JP5800781B2 - 静電潜像現像用磁性一成分トナー - Google Patents
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Description
前記外添剤は、湿式シリカと乾式シリカとを含み、
初期の前記静電潜像現像用磁性一成分トナーの緩み嵩密度をFiとし、
下記方法B:
銅亜鉛フェライトである、平均粒子径80μmの球状のノンコートフェライトキャリア10gと、トナー試料0.5gとを、容量20ccのポリ容器に入れ、ボールミルを用いて前記ポリ容器内の混合物を200rpmの回転速度で、5分間撹拌した後に、前記トナー試料の帯電量を測定する方法、
を用いて測定される、初期の前記静電潜像現像用磁性一成分トナーの帯電量をQiとし、
下記方法C:
平均粒子径1mmのジルコニア製ビーズと、前記ビーズの質量に対して20質量%のトナー試料とを、容量500ccのポリ容器に、前記ポリ容器の空き容量が30%となるように入れ、ボールミルを用いて前記ポリ容器内の混合物を200rpmの回転速度で、1時間撹拌して、前記トナー試料に機械的ストレスを与える方法、
を用いて得られたストレス付与後トナーについて、
前記ストレス付与後トナーの緩み嵩密度をFsとし、前記方法Bを用いて測定される、前記ストレス付与後トナーの帯電量をQsとする場合に、
前記Fiと、前記Fsとから、下式で算出されるトナーの流動性の変化率が、5%以下であり、
(流動性の変化率)=(1−Fs/Fi)×100
前記Qiから前記Qsを減じた値である帯電量の減少量(Qi−Qs)が、3.0μC/g以下である、静電潜像現像用磁性一成分トナーに関する。
本発明のトナーは、流動性の変化率が5%以下であり、且つ、帯電量の減少量(Qi−Qs)が、3.0μC/g以下である。トナーの流動性の変化率、及び帯電量の減少量を、このような範囲内の値とすることで、トナーが現像器内でストレスを受けた場合でも、形成画像でのかぶりの発生を抑制できるトナーを得ることができる。
トナーの流動性の変化率は、トナーの流動性の指標となる緩み嵩密度を、機械的ストレスを付与する前後で測定し、得られた機械的ストレスを付与する前後のトナーの緩み嵩密度の測定値を用いて算出される。具体的に、トナーの流動性の変化率(緩み嵩密度の変化率)は、
下記方法Aを用いて測定される、初期トナーの緩み嵩密度をFiとし、
下記方法Aを用いて測定される、下記方法Cを用いて、機械的ストレスが付与されたストレス付与後トナーの緩み嵩密度をFsとする場合に、
下式で算出される値である。
(流動性の変化率)=(1−Fs/Fi)×100
<方法A:緩み嵩密度の測定方法>
JIS−K−5101の顔料試験法に準じて測定する。
<方法C:機械的ストレスの付与方法>
平均粒子径1mmのジルコニア製ビーズと、ビーズの質量に対して20質量%のトナー試料とを、容量500ccのポリ容器(円柱型容器、直径70mm以上100mm以下、高さ100mm以上160mm以下が好ましい)に、ポリ容器の空き容量が30%となるように入れ、ボールミルを用いてポリ容器内の混合物を200rpmの回転速度で、1時間撹拌して、トナー試料に機械的ストレスを与える。
トナーの帯電量の減少量は、
下記方法Bを用いて測定される、初期トナーの帯電量をQiとし、
下記方法Bを用いて測定される、上記方法Cを用いて、機械的ストレスが付与されたストレス付与後トナーの帯電量をQsとする場合に、
初期トナーの帯電量Qiから、ストレス付与後トナーの帯電量Qsを減じた値(Qi−Qs)である。
<方法B:帯電量の測定方法>
銅亜鉛フェライトである、平均粒子径80μmの球状のノンコートフェライトキャリア10gと、トナー試料0.5gとを、容量20ccのポリ容器(円柱型容器、直径24mm以上30mm以下、高さ25mm以上55mm以下が好ましい)に入れ、ボールミルを用いてポリ容器内の混合物を200rpmの回転速度で、5分間撹拌した後、3時間以内に、トナー試料の帯電量を測定する。
なお、トナー試料の帯電量は、帯電量測定装置(Q/M Meter 210HS(TRek社製))のような装置を用いて測定できる。
本発明のトナーは、少なくとも、結着樹脂と、磁性粉とを含むトナー母粒子の表面に、外添剤が付着している。本発明のトナーのトナー母粒子は、結着樹脂の他に、必要に応じ、着色剤、離型剤、及び電荷制御剤のような成分を含んでいてもよい。
トナー母粒子に含まれる結着樹脂は、従来からトナー用の結着樹脂として用いられている樹脂であれば特に制限されない。結着樹脂の具体例としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、及びスチレン−ブタジエン樹脂のような熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂の中でも、トナーの帯電性、用紙に対する定着性の面から、スチレンアクリル系樹脂、及びポリエステル樹脂が好ましい。以下、本実施形態で用いるスチレンアクリル系樹脂、及びポリエステル樹脂について説明する。
本発明の静電潜像現像用磁性一成分トナーは、結着樹脂中に磁性粉を含む。トナーに配合する磁性粉の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。好適な磁性粉の例としては、フェライト、マグネタイトのような鉄酸化物;コバルト、ニッケルのような強磁性金属;鉄、及び/又は強磁性金属を含む合金;鉄、及び/又は強磁性金属を含む化合物;熱処理のような強磁性化処理を施された強磁性合金;二酸化クロムが挙げられる。
本発明の静電潜像現像用磁性一成分トナーは、磁性粉を必須の成分として含むため、通常黒色である。このため、トナーは、本発明の目的を阻害しない範囲で、本発明のトナーを用いて形成した形成画像をより好ましい黒色の色相に調整する目的で、着色剤として、公知の染料又は顔料を含んでいてもよい。具体的には、顔料としてはカーボンブラックが挙げられ、染料としてはアシッドバイオレットが挙げられる。
本発明の静電潜像現像用磁性一成分トナーは、トナーの用紙への定着性や耐オフセット性を向上させる目的で、離型剤を含んでいてもよい。トナーに添加する離型剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。離型剤としてはワックスが好ましい。ワックスの具体例としては、合成ポリエチレンワックス、及び合成ポリプロピレンワックスのようなオレフィン系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックスのような植物系ワックス;モンタンワックスのような鉱物系ワックス;石炭及び天然ガスからフィッシャー・トロプシュ法を用いて製造されるフィッシャートロプシュワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスのような石油系ワックス、エステル系ワックス、テフロン(登録商標)系ワックスが挙げられる。これらの離形剤は2種以上を組み合わせて使用できる。これらの離型剤をトナーに添加することで、オフセットや像スミアリング(画像をこすった際の画像周囲の汚れ)の発生をより効率的に抑制することができる。
本発明の静電潜像現像用磁性一成分トナーは、結着樹脂中に電荷制御剤を含んでいてもよい。電荷制御剤は、トナーの帯電レベルや、トナーを所定の帯電レベルに短時間で帯電可能か否かの指標となる帯電立ち上がり特性を向上させ、耐久性や安定性に優れたトナーを得る目的で使用される。トナーを正帯電させて現像を行う場合、正帯電性の電荷制御剤が使用され、トナーを負帯電させて現像を行う場合、負帯電性の電荷制御剤が使用される。
本発明の静電潜像現像用磁性一成分トナーは、トナー母粒子の表面に外添剤が付着されたものである。外添剤は、湿式シリカと、乾式シリカとを含む。外添剤中に、湿式シリカと、乾式シリカとを含むことで、特定の方法を用いて測定される、トナーの流動性の変化率、及び帯電量の減少量が所定の範囲であるトナーを得ることができる。また、トナーは、外添剤中に湿式シリカ、及び乾式シリカ以外の他のシリカや、シリカ以外の他の外添剤を含むことができる。以下、湿式シリカと、乾式シリカと、湿式シリカ、及び乾式シリカ以外の他のシリカと、シリカ以外の他の外添剤と、外添剤の使用量と、外添処理とについて説明する。
湿式シリカは、アルコキシシランの加水分解によってシリカ微粒子を湿式で合成する方法や、珪酸ソーダからシリカ微粒子を湿式で得る沈降法やゾルゲル法のような方法を用いて製造される。湿式シリカを用いることで、流動性に優れるトナーを得やすい。
乾式シリカは、四塩化珪素のようなハロゲン化シランを高温で気相加水分解する方法(火炎加水分解法)、及び電気炉中で、ケイ砂を、コークスを用いて還元して気化させた後、生じた気体を酸化させる方法(加熱法)のような方法で製造される。乾式シリカとしては、通常、ヘキサメチルジシラザンや環状シラザンで表面処理されたものが使用される。このような乾式シリカを用いることで、高温高湿条件下でのトナーの帯電量の低下を抑制しやすい。
シリカは、湿式シリカ、及び乾式シリカ以外の他のシリカを含んでいてもよい。湿式シリカ、及び乾式シリカ以外の他のシリカとしては、何ら表面処理を施されていない親水性シリカや、強帯電性シリカのようなシリカが挙げられる。外添剤として用いられるシリカ中の、湿式シリカ、及び乾式シリカの合計含有量は、シリカ全質量に対して、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、100%であるのが特に好ましい。
本発明の目的を阻害しない範囲で、トナーの流動性、保存安定性、クリーニング性を改良する目的で、湿式シリカ、及び乾式シリカのようなシリカと共にシリカ以外の他の外添剤をトナー母粒子の表面に付着させてもよい。シリカの他の外添剤は、乾式シリカと同様に、疎水化処理したものを用いることができる。
外添剤の使用量は、トナーの流動性の変化率、及び帯電量の減少量が所定の範囲内の値であるトナーが得られる限り特に限定されない。外添剤の使用量は、トナー母粒子の質量に対して、1.0質量%以上5.0質量%以下が好ましい。本発明の静電潜像現像用磁性一成分トナーの外添剤には、湿式シリカと、乾式シリカとが必須に含まれる。外添剤として用いられる湿式シリカと、乾式シリカとのトナー母粒子に対する合計添加量は、トナー母粒子の質量に対して、1.0質量%以上2.0質量%以下が好ましい。
本発明のトナーは、トナー母粒子を製造した後に、得られたトナー母粒子に対して、トナーの流動性の変化率、及び帯電量の減少量が所定の範囲内の値となるように、湿式シリカと乾式シリカとを含む外添剤を外添して得られる。
トナー母粒子の製造方法は、特に限定されない。好適なトナー母粒子の製造方法としては、結着樹脂に、必要に応じて、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉のような任意成分を混合した後、一軸又は二軸押出機のような混練機を用いて結着樹脂と結着樹脂に配合される成分とを溶融混練し、冷却された混練物を粉砕・分級する方法が挙げられる。トナーの平均粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、一般的には5μm以上10μm以下が好ましい。このため、トナー母粒子の平均粒子径もこのような範囲に調整されるのが好ましい。
外添剤をトナー母粒子の表面に付着させる方法は特に限定されない。好適な方法としては、ヘンシェルミキサー、V型混合機、ターブラミキサー、及びハイブリタイザーのような混合機を用いて、外添剤がトナー表面に埋没しないように条件を調整してトナー母粒子と外添剤を混合する方法が挙げられる。
(トナー母粒子の調製)
結着樹脂(ポリエステル樹脂、酸価5.6mgKOH/g、フローテスター軟化点(Tm)120℃)100質量部と、磁性粉(TN15(三井金属鉱業株式会社製))80質量部と、離型剤(カルナバワックス1号(株式会社加藤洋行製))5質量部と、電荷制御剤(P51(クラリアント社製))5質量部とを、ヘンシェルミキサー(三井三池工業株式会社製)を用いて混合した。次いで、得られた混合物を、押出機(PCM−30(株式会社池貝製))を用いて溶融混練した。得られた混練物を、ターボミル(フロイント・ターボ株式会社製)を用いて粉砕した後、エルボージェット分級機(日鉄鉱業株式会社製)を用いて分級し、平均粒子径8.0μmであり、5μm以下の粒子の個数割合が10個数%以下のトナー母粒子を得た。
(トナーの調製)
調製例1で得られたトナー母粒子100質量部に対して、表1〜5に記載の量の乾式シリカ(NA50H(日本アエロジル株式会社製)、平均粒子径30nm)と、表1〜5に記載の量の湿式シリカ(MSP005(テイカ株式会社製)、平均粒子径16nm)とを加えて、ヘンシェルミキサー(三井三池工業株式会社製)を用いて、回転数2,500rpm、混合時間10分の条件で混合して、実施例1〜6、及び比較例1〜19のトナーを得た。
下記方法に従って、実施例1〜6、及び比較例1〜19のトナーについて、初期トナーの緩み嵩密度、及び帯電量と、下記方法に従って得られたストレス付与後トナーの緩み嵩密度、及び帯電量とを測定し、流動性の変化率と、帯電量の減少量とを求めた。各実施例、及び比較例のトナーの、流動性の変化率、帯電量の減少量、初期トナーの帯電量Fi、ストレス付与後トナーの帯電量Fs、初期トナーの帯電量Qi、及びストレス付与後トナーの帯電量Qsを、表1〜5に記す。
JIS−K−5101の顔料試験法に準じて測定した。
平均粒子径1mmのジルコニア製ビーズと、ビーズの質量に対して20質量%のトナー試料とを、容量500ccのポリ容器(500cc広口丸瓶(アイセロ化学株式会社))に、ポリ容器の空き容量が30%となるように入れ、ボールミルANZ−51S(日陶科学株式会社製))を用いてポリ容器内の混合物を200rpmの回転速度で、1時間撹拌して、トナー試料に機械的ストレスを与えた。
ストレス付与後トナーの緩み嵩密度Fsを、初期トナーの緩み嵩密度Fiと同様の方法で測定した。
銅亜鉛フェライトである、平均粒子径80μm、球状のノンコートフェライトキャリア(F−80(パウダーテック株式会社製))10gと、トナー試料0.5gとを、容量20ccのポリ容器(広口瓶20ml(瑞穂化成工業株式会社製))に入れ、ボールミル(ANZ−51S(日陶科学株式会社製))を用いてポリ容器内の混合物を200rpmの回転速度で、5分間撹拌した後に、トナー試料の帯電量を測定した。測定したトナー試料の帯電量を、初期トナーの帯電量Qiとした。なお、帯電量の測定には帯電量測定装置(Q/M Meter 210HS(TRek社製))を用いた。
緩み嵩密度の測定方法と同様にして、ストレス付与後トナーを得た。トナーにストレスを付与して3時間以内に、ストレス付与後トナーの帯電量Qsを、初期トナーの帯電量の測定と同様の方法を用いて測定した。
上記方法を用いて得られた初期トナーの緩み嵩密度Fi、及びストレス付与後トナーの緩み嵩密度Fsから、下式に従って、トナーの流動性の変化率を算出した。
(流動性の変化率)=(1−Fs/Fi)×100
また、上記方法を用いて得られた初期トナーの帯電量Qiから、ストレス付与後トナーの帯電量Qsを減じて帯電量の減少量(Qi−Qs)を算出した。
実施例1〜6、及び比較例1〜19のトナーについて、かぶり濃度の評価を行った。なお、評価機はプリンター(FS−4020DN(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製))を用いた。
○:0.010以下。
△:0.010超、0.015以下。
×:0.015超。
Claims (1)
- 少なくとも、結着樹脂と、磁性粉とを含有するトナー母粒子の表面に外添剤が付着している、静電潜像現像用磁性一成分トナーであって、
前記結着樹脂は、ポリエステル樹脂であり、
前記外添剤は、湿式シリカと乾式シリカとを含み、
前記湿式シリカの含有量が、前記トナー母粒子の質量に対して、0.2質量%以上0.3質量%以下であり、
前記乾式シリカの含有量が、前記トナー母粒子の質量に対して、0.8質量%以上1.6質量%以下であり、
前記湿式シリカの平均粒子径は、10nm以上150nm以下であり、
前記乾式シリカの平均粒子径は、10nm以上150nm以下であり、
初期の前記静電潜像現像用磁性一成分トナーの緩み嵩密度をFiとし、
下記方法B:
銅亜鉛フェライトである、平均粒子径80μmの球状のノンコートフェライトキャリア10gと、トナー試料0.5gとを、容量20ccのポリ容器に入れ、ボールミルを用いて前記ポリ容器内の混合物を200rpmの回転速度で、5分間撹拌した後に、前記トナー試料の帯電量を測定する方法、
を用いて測定される、初期の前記静電潜像現像用磁性一成分トナーの帯電量をQiとし、
下記方法C:
平均粒子径1mmのジルコニア製ビーズと、前記ビーズの質量に対して20質量%のトナー試料とを、容量500ccのポリ容器に、前記ポリ容器の空き容量が30%となるように入れ、ボールミルを用いて前記ポリ容器内の混合物を200rpmの回転速度で、1時間撹拌して、前記トナー試料に機械的ストレスを与える方法、
を用いて得られたストレス付与後トナーについて、
前記ストレス付与後トナーの緩み嵩密度をFsとし、前記方法Bを用いて測定される、前記ストレス付与後トナーの帯電量をQsとする場合に、
前記Fiと、前記Fsとから、下式で算出されるトナーの流動性の変化率が、5%以下であり、
(流動性の変化率)=(1−Fs/Fi)×100
前記Qiから前記Qsを減じた値である帯電量の減少量(Qi−Qs)が、3.0μC/g以下である、静電潜像現像用磁性一成分トナー。
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