JP2013185056A - 硬化性樹脂組成物、その製造方法及びエレクトロニクス実装材料 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、その製造方法及びエレクトロニクス実装材料 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性に優れる硬化物を与えることができ、様々な用途に有用な硬化性樹脂組成物及びその製造方法、並びに、該硬化性樹脂組成物を用いたエレクトロニクス実装材料を提供する。
【解決手段】ベンゾオキサジン化合物、及び、シロキサン骨格とイミド結合とを有するシラン化合物を含む硬化性樹脂組成物、並びに、ベンゾオキサジン化合物、多官能マレイミド化合物及びイミダゾール化合物を含む硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性樹脂組成物、その製造方法及びエレクトロニクス実装材料に関する。
硬化性樹脂は、光や熱によって硬化する性質を有する樹脂であり、電気、機械分野を始めとする様々な産業分野において、それぞれの用途に求められる物性を有する硬化性樹脂が用いられている。このような硬化性樹脂の用途には、例えば、プリント配線板用銅張積層板、多層配線板用接着剤、半導体用封止材料、半導体実装用接着剤、半導体搭載用モジュール等の他、自動車用、航空機用、建築部材用、燃料電池用、各種二次電池用等の部品等があり、硬化性樹脂には、高温・高湿下での安定性や信頼性に優れた耐熱性が要求される。特に近年では、ハイブリッドや電気自動車、分散電源において、インバーターを中心にパワーデバイスが多用され、かつそのパワー密度も飛躍的に大きくなっており、200℃以上の高温で動作するシリコンカーバイト(SiC)デバイスの出現も予想される。また、通常の半導体チップを使用するエレクトロニクスコントロールユニット(ECU)も車室内から環境の厳しいエンジンルーム内へと搭載されるため、やはり過酷な条件に耐えうる耐熱性が要求される。
ところで近年では、新しい硬化性樹脂として、ベンゾオキサジン化合物を配合した樹脂組成物が注目されつつある。ベンゾオキサジン化合物は、オキサジンとベンゼン環との縮合により生じるベンゾオキサジン環を有する化合物であり、ベンゾオキサジン環の開環重合反応により硬化するものであるが、加熱時に副生ガスが発生せず、また、その硬化物が寸法安定性や難燃性、耐熱性等に優れるという特性を有する。
ベンゾオキサジン化合物を配合した樹脂組成物としては、例えば、ベンゾオキサジン環を有する特定構造からなる化合物を2種含有する熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂組成物(特許文献1参照)や、ベンゾオキサジン樹脂等の熱硬化性化合物と、ポリマーと、熱硬化剤とを含有し、ポンディング温度での溶融粘度やゲルタイムが特定の範囲内にある接着剤組成物(特許文献2参照)等が開示されている。
特開2008−195907号公報 特開2011−157529号公報
上述したように、近年、ベンゾオキサジン化合物に関する研究がなされつつある。しかしながら、ベンゾオキサジン化合物を単独で硬化して得られる硬化物のガラス転移温度(Tg)は、高いものでも200℃程度であり、近年要求される高レベルの耐熱性を発揮できないため、この点で工夫の余地があった。また、特許文献1や2の樹脂組成物においても、より耐熱性を高めるための改善の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、耐熱性に優れる硬化物を与えることができ、様々な用途に有用な硬化性樹脂組成物及びその製造方法、並びに、該硬化性樹脂組成物を用いたエレクトロニクス実装材料を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、硬化性樹脂組成物について種々検討するうち、ベンゾオキサジン化合物単独では、その硬化物の耐熱性が未だ充分ではないことを見いだし、ベンゾオキサジン化合物に加えて、シロキサン骨格とイミド結合とを有するシラン化合物を含むものとすると、硬化物のガラス転移温度(Tg)が向上され、また同時に耐熱分解性も高くなり、硬化物に高レベルの耐熱性が付与されることを見いだした。これは、無機物質であるシラン化合物を配合したことによるヒートブロック作用だけでなく、シラン化合物がベンゾオキサジン化合物のポリマー骨格(樹脂骨格)に取り込まれ、均一に分散されることに寄与するものと考えられる。また、これら2成分に加え、多官能マレイミド化合物やイミダゾール化合物を更に含むものとすると、各成分間の相互作用によって硬化物の耐熱性がより向上されることを見いだした。更に、ベンゾオキサジン化合物、多官能マレイミド化合物及びイミダゾール化合物を含む硬化性樹脂組成物としても、硬化物のTg及び耐熱分解性が向上されることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。また、これらの硬化性樹脂組成物を製造する際に、原料成分の投入順序を特定することによって、製造工程での取扱性が良くなることも見いだし、本発明に到達した。
すなわち本発明は、ベンゾオキサジン化合物、及び、シロキサン骨格とイミド結合とを有するシラン化合物を含む硬化性樹脂組成物である。
本発明はまた、ベンゾオキサジン化合物、多官能マレイミド化合物及びイミダゾール化合物を含む硬化性樹脂組成物でもある。
本発明はまた、上記硬化性樹脂組成物を製造する方法であって、該製造方法は、ベンゾオキサジン化合物以外の原料成分の一部又は全部を反応容器に投入した後、該反応容器にベンゾオキサジン化合物を投入する硬化性樹脂組成物の製造方法でもある。
本発明は更に、上記硬化性樹脂組成物を製造する方法であって、該製造方法は、ベンゾオキサゾジン化合物及びイミダゾール化合物以外の原料成分の一部又は全部を反応容器に投入した後、該反応容器にベンゾオキサジン化合物を投入し、その後、イミダゾール化合物を投入する硬化性樹脂組成物の製造方法でもある。
本発明はそして、上記硬化性樹脂組成物を用いてなるエレクトロニクス実装材料でもある。以下に本発明を詳述する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、ベンゾオキサジン化合物、及び、シロキサン骨格とイミド結合とを有するシラン化合物(以下、単に「シラン化合物」とも称する。)を含むが、これら各成分は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができ、添加量は特に限定されない。また、これらを必須とする限り、その他の成分を適宜含むこともできるが、硬化性樹脂組成物の総量100質量%に対し、ベンゾオキサジン化合物とシラン化合物との合計質量が20質量%以上であることが好適である。より好ましくは30質量%以上である。
上記硬化性樹脂組成物において、ベンゾオキサジン化合物とシラン化合物との質量比(ベンゾオキサジン化合物/シラン化合物)は、1〜99/99〜1であることが好適である。より好ましくは1〜80/99〜20であり、この範囲内にあることで、シラン化合物がより充分に分散して、硬化物の架橋密度がより均一化され、耐熱性が更に向上されることになる。更に好ましくは1〜65/99〜35、最も好ましくは1〜50/99〜50である。
上記硬化性樹脂組成物において、ベンゾオキサジン化合物は、分子内にベンゾオキサジン環(ベンゾオキサジン基とも称す。)を少なくとも1個有する化合物であればよく、例えば、下記一般式(1)又は(2);
Figure 2013185056
(式中、nは、1〜4の整数を表す。Rは、同一又は異なって、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリル基又はアラルキル基を表す。Rは、同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリル基、アラルキル基、又は、下記一般式(a)〜(t)に示される1〜4価の有機基を表す。Rは、同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリル基又はアラルキル基を表す。Rは、同一又は異なって、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリル基、アラルキル基、又は、下記一般式(a)〜(o)に示される1〜4価の有機基を表す。)で表される化合物が好適である。
Figure 2013185056
上記ベンゾオキサジン化合物の中でも、1分子中にベンゾオキサジン環を2個以上有することが好適である。より好ましくは両末端にベンゾオキサジン環を有する化合物である。
上記ベンゾオキサジン化合物は、例えば、1級アミン類、アルデヒド類及びフェノール類の反応により得ることができるが、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、四国化成工業社製のベンゾオキサジン(両末端型ベンゾオキサジンであるP−d型、非末端型ベンゾオキサジンであるF−a型等);小西化学社製のBXZ−1(BS−BXZ9)、BXZ−2(BF−BXZ)、BXZ−3(BA−BXZ)等が入手可能である。
上記硬化性樹脂組成物において、シラン化合物は、シロキサン骨格(シロキサン結合を必須とする主鎖骨格)と、イミド結合とを有する化合物であるが、好ましくは、ケイ素原子に、イミド結合を有する有機残基と酸素原子とが結合し、該酸素原子を介してシロキサン骨格を形成した構造を有する形態である。すなわち、ケイ素原子に、1個以上のイミド結合を有する有機骨格と、1個以上の酸素原子と、場合によりその他の骨格とが結合し、イミド結合を有する有機骨格と酸素原子とその他の骨格の結合数の合計が4である形態が好ましい。このような形態では、ケイ素原子に結合するイミド結合を有する有機骨格の結合数は、1〜3個が適当であり、好ましくは1〜2個、より好ましくは1個である。また、酸素原子(イミド結合を有する有機骨格が結合したケイ素原子に結合する酸素原子)の結合数は、1〜3個が適当であり、好ましくは2〜3個、より好ましくは3個である。その他の有機骨格の結合数は、0〜2個が適当であり、好ましくは0〜1個、より好ましくは0個である。ケイ素原子に結合する骨格(基)の好適な組み合わせ(結合数)としては、(イミド結合を有する有機骨格、酸素原子、その他の骨格)が(1、3、0)、(2、2、0)、(1、2、1)、(3、1、0)、(2、1、1)、(1、1、2)である。
上記その他の骨格としては、イミド結合を有さない有機基、水素原子、水酸基、ハロゲン原子及びOR基からなる群より選ばれる少なくとも1つが好適である(Rは、同一若しくは異なって、アルキル基、アシル基、アリール基及び不飽和脂肪族残基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基を表し、置換基を有していてもよい。)。
上記イミド結合を有さない有機基としては、好ましくは、アルキル基、アリール基、アラルキル基等の芳香族残基、不飽和脂肪族残基からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、これらは置換基を有していてもよい。より好ましくは、置換基を有していてもよい、炭素数1〜8のアルキル基、又は、アリール基、アラルキル基等の芳香族残基である。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、フェニル基、ビニル基、クロロプロピル基、メルカプトプロピル基、(エポキシシクロヘキシル)エチル基、グリシドキシプロピル基、N−フェニル−3−アミノプロピル基、(メタ)アクリロキシプロピル基、ヘキシル基、デシル基、オクタデシル基、トリフルオロプロピル基等が好適である。
上記シラン化合物が有するシロキサン骨格(シロキサン結合を必須とする主鎖骨格)としては、シロキサン結合(Si−O−Si結合)を必須とするものであればよく、また、シロキサン骨格の構造は、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよく、ラダ−状、かご状、キュ−ビック状等の構造のポリシルセスキオキサンであることが好適である。
上記シラン化合物において、シロキサン骨格の占める割合としては、シラン化合物100質量%中、80〜10質量%であることが好ましい。より好ましくは70〜15質量%、更に好ましくは50〜20質量%である。
また上記シラン化合物において、イミド結合を有する有機骨格が占める割合としては、シラン化合物に含まれるケイ素原子100モルに対して、100〜20モルであることが好ましい。より好ましくは100〜50モル、更に好ましくは100〜70モルである。
上記シラン化合物の好適な形態を平均組成式で表すと、下記平均組成式:
XaYbZcSiOd
(式中、Xは、同一又は異なって、イミド結合を含む有機骨格を表す。Yは、同一又は異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子及びOR基からなる群より選ばれる少なくとも一つを表す。Rは、同一又は異なって、アルキル基、アシル基、アリール基及び不飽和脂肪族残基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を表し、置換基を有していてもよい。Zは、同一又は異なって、イミド結合を含まない有機基を表す。aは、0でない3以下の数であり、b及びcは、同一又は異なって、0又は3未満の数であり、dは、0でない2未満の数であり、a+b+c+2d=4である。)で表すことができ、上記シラン化合物が当該平均組成式で表される形態は、本発明の好適な形態の一つである。
なお、上記平均組成式では、Xの係数aは、0<a≦3の数であり、Yの係数bは、0≦b<3の数であり、Zの係数cは、0≦c<3の数である。Oの係数dは、0<d<2である。
上記平均組成式において、Yは、水酸基やOR基が好適である。より好ましくはOR基、更に好ましくは、Rが炭素数1〜8のアルキル基であるOR基である。また、Zは、アルキル基、アリール基、アラルキル基等の芳香族残基、及び、不飽和脂肪族残基からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい(これらは置換基を有していてもよい。)。より好ましくは、置換基を有していてもよい、炭素数1〜8のアルキル基、又は、アリール基、アラルキル基等の芳香族残基である。
上記シラン化合物はまた、例えば、下記式:
Figure 2013185056
(式中、X、Y及びZは、各々上記と同様である。n及びnは、重合度を示す。nは、0でない正の整数であり、nは、0又は正の整数である。)で表すことができる。「Y/Z−」は、Y又はZが結合していることを表し、「X1〜2−」は、Xが1又は2個結合していることを表し、「(Z/Y)1〜2−」は、Z又はYが1個結合するか、Z又はYが2個結合するか、又は、Z及びYが1個ずつ、合計2個結合することを表す。「Si−(X/Y/Z)」は、X、Y及びZから選ばれる任意の3種がケイ素原子に結合していることを示す。
上記式において、Si−OmとSi−Omは、Si−OmとSi−Omの結合順序を規定するものではなく、例えば、Si−OmとSi−Omが交互又はランダムに共縮合している形態、Si−OmからなるポリシロキサンとSi−Omのポリシロキサンが結合している形態等が好適であり、縮合構造は任意である。
上記シラン化合物は、上述した平均組成式:XaYbZcSiOdで表すことができるが、該シラン化合物のシロキサン骨格(シロキサン結合を必須とする主鎖骨格)は、(SiOと表すこともできる。(SiO以外の構造は、イミド結合を有する有機骨格(イミド結合を必須とする構造)X、水素原子や水酸基等のY、及び、イミド結合を含まない有機基Zであり、これらは主鎖骨格のケイ素原子に結合することとなる。
X、Y及びZは、「鎖」の形態となった繰り返し単位に含まれてもよく、含まれていなくてもよい。例えば、Xは、側鎖として1分子に1つ以上含まれていればよい。上記(SiOにおいて、nは、重合度を表すが、該重合度は、主鎖骨格の重合度を表し、イミド結合を有する有機骨格は、必ずしもn個存在していなくてもよい。言い換えれば、(SiOの1つの単位に必ず1つのイミド結合を有する有機骨格が存在していなくてもよい。また、イミド結合を有する有機骨格は、1分子中に1つ以上含まれていればよいが、複数含まれる場合、上述したように、1つのケイ素原子に2以上のイミド結合を有する有機骨格が結合していてもよい。これらは、以下においても同様である。
上記主鎖骨格(SiOにおいて、mは、1以上、2未満の数であることが好ましい。より好ましくは、m=1.5〜1.8である。
上記nは、重合度を表し、1〜5000であることが好ましい。より好ましくは1〜2000、更に好ましくは1〜1000、特に好ましくは1〜200である。
上記nが2である場合のシラン化合物としては、ケイ素原子にイミド結合を有する有機骨格(X)が少なくとも1個結合してなる構成単位(このケイソ原子にXが少なくとも1個結合してなる構成単位を、「構成単位(I)」とも称す。)が2つ含まれる形態と、該構成単位(I)が1つしか含まれない形態が挙げられる。具体的には、下記式:
Figure 2013185056
(式中、Aは、Y又はZであり、X、Y及びZは、各々上記と同様である。)等が好適であり、同一の構成単位(I)2つを含むホモポリマーの形態と、異なる構成単位(I)2つを含むホモポリマーの形態と、構成単位(I)を1つしか含まないコポリマーの形態(共縮合構造の形態)とがある。
上記平均組成式:XaYbZcSiOdにおいて、Xは、下記式(3):
Figure 2013185056
(式中、Rは、芳香族、複素環及び脂環からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を表す。x及びzは、同一又は異なって、0以上5以下の整数であり、yは、0又は1である。)で表されることが好適である。すなわち、本発明におけるシラン化合物は、上述した平均組成式:XaYbZcSiOdで表され、かつXが上記式(3)で表される形態が好ましい。
上記式(3)において、x及びzは、同一又は異なって、0以上5以下の整数である。また、yは、0又は1であり、0であることが好ましい。x+zとしては、0以上10以下の整数であればよいが、3〜7であることが好ましく、より好ましくは3〜5であり、特に好ましくは3である。
また上記式(3)中、Rは、芳香族、複素環及び脂環からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を表す。すなわち、Rが芳香族化合物の環構造(芳香環)を有する基、複素環式化合物の環構造(複素環)を有する基、及び、脂環式化合物の環構造(脂環)を有する基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基であることを表す。
上記Rとして具体的には、フェニレン基、ナフチリデン基、ノルボルネンの2価基、(アルキル)シクロヘキシレン基、シクロヘキセニル基等が好ましい。
なお、上記式(3)で表される構成単位は、Rがフェニレン基である場合には下記式(3−2)で表される構成単位となり、Rが(アルキル)シクロヘキシレン基である場合には下記式(3−3)で表される構成単位となり、Rがナフチリデン基である場合には下記式(3−4)で表される構成単位となり、Rがノルボルネンの2価基である場合には下記式(3−5)で表される構成単位となり、Rがシクロヘキセニル基である場合には下記式(3−6)で表される構成単位となる。
Figure 2013185056
上記式(3−2)〜(3−6)中、x、y及びzは、各々上記式(3)と同様である。
上記式(3−2)中、R〜Rは、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子及び芳香族からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を表す。
上記式(3−3)中、R〜R及びR6´〜R9´は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子及び芳香族からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を表す。上記R〜R及びR6´〜R9´としては、R若しくはRがメチル基で残りの全てが水素原子である形態、又は、R〜R及びR6´〜R9´全てが水素原子である形態、又は、R〜R及びR6´〜R9´全てがフッ素原子である形態が好ましい。より好ましくは、R又はRがメチル基で残りの全てが水素原子である形態である。
上記式(3−4)中、R10〜R15は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子及び芳香族からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を表す。上記R10〜R15としては、全てが水素原子である形態、又は、全てがフッ素原子である形態が好ましい。より好ましくは、全てが水素原子である形態である。
上記式(3−5)中、R16〜R21は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子及び芳香族からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を表す。上記R16〜R21としては、全てが水素原子である形態、全てがフッ素原子である形態、又は、全てが塩素原子である形態のいずれかの形態が好ましい。より好ましくは、全てが水素原子である形態である。
上記式(3−6)中、R22〜R25、R22´及びR25´は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子及び芳香族からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を表す。上記R22〜R25、R22´及びR25´としては、全てが水素原子である形態、全てがフッ素原子である形態、又は、全てが塩素原子である形態のいずれかの形態が好ましい。より好ましくは、全てが水素原子である形態である。
上記式(3)の中でも、下記式(3−7):
Figure 2013185056
(式中、R26は、芳香族、複素環及び脂環からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を表す。)で表される構成単位であることが好適である。すなわち、上記シラン化合物は、上記式(3−7)で表される構成単位と、シロキサン骨格とを有する化合物である形態が好適である。なお、上記式(3−7)中のR26は、上記式(3)において説明したRと同様であることが好ましい。
上記シラン化合物の特に好ましい形態としては、R26がフェニレン基であるポリ(γ−フタロイミドプロピルシルセスキオキサン)、R26がメチルシクロヘキシレン基であるポリ{γ−(へキサヒドロ−4−メチルフタルイミド)プロピルシルセスキオキサン}、R26がナフチリデン基であるポリ{γ−(1,8−ナフタルイミド)プロピルシルセスキオキサン}、R26がノルボルネンの2価基であるポリ{γ−(5−ノルボルネン−2,3−イミド)プロピルシルセスキオキサン}、R26がシクロヘキセニル基であるポリ〔(cis−4−シクロヘキセン−1,2−イミド)プロピルシルセスキオキサン〕である。
これらの化合物の構造は、H−NMR、13C−NMR、MALDI−TOF−MSを測定して同定することができる。
上記シラン化合物を得る方法としては特に限定されないが、例えば、上記平均組成式で表されるシラン化合物を得る場合の方法として、下記の製法等が挙げられる。
(a)上記シラン化合物におけるイミド結合を含む有機骨格Xに対応するアミド結合を有する有機骨格X´と、シロキサン結合とを有する平均組成式X´aYbZcSiOdで表される(シラン化合物からなる)中間体をイミド化させる工程を含む製造方法。
(b)上記シラン化合物におけるイミド結合を含む有機骨格Xに対応するイミド結合を有する有機骨格が、ケイ素原子に結合しかつ加水分解性基を有するシラン化合物よりなる中間体を、加水分解・縮合させる工程を含む製造方法。
上記硬化性樹脂組成物は、更に、多官能マレイミド化合物を含むことが好適である。すなわち、ベンゾオキサジン化合物、シラン化合物及び多官能マレイミド化合物を含む硬化性樹脂組成物は、本発明の好適な形態の1つである。この場合、硬化物のTgが更に向上されて、より高い耐熱性を示す硬化物を得ることができる。このような硬化性樹脂組成物の硬化物では、多官能マレイミド化合物とベンゾオキサジン化合物との反応で生じる樹脂骨格中に、シラン化合物が取り込まれた構造になっているものと考えられるが、多官能マレイミド化合物単独のものに比べて、硬化しやすく、かつ硬化時の成形性が良い。
上記多官能マレイミド化合物の配合量は、例えば、多官能マレイミド化合物とベンゾオキサジン化合物との官能基の比(マレイミド基/ベンゾオキサジン基;モル比)が、1/0.01〜1となるように設定することが好適である。これにより、硬化物の架橋密度が更に向上され、硬化物のTgがより一層向上されるとともに、耐熱分解性もより高まる。より好ましくは1/0.05〜0.8、更に好ましくは1/0.1〜0.5である。
上記多官能マレイミド化合物は、分子内にマレイミド基を2個以上有する化合物であればよく、1種又は2種以上を使用することができる。例えば、下記化合物等が好ましく使用される。
N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−トルイレンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ビフェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4’−[3,3’−ジメチル−ビフェニレン]ビスマレイミド、N,N’−4,4’−[3,3’−ジメチルジフェニルメタン]ビスマレイミド、N,N’−4,4’−[3,3’−ジエチルジフェニルメタン]ビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルエ−テルビスマレイミド、N,N’−3,3’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]ノナン、2,2−ビス[3−タ−シャリ−ブチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−セカンダリ−ブチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]デカン、1,1−ビス[2−メチル−4−(4−マレイミドフェノキシ)−5−タ−シャリ−ブチルフェニル]−2−メチルプロパン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス[1−(4−マレイミドフェノキシ)−2−(1,1−ジメチルエチル)ベンゼン]、4,4’−メチレン−ビス[1−(4−マレイミドフェノキシ)−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)ベンゼン]、4,4’−メチレン−ビス[1−(4−マレイミドフェノキシ)−2,6−ジ−セカンダリ−ブチルベンゼン]、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス[1−(4−マレイミドフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン]、4,4’−メチレン−ビス[1−(マレイミドフェノキシ)−2−ノニルベンゼン]、4,4’−(1−メチルエチリデン)−ビス[1−(マレイミドフェノキシ)−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)ベンゼン、4,4’−(2−エチルヘキシリデン)−ビス[1−(マレイミドフェノキシ)−ベンゼン]、4,4’−(1−メチルヘプチリデン)−ビス[1−(マレイミドフェノキシ)−ベンゼン]、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス[1−(マレイミドフェノキシ)−3−メチルベンゼン]等。
上記多官能マレイミド化合物は、例えば、無水マレイン酸と多官能ジアミンとを反応させて得られる多官能マレアミド酸を、更に脱水閉環イミド化することによって得ることができる。また、このようにして得た多官能マレイミド化合物を、更に多官能アミンや多官能アリルフェノ−ル化合物と200℃以下の温度で反応させることにより、プレポリマーを得ることが可能である。
上記硬化性樹脂組成物は、更に、イミダゾ−ル化合物を含むことが好適である。すなわち、ベンゾオキサジン化合物、シラン化合物及びイミダゾ−ル化合物を含む硬化性樹脂組成物もまた、本発明の好適な形態の1つであり、これによって、硬化物の架橋密度が更に向上され、硬化物のTgがより一層向上されることになる。より好ましくは、ベンゾオキサジン化合物、シラン化合物、多官能マレイミド化合物及びイミダゾ−ル化合物を含む形態である。
上記イミダゾ−ル化合物の配合量は、例えば、イミダゾール化合物とベンゾオキサジン化合物との官能基の比(イミダゾール基/ベンゾオキサジン基;モル比)が、1/5〜50となるように設定することが好適である。これにより、硬化物の架橋密度が更に向上され、硬化物のTgがより一層向上されるとともに、耐熱分解性もより高まる。より好ましくは、1/10〜40、更に好ましくは、1/15〜30である。
上記イミダゾ−ル化合物は、分子内にイミダゾール基を少なくとも1個有する化合物であればよく、1種又は2種以上を使用することができる。例えば、下記化合物等が好ましく使用される。
イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−アミノメチル−2−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾール等。
上記硬化性樹脂組成物はまた、本来の特性を損なわない範囲において、上述した原料成分以外の成分(「その他の成分」とも称す。)を含有していてもよい。例えば、有機溶剤や希釈剤等の揮発成分、硬化促進剤、安定剤、離型剤、カップリング剤、着色剤、可塑剤、可とう化剤、各種ゴム状物、光感光剤、充填材、難燃剤、顔料等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記揮発成分としては、特に限定されず、通常使用されるものを使用すればよいが、有機溶剤としては、後述するものが好適である。
上記硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルヘキサデシルホスフォニウムブロマイド、トリブチルホスフィン、トリス(ジメトキシフェニル)ホスフィン等の有機リン化合物等の1種又は2種以上が好適である。
本発明はまた、ベンゾオキサジン化合物、多官能マレイミド化合物及びイミダゾ−ル化合物を含む硬化性樹脂組成物でもある。このような硬化性樹脂組成物もまた、ガラス転移温度(Tg)が高く、また同時に耐熱分解性も高い硬化物を付与することができるため、工業的に有用である。各成分については、上述したとおりであり、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。また、更に上述したその他の成分を含有していてもよい。
このような硬化性樹脂組成物において、ベンゾオキサジン化合物、多官能マレイミド化合物及びイミダゾ−ル化合物の組成は、これらの官能基の比(ベンゾオキサジン基/マレイミド基/イミダゾール基;モル比)が、5〜60/30〜90/0.1〜10となるように設定することが好適である。より好ましくは、20〜45/55〜80/0.3〜3である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、その硬化物のガラス転移温度(Tg)が250℃以上であることが好ましい。Tgが高いことで、高温で使用する部材として用いる場合により好適なものとなる。より好ましくは280℃以上、更に好ましくは310℃以上、特に好ましくは330℃以上である。
上記硬化性樹脂組成物はまた、その硬化物の5%質量減少温度が300℃以上であることが好ましい。5%質量減少温度が高い、すなわち耐熱分解性(耐熱性)に優れていることで、高温で使用する部材として用いる場合により好適なものとなる。5%質量減少温度としては、より好ましくは320℃以上、更に好ましくは340℃以上、特に好ましくは360℃以上、最も好ましくは400℃以上である。また、10%質量減少温度についても、好ましくは300℃以上、より好ましくは320℃以上、更に好ましくは340℃以上、特に好ましくは360℃以上、最も好ましくは400℃以上である。
上記硬化性樹脂組成物は更に、例えば、150℃における粘度が0.01〜60Pa・sであることが好適である。このような適度な粘度を有するものであると、硬化物を得る際のハンドリング性(取扱性)に優れるものとなる。より好ましくは0.02〜40Pa・sである。
上記粘度は、例えば、例えばビスコメーター(「CAP2000」BROOFIELD社製)を用いて、150±1℃で測定することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上述した原料成分を含むように調製すればよいが、取り扱いの観点から、反応容器への原料成分の投入順序を設定することが好適である。すなわち、まず、ベンゾオキサジン化合物以外の原料成分の一部又は全部を反応容器に投入した後、ベンゾオキサジン化合物を投入することが好適である。また、ベンゾオキサジン化合物とイミダゾ−ル化合物とを併用する場合は、まず、ベンゾオキサジン化合物及びイミダゾ−ル化合物以外の原料成分の一部又は全部を反応容器に投入し、その後、ベンゾオキサジン化合物を投入し、更にその後、イミダゾ−ル化合物を投入することが好適である。このように投入順序を設定することで、取り扱いが良くなり、組成物を得る際にゲル化することなく、組成物を効率よく得ることができる。
このように、ベンゾオキサジン化合物以外の原料成分の一部又は全部を反応容器に投入した後、該反応容器にベンゾオキサジン化合物を投入する硬化性樹脂組成物の製造方法;ベンゾオキサゾジン化合物及びイミダゾ−ル化合物以外の原料成分の一部又は全部を反応容器に投入した後、該反応容器にベンゾオキサジン化合物を投入し、その後、イミダゾ−ル化合物を投入する硬化性樹脂組成物の製造方法;もまた、本発明に含まれる。
上記製造方法において、原料成分の反応容器への添加方法は、特に限定されず、例えば、分割投入、一括投入等の通常の手法が採用される。
なお、原料成分が固体である場合には、事前に当該原料成分を粉砕状態又は溶融状態にしておくことが好適であり、これにより取り扱いが更に良くなる。
上記製造方法ではまた、上述した原料成分の投入後、加熱混合を行うが、有機溶剤が存在してもよく、溶融状態であってもよい。加熱温度は、特に限定されず、例えば40〜200℃とすることが好ましい。より好ましくは60〜180℃、更に好ましくは80〜160℃である。また、必要に応じて脱溶剤工程を行ってもよく、加熱混合後(更に必要に応じて脱溶剤工程後)に、架橋剤を投入して撹拌することが好適である。
上記有機溶剤としては、例えば、エーテル結合、エステル結合及び窒素原子からなる群より選ばれた少なくとも一つ以上の構造を有する化合物が好適に用いられる。
上記エーテル結合を有する化合物としては、例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アニソール、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、ペラトロール、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、ジオキサン、トリオキサン、フラン、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、シオネール、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、グリセリンエーテル、クラウンエーテル、メチラール、アセタール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、2−フェノキシエタノール、2−(ベンジルオキシ)エタノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等が好適である。
上記エステル結合を有する化合物としては、例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸sec−ヘキシル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペンチル、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、モノアセチン、ジアセチン、トリアセチン、モノブチリン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、酪酸エステル類、イソ酪酸エステル類、イソ吉草酸エステル類、ステアリン酸エステル類、安息香酸エステル類、ケイ皮酸エチル類、アビエチン酸エステル類、アジピン酸エステル類、γ−ブチロラクトン類、シュウ酸エステル類、マロン酸エステル類、マレイン酸エステル類、酒石酸エステル類、クエン酸エステル類、セバシン酸エステル類、フタル酸エステル類、二酢酸エチレン類等が好適である。
上記窒素原子を含有してなる化合物としては、例えば、ニトロメタン、ニトロエタン、1−ニトロプロパン、2−ニトロプロパン、ニトロベンゼン、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、α−トルニトリル、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、ε−カプロラクタム等が好適である。
上記エーテル結合、エステル結合及び窒素原子からなる群より選ばれた構造を複数有する化合物としては、例えば、N−エチルモルホリン、N−フェニルモルホリン、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、フェノキシエチルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が好適である。
上記有機溶剤の使用量としては、全原料成分(固形分)の合計量100重量部に対して、5〜1000重量部とすることが好ましい。より好ましくは10〜300重量部である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、必要に応じて硬化促進剤等を添加し、熱硬化することで硬化物とすることができる。硬化温度は、70〜300℃が好適であり、より好ましくは80〜250℃である。また、硬化時間は、0.1〜15時間が好適であり、より好ましくは0.5〜10時間である。なお、熱硬化は2段階以上で行なってもよい。
なお、上述した硬化性樹脂組成物の製造方法は、硬化物の製造方法にも適用できる。すなわち、上記硬化性樹脂組成物の硬化物を製造する方法であって、ベンゾオキサジン化合物以外の原料成分の一部又は全部を反応容器に投入した後、該反応容器にベンゾオキサジン化合物を投入する工程と、硬化工程とを含む硬化物の製造方法;上記硬化性樹脂組成物の硬化物を製造する方法であって、ベンゾオキサゾジン化合物及びイミダゾール化合物以外の原料成分の一部又は全部を反応容器に投入した後、該反応容器にベンゾオキサジン化合物を投入し、その後、イミダゾール化合物を投入する工程と、硬化工程とを含む硬化物の製造方法;もまた、本発明の好適な形態である。
上記硬化物の形状は、例えば、異形品等の成形体(成型体)、フィルム、シート、ペレット等が挙げられ、このような本発明の硬化性樹脂組成物を用いてなる硬化物(本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物)もまた、本発明の好適な形態の1つである。
上記硬化性樹脂組成物は、例えば、実装用途、光学用途、オプトデバイス用途、表示デバイス用途、機械部品用途、電気・電子部品用途、自動車部品用途、航空機部品用途、建築部材用途、燃料電池用途、各種二次電池用途、印刷インク用途等の種々様々な用途に好適に用いられるものである。具体的には、プリント配線板用銅張積層板、多層配線板用接着剤、半導体用封止材料、半導体実装用接着剤、半導体搭載用モジュール等のエレクトロニクス実装材料の他、ポッティング材、アンダーフィル材、導電性ペースト、絶縁ペースト、ダイボンド材、印刷インク等に好ましく使用される。中でも、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物は、耐熱性に特に優れる観点から、高耐熱性が要求されるエレクトロニクス実装材料に特に好適に用いられることになる。このように、上記硬化性樹脂組成物を用いてなるエレクトロニクス実装材料もまた、本発明の1つである。また、上記硬化性樹脂組成物は、ハイブリッド車や電気自動車、分散電源にも好適に採用できるものである。
上記エレクトロニクス実装材料は、電子部品等に使用され得る材料であれば特に限定されないが、例えば、半導体部品を封止する際に使用される半導体封止材等が好適である。このようなエレクトロニクス実装材料には、本発明の効果を損なわない範囲内で、必要に応じ、例えば、硬化促進剤、安定剤、離型剤、カップリング剤、着色剤、可塑剤、可とう化剤、各種ゴム状物、光感光剤、充填材、難燃剤、顔料等を含むことができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上述のような構成であるので、耐熱性に優れる硬化物を与えることができ、様々な用途に有用なものである。また、このような硬化性樹脂組成物を製造する際に、本発明の製造方法を採用すれば、製造工程での取扱性が良いため、工業的に有用である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味するものとする。
下記の実施例において、硬化性樹脂組成物の硬化物のTgは、動的粘弾性測定機(RSA−3 TAインスツルメンツ社製)を用い、測定条件を三点曲げモード、振幅0.2%、周波数6.28Hz、温度領域100℃〜350℃、昇温速度5℃/min、試験片形状(5×50×2mm)として測定結果の損失正接(tanδ)の値が最大となる温度を、Tgとした。
また、加熱時の質量減少温度を、示差熱天秤(機器名「TG−DTA2000SA」、ブルカー社製)を用いて測定した。測定条件は昇温速度10℃/min、空気流通下100ml/分とした。
合成例1(シラン化合物溶液1の調製)
ポリ(γ−フタロイミドプロピルシルセスキオキサン)の合成
撹拌装置、温度センサー、冷却管を備え付けた500mL4つ口フラスコに、予めモレキュラーシーブで乾燥したジグライム86.6gと、3−アミノプロピルトリメトキシシラン179.4gを投入し、撹拌しながら乾燥窒素流通下で100℃に昇温して系内の水分を除去した。次に80℃に反応液温度を維持しながら無水フタル酸148.2gを30分かけて4分割投入した。投入終了後3時間で無水フタル酸が完全に消費されているのを高速液体クロマトグラフィで確認した。
反応生成物をサンプリングしてH−NMR、13C−NMR、MALDI−TOF−MSを測定し、下記化学式(i−1):
Figure 2013185056
で表される化合物を含有することを確認した。
H−NMR:0.72(t、2H)、1.81(m、2H)、3.48(dd、2H)、3.72(s、9H)、4.71(bs、1H)、7.56−7.72(m、2H)、7.73−7.86(m、2H)、11.0(bs、1H)
13C−NMR:9.1、22.2、40.6、50.5、122.3、122.4、122.5、132.4、134.0、134.2、168.7、172.0
MALDI−TOF−MS:334(M+Li)
続いて脱イオン水54.2gを一括投入し冷却管で副生メタノールの還流が掛かるように昇温し、6時間保持したのち、冷却管をパーシャルコンデンサーに付け替えて再び昇温を開始し、副生メタノールおよび縮合水を回収しながら3時間かけて反応液温度を120℃に到達させた。120℃到達時にピリジン7.9gを投入してそのまま昇温を開始し、縮合水を回収しながら3時間かけて160℃に到達、同温度で2時間保持して室温まで冷却した。このようにして得られた反応生成物を「シラン化合物溶液1」(固形分濃度80.6%)とする。
反応生成物は、不揮発分80.6%で濃褐色高粘度液体であり、GPCで分子量測定したところ数平均分子量2310、重量平均分子量2830であった。H−NMR、13C−NMRを測定し、下記化学式(i−2):
Figure 2013185056
で表される化合物(ポリ(γ−フタロイミドプロピルシルセスキオキサン))を含有することを確認した。
H−NMR:0.3−0.9(bs、2H)、1.5−1.8(bs、2H)、3.4−3.6(bs、2H)、7.1−7.7(bs、4H)
13C−NMR:10.0、22.1、40.4、123.1、132.3、133.7、168.1
合成例2(シラン化合物溶液2の調製)
ポリ{γ−(5−ノルボルネン−2,3−イミド)プロピルシルセスキオキサン}の合成
撹拌装置、温度センサー、冷却管を備え付けた300mL4つ口フラスコに、予めモレキュラーシーブで乾燥したジグライム35.1gと、3−アミノプロピルトリメトキシシラン30.8gを投入し、撹拌しながら乾燥窒素流通下で100℃に昇温して系内の水分を除去した。次に100℃のまま反応液温度を維持しながら5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物28.2gを30分かけで4分割投入した。投入終了後9時間で5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物が完全に消費されているのを高速液体クロマトグラフィで確認した。
反応生成物をサンプリングしてH−NMR、13C−NMR、MALDI−TOF−MSを測定し、下記化学式(ii−1):
Figure 2013185056
で表される化合物を含有することを確認した。
H−NMR:0.40(t、2H)、1.35(m、2H)、1.46(dd、2H)、3.08−3.17(m、1H)、3.20(dd、2H)、3.28−3.37(m、1H)、3.40(s、9H)、3.42(m、1H)、3.48(m、1H)、5.91(s、2H)、6.22(bs、1H)、11.0(bs、1H)
13C−NMR:8.1、21.2、40.6、44.9、45.8、50.3、50.6、52.3、134.5、177.8、178.1
MALDI−TOF−MS:350(M+Li)
続いて脱イオン水9.3gを一括投入し冷却管で副生メタノールの還流が掛かるように昇温し、95℃で10時間保持したのち、冷却管をパーシャルコンデンサーに付け替えて再び昇温を開始し、副生メタノールおよび縮合水を回収しながら3時間かけて反応液温度を120℃に到達させた。120℃到達時にピリジン1.4gを投入してそのまま昇温を開始し、縮合水を回収しながら3時開かけて160℃に到達、同温度で2時間保持して室温まで冷却した。このようにして得られた反応生成物を「シラン化合物溶液2」(固形分濃度:58.2%)とする。
反応生成物は不揮発分58.2%で濃褐色高粘度液体であり、GPCで分子量測定したところ数平均分子量2340、重量平均分子量2570であった。H−NMR、13C−NMRを測定し、下記化学式(ii−2):
Figure 2013185056
で表される化合物(ポリ{γ−(5−ノルボルネン−2,3−イミド)プロピルシルセスキオキサン})を含有することを確認した。
H−NMR:0.25−0.45(bs、2H)、1.2−1.45(bs、2H)、1.47(dd、2H)、3.0−3.2(bs、4H)、3.4−3.6(bs、2H)、5.8−6.0(bs、2H)
13C−NMR:9.7、21.5、40.4、44.9、45.7、50.1、134.2、178.0
合成例3(シラン化合物溶液3の調製)
ポリ〔(cis−4−シクロヘキセン−1,2−イミド)プロピルシルセスキオキサン〕の合成
撹拌装置、温度センサー、冷却管を備え付けた500mL4つ口フラスコに、予めモレキュラーシーブで乾燥したジグライム103.7gと、3−アミノプロピルトリメトキシシラン177.6gを投入し、撹拌しながら乾燥窒素流通下で100℃に昇温して系内の水分を除去した。次に80℃に反応液温度を維持しながらcis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物150.7gを30分かけて4分割投入した。投入終了後3時間でcis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物が完全に消費されているのを高速液体クロマトグラフィで確認した。
反応生成物をサンプリングしてH−NMR、13C−NMR、MALDI−TOF−MSを測定し、下記化学式(iii−1):
Figure 2013185056
で表される化合物を含有することを確認した。
H−NMR:0.72(t、2H)、1.81(m、2H)、2.23(dd、4H)、2.74(m、1H)、2.91(dd、1H)、3.48(dd、2H)、3.72(s、9H)、5.74(m、2H)、11.0(bs、1H)
13C−NMR:9.1、22.2、25.5、26.8、40.6、42.3、43.1、44.7、131.7、168.8、172.7、
MALDI−TOF−MS:338(M+Li)
続いて脱イオン水53.4gを一括投入し冷却管で副生メタノールの還流が掛かるように昇温し、6時間保持したのち、冷却管をパーシャルコンデンサーに付け替えて再び昇温を開始し、副生メタノールおよび縮合水を回収しながら3時間かけて反応液温度を120℃に到達させた。120℃到達時にピリジン7.9gを投入してそのまま昇温を開始し、縮合水を回収しながら3時間かけて160℃に到達、同温度で2時間保持して室温まで冷却した。このようにして得られた反応生成物を「シラン化合物溶液3」(固形分濃度:74.3%)とする。
反応生成物は不揮発分74.3%で濃褐色高粘度液体であり、GPCで分子量測定したところ数平均分子量2041、重量平均分子量2838であった。H−NMR、13C−NMRを測定し、下記化学式(iii−2):
Figure 2013185056
で表される化合物(ポリ〔(cis−4−シクロヘキセン−1,2−イミド)プロピルシルセスキオキサン〕)を含有することを確認した。
H−NMR:0.25−0.55(bs、2H)、1.3−1.5(bs、2H)、2.0−2.5(dd、4H)、2.9−3.1(bs、2H)、3.2−3.35(bs、2H)、5.65−5.8(bs、2H)
13C−NMR:10.0、21.0、23.8、39.0、41.1、127.8、180.5
実施例1
パーシャルコンデンサー、補集管、真空ポンプ、温度センサー、攪拌装置を備えた200mLフラスコに、フェニルエタンマレイミドBMI−2300(大和化成工業社製)37.0gと、P−d型ベンゾオキサジン(四国化成工業社製)13.0gを仕込み、オイルバスにて150℃まで加熱し、1時間攪拌して均一な溶液を得たことを目視で確認した後、150℃のまま真空ポンプでフラスコ内を5kPaまで減圧にし、2時間揮発分を除去し、150℃で液体、常温で固体の組成物1を得た。組成物1をPTFE製型枠に流し込み、200℃×3時間+250℃×1時間の温度条件下に放置して硬化物とした。
実施例2
パーシャルコンデンサー、補集管、真空ポンプ、温度センサー、攪拌装置を備えた200mLフラスコに、フェニルエタンマレイミドBMI−2300(大和化成工業社製)37.0gと、P−d型ベンゾオキサジン(四国化成工業社製)13.0gを仕込み、オイルバスにて150℃まで加熱し、1時間攪拌して均一な溶液を得たことを目視で確認した後、150℃のまま真空ポンプでフラスコ内を5kPaまで減圧にし、2時間揮発分を除去し、最後に常圧に戻し、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールを0.5g投入し、再び5kPaまで減圧し、3分間脱気を行い、150℃で液体、常温固体の組成物2を得た。組成物2をPTFE製型枠に流し込み、200℃×3時間+250℃×1時間の温度条件下に放置して硬化物とした。
実施例3
パーシャルコンデンサー、補集管、真空ポンプ、温度センサー、攪拌装置を備えた500mLフラスコに、フェニルエタンマレイミドBMI−2300(大和化成工業社製)230gと、合成例1で得たシラン化合物溶液1(固形分濃度80.6%)197.2gを仕込み、150℃まで加熱し、0.5時間攪拌して均一な溶液を得た。引き続き真空ポンプでフラスコ内を5kPaまで減圧にし、3時間かけて揮発成分を除去した。その後、フラスコ内温を室温まで下げ、常温固体の混合物1を得た。
パーシャルコンデンサー、補集管、真空ポンプ、温度センサー、攪拌装置を備えた200mLフラスコに、予め粉砕した混合物1(15.8g)と、P−d型ベンゾオキサジン(四国化成工業社製)10.4gと、フェニルエタンマレイミドBMI−2300(大和化成工業社製)23.8gを仕込み、150℃まで加熱し、1時間攪拌して均一な溶液を得たことを目視で確認した後、150℃のまま真空ポンプでフラスコ内を5kPaまで減圧にし、2時間揮発分を除去し、最後に常圧に戻し、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールを0.5g投入し、再び5kPaまで減圧し、3分間脱気を行い、150℃で液体、常温固体の組成物3を得た。組成物3をPTFE製型枠に流し込み、200℃×3時間+250℃×1時間の温度条件下に放置して硬化物とした。
実施例1〜3で得た各硬化物について、ガラス転移温度(Tg)及び質量減少温度(5質量%減少温度、及び、10質量%減少温度)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2013185056
表1より、本発明の硬化性樹脂組成物により得られる硬化物は、ガラス転移温度が300℃以上であり、しかも5%及び10%質量減少温度がいずれも400℃以上であるという、極めて耐熱性に優れるものであることが確認された。

Claims (8)

  1. ベンゾオキサジン化合物、及び、シロキサン骨格とイミド結合とを有するシラン化合物を含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 更に、多官能マレイミド化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記シラン化合物は、下記平均組成式:
    XaYbZcSiOd
    (式中、Xは、同一又は異なって、イミド結合を含む有機骨格を表す。Yは、同一又は異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子及びOR基からなる群より選ばれる少なくとも一つを表す。Zは、同一又は異なって、イミド結合を含まない有機基を表す。Rは、同一又は異なって、アルキル基、アシル基、アリール基及び不飽和脂肪族残基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を表し、置換基を有していてもよい。aは、0でない3以下の数であり、b及びcは、同一又は異なって、0又は3未満の数であり、dは、0でない2未満の数であり、a+b+c+2d=4である。)で表されることを特徴とする請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 更に、イミダゾール化合物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  5. ベンゾオキサジン化合物、多官能マレイミド化合物及びイミダゾール化合物を含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を製造する方法であって、
    該製造方法は、ベンゾオキサジン化合物以外の原料成分の一部又は全部を反応容器に投入した後、該反応容器にベンゾオキサジン化合物を投入することを特徴とする硬化性樹脂組成物の製造方法。
  7. 請求項4又は5に記載の硬化性樹脂組成物を製造する方法であって、
    該製造方法は、ベンゾオキサゾジン化合物及びイミダゾール化合物以外の原料成分の一部又は全部を反応容器に投入した後、該反応容器にベンゾオキサジン化合物を投入し、その後、イミダゾール化合物を投入することを特徴とする硬化性樹脂組成物の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を用いてなることを特徴とするエレクトロニクス実装材料。
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