JP2011200989A - 産業用ロボット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固定ベース上に水平面内を旋回する旋回ヘッドと、前記旋回ヘッドに取り付けられ、垂直面内を傾動して作業を行う下部ア−ムを備え、一端が前記下部アームと回転自在に連結され、他方端が前記旋回ヘッドに回転自在に連結されたバランサ8を備え、前記バランサ8が油分を吸収するシ−ト87を備えた。
【選択図】図3
Description
ところが、液晶パネルを搬送するといったようなクリ−ンル−ム内に設置される用途で用いられるロボットには、厳しいクリ−ン度がロボットに対し要求され、ロボットを稼動させるためにロボット内部に封入した潤滑用のグリ−スの油分や粉塵が駆動部から外部にもれてはいけないことが要望されている。
従来の産業用ロボットに備えられたバランサは下部ア−ムが傾動して作業を行う時、ロッドが前後に従動するために、バランサの内部にグリ−スを封入し潤滑しており、そのグリ−スをダストシ−ルで封止する構成となっているが、ダストシールでは油分を完全に封止することはできず、ロッドが前後に従動した際、ロッドに付着したグリ−スが外部に漏れるといった問題が生じていた。
また、ダストシ−ルは消耗品であることから交換する必要があるが、バランサ自身をロボットから取り外し、さらにロッドを取り外す必要があり、メンテナンス性についても問題が生じていた。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、バランサから外部に漏れようとする油分を封止するとともに、メンテナンスが容易にできるクリ−ン度の高い産業用ロボットを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、固定ベース上に水平面内を旋回する旋回ヘッドと、前記旋回ヘッドに取り付けられ、垂直面内を傾動して作業を行う下部ア−ムを備え、一端が前記下部アームと回転自在に連結され、他方端が前記旋回ヘッドに回転自在に連結されたバランサを備え、前記バランサが油分を吸収するシ−トを備えたものである。
また、請求項2に記載の発明は、前記バランサのシリンダが、前記旋回ヘッドに回転自在に取り付けられ、前記バランサのロッドが前記下部アームに回転自在に取り付けられたものである。
また、請求項3に記載の発明は、前記バランサが、ロッドが前記バランサの端部から従動するのに抗するばねをシリンダに備え、前記ロッドを潤滑するグリースを備え、前記グリースよりも前記端部側にダストシールが備えられ、前記ダストシールよりも前記端部側に前記シートが備えられたものである。
また、請求項4に記載の発明は、前記シートが複数個の扇形状から構成されたことものである。
また、請求項5に記載の発明は、前記シートが化学繊維または天然繊維の何れかから構成されたものである。
また、請求項6に記載の発明は、前記バランサが、カバを取り外すことによって、前記シートが交換されるように構成されたものである。
次に、産業用ロボット1の各部の動作について説明する。産業用ロボット1は、固定ベース2上に旋回ヘッド3が取り付けられ、Z軸まわりに回転する。旋回ヘッド3上に備えられた下部アーム4はX軸まわりに回転し、傾動動作する。また、上部アーム5は、X軸およびY軸まわりに回転する手首軸6を先端に備え、上部アーム5自身もX軸まわりに回転動作する。
下部アーム4がX軸周りに回転する際のバランサ8の動作について、図2を用いて説明する。下部ア−ム4は旋回ヘッド3上に回転可能に取り付けられてサーボモータ等を駆動源として垂直面内で揺動駆動されるようになっている。図2(a)の姿勢に示すように下部ア−ム4が直立した状態では下部ア−ム4の回転中心軸に沿って作用する荷重が下部ア−ム4と旋回ヘッド3の枢着点Qの半径方向に作用するだけでQ点の周りに何らの回転モーメントも作用しない状態である。つまり、バランサ8は、下部アーム4に回転自在に取り付けられたロッド81が枢着点Qと水平な姿勢となっている。
次に図2(b)の姿勢に示すように下部ア−ム4が反時計方向に揺動するとQ点の周りに反時計回りの回転モーメントが作用する。また、図2(C)の姿勢に示すように下部ア−ム4が時計方向に揺動するとQ点の周りに時計回りの回転モーメントが作用する。何れの場合にも、これらのモーメントに抗して下部ア−ム4の静止状態を保つために下部アーム4を駆動する不図示のサーボモータ等には大きな負荷が作用する。そのために、回転モ−メントに対してバランサ8はサーボモータの負荷軽減するために、旋回ヘッド3に回転自在に取り付けられたバランサ8と下部アーム4に回転自在に取り付けられたロッド81は傾動するとともにロッド81はバランサ8から引き出され、その引き出された移動量分に相当するバランサ8に内包されたばねの反力により、下部アームの傾動を補助するのである。
次に、バランサ8の詳細について図3を用いて説明する。図3(a)に示すようにバランサ8は、下部アームの動きに従って前後に従動するロッド81とばね82を収容しばね受部材をその内周面を従動させるシリンダ83、ハウジング84から構成される。ここでロッド81は前後に従動するためハウジング84とロッド81のすきまにグリ−ス85を封入して潤滑させ、そのグリ−ス85を封止するためにダストシ−ル86を配設している。
また、図3(b)の図3(a)のA部の部分拡大図に示すように、シ−ト87は、ロッド81に近接して半円状に2分割された形状をしており、同半円状に2分割されたカバ88がボルト89を介してハウジング84に取り付けられている。下部ア−ムが傾動して作業を行う時、ロッド81は前後に従動する。バランサ8の内部にはグリ−ス85が封入され潤滑しており、そのグリ−スをダストシ−ル86で封止しているが完全に封止することはできないために、ロッド81が前後に従動した際、外部に油分が漏れようとする。これを前記シ−ト87が吸収するのである。
ここで、シ−ト87とカバ88は半円状に2分割された形状としているために、カバ88が締結されているボルト89が確認されるので、シート87が油分をためた状態になったら、交換することができ、ロボットからバランサ8自身を取り外すことなく簡単に取り付け、取り外しが可能であり、メンテナンス性が大幅に向上する。
また、シート87は、油脂成分を吸着するシートであり、たとえば、ポリプロピレンなどの化学繊維を用いたもの、綿や紙、ヤシの繊維などの天然素材を用いたもので形成されている。
2 固定ベース
3 旋回ヘッド
4 下部アーム
5 上部アーム
6 手首部
8 バランサ
81 ロッド
82 ばね
83 シリンダ
84 ハウジング
85 グリース
86 ダストシ−ル
87 シ−ト
88 カバ
89 ボルト
Claims (6)
- 固定ベース上に水平面内を旋回する旋回ヘッドと、前記旋回ヘッドに取り付けられ、垂直面内を傾動して作業を行う下部ア−ムを備え、一端が前記下部アームと回転自在に連結され、他方端が前記旋回ヘッドに回転自在に連結されたバランサを備え、前記バランサが油分を吸収するシ−トを備えたことを特徴とする産業用ロボット。
- 前記バランサのシリンダは、前記旋回ヘッドに回転自在に取り付けられ、前記バランサのロッドが前記下部アームに回転自在に取り付けられたことを特徴とする請求項1記載の産業用ロボット。
- 前記バランサは、ロッドが前記バランサの端部から従動するのに抗するばねをシリンダに備え、前記ロッドを潤滑するグリースを備え、前記グリースよりも前記端部側にダストシールが備えられ、前記ダストシールよりも前記端部側に前記シートが備えられたことを特徴とする請求項1記載の産業用ロボット。
- 前記シートは複数個の扇形状から構成されたことを特徴とする請求項3記載の産業用ロボット。
- 前記シートは化学繊維または天然繊維の何れかから構成されたことを特徴とする請求項3記載の産業用ロボット。
- 前記バランサは、カバを取り外すことによって、前記シートが交換されるように構成されたことを特徴とする請求項1記載の産業用ロボット。
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