JP5954706B2 - 関節装置及びリンク機構 - Google Patents
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例えば、特許文献1には、ロボットハンドのベース部と指構造体とを連結するMP関節部に、ロール方向に回転するMPロール関節部とピッチ方向に回転するMPピッチ関節部とを設け、MPロール関節部はロール方向に回転するMPロールプーリを含み、MPピッチ関節部は指構造体に固定されてピッチ方向に回転する第1MPピッチプーリを含み、上記したプーリをそれぞれ独立してワイヤで駆動する構造としたロボットハンドの技術が開示されている。
また、本発明は、上記の関節装置に適し、かつ慣性力が小さく応答性に優れたリンク機構を提供することを目的とする。
1.2つの軸線の周りに回動可能な関節装置において、
第1軸線の周りに回動可能な外側プーリを一体的に有する第1回動体と、
上記外側プーリをその外周部間にわたって通る第2軸線の周りで回動可能に上記第1回動体に接続された第2回動体とを備え、
上記外側プーリは開放部を有し、
該開放部には、上記第2回動体に一体的に設けられ、上記第2軸線の周りで回動可能な内側プーリが配置されており、
上記第1回動体は、上記第2回動体の内側プーリの外周部に対向して該内側プーリの両側にそれぞれ配置され、上記第2回動体の内側プーリを回動させるワイヤを案内するためのワイヤガイド手段を有することを特徴とする関節装置。
上記の構成により、軸間干渉の発生を抑制すると共に小型化を実現した関節装置を得ることができる。
また、上記の構成によれば、第1回動体が第1軸線周りに回動し、したがって、内側プーリが第1軸線周りに回動した場合でも、第2回動体を回動させるためのワイヤと内側プーリとの係合状態を確実に維持することができる。
上記の構成によれば、軸間干渉の発生をさらに有利に抑制することができる。
前記内側プーリと一体になると共に前記第2軸線を軸芯とし前記第1回動体の外側プーリをその外周部間にわたって貫通する軸と、
該軸の両端部それぞれと一体になる一対のブラケットと
を有し、
上記一対のブラケットはそれぞれ、上記軸の両端部に連続する丸皿形状部と、該丸皿形状部から第2軸線の方向に延びる2本の脚部とを有する、上記1又は2に記載の関節装置。
上記の構成によれば、第2回動体をブラケットによって外部のリンクに接続することができると共に、その際、外側プーリを回動させるためのワイヤと第2軸線とを交差させることができ、その結果、軸間干渉の発生をさらに有利に抑制することができる。
該一組のガイドプーリは、互いに外周部を対向させて配置された、上記1〜3のいずれかに記載の関節装置。
上記の構成によれば、ワイヤガイド手段を簡便な構造で実現することができる。
前記第1回動体が前記第1軸線の周りで回動可能に接続される第1リンクと、
上記第1リンクに配置された一対の第1アクチュエータと、
上記第1回動体の外側プーリの外周部に係合されると共に、両端部がそれぞれ上記一対の第1アクチュエータに接続された第1ワイヤとを備え、また、
上記第1リンクに配置された一対の第2アクチュエータと、
前記第2回動体の内側プーリの外周部に係合されると共に、両端部がそれぞれ上記一対の第2アクチュエータに接続された第2ワイヤと、
上記第2回動体が一体的に接続される第2リンクと
を備えたことを特徴とするリンク機構。
上記の構成により、本発明の関節装置に適し、かつ慣性力が小さく応答性に優れたリンク機構を得ることができる。
また、本発明によれば、上記の関節装置に適し、かつ慣性力が小さく応答性に優れたリンク機構を提供することができる。
まず、本発明に係る関節装置について、図1〜4を用いて例示説明する。図1は本発明に係る関節装置の例を示す斜視図である。図2は図1のA−A断面図、図3は図1のB−B断面図を示す。図4は、本発明に係る関節装置の例における第2回動体の軸及びブラケットの斜視図である。
また、10は第2回動体4の軸、10aはこの軸の両端部、11はブラケット、11aは丸皿形状部、11bはブラケット11の脚部である。なお、12〜15は軸受、16は止めねじを示す。
さらに、17はガイドプーリ(ワイヤガイド手段)であり、17aでガイドプーリの外周部を示す。
ここに、「第2軸線が外側プーリをその外周部間にわたって通る」とは、第2軸線Yが外側プーリ2の溝6も含めた外周部2aの任意の2点を通ることを意味する。
また、外側プーリの「開放部」は、図示した例のように中央領域が両側面2bのみならず、上方にも開放した構造とすることが好ましいが、例えば、両側面2bのみに開放する構造や、両側面2b、上方及び下方に開放した構造とすることもできる。また、外側プーリ2の厚みをより大きくすることで、例えば、上方のみに開放した構造としたり、一側面のみに開放した構造としたり、上方及び一側面のみに開放した構造とすることもできる。
上方にも開放した構造とした場合には、その開放部に内側プーリ5の回動角度を測定するためのポテンショメータやエンコーダなどの機器を設置することができる。この場合、必要な設置領域の大きさに応じて、内側プーリ5の外周部5aを適宜切り欠いて開放部2cを拡大してもよい。また、両側面2bのみに開放する構造とした場合には、外側プーリ2の回動可能角度を拡大することができる。さらに、両側面2b、上方及び下方に開放した構造とした場合には、例えば、この下方に開放した領域にブラケットを配置し、このブラケットを介して第2回動体4を下方に設けた外部のリンクに一体化することができる。
また、「開放部に配置」とは、内側プーリ5が開放部2c内に完全に収まる配置のみを意味するのではなく、図1、図3に示すように、内側プーリ5が外側プーリ2の両側面2bより若干第1軸線方向の外側にはみ出てもよいことは勿論、第2軸線Yが外側プーリ2をその外周部2a間にわたって通るという第2軸線Yの条件が満たされる限り、内側プーリ5が外側プーリ2の外周部2aより若干上下方向にはみ出る配置も含む。
特に、2つの軸線X,Yを同一平面内に配置することによって、これらの軸線間の距離を0にした場合には、軸間干渉の発生を特に有利に抑制することができる。
なお、上記の軸間干渉とは、内側プーリ5を回動させた状態で外側プーリ2を回動させる際にその外側プーリ2を回動させるための駆動力の一部が内側プーリ5を回動させる力として作用してしまったり、逆に外側プーリ2を回動させた状態で内側プーリ5を回動させる際にその内側プーリ5を回動させるための駆動力の一部が外側プーリ2を回動させる力として作用してしまい、応答性の低下を招く現象を意味する。
なお、2つの軸線X,Yは、図示したように互いに直交した配置とすることが好ましい。また、第1回動体3は、外側プーリ2と一体的に設けられた枠体8を有することができ、この枠体8には、第1軸線Xを軸芯とする軸9を設けることができる。
このようにすることで、外側プーリ2の回動軸線Xと内側プーリ5の回動軸線Yとの間の距離をさらに減少させることができ、その結果、軸間干渉の発生をさらに有利に抑制することができる。
ここに、「第1軸線が内側プーリをその外周部間にわたって通る」とは、第1軸線Xが内側プーリ5の溝7も含めた外周部5aの任意の2点を通ることを意味する。
また、丸皿形状部11aは、好ましくは、球冠体形状とし、その曲率を外側プーリの外周部2aの少なくとも隣接する領域における曲率と同一とする。このようにすることで、第2回動体4の第1回動体3に対する回転角度の如何に関わらず、外側プーリ2を回動させるためのワイヤから外側プーリ2に安定して駆動力を伝達することができる。
さらに、ワイヤガイド手段17はそれぞれ、第1回動体3に軸支された一組のガイドプーリ17を有し、この一組のガイドプーリ17は、互いに外周部17aを対向させて配置されることが好ましい。
このようなガイド手段17を設けることにより、第1回動体3が第1軸線X周りに回動し、したがって、内側プーリ5が第1軸線X周りに回動した場合でも、第2回動体4を回動させるためのワイヤと内側プーリ5との係合状態を確実に維持することができると共に、上記ワイヤの内側プーリ5に対する侵入角度を一定に保つことができる。
図5は、本発明に係るリンク機構の例についての、前掲図2に対応する方向における一部断面図である。図6は、同じく本発明に係るリンク機構の例についての、前掲図3に対応する方向における一部断面図である。
図中、18はリンク機構、19は第1リンク、20は第1アクチュエータ、21は第1ワイヤ、22は第2アクチュエータ、23は第2ワイヤ、24は第2リンクである。また、21aは第1ワイヤ21の両端部、23aは第2ワイヤ23の両端部を示す。
なお、25,26はポテンショメータである。また、図1〜4に示した構成と同一の構成は同一の符号で示す。
また、本発明に係るリンク機構18は、第1リンク19に配置された一対の第2アクチュエータ22と、第2回動体4の内側プーリ5の外周部5aに係合されると共に、両端部23aがそれぞれ一対の第2アクチュエータ22に接続された第2ワイヤ23と、第2回動体4が一体的に接続される第2リンク24とを備える。
また、一対の第1アクチュエータ14は互いに平行に配置されることが好ましい。
さらに、一対の第2アクチュエータ22は、図示したように、互いに角度をなして配置されることが好ましい。このように角度をなして配置することで、内側プーリ5を第2ワイヤ23で安定して回動させることができる。
また、第1ワイヤ21は、外側プーリ2の外周部2aに溝6を設け、この溝6に係合させることが好ましく、第1ワイヤ21を溝6上の所定の位置にねじ等で係止することがより好ましい。あるいは、第1ワイヤ21を長さ方向に2分割した構造とし、それぞれの両端を、第1アクチュエータ20と外側プーリ2の外周部2aとに固定することもできる。
なお、第2ワイヤ23についても、第1ワイヤ21について上述したところと同様である。
また、本発明においてワイヤとは、必ずしも金属製の索体である必要はなく、張力を負担できる非伸長性の索体であればよい。
また、リンク機構18を人工手首として用いる場合には、直径が比較的大きく、したがって回動可能角度が比較的小さい外側プーリ2の回動を尺側/橈側偏位に対応させ、反対に直径が比較的小さく、したがって回動可能角度が比較的大きい内側プーリ5の回動を屈曲/伸展に対応させることが好ましい。
また、上述したリンク機構18の第2リンク24に別途、1自由度を有する関節装置を接続することで、3自由度を有するリンク機構として利用することもできる。
発明例では、図5及び図6に示した構造の関節装置1及びリンク機構18を用いた。第1軸線Xと第2軸線Yとの間の距離は、0mmとした。また、プーリ径は、外側プーリを66mm、内側プーリを26mmとした。第1ワイヤ21及び第2ワイヤ23の直径はいずれも1mmとした。
なお、図7及び図8において、38は2個一組のガイドプーリであり、39は単独のガイドプーリを示す。40、41はポテンショメータである。
また、発明例及び比較例の関節装置それぞれについて、上述した動作とは逆に、第1回動体を最大角度に回動させた状態で、第2回動体を駆動するアクチュエータにステップ指令を与えて第2回動体を最大角度に回動させた場合の角度変化を調べた。その結果をそれぞれ図11及び図12に示す。
以上の結果により、本発明に係る関節装置及びリンク機構によれば、軸間干渉の発生を格段に抑制できることが確認された。
2 外側プーリ
2a 外側プーリの外周部
2b 外側プーリの両側面
2c 外側プーリの開放部
3 第1回動体
4 第2回動体
5 内側プーリ
5a 内側プーリの外周部
6 外側プーリの溝
7 内側プーリの溝
8 第1回動体3の枠体
9 第1回動体の軸
10 第2回動体の軸
10a 第2回動体の軸の両端部
11 ブラケット
11a 丸皿形状部
11b ブラケットの脚部
12〜15 軸受
16 止めねじ
17 ガイドプーリ(ワイヤガイド手段)
17a ガイドプーリの外周部
18 リンク機構
19 第1リンク
20 第1アクチュエータ
21 第1ワイヤ
21a 第1ワイヤ21の両端部
22 第2アクチュエータ
23 第2ワイヤ
23a 第2ワイヤ23の両端部
24 第2リンク
25,26 ポテンショメータ
X 第1軸線
Y 第2軸線
Claims (5)
- 2つの軸線の周りに回動可能な関節装置において、
第1軸線の周りに回動可能な外側プーリを一体的に有する第1回動体と、
上記外側プーリをその外周部間にわたって通る第2軸線の周りで回動可能に上記第1回動体に接続された第2回動体とを備え、
上記外側プーリは開放部を有し、
該開放部には、上記第2回動体に一体的に設けられ、上記第2軸線の周りで回動可能な内側プーリが配置されており、
上記第1回動体は、上記第2回動体の内側プーリの外周部に対向して該内側プーリの両側にそれぞれ配置され、上記第2回動体の内側プーリを回動させるワイヤを案内するためのワイヤガイド手段を有することを特徴とする関節装置。 - 前記第1軸線は、前記内側プーリをその外周部間にわたって通る、請求項1に記載の関節装置。
- 前記第2回動体は、
前記内側プーリと一体になると共に前記第2軸線を軸芯とし前記第1回動体の外側プーリをその外周部間にわたって貫通する軸と、
該軸の両端部それぞれと一体になる一対のブラケットと
を有し、
上記一対のブラケットはそれぞれ、上記軸の両端部に連続する丸皿形状部と、該丸皿形状部から第2軸線の方向に延びる2本の脚部とを有する、請求項1又は2に記載の関節装置。 - 前記ワイヤガイド手段はそれぞれ、前記第1回動体に軸支された一組のガイドプーリを有し、
該一組のガイドプーリは、互いに外周部を対向させて配置された、請求項1〜3のいずれか一項に記載の関節装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の関節装置と、
前記第1回動体が前記第1軸線の周りで回動可能に接続される第1リンクと、
上記第1リンクに配置された一対の第1アクチュエータと、
上記第1回動体の外側プーリの外周部に係合されると共に、両端部がそれぞれ上記一対の第1アクチュエータに接続された第1ワイヤとを備え、また、
上記第1リンクに配置された一対の第2アクチュエータと、
前記第2回動体の内側プーリの外周部に係合されると共に、両端部がそれぞれ上記一対の第2アクチュエータに接続された第2ワイヤと、
上記第2回動体が一体的に接続される第2リンクと
を備えたことを特徴とするリンク機構。
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