JP2015168037A - ロボット関節構造及びロボット装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】関節動作角を拡大できるとともに小型化が可能であり、ケーブル配線の回転軸への巻き付きによる捻れ及び回転軸へのケーブル配線の接触を回避するロボット関節構造を得ること。
【解決手段】コイル型ケーブル1を入力側筐体7に固定する入力側クランプ4と、入力側筐体7の外部に固定され、コイル型ケーブル1が摺動ように案内するガイド8と、コイル型ケーブル1を出力側筐体12の回転軸上に固定する出力側クランプ3と、を備え、コイル型ケーブル1は、クランク軸2の周りを周回するように予めコイル型に成型され、入力側クランプ4とガイド8との間に弛み1aを有しており、出力側筐体12の回転に伴ってコイル型ケーブル1に生じた捻れがガイド8に沿ってコイル型ケーブル1を摺動する力に変換され、周回の数を増減させるようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、配線ケーブルの捻れ負荷を軽減するロボット関節構造及びロボット装置に関する。
従来、ロボットの関節部のケーブル配線においては、回転軸による捻れや接触による疲労を軽減させるために、円筒部にクッションのような緩衝材を設置している(例えば、特許文献1参照。)。
また、従来のロボット関節部のケーブル配線は、回転軸にケーブルが巻き付くように構成されており、巻き付きによるケーブルの捻れや接触による負荷を軽減するために駆動軸間に回転軸に回転自在となる支持部材を設けることにより、ケーブルの回転軸への接触や巻き付きを防止している(例えば、特許文献2参照。)。
特開2003−79043号公報 特開平10−34587号公報
従来のロボット関節部は、回転軸にケーブル配線を巻き付けなければならないという点から、巻き付きを軽減するために、回転軸へ緩衝材や支持部材を設置したり、ケーブル保護のため関節動作角を規制する必要があるという問題があった。
また、回転軸へ緩衝材や支持部材を設置したり、ケーブルの可動空間を確保することによって関節部が大きくなってしまうという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、関節動作角を拡大できるとともに小型化が可能なロボット関節構造を得ることを目的とする。また、ケーブル配線の回転軸への巻き付きによる捻れ及び回転軸へのケーブル配線の接触を回避するロボット関節構造及びロボット装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、駆動源及び該駆動源に接続されるクランク軸が内蔵される入力側筐体と、クランク軸に接続されることにより入力側筐体に対し回転可能に支持される出力側筐体と、入力側筐体と出力側筐体との間に固定されるケーブルとを備えるロボット関節構造であって、入力側筐体に設置されてケーブルを入力側筐体に固定する入力側クランプと、入力側筐体の外部に設置され、ケーブルが摺動するように案内するガイドと、出力側筐体に設置されてケーブルを出力側筐体の回転軸上に固定する出力側クランプと、を備え、ケーブルは、クランク軸の周りを周回するように予めコイル型に成型され、入力側クランプとガイドとの間に弛みを有しており、出力側筐体の回転に伴ってケーブルに生じた捻れがガイドに沿ってケーブルを摺動する力に変換され、周回の数を増減させるようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、ロボット関節部の回転軸へのケーブル配線の巻き付きを回避してロボット関節動作角を拡大できるとともに、ロボット関節部の小型化が可能であるという効果を奏する。
図1は、本発明にかかるロボット関節構造の実施の形態を適用した垂直多関節ロボットの構成を示す図である。 図2は、リストの内部の構造を示す図である。 図3は、リストの内部の構造を示す図である。 図4は、実施の形態にかかる関節構造の入力軸を正回転させた状態を示す図である。 図5は、実施の形態にかかる関節構造の入力軸を正回転させた状態を示す図である。 図6は、実施の形態に係る関節構造の入力軸を逆回転させた状態を示す図である。 図7は、出力側筐体を正回転させることによってコイル型ケーブルの巻き数が増える状態を示す図である。
以下に、本発明にかかるロボット関節構造及びロボット装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は、本発明にかかるロボット関節構造の実施の形態を適用した垂直多関節ロボットの構成を示す図である。実施の形態にかかる垂直多関節ロボット50は、6軸垂直多関節型のロボットであり、ベース51、第1アーム52、第2アーム53、リスト54を有する。ベース51と第1アーム52との間には第1アーム52を水平方向に回転させる第1軸(J1)と、第1アーム52を垂直方向に回転させる第2軸(J2)が設けられている。また、第1アーム52と第2アーム53との間には第2アーム53を垂直方向に回転させる第3軸(J3)が設けられている。第2アーム53は、長手方向を軸方向として第2アーム53の先端側を捻るように回転させる第4軸(J4)を備えており、先端側は二つに分岐している。第2アーム53は、リスト54が第5軸(J5)において回動可能となるように両側から支持している。リスト54は、エンドエフェクタ(ハンドなど)が装着されるハンドインタフェース(Inter face:I/F)55を備えており、ハンドI/F55に装着されたエンドエフェクタは、第5軸(J5)と直交する第6軸(J6)を回転軸として捻るように回転可能である。
図2は、リストの内部の構造を示す図である。リスト54の内部には、入力側筐体7、モータ10、減速機11、クランク軸2、出力側筐体(出力軸)12、コイル型ケーブル1、出力側クランプ3、入力側クランプ4及びガイド8を有する関節構造70が設けられている。関節構造70は、不図示のカバーで覆われており、リスト54の内部の構造は外部には露出していない。
関節構造70は、モータ10の回転を減速機11で減速し、クランク軸2を介して出力側筐体12に回転を伝える。したがって、出力側筐体12に装着されたハンドI/Fは、モータ10の回転数よりも小さい回転数で回転する。
コイル型ケーブル1は、ベース51の内部に設けられている電源部からエンドエフェクタに電力を供給したり、ベース51の内部に設けられている制御部からエンドエフェクタへ送る制御信号やブレーキ信号を伝送するためのケーブルであり、同じ方向に癖を付けた複数本の電線を束ねることによってコイル状に成型されている。なお、入力側クランプ4と出力側クランプ3との間で、各電線は溶着等で相互に固定はされておらず、各々に同様にコイル状の癖が付けられていることによって、緩やかに一体化されている。コイル型ケーブル1は、中心導体の周囲が樹脂で被覆された構造であり、被覆の部分がコイル型に形成されていることにより、中心導体は被覆部分に倣ってコイル形状となっている。
クランク軸2は、支柱部21の一端に円板部22が設けられ、他端に円環部23が設けられている。支柱部21の太さはコイル型ケーブル1のコイルの径よりも細くなっている。円板部22は、減速機11に固定される。円環部23は、中央部に穴23aが形成されている。
出力側筐体12は、円盤状であり、中央部にはコイル型ケーブル1を通すための穴12aが形成されている。
クランク軸2及び出力側筐体12は、入力側筐体7に設置されたベアリング14によって同軸となるように軸支されている。これにより円環部23の穴23aと、出力側筐体12の穴12aとが連通しており、コイル型ケーブル1は、穴23a,12aを通じて出力側へ引き出されている。
出力側クランプ3は、出力側筐体12に設置されており、コイル型ケーブル1をモータ10の回転軸の延長上で出力側筐体12に固定する。これにより、関節構造70を小さくするとともに、出力側筐体12の回転にともなってコイル型ケーブル1に生じる捻れが小さくなるようにしている。
入力側クランプ4は、入力側筐体7の外側に設置されており、コイル型ケーブル1を入力側筐体7に固定する。
ガイド8は、チューブ状であり、入力側筐体7に固定されている。ガイド8の中にはコイル型ケーブル1が通されている。ガイド8は、例えば樹脂を材料として形成される。後述するように、ガイド8の内部をコイル型ケーブル1が摺動するため、ガイド8は低摩擦の樹脂を材料として形成することが好ましい。また、ガイド8の内面に低摩擦皮膜を設けてもよい。
図3は、リストの内部の構造を示す図であり、図2とは別方向から見た状態を示す。図3に示すように、コイル型ケーブル1は、ガイド8と入力側クランプ4との間で弛み1aが生じた状態となっている。弛み1aは、入力側筐体7から送り出される際にガイド8で矯正されるため、コイル状にはなっていない。なお、弛み1aが形成される部分をコイル型ケーブル1の外径よりも狭い空間とすることで、弛み1aが強制的にコイル状とならないようにすることも可能である。
後述するように、出力側筐体12を回転させるとコイル型ケーブル1の巻き数(支柱部21の周囲を回る回数)が増減する。以下の説明においては、コイル型ケーブル1の巻き数が増加する回転方向を正回転、巻き数が減少する回転方向を逆回転という。また、以下の説明においては、図2、図3に示すように巻き数が「2」の状態を回転角0度という。回転角0度の状態では、コイル型ケーブル1に捻れは発生していないものとする。
図4は、実施の形態にかかる関節構造の入力軸を正回転させた状態を示す図である。図5は、実施の形態にかかる関節構造の入力軸を正回転させた状態を示す図であり、図4とは別方向から見た状態を示す。ガイド8と入力側クランプ4との間の弛み1aが入力側筐体7内に引き込まれ、コイル状に戻ることによってコイル型ケーブル1の巻き数が増加する。以下の説明においては、図4、図5に示すように巻き数が「3」の状態を回転角+360度という。
図6は、実施の形態に係る関節構造の入力軸を逆回転させた状態を示す図である。コイル型ケーブル1の支柱部21の周囲を回るコイル状の部分が、入力側筐体7内からガイド8と入力側クランプ4との間に送られ、コイル型ケーブル1の巻き数が減少する。以下の説明においては、図6に示すように巻き数が「1」の状態を回転角−360度という。
出力側筐体12の回転によりコイル型ケーブル1を摺動させる力が発生するメカニズムについて説明する。図7は、出力側筐体を正回転させることによってコイル型ケーブルの巻き数が増える状態を示す図である。図7(a)に示すように、モータ10を回転させると、減速機11は回転数を落としてクランク軸2及び出力側筐体12に回転を伝える。コイル型ケーブル1は、出力側筐体12側では出力側クランプ3によって回転軸上で固定されているため、図7(b)に示すように、出力側筐体12が回転することによってコイル型ケーブル1の出力側クランプ3で固定されている部分に捻れが生じる。図7(c)に示すように、コイル型ケーブル1の出力側クランプ3で固定されている部分の捻れは、コイル状になっている部分を伝わり、さらにガイド8に案内されている部分にまで伝わる。捻られたコイル型ケーブル1には、元の状態(捻られていない状態)に復元しようとする力が生じ、この力により、図7(d)に示すように入力側筐体7に弛み1aが引き込まれる。弛み1aが入力側筐体7内に引き込まれる際に、ガイド8によって真っ直ぐに矯正されていたコイル型ケーブル1はコイル状に戻る。このようにして、出力側筐体12を正回転させると、回転角の増分+360度につき1の割合でコイル型ケーブル1の巻き数が増加する。
ガイド8を設け、コイル型ケーブル1のコイル状の癖を真っ直ぐに矯正しながらガイド8の内部でコイル型ケーブル1を摺動させているため(換言すると、コイル型ケーブル1の捻れは、弛み1aを減少させるようにコイル型ケーブル1を摺動する力に変換されるため)、回転角+360度の状態においてコイル型ケーブル1に残る捻れが小さくなる。
また、コイル型ケーブル1に弛み1aを持たせることで、出力側筐体12を正回転させた時にコイル型ケーブル1に引張り力が加わらないようにし、コイル型ケーブル1の破断を防止している。
逆回転の場合も同様に、出力側筐体12の回転にともなってコイル型ケーブル1の出力側クランプ3で固定されている部分で生じた捻れが、コイル型ケーブル1を入力側筐体7内からガイド8と入力側クランプ4との間に送り出す力に変換される。このようにして、出力側筐体12を逆回転させると、回転角の減少分−360度につき1の割合でコイル型ケーブル1の巻き数が減少する。
ガイド8を設け、コイル型ケーブル1のコイル状の癖を真っ直ぐに矯正しながらガイド8の内部でコイル型ケーブル1を摺動させているため(換言すると、コイル型ケーブル1の捻れは、弛み1aを増やすようにコイル型ケーブル1を摺動する力に変換されるため)、回転角−360度の状態においてコイル型ケーブル1に残る捻れが小さくなる。
コイル型ケーブル1のコイル状になっている部分の内径は支柱部21の太さよりも大きいため、コイル型ケーブル1は支柱部21には接触しない。したがって、支柱部21へのコイル型ケーブル1の巻き付きを回避して関節動作角を大きく確保できる。
上記の説明では、回転角+360度及び−360度の状態を示したが、正回転側には弛み1aが無くなるまで回転させることが可能である。また、逆回転側には、コイル型ケーブル1の巻き数が「0」になるまで回転させることが可能である。
上記実施の形態では、複数本の電線を束ねたコイル型ケーブル1をガイド8に通す構成を例としたが、複数本の電線を個別にガイドで案内するようにしても良い。複数本の電線を個別にガイドすることにより、纏めて案内する場合よりもコイル型ケーブル1の捻れが摺動を生じさせる力に変換されやすい構造とすることができる。
このように、本実施の形態によれば、コイル型ケーブル1に生じた捻れはコイル型ケーブル1を摺動させる力に変換されるため、回転角0度の状態から出力側筐体12を回転させた後にコイル型ケーブル1に残る捻れを小さくすることができる。また、回転角の増加に伴って入力側筐体7内に引き込まれた弛み1aは、コイル状に復元され、クランク軸2の支柱部21には巻き付かないため、緩衝材を設置する必要がなく関節部分の小型化が可能である。よって、垂直多関節ロボット50のリスト54に適用することで、リスト54を小型化できる。また、コイル型ケーブル1の保護のために関節動作角度を規制する必要がない。
以上のように、本発明にかかるロボット関節構造は、関節動作角を拡大できるとともに、関節部の大きさを小さくできる点で有用であり、特に、垂直多関節ロボットのリスト部分に適用するのに適している。
1 コイル型ケーブル、1a 弛み、2 クランク軸、3 出力側クランプ、4 入力側クランプ、7 入力側筐体、8 ガイド、10 モータ、11 減速機、12 出力側筐体、12a,23a 穴、21 支柱部、22 円板部、23 円環部、50 垂直多関節ロボット、51 ベース、52 第1アーム、53 第2アーム、54 リスト、55 ハンドI/F、70 関節構造。

Claims (4)

  1. 駆動源及び該駆動源に接続されるクランク軸が内蔵される入力側筐体と、前記クランク軸に接続されることにより前記入力側筐体に対し回転可能に支持される出力側筐体と、前記入力側筐体と前記出力側筐体との間に固定されるケーブルとを備えるロボット関節構造であって、
    前記入力側筐体に設置されて前記ケーブルを前記入力側筐体に固定する入力側クランプと、
    前記入力側筐体に設置され、前記ケーブルが摺動するように案内するガイドと、
    前記出力側筐体に設置されて前記ケーブルを前記出力側筐体の回転軸上に固定する出力側クランプと、
    を備え、
    前記ケーブルは、前記クランク軸の周りを周回するように予めコイル型に成型され、前記入力側クランプと前記ガイドとの間に弛みを有しており、
    前記出力側筐体の回転に伴って前記ケーブルに生じた捻れが前記ガイドに沿って前記ケーブルを摺動する力に変換され、前記周回の数を増減させるようにしたことを特徴とするロボット関節構造。
  2. 前記ガイドは、樹脂材料を用いてチューブ状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のロボット関節構造。
  3. 請求項1又は2に記載のロボット関節構造を備えたロボット装置。
  4. 前記ロボット関節構造がリストの部分に適用された垂直多関節ロボットであることを特徴とする請求項3に記載のロボット装置。
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