JP7106956B2 - 現像剤、現像剤の製造方法および画像形成装置 - Google Patents

現像剤、現像剤の製造方法および画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、現像剤、現像剤の製造方法、画像形成装置に関する。
電子写真方式を採用した、プリンタ等の画像形成装置では、帯電された感光体上に、画像情報を光記録手段によって照射することにより静電潜像を得た後、この静電潜像にトナーを付加してトナー像として現像し、記録媒体上に転写することによって画像形成が行なわれる。そして現像を行なう際に、トナー粒子とキャリアとを混合した現像剤を用いることがある。
特許文献1には、キャリア芯材上に樹脂被覆層を有するキャリアとトナーよりなる静電荷像現像用現像剤において、該キャリアは、樹脂被覆層中にシリカもしくはカーボンブラックを7~35質量%含有し、被覆する樹脂の重量平均分子量(Mw)が30~60万であり、かつ、該トナーは、個数平均粒径が70~300nmの外添剤微粒子を含有してなることを特徴とする静電荷像現像用現像剤が記載されている。
また特許文献2には、現像剤は、トナー表面に外添剤として添加されている粒子状の金属酸化物の組成と、キャリア表面を被覆する樹脂層に添加されている粒子状の金属酸化物の組成とを同一にすることによって、トナーと外添剤との間に生じる摩擦帯電量を、外添剤とキャリア表面との間に生じる摩擦帯電量よりも大きくすることが記載されている。
特開2008-304745号公報 特開2008-170814号公報
キャリアとトナー粒子とからなる2成分系の現像剤において、トナー粒子の帯電性、流動性、アンチブロック性等を制御するためにトナー粒子の表面に外添剤を付着させることがある。
しかしながらこの外添剤がトナー粒子から脱離し、キャリアの表面に付着することがある。この場合、トナー粒子を帯電させる能力が低下しやすくなり、その結果、形成される画像に欠陥が生じやすくなる。
本発明は、キャリアの表面に外添剤が付着しにくい現像剤等を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、トナー粒子と、芯材と、当該芯材を被覆するコート層とを備えるキャリアと、を含み、前記キャリアの前記コート層は、添加剤として、当該コート層に極性を付与する極性付与成分であるフッ素樹脂および脂肪酸金属塩と、体積平均粒子径が80nm以上200nm以下であるシリカ粒子とを含む現像剤である。
請求項に記載の発明は、前記フッ素樹脂および前記脂肪酸金属塩の双方が、前記芯材に対し0.0001質量%以上0.050質量%以下の含有量で前記コート層に含まれることを特徴とする請求項に記載の現像剤である。
請求項に記載の発明は、前記フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレンであり、前記脂肪酸金属塩は、ステアリン酸亜鉛であることを特徴とする請求項に記載の現像剤である。
請求項に記載の発明は、前記シリカ粒子は、前記芯材に対し0.01質量%以上1.0質量%以下の含有量で前記コート層に含まれることを特徴とする請求項に記載の現像剤である。
請求項に記載の発明は、キャリアのコート層に極性を付与する極性付与成分としてフッ素樹脂および脂肪酸金属塩と、体積平均粒子径が80nm以上200nm以下であるシリカ粒子とを樹脂に混合し、コート層形成用組成物を作製する混合工程と、芯材に前記コート層形成用組成物を塗布し前記コート層を形成し、キャリアを作製するコート樹脂被覆工程と、前記コート樹脂被覆工程で作製したキャリアと、トナー粒子とを混合し、現像剤を作製する現像剤作製工程と、を含む現像剤の製造方法である。
請求項に記載の発明は、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像手段と、前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を有し、前記現像剤は、トナー粒子と、芯材と、当該芯材を被覆するコート層とを備えるキャリアと、を含み、前記キャリアの前記コート層は、添加剤として、当該コート層に極性を付与する極性付与成分であるフッ素樹脂および脂肪酸金属塩と、体積平均粒子径が80nm以上200nm以下であるシリカ粒子とを含む画像形成装置である。
請求項1の発明によれば、極性付与成分および金属酸化物粒子の少なくとも一方を添加しない場合に比較して、キャリアの表面に外添剤が付着しにくい現像剤を提供することができる
求項の発明によれば、フッ素樹脂および脂肪酸金属塩の少なくとも一方が、芯材に対し0.0001質量%以上0.050質量%以下の範囲から外れる含有量でコート層に含まれる場合に比較して、コート層やトナー粒子の帯電量が低下しにくくなる。
請求項の発明によれば、フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレンでなく、脂肪酸金属塩が、ステアリン酸亜鉛でない場合に比較して、コート層を帯電させやすくなる。
求項の発明によれば、シリカ粒子が、芯材に対し0.01質量%以上1.0質量%以下の範囲から外れる含有量でコート層に含まれる場合に比較して、トナー粒子の帯電量が低下しやすくなったり、シリカ粒子や酸化チタン粒子が剥離しやすくなる。
請求項の発明によれば、極性付与成分および金属酸化物粒子の少なくとも一方を添加しないで現像剤を製造した場合に比較して、キャリアの表面に外添剤が付着しにくい現像剤を製造することができる。
請求項の発明によれば、極性付与成分および金属酸化物粒子の少なくとも一方を添加しない場合に比較して、画像欠陥が生じにくい画像形成装置を提供することができる。
本実施の形態の画像形成装置の概要を示す図である。 本実施の形態が適用されるキャリアの構造の一例を示した図である。 現像剤を製造する方法を説明したフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<画像形成装置の全体構成の説明>
図1は、本実施の形態の画像形成装置1の概要を示す図である。
この画像形成装置1は、一般にタンデム型と呼ばれる画像形成装置である。画像形成装置1は、各色の画像データに対応して画像形成を行なう画像形成部10を備える。また、この画像形成装置1は、各画像形成ユニット11で形成された各色成分トナー像を順次転写(一次転写)保持させる中間転写ベルト20を具備する。さらに、この画像形成装置1は、中間転写ベルト20に転写されたトナー像を用紙等の記録媒体Pに一括転写(二次転写)させる二次転写装置30を備える。さらにまた、この画像形成装置1は、二次転写されたトナー像を記録媒体P上に定着させる定着装置50を有している。さらに画像形成装置1は、画像形成装置1の各機構部を制御するとともに、画像データに対して予め定められた画像処理を施す画像出力制御部90を備える。
画像形成部10は、例えば電子写真方式にて各色成分トナー像が形成される複数(本実施の形態では4つ)の画像形成ユニット11(具体的には11Y(イエロー)、11M(マゼンタ)、11C(シアン)、11K(黒))を備える。
各画像形成ユニット11(11Y、11M、11C、11K)は、使用されるトナーの色を除き、同じ構成を有している。そこで、イエローの画像形成ユニット11Yを例に説明を行う。イエローの画像形成ユニット11Yは、図示しない感光層を有し、矢印A方向に回転可能に配設される感光体ドラム12を具備している。この感光体ドラム12の周囲には、帯電ロール13、光ヘッド14、現像器15、一次転写ロール16、およびドラムクリーナ17が配設される。これらのうち、帯電ロール13は、回転可能に感光体ドラム12に接触配置され、感光体ドラム12を予め定められた電位に帯電する。光ヘッド14は、帯電ロール13によって予め定められた電位に帯電された感光体ドラム12に、光を照射し、静電潜像を書き込む。現像器15は、対応する色成分トナー(イエローの画像形成ユニット11Yではイエローのトナー)を含む現像剤を収容し、このトナーによって感光体ドラム12上の静電潜像を現像する。一次転写ロール16は、感光体ドラム12上に形成されたトナー像を中間転写ベルト20に一次転写する。ドラムクリーナ17は、一次転写後の感光体ドラム12上の残留物(トナー等)を除去する。
画像形成部10において、感光体ドラム12は、像を保持する像保持体として機能する。また帯電ロール13は、感光体ドラム12の表面を帯電させる帯電手段として機能し、光ヘッド14は、感光体ドラム12を露光し、帯電した感光体ドラム12の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段として機能する。さらに現像器15は、現像剤により、感光体ドラム12の表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像手段として機能する。
像転写体としての中間転写ベルト20は、複数(本実施の形態では5つ)の支持ロールに回転可能に張架支持される。これらの支持ロールのうち、駆動ロール21は、中間転写ベルト20を張架するとともに中間転写ベルト20を駆動して回転させる。また、張架ロール22および25は、中間転写ベルト20を張架するとともに駆動ロール21によって駆動される中間転写ベルト20に従って回転する。補正ロール23は、中間転写ベルト20を張架するとともに中間転写ベルト20の搬送方向に略直交する方向の蛇行を規制するステアリングロール(軸方向一端部を支点として傾動自在に配設される)として機能する。さらに、バックアップロール24は、中間転写ベルト20を張架するとともに後述する二次転写装置30の構成部材として機能する。
また、中間転写ベルト20を挟んで駆動ロール21と対向する部位には、二次転写後の中間転写ベルト20上の残留物(トナー等)を除去するベルトクリーナ26が配設されている。
二次転写装置30は、中間転写ベルト20のトナー像保持面側に圧接配置される二次転写ロール31と、中間転写ベルト20の裏面側に配置されて二次転写ロール31の対向電極をなすバックアップロール24とを備えている。このバックアップロール24には、トナーの帯電極性と同極性の二次転写バイアスを印加する給電ロール32が接触して配置されている。一方、二次転写ロール31は接地されている。
なお本実施の形態の画像形成装置1では、一次転写ロール16、中間転写ベルト20および二次転写ロール31により、感光体ドラム12の表面に形成されたトナー像を記録媒体Pの表面に転写する転写手段が構成される。
また、用紙搬送系は、用紙トレイ40、搬送ロール41、レジストレーションロール42、搬送ベルト43、および排出ロール44を備える。用紙搬送系では、用紙トレイ40に積載された記録媒体Pを搬送ロール41にて搬送した後、レジストレーションロール42で一旦停止させ、その後予め定められたタイミングで二次転写装置30の二次転写位置へと送り込む。また、二次転写後の記録媒体Pを、搬送ベルト43を介して定着装置50へと搬送し、定着装置50から排出された記録媒体Pを排出ロール44によって機外へと送り出す。
次に、この画像形成装置1の基本的な作像プロセスについて説明する。今、図示外のスタートスイッチがオン操作されると、予め定められた作像プロセスが実行される。具体的に述べると、例えばこの画像形成装置1をプリンタとして構成する場合には、PC(パーソナルコンピュータ)等、外部から入力される画像データを画像出力制御部90がまず受信する。受信された画像データは、画像出力制御部90によって画像処理が施され、画像形成ユニット11に供給される。そして画像形成ユニット11は、各色のトナー像形成を行う。すなわち、各色のデジタル画像信号に応じて各画像形成ユニット11(具体的には11Y、11M、11C、11K)をそれぞれ駆動する。次に、各画像形成ユニット11では、帯電ロール13により帯電された感光体ドラム12に、光ヘッド14によりデジタル画像信号に応じた光を照射することで、静電潜像を形成する。そして、感光体ドラム12に形成された静電潜像を現像器15により現像し、各色のトナー像を形成させる。
その後、各感光体ドラム12上に形成されたトナー像は、感光体ドラム12と中間転写ベルト20とが接する一次転写位置で、一次転写ロール16によって中間転写ベルト20の表面に順次一次転写される。一方、一次転写後に感光体ドラム12上に残存するトナーは、ドラムクリーナ17によってクリーニングされる。
このようにして中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像は中間転写ベルト20上で重ね合わされ、中間転写ベルト20の回転に伴って二次転写位置へと搬送される。一方、記録媒体Pは予め定められたタイミングで二次転写位置へと搬送され、バックアップロール24に対して二次転写ロール31が記録媒体Pを挟持する。
そして、二次転写位置において、二次転写ロール31とバックアップロール24との間に形成される転写電界の作用で、中間転写ベルト20上に担持されたトナー像が記録媒体Pに二次転写される。トナー像が転写された記録媒体Pは、搬送ベルト43により定着装置50へと搬送される。定着装置50では、加熱ロール52aおよび加圧ロール52bにより加熱・加圧される。これにより、記録媒体P上のトナー像が定着される。その後、機外に設けられた排紙トレイ(図示せず)に送り出される。一方、二次転写後に中間転写ベルト20に残存するトナーは、ベルトクリーナ26によってクリーニングされる。
<現像剤の説明>
次に現像剤について説明を行なう。本実施の形態の現像剤は、トナー粒子とキャリアとを含む。本実施の形態では、トナー粒子のみならずキャリアも粒子状である。よって本実施の形態の現像剤は、トナー粒子とキャリア粒子とが混合する粉体の状態になっている。
(トナー粒子)
トナー粒子は、着色剤と、着色剤を分散するバインダ樹脂とを含む。
着色剤は、トナーを特定の色に着色するための成分である。この場合、着色剤は、トナーを上述したY(イエロー)色、M(マゼンタ)色、C(シアン)色、K(黒)色の何れかに着色するために使用される。着色剤としては、特に限られるものではないが、顔料や染料が使用できる。なおトナーとしてこれらの色以外の色を使用する場合は、その色を呈する着色剤が使用される。
顔料を用いる場合、Y(イエロー)色の顔料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物等に代表される化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、138、139、147、150、155、168、174、176、180、181、185、191、213等を好適に用いることができる。
M(マゼンタ)色の顔料としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、144、146、147、150、166、169、177、184、185、202、206、209、220、221、254、255、268、269、C.I.ピグメントバイオレット1、19等を好適に用いることができる。
C(シアン)色の顔料としては、銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、60、62、66等を好適に用いることができる。
K(黒)色の顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、鉄黒等が挙げられる。
また染料を用いる場合は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系等の染料が挙げられる。
着色剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
着色剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、1質量%以上20質量%以下がより好ましく、3質量%以上15質量%以下がさらに好ましい。
バインダ樹脂は、上述した定着装置50において加熱される際に融解するとともに、定着装置50を通過後に冷却される際にトナー像を記録媒体Pに定着させる、いわば接着剤の役割を担う成分である。
バインダ樹脂としては、非晶性樹脂および結晶性樹脂が挙げられるが、何れも使用することができる。またこれらを併用してもよい。実際には、非晶性樹脂に結晶性樹脂を添加する形態が好ましい。結晶性樹脂は、融解温度の前後で粘度の変化が大きく、分子が熱的に活動を開始してから溶融するまでの温度差が比較的小さい。トナー粒子が結晶性樹脂を含むことにより、トナー粒子の保存安定性と低温定着性とが向上する。トナー粒子中の結晶性樹脂の含有量は、1質量%以上10質量%以下が好ましく、2質量%以上8質量%以下がさらに好ましい。
なおバインダ樹脂が非晶性であるか結晶性であるかは、示差走査熱量測定(DSC:Differential Scanning Calorimetry)により判断することができる。具体的には、昇温速度10℃/minで、示差走査熱量測定を行なった結果、明確な吸熱ピークを有し、測定した際の吸熱ピークの半値幅が10℃以内である場合、結晶性であると判断する。対して吸熱ピークの半値幅が10℃を超える場合、階段状の吸熱量変化を示す場合、または明確な吸熱ピークが認められない場合、非晶性であると判断する。
バインダ樹脂としては、例えば、スチレン類(例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α-メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2-エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えば、エチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、またはこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂等が挙げられる。
また重合後における樹脂として見た場合、バインダ樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂や、これらとビニル系樹脂との混合物、または、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等が挙げられる。
これらのバインダ樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
中でもバインダ樹脂としては、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂を使用することが好ましく、ポリエステル樹脂を使用することがさらに好ましい。よって上述した観点から見た場合は、非晶性ポリエステル樹脂に結晶性ポリエステル樹脂を添加する形態が好ましい。
ポリエステル樹脂は、例えば、1分子中にカルボキシル基を2個以上含有する多価カルボン酸と、多価アルコールと1分子中に水酸基を2個以上含有する多価アルコールとの重縮合体として製造することができる。
結晶性ポリエステル樹脂を得るために使用される多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸を使用することができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、直鎖型の脂肪族カルボン酸が挙げられる。直鎖型の脂肪族カルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、テレフタル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9-ノナンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,11-ウンデカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、1,13-トリデカンジカルボン酸、1,14-テトラデカンジカルボン酸、1,16-ヘキサデカンジカルボン酸、1,18-オクタデカンジカルボン酸や、またはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられる。
また多価カルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸成分のほか、二重結合を持つジカルボン酸成分、スルホン酸基を持つジカルボン酸成分等の構成成分が含まれていてもよい。なお、二重結合を持つジカルボン酸成分には、二重結合を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、二重結合を持つジカルボン酸の低級アルキルエステルまたは酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。また、スルホン酸基を持つジカルボン酸成分には、スルホン酸基を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、スルホン酸基を持つジカルボン酸の低級アルキルエステルまたは酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。
これらの多価カルボン酸は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
結晶性ポリエステル樹脂を得るために使用される多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオールを使用することができる。脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,20-エイコサンジオール等が挙げられる。
これらの多価アルコールは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
非晶性ポリエステル樹脂の合成に用いる多価カルボン酸成分としては、結晶性ポリエステル樹脂に関して挙げた種々のジカルボン酸が用いられる。また多価アルコールとしても、結晶性ポリエステル樹脂の合成に用いる種々のジオールが用いられる。また上述の脂肪族ジオールに加えて、ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物や水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSプロピレンオキサイド付加物等を用いてもよい。
またポリエステル樹脂の市販品としては、ダイヤクロンER-502、ダイヤクロンER-508(三菱レイヨン社製)等を挙げることができる。
バインダ樹脂の含有量としては、トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。
またトナー粒子は、他に離型剤、帯電制御剤、外添剤、およびその他の添加剤を含んでいてもよい。このうち離型剤、帯電制御剤は、トナー粒子内部に含まれることで予め定められた機能を発揮する内添剤であり、外添剤は、トナー粒子表面に付着することで予め定められた機能を発揮する。
離型剤は、トナー像を記録媒体Pに定着させる際に、加熱ロール52aにトナー粒子が付着しないようにし、加熱ロール52aとトナーとの剥離性を向上させる役割を担う成分である。離型剤は、定着の際にトナー像の表面へ染み出したり、凹凸を形成することにより、離型効果を生じさせる。
離型剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;シリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物系、石油系のワックス;などが挙げられる。離型剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤の市販品としては、ポリワックス500、1000、2080P(東洋アドレ社製)、サンワックス131P、サンワックス161P(三洋化成工業社製)、ハイワックス800P、ハイワックス720P、ハイワックス400P、ハイワックス320MP、ハイワックスNP055、ハイワックスNP105(三井化学社製)等を挙げることができる。また他の市販品として、パラフィンワックスHNP-9(日本精蝋社製)、ニッサンエレクトールWEP-5(日油社製)等を挙げることができる。
離型剤の含有量としては、トナー粒子全体に対して、0.5質量%以上50質量%以下が好ましく、1質量%以上30質量%以下がより好ましく、1質量%以上20質量%以下がさらに好ましく、5質量%以上15質量%以下がさらに好ましい。
帯電制御剤は、トナー粒子が静電気を帯びやすくするために加える成分である。
帯電制御剤としては、例えば、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤等が挙げられる。
帯電制御剤は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
帯電制御剤の含有量としては、トナー粒子全体に対して、0.5質量%以上7.5質量%以下が好ましく、1.0質量%以上2.0質量%以下がさらに好ましい。
外添剤は、トナー表面に付着し、トナーの帯電性や流動性等を制御するために加える成分である。
トナー粒子の外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。無機粒子としては、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO、Ca(PO等が挙げられる。
さらに外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
外添剤は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
外添剤の外添量は、例えば、トナー粒子全体に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
(キャリア)
図2(a)~(b)は、本実施の形態が適用されるキャリアの構造の一例を示した図である。このうち図2(a)は、キャリアの断面図であり、図2(b)は、図2(a)の一部を拡大した拡大断面図である。
図示するキャリア100は、芯材110と、芯材110を被覆するコート層120とを備える。
芯材110としては、磁性粒子が用いられる。磁性粒子としては、公知の材料を用いることができる。例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、これらの磁性金属とマンガン、クロム、希土類等との合金、酸化鉄、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、マトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型芯材が挙げられる。
樹脂分散型芯材に用いられる樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を含むストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができる。ただし。これらに限定されるものではない。
中でも、磁性粒子としては、磁性酸化物粒子であることが好ましく、フェライト粒子であることがさらに好ましい。
芯材110の体積平均粒径は、10μm以上100μm以下が好ましく、20μm以上50μm以下がより好ましい。芯材110の体積平均粒径が10μm未満であると、トナー粒子とキャリア100との間の付着力が不足しにくく、トナー像としたときの現像量が不足しやすくなる。一方、100μmを超えると、トナー像の磁細線再現性が悪化しやすくなる。芯材110の体積平均粒径は、例えば、コールターカウンター法により測定することができる。
コート層120は、トナー粒子の帯電量を安定させるとともに、キャリア100の長寿命化を図るために被覆される機能層である。コート層120は、樹脂被覆層であることが好ましい。樹脂被覆層を構成する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリビニルケトン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、スチレン-アクリル共重合体、スチレン-メタクリレート共重合体、オルガノシロキサン結合を有するストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、アミド樹脂、および、エポキシ樹脂等であることが好ましい。
これらの中でも、樹脂被覆層を構成する樹脂としては、(メタ)アクリル酸シクロアルキルを重合成分として含む樹脂、すなわち、シクロアルキル基を有するアクリル樹脂を含むことが好ましい。
シクロアルキル基を有するアクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸シクロアルキルの単独重合体、(メタ)アクリル酸シクロアルキルとそれ以外の単量体との共重合体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸シクロアルキルとしては、例えば、アクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロオクチル、および、メタクリル酸シクロオクチル等が挙げられる。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸シクロアルキルとしては、アクリル酸シクロヘキシルやメタクリル酸シクロヘキシルが好ましく、メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート)が特に好ましい。
コート層120の芯材110に対する被覆量は、例えば、キャリア100全体の質量に対して0.5質量%以上であることが好ましい。また0.7質量%以上6質量%以下であることがより好ましく、1.0質量%以上5.0質量%以下であることがさらに好ましい。
コート層120の被覆量は、例えば、次のようにして求める。
予め定められた量のキャリア100を、トルエン等の可溶溶剤に溶解させ、芯材110を磁石で保持しつつ、コート層120が溶解した溶液を洗い流す。これを数度繰り返す事により、コート層120が取り除かれた芯材110が残る。そして残った芯材11を乾燥させ、質量を測定する。そして可溶溶剤に溶解させる前の元のキャリア100と測定した質量の差分を算出する。さらに算出した差分を、元のキャリア100の質量で除算することにより被覆量を算出する。
またコート層120は、添加剤として、コート層120に極性を付与する極性付与成分121と、金属酸化物粒子122とを含む。
極性付与成分121は、コート層120を帯電させるための成分である。これによりキャリア100の表面は、正帯電または負帯電となる。本実施の形態の場合、コート層120は、正極性または負極性の何れに帯電してもよい。このような観点から、極性付与成分121は、帯電付与成分であると考えることもできる。
コート層120を正帯電させる極性付与成分121としては、例えば、脂肪酸金属塩が挙げられる。脂肪酸金属塩は、脂肪酸と金属とからなる塩である。
脂肪酸は、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸の何れでもよい。脂肪酸の炭素数は、10以上25以下(好ましくは、12以上22以下)であることが好ましい。なお、脂肪酸の炭素数は、カルボキシ基の炭素を含む。
脂肪酸としては、例えば、ベヘン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸等の飽和脂肪酸;オレイン酸、リノール酸、リシノール酸等の不飽和脂肪酸;が挙げられる。これらの脂肪酸の中でも、ステアリン酸、ラウリン酸が好ましく、ステアリン酸がより好ましい。
金属としては、2価の金属であることが好ましい。金属としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、バリウム、亜鉛が挙げられる。これらの中でも、亜鉛がより好ましい。
脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸銅、ステアリン酸鉛、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸ナトリウム等のステアリン酸の金属塩;パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸銅、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム等のパルミチン酸の金属塩;ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸マンガン、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸鉄、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸アルミニウム等のラウリン酸の金属塩;オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸アルミニウム、オレイン酸銅、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸カルシウム等のオレイン酸の金属塩;リノール酸亜鉛、リノール酸コバルト、リノール酸カルシウム等のリノール酸の金属塩;リシノール酸亜鉛、リシノール酸アルミニウム等のリシノール酸の金属塩;などが挙げられる。
脂肪酸金属塩の中でも、ステアリン酸の金属塩、またはラウリン酸の金属塩を好ましく使用でき、ステアリン酸亜鉛、またはラウリン酸亜鉛をより好ましく使用でき、ステアリン酸亜鉛をさらに好ましく使用できる。ステアリン酸亜鉛を添加した場合、コート層120の内部で、偏在せず、より均一に近い状態で分布する。図2(b)では、ステアリン酸亜鉛を121aとして図示している。
脂肪酸金属塩としてステアリン酸亜鉛を使用した場合、偏在しにくいことにより、極性付与が容易であること、また帯電量が安定して付与される点で帯電維持性の低下を抑制することができる。
コート層120を負帯電させる極性付与成分121としては、例えば、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ワックス樹脂等が挙げられる。
中でもフッ素樹脂であることが好ましい。フッ素樹脂は、フッ素を含むオレフィンを重合して得られる合成樹脂の総称である。フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、4フッ化エチレン樹脂)、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルコキシエチレン共重合体等が挙げられる。
これらの中でも、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)をより好適に使用することができる。
ポリテトラフルオロエチレンは表面エネルギーが低く、そのため現像器15内で破壊されたトナーの一部などが表面に付着するのを抑制することができるため、帯電量のばらつきを抑制でき、帯電維持性の低下を抑制することができる。特にコート層120内部に存在することによって、その効果を経時にわたって保持できる。
フッ素樹脂の被覆率は、芯材110の表面に対して、1%以上50%以下が好ましく、20%以上40%であることがさらに好ましい。フッ素樹脂の被覆率が、1%未満であると、トナーおよび外添剤が付着しやすくなる。またフッ素樹脂の被覆率が、50%を超えると、トナーを帯電させにくくなる。
被覆率は、芯材110の表面全体に対し、フッ素樹脂が被覆する割合として示される。被覆率は、XPS(X-ray photoelectron spectroscopy)測定においてフッ素樹脂のフッ素(F)とコア特有の鉄(Fe)を検知することで、算出する。
フッ素樹脂は、芯材110にコート層120を形成する際に、粒子として添加される。そしてその際に、主にコート層120の表面にブリードアウトし、コート層120の表面に偏在するようになる。即ち、フッ素樹脂は、コート層120の表面に主に存在し、内部にはあまり存在しない。さらにこのとき、粒子状のフッ素樹脂は、コート層120の表面において、引き伸ばされ、薄膜状となる。この構造によりコート層120の表面の表面エネルギーが低下する。図2(b)では、引き伸ばされ、薄膜状となったフッ素樹脂を121bとして図示している。
極性付与成分121は、芯材110に対し0.0001質量%以上0.050質量%以下の含有量でコート層120に含まれることが好ましく、0.001質量%以上0.050質量%以下がより好ましい。極性付与成分121が、芯材110に対し0.0001質量%未満であると、コート層120の帯電量が不足しやすくなる。また極性付与成分121が、芯材110に対し0.050質量%を超えると、トナー粒子の帯電量が低下しやすくなる。
金属酸化物粒子122は、金属の酸化物からなる粒子である。金属酸化物粒子122としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、珪灰石、珪藻土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム等の粒子が挙げられる。これらの中でも、金属酸化物粒子122としては、シリカ粒子および酸化チタン粒子の少なくとも一方であることが好ましい。
また金属酸化物粒子122の表面に疎水化処理を行なってもよい。疎水化処理は、疎水化を行なう対象物の表面を疎水化する処理のことであり、例えば、対象物に対し疎水化処理剤をコートすることで行なう。
疎水化処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリコーンオイル等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n-ブチルトリメトキシシラン、n-ヘキサデシルトリメトキシシラン、n-オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等が挙げられる。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等が挙げられる。
金属酸化物粒子122が、シリカ粒子の場合、粒径を比較的大粒径とし、コート層120の表面に凹凸を付与し、コート層120の比表面積を大きくすることが好ましい。そのためにシリカ粒子は、体積平均粒子径が80nm以上200nm以下であることが好ましい。シリカ粒子の体積平均粒子径が、80nm未満であると、比表面積が小さくなりすぎシリカ粒子の埋め込みが生じやすくなる。またフッ素樹脂の被覆率が、200nmを超えると、シリカ粒子がコート層120から脱離しやすくなる。
また添加量としては、芯材110に対し0.001質量%以上1質量%以下が好ましく、0.005質量%以上0.5質量%以下が上記効果を維持できる点でさらに好ましい。
金属酸化物粒子122の体積平均粒径は、キャリア100粒子の表面を走査型電子顕微鏡で観察し、コート層120に付着した金属酸化物粒子122の画像解析を行うことで測定する。具体的には、他えば、キャリア100粒子1つ当たり50個の金属酸化物粒子122を走査型電子顕微鏡により観察し、金属酸化物粒子122の画像解析によってキャリア100粒子ごとの最長径および最短径を測定し、この中間値から球相当径を測定する。さらにこの球相当径の測定をキャリア100粒子を100個分について行う。そして、得られた球相当径の累積頻度における50%径(D50)を無機粒子の体積平均粒径とする。
金属酸化物粒子122の添加量は、芯材110に対し0.01質量%以上1.0質量%以下の含有量でコート層120に含まれることが好ましい。添加量が、芯材110に対し0.01質量%未満であると、トナー粒子の帯電量が低下しやすくなる。また添加量が、芯材110に対し1.0質量%を超えると、金属酸化物粒子122が剥離しやすくなる。
極性付与成分121や金属酸化物粒子122の添加量は、蛍光X線測定により求めることができる。具体的には、まず、濃度既知のキャリア100(極性付与成分121や金属酸化物粒子122が付着していないキャリア100)と極性付与成分121や金属酸化物粒子122との混合物として、これらの添加量を変更したものを複数種類用意する。この混合物を、ペレットサンプルとし質量を精秤し、蛍光X線測定を行なう。そしてこれらの結果から検量線を作製する。さらにこの検量線を用いて実際の測定対象であるキャリア100中の構成元素の含有量の定量分析を行うことで、極性付与成分121や金属酸化物粒子122の添加量を算出する。
このとき極性付与成分121が、例えば、脂肪酸金属塩の場合、金属塩を蛍光X線測定により定量化できる。例えば、脂肪酸金属塩がステアリン酸亜鉛の場合、構成元素として亜鉛(Zn)の含有量を測定し、これにより添加量を算出する。また極性付与成分121が、例えば、フッ素樹脂粒子の場合、構成元素としてフッ素(F)を蛍光X線測定し、これにより添加量を算出する。
さらに金属酸化物粒子122の場合、構成元素として金属を蛍光X線測定により定量化できる。例えば、金属酸化物粒子122がシリカの場合、構成元素として珪素(Si)を蛍光X線測定し、これにより添加量を算出する。
蛍光X線測定は、例えば、蛍光X線解析装置(島津製作所社製、XRF1500)を用いて、X線出力40V、70mA、測定面積10mmφ、測定時間15分の条件で行なう。また、蛍光X線測定以外でも、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)発光分光測定法や、原子吸光測定法で行なってもよい。
<現像剤を製造する方法の説明>
次に、現像剤の製造方法の説明を行なう。
図3は、現像剤を製造する方法を説明したフローチャートである。
まずコート層120の主成分である樹脂としてメタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート)等と、添加剤である極性付与成分121および金属酸化物粒子122とを、溶剤であるトルエンに混合し、コート層形成用組成物を作製する(ステップ101:混合工程)。なお極性付与成分121は、粒子状の状態で混合する。混合を行なうには、例えば、これらの成分とガラスビーズとをセラミックポットに入れ、卓上ポットミルにて回転することにより行なう。
次に芯材110にコート層形成用組成物を塗布しコート層120を形成し、キャリアを作製する(ステップ102:コート樹脂被覆工程)。具体的には、コート層用塗布溶液と、芯材110であるフェライトとを混合し、その後、真空乾燥機にセットし、溶剤であるトルエンを除去するために、加熱および減圧を行ない乾燥する。
そしてコート樹脂被覆工程で作製したキャリアと、トナー粒子とを混合し、現像剤を作製する(ステップ103:現像剤作製工程)。
従来、トナー粒子やトナー粒子から脱離した外添剤が、キャリア100と摩擦されることで、キャリアのコート層120が剥がれたり、外添剤がキャリア100のコート層120の表面に付着することにより、トナー粒子を帯電させる能力が低下することがあった。そして形成された画像にかぶりが生じやすくなったり、色むらや光沢むらが発生しやすくなる問題があった。
以上詳述した現像剤では、フッ素樹脂や脂肪酸金属塩のような極性付与成分により、キャリア100の表面エネルギーが低くなり、キャリア100への外添剤の付着を抑制する。またキャリア100にトナー粒子から剥がれた外添剤が付着して埋没しにくい。ただし、キャリア100に極性付与成分を添加した場合、キャリア100とトナー粒子との接触も抑制され、トナー粒子の帯電性能が低下しやすくなる。そこで本実施の形態の現像剤では、コート層120にシリカ等の金属酸化物粒子をさらに含有させ、トナー粒子の帯電量を調整するとともに、キャリア100の比表面積を大きくして帯電性能の低下を抑制する。
一方、キャリア100のコート層120が剥がれ、感光体ドラム12に飛び、場合によっては、感光体ドラム12に突き刺さる場合もある。そしてシロ抜けなどの画像欠陥を発生させることがある。しかし本実施の形態の現像剤によれば、コート層120は極性を有し、コート層120が剥がれても、感光体ドラム12に飛びにくく、外添剤と同伴してドラムクリーナ17でかきとられる。
本実施の形態の現像剤を使用した場合、トナー粒子の帯電性能が、より長期に渡り、より安定的になる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。本発明は、その要旨を越えない限りこれらの実施例により限定するものではない。
以下のようにして、本実施の形態の現像剤を作製した。そして以下に説明する評価を行なった。なお作製した現像剤について、表1にまとめた。
<現像剤の作製>
(実施例1)
以下の成分を用意し、上述した現像剤の製造方法により、現像剤を作製した。なお実施例1では、極性付与成分121として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を使用した。また金属酸化物粒子122として、体積平均粒子径150nmのシリカを使用した。
・フェライト粒子(体積平均粒子径:50μm) 100部
・トルエン 14部
・スチレン-メチルメタクリレート共重合体 2部
(成分比:90/10、Mw=80,000)
・カーボンブラック(R330:キャボット社製) 0.2部
・ポリテトラフルオロエチレン(PTFE) 0.0005部
・シリカ 0.1部
また上記混合工程において、コート層形成用組成物を作製するのに、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて、分散液を調製した。次に、コート樹脂被覆工程において、真空脱気型ニーダー内にコアと上記分散液を混合しながら温度を60℃かけ、30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、溶剤を乾燥させることによりキャリアを得た。
そして、得られたキャリアを、トナー:キャリア=5:95(質量比)の割合でVブレンダーに入れ、20分間撹拌し、現像剤を得た。
ここで、使用したトナーは、乳化重合法で作製した体積平均粒子径6.0μm、外添剤として、シリカ、チタンを添加したものである。
(実施例2)
実施例2では、実施例1に対し、シリカの体積平均粒子径を150nmから50nmに変更したこと以外は、実施例1と同様に現像剤を作製した。
(実施例3)
実施例3では、実施例1に対し、シリカの含有量を、芯材110に対し、0.1質量%から1.0質量%となるように変更したこと以外は、実施例1と同様に現像剤を作製した。
(実施例4)
実施例4では、実施例1に対し、シリカの含有量を、芯材110に対し、0.1質量%から0.01質量%となるように変更したこと以外は、実施例1と同様に現像剤を作製した。
(実施例5)
実施例5では、実施例1に対し、添加剤として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の代わりに、ステアリン酸亜鉛を0.0005質量%使用したこと以外は、実施例1と同様に現像剤を作製した。
(実施例6)
実施例6では、実施例1に対し、添加剤として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に加え、ステアリン酸亜鉛を、芯材110を100質量%としたときに、0.0005質量%となるように加えたこと以外は、実施例1と同様に現像剤を作製した。
(実施例7)
実施例7では、実施例1に対し、添加剤であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の含有量を、芯材110を100質量%としたときに、0.0005質量%から0.05質量%となるようにしたこと以外は、実施例1と同様に現像剤を作製した。
(実施例8)
実施例8では、実施例1に対し、添加剤であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の含有量を、芯材110を100質量%としたときに、0.0005質量%から0.0001質量%となるようにしたこと以外は、実施例1と同様に現像剤を作製した。
(実施例9)
実施例9では、実施例5に対し、添加剤であるステアリン酸亜鉛の含有量を、芯材110を100質量%としたときに、0.0005質量%から0.05質量%となるようにしたこと以外は、実施例5と同様に現像剤を作製した。
(実施例10)
実施例10では、実施例5に対し、添加剤であるステアリン酸亜鉛の含有量を、芯材110を100質量%としたときに、0.0005質量%から0.0001質量%となるようにしたこと以外は、実施例5と同様に現像剤を作製した。
(実施例11)
実施例11では、実施例1に対し、シリカの含有量を、芯材110に対し、0.1質量%から0.005質量%となるように変更したこと以外は、実施例1と同様に現像剤を作製した。
(実施例12)
実施例12では、実施例1に対し、シリカの含有量を、芯材110に対し、0.1質量%から1.5質量%となるように変更したこと以外は、実施例1と同様に現像剤を作製した。
(実施例13)
実施例13では、実施例1に対し、シリカの体積平均粒子径を150nmから30nmに変更したこと以外は、実施例1と同様に現像剤を作製した。
(実施例14)
実施例14では、実施例1に対し、シリカの体積平均粒子径を150nmから250nmに変更したこと以外は、実施例1と同様に現像剤を作製した。
(実施例15)
実施例15では、実施例1に対し、添加剤であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の含有量を、芯材110を100質量%としたときに、0.0005質量%から0.06質量%となるようにしたこと以外は、実施例1と同様に現像剤を作製した。
(実施例16)
実施例16では、実施例1に対し、添加剤であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の含有量を、芯材110を100質量%としたときに、0.0005質量%から0.004質量%となるようにしたこと以外は、実施例1と同様に現像剤を作製した。
(実施例17)
実施例17では、実施例5に対し、添加剤であるステアリン酸亜鉛の含有量を、芯材110を100質量%としたときに、0.0005質量%から0.06質量%となるようにしたこと以外は、実施例5と同様に現像剤を作製した。
(実施例18)
実施例18では、実施例5に対し、添加剤であるステアリン酸亜鉛の含有量を、芯材110を100質量%としたときに、0.0005質量%から0.00005質量%となるようにしたこと以外は、実施例5と同様に現像剤を作製した。
(比較例1)
比較例1では、実施例1に対し、添加剤であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に現像剤を作製した。
(比較例2)
比較例2では、実施例1に対し、金属酸化物粒子122であるシリカを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に現像剤を作製した。
Figure 0007106956000001
<評価>
図1に示した画像形成装置1により、画像を形成した。各実施例、各比較例の現像剤を画像形成装置「ApeosPortIV C5575(富士ゼロックス社製)改造機」の現像装置に収容した。この際に、シアン色、マゼンタ色、イエロー色のトナーは「ApeosPortIV C5575」用トナーをそのまま用い、黒色のトナーは用いず、この状態で作動するように改造した。
温度30℃、相対湿度80%の環境にて、各色像密度1%の画像を50枚、5%の画像を20枚、20%の画像を30枚印刷することを1セットとし、これを1000回繰り返して、合計10,000枚の印刷を行なった。
そして印刷後の画像について、目視によるかぶりを評価し、これを帯電維持性の評価とした。なお「かぶり」とは、本来非画像部となるべき地肌部分にトナーが付着してしまう現象を言う。また「帯電維持性」は、トナー粒子を帯電させる性能を維持しているか否かを表す指標である。この場合、帯電維持性が低下すると、かぶりが生じやすくなり、帯電維持性が低下しない場合、かぶりは生じにくい。
また目視により、色むら、光沢むらを確認し、画像むらの評価とした。
このとき各測定項目についての評価基準は以下の通りとした。
・帯電維持性
A:10,000枚で画像へのかぶりは確認できない。
B:10,000枚で画像へのかぶりは確認できないが、感光体にかぶりが認められる。
C:10,000枚で画像へのかぶりが僅かに認められる。
D:9,000枚で画像へのかぶりが認められる。
E:8,000枚までに画像へのかぶりが認められる。
この場合、許容できるのはDまでである。
・画像むら
A:10,000枚で画像むらは確認できない。
B:10,000枚で画像むらが僅かに確認できる。
C:10,000枚で画像むらが確認できるが許容範囲である。
D:10,000枚で画像へのかぶりが認められ、許容できない。
なお、帯電維持性でEとなったものについては、その時点での評価にした。
この場合、許容できるのはCまでである。
結果を表1に示す。
比較例1~2より、添加剤であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やステアリン酸亜鉛、および金属酸化物粒子であるシリカの何れか一方を添加しない場合、帯電維持性または画像むらが許容できない結果となった。即ち、比較例1は、帯電維持性がEとなり、比較例2は、画像むらがDとなった。対して実施例1~18より、これらの双方を添加した場合は、帯電維持性が許容できるD以上となるとともに、画像むらが許容できるC以上となった。
そして実施例1~18を相互に比較した場合、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やステアリン酸亜鉛が芯材110に対し、0.0001質量%以上0.050質量%以下の含有量で含まれる場合、この範囲から外れる場合に比較して、上記評価項目について、より良好な結果が得られた。またシリカは、体積平均粒子径が80nm以上200nm以下である場合、この範囲から外れる場合に比較して、上記評価項目について、より良好な結果が得られた。さらにシリカは、芯材110に対し0.01質量%以上1.0質量%以下の含有量で含まれる場合、この範囲から外れる場合に比較して、上記評価項目について、より良好な結果が得られた。
以上、本実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、種々の変更または改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1…画像形成装置、10…画像形成部、20…中間転写ベルト、30…二次転写装置、50…定着装置、100…キャリア、110…芯材、120…コート層、121…極性付与成分、122…金属酸化物粒子、P…記録媒体

Claims (6)

  1. トナー粒子と、
    芯材と、当該芯材を被覆するコート層とを備えるキャリアと、
    を含み、
    前記キャリアの前記コート層は、添加剤として、当該コート層に極性を付与する極性付与成分であるフッ素樹脂および脂肪酸金属塩と、体積平均粒子径が80nm以上200nm以下であるシリカ粒子とを含む現像剤。
  2. 前記フッ素樹脂および前記脂肪酸金属塩の双方が、前記芯材に対し0.0001質量%以上0.050質量%以下の含有量で前記コート層に含まれることを特徴とする請求項に記載の現像剤。
  3. 前記フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレンであり、前記脂肪酸金属塩は、ステアリン酸亜鉛であることを特徴とする請求項に記載の現像剤。
  4. 前記シリカ粒子は、前記芯材に対し0.01質量%以上1.0質量%以下の含有量で前記コート層に含まれることを特徴とする請求項に記載の現像剤。
  5. キャリアのコート層に極性を付与する極性付与成分としてフッ素樹脂および脂肪酸金属塩と、体積平均粒子径が80nm以上200nm以下であるシリカ粒子とを樹脂に混合し、コート層形成用組成物を作製する混合工程と、
    芯材に前記コート層形成用組成物を塗布し前記コート層を形成し、キャリアを作製するコート樹脂被覆工程と、
    前記コート樹脂被覆工程で作製したキャリアと、トナー粒子とを混合し、現像剤を作製する現像剤作製工程と、
    を含む現像剤の製造方法。
  6. 像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像手段と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    を有し、
    前記現像剤は、
    トナー粒子と、
    芯材と、当該芯材を被覆するコート層とを備えるキャリアと、
    を含み、
    前記キャリアの前記コート層は、添加剤として、当該コート層に極性を付与する極性付与成分であるフッ素樹脂および脂肪酸金属塩と、体積平均粒子径が80nm以上200nm以下であるシリカ粒子とを含む画像形成装置。
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