JP5548662B2 - 2成分現像剤 - Google Patents

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Description

本発明は、2成分現像剤に関する。
一般に電子写真法においては、静電潜像担持体(感光体)の表面をコロナ放電等により帯電させた後、レーザー等により露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成し、さらにこのトナー像を記録媒体に転写して高品質な画像を得ている。通常トナー像の形成に使用するトナーには熱可塑性樹脂等の結着樹脂に、着色剤、電荷制御剤、離型剤等を混合して混練、粉砕、分級を行い平均粒径5〜10μmのトナー粒子としたものが用いられる。そしてトナーに流動性を付与したり、トナーの帯電量の制御を行ったり、転写されずに感光体上に残留したトナーのクリーニング性を向上させたりする目的で、シリカや酸化チタン等の無機微粉末等がトナーに外添されている。
このようなトナーを用いた現像方式としては、トナー単独を現像剤(1成分現像剤)として用いる1成分現像方式と、トナーとキャリアとを混合した現像剤(2成分現像剤)を用いる2成分現像方式とが知られている。そして、2成分現像剤を用いる2成分現像方式においては、キャリアが摩擦帯電によりトナーを帯電させると共に、トナーを搬送する役割を担うため、初期にはトナーの帯電性及び搬送性が比較的安定しやすい利点がある。
2成分現像方式で使用される2成分現像剤では、従来、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂等のコート剤によりキャリアコアが被覆されたキャリアが使用されてきた。しかし、かかるキャリアを含む2成分現像剤を用いて長期にわたって印刷を行う場合において、キャリアのコート剤の削れや剥がれ、トナーから脱離した外添剤のキャリア表面への付着により、キャリアのトナーを帯電させる能力が低下してしまい、形成画像にかぶり等の画像不良が生じやすくなる問題がある。
このため、キャリアのコート剤の削れや剥がれを抑制する目的で、ポリアミドイミド樹脂を含む樹脂により被覆されたキャリアを用いた2成分現像剤が提案されている(特許文献1)。また、トナーから剥離した外添剤のキャリア表面への付着を抑制する目的で、キャリアのコート層にフッ素樹脂が添加されたキャリアを含む2成分現像剤が提案されている(特許文献2)。
特開2006−163373号公報 特開2002−148869号公報
しかし、特許文献1に記載の2成分現像剤は、キャリアのコート剤としてポリアミドイミド樹脂を用いることにより、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂等をキャリアのコート剤に用いる場合よりもコート剤の剥がれは幾分改善されるが、コート剤の削れの改善の程度は十分ではなく、コート剤の削れのさらなる抑制が求められるものであった。
特許文献2に記載の2成分現像剤は、フッ素樹脂の柔軟性によって、外添剤の粒子径が大きい場合は、外添剤のキャリアへの付着を抑制しやすい。しかし、外添剤の粒子径が小さい場合(例えば、平均一次粒子径10nm以下)には、外添剤自体がフッ素樹脂に埋め込まれて、外添剤がキャリア表面に付着してしまう場合がある。また、フッ素樹脂は柔軟であるため、長期にわたって印刷を行った場合に、キャリア表面において削られやすい点で問題である。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、長期にわたって印刷を行う場合に、キャリアのコート剤の削れ、及び剥がれ、並びにトナーから剥離した外添剤のキャリア表面への付着を抑制することにより、キャリアのトナーを帯電する能力を維持し、かぶり等の画像不良が形成画像に発生することを抑制できる2成分現像剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、トナーと、キャリアとを含む2成分現像剤において、キャリアをコート剤により被覆されたものとし、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂と、フッ素樹脂と、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、及びポリアミドイミド樹脂からなる群より選択される1種類以上のポリアミド/イミド系樹脂とを含むコート剤を用いることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) トナーと、キャリアとを含み、
前記キャリアは、キャリアコアがコート剤により被覆されており、
前記コート剤は、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂と、フッ素樹脂と、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、及びポリアミドイミド樹脂からなる群より選択される1種類以上のポリアミド/イミド系樹脂とを含む、2成分現像剤。
(2) 前記コート剤が、前記芳香族ポリエーテルケトン系樹脂と、前記フッ素樹脂と、前記ポリアミド/イミド系樹脂との混合物である、(1)記載の2成分現像剤。
(3) 前記キャリアコアが、前記芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、前記フッ素樹脂、及び前記ポリアミド/イミド系樹脂からなる群より選択される1種類以上の樹脂を含む複数の層により被覆されている、(1)記載の2成分現像剤。
(4) 前記複数の層において、最内層が前記ポリアミド/イミド系樹脂を含む層であり、最外層が前記芳香族ポリエーテルケトン系樹脂を含む層である、(3)記載の2成分現像剤。
(5) 前記複数の層が3層であり、
前記複数の層において、内層が前記ポリアミド/イミド系樹脂を含む層であり、中間層が前記フッ素樹脂を含む層であり、外層が前記芳香族ポリエーテルケトン系樹脂を含む層である、(3)、又は(4)記載の2成分現像剤。
本発明によれば、長期にわたって印刷を行う場合に、キャリアのコート剤の削れ、及び剥がれ、並びにトナーから剥離した外添剤のキャリア表面への付着を抑制することにより、キャリアのトナーを帯電する能力の低下を抑制し、かぶり等の画像不良の発生を抑制できる2成分現像剤を提供できる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
本発明の2成分現像剤は、トナーとキャリアとを含むものである。以下、本発明の2成分現像剤を構成するトナー、及びキャリアと、2成分現像剤の製造方法とについて、順に説明する。
[トナー]
本発明の2成分現像剤に含まれるトナーは、結着樹脂に、必要に応じて、着色剤、電荷制御剤、及び離型剤等の成分が配合されている。また、2成分現像剤に含まれるトナーは、その表面に外添剤が付着したものであってもよい。以下、結着樹脂、着色剤、電荷制御剤、離型剤、及び外添剤と、トナーの製造方法とについて、順に説明する。
〔結着樹脂〕
トナーに含まれる結着樹脂は、従来からトナー用の結着樹脂として用いられている樹脂であれば特に制限されない。結着樹脂の具体例としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂の中でも、トナー中の着色剤に対する分散性、トナーの帯電性、用紙に対する定着性の面から、スチレンアクリル系樹脂、及びポリエステル樹脂が好ましい。以下、スチレンアクリル系樹脂、及びポリエステル樹脂について説明する。
スチレンアクリル系樹脂は、スチレン系単量体とアクリル系単量体との共重合体である。スチレン系単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン等が挙げられる。アクリル系単量体の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
ポリエステル樹脂は、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合ないし共縮重合によって得られるものを使用することができる。ポリエステル系樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下のアルコール成分やカルボン酸成分が挙げられる。
2価、又は3価以上のアルコール成分の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の3価以上のアルコール類が挙げられる。
2価、又は3価以上のカルボン酸成分の具体例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、あるいはn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等のアルキル、又はアルケニルコハク酸等の2価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等の3価以上のカルボン酸等が挙げられる。これらの2価、又は3価以上のカルボン酸成分は、酸ハライド、酸無水物、低級アルキルエステル等のエステル形成性の誘導体として用いてもよい。ここで、「低級アルキル」とは、炭素原子数1から6のアルキル基を意味する。
結着樹脂がポリエステル樹脂である場合の、ポリエステル樹脂の軟化点は、80〜150℃であることが好ましく、90〜140℃がより好ましい。
結着樹脂としては、定着性が良好であることから熱可塑性樹脂を用いることが好ましいが、熱可塑性樹脂単独で使用するだけでなく、熱可塑性樹脂に架橋剤や熱硬化性樹脂を添加することができる。結着樹脂内に一部架橋構造を導入することにより、定着性を低下させることなく、トナーの保存安定性、形態保持性、耐久性等を向上させることができる。
熱可塑性樹脂と共に使用できる熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂やシアネート系樹脂が好ましい。好適な熱硬化性樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、シアネート樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、2種以上を組み合わせて使用できる。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、50〜65℃が好ましく、50〜60℃がより好ましい。結着樹脂のガラス転移点が低すぎる場合、画像形成装置の現像部の内部でトナー同士が融着したり、保存安定性の低下により、トナー容器の輸送時や倉庫等での保管時にトナー同士が一部融着したりする場合がある。また、ガラス転移点が高すぎる場合、結着樹脂の強度が低下し、潜像担持部(像担持体:感光体)にトナーが付着しやすい。ガラス転移点が高すぎる場合、トナーが低温で良好に定着しにくい傾向がある。
なお、結着樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、比熱の変化点から求めることができる。より具体的には、測定装置としてセイコーインスツルメンツ株式会社製示差走査熱量計DSC−6200を用い、吸熱曲線を測定することで求めることができる。測定試料10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25〜200℃、昇温速度10℃/minで常温常湿下にて測定して得られた吸熱曲線よりガラス転移点を求めることができる。
〔着色剤〕
本発明の2成分現像剤に含まれるトナーは結着樹脂中に着色剤を含んでいてもよい。トナーが着色剤を含む場合、トナーは、トナー粒子の所望する色に合わせて、公知の顔料や染料から適宜選択して用いることができる。トナーに添加する好適な着色剤の具体例としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック等の黒色顔料;黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等の黄色顔料;赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGK等の橙色顔料;ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等の赤色顔料;マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等の紫色顔料;紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等の青色顔料;クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等の緑色顔料;亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等の白色顔料;バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等の体質顔料が挙げられる。これらの着色剤は、トナーを所望の色相に調整する目的等で2種以上を組み合わせて用いることもできる。
着色剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的には、結着樹脂100質量部に対して、1〜10質量部が好ましく、3〜7質量部がより好ましい。
〔電荷制御剤〕
2成分現像剤に含まれるトナーは、電荷制御剤を含んでいてもよい。電荷制御剤は、トナーの帯電レベルの安定性や、トナーを所定の帯電レベルに短時間で帯電可能か否かの指標となる帯電立ち上がり特性を向上させ、耐久性や安定性に優れたトナーを得る目的で使用される。トナーを正帯電させて現像を行う場合、正帯電性の電荷制御剤が使用され、トナーを負帯電させて現像を行う場合、負帯電性の電荷制御剤が使用される。
電荷制御剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来よりトナーに使用されている電荷制御剤から適宜選択できる。正帯電性の電荷制御剤の具体例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン等のアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ−ンBH/C、アジンディ−プブラックEW、及びアジンディープブラック3RL等のアジン化合物からなる直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体等のニグロシン化合物;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ等のニグロシン化合物からなる酸性染料;ナフテン酸、又は高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの正帯電性の電荷制御剤の中では、より迅速な立ち上がり性が得られる点で、ニグロシン化合物が特に好ましい。これらの正帯電性の電荷制御剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
4級アンモニウム塩、カルボン酸塩、又はカルボキシル基を官能基として有する樹脂も正帯電性の電荷制御剤として使用できる。より具体的には、4級アンモニウム塩を有するスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン系樹脂、カルボン酸塩を有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル系樹脂、カルボキシル基を有するポリスチレン系樹脂、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル系樹脂等の1種、又は2種以上が挙げられる。これらの樹脂の分子量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、オリゴマーであってもポリマーであってもよい。
正帯電性の電荷制御剤として使用できる樹脂の中では、帯電量を所望の範囲内の値に容易に調節することができる点から、4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン−アクリル系共重合樹脂がより好ましい。4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン−アクリル系共重合樹脂において、スチレン単位と共重合させる好ましいアクリル系コモノマーの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
また、4級アンモニウム塩としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキル(メタ)アクリルアミド、又はジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドから第4級化の工程を経て誘導される単位が用いられる。ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、ジアルキル(メタ)アクリルアミドの具体例としてはジメチルメタクリルアミドが挙げられ、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの具体例としては、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドが挙げられる。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有重合性モノマーを重合時に併用することもできる。
負帯電性の電荷制御剤の具体例としては、例えば、有機金属錯体、キレート化合物等が挙げられる。有機金属錯体、及びキレート化合物としては、アルミニウムアセチルアセトナートや鉄(II)アセチルアセトナート等のアセチルアセトン金属錯体、及び、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸クロム等のサリチル酸系金属錯体、又はサリチル酸系金属塩が好ましく、サリチル酸系金属錯体、又はサリチル酸系金属塩がより好ましい。これらの負帯電性の電荷制御剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
正帯電性、又は負帯電性の電荷制御剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。正帯電性、又は負帯電性の電荷制御剤の使用量は、典型的には、トナー全量を100質量部とした場合に、1.5〜15質量部が好ましく、2.0〜8.0質量部がより好ましく、3.0〜7.0質量部が特に好ましい。電荷制御剤の使用量が過少である場合、所定の極性にトナーを安定して帯電させ難いため、形成画像の画像濃度が所望の値を下回ったり、形成画像の画像濃度を長期にわたって維持できなくなったりする場合がある。また、かかる場合、電荷制御剤がトナー中に均一に分散し難く、形成画像にかぶりが生じやすくなったり、また、潜像担持部の汚染が起こりやすくなる。電荷制御剤の使用量が過多である場合、耐環境性の悪化による、高温高湿下でのトナーの帯電不良が生じやすく、その結果として画像不良や、潜像担持部の汚染等が起こりやすくなる。
本発明の2成分現像剤は、負帯電性のフッ素樹脂をキャリアのコート剤に含むため、2成分現像剤に含まれるトナーを正帯電性トナーとする場合、トナーを特に良好に帯電させることができる。このため、2成分現像剤に含まれるトナーは、正帯電性の電荷制御剤を含む正帯電性のトナーであるのが好ましい。
〔離型剤〕
トナーは、定着性や耐オフセット性を向上させる目的で、離型剤を含んでいてもよい。トナーに添加する離型剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。離型剤としてはワックスが好ましく、ワックスの例としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フッ素樹脂系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックス等が挙げられる。これらのワックスは2種以上を組み合わせて使用できる。かかる離型剤をトナーに添加することにより、オフセットや像スミアリング(画像をこすった際の画像周囲の汚れ)の発生をより効率的に抑制することができる。
離型剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的な離型剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、1〜5質量部が好ましい。離型剤の使用量が過少である場合、形成画像におけるオフセットや像スミアリングの発生の抑制について所望の効果が得られない場合があり、離型剤の使用量が過多である場合、トナー同士の融着によってトナーの保存安定性が低下する場合がある。
〔外添剤〕
トナーの流動性、保存安定性、クリーニング性等を改良する目的で、外添剤をトナーの表面に付着させてもよい。
外添剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来からトナー用に使用されている外添剤から適宜選択できる。好適な外添剤の具体例としては、シリカや、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の金属酸化物が挙げられる。これらの外添剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
外添剤の粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、典型的には0.01〜1.0μmが好ましい。
外添剤の体積固有の抵抗値は、外添剤の表面に酸化スズ及び酸化アンチモンからなる被覆層を形成し、被覆層の厚さや、酸化スズと酸化アンチモンとの比率を変えることにより調整できる。
外添剤のトナーに対する使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。外添剤の使用量は、典型的には、トナー100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。かかる範囲の量で外添剤を使用する場合、流動性、保存安定性、クリーニング性に優れるトナーを得やすい。
〔トナーの製造方法〕
本発明において用いるトナーは、結着樹脂中に、必要に応じて、着色剤、電荷制御剤、離型剤等の成分を混合後溶融混練し、得られた混練物を粉砕・分級することにより製造できる。静電荷像現像用トナーの製造に用いる溶融混練装置は特に限定されず、熱可塑性樹脂の溶融混練に使用される装置から適宜選択できる。混練装置の具体例としては、一軸、又は二軸の押出機等が挙げられる。粉砕・分級されたトナーの平均粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、一般的には、5〜10μmが好ましい。
このようにして得られるトナーは、必要に応じて、その表面を外添剤により処理してもよい。外添剤によるトナーの処理方法は特に限定されず、従来知られる外添剤による処理方法から適宜選択できる。具体的には、外添剤の粒子がトナー母粒子に埋め込まれないように処理条件を調整し、ヘンシェルミキサーやナウターミキサー等の混合機によって、外添剤による処理が行われる。
[キャリア]
本発明の2成分現像剤に含まれるキャリアは、キャリアコア(キャリア芯材)が特定の樹脂を含むコート剤により被覆されたものである。以下、キャリアを構成するキャリアコア、コート剤、及びキャリアの製造方法について順に説明する。
〔キャリアコア〕
キャリアコアの種類は、従来から、2成分現像剤用のキャリアに使用されるキャリアコアであれば特に限定されない。キャリアコアの具体例としては、鉄、酸化処理鉄、還元鉄、マグネタイト、銅、ケイ素鋼、フェライト、ニッケル、コバルト等の粒子や、これらの材料とマンガン、亜鉛、アルミニウム等との合金の粒子、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金等の粒子、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸リチウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、ニオブ酸リチウム等のセラミックスの粒子、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、ロッシェル塩等の高誘電率物質の粒子、樹脂中に上記磁性粒子を分散させた樹脂キャリア等が挙げられる。
〔コート剤〕
キャリアコアを被覆するコート剤は、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂と、フッ素樹脂と、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、及びポリアミドイミド樹脂からなる群より選択される1種類以上のポリアミド/イミド系樹脂とを含む。なお、本出願の明細書、及び特許請求の範囲では、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂の総称について「ポリアミド/イミド系樹脂」と記載する。
芳香族ポリエーテルケトン系樹脂は、硬質であって、機械的強度や耐摩耗性に優れる。このため、コート剤の成分として芳香族ポリエーテルケトン系樹脂を用いることによって、キャリア表面におけるコート剤の削れや、外添剤のキャリアへの付着を抑制できる。
また、コート剤の成分としてフッ素樹脂を用いることにより、キャリア表面に固着しにくい芳香族ポリエーテルケトン系樹脂をキャリアコア表面に良好に固定することができる。さらに、フッ素樹脂を用いることにより外添剤のキャリアへの付着を抑制できる。
また、ポリアミド/イミド系樹脂は、キャリアコア表面、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、フッ素樹脂との親和性が高く、コート剤にポリアミド/イミド系樹脂を含めることによって、被覆層をキャリアコア表面に強固に付着させることができる。
また、コート剤の成分としてポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、及びポリアミドイミド樹脂からなる群より選択される1種類以上の樹脂を用いることにより、フッ素樹脂、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂を含むコート剤をキャリアコア表面に、より良好に固定することができる。
コート剤における、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、フッ素樹脂、及びポリアミド/イミド系樹脂の合計の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上が特に好ましく、100質量%が最も好ましい。コート剤が含んでいてもよい、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、フッ素樹脂、並びにポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、及びポリアミドイミド樹脂以外の他の樹脂としては、(メタ)アクリル系重合体、スチレン系重合体、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体、オレフィン系重合体(ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、アミノ樹脂等が挙げられる。
以下、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、フッ素樹脂、及びポリアミド/イミド系樹脂について順に説明する。
(芳香族ポリエーテルケトン系樹脂)
芳香族ポリエーテルケトン系樹脂は、下式(1)、及び(2)から選択される1種以上の繰り返し単位から構成される樹脂であれば特に限定されない。
−(−O−Ar−CO−Ar−)−・・・(1)
−(−O−Ar−O−Ar−CO−Ar−)−・・・(2)
〔式(1)、及び(2)中、Ar〜Arは、それぞれ、置換基を有してもよいフェニレン基、又は置換基を有していてもよいナフタレンジイル基である。フェニレン基、又はナフタレンジイル基が有していてもよい置換基は、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。〕
芳香族ポリエーテルケトン系樹脂の中では、入手が容易であり、機械的性質、熱的性質等に優れることから、式(1)の繰り返し単位のみから構成される樹脂である芳香族ポリエーテルケトン樹脂、式(2)の繰り返し単位のみから構成される樹脂である芳香族ポリエーテルエーテルケトン樹脂、又はこれらの混合物が好ましく、下式(I)の繰り返し単位のみから構成される芳香族ポリエーテルケトン樹脂、又は式(II)の繰り返し単位のみから構成される芳香族ポリエーテルエーテルケトン樹脂がより好ましい。
Figure 0005548662
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なお、本出願の明細書では、上記式(1)、及び(2)から選択される1種以上の繰り返し単位から構成される、芳香族エーテルケトン骨格を有する樹脂の総称について「芳香族ポリエーテルケトン系樹脂」と記載し、上記式(1)の繰り返し単位のみから構成される樹脂を「芳香族ポリエーテルケトン樹脂」と記載する。
芳香族ポリエーテルケトン系樹脂の製造方法は特に限定されない。例えば、芳香族ポリエーテルケトン樹脂は、4−ヒドロキシ−4’−フルオロベンゾフェノンに代表される、水酸基を有するアリール基とフルオロ基を有するアリール基とを有するジアリールケトンを、水酸基とフルオロ基との間の求核置換反応により縮合させて製造される。また、芳香族ポリエーテルエーテルケトン樹脂は、ハイドロキノン等の芳香族ジオールと、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン等の、カルボニル基に結合する二つのフルオロアリール基を有するジアリールケトンとを、水酸基とフルオロ基との間の求核置換反応により縮合させて製造される。
(フッ素樹脂)
フッ素樹脂は、従来から2成分現像剤に含まれるキャリアのコート剤として使用されているものであれば特に限定されず、適宜選択して使用することができる。フッ素樹脂の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)等が挙げられる。これらのフッ素樹脂の中では、キャリアコア表面に固着されやすくコート層の形成が容易であることから、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、及び四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)からなる群から選択される1種以上の樹脂がより好ましい。
(ポリアミド/イミド系樹脂)
ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、及びポリアミドイミド樹脂は、従来から2成分現像剤に含まれるキャリアのコート剤として使用されているものであれば特に限定されず、適宜選択して使用することができる。ポリアミド樹脂の具体例としては、脂肪族ポリアミド(ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612等)、少なくともジアミン成分が脂肪族化合物であるポリアミド(ナイロン6T、ナイロン6T共重合体、ナイロン9T等)、又は半芳香族(共重合)ポリアミド(ナイロンMXD6、ナイロン6T/6、ナイロン6T/66、ナイロン6T/12、ナイロン6I/6、ナイロン6I/66、ナイロン6T/6I、ナイロン6T/6I/6、ナイロン6T/6I/66、ナイロン6T/MST等)等が挙げられる。また、ポリイミド樹脂の具体例としては、ピロメリット酸(PMDA)系ポリイミド、ビフェニルテトラカルボン酸系ポリイミド、ビスマレイミド系樹脂(ビスマレイミド/トリアジン系等)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸系ポリイミド、アセチレン末端ポリイミド、熱可塑性ポリイミド等が挙げられる。また、ポリアミドイミド樹脂の具体例としては、トリメリット酸を用いたポリアミドイミド等が挙げられる。
〔キャリアの製造方法〕
本発明の2成分現像剤に含まれるキャリアは、キャリアコアを、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂と、フッ素樹脂と、ポリアミド/イミド系樹脂とを含むコート剤により被覆した後、コート剤により被覆されたキャリアコアを加熱処理してコート剤をキャリアコア表面に固着させて製造される。キャリアを製造する際のコート剤の使用量は、キャリアコアの質量に対して、0.1〜15質量%が好ましく、1〜7質量%がより好ましい。
キャリアコアをコート剤により被覆する方法は特に限定されず、従来、キャリアを製造する際に行われている方法から適宜選択される。キャリアコアをコート剤により被覆する方法は、コート剤の溶液をキャリアコアに噴霧した後に溶媒を除去する湿式法であってもよく、コート剤の粉体をキャリアコアの表面に付着させる乾式法の何れであってもよい。また、例えば、コート剤の一部を湿式法により被覆し、残余のコート剤を乾式法により被覆する方法のように、湿式法と乾式法とを組み合わせて、キャリアコアをコート剤により被覆することもできる。
芳香族ポリエーテルケトン系樹脂は、ハロゲン化ベンゼンやハロゲン化フェノール等の一部の溶媒に可溶であるが、一般的な有機溶媒に難溶であるため、キャリアコアのコート剤による被覆は、乾式法により行うのがより好ましい。キャリアコアをコート剤の粉体により被覆する方法は特に限定されず、例えば、ノビルタ(登録商標)(ホソカワミクロン株式会社製)等の乾式コーティング装置を用いる方法が挙げられる。
キャリアコアをコート剤の粉体により被覆する方法の具体例としては、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂と、フッ素樹脂と、ポリアミド/イミド系樹脂とを含む混合物からなるコート剤により単層で被覆する方法や、キャリアコアを、芳香族ポリエーテルケトン樹脂、フッ素樹脂、及びポリアミド/イミド系樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を含む複数の層で被覆する方法が挙げられる。
芳香族ポリエーテルケトン系樹脂と、フッ素樹脂と、ポリアミド/イミド系樹脂とを含む混合物からなるコート剤により単層でキャリアコアを被覆する場合、1回の被覆操作によりキャリアを調製でき、キャリアの調製が容易である点で好ましい。また、各層の材料を変更することにより、キャリアの性能を調整しやすいことから、キャリアコアを、多層の被覆層により被覆することも好ましい。
キャリアコアを多層の被覆層により被覆する場合、最内層は、ポリアミド/イミド系樹脂を含むのが好ましい。ポリアミド/イミド系樹脂は、キャリアコアとの結着性に優れるため、最内層がポリアミド/イミド系樹脂を含む場合、被覆層、即ちコート剤がキャリアから剥離し難くなる。また、最外層は、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂を含むのが好ましい。芳香族ポリエーテルケトン系樹脂は硬質であるため、最外層が芳香族ポリエーテルケトン系樹脂を含む場合、キャリアにおけるコート剤の削れやトナーの外添剤がコート層に埋め込まれて付着することを抑制しやすい。
上記の点と、被覆層に含まれる層の数が少なく、キャリアの製造が容易であることから多層の被覆層により被覆されたキャリアについて、複数の層を3層とし、内層をポリアミド/イミド系樹脂を含む層とし、中間層をフッ素樹脂を含む層とし、外層を芳香族ポリエーテルケトン系樹脂を含む層とするのが好ましい。
芳香族ポリエーテルケトン系樹脂と、フッ素樹脂と、ポリアミド/イミド系樹脂とを含む混合物からなるコート剤により単層でキャリアコアを被覆する場合、例えば、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂とフッ素樹脂とポリアミド/イミド系樹脂とを含む混合物をコート剤として用いて、乾式コーティング装置によりキャリアコアの被覆を行えばよい。
また、キャリアコアを、多層の被覆層により被覆する場合、各層を形成する所望のコーティング剤を用いて、最内層から順次、被覆層を形成すればよい。
なお、単層でコートする場合のコート層や、キャリアコアを3層によりコートする場合のポリアミド/イミド系樹脂層、フッ素樹脂層、及び芳香族ポリエーテルケトン系樹脂層は、本発明の目的を阻害しない範囲で、フッ素樹脂、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、及びポリアミドイミド系樹脂以外の樹脂を含んでいてもよい。フッ素樹脂、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、及びポリアミド/イミド系樹脂以外の樹脂の具体例としては、(メタ)アクリル系重合体、スチレン系重合体、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体、オレフィン系重合体(ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、アミノ樹脂等が挙げられる。また、キャリアコアを3層によりコートする場合、本発明の目的を阻害しない範囲で、ポリアミド/イミド系樹脂層、フッ素樹脂層、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂層の各々の間に、前述のフッ素樹脂、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、及びポリアミド/イミド系樹脂以外の樹脂が存在してもよい。
ポリアミド/イミド系樹脂の使用量は、キャリアコア粒子100質量部に対して0.1〜2.5質量部が好ましく、0.3〜1.5質量部がより好ましい。一方、コート剤における芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、及びフッ素樹脂の合計の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、75〜99質量%が好ましく、85〜95質量%がより好ましい。また、コート剤における、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂とフッ素樹脂との質量比(芳香族ポリエーテルケトン系樹脂/フッ素樹脂)は、10/90〜90/10が好ましく、30/70〜70/30がより好ましい。単層の被覆層、又は多層の被覆層のうちの一層が、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂とフッ素樹脂とを含む場合、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂とフッ素樹脂との質量比は40/60〜70/30が好ましい。キャリアコアを、ポリアミド/イミド系樹脂を含む内層と、フッ素樹脂を含むからなる中間層と、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂を含む外層とからなる3層により被覆する場合、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂とフッ素樹脂との質量比は30/70〜60/40が好ましい。
上記の方法により、コート剤によりキャリアコアを被覆した後に、コート剤により被覆されたキャリアコアを加熱処理してキャリアが得られる。加熱処理の温度は、コート剤に含まれる樹脂の種類によって異なるが、典型的には、250〜320℃で行われる。また、キャリアコアを加熱する時間は特に限定されず、典型的には、30分〜2時間である。かかる加熱処理によって、コート剤が軟化・溶融してキャリアコア表面に固着される。
キャリアの粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、電子顕微鏡により測定される粒子径で、20〜200μmが好ましく、30〜150μmがより好ましい。
キャリアの見掛け密度は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。見掛け密度は、キャリアの組成や表面構造によって異なるが、典型的には、2400〜3000kg/mが好ましい。
[2成分現像剤の製造方法]
2成分現像剤の製造方法は、トナーとキャリアとを均一に混合できれば特に限定されず、例えば、ボールミル等の混合装置によりトナーとキャリアとを混合すればよい。2成分現像剤におけるトナーの含有量は、2成分現像剤の質量に対して、2〜20質量%が好ましく、4〜15質量%が好ましい。2成分現像剤におけるトナーの含有量をかかる範囲とすることにより、形成画像において適度な画像濃度を維持し、現像装置等からのトナー飛散の抑制によって画像形成装置内部の汚染や転写紙等へのトナーの付着を抑制できる。
以上説明した、本発明の2成分現像剤は、長期にわたって印刷を行う場合に、キャリアのコート剤の削れ、及び剥がれ、並びにトナーから脱離した外添剤のキャリア表面への付着を抑制することにより、キャリアのトナーを帯電する能力の低下を抑制し、かぶり等の画像不良の発生を抑制できる。このため、本発明の2成分現像剤は、2成分現像方式を採用する種々の画像形成装置において好適に使用される。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
〔調製例1〕
実施例、及び比較例の2成分現像剤の調製に用いたトナーを、以下の方法に従って調製した。
(トナーの製造)
ポリエステル樹脂(結着樹脂、ビスフェノールAとフマル酸との共重合体)100質量部、カーボンブラック(着色剤、MA−100(三菱化学株式会社製))4質量部、フィッシャートロプシュワックス(離型剤、FT−100(日本精鑞株式会社製))3質量部、及び4級アンモニウム塩化合物(電荷制御剤、P−51(オリヱント化学工業株式会社製))2質量部の混合物をヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)により2分間混合した後、2軸押出機により溶融混練して混練物を得た。得られた混練物を冷却後、カッターミル(株式会社アイシンナノテクノロジーズ製)にて粗粉砕し、気流式粉砕機により微粉砕した。得られた微粉砕物を、風力分級機により分級して、体積平均粒子径8μmのトナー母粒子を得た。得られたトナー母粒子100質量部と、シリカ微粒子(TG−820(キャボット社製))2質量部とをヘンシェルミキサー(FM−10L(日本コークス工業株式会社製))により、3000rpmの条件で10分混合してトナーを得た。
〔実施例1〕
(キャリアの製造)
フェライトコアキャリア(EF−35B(パウダーテック株式会社製、中心粒子径35μm、飽和磁化68emu/g))100質量部と、ポリアミドイミド樹脂微粒子(トーロン400TF(ソルベイアドバンストポリマーズ株式会社製))0.5質量部と、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)微粒子(L−173(旭硝子株式会社製))1.5質量部と、芳香族ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)微粒子(VICOTE(登録商標) 704(VICtrex社製))2質量部とを、機械式コーティング装置(ノビルタ(登録商標)130(ホソカワミクロン株式会社製))内に加え、5000rpmで5分間コーティングを行った。ポリアミドイミド樹脂微粒子と、PTFE微粒子と、PEEK微粒子とによりコーティングされたフェライトコアキャリアを、小型高温チャンバー(STH−120(エスペック株式会社製))により280℃で1時間熱処理を行って、キャリアを得た。
(2成分現像剤の製造)
容量1Lのポリ容器に、得られたキャリア1kgと、調製例1で得たトナー100gとをこの順に充填し、卓上型ボールミル回転架台(V−2ML(株式会社入江商会製))にて、ポリ容器を100rpmで20分間回転させて、キャリアとトナーとを混合して2成分現像剤を得た。下記方法に従って、得られた2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を評価した。実施例1の2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を表1に記す。
<画像濃度>
カラープリンター(MFP KM−C3232(京セラミタ株式会社製))を用いて評価を行った。現像器に、実施例1で得た2成分現像剤を充填し、かつ調製例1で得たトナーをトナーコンテナに充填した後、評価用のサンプル画像を初期画像として出力した。初期画像出力後、印字率5%にて50万枚出力した後に、評価用のサンプル画像を出力した。初期画像、及び50万枚出力後のサンプル画像について、サンプル画像中の、左側、中央、右側の3箇所に設けられた2×2cmのソリッド画像の画像濃度を測定して、3箇所の画像濃度の平均値を、サンプル画像の画像濃度とした。画像濃度は、濃度計(RD−19I(グレタグマクベス社製))を用いて測定した。画像濃度1.2以上を○と判定し、1.2未満を×と判定した。
<かぶり濃度>
画像濃度の測定において得た、初期画像、及び50万枚出力後のサンプル画像について、ソリッド画像の下部の白紙部の画像濃度と、画像出力前の白紙の画像濃度とを濃度計(RD−19I(グレタグマクベス社製))を用いて測定した。ソリッド画像の下部の白紙部の画像濃度から画像出力前の白紙の画像濃度を差し引いた値をかぶり濃度とした。かぶり濃度0.020以下を○と判定し、0.020超を×と判定した。
<トナーの帯電量>
画像濃度の測定において、初期画像、及び50万枚出力後のサンプル画像を出力した後に、現像器を取り出し、現像剤の試料を採取し、吸引式帯電量測定装置(トレック社製)により、トナーの帯電量を測定した。
〔実施例2〕
キャリアを以下の方法に従って調製した他は、実施例1と同様に2成分現像剤を調製した。また、実施例1と同様にして、得られた2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を評価した。実施例2の2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を表1に記す。
(キャリアの製造)
フェライトコアキャリア(EF−35B(パウダーテック株式会社製、中心粒子径35μm、飽和磁化68emu/g))100質量部を、ポリアミドイミド樹脂塗液(HPC−1000EDP(日立化成工業株式会社製)、固形分比率0.5質量%、固形分含有量0.5質量部)100質量部により、流動層式湿式コーティング装置(MP−1(株式会社パウレック製))を用いてコートした。次いで、乾燥機(STH−120(エスペック株式会社))により160℃で1時間処理し、ポリアミドイミド樹脂塗液が付着したフェライトコアキャリアを乾燥させ、ポリアミドイミド樹脂で被覆されたフェライトコアキャリアを得た。ポリアミドイミド樹脂で被覆されたフェライトコアキャリアと、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)微粒子(L−173(旭硝子株式会社製))1.5質量部と、芳香族ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)微粒子(VICOTE(登録商標) 704(VICtrex社製))2質量部とを、機械式コーティング装置(ノビルタ(登録商標)130(ホソカワミクロン株式会社製))内に加え、5000rpmで5分間コーティングを行った。ポリアミドイミド樹脂と、PTFE微粒子と、PEEK微粒子とによりコーティングされたフェライトコアキャリアを、小型高温チャンバー(STH−120(エスペック株式会社製))により280℃で1時間熱処理を行って、キャリアを得た。
〔実施例3〕
キャリアを以下の方法に従って調製した他は、実施例1と同様に2成分現像剤を調製した。また、実施例1と同様にして、得られた2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を評価した。実施例3の2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を表1に記す。
(キャリアの調製)
フェライトコアキャリア(EF−35B(パウダーテック株式会社製、中心粒子径35μm、飽和磁化68emu/g))100質量部と、ポリアミドイミド樹脂微粒子(トーロン400TF(ソルベイアドバンストポリマーズ株式会社製))0.5質量部とを、機械式コーティング装置(ノビルタ(ホソカワミクロン株式会社製))内に加え、3分間コーティングを行った。次いで、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)微粒子(L−173(旭硝子株式会社製))3質量部を、機械式コーティング装置内に加え、2分間コーティングを行った。次いで、芳香族ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)微粒子(VICOTE(登録商標) 704(VICtrex社製))2質量部を、機械式コーティング装置内に加え、2分間コーティングを行った。ポリアミドイミド樹脂微粒子とPTFE微粒子とPEEK微粒子とによりコーティングされたフェライトコアキャリアを、小型高温チャンバー(STH−120(エスペック株式会社製))により280℃で1時間熱処理を行って、キャリアを得た。
〔実施例4〕
ポリアミドイミド樹脂微粒子を、ポリアミド樹脂微粒子(SP−500(東レ株式会社製))に変えることの他は、実施例1と同様にして2成分現像剤を調製した。実施例1と同様にして、得られた2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を評価した。実施例4の2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を表1に記す。
〔実施例5〕
ポリアミドイミド樹脂微粒子を、ポリイミド樹脂微粒子(UIP−S(宇部興産株式会社製))に変えることの他は、実施例1と同様にして2成分現像剤を調製した。実施例1と同様にして、得られた2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を評価した。実施例5の2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を表1に記す。
〔実施例6〕
フッ素樹脂をPTFE微粒子から、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)微粒子(ネオフロン(登録商標)FEP、ND−110(ダイキン工業株式会社製))に変えることの他は、実施例1と同様にして2成分現像剤を調製した。実施例1と同様にして、得られた2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を評価した。実施例6の2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を表1に記す。
〔実施例7〕
フッ素樹脂をPTFE微粒子から、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)微粒子(ネオフロン(登録商標)PFA(ダイキン工業株式会社製))に変えることの他は、実施例1と同様にして2成分現像剤を調製した。実施例1と同様にして、得られた2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を評価した。実施例7の2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を表1に記す。
〔実施例8〕
キャリアの調製において、フェライトコアキャリアのコーティングを、PEEK微粒子、ポリアミドイミド樹脂微粒子、PTFE微粒子の順番に行ったことの他は、実施例3と同様にして2成分現像剤を調製した。実施例1と同様にして、得られた2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を評価した。実施例8の2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を表1に記す。
〔実施例9〕
キャリアの調製において、フェライトコアキャリアのコーティングを、PEEK微粒子、PTFE微粒子、ポリアミドイミド樹脂微粒子の順番に行ったことの他は、実施例3と同様にして2成分現像剤を調製した。実施例1と同様にして、得られた2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を評価した。実施例9の2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を表1に記す。
〔実施例10〕
キャリアの調製において、フェライトコアキャリアのコーティングを、PEEK微粒子の後、ポリアミドイミド樹脂微粒子とPTFE微粒子とを同時に行ったことの他は、実施例3と同様にして2成分現像剤を調製した。実施例1と同様にして、得られた2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を評価した。実施例10の2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を表1に記す。
〔実施例11〕
ポリアミドイミド樹脂微粒子の使用量を0.5質量部から0.0125質量部に変え、PTFE微粒子の使用量を1.5質量部から0.0375質量部に変え、PEEK微粒子の使用量を2質量部から0.05質量部に変えることの他は、実施例1と同様にして2成分現像剤を調製した。実施例1と同様にして、得られた2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を評価した。実施例8の2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を表1に記す。
〔実施例12〕
ポリアミドイミド樹脂微粒子の使用量を0.5質量部から0.0625質量部に変え、PTFE微粒子の使用量を1.5質量部から0.1875質量部に変え、PEEK微粒子の使用量を2質量部から0.25質量部に変えることの他は、実施例1と同様にして2成分現像剤を調製した。実施例1と同様にして、得られた2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を評価した。実施例12の2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を表1に記す。
〔実施例13〕
ポリアミドイミド樹脂微粒子の使用量を0.5質量部から0.125質量部に変え、PTFE微粒子の使用量を1.5質量部から0.375質量部に変え、PEEK微粒子の使用量を2質量部から0.5質量部に変えることの他は、実施例1と同様にして2成分現像剤を調製した。実施例1と同様にして、得られた2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を評価した。実施例13の2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を表1に記す。
〔実施例14〕
ポリアミドイミド樹脂微粒子の使用量を0.5質量部から0.875質量部に変え、PTFE微粒子の使用量を1.5質量部から2.625質量部に変え、PEEK微粒子の使用量を2質量部から3.5質量部に変えることの他は、実施例1と同様にして2成分現像剤を調製した。実施例1と同様にして、得られた2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を評価した。実施例14の2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を表1に記す。
〔実施例15〕
ポリアミドイミド樹脂微粒子の使用量を0.5質量部から1質量部に変え、PTFE微粒子の使用量を1.5質量部から3質量部に変え、PEEK微粒子の使用量を2質量部から4質量部に変えることの他は、実施例1と同様にして2成分現像剤を調製した。実施例1と同様にして、得られた2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を評価した。実施例15の2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を表1に記す。
〔比較例1〕
キャリアのコート剤としてポリアミドイミド樹脂微粒子を用いなかったことの他は、実施例1と同様にして2成分現像剤を調製した。実施例1と同様にして、得られた2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を評価した。比較例1の2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を表1に記す。
〔比較例2〕
キャリアのコート剤としてPTFE微粒子を用いなかったことの他は、実施例1と同様にして2成分現像剤を調製した。実施例1と同様にして、得られた2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を評価した。比較例2の2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を表1に記す。なお、比較例2では、初期画像における評価で帯電量が著しく低かったため、連続印字後の評価は行わなかった。
〔比較例3〕
キャリアのコート剤としてPEEK微粒子を用いなかったことの他は、実施例1と同様にして2成分現像剤を調製した。実施例1と同様にして、得られた2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を評価した。比較例3の2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を表1に記す。
〔比較例4〕
キャリアを以下の方法に従って調製した他は、実施例1と同様に2成分現像剤を調製した。また、実施例1と同様にして、得られた2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を評価した。比較例4の2成分現像剤を用いる場合の、画像濃度、かぶり濃度、及びトナーの帯電量を表1に記す。なお、比較例4の2成分現像剤では、50万枚出力試験中に3500枚にて帯電量が低下し、画像全面においてかぶりが発生したため、後の試験を停止した。
フェライトコアキャリア(EF−35B(パウダーテック株式会社製、中心粒子径35μm、飽和磁化68emu/g))100質量部を、シリコン樹脂溶液(R2400(東レ・ダウコーニング株式会社製、固形分濃度3質量%))3質量部とシランカップリング剤(KBM−1003(信越シリコーン社製))0.5質量部とにより、流動層式湿式コーティング装置(MP−1(株式会社パウレック製))を用いてコートした。次いで、シリコン樹脂溶液とシランカップリング剤とが付着したフェライトキャリアコアを、乾燥機(STH−120(エスペック株式会社))により160℃で1時間処理し、キャリアを得た。
Figure 0005548662
表1によれば、キャリアコアが、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂と、フッ素樹脂と、ポリアミド/イミド系樹脂とを含むコート剤により被覆されたキャリアを用いた2成分現像剤によれば、50万枚連続して印字した場合でも、トナーの帯電量の低下が抑制され、かぶりが生じにくいことが分かる。つまり、実施例1〜15の2成分現像剤では、キャリアのコート剤の削れや剥がれ、トナーから脱離した外添剤のキャリアへの付着に起因する、キャリアのトナーを帯電する能力の著しい低下とが起きていない。このため、実施例1〜15の2成分現像剤によれば、長期にわたって印刷を行う場合でも、かぶりを生じることなく良好な濃度の画像を形成しやすい。
なお、実施例3と、実施例8〜10とを比較すると、キャリアコアを多層の被覆層により被覆した場合について、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂を最外層に用い、かつポリアミド/イミド系樹脂を最内層に用いることにより、キャリアの被覆層を他の構成とした場合よりも、50万枚連続して印字する場合の、かぶりの発生を抑制しやすいことが分かる。
一方、比較例1によれば、コート剤がポリアミド/イミド系樹脂を含まない場合、50万枚連続して印字すると、トナーの帯電量の著しい低下が生じ、かぶりが発生していることが分かる。また、比較例2によれば、コート剤がフッ素樹脂を含まない場合、そもそも初期画像の印字段階において、すでにトナーを十分帯電できず、かぶりが発生し、50万枚連続の印字という評価ができなくなっていることが分かる。また、比較例3によれば、コート剤がポリエーテルケトン系樹脂を含まない場合、50万枚連続して印字すると、トナーの帯電量の著しい低下が生じ、かぶりが発生していることが分かる。
また、比較例4によれば、コート剤がポリエーテルケトン系樹脂、フッ素樹脂、及びポリアミド/イミド系樹脂の何れもが含まれない場合、初期画像の印字段階においてはトナーを十分帯電できているものの、50万枚連続の印字という評価ができなくなっていることが分かる。

Claims (5)

  1. トナーと、キャリアとを含み、
    前記キャリアは、キャリアコアがコート剤により被覆されており、
    前記コート剤は、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂と、フッ素樹脂と、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、及びポリアミドイミド樹脂からなる群より選択される1種類以上のポリアミド/イミド系樹脂とを含む、2成分現像剤。
  2. 前記コート剤が、前記芳香族ポリエーテルケトン系樹脂と、前記フッ素樹脂と、前記ポリアミド/イミド系樹脂とを含む混合物である、請求項1記載の2成分現像剤。
  3. 前記キャリアコアが、前記芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、前記フッ素樹脂、及び前記ポリアミド/イミド系樹脂からなる群より選択される1種類以上の樹脂を含む複数の層により被覆されている、請求項1記載の2成分現像剤。
  4. 前記複数の層において、最内層が前記ポリアミド/イミド系樹脂を含む層であり、最外層が前記芳香族ポリエーテルケトン系樹脂を含む層である、請求項3記載の2成分現像剤。
  5. 前記複数の層が3層であり、
    前記複数の層において、内層が前記ポリアミド/イミド系樹脂を含む層であり、中間層が前記フッ素樹脂を含む層であり、外層が前記芳香族ポリエーテルケトン系樹脂を含む層である、請求項3又は4記載の2成分現像剤。
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