JP2016203331A - ロボット - Google Patents

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Abstract

【課題】ロボットの稼動中のフラットケーブルに対する機械的な負荷を抑制することができるロボットを提供すること。【解決手段】ロボットは、第nアームと、第nアームに回動可能に設けられた第(n+1)アームと、第(n+1)アームの回動中心に配置され、第1部材21と第2部材22とを有する芯部材2Aとを備えている。このロボットでは、フラットケーブル18Aが第1部材21と第2部材22とによって挟まれており、かつ、芯部材2Aに巻回されている。【選択図】図8

Description

本発明は、ロボットに関する。
従来、ロボットアームを備えたロボットが知られている。ロボットアームは複数のアームが関節部を介して連結され、最も先端側(最も下流側)のアームには、エンドエフェクターとして、例えば、ハンドが装着される。関節部はモーターにより駆動され、その関節部の駆動により、アームが回動する。そして、ロボットは、例えば、ハンドで対象物を把持し、その対象物を所定の場所へ移動させ、組立等の所定の作業を行う。
また、関節部には、モーターに電力を供給するためのケーブルが通過している。このケーブルは、関節部が駆動するごとに引張られたり、捩じられたりして機械的な負荷が掛かってしまうため、その負荷をできる限り抑制する必要がある。そこで、策としては、例えば、当該ケーブルを関節部内で特許文献1に記載されているように芯材に巻回する構成が考えられる。
特開2004−222436号公報
しかしながら、ケーブルを芯材に単に巻回するだけでは、その巻回状態は、ロボットを使用し続けるにつれて維持されなくなってしまい、機械的な負荷を抑制しきれず、遂には、ケーブルの破断につながるという問題が生じていた。
上記課題の少なくとも一つは、下記の本発明により解決される。
[適用例1]
本発明のロボットは、第1部材と、第2部材と、を有する芯部材を備え、
フラットケーブルが前記第1部材と前記第2部材とによって挟まれており、かつ、前記芯部材に巻回されていることを特徴とする。
これにより、フラットケーブルに対する機械的な負荷を抑制することができる。
[適用例2]
本発明のロボットでは、第nアームと、
前記第nアームに回動可能に設けられた第(n+1)アームと、を備え、
前記フラットケーブルは、前記第nアームと前記第(n+1)アームとに固定されているのが好ましい。
これにより、フラットケーブルの両端側をそれぞれ固定することができ、ロボットの稼動中のフラットケーブルに対する機械的な負荷を抑制することができる。
[適用例3]
本発明のロボットでは、前記芯部材は、前記第(n+1)アームの回動中心に配置されているのが好ましい。
これにより、ロボットの稼動中に第(n+1)アームがその回動中心周りに回動した場合、フラットケーブルに機械的な負荷が掛かることを抑制することができる。
[適用例4]
本発明のロボットでは、前記芯部材に設けられ、前記フラットケーブルを前記芯部材の外周に巻回するように規制する第1ガイド部を備えるのが好ましい。
これにより、フラットケーブルの芯部材への巻回状態が安定し、ロボットの稼動中のフラットケーブルに対する機械的な負荷を抑制することができる。
[適用例5]
本発明のロボットでは、前記芯部材を内側に配置する外筒部材を備えるのが好ましい。
これにより、外筒部材と芯部材との間でフラットケーブルを保護することができる。
[適用例6]
本発明のロボットでは、前記芯部材と前記外筒部材との間に位置し、前記フラットケーブルが収納された収納部と、
前記フラットケーブルを前記芯部材に固定する第1固定部と、
前記収納部と前記第1固定部との間に位置し、前記フラットケーブルの幅方向を規制する第2ガイド部と、を備え、
前記第2ガイド部によって規制される前記幅方向の長さは、前記収納部によって規制される前記幅方向の長さよりも短いのが好ましい。
これにより、フラットケーブルに対する規制を芯部材側から収納部側に向かって徐々に緩めることができ、フラットケーブルが収納部内で無理な力を受けることを抑制することができる。
[適用例7]
本発明のロボットでは、前記フラットケーブルを前記外筒部材に固定する第2固定部と、
前記収納部と前記第2固定部との間に位置し、前記フラットケーブルの幅方向を規制する第3ガイド部と、を備え、
前記第3ガイド部によって規制される前記幅方向の長さは、前記収納部によって規制される前記幅方向の長さよりも短いのが好ましい。
これにより、フラットケーブルに対する規制を第2固定部側から収納部側に向かって徐々に緩めることができ、フラットケーブルが収納部内で無理な力を受けることを抑制することができる。
[適用例8]
本発明のロボットでは、前記収納部に設けられ、前記フラットケーブルと接触し、前記回動可能なガイドローラーを備え、
前記収納部によって作られる空間のうち、前記ガイドローラーの回動軸よりも内側の空間は、前記幅方向において対称であるのが好ましい。
これにより、フラットケーブルが、ガイドローラーの回動軸よりも内側の空間内で移動しても、当該空間を画成する部材にほぼ均等に当たることができるため、フラットケーブルでの局所的な摩耗を抑制することができる。
[適用例9]
本発明のロボットでは、前記ガイドローラーは、複数設けられており、前記複数のガイドローラーを回動可能に支持する支持部材を備えるのが好ましい。
これにより、ロボットの稼動中に芯部材が回動した際、フラットケーブルは、ガイドローラーや支持部材とともに収納部内を円滑に移動することができ、フラットケーブルに対する機械的な負荷を抑制することができる。
[適用例10]
本発明のロボットでは、前記各ガイドローラーと前記支持部材とは、互いに独立して回動可能であるのが好ましい。
これにより、ロボットの稼動中に芯部材が回動した際、フラットケーブルは、ガイドローラーや支持部材とともに収納部内をより円滑に移動することができ、フラットケーブルに対する機械的な負荷をより抑制することができる。
[適用例11]
本発明のロボットでは、前記フラットケーブルは、前記複数のガイドローラーのうちの1つのガイドローラーで折り返されているのが好ましい。
これにより、ロボットの稼動中に芯部材が回動した際、フラットケーブルの折り返された部分は、ガイドローラーや支持部材とともに収納部内を円滑に移動することができ、フラットケーブルに対する機械的な負荷を抑制することができる。
[適用例12]
本発明のロボットでは、第n回動軸周りに回動可能に設けられた第nアームと、
前記第nアームに、前記第n回動軸の軸方向と異なる軸方向である第(n+1)回動軸周りに回動可能に設けられた第(n+1)アームと、を備え、
前記第nアームの長さは、前記第(n+1)アームの長さよりも長く、前記第(n+1)回動軸の軸方向から見て、前記第nアームと前記第(n+1)アームが重なることが可能であるのが好ましい。
これにより、第(n+1)アームの先端を第n回動軸周りに180°異なる位置に移動させる場合にロボットが干渉しないようにするための空間を小さくすることができる。
図1は、本発明のロボットの第1実施形態を示す正面図である。 図2は、図1に示すロボットの概略図である。 図3は、図1に示すロボットの側面図である。 図4は、図1に示すロボットの側面図である。 図5は、図1に示すロボットの動作を説明するための図である。 図6は、図1に示すロボットが備えるロボットアームの先端部の移動を説明するための図である。 図7は、図1に示すロボットが備えるロボットアームの先端部の内部構造の断面図である。 図8は、図1に示すロボットが備えるフラットケーブル保持ユニットの斜視図である。 図9は、図8に示すフラットケーブル保持ユニットとフラットケーブルとの位置関係を示す概略分解斜視図である。 図10は、図8に示すフラットケーブル保持ユニットにフラットケーブルが保持された状態を示す斜視図である。 図11は、図8に示すフラットケーブル保持ユニットにフラットケーブルが保持された内部構造の状態を示す概略図である。 図12は、図8に示すフラットケーブル保持ユニットとは別構成のフラットケーブル保持ユニットにフラットケーブルが保持された状態を示す斜視図である。 図13は、図12に示すフラットケーブル保持ユニットにフラットケーブルが保持された状態を示す横断面図である。 図14は、図13中のA−A線断面図である。 図15は、図12に示すフラットケーブル保持ユニットの分解斜視図である。
以下、本発明のロボットを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のロボットの第1実施形態を示す正面図である。図2は、図1に示すロボットの概略図である。図3および図4は、それぞれ、図1に示すロボットの側面図である。図5は、図1に示すロボットの動作を説明するための図である。図6は、図1に示すロボットが備えるロボットアームの先端部の移動を説明するための図である。図7は、図1に示すロボットが備えるロボットアームの先端部の内部構造の断面図である。図8は、図1に示すロボットが備えるフラットケーブル保持ユニットの斜視図である。図9は、図8に示すフラットケーブル保持ユニットとフラットケーブルとの位置関係を示す概略分解斜視図である。図10は、図8に示すフラットケーブル保持ユニットにフラットケーブルが保持された状態を示す斜視図である。図11は、図8に示すフラットケーブル保持ユニットにフラットケーブルが保持された内部構造の状態を示す概略図である。図12は、図8に示すフラットケーブル保持ユニットとは別構成のフラットケーブル保持ユニットにフラットケーブルが保持された状態を示す斜視図である。図13は、図12に示すフラットケーブル保持ユニットにフラットケーブルが保持された状態を示す横断面図である。図14は、図13中のA−A線断面図である。図15は、図12に示すフラットケーブル保持ユニットの分解斜視図である。
なお、以下では、説明の都合上、図1〜図5、図7中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言い、上下方向を「鉛直方向」とし、左右方向を「水平方向」とする。また、図1〜図5、図7中の基台側を「基端」または「上流」、その反対側(ハンド側)を「先端」または「下流」と言う。
図1に示すロボット(産業用ロボット)1は、ロボット本体(本体部)10と、ロボット本体10(ロボット1)の作動を制御する図示しないロボット制御装置(制御部)とを備えている。このロボット1は、例えば、腕時計のような精密機器等を製造する製造工程等で用いることができる。ロボット1は、当該精密機器やこれを構成する部品の給材、除材、搬送および組立等の作業を行うことができる。なお、ロボット制御装置は、ロボット本体10に内蔵されていてもよく、また、ロボット本体10とは、別体であってもよい。また、ロボット制御装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)が内蔵されたパーソナルコンピューター(PC)等で構成することができる。
ロボット本体10は、基台(支持部)11と、ロボットアーム5とを有している。ロボットアーム5は、第1アーム(第nアーム)12、第2アーム(第(n+1)アーム)13、第3アーム14、第4アーム15、第5アーム16および第6アーム17(6つのアーム)と、第1駆動源401、第2駆動源402、第3駆動源403、第4駆動源404、第5駆動源405および第6駆動源406(6つの駆動源)と、を備えている。なお、第6アーム17の先端には、例えば、腕時計等のような精密機器、部品等を把持するハンド91等のエンドエフェクターを着脱可能に取り付けることができるようになっている。
このようなロボット本体10を有するロボット1は、基台11と、第1アーム12と、第2アーム13と、第3アーム14と、第4アーム15と、第5アーム16と、第6アーム17とが基端側から先端側に向ってこの順に連結された垂直多関節(6軸)ロボットである。なお、以下では、第1アーム12、第2アーム13、第3アーム14、第4アーム15、第5アーム16および第6アーム17をそれぞれ「アーム」とも言う。また、第1駆動源401、第2駆動源402、第3駆動源403、第4駆動源404、第5駆動源405および第6駆動源406をそれぞれ「駆動源(駆動部)」とも言う。
図1に示すように、基台11は、例えば設置スペースとしての天井101の下面である天井面102に固定される部分(取り付けられる部材)である。この固定方法としては、特に限定されず、例えば、複数本のボルトによる固定方法等を採用することができる。
なお、本実施形態では、基台11の下部に設けられた板状のフランジ111が天井面102に取り付けられているが、基台11の天井面102への取り付け箇所は、これに限定されず、例えば、基台11の上面であってもよい。
また、基台11には、後述する関節171が含まれていてもよく、また、含まれていなくてもよい(図2参照)。
図1に示すように、ロボットアーム5は、基台11に対して回動可能に支持されており、アーム12〜17は、それぞれ、基台11に対し独立して変位可能に支持されている。
第1アーム12は、屈曲した形状をなしている。第1アーム12は、基台11に接続され、基台11から鉛直方向下方に延出した第1部分121と、第1部分121の下端から水平方向に延出した第2部分122と、第2部分122の第1部分121とは反対の端部に設けられ、鉛直方向に延出した第3部分123と、第3部分123の先端から水平方向に延出した第4部分124とを有している。なお、これら第1部分121、第2部分122、第3部分123および第4部分124は、一体で形成されている。また、第2部分122と第3部分123とは、図1の紙面手前から見て(後述する第1回動軸O1および第2回動軸O2の双方と直交する正面視で)、ほぼ直交(交差)している。
第2アーム13は、長手形状をなし、第1アーム12の先端部(第4部分124の第3部分123とは反対の端部)に接続されている。
第3アーム14は、長手形状をなし、第2アーム13の第1アーム12が接続されている端部とは反対の端部に接続されている。
第4アーム15は、第3アーム14の第2アーム13が接続されている端部とは反対の端部に接続されている。第4アーム15は、互いに対向する1対の支持部151、152を有している。支持部151、152は、第5アーム16との接続に用いられる。
第5アーム16は、支持部151、152の間に位置し、支持部151、152に接続されることで第4アーム15と連結している。なお、第5アーム16は、この構造に限らず、例えば、支持部が1つ(片持ち)であってもよい。
第6アーム17は、平板状をなし、第5アーム16の先端部に接続されている。また、第6アーム17の先端部(第5アーム16と反対側の端部)には、ハンド91が着脱可能に装着される。ハンド91としては、特に限定されず、例えば、複数本の指部(フィンガー)を有する構成のものが挙げられる。
なお、前述した各アーム12〜17の外装は、それぞれ、1つの部材で構成されていてもよいし、複数の部材で構成されていてもよい。
次に、図1および図2を参照しつつ、これらアーム12〜17の駆動とともに駆動源401〜406について説明する。なお、図2は、ロボット1の概略図を示しており、図1の右側から見た状態を示す。また、図2では、図1に示す状態からアーム13〜17を回動させた状態を示している。
図2に示すように、基台11と第1アーム12とは、関節(ジョイント)171を介して連結されている。関節171は、基台11に連結された第1アーム12を基台11に対し回動可能に支持する機構を有している。これにより、第1アーム12は、基台11に対し、鉛直方向と平行な第1回動軸(第n回動軸)O1を中心に(第1回動軸O1周りに)回動可能となっている。第1回動軸O1は、基台11が取り付けられた天井面102の法線と一致している。また、第1回動軸O1は、ロボット1の最も上流側にある回動軸である。この第1回動軸O1周りの回動は、モーター401Mを有する第1駆動源401の駆動によりなされる。また、第1駆動源401はモーター401Mとケーブル(図1、図2中では図示せず)によって駆動され、このモーター401Mは電気的に接続されたモータードライバー301を介してロボット制御装置により制御される。なお、第1駆動源401はモーター401Mとともに設けた減速機(図示せず)によってモーター401Mからの駆動力を伝達するように構成してもよく、また、減速機が省略されていてもよい。
また、第1アーム12と第2アーム13とは、関節(ジョイント)172を介して連結されている。関節172は、互いに連結された第1アーム12と第2アーム13のうちの一方を他方に対し回動可能に支持する機構を有している。これにより、第2アーム13は、第1アーム12に対し、水平方向と平行な第2回動軸(第(n+1)回動軸)O2を中心に(第2回動軸O2周りに)回動可能となっている。第2回動軸O2は、第1回動軸O1と直交している。この第2回動軸O2周りの回動は、モーター402Mを有する第2駆動源402の駆動によりなされる。また、第2駆動源402はモーター402Mとケーブル(図1、図2中では図示せず)によって駆動され、このモーター402Mは電気的に接続されたモータードライバー302を介してロボット制御装置により制御される。なお、第2駆動源402はモーター402Mとともに設けた減速機(図示せず)によってモーター402Mからの駆動力を伝達するように構成してもよく、また、減速機が省略されていてもよい。また、第2回動軸O2は、第1回動軸O1に直交する軸と平行であってもよく、また、第2回動軸O2は、第1回動軸O1と直交していなくても、軸方向が互いに異なっていればよい。
また、第2アーム13と第3アーム14とは、関節(ジョイント)173を介して連結されている。関節173は、互いに連結された第2アーム13と第3アーム14のうちの一方を他方に対し回動可能に支持する機構を有している。これにより、第3アーム14は、第2アーム13に対して、水平方向と平行な第3回動軸O3を中心に(第3回動軸O3周りに)回動可能となっている。第3回動軸O3は、第2回動軸O2と平行である。この第3回動軸O3周りの回動は、第3駆動源403の駆動によりなされる。また、第3駆動源403は、モーター403Mとケーブル(図1、図2中では図示せず)によって駆動され、このモーター403Mは電気的に接続されたモータードライバー303を介してロボット制御装置により制御される。なお、第3駆動源403はモーター403Mとともに設けた減速機(図示せず)によってモーター403Mからの駆動力を伝達するように構成してもよく、また、減速機が省略されていてもよい。
また、第3アーム14と第4アーム15とは、関節(ジョイント)174を介して連結されている。関節174は、互いに連結された第3アーム14と第4アーム15のうちの一方を他方に対し回動可能に支持する機構を有している。これにより、第4アーム15は、第3アーム14に対し、第3アーム14の中心軸方向と平行な第4回動軸O4を中心に(第4回動軸O4周りに)回動可能となっている。第4回動軸O4は、第3回動軸O3と直交している。この第4回動軸O4周りの回動は、第4駆動源404の駆動によりなされる。また、第4駆動源404は、モーター404Mとケーブル(図1、図2中では図示せず)によって駆動され、このモーター404Mは電気的に接続されたモータードライバー304を介してロボット制御装置により制御される。なお、第4駆動源404はモーター404Mとともに設けた減速機(図示せず)によってモーター404Mからの駆動力を伝達するように構成してもよく、また、減速機が省略されていてもよい。また、第4回動軸O4は、第3回動軸O3に直交する軸と平行であってもよく、また、第4回動軸O4は、第3回動軸O3と直交していなくても、軸方向が互いに異なっていればよい。
また、第4アーム15と第5アーム16とは、関節(ジョイント)175を介して連結されている。関節175は、互いに連結された第4アーム15と第5アーム16の一方を他方に対し回動可能に支持する機構を有している。これにより、第5アーム16は、第4アーム15に対し、第4アーム15の中心軸方向と直交する第5回動軸O5を中心に(第5回動軸O5周りに)回動可能となっている。第5回動軸O5は、第4回動軸O4と直交している。この第5回動軸O5周りの回動は、第5駆動源405の駆動によりなされる。また、第5駆動源405は、モーター405Mとケーブル(図1、図2中では図示せず)によって駆動され、このモーター405Mは電気的に接続されたモータードライバー305を介してロボット制御装置により制御される。なお、第5駆動源405はモーター405Mとともに設けた減速機(図示せず)によってモーター405Mからの駆動力を伝達するように構成してもよく、また、減速機が省略されていてもよい。また、第5回動軸O5は、第4回動軸O4に直交する軸と平行であってもよく、また、第5回動軸O5は、第4回動軸O4と直交していなくても、軸方向が互いに異なっていればよい。
また、第5アーム16と第6アーム17とは、関節(ジョイント)176を介して連結されている。関節176は、互いに連結された第5アーム16と第6アーム17の一方を他方に対し回動可能に支持する機構を有している。これにより、第6アーム17は、第5アーム16に対し、第6回動軸O6を中心に(第6回動軸O6周りに)回動可能となっている。第6回動軸O6は、第5回動軸O5と直交している。この第6回動軸O6周りの回動は、第6駆動源406の駆動によりなされる。また、第6駆動源406の駆動は、モーター406Mとケーブル(図1、図2中では図示せず)によって駆動され、このモーター406Mは電気的に接続されたモータードライバー306を介してロボット制御装置により制御される。なお、第6駆動源406はモーター406Mとともに設けた減速機(図示せず)によってモーター406Mからの駆動力を伝達するように構成してもよく、また、減速機が省略されていてもよい。また、第5回動軸O5は、第4回動軸O4に直交する軸と平行であってもよく、また、第6回動軸O6は、第5回動軸O5に直交する軸と平行であってもよく、また、第6回動軸O6は、第5回動軸O5と直交していなくても、軸方向が互いに異なっていればよい。
そして、このような駆動をするロボット1は、第6アーム17の先端部に接続されたハンド91で精密機器、部品等を把持したまま、アーム12〜17等の動作を制御することにより、当該精密機器、部品を搬送すること等の各作業を行うことができる。なお、ハンド91の駆動は、ロボット制御装置により制御される。
また、第3アーム14および第4アーム15の図1中の右側の二点鎖線で囲まれた領域(部分)103は、ロボット1がロボット1自身および他の部材と干渉しないか、または干渉し難い領域(部分)である。このため、前記領域103に、所定の部材を搭載した場合、その部材は、ロボット1および周辺装置等に干渉し難い。このため、ロボット1では、領域103に、所定の部材を搭載することが可能である。特に、領域103のうち、第3アーム14の図1中の右側の領域に前記所定の部材を搭載する場合は、その部材が作業台(図示せず)上に配置された周辺装置(図示せず)と干渉する確率はさらに低くなるので、より効果的である。
前記領域103に搭載可能なものとしては、例えば、ハンド、ハンドアイカメラ等のセンサーの駆動を制御する制御装置、吸着機構の電磁弁等が挙げられる。
具体例としては、例えば、ハンドに吸着機構を設ける場合、領域103に電磁弁等を設置すると、ロボット1が駆動する際に前記電磁弁が邪魔にならない。このように、領域103は、利便性が高い。
また、モータードライバー301〜306は、図示の構成では、基台11に配置されているが、これに限らず、例えば、ロボット制御装置に配置されていてもよい。
以上、ロボット1の構成について簡単に説明した。
次に、図3、図4、図5および図6を参照しつつ、アーム12〜17との関係について説明するが、表現等を変え、種々の視点から説明する。また、第3アーム14、第4アーム15、第5アーム16および第6アーム17については、これらを真っ直ぐに伸ばした状態、換言すれば、第4回動軸O4と第6回動軸O6とが一致しているか、または平行である状態で考えることとする。
まず、図3に示すように、第1アーム12の長さL1は、第2アーム13の長さL2よりも長く設定されている。
ここで、第1アーム12の長さL1とは、第2回動軸O2の軸方向から見て、第2回動軸O2と、第1アーム12を回動可能に支持する軸受部61(関節171が有する部材)の図3中の左右方向に延びる中心線611との間の距離である。また、第2アーム13の長さL2とは、第2回動軸O2の軸方向から見て、第2回動軸O2と、第3回動軸O3との間の距離である。
また、図4に示すように、ロボット1は、第2回動軸O2の軸方向から見て、第1アーム12と第2アーム13とのなす角度θを0°にすることが可能なように構成されている。すなわち、ロボット1は、第2回動軸O2の軸方向から見て、第1アーム12と第2アーム13とが重なることが可能なように構成されている。そして、第2アーム13は、角度θが0°の場合、すなわち、第2回動軸O2の軸方向から見て、第1アーム12と第2アーム13とが重なった場合、第2アーム13が第1アーム12の第2部分122および天井面102に干渉しないように構成されている。
ここで、前記第1アーム12と第2アーム13とのなす角度θとは、第2回動軸O2の軸方向から見て、第2回動軸O2と第3回動軸O3とを通る直線(第2回動軸O2の軸方向から見た場合の第2アーム13の中心軸)621と、第1回動軸O1とのなす角度である(図3参照)。
また、図4に示すように、ロボット1は、第2回動軸O2の軸方向から見て、第2アーム13と、第3アーム14とが重なることが可能なように構成されている。すなわち、ロボット1は、第2回動軸O2の軸方向から見て、第1アーム12と、第2アーム13と、第3アーム14とが同時に重なることが可能なように構成されている。
また、第3アーム14、第4アーム15、第5アーム16および第6アーム17の合計の長さL3は、第2アーム13の長さL2よりも長く設定されている。これにより、第2回動軸O2の軸方向から見て、第2アーム13と第3アーム14とを重ねたとき、第2アーム13からロボットアーム5の先端、すなわち、第6アーム17の先端を突出させることができる。これによって、ハンド91が、第1アーム12および第2アーム13と干渉することを防止することができる。
ここで、第3アーム14、第4アーム15、第5アーム16および第6アーム17の合計の長さL3とは、第2回動軸O2の軸方向から見て、第3回動軸O3と、第6アーム17の先端との間の距離である(図4参照)。この場合、第3アーム14、第4アーム15、第5アーム16および第6アーム17は、図4に示すような第4回動軸O4と第6回動軸O6とが一致しているか、または平行である状態である。
このようなロボット1は、図5(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に示すように、第1アーム12を回動させず、第2アーム13を回動させることにより、第2回動軸O2の軸方向から見て角度θが0°となる状態を経て、第2アーム13の先端を第1回動軸O1周りに180°異なる位置に移動させることが可能である。このため、ロボットアーム5の先端(第6アーム17の先端)を図5(a)に示す位置(第1位置)から、図5(c)に示すように第1アーム12と第2アーム13とが重なった状態を経て、ロボットアーム5の先端を図5(a)に示す位置とは第1回動軸O1周りに180°異なる図5(e)に示す位置(第2位置)に移動させることができる。このため、図6に示すように、ロボット1は、ハンド91を矢印57、58で示すように移動させる動作を行わずに、ハンド91を矢印56で示すように直線上に移動させる動作を行うことで、第2アーム13の先端を第1回動軸O1周りに180°異なる位置に移動させることができる。なお、この移動の際、第3アーム14、第4アーム15、第5アーム16および第6アーム17は、それぞれ、必要に応じて回動させる。
このようにロボットアーム5を駆動させることができるので、ロボット1が干渉しないようにするための空間(配置領域)を小さくすることができる。このため、図6に示すように、ロボット1を配置する配置領域の幅(水平方向の長さ)Wを、従来の幅WXより小さくすることができる。なお、幅Wは、例えば、幅WXの80%以下である。
また、ロボット1は、図5に示すようにハンド91を第1回動軸O1周りに180°異なる位置に移動させる際、ロボットアーム5の先端の高さをほぼ変化させずに(ほぼ一定のままで)ハンド91を移動させることができる。このため、ロボット1の配置領域の高さ(鉛直方向の長さ)を、従来の高さより低く、具体的には、例えば、従来の高さの80%以下にすることができる。
前述したように、各駆動源(モーター)に電力を供給するケーブルが接続されている。これらのケーブルには、図7に示すように、第5回動軸O5上でフラットケーブル保持ユニット(以下単に「保持ユニット」と言う)20Aによって保持された帯状をなすフラットケーブル18Aと、第6回動軸O6上でフラットケーブル保持ユニット(以下単に「保持ユニット」と言う)20Bによって保持された帯状をなすフラットケーブル18Bとがある。以下、保持ユニット20A、保持ユニット20Bについて説明する。
なお、保持ユニット20Aの周辺には、例えば、第5駆動源405が有する減速機405RGと、モーター405Mの軸部に連結されたプーリー66と、プーリー66に離間して配置され、減速機405RGの軸部に連結されたプーリー67と、プーリー66とプーリー67とに掛け渡されたベルト68とが配置されている。また、保持ユニット20Bの周辺には、例えば、第6駆動源406が有する減速機406RGが配置されている。
図8〜図11に示すように、保持ユニット20Aは、芯部材2Aと、ガイド部材(第1ガイド部)3Aと、外筒部材4Aと、蓋部材(第1蓋部材)50Aと、蓋部材(第2蓋部材)60Aとを有している。
芯部材2Aは、第1部材21と第2部材22とを有している。第1部材21と第2部材22とは、それぞれ、全体形状がほぼ半円柱状をなす部材である。そして、第1部材21の平坦面211と、第2部材22の平坦面221とを対向させて組み立てて、ねじ止めすることにより、全体として円柱状をなす芯部材2Aを構成することができる。また、この組立状態で、平坦面211と平坦面221との間に、フラットケーブル18Aを挟持することができる(図9参照)。
なお、フラットケーブル18Aの第1部材21と第2部材22とで挟持されている被挟持部183よりも一端側を「入力側181」と言い、それと反対の他端側を「出力側182」と言う。
また、フラットケーブル18Aは、被挟持部183から出力側182に向かうに従って、折り曲げて方向転換されている。そして、図11に示すように、出力側182は、芯部材2Aの外周部に渦巻き状に巻回されている。
図8、図9、図11に示すように、芯部材2Aには、フラットケーブル18Aとともにガイド部材3Aが挟持されている。ガイド部材3Aは、芯部材2Aに挟持される平板状をなす平板部31と、芯部材2Aの外周部の周囲方向に沿って当該外周部と同様に湾曲した湾曲部32を有している。この湾曲部32により、フラットケーブル18Aの出力側182を芯部材2Aの外周部に沿って巻回するように規制することができ、よって、出力側182の巻回状態が安定する。
第1部材21と第2部材22との組立状態における芯部材2Aの直径としては、フラットケーブル18Aの厚さや剛性(どの程度撓むか)にもよるが、例えば、10mm以上であるのが好ましく、10mm以上、80mm以下であるのがより好ましく、15mm以上、50mm以下であるのがさらに好ましい。
芯部材2Aの全長としては、フラットケーブル18Aの幅にもよるが、例えば、フラットケーブル18Aの幅の1倍以上、2倍以下であるのが好ましく、1.2倍以上、1.5倍以下であるのがより好ましい。
図8、図11に示すように、このような芯部材2Aは、外筒部材4Aの内側に配置される。外筒部材4Aは、円筒状をなす筒状部41と、筒状部41の一方側を覆うように設けられ、板状をなす板状部42とを有している。保持ユニット20Aでは、芯部材2Aと筒状部41と板状部42との間で、フラットケーブル18Aの出力側182を収納する収納部201が画成される。この収納部201により、フラットケーブル18Aの出力側182を保護することができる。
筒状部41は、その周方向の一部が欠損した欠損部411と、当該欠損部411から筒状部41の接線方向に延びるガイド部412とを有している。収納部201から欠損部411を介して外方に突出したフラットケーブル18Aの出力側182は、ガイド部412により、前記接線方向に案内された状態となる。これにより、出力側182をその接続先に向かって容易に引き回すことができる。
図10に示すように、蓋部材50Aは、筒状部41を板状部42と反対側から覆う部材である。この蓋部材50Aにより、フラットケーブル18Aが保護され、また、フラットケーブル18Aの出力側182が収納部201から飛び出してしまうのを防止することができる。なお、蓋部材50Aは、本実施形態では、芯部材2Aの第1部材21にねじ止めにより固定されている。
また、蓋部材50Aは、リング状をなしている。また、この蓋部材50Aには、表側に、厚さが減少するように欠損した欠損部が形成されており、当該欠損部が、芯部材2Aに挟持される以前のフラットケーブル18Aの入力側181を折り曲げて、芯部材2Aに向かうように案内するガイド部501として機能する。これにより、入力側181をその接続先から芯部材2Aに向かって容易に引き回すことができる。なお、蓋部材50Aでは、ガイド部501を省略することもできる。
蓋部材60Aは、外筒部材4Aのガイド部412によって案内されたフラットケーブル18Aの出力側182を覆う部材である。これにより、当該出力側182がガイド部412から飛び出してしまうのを防止することができる。
この蓋部材60Aは、本実施形態ではブロック状をなすブロック部材601と、板状をなす板部材602との2部材で構成されているが、これに限定されず、1部材で構成されていてもよい。
ブロック部材601は、外筒部材4Aの板状部42とともに、第5アーム16にねじ止めにより固定されている。また、板部材602は、ブロック部材601にねじ止めにより固定されている。
以上のような構成の保持ユニット20Aは、芯部材2Aが第5回動軸O5と同心的に配置され、第4アーム15にねじ止めで固定されており、外筒部材4Aが第5アーム16にねじ止めで固定されている。また、保持ユニット20Aは、このような固定状態で、前述したようにフラットケーブル18Aを保持している。また、フラットケーブル18Aは、入力側181が芯部材2Aと同様に第4アーム15に対して固定されており、出力側182が外筒部材4Aと同様に第5アーム16に対して固定されている。
そして、ロボット1の稼動中に第5アーム16が第5回動軸O5周りに回動した場合、フラットケーブル18Aは、引張られたり、捩じられたりして機械的な負荷が掛かり、芯部材2Aに対する巻回状態が解かれてしまいそうになる。しかしながら、芯部材2Aの挟持によって、前記巻回状態が解かれるのを防止することができる。これにより、前記巻回状態が維持され、よって、フラットケーブル18Aに対する機械的な負荷を緩和する、すなわち、抑制することができる。
なお、保持ユニット20Aは、前述したように芯部材2Aが第4アーム15に固定されており、外筒部材4Aが第5アーム16に固定されているのに限定されず、芯部材2Aが第5アーム16に固定されており、外筒部材4Aが第4アーム15に固定されていてもよい。
また、保持ユニット20Aでは、芯部材2Aに巻回されているフラットケーブル18Aに接触する部分が、フラットケーブル18Aよりも柔軟な材料で構成されるのが好ましい。これにより、フラットケーブル18Aを保護することができる。
また、芯部材2A、ガイド部材3A、外筒部材4A、蓋部材50A、蓋部材60Aの構成材料としては、特に限定されず、例えば、アルミニウムやステンレス鋼等のような各種金属材料を用いることができる。
次に、保持ユニット20Bについて説明するが、前述した保持ユニット20Aとの相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図12〜図15に示すように、保持ユニット20Bは、芯部材2Bと、外筒部材4Bと、蓋部材50Bと、ガイドリール70Bとを有している。この保持ユニット20Bは、芯部材2Bが第6回動軸O6と同心的に配置され、第6アーム17にねじ止めで固定されており、外筒部材4Bが第5アーム16にねじ止めで固定されている。
図13に示すように、芯部材2Bは、第1部材23と第2部材24と第3部材25とを有している。
第1部材23は、「C」字状をなし、その内側に、弓なり状をなす第2部材24が配置される。そして、第1部材23と第2部材24との間は、フラットケーブル18Bを挟持して、固定する固定部(第1固定部)26となっている。ロボット1の稼動中に第6アーム17が第6回動軸O6周りに回動した場合、固定部26により、フラットケーブル18Aの芯部材2Bに対する巻回状態が解かれるのを防止することができ、よって、前記巻回状態が維持されて、フラットケーブル18Aに対する機械的な負荷の抑制に寄与する。なお、固定部26では、第1部材23のフラットケーブル18Bを挟持する部分231と、第2部材24のフラットケーブル18Bを挟持する部分241とは、それぞれ、平面で構成されているのが好ましい。
第3部材25は、円柱状をなし、第2部材24とともに第1部材23の内側に配置されている。
図14に示すように、芯部材2B(第1部材23)の外周部には、その周方向に沿った溝27が形成されている。この溝27は、第6回動軸O6側から順に幅(図14中の上下方向の長さ)が段階的に増大しており、幅が最小であり、後述するガイド部28として機能する最小幅部と、幅が最大の最大幅部272と、ガイド部28と最大幅部272の間の幅の中間幅部271とを有している。そして、中間幅部271が、フラットケーブル18Bの出力側182のほとんどの部分を収納する収納部201として機能する。
また、図13に示すように、収納部201と固定部26との間には、フラットケーブル18Bをその幅方向(第6回動軸O6方向)に規制するガイド部(第2ガイド部)28が位置している。図14に示すように、ガイド部28は、第1部材23と第2部材24との間で画成されている。そして、フラットケーブル18Bがこのガイド部28によって規制される幅方向の長さW28は、フラットケーブル18Bが収納部201(中間幅部271)によって規制される幅方向の長さW271よりも短い。これにより、フラットケーブル18Bに対する規制を固定部26から収納部201に向かって徐々に緩めることができ、よって、フラットケーブル18Bが収納部201内で無理な力を受けるのを防止することができる。また、収納部201内では、フラットケーブル18Bの摩耗もできる限り防止することができる。
図13に示すように、外筒部材4Bは、円筒状をなし、内周部からその接線方向に沿った形成された第1スリット43と、第1スリット43に連通し、外筒部材4Bの周方向に沿って形成された第2スリット44とを有している。
第2スリット44は、収納部201に向かう途中のフラットケーブル18Bの入力側181を挟持して固定する固定部(第2固定部)として機能する。この固定により、入力側181が引張られたとしても、当該入力側181が保持ユニット20Bから引き出されてしまうのを防止することができる。
第2スリット44と収納部201との間に位置する第1スリット43は、フラットケーブル18Bの幅方向を規制するガイド部(第3ガイド部)として機能する。そして、図14に示すように、フラットケーブル18Bがこの第1スリット43によって規制される幅方向の長さW43は、フラットケーブル18Bが収納部201(中間幅部271)によって規制される幅方向の長さW271よりも短い。これにより、フラットケーブル18Bに対する規制を、固定部である第2スリット44から収納部201に向かって徐々に緩めることができ、よって、フラットケーブル18Bが収納部201内で無理な力を受けるのを防止することができる。
図13、図14に示すように、収納部201には、ガイドリール70Bが設けられている。図15に示すように、ガイドリール70Bは、複数(図示の構成では8つ)のガイドローラー7と、これらのガイドローラー7を一括して回動可能に支持する支持部材8を有する。なお、ガイドローラー7の設置数は、本実施形態では8つであるが、これに限定されず、例えば、1〜7つであってもよいし、9つ以上であってもよい。
支持部材8は、円環状をなし、芯部材2Bと同心的に配置された第1リング81および第2リング82と、第1リング81から第2リング82に突出した複数(図示の構成では8つ)の軸部83とを有している。各軸部83は、第1リング81の周方向に沿って等間隔に配置されており、第1リング81と反対側で第2リング82に接続、固定されている。各軸部83は、ガイドローラー7を挿通している。これにより、各ガイドローラー7は、軸部83周りに回動することができる。また、支持部材8自体も、各ガイドローラー7と独立して、第6回動軸O6周りに回動可能である。
各ガイドローラー7は、フラットケーブル18Bと接触するものである。また、これらのガイドローラー7のうちの1つのガイドローラー7で、フラットケーブル18Bが「U」字状に折り返されている。ロボット1の稼動中に第6アーム17が第6回動軸O6周りに回動した際、フラットケーブル18Bの前記「U」字状に折り返された折り返し部184は、ガイドリール70Bごと収納部201内を円滑に移動することができる。これにより、フラットケーブル18Bに対する機械的な負荷を抑制することができる。
図14に示すように、収納部201によって作られる空間のうち、ガイドローラー7の回動軸(軸部83)よりも内側の空間202は、その幅方向(図14中の上下方向)の中心線O202に関して、対称的に形成されている。これにより、フラットケーブル18Bが空間202内で移動しても、ガイドローラー7の側面部や中間幅部271にほぼ均等に当たることができるため、フラットケーブル18Bでの局所的な摩耗を防止することができる。
なお、支持部材8の構成は、図15に示す構成のものに限定されず、例えば、以下の構成のものであってもよい。
(1)第1リング81および第2リング82にそれぞれ8つの軸部83が突出した構成のもの。
(2)第1リング81には4つの軸部83が突出し、第2リング82には4つの軸部83が突出し、第1リング81側の軸部83と、第2リング82側の軸部83とが、支持部材8の周方向に沿って交互に配置された構成のもの。
(3)第2リング82を省略し、それに代えて、第1リング81の各軸部83に装着して、ガイドローラー7を押さえるキャップを有する構成のもの。
図12に示すように、蓋部材50Bは、外筒部材4Bをその一方側から覆う円盤状の部材である。この蓋部材50Bの裏面側、すなわち、フラットケーブル18B側には、フラットケーブル18Bが収納部201から飛び出してしまうのを防止する凸部503が突出して形成されている。凸部503は、芯部材2Bの第3部材25の周方向に沿ったリング状をなしている。なお、蓋部材50Bは、本実施形態では、芯部材2Bの第3部材25にねじ止めにより固定されている。
また、蓋部材50Bには、フラットケーブル18Bの出力側182が挿通する挿通孔502が形成されている。
芯部材2B、外筒部材4B、蓋部材50B、ガイドリール70Bの構成材料としては、特に限定されず、例えば、アルミニウムやステンレス鋼等のような各種金属材料を用いることができる。
以上、保持ユニット20Aおよび保持ユニット20Bについて説明した。
なお、保持ユニット20Aは、前述したように第5回動軸O5上に配置して用いられているが、これに限定されず、例えば、第1回動軸O1、第2回動軸O2、第3回動軸O3、第4回動軸O4、第6回動軸O6のいずれの回動軸上にも配置して用いることができる。
同様に、保持ユニット20Bは、前述したように第6回動軸O6上に配置して用いられているが、これに限定されず、例えば、第1回動軸O1、第2回動軸O2、第3回動軸O3、第4回動軸O4、第5回動軸O5のいずれの回動軸上にも配置して用いることができる。
以上、本発明のロボットを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、ロボットを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、前記実施形態では、ロボットが有するロボットアームの回動軸の数は、6つであるが、本発明では、これに限定されず、ロボットアームの回動軸の数は、例えば、2つ、3つ、4つ、5つまたは7つ以上でもよい。
また、前記実施形態では、ロボットが有するロボットアームの数は、1つであるが、本発明では、これに限定されず、ロボットが有するロボットアームの数は、例えば、2つ以上でもよい。すなわち、ロボットは、例えば、双腕ロボット等の複数腕ロボットであってもよい。また、本発明では、ロボット(ロボット本体)は、他の形式のロボットであってもよい。具体例としては、例えば、脚部を有する脚式歩行(走行)ロボット等が挙げられる。
また、前記実施形態では、特許請求の範囲に規定した第n回動軸、第nアーム、第(n+1)回動軸、第(n+1)アームの条件(関係)について、nが1の場合、すなわち、第1回動軸、第1アーム、第2回動軸、第2アームにおいて、その条件を満たす場合について説明したが、本発明では、これに限らず、nは、1以上の整数であり、nが1以上の任意の整数において、前記nが1の場合と同様の条件を満たしていればよい。したがって、例えば、nが2の場合、すなわち、第2回動軸、第2アーム、第3回動軸、第3アームにおいて、前記nが1の場合と同様の条件を満たしていてもよく、また、nが3の場合、すなわち、第3回動軸、第3アーム、第4回動軸、第4アームにおいて前記nが1の場合と同様の条件を満たしていてもよく、また、nが4の場合、すなわち、第4回動軸、第4アーム、第5回動軸、第5アームにおいて前記nが1の場合と同様の条件を満たしていてもよく、また、nが5の場合、すなわち、第5回動軸、第5アーム、第6回動軸、第6アームにおいて前記nが1の場合と同様の条件を満たしていてもよい。
また、前記実施形態では、第nアームの長さを第(n+1)アームの長さよりも長くすることにより、第(n+1)回動軸の軸方向から見て第nアームと第(n+1)アームとが重なることを可能にしたが、第(n+1)回動軸の軸方向から見て第nアームと第(n+1)アームとが重なることが可能であれば、第nアームの長さが第(n+1)アームの長さよりも短い構成や、第nアームの長さが第(n+1)アームの長さと等しい構成でもよい。
1……ロボット
10……ロボット本体
2A、2B……芯部材
21……第1部材
211……平坦面
22……第2部材
221……平坦面
23……第1部材
231……部分
24……第2部材
241……部分
25……第3部材
26……固定部(第1固定部)
27……溝
271……中間幅部
272……最大幅部
28……ガイド部(第2ガイド部)
3A……ガイド部材(第1ガイド部)
31……平板部
32……湾曲部
4A、4B……外筒部材
41……筒状部
411……欠損部
412……ガイド部
42……板状部
43……第1スリット
44……第2スリット
5……ロボットアーム
56、57、58……矢印
61……軸受部
611……中心線
621……直線
66、67……プーリー
68……ベルト
7……ガイドローラー
8……支持部材
81……第1リング
82……第2リング
83……軸部
91……ハンド
11……基台
111……フランジ
12……第1アーム
121……第1部分
122……第2部分
123……第3部分
124……第4部分
13……第2アーム
14……第3アーム
15……第4アーム
151、152……支持部
16……第5アーム
17……第6アーム
171、172、173、174、175、176……関節
18A、18B……フラットケーブル
181……入力側
182……出力側
183……被挟持部
184……折り返し部
20A、20B……フラットケーブル保持ユニット(保持ユニット)
201……収納部
202……空間
50A、50B……蓋部材
501……ガイド部
502……挿通孔
503……凸部
60A……蓋部材
601……ブロック部材
602……板部材
70B……ガイドリール
101……天井
102……天井面
103……領域
301、302、303、304、305、306……モータードライバー
401……第1駆動源
401M……モーター
402……第2駆動源
402M……モーター
403……第3駆動源
403M……モーター
404……第4駆動源
404M……モーター
405……第5駆動源
405M……モーター
405RG……減速機
406……第6駆動源
406M……モーター
406RG……減速機
L1、L2、L3……長さ
O1……第1回動軸
O2……第2回動軸
O3……第3回動軸
O4……第4回動軸
O5……第5回動軸
O6……第6回動軸
202……中心線
θ……角度
W、WX……幅
28、W271、W43……長さ

Claims (12)

  1. 第1部材と、第2部材と、を有する芯部材を備え、
    フラットケーブルが前記第1部材と前記第2部材とによって挟まれており、かつ、前記芯部材に巻回されていることを特徴とするロボット。
  2. 第nアームと、
    前記第nアームに回動可能に設けられた第(n+1)アームと、を備え、
    前記フラットケーブルは、前記第nアームと前記第(n+1)アームとに固定されている請求項1に記載のロボット。
  3. 前記芯部材は、前記第(n+1)アームの回動中心に配置されている請求項2に記載のロボット。
  4. 前記芯部材に設けられ、前記フラットケーブルを前記芯部材の外周に巻回するように規制する第1ガイド部を備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載のロボット。
  5. 前記芯部材を内側に配置する外筒部材を備える請求項1ないし4のいずれか1項に記載のロボット。
  6. 前記芯部材と前記外筒部材との間に位置し、前記フラットケーブルが収納された収納部と、
    前記フラットケーブルを前記芯部材に固定する第1固定部と、
    前記収納部と前記第1固定部との間に位置し、前記フラットケーブルの幅方向を規制する第2ガイド部と、を備え、
    前記第2ガイド部によって規制される前記幅方向の長さは、前記収納部によって規制される前記幅方向の長さよりも短い請求項5に記載のロボット。
  7. 前記フラットケーブルを前記外筒部材に固定する第2固定部と、
    前記収納部と前記第2固定部との間に位置し、前記フラットケーブルの幅方向を規制する第3ガイド部と、を備え、
    前記第3ガイド部によって規制される前記幅方向の長さは、前記収納部によって規制される前記幅方向の長さよりも短い請求項6に記載のロボット。
  8. 前記収納部に設けられ、前記フラットケーブルと接触し、前記回動可能なガイドローラーを備え、
    前記収納部によって作られる空間のうち、前記ガイドローラーの回動軸よりも内側の空間は、前記幅方向において対称である請求項6または7に記載のロボット。
  9. 前記ガイドローラーは、複数設けられており、前記複数のガイドローラーを回動可能に支持する支持部材を備える請求項8に記載のロボット。
  10. 前記各ガイドローラーと前記支持部材とは、互いに独立して回動可能である請求項9に記載のロボット。
  11. 前記フラットケーブルは、前記複数のガイドローラーのうちの1つのガイドローラーで折り返されている請求項9または10に記載のロボット。
  12. 第n回動軸周りに回動可能に設けられた第nアームと、
    前記第nアームに、前記第n回動軸の軸方向と異なる軸方向である第(n+1)回動軸周りに回動可能に設けられた第(n+1)アームと、を備え、
    前記第nアームの長さは、前記第(n+1)アームの長さよりも長く、前記第(n+1)回動軸の軸方向から見て、前記第nアームと前記第(n+1)アームが重なることが可能である請求項1ないし11のいずれか1項に記載のロボット。
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