JP2013209780A - 加飾インサート成形のためのプレフォーム成形用シート、プレフォーム成形用シートの製造方法及び加飾インサート成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】射出インサート成形に供されるプレフォーム成形体の成形に用いられる、皮革様表面を有する成形用シートであって、ポリエステル極細繊維の繊維束の不織布にポリウレタンを含浸付与させた基材層とポリウレタンの銀面層とを備え、基材層の厚みが0.5mm以下で、銀面層が全厚みの10〜40%の割合を占め、TD方向に対するMD方向の20%引張応力の比(MD/TD)が1.9〜2.5である。
【選択図】図1
Description
本工程においては、はじめに、溶融紡糸により、ポリエステルを島成分とする海島型繊維からなる長繊維ウェブを製造する。長繊維ウェブは、例えば、いわゆるスパンボンド法を用いて、ポリエステルを島成分とする海島型繊維を溶融紡糸法を用いて紡糸し、これを切断せずにネット上に捕集してウェブを形成する方法が好ましく用いられる。
次に、得られた長繊維ウェブを5〜100枚程度重ねて絡合させることによりウェブ絡合シートを形成する。ウェブ絡合シートは、ニードルパンチや高圧水流処理等の公知の不織布製造方法を用いて長繊維ウェブに絡合処理を行うことにより形成される。
次に、ウェブ絡合シートを熱収縮させることにより、ウェブ絡合シートの繊維密度および絡合度合を高める。なお、本工程においては、長繊維を含有するウェブ絡合シートを熱収縮させることにより、短繊維を含有するウェブ絡合シートを熱収縮させる場合に比べて、ウェブ絡合シートを大きく収縮させることができる。熱収縮処理されたウェブ絡合シートは、加熱ロールや加熱プレスすることにより、さらに、繊維密度が高められてもよい。
ウェブ絡合シートの形態安定性を高める目的で、ウェブ絡合シートの極細繊維化処理を行う前または後に、収縮処理されたウェブ絡合シートにポリウレタンのエマルジョンを含浸させた後、ポリウレタンを凝固させる。
ウェブ絡合シート中の海島型繊維は、海成分を水や溶剤等で抽出または分解除去することにより極細繊維に変換される。
海成分の熱可塑性樹脂としてエチレン変性ポリビニルアルコール(エチレン単位の含有量8.5モル%、重合度380、ケン化度98.7モル%)、島成分の熱可塑性樹脂としてTgが110℃である、イソフタル酸変性したポリエチレンテレフタレート(イソフタル酸単位の含有量6.0モル%)を、それぞれ個別に溶融させた。そして、海成分中に均一な断面積の島成分が25個分布した断面を形成しうるような、多数のノズル孔が並列状に配置された複数紡糸用口金に、それぞれの溶融樹脂を供給した。このとき、海成分と島成分との質量比が海成分/島成分=25/75となるように圧力調整しながら供給した。そして、口金温度260℃に設定されたノズル孔より吐出させた。
得られたプレフォーム成形用シートを20cm(TD方向)×30cm(MD方向)に切出して試験片を作製した。そして、図5に示すように、平坦な定盤のうえに下に凸になるように静置し、端面の垂直高さを高さゲージで測定した。なお、銀面層が上になるように沿った場合には反り量の極性を+とし、基材層が上になるように沿った場合には反り量の極性を−とした。
B:目視により、明らかな反りや歪みが容易に認識される。
実施例1において、テンター乾燥機の入口から出口までテンタークリップでTD方向に引っ張ることにより、105%の幅出しをする代わりに、104%の幅出しをした以外は実施例1と同様にして成形用シートを得、また、プレフォーム成形体を得た。そして、同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、テンター乾燥機の入口から出口までテンタークリップでTD方向に引っ張ることにより、105%の幅出しをする代わりに、106%の幅出しをした以外は実施例1と同様にして成形用シートを得、また、プレフォーム成形体を得た。そして、同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、基材層の厚みを0.4mmの代わりに、0.5μmにし、テンター乾燥機の入口から出口までテンタークリップでTD方向に引っ張ることにより、105%の幅出しをする代わりに、100%の幅出しをした以外は実施例1と同様にして成形用シートを得、また、プレフォーム成形体を得た。そして、同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、基材層の厚みを0.4mmの代わりに、0.5μmにし、テンター乾燥機の入口から出口までテンタークリップでTD方向に引っ張ることにより、105%の幅出しをする代わりに、104%の幅出しをした以外は実施例1と同様にして成形用シートを得、また、プレフォーム成形体を得た。そして、同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、銀面層の厚みを0.1mmの代わりに、0.2μmにし、テンター乾燥機の入口から出口までテンタークリップでTD方向に引っ張ることにより、105%の幅出しをする代わりに、108%の幅出しをした以外は実施例1と同様にして成形用シートを得、また、プレフォーム成形体を得た。そして、同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、テンター乾燥機の入口から出口までテンタークリップでTD方向に引っ張ることにより、105%の幅出しをする代わりに、102%の幅出しをした以外は実施例1と同様にして成形用シートを得、また、プレフォーム成形体を得た。そして、同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、テンター乾燥機の入口から出口までテンタークリップでTD方向に引っ張ることにより、105%の幅出しをする代わりに、110%の幅出しをした以外は実施例1と同様にして成形用シートを得、また、プレフォーム成形体を得た。そして、同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例6において、テンター乾燥機の入口から出口までテンタークリップでTD方向に引っ張ることにより、108%の幅出しをする代わりに、100%の幅出しをした以外は実施例6と同様にして成形用シートを得、また、プレフォーム成形体を得た。そして、同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、基材層の厚みを0.4mmから1.0mmに変更した以外は実施例1と同様にして成形用シートを得、また、プレフォーム成形体を得た。そして、同様にして評価した。結果を表1に示す。
1a 不織布
1b ポリウレタン
1c 空隙
2 銀面層
5 プレフォーム用金型
5a 上金型
5b 下金型
10 加飾成形用シート
14 マテリアルハンドリングロボット
15 インサート成形用金型
15a 可動側金型
15b 固定側金型
15c キャビティ
15f スプルーブッシュ
16 ノズル
20 プレフォーム成形体
21 成形体本体
30 インサート成形体
Claims (3)
- 射出インサート成形に供されるプレフォーム成形体の成形に用いられる、皮革様表面を有する成形用シートであって、
ポリエステル極細繊維の繊維束を絡合させた不織布に第一のポリウレタンを含浸付与させた基材層と、前記基材層の表面に形成された第二のポリウレタンを含む銀面層とを備え、
前記基材層の厚みが0.5mm以下で、前記銀面層が全厚みの10〜40%の割合を占め、
前記不織布が最も延伸されている方向をMD方向、MD方向に面方向に垂直な方向をTD方向とした場合、TD方向に対するMD方向の20%引張応力の比(MD/TD)が1.9〜2.5であることを特徴とするプレフォーム成形用シート。 - 請求項1のプレフォーム成形用シートを製造する方法であって、
搬送されて連続生産するための、以下の一連の工程:溶融紡糸によりポリエステルを島成分とする海島型繊維からなる長繊維ウェブを製造する工程と、前記長繊維ウェブを複数枚重ねて3次元的に絡合させることによりウェブ絡合シートを形成する工程と、前記ウェブ絡合シートを湿熱収縮させる工程と、前記湿熱収縮されたウェブ絡合シートにポリウレタンの水系エマルジョンを含浸させた後、ポリウレタンを凝固させる工程と、前記湿熱収縮されたウェブ絡合シート中の海島型繊維を極細繊維化することにより極細繊維の不織布を形成する工程と、表層に銀面層を形成するためのポリウレタン膜を貼り合せる工程と、を備え、
一連の工程の何れかの工程において、搬送方向(MD方向)に対して面方向に垂直な方向(TD方向)に、何れかの工程におけるシートの幅を所定の倍率で拡幅するように延伸させることを特徴とするプレフォーム成形用シートの製造方法。 - 請求項1に記載のプレフォーム成形用シートをプレフォーム成形してプレフォーム成形体を成形する工程と、
前記プレフォーム成形体を射出成形用金型のキャビティ内に配置する工程と、
前記金型内に熱可塑性樹脂を射出して成形体本体を成形する工程と、を備えることを特徴とする加飾インサート成形体の製造方法。
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