の関係を満たす実施例1〜5の磁性1成分現像剤は、所望する濃度の画像を形成でき、長期間にわたって印刷が行われ、現像装置内でトナーが長時間撹拌されても、トナーを所望の帯電量に帯電させることができ、オフセット、及び文字チリの発生を抑制できることが分かる。
表2によれば、(A)/(B)が3/7を下回る比較例1の現像剤と、離型剤を含む非球形トナーのみで構成される比較例4の現像剤は、所望する濃度の画像を形成しにくく、文字チリの発生を抑制しにくいことが分かる。比較例1、及び4の現像剤では、球形トナーによる、トナーの流動性を向上させる効果が得にくく、トナーが所望の帯電量に帯電されにくくなっているため、所望する濃度の画像を形成しにくく、文字チリの発生を抑制しにくくなっていると考えられる。
(A)/(B)が5/5を上回る比較例2の現像剤は、長期間にわたって印刷が行われ、現像装置内でトナーが長時間撹拌された場合に、所望する濃度の画像を形成しにくいことが分かる。また、比較例2の現像剤は、オフセットによる画像不良がやや発生しやすいことが分かる。比較例2の現像剤は、離型剤を含まない球形トナーを多量に含むため、ややオフセットによる画像不良が発生しやすいと思われる。
離型剤を含まない球形トナーのみで構成される比較例3の現像剤は、所望する濃度の画像を形成できず、文字チリの発生も抑制しにくい。比較例3の現像剤は、円形度が高く流動性に優れることから、過剰に帯電されやすいためと思われる。また、比較例3の現像剤は離型剤を含まないため、オフセットによる画像不良が発生しやすいと思われる。なお、比較例3の現像剤は、耐久印刷中に、評価が十分に実施できるだけの形成画像が得られなくなったため、10万枚の耐久印刷後の帯電量、及び画像濃度の評価を行わなかった。
離型剤を含有する球形トナーと、離型剤を含有する非球形トナーとを含む比較例5の現像剤は、長期間にわたって印刷が行われ、現像装置内でトナーが長時間撹拌された場合に、所望する濃度の画像を形成しにくいことが分かる。比較例5の現像剤に含まれる球形トナーでは、離型剤のトナー表面への染み出しが生じやすく、10万枚印刷後に、トナーを所望の帯電量に帯電させにくくなるためと思われる。
離型剤を含有する球形トナーのみで構成される比較例6の現像剤は、耐久印刷中に、評価が十分に実施できるだけの形成画像が得られなくなったため、10万枚の耐久印刷後の帯電量、及び画像濃度の評価を行わなかった。比較例6の現像剤は、トナーから離型剤が染み出しやすいことから、現像スリーブが汚染されやすいためと思われる。また、トナーが長期間撹拌され続けると、トナーが染み出した離型剤に覆われるため、トナーが所望の帯電量に帯電されにくくなったと思われる。
離型剤を含有しない非球形トナーのみで構成される比較例7の現像剤は、オフセットの発生を抑制しにくいことが分かる。比較例7の現像剤は離型剤を含んでいないため、初期の評価用の画像を形成した時点で、著しいオフセットによる画像不良が発生した。このため、比較例7の現像剤では、初期の画像濃度の評価と、文字チリの評価とを行うことができず、また、10万枚の耐久印刷を行うこともできなかった。
円形度が0.980未満であり離型剤を含有しない球形トナーと、円形度が0.960以下であり離型剤を含有する非球形トナーとを含む比較例8の現像剤は、所望する濃度の画像を形成しにくく、文字チリの発生を抑制しにくいことが分かる。比較例8の現像剤に含まれる球形トナーは円形度が低いため、比較例8の現像剤の流動性は十分に高くない。これにより、比較例8の現像剤は所望の帯電量に帯電されにくいため、比較例8の現像剤は所望する濃度の画像を形成しにくく、文字チリの発生を抑制しにくいと考えられる。
1 磁性粉
2 八面体
10 球形トナー
11 非球形トナー

Claims (4)

  1. 結着樹脂中に少なくとも磁性粉を含み離型剤を含まない球形トナーと、結着樹脂中に少なくとも磁性粉と離型剤とを含む非球形トナーとからなる磁性1成分現像剤であって、
    前記球形トナーと前記非球形トナーとからなるトナーの粒子100個について倍率3000倍で撮影した走査型電子顕微鏡画像から測定される、前記球形トナーの円形度、前記非球形トナーの円形度、及び前記球形トナーの粒子数(A)の、前記非球形トナーの粒子数(B)に対する個数比率(A)/(B)が、下式(1)〜(3)の関係を満たす、磁性1成分現像剤。
    球形トナーの円形度≧0.980・・・(1)
    非球形トナーの円形度≦0.960・・・(2)
    3/7≦個数比率(A)/(B)≦5/5・・・(3)
  2. 前記球形トナーは、熱処理する工程を含む方法により製造され、前記非球形トナーは、熱処理する工程を含まない方法により製造される、請求項1記載の磁性1成分現像剤。
  3. 前記熱処理は300〜400℃で行う、請求項2記載の磁性1成分現像剤。
  4. 結着樹脂中に少なくとも磁性粉を含み離型剤を含まない球形トナーと、結着樹脂中に少なくとも磁性粉と離型剤とを含む非球形トナーとからなる磁性1成分現像剤であって、
    前記球形トナーと前記非球形トナーとからなるトナーの粒子100個について倍率3000倍で撮影した走査型電子顕微鏡画像から測定される、前記球形トナーの円形度、前記非球形トナーの円形度が、下式(1)及び(2)の関係を満たし、
    球形トナーの円形度≧0.980・・・(1)
    非球形トナーの円形度≦0.960・・・(2)
    前記球形トナーの質量(A)の、前記非球形トナーの質量(B)に対する混合比率(A)/(B)が、下式(4)の関係を満たすように、前記球形トナーと前記非球形トナーとを混合してなる、磁性1成分現像剤。
    3/7≦質量比率(A)/(B)≦5/5・・・(4)
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