JP2014106491A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】結着樹脂と、離型剤とを含むトナー母粒子、及びトナー母粒子の表面に付着する外添剤とからなる静電荷像現像用トナーについて、離型剤として、それぞれ特定の組成のカルボン酸成分及びアルコール成分から構成されるエステルワックスを用い、離型剤の吸熱開始温度を所定の温度以上とする。
【選択図】図1
Description
前記離型剤がエステルワックスであり、
前記エステルワックスを構成する、カルボン酸成分と、アルコール成分とが、それぞれ、ガスクロマトグラフィーで測定される炭素数分布中で最大ピークを示す炭素数の画分の含有量が90質量%以上であり、
前記離型剤が、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される吸熱開始温度が50℃以上である、静電荷像現像用トナーに関する。
本発明のトナーを構成するトナー母粒子は、結着樹脂、及び離型剤を含む。トナー母粒子は、結着樹脂、及び離型剤のほかに、着色剤、電荷制御剤、及び磁性粉のような任意の成分を含んでいてもよい。以下、本発明のトナーを構成するトナー母粒子について、必須、又は任意の成分である、結着樹脂、離型剤、着色剤、電荷制御剤、及び磁性粉について説明する。
トナー母粒子に含まれる結着樹脂は、従来からトナー用の結着樹脂として用いられている樹脂であれば特に制限されない。結着樹脂の具体例としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂のような熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂の中でも、トナー中の着色剤の分散性、トナーの帯電性、トナーの用紙に対する定着性の面から、スチレンアクリル系樹脂、及びポリエステル樹脂が好ましい。以下、スチレンアクリル系樹脂、及びポリエステル樹脂について説明する。
本発明の静電荷像現像用トナーを構成するトナー母粒子は、定着性や耐オフセット性を向上させる目的で、離型剤を含む。本発明のトナーに用いられる離型剤は、エステルワックスであり、エステルワックスを構成する、カルボン酸成分と、アルコール成分とが、それぞれ、ガスクロマトグラフィーで測定される炭素数分布中で最大ピークを示す炭素数の画分の含有量が90質量%以上である。また、離型剤の熱特性として、離型剤は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される吸熱開始温度が50℃以上である。以下、離型剤として用いられるエステルワックスと、離型剤の熱特性とについて説明する。
本発明のトナーに用いるエステルワックスは、天然物に由来する天然エステルワックスであっても、化学的に合成される合成エステルワックスの何れであってもよい。前述の通り、本発明では、所定の組成のカルボン酸成分とアルコール成分とから構成されるエステルワックスを用いる。しかし、一般的に入手可能な天然エステルワックスは、通常、種々のエステル化合物の混合物であるため、エステルワックスを構成するカルボン酸成分とアルコール成分とが上記の所定の要件を満たさない。このため、本発明において、離型剤として天然エステルワックスを用いる場合、公知の精製方法を用いて天然エステルワックスを精製して用いる必要がある。
トナーを、メチルエチルケトン(MEK)に浸漬させ、25℃で、24時間静置して得られる試料をガラスフィルター(目開き規格11G−3)でろ過する。次いで、ガラスフィルター上の残渣を、50℃のトルエンに浸漬させ、25℃で、4時間静置して得られる試料を、ガラスフィルター(目開き規格11G−3)でろ過する。ろ液を12時間静置した後、上澄み液を採取する。上澄み液を60℃で真空乾燥して、乾燥後の残渣として離型剤が得られる。
離型剤の、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される吸熱開始温度は50℃以上であり、50℃以上60℃以下がより好ましい。DSCを用いて測定される吸熱開始温度が、50℃以上である離型剤を用いることで、耐熱保存性、及び定着ローラーと画像が形成された被記録媒体との離型性に優れるトナーを得やすい。離型剤の吸熱開始温度が50℃未満である場合、画像形成時にオフセットが生じやすく、トナーの離型性が損なわれやすい。また、離型剤の吸熱開始温度が50℃未満である場合、トナーを高温環境下で保存する際に、トナー粒子の表面に離型剤が染み出しやすく、トナーの耐熱保存性が損なわれやすい。示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される離型剤の吸熱開始温度は、離型剤であるエステルワックスの主成分であるエステル化合物の炭素数を調整することで調整できる。エステルワックスの主成分であるエステル化合物の炭素数を小さくすると、離型剤の吸熱開始温度が低下する傾向があり、エステルワックスの主成分であるエステル化合物の炭素数を大きくすると、離型剤の吸熱開始温度が上昇する傾向がある。
示差走査熱量計(DSC−6200(セイコーインスツルメンツ株式会社製))を用いて測定を行う。測定試料の量を10mgとし、測定温度範囲25℃以上200℃以下、昇温速度10℃/分で周囲環境が常温常湿で測定して得られる測定試料のDSC曲線から、最大の吸熱ピークの温度を求める。なお、ベースラインとDSC曲線が乖離した点の温度を、吸熱開始温度とする。
トナー母粒子は、結着樹脂中に着色剤を含んでいてもよい。トナー母粒子に含まれる着色剤は、トナー粒子の色に合わせて、公知の顔料や染料から適宜選択される。トナー母粒子に添加する好適な着色剤の具体例としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラックのような黒色顔料;黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネープルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキのような黄色顔料;赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGKのような橙色顔料;ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bのような赤色顔料;マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキのような紫色顔料;紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCのような青色顔料;クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGのような緑色顔料;亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛のような白色顔料;バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイトのような体質顔料が挙げられる。これらの着色剤は、トナーの色相の所望の色相への調整のような目的で2種以上を組み合わせて用いることもできる。
トナー母粒子は、必要に応じ、電荷制御剤を含んでいてもよい。電荷制御剤は、トナーの帯電レベルの安定性や、所定の帯電レベルに短時間でトナーを帯電可能か否かの指標となる帯電立ち上がり特性を向上させ、耐久性や安定性に優れるトナーを得る目的で使用される。トナーを正帯電させて現像を行う場合、正帯電性の電荷制御剤が使用され、トナーを負帯電させて現像を行う場合、負帯電性の電荷制御剤が使用される。
トナー母粒子は、必要に応じて、磁性粉を含んでいてもよい。磁性粉の種類は特に限定されない。好適な磁性粉の例としては、フェライト、マグネタイトのような鉄;コバルト、ニッケルのような強磁性金属;鉄、及び/又は強磁性金属を含む合金;鉄、及び/又は強磁性金属を含む化合物;熱処理のような強磁性化処理を施された強磁性合金;二酸化クロムが挙げられる。
静電荷像現像用トナーは、トナー母粒子の表面に外添剤が付着している。外添剤の種類は、従来からトナー用に使用されている外添剤から適宜選択できる。好適な外添剤の具体例としては、シリカや、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムのような金属酸化物が挙げられる。これらの外添剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。これらの外添剤の中でも、流動性に優れるトナーを得やすいことから、外添剤としてシリカを用いるのが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーは、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させることで得られる。そして、トナー母粒子は、結着樹脂に対して、離型剤を配合し、必要に応じて、以上説明した成分を含むトナー母粒子を製造できれば特に限定されない。トナー母粒子の好適な製造方法としては、粉砕法と、凝集法とが挙げられる。粉砕法では、結着樹脂、及び離型剤と、着色剤、電荷制御剤、磁性粉のような任意成分とを混合し、得られる混合物を1軸又は2軸の押出機のような溶融混練装置で溶融混練し、得られる溶融混練物を粉砕・分級してトナー母粒子を得る。凝集法では、結着樹脂、離型剤、及び着色剤のようなトナーに含まれる成分の微粒子を水性媒体中で凝集させて凝集粒子を得た後、凝集粒子を加熱して、凝集粒子に含まれる成分を合一化させてトナー母粒子を得る。これらの製造方法の中でも粉砕法がより好ましい。トナー母粒子の平均粒子径は、5μm以上10μm以下が好ましい。
このようにして得られるトナーは、23℃50%RH環境下で24時間静置後の未使用のトナーのBET比表面積をS1、45℃16%RH環境下で24時間静置後の未使用のトナーのBET比表面積をS2とした場合に、
下式:
比表面積低下率[%]=(1−S2/S1)×100
を用いて算出される比表面積低下率が、11%以上14%以下であるのが好ましい。トナーの比表面積低下率をこのような範囲とすることで、高温環境下(45℃16%RH)でトナーを保存する場合であっても、トナー粒子の表面状態が変わりにくいトナーを得ることができる。このような条件で測定されるトナーの比表面積低下率を調整する方法としては、上記の通り、離型剤の熱膨張率の最大値Vmaxを調整する方法や、外添剤の量を調整する方法が挙げられる。なお、トナーのBET比表面積は、比表面積測定装置(Macsorb 1208(株式会社マウンテック製))を用いて測定できる。
本発明の静電荷像現像用トナーは、所望のキャリアと混合して2成分現像剤として使用することもできる。2成分現像剤を調製する場合、磁性キャリアを用いるのが好ましい。
〔離型剤A〜Jの調製〕
ガスクロマトグラフィーで測定された、表1に記載の炭素数分布を有するカルボン酸成分、及びアルコール成分を用いて、下記手順に従い、エステルワックスである離型剤A〜Jを調製した。
温度計、窒素導入管、撹拌機、及び冷却管を備えた容量1リットルの4つ口フラスコを反応容器として用いた。反応容器に、それぞれ、表2に記載の種類の、カルボン酸成分50質量部と、アルコール成分50質量部とを加えた。次いで、窒素気流下、220℃で副生水を留去しつつ、15時間常圧で反応させてエステル化粗生成物を得た。得られたエステル化粗生成物100質量部に対して、20質量部のイオン交換水を入れて、70℃で30分間撹拌した後、30分間静置して水層を分離・除去した。分離された水層のpHが中性になるまで水洗を繰り返した。残ったエステル層を、1kPaの減圧条件下で180℃に加熱して、揮発物を留去し、エステルワックスを得た。
ガスクロマトグラフ装置としてGC−14B(株式会社島津製作所製)を用い、カラムとしてUltra ALLOY UA17−15M−0.25F(フロンティア・ラボ株式会社製)を用いて測定を行った。カラム温度を、開始温度150℃から10℃/分で320℃まで昇温させ、カラム温度を同温度に33分間保持し、インジェクション温度350℃、ディテクション温度350℃で試料を分析した。
結着樹脂(ポリエステル樹脂、タフトンNE−7200(花王株式会社製))100質量部と、表3〜5に記載の種類の離型剤5質量部と、着色剤(カーボンブラック、MA−100(三菱化学株式会社製))4質量部と、電荷制御剤(N−01(オリヱント化学工業株式会社製))2質量%とを、ヘンシェルミキサー(FM−20B(日本コークス株式会社製))を用いて混合した。得られた混合物を、二軸押出機(PCM−30(株式会社池貝製))を用いて、材料供給速度5kg/hr、軸回転数150rpm、シリンダー温度150℃の条件で溶融混練して溶融混練物を得た。冷却された溶融混練物を、粉砕機(ロートプレックスミル8/16型(株式会社東亜機械製作所製))で粗粉砕した。次いでジェットミル(超音波ジェットミルI型(日本ニューマチック工業株式会社製))を用いて粗粉砕品を微粉砕した。微粉砕品を、エルボージェット(EJ−LABO型(日鉄鉱業株式会社製))を用いて分級して、体積平均粒子径6.0μm程度のトナー母粒子を得た。トナー母粒子の体積平均粒子径の測定は、マルチサイザー3(ベックマンコールター社製)を用いて行った。
実施例1〜4、及び比較例1〜9のトナーから、以下の方法に従って、離型剤を分離した。次いで、得られた離型剤について、以下のDSC測定方法に従って、離型剤の吸熱開始温度と、DSC曲線とを測定し、TMA測定方法に従って、離型剤の熱膨張率曲線を測定した。次いで、得られた離型剤のDSC曲線から、離型剤の最大級熱ピーク温度と、離型剤の熱膨張率曲線から、離型剤の最大熱膨張率(Vmax)とを求めた。実施例1〜4、及び比較例1〜9のトナーに用いた離型剤の、吸熱開始温度と、最大吸熱ピーク温度と、最大熱膨張率(Vmax)との測定結果を表3〜5に記す。また、実施例1のトナーに含まれる離型剤の熱膨張率曲線を図1に示す。
トナー0.1gを、メチルエチルケトン(MEK)30mlに浸漬させ、25℃で、24時間静置して得られた試料をガラスフィルター(目開き規格11G−3)でろ過した。ろ液を12時間静置し、上澄み液を採取した。上澄み液を60℃で真空乾燥して、乾燥後の残渣として結着樹脂を得た。次いで、ガラスフィルター上の残渣を、50℃のトルエン30mlに浸漬させ、25℃で、4時間静置して得られた試料を、ガラスフィルター(目開き規格11G−3)でろ過した。ろ液を12時間静置した後、上澄み液を採取した。上澄み液を60℃で真空乾燥して、乾燥後の残渣として離型剤を得た。
示差走査熱量計(DSC−200(セイコーインスツルメンツ株式会社製))を用いて測定を行った。測定試料の量を10mg、測定温度範囲を常温から200℃までとし、昇温速度30℃/分で、測定試料の吸熱開始温度と、測定試料のDSC曲線とを測定した。そして、測定されたDSC曲線から、最大の吸熱ピークのボトムの温度を、最大吸熱ピークの温度として求めた。
熱機械分析(TMA)装置として、TMA/SS6100(セイコーインスツルメンツ株式会社製)を用いた。サンプル厚さ2.5mm、プローブ加重50mN,昇温速度を2.0℃/分とし、20℃から160℃まで変化させて試料の熱膨張率を測定した。
走査型電子顕微鏡(JSM−7500F(日本電子株式会社製))を用いて、45℃16%RH環境下で24時間静置する(高温環境試験)前後の実施例1、及び比較例1のトナー粒子表面を、倍率100,000倍で観察した。実施例1のトナーについて、高温環境試験前のトナーの表面のSEM画像を図2に示し、高温環境試験後のトナーの表面のSEM画像を図3に示す。また、比較例1のトナーについて、高温環境試験前のトナーの表面のSEM画像を図4に示し、高温環境試験後のトナーの表面のSEM画像を図5に示す。
実施例1〜4、及び比較例1〜9の未使用トナー1gを、23℃50%RH環境下で24時間静置後、BET比表面積測定装置(Macsorb 1208(マウンテック社製))を用いて、BET比表面積(S1)を測定した。また、温度湿度条件を、45℃16%RHに変えるほかは、S1の測定方法と同様にして、BET比表面積(S2)を測定した。得られたS1及びS2の値から、下式を用いて、比表面積低下率を算出した。
比表面積低下率[%]=((S1−S2)/S1)×100
実施例1〜4、及び比較例1〜9のトナーについて、以下の方法に従って、耐熱保存性を評価した。実施例1〜4、及び比較例1〜9のトナーの耐熱保存性の評価結果を、表3〜5に記す。
トナー5gを、ガラス製サンプル瓶に秤量し、トナーの入ったサンプル瓶を、55℃の恒温槽(DKN302(ヤマト科学製))に24時間静置した後、室温まで冷却した。冷却されたトナーを、パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製)を用いて、振動目盛り5の条件で、400メッシュの篩を用いて篩別した。篩を通過したトナーの質量(T)[g]を測定し、下式を用いて、トナー通過率を算出した。
トナー通過率[%]=T/5×100
耐熱保存性は、下記の基準に従って評価した。
○:トナー通過率が80%以上。
×:トナー通過率が80%未満。
実施例1〜4、及び比較例1〜9のトナーを用いて、以下の方法に従って、画像濃度、定着性、及び離形性を評価した。評価機として、カラープリンター(FS−C5300DN(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製))を用いた。なお、評価は、下記の方法に従って調製された2成分現像剤を用いて行った。実施例1〜4、及び比較例1〜9のトナーの評価結果を、表3〜5に記す。
(2成分現像剤の調製)
カラープリンター(FS−C5300DN(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製))に使用されているキャリア100質量部に対して、トナー10質量部を配合してプラスチックボトルに封入し、ボールミル(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製)を用いてプラスチックボトルを100rpmの回転数で30分間回転させて、プラスチックボトル内のキャリアとトナーを均一に撹拌混合して、2成分現像剤を得た。
評価機を用いて、23℃50%RH、及び45℃16%RHのそれぞれの環境下で画像濃度の評価を行った。印字率4%で1万枚連続印字した後に、被記録媒体に印字率100%のソリッド画像を形成させた。形成したソリッド画像の画像濃度は、反射濃度計(グレタグマクベススペクトロアイ(グレタグマクベス社製))を用いて測定した。画像濃度は、下記の基準に従って評価した。◎、及び○を合格とし、×を不合格とした。
◎:画像濃度が1.20以上。
○:画像濃度が1.00以上、1.20未満。
×:画像濃度が1.00未満
評価機を用いて、被記録媒体に印字率100%のソリッド画像を形成させた。ソリッド画像上の画像濃度1.20以上1.25以下の場所を、布帛で覆われた500gの分銅を用いて分銅の自重のみが画像にかかるように5往復させて摩擦し、摩擦後の画像濃度を測定した。画像濃度は、反射濃度計(グレタグマクベススペクトロアイ(グレタグマクベス社製))を用いて測定した。下式に従って、摩擦前後の画像濃度から定着率を算出した。
定着率(%)=(摩擦後画像濃度/摩擦前画像濃度)×100
定着性は、下記の基準に従って評価した。◎、及び○を合格とし、×を不合格とした。
◎:定着率が90%以上。
○:定着率が80%以上、90%未満。
×:定着率が80%未満。
評価機を用いて、トナー載り量を0.1mg/cm2刻みで、1.00mg/cm2から1.80mg/cm2まで変化させて、被記録媒体に印字率100%のソリッド画像を形成し、被記録媒体が定着ローラーに巻きつかないトナー載り量(mg/cm2)を分離可能トナー載り量とした。下記の基準に従って離型性を評価した。離型性評価の判定基準は以下の通りである。
◎:トナー載り量が1.5mg/cm2を超える。
○:トナー載り量が1.2mg/cm2を超える、1.5mg/cm2以下。
×:トナー載り量が1.2mg/cm2以下。
Claims (5)
- 結着樹脂及び離型剤を含むトナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着する外添剤とからなり、
前記離型剤がエステルワックスであり、
前記エステルワックスを構成する、カルボン酸成分と、アルコール成分とが、それぞれ、ガスクロマトグラフィーで測定される炭素数分布中で最大ピークを示す炭素数の画分の含有量が90質量%以上であり、
前記離型剤が、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される吸熱開始温度が50℃以上である、静電荷像現像用トナー。 - 前記離型剤が、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定されるDSC曲線中の最大吸熱ピークの温度が60℃以上である、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記離型剤が、熱機械分析(TMA)を用いて測定される、熱膨張率の最大値Vmaxが、0.1%以下である、請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記外添剤がシリカを含み、
前記シリカの含有量が、前記トナー母粒子100質量部に対して1.5質量部以下である、請求項1〜3の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。 - 23℃50%RH環境下で24時間静置後の未使用のトナーのBET比表面積をS1、45℃16%RH環境下で24時間静置後の未使用のトナーのBET比表面積をS2とした場合に、下式:
比表面積低下率[%]=((S1−S2)/S1)×100
を用いて算出される比表面積低下率が、11%以上14%以下である、請求項1〜4の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
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