JP2013212559A - ロボット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロボット1は、アーム15を備えている。このアーム15は、長尺状をなし、その側面23aに開口して形成された凹部で構成された収納部21を有するアーム本体2と、収納部21に収納され、モーター405、406を有する駆動機構3と、収納部を気密封止する封止手段4とを備えている。封止手段4は、収納部21の側面23aに開口する開口部211の縁部212に沿った枠状をなし、縁部212に対し接着剤を介して接合され、複数本のボルト80がそれぞれ螺合する複数の雌ネジ54を有する枠体5と、各雌ネジ54に螺合するボルト80を介して、枠体5に対し着脱自在に装着され、その装着状態で収納部21を覆うカバー6と、枠体5とカバー6との間に介挿されたパッキン7とを有している。
【選択図】図6
Description
本発明のロボットは、外面に開口する開口部を含む収納部が形成されたアーム本体と、
前記収納部に収納された駆動機構と、
前記収納部を気密封止する封止手段とを備え、
前記封止手段は、
前記開口部の縁部に沿った枠状をなし、該縁部に対し接着剤を介して接合され、ボルトが螺合する雌ネジを有する枠体と、
前記雌ネジに螺合する前記ボルトによって、前記枠体に対し着脱自在に装着され、前記枠体に対して装着された状態で前記収納部を覆うカバーと、
前記枠体と前記カバーとの間に介挿されたパッキンとを有することを特徴とする。
また、枠部材には、ボルトが螺合する雌ネジが形成されている。そして、メンテナンスを繰り返すうちに、仮に前記雌ネジが破損した、すなわち、前記雌ネジのネジ山が潰れたとしても、枠部材を交換しさえすれば、この枠部材にカバーをボルトで固定して、当該カバーで駆動機構を再度覆うことができる。その後、前述したように、ボルトを弛めれば、メンテナンスを容易に行なうことができる。
例えばロボットが滅菌ガスが充填された環境下に設置された場合、第1の保護膜により、特に雌ネジでの滅菌ガスによる腐食を確実に防止することができる。また、例えばロボットが薬剤を含有する滅菌ガスが充填された環境下に設置された場合、その薬剤の種類によっては、枠体に付着して影響を及ぼすことがあるが、第2の保護膜により、薬剤の付着を確実に防止することができる。
このような処理は、耐食性に優れる。また、第1の保護膜を形成する際に、第1の保護膜の厚さの管理を容易に行なうことができ、よって、所望の厚さの第1の保護膜を得る。
本発明のロボットでは、前記めっき処理は、無電解ニッケルめっきであることが好ましい。
このような処理は、耐食性に優れる。また、第1の保護膜を形成する際に、第1の保護膜の厚さの管理を容易に行なうことができ、よって、所望の厚さの第1の保護膜を得る。
このような材料は、耐薬品性に優れる。また、このような材料は、防汚機能も有しており、例えば枠体に塵や埃、油分が付着したとしても、これらを容易に拭き取ることができる。
前記枠体は、前記パッキンに対する圧縮限界を規制する規制部を有することが好ましい。
これにより、パッキンを過不足なく圧縮することができ、よって、収納部内の気密性を好適に確保することができる。また、例えば定期的なメンテナンス時にパッキンを複数回にわたって交換したとしても、各回において、当該パッキンに対し確実に一定の圧縮限界を規制することができる。
これにより、枠体に装着されるカバーを、枠体の面取りが施されている分だけ、小さいものとすることができ、よって、アーム(ロボット)の軽量化を図ることができる。
また、枠体の面取りが施されている分だけ、アームの周辺との干渉が防止され、よって、アームの可動範囲をできる限り広く確保することができる。
前記枠体は、前記アーム本体の側面視で、前記モーター、前記第1のプーリー、前記第2のプーリーおよび前記タイミングベルトのいずれにも重ならないことが好ましい。
これにより、メンテナンス時にモーター、第1のプーリー、第2のプーリーおよびタイミングベルトのいずれかを収納部から取り出す際に、そのいずれも、作業者に向かって引張り出せば、その取り出しを容易に行なうことができる。
例えばアーム本体が金型を用いて成形される鋳物である場合、当該アーム本体の構成材料にアルミニウムまたはアルミニウム合金を用いることにより、金型成形を容易に行なうことができる。また、例えば枠体がその母材となる金属板から切削加工で得られるものである場合、当該枠体の構成材料にアルミニウムまたはアルミニウム合金を用いることにより、その切削加工を容易に行なうことができる。
これにより、凹凸が形成されている場合に比べて、カバーに塵や埃等が堆積するのを防止または抑制することができる。また、仮に塵や埃等が堆積したとしても、これらを容易に拭き取ることができる。
これにより、雌ネジに螺合する複数のボルトによる固定力がほぼ均一に分散されることとなり、よって、カバーを確実に固定することができる。また、枠体とカバーとの間でパッキンを均一に圧縮することができ、よって、当該パッキンによる気密性を確実に確保することができる。
これにより、駆動機構に対するメンテナンスを行なう際、そのメンテナンス対象部材の配置箇所(位置)に応じて、前記両側のうちの一方の側からも可能であり、他方の側からも可能である。
これにより、アーム(アーム本体)の小型化を図ることができ、よって、アームの可動範囲をできる限り広く確保することができる。また、前記両側のうちの一方の側の封止手段と、他方の側の封止手段とを共通の構成のものとすることができる。
モーターは、駆動機構を構成するものなかでも比較的重いものである。このため、アームを例えば水平方向と平行な軸回りに回動せるとき、アーム本体(収納部)内においてモーターが基台側にあった方が、その回動を迅速に行なうことができる。
前記駆動機構は、前記リストを駆動させ得るものであるのが好ましい。
これにより、リストに装着されたマニピュレーターが把持する対象物の形状や大きさなどに応じて、マニピュレーターの姿勢を適宜変更することができ、よって、対象物を容易かつ確実に把持することができる。
図1は、本発明のロボットを正面側から見た斜視図、図2は、本発明のロボットを背面側から見た斜視図、図3は、本発明のロボットの概略図、図4は、本発明のロボットの主要部のブロック図、図5は、本発明のロボットの使用状態(設置状態)を示す斜視図、図6は、本発明のロボットが備える複数本のアームのうちの代表的な1本のアームの分解斜視図、図7は、図6中のA−A線断面図、図8は、図6中のB−B線断面図、図9は、本発明のロボットが備える枠体の拡大断面図、図10は、図6中のC−C線断面図、図11は、図6中の矢印D方向から見た図(側面図)である。なお、以下では、説明の都合上、図1〜図3および図5〜図11中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。また、図1〜図3および図5中の基台側を「基端」、その反対側を「先端」と言う。また、図6〜図11中のアームの長手方向を「x軸方向」、x軸方向に対し垂直かつ水平な方向を「y軸方向」、x軸方向およびy軸方向のいずれにも垂直な方向を「z軸方向」と言う。
基台11とアーム12とは、関節(ジョイント)171を介して連結されている。そして、アーム12は、基台11に対し、鉛直方向と平行な回動軸O1回りに回動可能となっている。この回動軸O1回りの回動は、モーター401の駆動によりなされる。なお、モーター401の駆動は、モーター401とケーブル(図示せず)を介して電気的に接続されたモータードライバー301により制御される(図4参照)。
モーター401〜406としては、特に限定されず、例えば、サーボモーターを用いるのが好ましい。また、前記各ケーブルは、それぞれ、ロボット1を挿通している。
前述したように、ロボット1は、基台11と、アーム12〜15と、リスト16とを備えている。
基台11は、中空の基台本体(ハウジング)112を有している。基台本体112は、円筒状をなす円筒状部113と、当該円筒状部113の外周部に一体的に形成された、箱状をなす箱状部114とに分けることができる。そして、このような基台本体112には、例えば、モーター401やモータードライバー301〜306が収納されている。
アーム13は、アーム12の先端部に連結されている。このアーム13では、駆動機構3bがモーター403を有しており、アーム本体2b内に収納している。また、アーム本体2a内は、封止手段4bにより気密封止されている。
アーム15は、アーム14の先端部に、その中心軸方向と平行に連結されている。このアーム15では、駆動機構3dがモーター405、406を有しており、アーム本体2d内に収納している。また、アーム本体2d内は、封止手段4dにより気密封止されている。
リスト本体161の先端面163は、平坦な面となっており、マニピュレーターが装着される装着面となる。また、リスト本体161は、アーム15の駆動機構3dに連結されており、当該駆動機構3dのモーター406の駆動により、回動軸O6回りに回動する。
支持リング162は、アーム15の駆動機構3dに連結されており、当該駆動機構3dのモーター405の駆動により、リスト本体161ごと回動軸O5回りに回動する。
図6に示すように、アーム15は、アーム本体2(2d)と、駆動機構3(3d)と、封止手段4(4d)とを有している。
なお、前述した基台11の基台本体112の構成材料や、リスト16の支持リング162の構成材料も、アーム本体2の構成材料と同様のものを用いることができる。また、リスト16のリスト本体161の構成材料は、ステンレス鋼を用いるのが好ましい。
このような対称な配置は、アーム15(アーム本体2)の小型化に寄与し、アーム15の可動範囲をできる限り広く確保することができる。また、後述するように、側面23a側の封止手段4(4d)と、側面23b側の封止手段4(4d)とを共通の構成のものとすることができる。
封止手段4は、収納部21を気密的に封止するものである。この封止手段4により、収納部21内の駆動機構3(3d)に対する防水機能、防塵機能が発揮される。また、滅菌ガス発生装置200からの滅菌ガスは、駆動機構3を腐食させることがあるが、封止手段4により、その腐食を確実に防止することができる。
図6に示すように、枠体5は、アーム本体2の収納部21の側面23a(外面)に開口する開口部211の縁部212に沿った枠状をなす部材である。この部材の厚さは、例えば、10mm程度とすることができる。
なお、図7、図8に示すように、アーム本体2の縁部212では、雌ネジ26が形成されている部分と、それ以外の部分とで、厚さが異なっており、前者(以下「肉厚部213」と言う)の厚さt1は、雌ネジ26が形成されている分だけ、後者(以下「薄肉部214」と言う)の厚さt2よりも厚い。しかしながら、薄肉部214は、肉厚部213よりも形成領域が広いため、アーム本体2の軽量化を図ることができる。
ボルト60としては、特に限定されず、例えば、六角レンチを用いて締結・締結解除を行なう、いわゆる「六角穴付きボルト」を用いるのが好ましい。
また、枠体5の表側の面52には、パッキン7が設置される(載置される)。このように、表側の面52は、パッキン7が設置されるパッキン設置部としても機能する。
また、例えばメンテナンスを繰り返したことで、仮に枠体5の雌ネジ54が破損した、すなわち、雌ネジ54のネジ山が潰れたとしても、枠体5のみを交換しさえすれば、その交換された枠体5にカバー6を確実に装着することができ、よって、ロボット1を安全に使用することができる。
第1の保護膜57は、枠体5の少なくとも各雌ネジ54に(本実施形態では枠体5の表面全体に)形成されている。この第1の保護膜57は、枠体5に不動態処理またはめっき処理を施してなる膜である。前述したように滅菌ガスは駆動機構3を腐食させることがあるが、第1の保護膜57により、特に各雌ネジ54での腐食を確実に防止することができる。
第1の保護膜57の厚さt4としては、特に限定されず、例えば、10〜100μmであるのが好ましく、30〜80μmであるのがより好ましい。
第2の保護膜58の厚さt5としては、特に限定されず、例えば、10〜50μmであるのが好ましく、20〜40μmであるのがより好ましい。第2の保護膜58の水との接触角としては、特に限定されず、例えば、100〜150度であるのが好ましく、100〜120度であるのがより好ましい。
このカバー6には、枠体5の各雌ネジ54にそれぞれ対応する位置に、ボルト80が挿通する挿通孔61が形成されている。各挿通孔61は、それぞれ、カバー6の厚さ方向に貫通する貫通孔で構成されている。そして、枠体5の各雌ネジ54に、カバー6の各挿通孔61にそれぞれ挿入されたボルト80が螺合することができる。これにより、カバー6が枠体5に装着される、すなわち、装着状態となる。なお、この装着状態では、前述したようにパッキン7が圧縮状態となっているため、アーム本体2の収納部21内の気密性が確実に保持されている。
このメンテナンス後に、ボルト80を介してカバー6を再度装着すると、パッキン7が圧縮状態となり、よって、アーム本体2の収納部21内の気密性を再度確実に保持することができる。このようにロボット1では、メンテナンスの前後に関わらず、収納部21内の気密性を確実に保持することができる。
また、パッキン7には、枠体5の各雌ネジ54にそれぞれ対応する位置に、ボルト80が挿通する挿通孔71が形成されている。各挿通孔71は、それぞれ、パッキン7の厚さ方向に貫通する貫通孔で構成されている。そして、各ボルト80は、それぞれ、挿通孔71を挿通した状態で、枠体5の雌ネジ54螺合する(図7(b)参照)。これにより、パッキン7の位置決めがなされる。
また、本発明のロボットは、前記実施形態では複数本のアームを備えるものであったが、これに限定されず、例えば、1本のアームを備えるものであってもよい。
また、駆動機構は、減速機をさらに有していてもよい。
Claims (10)
- 外面に開口する開口部を含む収納部が形成されたアーム本体と、
前記収納部に収納された駆動機構と、
前記収納部を気密封止する封止手段とを備え、
前記封止手段は、
前記開口部の縁部に沿った枠状をなし、該縁部に対し接着剤を介して接合され、ボルトが螺合する雌ネジを有する枠体と、
前記雌ネジに螺合する前記ボルトによって、前記枠体に対し着脱自在に装着され、前記枠体に対して装着された状態で前記収納部を覆うカバーと、
前記枠体と前記カバーとの間に介挿されたパッキンとを有することを特徴とするロボット。 - 前記枠体には、前記雌ネジに、不動態処理またはめっき処理を施してなる第1の保護膜が形成され、前記雌ネジ以外の部分に、撥液性を有する材料を塗布してなる第2の保護膜が形成されている請求項1に記載のロボット。
- 前記不動態処理は、アルマイト処理である請求項2に記載のロボット。
- 前記めっき処理は、無電解ニッケルめっきである請求項2または3に記載のロボット。
- 前記撥液性を有する材料は、フッ素系材料である請求項2ないし4のいずれかに記載のロボット。
- 前記パッキンは、前記枠体と前記カバーとの間で圧縮状態となっており、
前記枠体は、前記パッキンに対する圧縮限界を規制する規制部を有する請求項1ないし5のいずれかに記載のロボット。 - 前記枠体は、該枠体の外側の縁部の少なくとも一部に面取りが施されている請求項1ないし6のいずれかに記載のロボット。
- 前記駆動機構は、モーターと、該モーターに連結された第1のプーリーと、該第1のプーリーに離間して配置された第2のプーリーと、前記第1のプーリーと前記第2のプーリーとに掛け渡されたタイミングベルトとを有し、
前記枠体は、前記アーム本体の側面視で、前記モーター、前記第1のプーリー、前記第2のプーリーおよび前記タイミングベルトのいずれにも重ならない請求項1ないし7のいずれかに記載のロボット。 - 前記アーム本体および前記枠体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成されている請求項1ないし8のいずれかに記載のロボット。
- 前記カバーは、ステンレス鋼で構成された平板である請求項1ないし9のいずれかに記載のロボット。
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