JP5639976B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー Download PDF

Info

Publication number
JP5639976B2
JP5639976B2 JP2011202410A JP2011202410A JP5639976B2 JP 5639976 B2 JP5639976 B2 JP 5639976B2 JP 2011202410 A JP2011202410 A JP 2011202410A JP 2011202410 A JP2011202410 A JP 2011202410A JP 5639976 B2 JP5639976 B2 JP 5639976B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
acid
image
resin
melting point
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011202410A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013064801A (ja
Inventor
小山 明紀
明紀 小山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Document Solutions Inc
Original Assignee
Kyocera Document Solutions Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Document Solutions Inc filed Critical Kyocera Document Solutions Inc
Priority to JP2011202410A priority Critical patent/JP5639976B2/ja
Publication of JP2013064801A publication Critical patent/JP2013064801A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5639976B2 publication Critical patent/JP5639976B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、静電荷像現像用トナーに関する。
一般に電子写真法等の画像形成方法においては、静電潜像担持体(感光体)の表面をコロナ放電等により帯電させた後、レーザ等により露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成し、さらにこのトナー像を記録媒体に転写して高品質な画像を得ている。通常トナー像の形成に使用するトナーには熱可塑性樹脂等の結着樹脂に、着色剤、電荷制御剤、離型剤等を混合して混練、粉砕、分級を行い平均粒径5〜10μmのトナー粒子としたものが用いられる。そしてトナーに流動性を付与したり、トナーの帯電量の制御を行ったり、転写されずに感光体上に残留したトナーのクリーニング性を向上させたりする目的で、シリカや酸化チタン等の無機微粉末等がトナーに外添されている。
かかるトナーについて、画像形成装置の高速化や省エネルギー化に伴って、低温定着性に優れたトナーが望まれており、低温定着性に優れたトナーを調製する場合、融点の低い結着樹脂が使用される。そして、低温定着性に優れたトナーを調製する場合、融点の調整が容易であることや、発色性に優れるトナーを得やすいこと等から、ポリエステル樹脂が結着樹脂として広く用いられている。
しかし、低融点のポリエステル樹脂を用いたトナーでは、高温環境下で印字を行う場合に、結着樹脂の軟化や、離型剤として使用されるワックスのトナー表面への付着によって、トナーが現像器内部やキャリアに付着したり、トナーが凝集したりしやすくなる。かかる場合、静電潜像担持体に、好適な濃度の画像を形成するために必要な量のトナーが供給されず、画像濃度が低下しやすい問題がある。高温環境下で連続して印字する場合、現像器の内温が上昇しやすく、トナーの付着性に起因する画像濃度の低下の問題はより顕著になる。
低融点の結着樹脂を用いたトナーに関する高温環境下で印字する場合の画像濃度の低下の問題を解決するためには、トナーの付着性を弱めることが有効である。付着性が弱められたトナーとしては、例えば、特定の種類の結着樹脂を使用することにより、付着力を特定の値以下としたトナーが提案されている(特許文献1)。
特開平07−013386号公報
しかし、特許文献1に記載されるトナーは、高温環境下でのトナーの付着力を考慮したものではなく、トナーに配合された離型剤の種類、及び量や、離型剤を結着樹脂中に配合する際の条件等によっては、高温環境下で極めて付着しやすいものとなる。このため、特許文献1に記載されるトナーでは、高温環境下において、良好な画像濃度の画像を形成しにくい場合がある。また、特許文献1に記載のトナーは、スチレンアクリル共重合体を結着樹脂として用いたトナーであり、ポリエステル樹脂を結着樹脂として用いるトナーの課題を解決するものではない。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、低温定着性に優れ、低温環境下だけではなく高温環境下でも、画像濃度の良好な画像を形成できる、結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いた静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
本発明者らは、結着樹脂であるポリエステル樹脂中に、少なくとも着色剤と、電荷制御剤と、離型剤とを含む静電荷像現像用トナーにおいて、高化式フローテスターにより測定されるトナーの融点が110℃以下とし、粘弾性測定装置により測定されるトナーのトルク値を、25℃における測定置について100μN・m以下とし、45℃における測定置について105μN・m以下とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 結着樹脂であるポリエステル樹脂、少なくとも着色剤と、電荷制御剤と、離型剤とを含み、
前記離型剤がエステルワックスであり、
高化式フローテスターにより測定されるトナーの融点が80〜110℃以下であり、
トナーにおける離型剤の分散径が0.5〜0.9μmであり、
粘弾性測定装置により測定されるトナーのトルク値が、25℃における測定置で100μN・m以下であり、45℃における測定置で105μN・m以下である、静電荷像現像用トナー。
本発明によれば、低温定着性に優れ、低温環境下だけではなく高温環境下でも、画像濃度の良好な画像を形成できる、結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いた静電荷像現像用トナーを提供できる。
高化式フローテスターによる融点の測定方法を説明する図である。
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、トナーともいう)は、結着樹脂であるポリエステル樹脂中に、少なくとも着色剤と電荷制御剤と離型剤とを含むものであり、必要に応じて磁性粉等の成分が配合されている。また、本発明の静電荷像現像用トナーは、その表面に外添剤が付着したものであってもよい。さらに、本発明の静電荷現像用トナーは、所望によりキャリアと混合して、2成分現像剤として使用することもできる。以下、結着樹脂、着色剤、電荷制御剤、離型剤、磁性粉、外添剤、キャリア、トナーの製造方法について順に説明する。
〔結着樹脂〕
本発明の静電荷現像用トナーでは、結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いる。ポリエステル樹脂は、本発明の目的を阻害しないかぎり、従来からトナー用の結着樹脂として用いられるポリエステル樹脂から適宜選択して使用できる。以下、結着樹脂として用いるポリエステル樹脂について説明する。
ポリエステル樹脂は、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合ないし共縮重合によって得られるものを使用することができる。ポリエステル系樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下のアルコール成分やカルボン酸成分が挙げられる。
2価又は3価以上のアルコール成分の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の3価以上のアルコール類が挙げられる。
2価又は3価以上のカルボン酸成分の具体例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、あるいはn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等のアルキル又はアルケニルコハク酸等の2価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等の3価以上のカルボン酸等が挙げられる。これらの2価又は3価以上のカルボン酸成分は、酸ハライド、酸無水物、低級アルキルエステル等のエステル形成性の誘導体として用いてもよい。ここで、「低級アルキル」とは、炭素原子数1から6のアルキル基を意味する。
結着樹脂として用いるポリエステル樹脂の軟化点は、80〜150℃であることが好ましく、90〜140℃がより好ましい。
結着樹脂として用いるポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)は、50〜65℃が好ましく、50〜60℃がより好ましい。結着樹脂のガラス転移点が低すぎる場合、画像形成装置の現像部の内部でトナー同士が融着したり、保存安定性の低下により、トナー容器の輸送時や倉庫等での保管時にトナー同士が一部融着したりする場合がある。また、ガラス転移点が高すぎる場合、結着樹脂の強度が低下し、潜像担持部(像担持体:感光体)にトナーが付着しやすい。ガラス転移点が高すぎる場合、トナーが低温で良好に定着しにくい傾向がある。
なお、結着樹脂として用いるポリエステル樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、比熱の変化点から求めることができる。より具体的には、測定装置としてセイコーインスツルメンツ株式会社製示差走査熱量計DSC−6200を用い、吸熱曲線を測定することで求めることができる。測定試料10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25〜200℃、昇温速度10℃/minで常温常湿下にて測定して得られた吸熱曲線よりガラス転移点を求めることができる。
なお、本発明のトナーは所定の方法により測定される融点が110℃以下である。トナーの融点を所定の範囲に調整する方法は特に限定されないが、容易であることから、結着樹脂の融点を調整することによりトナーの融点を調整する方法が好ましい。この点、ポリエステル樹脂は、反応時間、反応温度、触媒量、及び触媒の種類等の変更によって、融点を容易に調整できるため、結着樹脂として特に好ましい。
ポリエステル樹脂の中では、後述するトナーのトルク値について、25℃の測定値と45℃の測定値との両者を所定の値に調整しやすことから、ビスフェノールAと、エチレングリコールと、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等の3価以上のカルボン酸と、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のベンゼンジカルボン酸とから得られるポリエステル樹脂が好ましい。
3価以上のカルボン酸の中では、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等の芳香族トリカルボン酸から選択される1種が好ましく、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)がより好ましい。ベンゼンジカルボン酸の中ではテレフタル酸が好ましい。
また、前述の3価以上のカルボン酸と、ベンゼンジカルボン酸とを単量体として用いて得られるポリエステル樹脂について、3価以上のカルボン酸の量は、単量体として使用されるカルボン酸成分中、50〜70モル%が好ましく、50〜60モル%が好ましい。
結着樹脂として用いられるポリエステル樹脂の融点は、本発明のトナーの融点が所定の融点となるかぎり特に限定されない。典型的には、ポリエステル樹脂の融点は、150℃以下が好ましく、80〜150℃がより好ましく、90〜140℃が特に好ましい。かかる範囲の融点の結着樹脂を用いる場合、得られるトナーの融点を、110℃以下に調整しやすい。結着樹脂の融点は、以下の方法に従って測定できる。
<融点測定方法>
高化式フローテスター(CFT−500D(株式会社島津製作所製))により融点(Tm)の測定を行う。測定試料を高化式フローテスターにセットし、ダイス細孔経1mm、プランジャー荷重20kg/cm、昇温速度6℃/分の条件で、1cmの試料を溶融流出させて融点(Tm)を測定する。高化式フローテスターの測定により得られた、温度(℃)/ストローク(mm)に関するS字カーブより、融点(Tm)を読み取る。
融点(Tm)の読み取り方を、図1により説明する。ストロークの最大値をSとし、低温側のベースラインのストローク値をSとする。S字カーブにおいて、ストロークの値が(S+S)/2となる温度を、測定試料の融点(Tm)とする。
〔着色剤〕
本発明のトナーは結着樹脂中に着色剤を含有する。トナーに含まれる着色剤は、トナー粒子の色に合わせて、公知の顔料や染料から適宜選択して用いることができる。トナーに添加する好適な着色剤の具体例としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック等の黒色顔料;黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等の黄色顔料;赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGK等の橙色顔料;ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等の赤色顔料;マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等の紫色顔料;紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等の青色顔料;クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等の緑色顔料;亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等の白色顔料;バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等の体質顔料が挙げられる。これらの着色剤は、トナーを所望の色相に調整する目的等で2種以上を組み合わせて用いることもできる。
着色剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的には、結着樹脂100質量部に対して、1〜10質量部が好ましく、3〜7質量部がより好ましい。
〔電荷制御剤〕
本発明のトナーは、結着樹脂中に電荷制御剤を含む。電荷制御剤は、トナーの帯電レベルの安定性や、トナーを所定の帯電レベルに短時間で帯電可能か否かの指標となる帯電立ち上がり特性を向上させ、耐久性や安定性に優れたトナーを得る目的で使用される。トナーを正帯電させて現像を行う場合、正帯電性の電荷制御剤が使用され、トナーを負帯電させて現像を行う場合、負帯電性の電荷制御剤が使用される。
電荷制御剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来よりトナーに使用されている電荷制御剤から適宜選択できる。正帯電性の電荷制御剤の具体例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン等のアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ−ンBH/C、アジンディ−プブラックEW、及びアジンディーブラック3RL等のアジン化合物からなる直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体等のニグロシン化合物;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ等のニグロシン化合物からなる酸性染料;ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの正帯電性の電荷制御剤の中では、より迅速な立ち上がり性が得られる点で、ニグロシン化合物が特に好ましい。これらの正帯電性の電荷制御剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
4級アンモニウム塩、カルボン酸塩、又はカルボキシル基を官能基として有する樹脂も正帯電性の電荷制御剤として使用できる。より具体的には、4級アンモニウム塩を有するスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン系樹脂、カルボン酸塩を有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル系樹脂、カルボキシル基を有するポリスチレン系樹脂、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル系樹脂等の1種又は2種以上が挙げられる。これらの樹脂の分子量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、オリゴマーであってもポリマーであってもよい。
正帯電性の電荷制御剤として使用できる樹脂の中では、帯電量を所望の範囲内の値に容易に調節することができる点から、4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン−アクリル系共重合樹脂がより好ましい。4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン−アクリル系共重合樹脂において、スチレン単位と共重合させる好ましいアクリル系コモノマーの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
また、4級アンモニウム塩としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキル(メタ)アクリルアミド、又はジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドから第4級化の工程を経て誘導される単位が用いられる。ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、ジアルキル(メタ)アクリルアミドの具体例としてはジメチルメタクリルアミドが挙げられ、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの具体例としては、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドが挙げられる。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有重合性モノマーを重合時に併用することもできる。
負帯電性の電荷制御剤の具体例としては、例えば、有機金属錯体、キレート化合物等が挙げられる。有機金属錯体、及びキレート化合物としては、アルミニウムアセチルアセトナートや鉄(II)アセチルアセトナート等のアセチルアセトン金属錯体、及び、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸クロム等のサリチル酸系金属錯体又はサリチル酸系金属塩が好ましく、サリチル酸系金属錯体又はサリチル酸系金属塩がより好ましい。これらの負帯電性の電荷制御剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
正帯電性又は負帯電性の電荷制御剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。正帯電性又は負帯電性の電荷制御剤の使用量は、典型的には、トナー全量を100質量部とした場合に、1.5〜15質量部が好ましく、2.0〜8.0質量部がより好ましく、3.0〜7.0質量部が特に好ましい。電荷制御剤の使用量が過少である場合、所定の極性にトナーを安定して帯電させ難いため、形成画像の画像濃度が好適な値を下回ったり、画像濃度を長期にわたって維持できなくなったりする場合がある。また、かかる場合、電荷制御剤が均一に分散し難く、形成画像にかぶりが生じやすくなったり、また、潜像担持部の汚染が起こりやすくなったりする。電荷制御剤の使用量が過多である場合、耐環境性の悪化による、高温高湿下でのトナーの帯電不良が生じやすく、その結果として画像不良や、潜像担持部の汚染等が起こりやすくなる。
〔離型剤〕
トナーは、定着性や耐オフセット性を向上させる目的で、離型剤を含んでいてもよい。トナーに添加する離型剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。離型剤としてはワックスが好ましく、ワックスの例としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フッ素樹脂系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス等が挙げられる。これらのワックスの中では、結着樹脂中でのワックスの分散径を小さくしやすく、これにより後述するトルク値の低いトナーを得やすいため、エステルワックスが好ましい。エステルワックスの例としては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木蝋、ホホバワックス等の植物材料から得られる天然ワックス、化学合成によって製造される合成エステルワックス、褐炭より溶剤により抽出されるモンタンワックス等が挙げられる。これらのワックスは2種以上を組み合わせて使用できる。かかる離型剤をトナーに添加することにより、オフセットや像スミアリング(画像をこすった際の画像周囲の汚れ)の発生をより効率的に抑制することができる。
離型剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的な離型剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、1〜5質量部が好ましい。離型剤の使用量が過少である場合、形成画像におけるオフセットや像スミアリングの発生の抑制について所望の効果が得られない場合があり、離型剤の使用量が過多である場合、トナー同士の融着によって保存安定性が低下する場合がある。
〔磁性粉〕
本発明のトナーは、所望により、結着樹脂中に磁性粉を配合することができる。トナーに配合する磁性粉の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。好適な磁性粉の例としては、フェライト、マグネタイト等の鉄;コバルト、ニッケル等の強磁性金属;鉄、及び/又は強磁性金属を含む合金;鉄、及び/又は強磁性金属を含む化合物;熱処理等の強磁性化処理を施された強磁性合金;二酸化クロムが挙げられる。
磁性粉の粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で限定されない。具体的な磁性粉の粒子径は、0.1〜1.0μmが好ましく、0.1〜0.5μmがより好ましい。かかる範囲の粒子径の磁性粉を用いる場合、結着樹脂中に磁性粉を均一に分散させやすい。
磁性粉は、結着樹脂中での分散性を改良する目的等で、チタン系カップリング剤やシラン系カップリング剤等の表面処理剤により表面処理されたものを使用できる。
磁性粉の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的な磁性粉の使用量は、トナーを1成分現像剤として使用する場合、トナー全量を100質量部とした場合に、35〜60質量部が好ましく、40〜60質量部がより好ましい。磁性粉の使用量が過多である場合、長期間にわたり印刷する場合に画像濃度が好適な値を下回ったり、定着性が極度に低下したりする場合がある。磁性粉の使用量が過少である場合、かぶりが発生しやすかったり、長期間にわたり印刷する場合に画像濃度が好適な値を下回る場合がある。また、トナーを2成分現像剤として使用する場合、磁性粉の使用量は、トナー全量を100質量部とした場合に、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。
〔外添剤〕
本発明のトナーは、トナーの流動性、保存安定性、クリーニング性等を改良する目的で外添剤をトナー粒子の表面に付着させてもよい。
外添剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来からトナー用に使用されている外添剤から適宜選択できる。好適な外添剤の具体例としては、シリカや、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の金属酸化物が挙げられる。これらの外添剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
外添剤の粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、典型的には0.01〜1.0μmが好ましい。
外添剤の体積固有の抵抗値は、外添剤の表面に酸化スズ及び酸化アンチモンからなる被覆層を形成し、被覆層の厚さや、酸化スズと酸化アンチモンとの比率を変えることにより調整できる。
外添剤のトナー粒子に対する使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。外添剤の使用量は、典型的には、外添剤により処理される前のトナー100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。かかる範囲の量で外添剤を使用する場合、流動性、保存安定性、クリーニング性に優れるトナーを得やすい。
〔キャリア〕
本発明のトナーは、所望のキャリアと混合して2成分現像剤として使用することもできる。2成分現像剤を調製する場合、磁性キャリアを用いるのが好ましい。
本発明のトナーを2成分現像剤とする場合の好適なキャリアとしては、キャリア芯材が樹脂により被覆されたものが挙げられる。キャリア芯材の具体例としては、鉄、酸化処理鉄、還元鉄、マグネタイト、銅、ケイ素鋼、フェライト、ニッケル、コバルト等の粒子や、これらの材料とマンガン、亜鉛、アルミニウム等との合金の粒子、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金等の粒子、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸リチウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、ニオブ酸リチウム等のセラミックスの粒子、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、ロッシェル塩等の高誘電率物質の粒子、樹脂中に上記磁性粒子を分散させた樹脂キャリア等が挙げられる。
キャリア芯材を被覆する樹脂の具体例としては、(メタ)アクリル系重合体、スチレン系重合体、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体、オレフィン系重合体(ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等)、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、アミノ樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は2種以上を組み合わせて使用できる。
キャリアの粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、電子顕微鏡により測定される粒子径で、20〜120μmが好ましく、25〜80μmがより好ましい。
キャリアの見掛け密度は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。見掛け密度は、キャリアの組成や表面構造によって異なるが、典型的には、2000〜2500kg/mが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーを2成分現像剤として用いる場合、トナーの含有量は、2成分現像剤の質量に対して、3〜20質量%が好ましく、5〜15質量%が好ましい。2成分現像剤におけるトナーの含有量をかかる範囲とすることにより、形成画像における適度な画像濃度を維持し、トナー飛散の抑制によって画像形成装置内部の汚染や転写紙等へのトナーの付着を抑制できる。
〔静電荷像現像用トナーの製造方法〕
本発明のトナーは、結着樹脂と、着色剤、電荷制御剤、及び離型剤と、必要に応じて、磁性粉等の成分とを混合した後に、混合物を溶融混練し、得られた混練物を粉砕・分級することにより製造できる。静電荷像現像用トナーの製造に用いる溶融混練装置は特に限定されず、熱可塑性樹脂の溶融混練に使用される装置から適宜選択できる。混練装置の具体例としては、一軸又は二軸の押出機等が挙げられる。粉砕・分級されたトナーの平均粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、一般的には、5〜10μmが好ましい。
本発明のトナーは、融点が110℃以下である。トナーの融点がかかる範囲であれば、所望の低温定着性を有するトナーを得やすい。トナーの融点は、結着樹脂の融点を調整することにより調整することができる。また、離型剤の融点、及び使用量を変更することによっても、トナーの融点を微調整することができる。
本発明のトナーの融点は、80〜110℃であるのがより好ましい。トナーの融点が低すぎると、後述するトナーのトルク値が上昇してしまう場合がある。トナーの融点がかかる範囲であると、25℃と45℃とで測定されたトナーのトルク値が所望の値であるトナーの調製が容易である。
また、本発明のトナーは、25℃で測定されたトルクの値が100μN・m以下であり、45℃で測定されたトルクの値が105μN・m以下である。トナーのトルク値は、結着樹脂中の離型剤の分散径を調整することにより、調整することができる。結着樹脂中の離型剤の分散径が小さいほど、トナーのトルク値を低くすることができる。トナーのトルク値を低くする方法としては、結着樹脂と、着色剤、電荷制御剤、離型剤、磁性粉等の成分とを溶融混練するにあたって、混練温度を低くする方法や、処理時間を延長する方法が挙げられる。
逆に、混練温度を上げると、溶融した離型剤の粘度が低下するため、離型剤に混練によるせん断力がかかりにくくなり、離型剤が分散されにくくなる。また、混練の処理時間を短縮する場合、結着樹脂中での離型剤の分散が良好に進行しにくくなる。よって、これらの方法によって、結着樹脂中の離型剤の分散径を大きくして、トナーのトルク値を高くすることができる。
別の方法としては、トナーの融点を調整することにより、トナーのトルク値を調整できる。トナーの融点を低くする場合、トナーのトルク値が高まる傾向があり、トナーの融点を高くする場合、トナーのトルク値が低くなる傾向がある。
トナーのトルク値は、以下の方法に従って測定できる。
<トルクの測定方法>
トルク測定装置として粘弾性測定装置(MCR−301(Anton Paar社製))を用いる。内径2.8cmの円筒形の測定容器の底部に、トナー0.5gをトナーの厚さが均一になるように充填する。直径2.5cmのパラレルプレートを、1Nの荷重で測定容器底部のトナーに圧接させる。この状態で、周波数(f)0.1Hz、歪(γ)0.01%でプレートを稼動させ、測定温度25℃でのトルクを測定する。次いで、0.5℃/分でトナーを45℃まで昇温させ、45℃でのトルクを測定する。
このようにして得られるトナーは、必要に応じて、その表面を外添剤により処理してもよい。なお、外添処理される粒子を「トナー母粒子」と称する。外添剤によるトナーの処理方法は特に限定されず、従来知られる外添剤による処理方法から適宜選択できる。具体的には、外添剤の粒子がトナー母粒子に埋め込まれないように処理条件を調整し、ヘンシェルミキサーやナウターミキサー等の混合機によって、トナー母粒子に対する外添剤による処理が行われる。
以上説明した、本発明の静電荷像現像用トナーは、低温定着性に優れ、低温環境下だけではなく高温環境下でも、画像濃度の良好な画像を形成できる。このため、本発明の静電荷像現像用トナーは、種々の画像形成装置において、現像剤として好適に使用される。
〔調製例1〕
(ポリエステル樹脂A〜Dの調製)
実施例、及び比較例で結着樹脂として用いるポリエステル樹脂A〜Dの調製について以下に説明する。
温度計、ステンレススチール製撹拌器、ガラス製窒素導入管、及び流下式コンデンサーを備える容量2Lの4つ口フラスコに、ビスフェノールA40モル%、エチレングリコール14モル%、トリメリット酸27モル%、テレフタル酸19モル%となるように単量体を仕込んだ。4つ口フラスコ内に窒素ガスを導入し、4つ口フラスコ内を窒素雰囲気とした後、4つ口フラスコをマントルヒーターにより加熱し、単量体を撹拌しながら220℃まで昇温させた。同温度で撹拌を継続して、重合反応を行った。なお、重合反応中には、飛散や、昇華等により減少した単量体の量に相当する単量体を、反応容器内に補充した。重合反応を、表1に記載の時間で行った後、反応生成物をバットに取り出し、融点の異なるポリエステル樹脂A〜Dを得た。ポリエステル樹脂A〜Dの融点は、高化式フローテスター(CFT−500D(株式会社島津製作所製))により測定した。
Figure 0005639976
〔実施例1〜3、比較例1〜5〕
表2に記載の結着樹脂(ポリエステル樹脂A〜D)100質量部、電荷制御剤(ボントロンN−01(オリヱント化学工業株式会社製))3質量部、着色剤(カーボンブラック、MA−100(三菱化学株式会社製))5質量部、及び、表2に記載の種類、及び量の離型剤を、ヘンシェルミキサーにより撹拌・混合した後、得られた混合物を、表1に記載の混練温度にて、溶融混練して、溶融混練物を得た。得られた溶融混練物をロートプレックス粉砕機で2mm以下に粗粉砕した後、ジェットミルにより粉砕し、得られた粉砕物を風力分級機により分級して、体積平均粒子径8μmのトナー母粒子を得た。得られたトナー母粒子と、トナー母粒子100質量部に対して0.8質量部の外添剤(シリカ微粒子、RA200(日本アエロジル株式会社製))とを、ヘンシェルミキサーにより撹拌・混合して、実施例1〜3、比較例1〜5のトナーを得た。
なお、実施例、及び比較例では、以下の離型剤A〜Cを用いた。
離型剤A:カルナウバワックス(株式会社加藤洋行製)
離型剤B:WEP−6(日油株式会社製)
離型剤C:ポリワックス400(東洋ペトロライト株式会社製)
得られたトナーについて、下記方法に従い離型剤の分散径を測定した。また、得られたトナーについて、下記方法に従い、トナーの融点、トナーのトルク値(25℃、及び45℃)、画像濃度(20℃、及び40℃)、及び定着温度の評価を行った。実施例、及び比較例のトナーの評価結果を表1に記す。
<離型剤の分散径の測定方法>
ウルトラミクロトーム(EM UC6(ライカ社製))を用いて、測定試料として、厚さ200nmの薄片をトナーから切り出した。切り出した試料にカーボン蒸着を行った後、透過型電子顕微鏡(JSM−7600F(日本電子株式会社製))により試料を観察し、トナー断面の画像を取得する。取得した画像において、トナー断面に観察される離型剤のドメインからランダムに選択した100個のドメインについて分散径を計測し、100個のドメインの分散径の平均値を、トナーにおける離型剤の分散径とした。なお、離型剤のドメインの分散径としては面積相当径を用いた。
<融点測定方法>
高化式フローテスター(CFT−500D(株式会社島津製作所製))により融点(Tm)の測定を行った。測定試料を高化式フローテスターにセットし、ダイス細孔経1mm、プランジャー荷重20kg/cm、昇温速度6℃/分の条件で、1cmの試料を溶融流出させて融点(Tm)を測定した。高化式フローテスターの測定により得られた、温度(℃)/ストローク(mm)に関するS字カーブより、融点(Tm)を読み取った。
<トルクの測定方法>
トルク測定装置として粘弾性測定装置(MCR−301(Anton Paar社製))を用いた。内径2.8cmの円筒形の測定容器の底部に、トナー0.5gをトナーの厚さが均一になるように充填した。直径2.5cmのパラレルプレートを、1Nの荷重で測定容器底部のトナーに圧接させた。この状態で、周波数(f)0.1Hz、歪(γ)0.01%でプレートを稼動させ、測定温度25℃でのトルクを測定した。次いで、0.5℃/分でトナーを45℃まで昇温させ、45℃でのトルクを測定した。
<画像濃度評価方法>
非磁性1成分現像システムを備える画像形成装置(DP−560(三田工業株式会社製)の改造機)を用いて評価した。現像器にトナー100gを充填し、20℃、60%RHの環境下と、40℃、20%RHの環境下とで、2.5cm×2.5cmのベタ画像を出力した。形成されたベタ画像の画像濃度を反射濃度計(TC−6DS(有限会社東京電色製))により測定した。画像濃度1.20以上を○と判定し、1.20未満を×と判定した。
<定着温度評価方法>
非磁性1成分現像システムを備える画像形成装置(DP−560(三田工業株式会社製)の改造機)を用いて評価した。定着温度を140℃から5℃刻みで上げていき、各温度で2.5cm×2.5cmのベタ画像を出力した。オフセットが発生しなかった最低温度を定着温度とした。定着温度160℃以下について○と判定し、165℃以上について×と判定した。
Figure 0005639976
実施例1、実施例2、及び比較例3の比較によれば、溶融混練時の混練温度を高めるほど結着樹脂中の離型剤の分散径が大きくなることが分かる。また、実施例1、実施例2、及び比較例3によれば、離型剤の分散径が大きくなるほど、トナーのトルクの値が大きくなることが分かる。
実施例1〜3によれば、トナーの融点が110℃以下であり、トナーのトルク値が25℃における測定値で100μN・m以下であり、45℃における測定値で105μN・m以下であるトナーであれば、20℃、40℃の両条件において良好な濃度の画像を形成でき、160℃以下の低温で良好に定着できることが分かる。
一方、比較例1のトナーは、トナーの融点が110℃を超えるため、160℃以下の低温での定着が困難であった。また、比較例2、3、及び5のトナーは、45℃で測定されるトルク値が105μN・mを超えているため、高温(40℃)において、良好な画像濃度の画像を形成できなかった。さらに、比較例4のトナーは、25℃におけるトルク値が100μN・mを超え、45℃におけるトルク値で105μN・mを超えているため、20℃、40℃の両条件において、良好な画像濃度の画像を形成できなかった。

Claims (1)

  1. 結着樹脂であるポリエステル樹脂、少なくとも着色剤と、電荷制御剤と、離型剤とを含み、
    前記離型剤がエステルワックスであり、
    高化式フローテスターにより測定されるトナーの融点が80〜110℃以下であり、
    トナーにおける離型剤の分散径が0.5〜0.9μmであり、
    粘弾性測定装置により測定されるトナーのトルク値が、25℃における測定置で100μN・m以下であり、45℃における測定置で105μN・m以下である、静電荷像現像用トナー。
JP2011202410A 2011-09-15 2011-09-15 静電荷像現像用トナー Expired - Fee Related JP5639976B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011202410A JP5639976B2 (ja) 2011-09-15 2011-09-15 静電荷像現像用トナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011202410A JP5639976B2 (ja) 2011-09-15 2011-09-15 静電荷像現像用トナー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013064801A JP2013064801A (ja) 2013-04-11
JP5639976B2 true JP5639976B2 (ja) 2014-12-10

Family

ID=48188379

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011202410A Expired - Fee Related JP5639976B2 (ja) 2011-09-15 2011-09-15 静電荷像現像用トナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5639976B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015169776A (ja) * 2014-03-06 2015-09-28 三菱化学株式会社 2成分現像剤

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3675738B2 (ja) * 2001-06-06 2005-07-27 シャープ株式会社 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法
JP2003162084A (ja) * 2001-11-28 2003-06-06 Kao Corp オーブン定着用非磁性一成分トナー
JP2004333891A (ja) * 2003-05-08 2004-11-25 Canon Inc 一成分トナー
JP2006058652A (ja) * 2004-08-20 2006-03-02 Toshiba Corp トナー
JP5025959B2 (ja) * 2006-02-03 2012-09-12 花王株式会社 電子写真用トナーの製造方法
JP5000337B2 (ja) * 2007-03-09 2012-08-15 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 静電潜像現像用トナー

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013064801A (ja) 2013-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5755201B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP5677331B2 (ja) 静電潜像現像用トナー
JP5629668B2 (ja) 正帯電性トナー
JP2009217053A (ja) 静電荷現像用トナー、静電荷現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジおよび画像形成装置
JP2010145550A (ja) トナー
JP6059084B2 (ja) 静電潜像現像用トナーの製造方法
JP2012203045A (ja) 静電潜像現像用トナー
JP2006178093A (ja) 電子写真用トナーおよびその製造方法
JP6167949B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法及び画像形成方法
JP5749679B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP5530990B2 (ja) 静電潜像現像用トナー
JP2015106123A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成方法、及び、画像形成装置
JP2012203180A (ja) 静電潜像現像用トナー
JP5455967B2 (ja) 2成分現像剤
JP5608622B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP5514763B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP5639976B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP5418017B2 (ja) 電子写真用トナー、電子写真用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP5911416B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP3038465B2 (ja) 熱圧力定着用カプセルトナーの製造方法及びカプセルトナー
JP2002365843A (ja) 画像形成用二成分現像剤及びそれを用いる画像形成方法
JP5548662B2 (ja) 2成分現像剤
JP2007072395A (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤ならびに画像形成方法
JP5812972B2 (ja) 静電潜像現像用トナー
JP4634090B2 (ja) 電子写真用トナー

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130823

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140326

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140513

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140711

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140930

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141027

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5639976

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees