JP2008065080A - 電子写真用キャリアおよび電子写真用現像剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期間安定して良好な画像を得ることができ、かつマシンの長寿命を達成することができる電子写真用キャリアおよび電子写真用現像剤を提供することである。
【解決手段】キャリアコアの表面をコーティング樹脂で被覆した電子写真用キャリアであって、前記コーティング樹脂は、フッ素系樹脂と、シリカを含有するポリアミドイミド樹脂とからなり、前記ポリアミドイミド樹脂は、シリカをポリアミドイミド樹脂100重量部に対して7〜20重量部の割合で含有するように構成した。
【選択図】なし
【解決手段】キャリアコアの表面をコーティング樹脂で被覆した電子写真用キャリアであって、前記コーティング樹脂は、フッ素系樹脂と、シリカを含有するポリアミドイミド樹脂とからなり、前記ポリアミドイミド樹脂は、シリカをポリアミドイミド樹脂100重量部に対して7〜20重量部の割合で含有するように構成した。
【選択図】なし
Description
本発明は、複写機、レーザープリンター、ファクシミリおよびその複合機等に採用されている電子写真法による画像形成システムにおいて、特にカラー4連タンデム現像方式のカラー現像剤等に使用される電子写真用キャリアおよび電子写真用現像剤に関する。
近時、カラー印刷の割合が増加しており、カラー印刷の高速化が要望されている。従来は、1ドラム方式のカラー複写機が主流であったが、1ドラム方式のカラー複写機は、カラー印刷がモノクロ印刷に比べて遅く、ユーザーの不満となっていた。そこで、4連ドラム方式のタンデムカラー機(カラー4連タンデム現像方式)が注目されている。カラー4連タンデム現像方式は、トナーの色に対応した複数の感光体を用いて転写部材の送りに同期させてカラー画像を形成し、転写部材上で色重ねを行うものであり、高画質であると共に、高速性に優れる。
一方、ランニングコストの低減、マシンの長寿命を達成する上で、感光体としてアモルファスシリコンドラムが注目されている。アモルファスシリコンドラムは、その表面の硬度が高く、例えば該表面がトナー表面の無機微粒子により研磨されても、殆ど膜の削れがないので、性能低下を抑制することができる。
ただ、マシンの長寿命を達成するには、アモルファスシリコンドラムを採用するのみでは十分でなく、電子写真用現像剤(以下、単に「現像剤」と略す)の劣化も防止する必要がある。現像剤の劣化の要因の一つとしては、例えば該現像剤に含まれる電子写真用キャリア(以下、単に「キャリア」と略す)のコート削れ、剥がれ等が挙げられる。すなわち、現像剤に含まれるキャリアは、一般に、十分な帯電性を付与する上で、キャリアコート剤(コーティング樹脂)でキャリアコアの表面を被覆しているが、このコーティング樹脂が、トナー表面の無機微粒子によって削られたり(コート削れ)、剥がれたりすることにより(コート剥がれ)、帯電特性が低下して現像剤が劣化すると考えられる。
特許文献1には、キャリアの耐久性を向上する目的で、キャリア用核体粒子(キャリアコア)の表面を、シロキサン結合を主体とするシリコン樹脂(コーティング樹脂)で被覆してなるキャリアが記載されている。
しかしながら、シリコン樹脂は、スペント性は良好であるものの、コート剥がれが多く、マシンの長寿命を達成する事は困難である。
しかしながら、シリコン樹脂は、スペント性は良好であるものの、コート剥がれが多く、マシンの長寿命を達成する事は困難である。
特許文献2には、コア材の表面に、微粉末シリカを所定量含むエポキシ樹脂をポリアミド樹脂により硬化させた被覆層を有するキャリアが記載されている。
しかしながら、この文献に記載されているキャリアにはフッ素成分がないため、正帯電性の付与が十分ではなく、帯電安定性が不十分であるという問題がある。
しかしながら、この文献に記載されているキャリアにはフッ素成分がないため、正帯電性の付与が十分ではなく、帯電安定性が不十分であるという問題がある。
特許文献3には、コア材の表面に、フッ素樹脂等のバインダー樹脂にシリカ粒子を分散させた被覆樹脂層を形成し、キャリアの流動性の向上を図ることが提案されている。
しかしながら、バインダー樹脂にシリカを添加すると、流動性は向上するものの、バインダー樹脂としての強度は低下するため、トナーの表面処理剤である酸化チタン(外添剤)等でコート剥がれが起きてしまい、マシンの長寿命を達成する事は困難である。
しかしながら、バインダー樹脂にシリカを添加すると、流動性は向上するものの、バインダー樹脂としての強度は低下するため、トナーの表面処理剤である酸化チタン(外添剤)等でコート剥がれが起きてしまい、マシンの長寿命を達成する事は困難である。
本発明の課題は、長期間安定して良好な画像を得ることができ、かつマシンの長寿命を達成することができる電子写真用キャリアおよび電子写真用現像剤を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、キャリアコアの表面を被覆するコーティング樹脂が、フッ素系樹脂と、シリカを特定の割合で含有するポリアミドイミド樹脂とからなる場合には、前記フッ素系樹脂が正帯電性を付与して帯電安定性を十分とし、かつ前記シリカがコーティング樹脂に強度を付与するので、コート削れ、剥がれ等による帯電特性の低下を抑制することができ、その結果、長期間安定して良好な画像を得ることができると共に、マシンの長寿命を達成することができるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明における電子写真用キャリアは、以下の構成からなる。
(1)キャリアコアの表面をコーティング樹脂で被覆した電子写真用キャリアであって、前記コーティング樹脂は、フッ素系樹脂と、シリカを含有するポリアミドイミド樹脂とからなり、前記ポリアミドイミド樹脂は、シリカをポリアミドイミド樹脂100重量部に対して7〜20重量部の割合で含有することを特徴とする電子写真用キャリア。
(2)前記キャリアコアが、マグネタイトまたはフェライトのいずれかである前記(1)記載の電子写真用キャリア。
(3)前記コーティング樹脂の融点が250℃〜300℃である前記(1)または(2)記載の電子写真用キャリア。
(4)前記コーティング樹脂が、キャリアコア100重量部に対して1〜15重量部の割合でキャリアコアの表面を被覆した前記(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
(5)前記コーティング樹脂は、フッ素系樹脂と、シリカを含有するポリアミドイミド樹脂とが重量比で30:70〜90:10の割合からなる前記(1)〜(4)のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
(6)平均粒子径が20〜100μmである前記(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
(7)アモルファスシリコンドラムを用いたカラー現像システムに用いられる前記(1)〜(6)のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
(1)キャリアコアの表面をコーティング樹脂で被覆した電子写真用キャリアであって、前記コーティング樹脂は、フッ素系樹脂と、シリカを含有するポリアミドイミド樹脂とからなり、前記ポリアミドイミド樹脂は、シリカをポリアミドイミド樹脂100重量部に対して7〜20重量部の割合で含有することを特徴とする電子写真用キャリア。
(2)前記キャリアコアが、マグネタイトまたはフェライトのいずれかである前記(1)記載の電子写真用キャリア。
(3)前記コーティング樹脂の融点が250℃〜300℃である前記(1)または(2)記載の電子写真用キャリア。
(4)前記コーティング樹脂が、キャリアコア100重量部に対して1〜15重量部の割合でキャリアコアの表面を被覆した前記(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
(5)前記コーティング樹脂は、フッ素系樹脂と、シリカを含有するポリアミドイミド樹脂とが重量比で30:70〜90:10の割合からなる前記(1)〜(4)のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
(6)平均粒子径が20〜100μmである前記(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
(7)アモルファスシリコンドラムを用いたカラー現像システムに用いられる前記(1)〜(6)のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
本発明の電子写真用現像剤は、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の電子写真用キャリアと、トナーとを含有することを特徴とする。
本発明のキャリアは、コート削れ、剥がれ等を抑制することができるので、前記トナーに外添剤が外添されている場合には、その有用性が増す。
本発明のキャリアは、コート削れ、剥がれ等を抑制することができるので、前記トナーに外添剤が外添されている場合には、その有用性が増す。
本発明によれば、コーティング樹脂を構成するフッ素系樹脂と、シリカを含有するポリアミドイミド樹脂のうち、前記フッ素系樹脂が正帯電性を付与するので、帯電安定性を十分とすることができる。しかも、シリカを特定の割合で含有するので、コーティング樹脂に強度を付与することができ、コート削れ、剥がれ等による帯電特性の低下を抑制することができる。したがって、初期はもちろんのこと、長期間安定して良好な画像を得ることができ、かつマシンの長寿命を達成することができるという効果を有する。
<キャリア>
本発明のキャリアは、キャリアコアの表面をコーティング樹脂で被覆したものである。
(キャリアコア)
キャリアコアとしては、特に限定されるものではなく、電子写真用2成分系キャリアとして公知のものが採用可能であり、例えばフェライト、マグネタイト、および鉄、ニッケル、コバルト等の金属、先に示す金属等と、銅、亜鉛、アンチモン、アルミニウム、鉛、スズ、ビスマス、ベリリウム、マンガン、マグネシウム、セレン、タングステン、ジルコニウム、バナジウム等の金属との合金または混合物、先に示すフェライト等と、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物、窒化クロム、窒化バナジウム等の窒化物、炭化ケイ素,炭化タングステン等の炭化物との混合物、および強磁性フェライト等が挙げられ、特にフェライト、マグネタイトが好ましい。
本発明のキャリアは、キャリアコアの表面をコーティング樹脂で被覆したものである。
(キャリアコア)
キャリアコアとしては、特に限定されるものではなく、電子写真用2成分系キャリアとして公知のものが採用可能であり、例えばフェライト、マグネタイト、および鉄、ニッケル、コバルト等の金属、先に示す金属等と、銅、亜鉛、アンチモン、アルミニウム、鉛、スズ、ビスマス、ベリリウム、マンガン、マグネシウム、セレン、タングステン、ジルコニウム、バナジウム等の金属との合金または混合物、先に示すフェライト等と、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物、窒化クロム、窒化バナジウム等の窒化物、炭化ケイ素,炭化タングステン等の炭化物との混合物、および強磁性フェライト等が挙げられ、特にフェライト、マグネタイトが好ましい。
キャリアコアの中心粒子径は30〜100μmであるのが好ましい。これにより、良好な現像性を得ることができる。前記中心粒子径は、レーザー回折散乱式粒子径測定装置を用いて測定することができ、該測定装置としては、例えば堀場製作所(株)製のLA−700等が挙げられる。
(コーティング樹脂)
コーティング樹脂は、フッ素系樹脂と、シリカを特定の割合で含有するポリアミドイミド樹脂とからなる。これにより、フッ素系樹脂が正帯電性を付与するので、帯電安定性を十分とすることができ、かつシリカがコーティング樹脂に強度を付与するので、コート削れ、剥がれ等による帯電特性の低下を抑制することができる。また、安価なポリアミドイミド樹脂を用いるので、コストを削減することもできる。
コーティング樹脂は、フッ素系樹脂と、シリカを特定の割合で含有するポリアミドイミド樹脂とからなる。これにより、フッ素系樹脂が正帯電性を付与するので、帯電安定性を十分とすることができ、かつシリカがコーティング樹脂に強度を付与するので、コート削れ、剥がれ等による帯電特性の低下を抑制することができる。また、安価なポリアミドイミド樹脂を用いるので、コストを削減することもできる。
前記フッ素系樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えばテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体[FEP(4.6フッ化)]、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン、フッ化ビニリデン−トリフロロプロピレン共重合体等が挙げられる。
前記シリカを含有するポリアミドイミド樹脂も、特に限定されるものではないが、いわゆるゾルゲル法を用いてシリカ微粒子を分散させたものであるのが、以下の理由から好ましい。すなわち、ポリアミドイミド樹脂は安価な材料として知られているが、樹脂強度が弱く、それ自体では高耐久のコート剤としては不十分である。また、硬化温度が約220℃と低めであり、フッ素樹脂、例えばFEPでは硬化温度が250〜280℃程度であり、混合して硬化する場合には、ポリアミドイミド樹脂が先に硬化して均一なコーティング膜が形成されにくく、膜の表面と内部で偏りが発生し、十分な耐久性が得られないおそれがある。
一方、ゾルゲル法を用いると、シリカをポリアミドイミド樹脂に微分散することができ、さらにシリカの量を多く含有させることができる。また、シリカを微分散したポリアミドイミド樹脂は、樹脂強度が高まり耐久性の向上が見込まれると共に、硬化温度が約260℃になり、フッ素樹脂の硬化温度と同じ温度領域になるので、偏りを起こさず、キャリアコアの表面に均一なコート層を生成する事ができ、その結果、現像剤の寿命をすることができる。
前記ポリアミドイミド樹脂は、シリカをポリアミド樹脂100重量部に対して7〜20重量部、好ましくは7〜15重量部の割合で含有する。これにより、コーティング樹脂に強度を付与することができる。これに対し、シリカの含有量が7重量部より少ないと、コーティング樹脂の強度が低下し、キャリアコートが剥がれ帯電性の低下、かぶり等が発生する。また、シリカの含有量が20重量部を超えると、シリカの分散状態が悪くなり、キャリア表面に帯電性の低い部分が発生し、かぶり等の不具合が発生する。
また、前記コーティング樹脂が、キャリアコア100重量部に対して1〜15重量部の割合でキャリアコアの表面を被覆しているのが好ましい。これにより、帯電特性を良好に保持することができる。これに対し、前記割合が1重量部より少ないと、コート削れ、剥がれ等が発生して、帯電量の低下によるカブリやトナー飛散を引き起こすおそれがある。また、15重量部より多いと、転写不良や定着不良を起こすおそれがあるので好ましくない。
前記コーティング樹脂は、フッ素系樹脂と、シリカを含有するポリアミドイミド樹脂とが重量比で30:70〜90:10の割合からなるのが好ましい。この範囲内でコーティング樹脂が構成されていると、前記した効果を効率よく奏することができる。これに対し、前記した範囲外でコーティング樹脂が構成されていると、帯電安定性が不十分になるおそれや、コーティング樹脂の強度が低下するおそれがある。
キャリア(すなわちキャリアコアの表面をコーティング樹脂で被覆したもの)の平均粒子径は20〜100μmであるのが好ましい。これにより、良好な現像性を得ることができる。前記平均粒子径は、キャリアコアと同様に、レーザー回折散乱式粒子径測定装置を用いて測定することができる。
上記で説明した本発明のキャリアは、アモルファスシリコンドラムを用いたカラー現像システムに用いるのが好ましい。これにより、本発明のキャリアを使用することによる効果と、アモルファスシリコンドラムを用いることにより得られる上記で説明した効果とが相まって、マシンの長寿命を達成することができる。ドラム(感光体)を構成するアモルファスシリコン(a−Si)としては、例えばa−Si、a−SiC、a−SiO、a−SiON等が挙げられる。また、同様の理由から、カラー4連タンデム現像方式のカラー現像剤に使用するのが好ましい。
<現像剤>
本発明の電子写真用現像剤は、上記で説明したキャリアと、トナーとを含有する(2成分現像剤)。トナーは結着樹脂、ワックス、電荷制御剤および顔料を含有するトナー粒子に、外添剤を外添したものであるのが好ましい。
本発明の電子写真用現像剤は、上記で説明したキャリアと、トナーとを含有する(2成分現像剤)。トナーは結着樹脂、ワックス、電荷制御剤および顔料を含有するトナー粒子に、外添剤を外添したものであるのが好ましい。
(結着樹脂)
前記結着樹脂としては、特に制限されるものではないが、例えばスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂を使用するのが好ましい。
前記結着樹脂としては、特に制限されるものではないが、例えばスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂を使用するのが好ましい。
前記ポリスチレン系樹脂としては、スチレンの単独重合体でも、スチレンと共重合可能な他の共重合モノマーとの共重合体でもよい。共重合モノマーとしては、例えばp−クロルスチレン;ビニルナフタレン;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミド等の他のアクリル酸誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリデンなどのN−ビニル化合物等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせてスチレン単量体と共重合させてもよい。
前記ポリエステル系樹脂としては、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合ないし共縮重合によって得られるものであれば使用することができる。ポリエステル系樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下のものが挙げられる。まず、2価または3価以上のアルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の3価以上のアルコール類が挙げられる。
2価または3価以上のカルボン酸成分としては、2価または3価カルボン酸、この酸無水物またはこの低級アルキルエステルが用いられ、例えばマレイン酸、フマール酸(フマル酸)、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、あるいはn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等のアルキルまたはアルケニルコハク酸等の2価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等の3価以上のカルボン酸等が挙げられる。また、ポリエステル系樹脂の軟化点は110〜150℃、より好ましくは120〜140℃である。
結着樹脂は、熱硬化性樹脂であってもよい。このように、一部架橋構造を導入することにより、定着性を低下させることなく、トナーの保存安定性や形態保持性、あるいは耐久性をより向上させることができる。よって、トナーの結着樹脂として、熱可塑性樹脂を100重量部使用する必要はなく、架橋剤を添加したり、あるいは、熱硬化性樹脂を一部使用することも好ましい。
熱硬化性樹脂として、エポキシ系樹脂やシアネート系樹脂等を使用してもよい。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、シアネート樹脂等の1種または2種以上の組み合わせが挙げられる。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は50〜65℃、好ましくは50〜60℃であるのがよい。このガラス転移点が、上記範囲よりも低いと、得られたトナー同士が現像器内で融着し、保存安定性が低下してしまう。また、樹脂強度が低いため、感光体へのトナー付着が生じる傾向がある。また、ガラス転移点が上記範囲よりも高いと、トナーの低温定着性が低下してしまう。
前記ガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、比熱の変化点から求めることができる。具体的には、測定装置としてセイコーインスツルメンツ社製の示差走査熱量計「DSC−6200」を用い、吸熱曲線を測定する。この吸熱曲線は、測定試料10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25〜200℃、昇温速度10℃/分で常温常湿下にて測定を行うことで得られる。そして、得られた吸熱曲線よりガラス転移点を求める。
(ワックス)
定着性や耐オフセット性を向上させるために使用されるワックスとしては、特に制限されるものではないが、例えばポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、テフロン(登録商標)系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックス等を使用するのが好ましい。また、これらワックスは2種以上を併用しても構わない。かかるワックスを添加することにより、オフセット性や像スミアリング(画像をこすった際の画像周囲の汚れ)をより効率的に防止することができる。
定着性や耐オフセット性を向上させるために使用されるワックスとしては、特に制限されるものではないが、例えばポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、テフロン(登録商標)系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックス等を使用するのが好ましい。また、これらワックスは2種以上を併用しても構わない。かかるワックスを添加することにより、オフセット性や像スミアリング(画像をこすった際の画像周囲の汚れ)をより効率的に防止することができる。
ワックスは、結着樹脂総量に対して1〜10重量部の割合で配合されているのが好ましい。ワックスの添加量が1重量部未満では、オフセット性や像スミアリング等を効率的に防止することができない傾向があり、一方、10重量部を超えると、トナー同士が融着してしまい、保存安定性が低下する傾向がある。
(電荷制御剤)
電荷制御剤は、帯電レベルや帯電立ち上がり特性(短時間で、一定の電荷レベルに帯電するかの指標)を著しく向上させ、耐久性や安定性に優れた特性等を得るために配合されるものである。すなわち、トナーを正帯電させて現像に供する場合には、正帯電性の電荷制御剤を添加し、負帯電させて現像に供する場合には、負帯電性の電荷制御剤を添加することができる。
電荷制御剤は、帯電レベルや帯電立ち上がり特性(短時間で、一定の電荷レベルに帯電するかの指標)を著しく向上させ、耐久性や安定性に優れた特性等を得るために配合されるものである。すなわち、トナーを正帯電させて現像に供する場合には、正帯電性の電荷制御剤を添加し、負帯電させて現像に供する場合には、負帯電性の電荷制御剤を添加することができる。
このような電荷制御剤としては、特に制限されるものではないが、例えば正帯電性の電荷制御剤の具体例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリンなどのアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリーンBH/C、アジンディープブラックEWおよびアジンディーブラック3RL等のアジン化合物からなる直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体等のニグロシン化合物;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ等のニグロシン化合物からなる酸性染料;ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用することもできる。特に、ニグロシン化合物は、より迅速な立ち上がり性が得られる観点から、正帯電性トナーとしての使用には最適である。
また、4級アンモニウム塩、カルボン酸塩あるいはカルボキシル基を官能基として有する樹脂またはオリゴマー等も正帯電性電荷制御剤として使用することができる。具体的には、4級アンモニウム塩を有するスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン系樹脂、カルボン酸塩を有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル系樹脂、カルボキシル基を有するポリスチレン系樹脂、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル系樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。
特に、4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン−アクリル系共重合樹脂は、帯電量を所望の範囲内の値に容易に調節することができる観点から最適である。この場合において、上記スチレン単位と共重合させる好ましいアクリル系コモノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。また、4級アンモニウム塩としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートから第4級化の工程を経て誘導される単位が用いられる。誘導されるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジ(低級アルキル)アミノエチル(メタ)アクリレート;ジメチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドが好適である。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有重合性モノマーを重合時に併用することもできる。
負帯電性を示す電荷制御剤としては、例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効である。具体例としては、アルミニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセトナート、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸クロム等が挙げられ、アセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体または塩が好ましく、特にサリチル酸系金属錯体またはサリチル酸系金属塩が好ましい。
上述した正帯電性あるいは負帯電性の電荷制御剤は、結着樹脂総量に対して1.5〜15重量部、好ましくは1.5〜8.0重量部、より好ましくは1.5〜7.0重量部の割合でトナー中に含まれているのがよい。電荷制御剤の添加量が上記範囲よりも少量であると、所定極性にトナーを安定して帯電することが困難となる傾向があり、このトナーを用いて静電潜像の現像を行って画像形成を行ったとき、画像濃度が低下したり、画像濃度の耐久性が低下する傾向がある。また、電荷制御剤の分散不良が起こりやすく、いわゆるカブリの原因となったり、感光体汚染が激しくなる等の傾向がある。一方、電荷制御剤が上記範囲よりも多量に使用されると、耐環境性、特に高温高湿下での帯電不良、画像不良となり、感光体汚染等の欠点が生じやすくなる傾向がある。
(顔料)
顔料である着色剤としては、特に限定されるものではなく、例えばブラック系着色剤として、アセチレンブラック、ランブラック、アニリンブラック等のカーボンブラック;マゼンダ系着色剤として、カラーインデックスに記されているC.I.ピグメントレッド238(C.I.Pigment Red 238)、C.I.ピグメントレッド81、C.Iピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド57、C.Iピグメントレッド49、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベシック(Basic)レッド10、C.I.ディスパーズ(Disperse)レッド15;シアン系着色剤として、カラーインデックスに記されているC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15−1、C.I.ピグメントブルー15−3(C.I.Pigment Blue 15-3)、C.Iピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー86、C.I.ダイレクトブルー25;イエロー系着色剤として、ナフトールイエローS等のニトロ系顔料、ハンザイエロー5G、ハンザイエロー3G、ハンザイエローG、ベンジジンイエローG、バルカンファストイエロー5Gなどのアゾ系顔料または黄色酸化鉄、黄土等の無機顔料、カラーインデックスに記されているC.I.ピグメントイエロー180(C.I.Pigment Yellow 180)、C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー16、C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベントイエロー21等が挙げられる。これら着色剤の1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの着色剤は、結着樹脂総量に対して2〜20重量部、好ましくは3〜10重量部の割合で配合される。
顔料である着色剤としては、特に限定されるものではなく、例えばブラック系着色剤として、アセチレンブラック、ランブラック、アニリンブラック等のカーボンブラック;マゼンダ系着色剤として、カラーインデックスに記されているC.I.ピグメントレッド238(C.I.Pigment Red 238)、C.I.ピグメントレッド81、C.Iピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド57、C.Iピグメントレッド49、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベシック(Basic)レッド10、C.I.ディスパーズ(Disperse)レッド15;シアン系着色剤として、カラーインデックスに記されているC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15−1、C.I.ピグメントブルー15−3(C.I.Pigment Blue 15-3)、C.Iピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー86、C.I.ダイレクトブルー25;イエロー系着色剤として、ナフトールイエローS等のニトロ系顔料、ハンザイエロー5G、ハンザイエロー3G、ハンザイエローG、ベンジジンイエローG、バルカンファストイエロー5Gなどのアゾ系顔料または黄色酸化鉄、黄土等の無機顔料、カラーインデックスに記されているC.I.ピグメントイエロー180(C.I.Pigment Yellow 180)、C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー16、C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベントイエロー21等が挙げられる。これら着色剤の1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの着色剤は、結着樹脂総量に対して2〜20重量部、好ましくは3〜10重量部の割合で配合される。
(外添剤)
本発明のキャリアは、上記で説明した通り、コート削れ、剥がれ等を抑制することができるので、トナーに外添剤が外添されている場合には、その有用性が増す。外添剤としては、無機金属酸化物が挙げられ、該無機金属酸化物としては、例えば酸化チタン、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等が挙げられる。これらの外添剤でトナー粒子の表面を処理することにより、流動性、保存安定性およびクリーニング性等を向上させることができる。
本発明のキャリアは、上記で説明した通り、コート削れ、剥がれ等を抑制することができるので、トナーに外添剤が外添されている場合には、その有用性が増す。外添剤としては、無機金属酸化物が挙げられ、該無機金属酸化物としては、例えば酸化チタン、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等が挙げられる。これらの外添剤でトナー粒子の表面を処理することにより、流動性、保存安定性およびクリーニング性等を向上させることができる。
また、上記無機金属酸化物に加えて、シリカ(コロイダルシリカ、疎水性シリカ)等の流動性および研磨性を付与するための微粒子(通常、平均粒子径が1.0μm以下)を外添することもできる。これらの外添剤は、通常、トナー粒子100重量部に対して0.2〜10.0重量部の割合で使用される。さらに、感光体との摩擦抵抗を低減させる上で、例えばステアリン酸亜鉛等をトナー粒子100重量部に対して0.01〜0.5重量部の割合で添加してもよい。
<製造方法>
次に、本発明にかかるキャリアおよび現像剤の製造方法の一実施形態について説明する。まず、キャリアの製造方法について説明する。コーティング樹脂を構成するポリアミドイミド樹脂は、通常の方法で合成することができ、例えばイソシアネート法、アミン法(酸クロリド法、低温溶液重合法、室温溶液重合法等)等が挙げられるが、有機溶剤に可溶なものが好ましいため、イソシアネート法がよい。具体例としては、極性溶液にトリメット酸無水物(TMA)と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを加え、共重合させてポリアミドイミド樹脂溶液を得る。
次に、本発明にかかるキャリアおよび現像剤の製造方法の一実施形態について説明する。まず、キャリアの製造方法について説明する。コーティング樹脂を構成するポリアミドイミド樹脂は、通常の方法で合成することができ、例えばイソシアネート法、アミン法(酸クロリド法、低温溶液重合法、室温溶液重合法等)等が挙げられるが、有機溶剤に可溶なものが好ましいため、イソシアネート法がよい。具体例としては、極性溶液にトリメット酸無水物(TMA)と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを加え、共重合させてポリアミドイミド樹脂溶液を得る。
ついで、この溶液にアルコキシシランを添加し、さらに、この溶液にフッ素系樹脂を分散させてコーティング樹脂溶液を得、この溶液を用いて、キャリアコアの表面にコーティング樹脂を被覆する。被覆方法としては、例えば流動層式スプレードライ法、浸漬法等が挙げられる。ついで、260〜290℃程度で30〜90分程度熱処理を行うことにより、コーティング樹脂を硬化させて(ゾルゲル法)、キャリアを得る。上記のように、アルコキシシランをポリアミド樹脂溶液に添加し、過熱によりシリカ粒子に成長させるので、シリカをポリアミドイミド樹脂に添加する場合に比べて、シリカを微分させることができ、さらにシリカの添加量を多くすることができるため、樹脂強度を高めることができる。また、テトラエトキシシランは、ほぼ100%反応するため、テトラエトキシシランの重量部がシリカの重量部に対応する。
アルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられるが、特に、得られるシリカの形状、粒径、粒度分布等の点から、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましい。
次に、トナーの製造方法について説明する。まず、結着樹脂、ワックス、顔料等の添加剤を所定の配合比で混合し、溶融混練、粉砕(粗粉砕・微粉砕)、分級などの各工程を経てトナー粒子を作製する。得られるトナー粒子の体積平均径は5〜10μm程度であるのがよい。トナー粒子の体積平均径は、例えばマルチサイザー3(ベックマンコールター社製)を用いて測定することができる。
ついで、該トナー粒子に外添剤を外添(外添処理)する。外添処理は、例えばヘンシェルミキサー、V型混合機、ターブラミキサー、ハイブリタイザー、ロッキングミキサー等を用いて、外添剤とトナー粒子とを混合し撹拌することにより行うことができる。
上記で得たキャリアとトナーとを混合し撹拌して2成分現像剤化する。トナーの添加量は、キャリア100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは3〜15重量部であるのがよい。また、混合・撹拌には、例えばボールミル、ナウターミキサー、ロッキングミキサー等の混合機を用いることができる。
以下、製造例および実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の製造例および実施例のみに限定されるものではない。
<キャリアの製造>
(キャリアの製造例A)
トリメット酸無水物(TMA)と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを加え、共重合させて得られたポリアミドイミド樹脂の極性溶媒溶液(ポリアミドイミド樹脂溶液)に、末端に反応基を付加させたテトラエトキシシランをポリアミドイミド樹脂に対して10重量%導入した(すなわちテトラエトキシシランをポリアミドイミド樹脂100重量部に対して10重量部の割合で含有させた)。さらに、ポリアミドイミド樹脂とテトラエトキシシラン合計量100重量部に対して、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(4.6フッ化)としてデュポン社製の「MP−102」100重量部を分散させ、フッ素系樹脂と、テトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂とが重量比で50:50の割合からなるコーティング樹脂溶液を作成した。
(キャリアの製造例A)
トリメット酸無水物(TMA)と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを加え、共重合させて得られたポリアミドイミド樹脂の極性溶媒溶液(ポリアミドイミド樹脂溶液)に、末端に反応基を付加させたテトラエトキシシランをポリアミドイミド樹脂に対して10重量%導入した(すなわちテトラエトキシシランをポリアミドイミド樹脂100重量部に対して10重量部の割合で含有させた)。さらに、ポリアミドイミド樹脂とテトラエトキシシラン合計量100重量部に対して、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(4.6フッ化)としてデュポン社製の「MP−102」100重量部を分散させ、フッ素系樹脂と、テトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂とが重量比で50:50の割合からなるコーティング樹脂溶液を作成した。
ついで、MnO40重量部、MgO9重量部、Fe2O350重量部、SrO1重量部をボールミルにて2時間調合粉砕し、その後1000℃で5時間焼成してマンガン系フェライトキャリアを得た。得られた粒子は粒子径が40μm、飽和磁化65Am2/kg(3000×103/4π・A/m印加時)であった。得られたフェライトキャリア(キャリアコア)100重量部に対して、上記コーティング樹脂溶液を5重量部の割合で、流動コーティング装置を用いて上記コア材にスプレーコートした。その後、流動層にて280℃で1時間熱処理を行ってシリカを得る(ゾルゲル法)と同時に、樹脂を硬化させ、キャリアAを得た。得られたキャリアAは、コーティング樹脂の融点が260℃であった。
(キャリアの製造例B)
製造例Aと同様にしてポリアミドイミド樹脂溶液を得、この溶液に末端に反応基を付加させたテトラエトキシシランを7重量%導入してテトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂溶液を得た以外は、製造例Aと同様にしてキャリアBを得た。得られたキャリアBは、コーティング樹脂の融点が240℃であった。
製造例Aと同様にしてポリアミドイミド樹脂溶液を得、この溶液に末端に反応基を付加させたテトラエトキシシランを7重量%導入してテトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂溶液を得た以外は、製造例Aと同様にしてキャリアBを得た。得られたキャリアBは、コーティング樹脂の融点が240℃であった。
(キャリアの製造例C)
製造例Aと同様にしてポリアミドイミド樹脂溶液を得、この溶液に末端に反応基を付加させたテトラエトキシシランを15.0重量%導入してテトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂溶液を得た以外は、製造例Aと同様にしてキャリアCを得た。得られたキャリアCはコーティング樹脂の融点が268℃であった。
製造例Aと同様にしてポリアミドイミド樹脂溶液を得、この溶液に末端に反応基を付加させたテトラエトキシシランを15.0重量%導入してテトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂溶液を得た以外は、製造例Aと同様にしてキャリアCを得た。得られたキャリアCはコーティング樹脂の融点が268℃であった。
(キャリアの製造例D)
製造例Aと同様にしてポリアミドイミド樹脂溶液を得、この溶液に末端に反応基を付加させたテトラエトキシシランを20.0重量%導入してテトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂溶液を得た以外は、製造例Aと同様にしてキャリアDを得た。得られたキャリアDは、コーティング樹脂の融点が275℃であった。
製造例Aと同様にしてポリアミドイミド樹脂溶液を得、この溶液に末端に反応基を付加させたテトラエトキシシランを20.0重量%導入してテトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂溶液を得た以外は、製造例Aと同様にしてキャリアDを得た。得られたキャリアDは、コーティング樹脂の融点が275℃であった。
(キャリアの製造例E)
製造例Aと同様にしてポリアミドイミド樹脂溶液を得た。そして、この溶液にシロキサンを導入しないで(すなわち末端に反応基を付加させたテトラエトキシシランを添加しないで)、この溶液100重量部に対してデュポン社製の「MP−102」100重量部を分散させ、コーティング樹脂溶液を作成した以外は、製造例Aと同様にしてキャリアEを得た。得られたキャリアEは、コーティング樹脂の融点が220℃であった。
製造例Aと同様にしてポリアミドイミド樹脂溶液を得た。そして、この溶液にシロキサンを導入しないで(すなわち末端に反応基を付加させたテトラエトキシシランを添加しないで)、この溶液100重量部に対してデュポン社製の「MP−102」100重量部を分散させ、コーティング樹脂溶液を作成した以外は、製造例Aと同様にしてキャリアEを得た。得られたキャリアEは、コーティング樹脂の融点が220℃であった。
(キャリアの製造例F)
製造例Aと同様にしてテトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂溶液を得た。ついで、このポリアミドイミド樹脂溶液100重量部に対して、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)樹脂100重量部を添加し混合し、フッ素系樹脂と、シリカを含有するポリアミドイミド樹脂とが重量比で50:50の割合からなるコーティング樹脂溶液を作成した以外は、製造例Aと同様にしてコーティングを行い、キャリアFを得た。得られたキャリアFは、コーティング樹脂の融点が290℃であった。
製造例Aと同様にしてテトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂溶液を得た。ついで、このポリアミドイミド樹脂溶液100重量部に対して、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)樹脂100重量部を添加し混合し、フッ素系樹脂と、シリカを含有するポリアミドイミド樹脂とが重量比で50:50の割合からなるコーティング樹脂溶液を作成した以外は、製造例Aと同様にしてコーティングを行い、キャリアFを得た。得られたキャリアFは、コーティング樹脂の融点が290℃であった。
(キャリアの製造例G)
製造例Aと同様にしてテトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂溶液を得た。ついで、このポリアミドイミド溶液100重量部に対して、メチル−ジメチルシリコーン樹脂(東レダウコーニング社製の「SR2400」)100重量部を添加し混合してコーティング樹脂溶液を作成した以外は、製造例Aと同様にしてコーティングを行い、キャリアGを得た。得られたキャリアGは、コーティング樹脂の融点が250℃であった。
製造例Aと同様にしてテトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂溶液を得た。ついで、このポリアミドイミド溶液100重量部に対して、メチル−ジメチルシリコーン樹脂(東レダウコーニング社製の「SR2400」)100重量部を添加し混合してコーティング樹脂溶液を作成した以外は、製造例Aと同様にしてコーティングを行い、キャリアGを得た。得られたキャリアGは、コーティング樹脂の融点が250℃であった。
(キャリアの製造例H)
製造例Aと同様にしてテトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂溶液を得た。このポリアミドイミド樹脂溶液80重量部と、デュポン社製の「MP−102」20重量部とを分散させ、フッ素系樹脂と、テトラエトキシランを含有するポリアミドイミド樹脂とが重量比で20:80の割合からなるコーティング樹脂溶液を作成した以外は、製造例Aと同様にしてコーティングを行い、キャリアHを得た。得られたキャリアHは、コーティング樹脂の融点が260℃であった。
製造例Aと同様にしてテトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂溶液を得た。このポリアミドイミド樹脂溶液80重量部と、デュポン社製の「MP−102」20重量部とを分散させ、フッ素系樹脂と、テトラエトキシランを含有するポリアミドイミド樹脂とが重量比で20:80の割合からなるコーティング樹脂溶液を作成した以外は、製造例Aと同様にしてコーティングを行い、キャリアHを得た。得られたキャリアHは、コーティング樹脂の融点が260℃であった。
(キャリアの製造例I)
製造例Aと同様にしてテトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂溶液を得た。このテトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂溶液70重量部と、デュポン社製の「MP−102」30重量部とを分散させ、フッ素系樹脂と、テトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂溶液とが重量比で30:70の割合からなるコーティング樹脂溶液を作成した以外は、製造例Aと同様にしてコーティングを行い、キャリアIを得た。得られたキャリアIは、コーティング樹脂の融点が230℃であった。
製造例Aと同様にしてテトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂溶液を得た。このテトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂溶液70重量部と、デュポン社製の「MP−102」30重量部とを分散させ、フッ素系樹脂と、テトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂溶液とが重量比で30:70の割合からなるコーティング樹脂溶液を作成した以外は、製造例Aと同様にしてコーティングを行い、キャリアIを得た。得られたキャリアIは、コーティング樹脂の融点が230℃であった。
(キャリアの製造例J)
製造例Aと同様にしてテトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂溶液を得た。このテトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂溶液10重量部と、デュポン社製の「MP−102」90重量部とを分散させ、フッ素系樹脂と、テトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂とが重量比で90:10の割合からなるコーティング樹脂溶液を作成した以外は、製造例Aと同様にしてコーティングを行い、キャリアJを得た。得られたキャリアJは、コーティング樹脂の融点が230℃であった。
製造例Aと同様にしてテトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂溶液を得た。このテトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂溶液10重量部と、デュポン社製の「MP−102」90重量部とを分散させ、フッ素系樹脂と、テトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂とが重量比で90:10の割合からなるコーティング樹脂溶液を作成した以外は、製造例Aと同様にしてコーティングを行い、キャリアJを得た。得られたキャリアJは、コーティング樹脂の融点が230℃であった。
(キャリアの製造例K)
製造例Aと同様にしてポリアミドイミド樹脂溶液を得、この溶液に末端に反応基を付加させたテトラエトキシシランを5重量%導入してテトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂溶液を得た以外は、製造例Aと同様にしてキャリアKを得た。得られたキャリアKは、コーティング樹脂の融点が230℃であった。
上記で得たキャリアA〜Kを表1に示す。
製造例Aと同様にしてポリアミドイミド樹脂溶液を得、この溶液に末端に反応基を付加させたテトラエトキシシランを5重量%導入してテトラエトキシシランを含有するポリアミドイミド樹脂溶液を得た以外は、製造例Aと同様にしてキャリアKを得た。得られたキャリアKは、コーティング樹脂の融点が230℃であった。
上記で得たキャリアA〜Kを表1に示す。
<トナーの製造>
(ブラックトナーの製造例)
ビスフェノールAとフマル酸を縮合して得られたポリエステル樹脂 100重量部
カーボンブラック(三菱化学社製の「MA−100」) 4重量部
フィッシャートロプシュワックス(日本精鑞社製の「FT−100」) 3重量部
4級アンモニウム塩化合物(オリエント化学社製の「P−51」) 2重量部
の混合物をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で2分混合した後、2軸押出機で溶融混連してトナー混練物を得た。得られたトナー混練物を気流式粉砕機で微粉砕し、風力分級機で分級処理し、体積平均径8μmのトナー粒子を得た。
(ブラックトナーの製造例)
ビスフェノールAとフマル酸を縮合して得られたポリエステル樹脂 100重量部
カーボンブラック(三菱化学社製の「MA−100」) 4重量部
フィッシャートロプシュワックス(日本精鑞社製の「FT−100」) 3重量部
4級アンモニウム塩化合物(オリエント化学社製の「P−51」) 2重量部
の混合物をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で2分混合した後、2軸押出機で溶融混連してトナー混練物を得た。得られたトナー混練物を気流式粉砕機で微粉砕し、風力分級機で分級処理し、体積平均径8μmのトナー粒子を得た。
上記で得たトナー粒子100重量部に対して、
シリカ粒子(キャボット社製の「TG−820」) 1.0重量部
酸化チタン(石原産業社製の「TTO−55A」) 1.0重量部
ステアリン酸亜鉛(日本油脂社製) 0.1重量部
を添加し、ヘンシェルミキサーで3000rpm、10分間混合してブラックトナーを得た。
シリカ粒子(キャボット社製の「TG−820」) 1.0重量部
酸化チタン(石原産業社製の「TTO−55A」) 1.0重量部
ステアリン酸亜鉛(日本油脂社製) 0.1重量部
を添加し、ヘンシェルミキサーで3000rpm、10分間混合してブラックトナーを得た。
(イエロートナーの製造例)
カーボンブラック4重量部に代えてイエロー顔料(C.I.Pigment Yellow 180)を2重量部添加した以外は、ブラックトナーと同様にしてイエロートナーを得た。
カーボンブラック4重量部に代えてイエロー顔料(C.I.Pigment Yellow 180)を2重量部添加した以外は、ブラックトナーと同様にしてイエロートナーを得た。
(シアントナーの製造例)
カーボンブラック4重量部に代えてシアン顔料(C.I.Pigment Blue 15-3)を3重量部添加した以外は、ブラックトナーと同様にしてシアントナーを得た。
カーボンブラック4重量部に代えてシアン顔料(C.I.Pigment Blue 15-3)を3重量部添加した以外は、ブラックトナーと同様にしてシアントナーを得た。
(マゼンタトナーの製造例)
カーボンブラック4重量部に代えてマゼンタ顔料(C.I.Pigment Red 238)を3重量部添加した以外は、ブラックトナーと同様にしてマゼンタトナーを得た。
カーボンブラック4重量部に代えてマゼンタ顔料(C.I.Pigment Red 238)を3重量部添加した以外は、ブラックトナーと同様にしてマゼンタトナーを得た。
[実施例1〜8および比較例1〜3]
<現像剤の作製>
上記で作製したトナー(ブラック・イエロー・シアン・マゼンタ)と、キャリアA〜Kとを表2,表3に示す組み合わせで、かつトナー濃度10%となるように(すなわちトナーの添加量が、キャリア100重量部に対して10重量部となるように)配合し、均一に攪拌混合して2成分現像剤を得た(表2,表3中の実施例1〜8および比較例1〜3)。
<現像剤の作製>
上記で作製したトナー(ブラック・イエロー・シアン・マゼンタ)と、キャリアA〜Kとを表2,表3に示す組み合わせで、かつトナー濃度10%となるように(すなわちトナーの添加量が、キャリア100重量部に対して10重量部となるように)配合し、均一に攪拌混合して2成分現像剤を得た(表2,表3中の実施例1〜8および比較例1〜3)。
<画像評価>
上記で得られた各二成分現像剤を用いて、印字濃度5%で10万枚印字し、画像の劣化および帯電量の変化の評価を行った。評価には、京セラミタ(株)製のカラープリンター「LS−C8026N」の改造機(アモルファスシリコンドラムを搭載したカラー4連タンデム現像方式)にて画像を出力した。評価方法を以下に示すと共に、その結果を表2,表3に示す。
上記で得られた各二成分現像剤を用いて、印字濃度5%で10万枚印字し、画像の劣化および帯電量の変化の評価を行った。評価には、京セラミタ(株)製のカラープリンター「LS−C8026N」の改造機(アモルファスシリコンドラムを搭載したカラー4連タンデム現像方式)にて画像を出力した。評価方法を以下に示すと共に、その結果を表2,表3に示す。
(評価方法)
現像剤をセット後、マシンの電源を入れて安定直後の画像を出力したものを初期画像とした。画像は2cm×2cmのソリッド画像を左、中、右に3箇所設け、3点の画像の反射濃度の平均値を初期の画像濃度とした。画像濃度はグレタブマクベス社製の「RD−19I」を用いて測定し、1.30以上で合格と判断した。
現像剤をセット後、マシンの電源を入れて安定直後の画像を出力したものを初期画像とした。画像は2cm×2cmのソリッド画像を左、中、右に3箇所設け、3点の画像の反射濃度の平均値を初期の画像濃度とした。画像濃度はグレタブマクベス社製の「RD−19I」を用いて測定し、1.30以上で合格と判断した。
また、かぶり濃度は、グレタブマクベス社製の「RD−19I」を用いて、白紙濃度を測定した。すなわち、出力前の白紙の反射濃度および出力後の白紙の反射濃度を測定し、下記式(I)から、かぶり(F.D.)の値を求めた。この値が0.01を超えるとかぶりが発生したと判定した。
その後、現像機を取り出し現像剤をサンプリングして、吸引式帯電量測定装置(トレック社)にて測定し、初期の帯電量とした。
次に、印字濃度5%の画像で10万枚の耐久画像出力試験を行い、10万枚後の画像濃度および帯電量を、初期の画像濃度および帯電量と同様にして測定した。また、以下の判定基準を用いて、10万枚の画像出力の判定を行った。
(判定基準)
◎:10万枚の画像出力において、画像濃度が1.30以上であり、かぶり濃度が0.006以下
○:10万枚の画像出力において、画像濃度が1.30以上であり、かぶり濃度が0.006〜0.01以下
×:画像濃度が1.30未満または、かぶり濃度が0.01を超え、途中で画像出力を停止
(判定基準)
◎:10万枚の画像出力において、画像濃度が1.30以上であり、かぶり濃度が0.006以下
○:10万枚の画像出力において、画像濃度が1.30以上であり、かぶり濃度が0.006〜0.01以下
×:画像濃度が1.30未満または、かぶり濃度が0.01を超え、途中で画像出力を停止
表1〜3から明らかなように、キャリアコアの表面を被覆するコーティング樹脂が、フッ素系樹脂と、シリカを特定の割合で含有するポリアミドイミド樹脂とからなる実施例1〜8では、長期にわたる連続印字試験後においても安定したトナー帯電量を示しており、これらのトナーは高い帯電安定性を有するのがわかる。したがって、マシンの長寿命を達成できたといえる。これに対し、ポリアミドイミド樹脂がシリカを含有していない比較例1、フッ素系樹脂を含有していない比較例2およびシリカの含有量が所定の値より少ない比較例3では、トナー帯電量および画像濃度が不安定な結果を示した。
Claims (9)
- キャリアコアの表面をコーティング樹脂で被覆した電子写真用キャリアであって、前記コーティング樹脂は、フッ素系樹脂と、シリカを含有するポリアミドイミド樹脂とからなり、前記ポリアミドイミド樹脂は、シリカをポリアミドイミド樹脂100重量部に対して7〜20重量部の割合で含有することを特徴とする電子写真用キャリア。
- 前記キャリアコアが、マグネタイトまたはフェライトのいずれかである請求項1記載の電子写真用キャリア。
- 前記コーティング樹脂の融点が250℃〜300℃である請求項1または2記載の電子写真用キャリア。
- 前記コーティング樹脂が、キャリアコア100重量部に対して1〜15重量部の割合でキャリアコアの表面を被覆した請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
- 前記コーティング樹脂は、フッ素系樹脂と、シリカを含有するポリアミドイミド樹脂とが重量比で30:70〜90:10の割合からなる請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
- 平均粒子径が20〜100μmである請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
- アモルファスシリコンドラムを用いたカラー現像システムに用いられる請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真用キャリアと、トナーとを含有することを特徴とする電子写真用現像剤。
- 前記トナーに外添剤が外添されている請求項8記載の電子写真用現像剤。
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JP2006243328A JP2008065080A (ja) | 2006-09-07 | 2006-09-07 | 電子写真用キャリアおよび電子写真用現像剤 |
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JP2010224054A (ja) * | 2009-03-19 | 2010-10-07 | Powdertech Co Ltd | 電子写真現像剤用フェライトキャリア及び該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤 |
JP2013178414A (ja) * | 2012-02-29 | 2013-09-09 | Powdertech Co Ltd | 電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材、フェライトキャリア及びこれらの製造方法、並びに該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤 |
-
2006
- 2006-09-07 JP JP2006243328A patent/JP2008065080A/ja active Pending
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