JP5800781B2 - 静電潜像現像用磁性一成分トナー - Google Patents

静電潜像現像用磁性一成分トナー Download PDF

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Description

本発明は、静電潜像現像用磁性一成分トナーに関する。
一般に電子写真法では、感光体ドラムの表面を、コロナ放電等を用いて帯電させた後にレーザー等を用いて露光することで静電潜像を形成する。形成された静電潜像が、トナーを用いて現像されトナー像が形成される。さらに、形成されたトナー像が被記録媒体に転写され、高品質な画像が得られる。通常トナー像の形成に使用されるトナーは、熱可塑性樹脂のような結着樹脂に、着色剤、電荷制御剤、離型剤、及び磁性材料のような成分を混合した後、混練、粉砕、分級工程を経て得られる、平均粒径5μm以上10μm以下のトナー粒子(トナー母粒子)が用いられる。そしてトナーに流動性を付与したり、トナーに好適な帯電性能を付与したり、トナーの感光体ドラムの表面からのクリーニングを容易にする目的で、シリカや酸化チタンのような無機微粉末がトナー母粒子に外添されている。
しかし、無機微粉末が外添されたトナーでは、長期間にわたり画像を形成する場合に、トナーが現像器内での撹拌によるストレスを受け続けることによって、トナー表面への外添剤の埋没が生じてしまう。トナー表面への外添剤の埋没が生じると、トナーの流動性の低下に起因して、種々の画像不良が発生しやすくなる。
このような、トナー表面への外添剤の埋没に起因するトナーの流動性の低下という課題を解消する目的で、乾式コロイダルシリカと、体積平均粒子径が1μm以上20μm以下の湿式シリカとが外添された正帯電性磁性トナーが提案されている(特許文献1参照)。
特開平7−28278号公報
特許文献1に記載のトナーは、低印字濃度で長時間にわたって連続して画像を形成する場合、トナー表面への外添剤の埋没に起因するトナーの流動性の低下は幾分抑制されている。しかし、特許文献1に記載のトナーは、長時間にわたる画像形成時に、現像器内でトナーがストレスを受けた場合に、当該トナーを用いて形成される画像にかぶりが発生しやすいものである。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、トナーが現像器内でストレスを受けた場合でも、形成画像でのかぶりの発生を抑制できる、静電潜像現像用磁性一成分トナーを提供することを目的とする。
本発明者らは、少なくとも、結着樹脂と、磁性粉とを含有するトナー母粒子の表面に外添剤が付着している静電潜像現像用磁性一成分トナーについて、湿式シリカと乾式シリカとを含む外添剤を用い、それぞれ特定の方法を用いて測定される、初期トナー及びストレス付与後トナーの緩み嵩密度と、初期トナー及びストレス付与後トナーの帯電量とから、所定の式に従って算出される、トナーの流動性の変化率、及び帯電量の減少量を所定の範囲内の値とすることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
本発明は、少なくとも、結着樹脂と、磁性粉とを含有するトナー母粒子の表面に外添剤が付着している、静電潜像現像用磁性一成分トナーであって、
前記外添剤は、湿式シリカと乾式シリカとを含み、
初期の前記静電潜像現像用磁性一成分トナーの緩み嵩密度をFとし、
下記方法B:
銅亜鉛フェライトである、平均粒子径80μmの球状のノンコートフェライトキャリア10gと、トナー試料0.5gとを、容量20ccのポリ容器に入れ、ボールミルを用いて前記ポリ容器内の混合物を200rpmの回転速度で、5分間撹拌した後に、前記トナー試料の帯電量を測定する方法、
を用いて測定される、初期の前記静電潜像現像用磁性一成分トナーの帯電量をQとし、
下記方法C:
平均粒子径1mmのジルコニア製ビーズと、前記ビーズの質量に対して20質量%のトナー試料とを、容量500ccのポリ容器に、前記ポリ容器の空き容量が30%となるように入れ、ボールミルを用いて前記ポリ容器内の混合物を200rpmの回転速度で、1時間撹拌して、前記トナー試料に機械的ストレスを与える方法、
を用いて得られたストレス付与後トナーについて、
前記ストレス付与後トナーの緩み嵩密度をFとし、前記方法Bを用いて測定される、前記ストレス付与後トナーの帯電量をQとする場合に、
前記Fと、前記Fとから、下式で算出されるトナーの流動性の変化率が、5%以下であり、
(流動性の変化率)=(1−F/F)×100
前記Qから前記Qを減じた値である帯電量の減少量(Q−Q)が、3.0μC/g以下である、静電潜像現像用磁性一成分トナーに関する。
本発明によれば、トナーが現像器内でストレスを受けた場合でも、形成画像でのかぶりの発生を抑制できる静電潜像現像用磁性一成分トナーを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
本発明の静電潜像現像用磁性一成分トナー(以下、トナーとも記す。)は、少なくとも、結着樹脂と、磁性粉とを含有するトナー母粒子の表面に外添剤が付着している。そして、外添剤は、湿式シリカと乾式シリカとを含む。また、本発明のトナーは、特定の方法を用いて測定される、トナーの流動性の変化率、及び帯電量の減少量が所定の範囲内の値である。以下、トナーの流動性の変化率、及び帯電量の減少量と、トナー材料と、トナーの製造方法とについて説明する。
[トナーの流動性の変化率、及び帯電量の減少量]
本発明のトナーは、流動性の変化率が5%以下であり、且つ、帯電量の減少量(Q−Q)が、3.0μC/g以下である。トナーの流動性の変化率、及び帯電量の減少量を、このような範囲内の値とすることで、トナーが現像器内でストレスを受けた場合でも、形成画像でのかぶりの発生を抑制できるトナーを得ることができる。
トナーの帯電量の減少量が3.0μC/g超である場合、形成画像でのかぶりが発生しやすくなる。また、トナーの流動性の変化率が5%超である場合も、形成画像でのかぶりが発生しやすくなる。
以下、トナーの流動性の変化率の測定方法と、トナーの帯電量の減少量の測定方法とについて説明する。
〔流動性の変化率の測定〕
トナーの流動性の変化率は、トナーの流動性の指標となる緩み嵩密度を、機械的ストレスを付与する前後で測定し、得られた機械的ストレスを付与する前後のトナーの緩み嵩密度の測定値を用いて算出される。具体的に、トナーの流動性の変化率(緩み嵩密度の変化率)は、
下記方法Aを用いて測定される、初期トナーの緩み嵩密度をFとし、
下記方法Aを用いて測定される、下記方法Cを用いて、機械的ストレスが付与されたストレス付与後トナーの緩み嵩密度をFとする場合に、
下式で算出される値である。
(流動性の変化率)=(1−F/F)×100
トナーの緩み嵩密度は下記方法Aを用いて測定される。
<方法A:緩み嵩密度の測定方法>
JIS−K−5101の顔料試験法に準じて測定する。
下記方法Cを用いて、トナーに機械的ストレスを付与する。
<方法C:機械的ストレスの付与方法>
平均粒子径1mmのジルコニア製ビーズと、ビーズの質量に対して20質量%のトナー試料とを、容量500ccのポリ容器(円柱型容器、直径70mm以上100mm以下、高さ100mm以上160mm以下が好ましい)に、ポリ容器の空き容量が30%となるように入れ、ボールミルを用いてポリ容器内の混合物を200rpmの回転速度で、1時間撹拌して、トナー試料に機械的ストレスを与える。
トナーの流動性の変化率は、トナー母粒子の表面に付着させる外添剤の量や、外添剤中の湿式シリカの含有量を調整することで、調整できる。外添剤の添加量を多くすれば、トナーの流動性の変化率を大きくでき、外添剤の添加量を少なくすれば、トナーの流動性の変化率を小さくできる。また、外添剤中の湿式シリカの含有量を多くすれば、トナーの流動性の変化率を小さくでき、外添剤中の湿式シリカの含有量を少なくすれば、トナーの流動性の変化率を大きくできる。
〔帯電量の減少量の測定〕
トナーの帯電量の減少量は、
下記方法Bを用いて測定される、初期トナーの帯電量をQとし、
下記方法Bを用いて測定される、上記方法Cを用いて、機械的ストレスが付与されたストレス付与後トナーの帯電量をQとする場合に、
初期トナーの帯電量Qから、ストレス付与後トナーの帯電量Qを減じた値(Q−Q)である。
トナーの帯電量は、下記方法Bを用いて測定される。
<方法B:帯電量の測定方法>
銅亜鉛フェライトである、平均粒子径80μmの球状のノンコートフェライトキャリア10gと、トナー試料0.5gとを、容量20ccのポリ容器(円柱型容器、直径24mm以上30mm以下、高さ25mm以上55mm以下が好ましい)に入れ、ボールミルを用いてポリ容器内の混合物を200rpmの回転速度で、5分間撹拌した後、3時間以内に、トナー試料の帯電量を測定する。
なお、トナー試料の帯電量は、帯電量測定装置(Q/M Meter 210HS(TRek社製))のような装置を用いて測定できる。
トナーの帯電量の減少量(Q−Q)は、トナー母粒子の表面に付着させる外添剤として用いられる湿式シリカと、乾式シリカとの合計添加量を調整することで、調整できる。湿式シリカと、乾式シリカとの合計添加量を多くすれば、トナーの帯電量の減少量(Q−Q)を大きくでき、湿式シリカと、乾式シリカとの合計添加量を少なくすれば、トナーの帯電量の減少量(Q−Q)を小さくできる。
[トナー材料]
本発明のトナーは、少なくとも、結着樹脂と、磁性粉とを含むトナー母粒子の表面に、外添剤が付着している。本発明のトナーのトナー母粒子は、結着樹脂の他に、必要に応じ、着色剤、離型剤、及び電荷制御剤のような成分を含んでいてもよい。
以下、本発明の静電潜像現像用磁性一成分トナーを構成する必須、又は任意の成分である、結着樹脂、磁性粉、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び外添剤について順に説明する。
〔結着樹脂〕
トナー母粒子に含まれる結着樹脂は、従来からトナー用の結着樹脂として用いられている樹脂であれば特に制限されない。結着樹脂の具体例としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、及びスチレン−ブタジエン樹脂のような熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂の中でも、トナーの帯電性、用紙に対する定着性の面から、スチレンアクリル系樹脂、及びポリエステル樹脂が好ましい。以下、本実施形態で用いるスチレンアクリル系樹脂、及びポリエステル樹脂について説明する。
スチレンアクリル系樹脂は、スチレン系単量体とアクリル系単量体との共重合体である。スチレン系単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレンのような単量体が挙げられる。アクリル系単量体の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチルのような(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、2価又は3価以上のアルコール成分と2価又は3価以上のカルボン酸成分との縮重合又は共縮重合によって得られるものを使用することができる。ポリエステル樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下の2価又は3価以上のアルコール成分や2価又は3価以上のカルボン酸成分が挙げられる。
2価又は3価以上のアルコール成分の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールのようなジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAのようなビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンのような3価以上のアルコールが挙げられる。
2価又は3価以上のカルボン酸成分の具体例としては、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、又はn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸のようなアルキル又はアルケニルコハク酸のような2価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸のような3価以上のカルボン酸が挙げられる。これらの2価又は3価以上のカルボン酸成分は、酸ハライド、酸無水物、及び低級アルキルエステルのようなエステル形成性の誘導体としたものを用いてもよい。ここで、「低級アルキル」とは、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を意味する。
結着樹脂がポリエステル樹脂である場合の、ポリエステル樹脂の軟化点は、80℃以上150℃以下であることが好ましく、90℃以上140℃以下であることがより好ましい。
結着樹脂としては、定着性が良好であることから熱可塑性樹脂を用いることが好ましいが、熱可塑性樹脂単独で使用するだけでなく、熱可塑性樹脂に架橋剤や熱硬化性樹脂を添加することも可能である。結着樹脂内に一部架橋構造を導入することで、トナーの定着性を低下させることなく、トナーの保存安定性、形態保持性、耐久性を向上させることができる。
熱可塑性樹脂と共に使用できる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂やシアネート系樹脂が好ましい。好適な熱硬化性樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、シアネート樹脂のような熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、2種以上を組み合わせて使用できる。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、50℃以上65℃以下が好ましく、50℃以上60℃以下がより好ましい。結着樹脂のガラス転移点が低すぎる場合、画像形成装置の現像部の内部でトナー同士が融着したり、トナーの保存安定性の低下に起因して、トナー容器の輸送時や倉庫等での保管時にトナー同士が一部融着したりする場合がある。また、結着樹脂のガラス転移点が高すぎる場合、結着樹脂の強度が低下し、潜像担持部にトナーが付着しやすい。また、結着樹脂のガラス転移点が高すぎる場合、トナーが低温で良好に定着されにくい傾向がある。
なお、結着樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、比熱の変化点から求めることができる。より具体的には、測定装置としてセイコーインスツルメンツ株式会社製示差走査熱量計DSC−6200を用い、結着樹脂の吸熱曲線を測定することで結着樹脂のガラス転移点を求めることができる。測定試料としての結着樹脂10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25℃以上200℃以下、昇温速度10℃/min、常温常湿下という条件で測定して得られた結着樹脂の吸熱曲線を用いて結着樹脂のガラス転移点を求めることができる。
〔磁性粉〕
本発明の静電潜像現像用磁性一成分トナーは、結着樹脂中に磁性粉を含む。トナーに配合する磁性粉の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。好適な磁性粉の例としては、フェライト、マグネタイトのような鉄酸化物;コバルト、ニッケルのような強磁性金属;鉄、及び/又は強磁性金属を含む合金;鉄、及び/又は強磁性金属を含む化合物;熱処理のような強磁性化処理を施された強磁性合金;二酸化クロムが挙げられる。
磁性粉の粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で限定されない。具体的な磁性粉の粒子径は、0.1μm以上1.0μm以下が好ましく、0.1μm以上0.5μm以下がより好ましい。このような粒子径の磁性粉を用いる場合、結着樹脂中に磁性粉を均一に分散させやすい。
磁性粉は、結着樹脂中での磁性粉の分散性の改良のような目的で、チタン系カップリング剤やシラン系カップリング剤のような表面処理剤を用いて表面処理されたものを使用できる。
磁性粉の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的な磁性粉の使用量は、トナーを1成分現像剤として使用する場合、トナー全質量に対して、30質量%以上60質量%以下が好ましく、40質量%以上60質量%以下がより好ましい。磁性粉の使用量が過多である場合、所望する画像濃度の画像を長期間にわたり形成しにくくなったり、トナーの用紙に対する定着性が極度に低下したりする場合がある。磁性粉の使用量が過少である場合、形成画像にかぶりが発生しやすくなったり、所望する画像濃度の画像を長期間にわたり形成しにくくなったりする場合がある。
〔着色剤〕
本発明の静電潜像現像用磁性一成分トナーは、磁性粉を必須の成分として含むため、通常黒色である。このため、トナーは、本発明の目的を阻害しない範囲で、本発明のトナーを用いて形成した形成画像をより好ましい黒色の色相に調整する目的で、着色剤として、公知の染料又は顔料を含んでいてもよい。具体的には、顔料としてはカーボンブラックが挙げられ、染料としてはアシッドバイオレットが挙げられる。
着色剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的な着色剤の使用量は、トナー全量を100質量部とした場合に、1質量部以上10質量部以下が好ましく、3質量部以上7質量部以下がより好ましい。
〔離型剤〕
本発明の静電潜像現像用磁性一成分トナーは、トナーの用紙への定着性や耐オフセット性を向上させる目的で、離型剤を含んでいてもよい。トナーに添加する離型剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。離型剤としてはワックスが好ましい。ワックスの具体例としては、合成ポリエチレンワックス、及び合成ポリプロピレンワックスのようなオレフィン系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックスのような植物系ワックス;モンタンワックスのような鉱物系ワックス;石炭及び天然ガスからフィッシャー・トロプシュ法を用いて製造されるフィッシャートロプシュワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスのような石油系ワックス、エステル系ワックス、テフロン(登録商標)系ワックスが挙げられる。これらの離形剤は2種以上を組み合わせて使用できる。これらの離型剤をトナーに添加することで、オフセットや像スミアリング(画像をこすった際の画像周囲の汚れ)の発生をより効率的に抑制することができる。
離型剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的な離型剤の使用量は、トナー全量を100質量部とした場合に、1質量部以上10質量部以下が好ましい。離型剤の使用量が過少である場合、オフセットや像スミアリングの発生の抑制について所望の効果が得られない場合がある。離型剤の使用量が過多である場合、感光体の汚染(ドラムフィルミング)が発生したり、トナー同士の融着に起因してトナーの保存安定性が低下したりする場合がある。
〔電荷制御剤〕
本発明の静電潜像現像用磁性一成分トナーは、結着樹脂中に電荷制御剤を含んでいてもよい。電荷制御剤は、トナーの帯電レベルや、トナーを所定の帯電レベルに短時間で帯電可能か否かの指標となる帯電立ち上がり特性を向上させ、耐久性や安定性に優れたトナーを得る目的で使用される。トナーを正帯電させて現像を行う場合、正帯電性の電荷制御剤が使用され、トナーを負帯電させて現像を行う場合、負帯電性の電荷制御剤が使用される。
電荷制御剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来よりトナーに使用されている電荷制御剤から適宜選択できる。正帯電性の電荷制御剤の具体例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリンのようなアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ−ンBH/C、アジンディ−プブラックEW、及びアジンディープブラック3RLのようなアジン化合物からなる直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体のようなニグロシン化合物;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZのようなニグロシン化合物からなる酸性染料;ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライドのような4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの正帯電性の電荷制御剤の中では、より迅速な帯電の立ち上がり性が得られる点で、ニグロシン化合物が特に好ましい。これらの正帯電性の電荷制御剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
官能基として4級アンモニウム塩、カルボン酸塩、又はカルボキシル基を有する樹脂も正帯電性の電荷制御剤として使用できる。より具体的には、4級アンモニウム塩を有するスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン系樹脂、カルボン酸塩を有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル樹脂、カルボキシル基を有するスチレン系樹脂、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル樹脂が挙げられる。これらの樹脂の分子量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、オリゴマーであってもポリマーであってもよい。
正帯電性の電荷制御剤として使用できる樹脂の中では、トナーの帯電量を所望の範囲内の値に容易に調節することができる点から、4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン−アクリル系樹脂がより好ましい。4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン−アクリル系樹脂に関して、スチレン単位と共重合させる好ましいアクリル系コモノマーの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチルのような(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
また、4級アンモニウム塩としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキル(メタ)アクリルアミド、又はジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドから第4級化の工程を経て誘導される単位が用いられる。ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びジブチルアミノエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。ジアルキル(メタ)アクリルアミドの具体例としてはジメチルメタクリルアミドが挙げられる。ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの具体例としては、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドが挙げられる。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、及びN−メチロール(メタ)アクリルアミドのようなヒドロキシ基含有重合性モノマーを重合時に併用することもできる。
負帯電性の電荷制御剤の具体例としては、有機金属錯体、キレート化合物が挙げられる。有機金属錯体、及びキレート化合物としては、アルミニウムアセチルアセトナートや鉄(II)アセチルアセトナートのようなアセチルアセトン金属錯体、及び、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸クロムのようなサリチル酸系金属錯体又はサリチル酸系金属塩が好ましく、サリチル酸系金属錯体又はサリチル酸系金属塩がより好ましい。これらの負帯電性の電荷制御剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
正帯電性又は負帯電性の電荷制御剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。正帯電性又は負帯電性の電荷制御剤の使用量は、典型的には、トナー全質量に対して、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、0.5質量%以上8.0質量%以下がより好ましく、2.0質量%以上7.0質量%以下が特に好ましい。電荷制御剤の使用量が過少である場合、所定の極性にトナーを安定して帯電させ難いため、形成画像の画像濃度が所望する値より低くなったり、形成画像の画像濃度を長期にわたって維持することが困難になったりする場合がある。また、このような場合、電荷制御剤がトナー中に均一に分散し難いため、形成画像にかぶりが生じやすかったり、トナー成分による潜像担持部の汚染が起こりやすくなったりする。電荷制御剤の使用量が過多である場合、耐環境性の悪化に起因する、高温高湿下でのトナーの帯電不良に起因する画像不良が形成画像に生じやすくなったり、トナー成分による潜像担持部の汚染が起こりやすくなったりする。
〔外添剤〕
本発明の静電潜像現像用磁性一成分トナーは、トナー母粒子の表面に外添剤が付着されたものである。外添剤は、湿式シリカと、乾式シリカとを含む。外添剤中に、湿式シリカと、乾式シリカとを含むことで、特定の方法を用いて測定される、トナーの流動性の変化率、及び帯電量の減少量が所定の範囲であるトナーを得ることができる。また、トナーは、外添剤中に湿式シリカ、及び乾式シリカ以外の他のシリカや、シリカ以外の他の外添剤を含むことができる。以下、湿式シリカと、乾式シリカと、湿式シリカ、及び乾式シリカ以外の他のシリカと、シリカ以外の他の外添剤と、外添剤の使用量と、外添処理とについて説明する。
(湿式シリカ)
湿式シリカは、アルコキシシランの加水分解によってシリカ微粒子を湿式で合成する方法や、珪酸ソーダからシリカ微粒子を湿式で得る沈降法やゾルゲル法のような方法を用いて製造される。湿式シリカを用いることで、流動性に優れるトナーを得やすい。
また、湿式シリカは、その表面に正帯電極性基、及びフッ素含有負帯電極性基を導入することができる。湿式シリカに正帯電極性基と、フッ素含有負帯電極性基とを導入する、好適な方法としては、正帯電極性基を有する正帯電性表面処理剤、及びフッ素含有負帯電極性基を有する負帯電性表面処理剤を用いて湿式シリカの表面を処理する方法が挙げられる。正帯電性表面処理剤としては、アミノ基のような正帯電極性基を有するカップリング剤のような表面処理剤が挙げられる。また、負帯電性表面処理剤としては、フルオロアルキル基のような正帯電極性基を有するカップリング剤のような表面処理剤が挙げられる。
湿式シリカの平均粒子径は、10nm以上150nm以下が好ましい。
(乾式シリカ)
乾式シリカは、四塩化珪素のようなハロゲン化シランを高温で気相加水分解する方法(火炎加水分解法)、及び電気炉中で、ケイ砂を、コークスを用いて還元して気化させた後、生じた気体を酸化させる方法(加熱法)のような方法で製造される。乾式シリカとしては、通常、ヘキサメチルジシラザンや環状シラザンで表面処理されたものが使用される。このような乾式シリカを用いることで、高温高湿条件下でのトナーの帯電量の低下を抑制しやすい。
シリコーンオイルもまた、シリカの疎水化処理剤として使用できる。シリコーンオイルの種類は、所望の疎水化効果が得られる限り、特に限定されず、従来から疎水化処理剤として用いられている種々のシリコーンオイルを使用できる。シリコーンオイルとしては、直鎖シロキサン構造を有するものが好ましく、非反応性シリコーンオイル、反応性シリコーンオイルの何れも使用できる。シリコーンオイルの具体例としては、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、クロロフェニルシリコーンオイル、アルキルシリコーンオイル、クロロシリコーンオイル、ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル、脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、メチル水素シリコーンオイル、シラノール基含有シリコーンオイル、アルコキシ基含有シリコーンオイル、アセトキシ基含有シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボン酸変性シリコーンオイル、及びアルコール変性シリコーンオイルが挙げられる。
シリカの疎水化処理の方法としては、シリカを高速で撹拌しながら、アミノシラン、及びシリコーンオイルのような疎水化処理剤を滴下又は噴霧する方法、撹拌されている疎水化処理剤の有機溶剤溶液中にシリカを添加する方法が挙げられる。疎水化処理後に加熱することで、疎水化処理されたシリカが得られる。疎水化処理剤を滴下又は噴霧する場合、疎水化処理剤は、そのまま、又は、有機溶剤で希釈して用いることができる。
乾式シリカの平均粒子径は、10nm以上150nm以下が好ましい。
(湿式シリカ、及び乾式シリカ以外の他のシリカ)
シリカは、湿式シリカ、及び乾式シリカ以外の他のシリカを含んでいてもよい。湿式シリカ、及び乾式シリカ以外の他のシリカとしては、何ら表面処理を施されていない親水性シリカや、強帯電性シリカのようなシリカが挙げられる。外添剤として用いられるシリカ中の、湿式シリカ、及び乾式シリカの合計含有量は、シリカ全質量に対して、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、100%であるのが特に好ましい。
(シリカ以外の他の外添剤)
本発明の目的を阻害しない範囲で、トナーの流動性、保存安定性、クリーニング性を改良する目的で、湿式シリカ、及び乾式シリカのようなシリカと共にシリカ以外の他の外添剤をトナー母粒子の表面に付着させてもよい。シリカの他の外添剤は、乾式シリカと同様に、疎水化処理したものを用いることができる。
シリカ以外の他の外添剤としては、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来からトナー用に使用されている外添剤から適宜選択できる。好適なシリカの他の外添剤の具体例としては、炭酸カルシウムのような炭酸塩;アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムのような金属酸化物;ポリメチルメタクリレートのような有機微粉末;ステアリン酸亜鉛のような脂肪酸金属塩が挙げられる。これらの外添剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
シリカ以外の他の外添剤の平均一次粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、典型的には0.01μm以上1.0μm以下が好ましい。
(外添剤の使用量)
外添剤の使用量は、トナーの流動性の変化率、及び帯電量の減少量が所定の範囲内の値であるトナーが得られる限り特に限定されない。外添剤の使用量は、トナー母粒子の質量に対して、1.0質量%以上5.0質量%以下が好ましい。本発明の静電潜像現像用磁性一成分トナーの外添剤には、湿式シリカと、乾式シリカとが必須に含まれる。外添剤として用いられる湿式シリカと、乾式シリカとのトナー母粒子に対する合計添加量は、トナー母粒子の質量に対して、1.0質量%以上2.0質量%以下が好ましい。
湿式シリカの使用量は、トナー母粒子の質量に対して、0.2質量%以上0.4質量%以下が好ましく、0.2質量%以上0.3質量%以下がより好ましい。本発明のトナーが、このような量の湿式シリカを用いて調製される場合、トナーが現像器内でストレスを受けた場合の形成画像でのかぶりの発生を特に抑制しやすい。また、このような範囲の量の湿式シリカを用いると、流動性の変化率が5%以下であるトナーを得やすい。
乾式シリカの使用量は、トナー母粒子の質量に対して、0.8質量%以上1.6質量%以下が好ましく、0.8質量%以上1.4質量%以下がより好ましい。本発明のトナーが、このような量の乾式シリカを用いて調製される場合、トナーが現像器内でストレスを受け場合の、形成画像でのかぶりの発生を特に抑制しやすい。
[トナーの製造方法]
本発明のトナーは、トナー母粒子を製造した後に、得られたトナー母粒子に対して、トナーの流動性の変化率、及び帯電量の減少量が所定の範囲内の値となるように、湿式シリカと乾式シリカとを含む外添剤を外添して得られる。
(トナー母粒子の製造方法)
トナー母粒子の製造方法は、特に限定されない。好適なトナー母粒子の製造方法としては、結着樹脂に、必要に応じて、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉のような任意成分を混合した後、一軸又は二軸押出機のような混練機を用いて結着樹脂と結着樹脂に配合される成分とを溶融混練し、冷却された混練物を粉砕・分級する方法が挙げられる。トナーの平均粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、一般的には5μm以上10μm以下が好ましい。このため、トナー母粒子の平均粒子径もこのような範囲に調整されるのが好ましい。
(外添処理)
外添剤をトナー母粒子の表面に付着させる方法は特に限定されない。好適な方法としては、ヘンシェルミキサー、V型混合機、ターブラミキサー、及びハイブリタイザーのような混合機を用いて、外添剤がトナー表面に埋没しないように条件を調整してトナー母粒子と外添剤を混合する方法が挙げられる。
以上説明した、本発明の静電潜像現像用磁性一成分トナーは、トナーが現像器内でストレスを受けた場合でも、形成画像でのかぶりの発生を抑制できる。このため、本発明の静電潜像現像用磁性一成分トナーは、種々の画像形成装置で好適に使用される。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
[調製例1]
(トナー母粒子の調製)
結着樹脂(ポリエステル樹脂、酸価5.6mgKOH/g、フローテスター軟化点(Tm)120℃)100質量部と、磁性粉(TN15(三井金属鉱業株式会社製))80質量部と、離型剤(カルナバワックス1号(株式会社加藤洋行製))5質量部と、電荷制御剤(P51(クラリアント社製))5質量部とを、ヘンシェルミキサー(三井三池工業株式会社製)を用いて混合した。次いで、得られた混合物を、押出機(PCM−30(株式会社池貝製))を用いて溶融混練した。得られた混練物を、ターボミル(フロイント・ターボ株式会社製)を用いて粉砕した後、エルボージェット分級機(日鉄鉱業株式会社製)を用いて分級し、平均粒子径8.0μmであり、5μm以下の粒子の個数割合が10個数%以下のトナー母粒子を得た。
[実施例1〜6、及び比較例1〜19]
(トナーの調製)
調製例1で得られたトナー母粒子100質量部に対して、表1〜5に記載の量の乾式シリカ(NA50H(日本アエロジル株式会社製)、平均粒子径30nm)と、表1〜5に記載の量の湿式シリカ(MSP005(テイカ株式会社製)、平均粒子径16nm)とを加えて、ヘンシェルミキサー(三井三池工業株式会社製)を用いて、回転数2,500rpm、混合時間10分の条件で混合して、実施例1〜6、及び比較例1〜19のトナーを得た。
≪流動性の変化率、及び帯電量の減少量≫
下記方法に従って、実施例1〜6、及び比較例1〜19のトナーについて、初期トナーの緩み嵩密度、及び帯電量と、下記方法に従って得られたストレス付与後トナーの緩み嵩密度、及び帯電量とを測定し、流動性の変化率と、帯電量の減少量とを求めた。各実施例、及び比較例のトナーの、流動性の変化率、帯電量の減少量、初期トナーの帯電量F、ストレス付与後トナーの帯電量F、初期トナーの帯電量Q、及びストレス付与後トナーの帯電量Qを、表1〜5に記す。
<初期トナーの緩み嵩密度の測定>
JIS−K−5101の顔料試験法に準じて測定した。
<ストレス付与後トナーの緩み嵩密度の測定>
平均粒子径1mmのジルコニア製ビーズと、ビーズの質量に対して20質量%のトナー試料とを、容量500ccのポリ容器(500cc広口丸瓶(アイセロ化学株式会社))に、ポリ容器の空き容量が30%となるように入れ、ボールミルANZ−51S(日陶科学株式会社製))を用いてポリ容器内の混合物を200rpmの回転速度で、1時間撹拌して、トナー試料に機械的ストレスを与えた。
ストレス付与後トナーの緩み嵩密度Fを、初期トナーの緩み嵩密度Fと同様の方法で測定した。
<初期トナーの帯電量の測定>
銅亜鉛フェライトである、平均粒子径80μm、球状のノンコートフェライトキャリア(F−80(パウダーテック株式会社製))10gと、トナー試料0.5gとを、容量20ccのポリ容器(広口瓶20ml(瑞穂化成工業株式会社製))に入れ、ボールミル(ANZ−51S(日陶科学株式会社製))を用いてポリ容器内の混合物を200rpmの回転速度で、5分間撹拌した後に、トナー試料の帯電量を測定した。測定したトナー試料の帯電量を、初期トナーの帯電量Qとした。なお、帯電量の測定には帯電量測定装置(Q/M Meter 210HS(TRek社製))を用いた。
<ストレス付与後トナーの帯電量の測定>
緩み嵩密度の測定方法と同様にして、ストレス付与後トナーを得た。トナーにストレスを付与して3時間以内に、ストレス付与後トナーの帯電量Qを、初期トナーの帯電量の測定と同様の方法を用いて測定した。
<流動性の変化率、及び帯電量の減少量の算出>
上記方法を用いて得られた初期トナーの緩み嵩密度F、及びストレス付与後トナーの緩み嵩密度Fから、下式に従って、トナーの流動性の変化率を算出した。
(流動性の変化率)=(1−F/F)×100
また、上記方法を用いて得られた初期トナーの帯電量Qから、ストレス付与後トナーの帯電量Qを減じて帯電量の減少量(Q−Q)を算出した。
≪かぶり濃度の評価≫
実施例1〜6、及び比較例1〜19のトナーについて、かぶり濃度の評価を行った。なお、評価機はプリンター(FS−4020DN(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製))を用いた。
評価機を用いて、23℃50%RHで、トナーを評価機の現像部に充填した後、被記録媒体に画像評価パターンを形成して初期画像を得た。次いで、上記方法Cで得られたストレス付与後トナーを評価機の現像部に充填した後、被記録媒体に画像評価パターンを形成してストレス付与後の画像を得た。初期画像、及びストレス付与後の画像評価パターンが形成された被記録媒体の非画像部の画像濃度を、反射濃度計(RD914(グレタグマクベス社製))を用いて測定した。かぶり濃度を以下の基準に従って評価した。○の評価を合格と判定した。
○:0.010以下。
△:0.010超、0.015以下。
×:0.015超。
Figure 0005800781
Figure 0005800781
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Figure 0005800781
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実施例1〜6によれば、結着樹脂と、磁性粉とを含有するトナー母粒子の表面に、湿式シリカと乾式シリカとを含む外添剤が付着しており、特定の方法を用いて測定される、トナーの流動性の変化率、及び帯電量の減少量が所定の範囲であるトナーであれば、トナーが現像器内でストレスを受けた場合の形成画像でのかぶりの発生を抑制できることが分かる。また、実施例2、及び4によれば、湿式シリカの添加量が、トナー母粒子の質量に対して、0.2質量%以上0.3質量%以下であり、乾式シリカの添加量が、トナー母粒子の質量に対して、0.8質量%以上1.6質量%以下であるトナーは、トナーが現像器内でストレスを受けた場合の形成画像でのかぶりの発生を、特に抑制しやすいことが分かる。
他方、比較例1〜19によれば、結着樹脂と、磁性粉とを含有するトナー母粒子の表面に、湿式シリカと乾式シリカとを含む外添剤が付着していても、トナーの流動性の変化率と、帯電量の減少量との少なくとも一方が、所定の範囲から外れている場合、トナーが現像器内でストレスを受けた場合の形成画像でのかぶりの発生を抑制しにくいことが分かる。

Claims (1)

  1. 少なくとも、結着樹脂と、磁性粉とを含有するトナー母粒子の表面に外添剤が付着している、静電潜像現像用磁性一成分トナーであって、
    前記結着樹脂は、ポリエステル樹脂であり、
    前記外添剤は、湿式シリカと乾式シリカとを含み、
    前記湿式シリカの含有量が、前記トナー母粒子の質量に対して、0.2質量%以上0.3質量%以下であり、
    前記乾式シリカの含有量が、前記トナー母粒子の質量に対して、0.8質量%以上1.6質量%以下であり、
    前記湿式シリカの平均粒子径は、10nm以上150nm以下であり、
    前記乾式シリカの平均粒子径は、10nm以上150nm以下であり、
    初期の前記静電潜像現像用磁性一成分トナーの緩み嵩密度をFとし、
    下記方法B:
    銅亜鉛フェライトである、平均粒子径80μmの球状のノンコートフェライトキャリア10gと、トナー試料0.5gとを、容量20ccのポリ容器に入れ、ボールミルを用いて前記ポリ容器内の混合物を200rpmの回転速度で、5分間撹拌した後に、前記トナー試料の帯電量を測定する方法、
    を用いて測定される、初期の前記静電潜像現像用磁性一成分トナーの帯電量をQとし、
    下記方法C:
    平均粒子径1mmのジルコニア製ビーズと、前記ビーズの質量に対して20質量%のトナー試料とを、容量500ccのポリ容器に、前記ポリ容器の空き容量が30%となるように入れ、ボールミルを用いて前記ポリ容器内の混合物を200rpmの回転速度で、1時間撹拌して、前記トナー試料に機械的ストレスを与える方法、
    を用いて得られたストレス付与後トナーについて、
    前記ストレス付与後トナーの緩み嵩密度をFとし、前記方法Bを用いて測定される、前記ストレス付与後トナーの帯電量をQとする場合に、
    前記Fと、前記Fとから、下式で算出されるトナーの流動性の変化率が、5%以下であり、
    (流動性の変化率)=(1−F/F)×100
    前記Qから前記Qを減じた値である帯電量の減少量(Q−Q)が、3.0μC/g以下である、静電潜像現像用磁性一成分トナー。
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