JP2011012153A - 液状組成物及びエレクトロニクス実装材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】反応性基含有化合物、架橋剤及び特定構造を有するシラン化合物を含む液状組成物であって、該反応性基含有化合物は、室温で固化しており、かつ200℃以下に融点を有する化合物である液状組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明はまた、上記液状組成物を用いてなるエレクトロニクス実装材料でもある。
以下に本発明を詳述する。
上記液状組成物の粘度は、例えば、コーンプレート型粘度計(機器名「cap2000H」、ブルックフィールド社製)を用い、測定温度を60℃として測定することができる。
本明細書中、融点とは、不活性雰囲気下で結晶が溶けて液状になる状態の温度(℃)を意味する。したがって、非晶質の化合物は融点を有しない。
上記反応性基含有化合物はまた、その構造中に芳香環構造又は複素環構造を有するものであることが好適である。これにより、本発明の液状組成物の耐熱分解性を更に向上させることが可能になる。
上記イミド結合を有さない有機基としては、好ましくは、アルキル基、アリール基、アラルキル基等の芳香族残基、不飽和脂肪族残基からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、これらは置換基を有していてもよい。より好ましくは、置換基を有していてもよい、炭素数1〜8のアルキル基、又は、アリール基、アラルキル基等の芳香族残基である。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、フェニル基、ビニル基、クロロプロピル基、メルカプトプロピル基、(エポキシシクロヘキシル)エチル基、グリシドキシプロピル基、N−フェニル−3−アミノプロピル基、(メタ)アクリロキシプロピル基、ヘキシル基、デシル基、オクタデシル基、トリフルオロプロピル基等が好適である。
また上記シラン化合物において、構成単位(1)を少なくとも含むイミド結合を有する有機骨格が占める割合としては、シラン化合物に含まれるケイ素原子100モルに対して、100〜20モルであることが好ましい。より好ましくは100〜50モル、更に好ましくは100〜70モルである。
XaYbZcSiOd (2)
(式中、Xは、同一又は異なって、イミド結合を含む有機骨格を表し、少なくとも上記式(1)で表される構成単位を含むものである。Zは、同一又は異なって、イミド結合を含まない有機基を表す。Yは、同一又は異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子及びOR基からなる群より選ばれる少なくとも1つを表す。Rは、同一又は異なって、アルキル基、アシル基、アリール基及び不飽和脂肪族残基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基を表し、置換基を有していてもよい。aは、0でない3以下の数であり、bは、0又は3未満の数であり、cは、0又は3未満の数であり、dは、0でない2未満の数であり、a+b+c+2d=4である。)で表すことができる。上記平均組成式(2)では、Xの係数aは、0<a≦3の数であり、Yの係数bは、0≦b<3の数であり、Zの係数cは、0≦c<3未満の数である。Oの係数dは、0<d<2である。
上記平均組成式(2)中、Yは、水酸基やOR基が好適である。より好ましくはOR基、更に好ましくは、Rが炭素数1〜8のアルキル基であるOR基である。また、Zは、アルキル基、アリール基、アラルキル基等の芳香族残基、及び、不飽和脂肪族残基からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい(これらは置換基を有していてもよい。)。より好ましくは、置換基を有していてもよい、炭素数1〜8のアルキル基や、アリール基、アラルキル基等の芳香族残基である。
なお、「Y/Z−」は、Y又はZが結合していることを表し、「X1〜2−」は、Xが1又は2個結合していることを表し、「(Z/Y)1〜2−」は、Z又はYが1個結合するか、Z又はYが2個結合するか、Z及びYが1個ずつ、合計2個結合することを表す。「Si−(X/Y/Z)3」は、X、Y及びZから選ばれる任意の3種がケイ素原子に結合していることを示す。
上記式(3)において、Si−Om1とSi−Om2は、Si−Om1とSi−Om2の結合順序を規定するものではなく、例えば、Si−Om1とSi−Om2が交互又はランダムに共縮合している形態、Si−Om1からなるポリシロキサンとSi−Om2のポリシロキサンが結合している形態等が好適であり、縮合構造は任意である。
X、Y及びZは、「鎖」の形態となった繰り返し単位に含まれてもよく、含まれていなくてもよい。例えば、Xは、側鎖として1分子に1つ以上含まれていればよい。上記(SiOm)nにおいて、nは、重合度を表すが、該重合度は、主鎖骨格の重合度を表し、イミド結合を有する有機骨格は、必ずしもn個存在していなくてもよい。言い換えれば、(SiOm)nの1つの単位に必ず1つのイミド結合を有する有機骨格が存在していなくてもよい。また、イミド結合を有する有機骨格は、1分子中に1つ以上含まれていればよいが、複数含まれる場合、上述したように、1つのケイ素原子に2以上のイミド結合を有する有機骨格が結合していてもよい。これらは、以下においても同様である。
上記nは、重合度を表し、1〜5000であることが好ましい。より好ましくは1〜2000、更に好ましくは1〜1000であり、特に好ましくは1〜200である。
上記nが2である場合のシラン化合物としては、ケイ素原子にイミド結合を有する有機骨格(X)が少なくとも1個結合してなる構成単位が2つ含まれる形態と、該構成単位が1つしか含まれない形態が挙げられる。具体的には、下記式:
上記R1として具体的には、フェニレン基、ナフチリデン基、ノルボルネンの2価基、(アルキル)シクロヘキシレン基、シクロヘキセニル基等が好ましい。
なお、上記構成単位(1)は、R1がフェニレン基である場合には下記式(1−2)で表される構成単位となり、R1が(アルキル)シクロヘキシレン基である場合には下記式(1−3)で表される構成単位となり、R1がナフチリデン基である場合には下記式(1−4)で表される構成単位となり、R1がノルボルネンの2価基である場合には下記式(1−5)で表される構成単位となり、R1がシクロヘキセニル基である場合には下記式(1−6)で表される構成単位となる。
上記式(1−2)中、R2〜R5は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子及び芳香族からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を表す。
上記式(1−3)中、R6〜R9及びR6´〜R9´は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子及び芳香族からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を表す。上記R6〜R9及びR6´〜R9´としては、R7若しくはR8がメチル基で残りの全てが水素原子である形態、又は、R6〜R9及びR6´〜R9´全てが水素原子である形態、又は、R6〜R9及びR6´〜R9´全てがフッ素原子である形態が好ましい。より好ましくは、R7又はR8がメチル基で残りの全てが水素原子である形態である。
上記式(1−5)中、R16〜R21は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子及び芳香族からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を表す。上記R16〜R21としては、全てが水素原子である形態、全てがフッ素原子である形態、又は、全てが塩素原子である形態のいずれかの形態が好ましい。より好ましくは、全てが水素原子である形態である。
上記式(1−6)中、R22〜R25、R22´及びR25´は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子及び芳香族からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を表す。上記R22〜R25、R22´及びR25´としては、全てが水素原子である形態、全てがフッ素原子である形態、又は、全てが塩素原子である形態のいずれかの形態が好ましい。より好ましくは、全てが水素原子である形態である。
(a)上記シラン化合物におけるイミド結合を含む有機骨格Xに対応するアミド結合を有する有機骨格X´と、シロキサン結合とを有する平均組成式X´aYbZcSiOdで表される(シラン化合物からなる)中間体をイミド化させる工程を含む製造方法。
(b)上記シラン化合物におけるイミド結合を含む有機骨格Xに対応するイミド結合を有する有機骨格が、ケイ素原子に結合しかつ加水分解性基を有するシラン化合物よりなる中間体を、加水分解・縮合させる工程を含む製造方法。
ここで、本発明の液状組成物は、上述したように、揮発成分を含まずとも室温で液状で存在することができ、揮発成分を含まないことが望まれる用途にも好適に用いられるものである。したがって、上記液状組成物100質量%中の揮発成分の含有量は、10質量%以下であることが好ましい。より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、特に好ましくは実質的に揮発成分を含まないことである。実質的に揮発成分を含まないとは、揮発成分の含有量が、組成物を溶解させることができる量未満であることを意味し、例えば、上記液状組成物100質量%中に1質量%以下であることが好適である。このように、上記液状組成物が実質的に揮発成分を含まない形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。なお、印刷インク用途等、揮発成分を含んでもよい用途に用いる場合にあっては、上記液状組成物は揮発成分を含んでいてもよく、このような形態も本発明の好適な実施形態の1つである。
このように本発明の液状組成物は、揮発成分を含んでも、実質的に含んでいなくても、室温で液状に存在できるという極めて特異な性質を有するものであり、この点に重要な技術的意義を有する。
上記5%質量減少温度は、液状組成物の硬化物について、例えば、示差熱天秤(機器名「TG−DTA2000SA」、ブルカー社製)を用い、測定条件を昇温速度10℃/min、空気流通下100ml/分として測定することができる。
上記エーテル結合を有する化合物としては、例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アニソール、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、ペラトロール、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、ジオキサン、トリオキサン、フラン、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、シオネール、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、グリセリンエーテル、クラウンエーテル、メチラール、アセタール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、2−フェノキシエタノール、2−(ベンジルオキシ)エタノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等が好適である。
また混合方法、脱溶剤工程及び室温への冷却工程は、通常の手法で行えばよく、特に限定されるものではない。
上記硬化物の形状は、例えば、異形品等の成形体、フィルム、シート、ペレット等が挙げられ、このように本発明の液状組成物を用いてなる硬化物(本発明の液状組成物から形成される硬化物)もまた、本発明の好ましい形態の1つである。
下記の実施例及び比較例において、反応性基含有化合物及び比較用反応性基含有化合物の融点の測定は、DSC(「EXSTAR6000」、セイコーインスツルメント社製)と融点測定器(「B−535」、BUCHI社製)を用いて行った。DSC測定を窒素流通下、昇温速度5min/℃で行い、吸熱ピークの発生する温度領域を予め確認し、融点測定器で室温から該温度領域まで目視観察して、融点を調べた。
ポリ(γ−フタロイミドプロピルシルセスキオキサン)の合成
撹拌装置、温度センサー、冷却管を備え付けた500mL4つ口フラスコに、予めモレキュラーシーブで乾燥したジグライム86.6gと、3−アミノプロピルトリメトキシシラン179.4gを投入し、撹拌しながら乾燥窒素流通下で100℃に昇温して系内の水分を除去した。次に80℃に反応液温度を維持しながら無水フタル酸148.2gを30分かけて4分割投入した。投入終了後3時間で無水フタル酸が完全に消費されているのを高速液体クロマトグラフィで確認した。
反応生成物をサンプリングして1H−NMR、13C−NMR、MALDI−TOF−MSを測定し、下記化学式(i−1):
1H−NMR:0.72(t、2H)、1.81(m、2H)、3.48(dd、2H)、3.72(s、9H)、4.71(bs、1H)、7.56−7.72(m、2H)、7.73−7.86(m、2H)、11.0(bs、1H)
13C−NMR:9.1、22.2、40.6、50.5、122.3、122.4、122.5、132.4、134.0、134.2、168.7、172.0
MALDI−TOF−MS:334(M+Li)
反応生成物は、不揮発分80.6%で濃褐色高粘度液体であり、GPCで分子量測定したところ数平均分子量2310、重量平均分子量2830であった。1H−NMR、13C−NMRを測定し、下記化学式(i−2):
1H−NMR:0.3−0.9(bs、2H)、1.5−1.8(bs、2H)、3.4−3.6(bs、2H)、7.1−7.7(bs、4H)
13C−NMR:10.0、22.1、40.4、123.1、132.3、133.7、168.1
ポリ{γ−(5−ノルボルネン−2,3−イミド)プロピルシルセスキオキサン}の合成
撹拌装置、温度センサー、冷却管を備え付けた300mL4つ口フラスコに、予めモレキュラーシーブで乾燥したジグライム35.1gと、3−アミノプロピルトリメトキシシラン30.8gを投入し、撹拌しながら乾燥窒素流通下で100℃に昇温して系内の水分を除去した。次に100℃のまま反応液温度を維持しながら5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物28.2gを30分かけで4分割投入した。投入終了後9時間で5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物が完全に消費されているのを高速液体クロマトグラフィで確認した。
反応生成物をサンプリングして1H−NMR、13C−NMR、MALDI−TOF−MSを測定し、下記化学式(ii−1):
1H−NMR:0.40(t、2H)、1.35(m、2H)、1.46(dd、2H)、3.08−3.17(m、1H)、3.20(dd、2H)、3.28−3.37(m、1H)、3.40(s、9H)、3.42(m、1H)、3.48(m、1H)、5.91(s、2H)、6.22(bs、1H)、11.0(bs、1H)
13C−NMR:8.1、21.2、40.6、44.9、45.8、50.3、50.6、52.3、134.5、177.8、178.1
MALDI−TOF−MS:350(M+Li)
反応生成物は不揮発分58.2%で濃褐色高粘度液体であり、GPCで分子量測定したところ数平均分子量2340、重量平均分子量2570であった。1H−NMR、13C−NMRを測定し、下記化学式(ii−2):
1H−NMR:0.25−0.45(bs、2H)、1.2−1.45(bs、2H)、1.47(dd、2H)、3.0−3.2(bs、4H)、3.4−3.6(bs、2H)、5.8−6.0(bs、2H)
13C−NMR:9.7、21.5、40.4、44.9、45.7、50.1、134.2、178.0
ポリ〔(cis−4−シクロヘキセン−1,2−イミド)プロピルシルセスキオキサン〕の合成
撹拌装置、温度センサー、冷却管を備え付けた500mL4つ口フラスコに、予めモレキュラーシーブで乾燥したジグライム103.7gと、3−アミノプロピルトリメトキシシラン177.6gを投入し、撹拌しながら乾燥窒素流通下で100℃に昇温して系内の水分を除去した。次に80℃に反応液温度を維持しながらcis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物150.7gを30分かけて4分割投入した。投入終了後3時間でcis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物が完全に消費されているのを高速液体クロマトグラフィで確認した。
反応生成物をサンプリングして1H−NMR、13C−NMR、MALDI−TOF−MSを測定し、下記化学式(iii−1):
1H−NMR:0.72(t、2H)、1.81(m、2H)、2.23(dd、4H)、2.74(m、1H)、2.91(dd、1H)、3.48(dd、2H)、3.72(s、9H)、5.74(m、2H)、11.0(bs、1H)
13C−NMR:9.1、22.2、25.5、26.8、40.6、42.3、43.1、44.7、131.7、168.8、172.7、
MALDI−TOF−MS:338(M+Li)
反応生成物は不揮発分74.3%で濃褐色高粘度液体であり、GPCで分子量測定したところ数平均分子量2041、重量平均分子量2838であった。1H−NMR、13C−NMRを測定し、下記化学式(iii−2):
1H−NMR:0.25−0.55(bs、2H)、1.3−1.5(bs、2H)、2.0−2.5(dd、4H)、2.9−3.1(bs、2H)、3.2−3.35(bs、2H)、5.65−5.8(bs、2H)
13C−NMR:10.0、21.0、23.8、39.0、41.1、127.8、180.5
パーシャルコンデンサー、補集管、真空ポンプ、温度センサー、攪拌装置を付帯した500mLフラスコに、4,4’−ビス(グリシジロキシ)ビフェニル121.1gと、合成例1で得たシラン化合物溶液1(固形分濃度80.6%)229.7gを仕込み、140℃まで加熱しながら攪拌して均一な溶液を得た。引き続き真空ポンプでフラスコ内を5kPaまで減圧にし、7時間かけて揮発成分を補集した。その後、フラスコ内温を90℃に下げてテトラヒドロメチル無水フタル酸64.1gを投入し完全に均一になるまで攪拌した後、25℃まで冷却することで組成物1を得た。
このように調製した組成物1について、下記のようにして、室温(25℃)での性状、60℃粘度及び5%質量減少温度を評価した。結果を表1に示す。
上記により調製した樹脂組成物(液状組成物)を室温(25℃)まで冷却した後、目視により室温下での性状を確認した。また、コーンプレート型粘度計(機器名「cap2000H」、ブルックフィールド社製)を用いて測定温度60℃での粘度を測定した。
(2)5%質量減少温度
上記により調製した樹脂組成物(液状組成物)100部に対して、トリトリルホスフィン(東京化成工業社製)0.5部を添加してよく撹拌した後、PTFE製型枠に流し込み、120℃×30分+180℃×3時間の温度条件下に放置して硬化物とした。得られた硬化物の加熱時の質量減少温度を、示差熱天秤(機器名「TG−DTA2000SA」、ブルカー社製)を用いて測定した。測定条件は昇温速度10℃/min、空気流通下100ml/分とした。
反応性基含有化合物(又は比較用反応性基含有化合物)、シラン化合物溶液及び架橋剤として、各々、実施例1で使用した4,4’−ビス(グリシジロキシ)ビフェニル、シラン化合物溶液1及びテトラヒドロメチル無水フタル酸に代えて、表1〜3に記載の化合物等を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、組成物2〜22を得た(比較例3〜4及び7〜11では、シラン化合物溶液を添加しなかった。)。なお、各化合物等の使用量は、反応性基含有化合物(又は比較用反応性基含有化合物)と架橋剤との官能基当量比が等しくなるようにし、また、シラン化合物の配合比率については、反応性基含有化合物と架橋剤との総質量100重量部に対して、シラン化合物の固形分が100重量部となるように設定した。また、実施例9〜11及び比較例9〜11では、反応性基含有化合物(又は比較用反応性基含有化合物)として2種の化合物を使用したが、この2種の化合物の配合比は1:1(モル比)とした。
このように調製した組成物2〜22について、実施例1と同様にして、室温(25℃)での性状、60℃粘度及び5%質量減少温度を評価した。結果を表1〜3に示す。
シラン化合物溶液1:合成例1で得たポリ(γ−フタロイミドプロピルシルセスオキサン)を含む溶液
シラン化合物溶液2:合成例2で得たポリ〔γ−(5−ノルボルネン−2,3−イミド)プロピルシルセスオキサン〕を含む溶液
シラン化合物溶液3:合成例3で得たポリ〔(cis−4−シクロヘキセン−1,2−イミド)プロピルシルセスキオキサン〕を含む溶液
※1:測定温度(60℃)でも結晶が析出したため、粘度を測定できなかった。
※2:析出した結晶を含んだままの硬化物となったため、測定に値する硬化物が作製できないと判断した。
表1において、実施例1、3と比較例3、4との比較から、同じ反応性基含有化合物及び架橋剤を用いた場合でも、シラン化合物を添加するか又は添加しないかの相違により、室温での性状が全く異なることが分かる。つまり、実施例1、3では室温で液状の組成物が得られたが、比較例3、4では室温及び60℃で結晶が析出し、液状の組成物を得ることができなかった。また、実施例1〜4では、室温で固化しており、かつ融点が200℃以下の反応性基含有化合物を使用したのに対し、比較例1〜2では、当該化合物に代えて、室温で液状にある化合物を使用しており、実施例1〜4及び比較例1〜2ではいずれの場合も室温で液状の組成物を得ることができたが、比較例1〜2では5%質量減少温度が280℃以下と、実施例1〜4に比較して著しく耐熱分解性に劣ることが分かる。
また表3の実施例9及び実施例10は、反応性基含有化合物を更にもう1種(マレイミド化合物)併用したこと以外は、各々、表2の実施例6及び実施例7と同様の反応性基含有化合物、架橋剤及びシラン化合物を使用した例であるが、実施例9及び10の方が、実施例6及び7に比較して、5%質量減少温度がより高い、すなわち耐熱分解性がより優れる結果となることが分かる。
Claims (5)
- 前記液状組成物は、60℃での粘度が100Pa・s以下であることを特徴とする請求項1に記載の液状組成物。
- 前記反応性基含有化合物は、反応性基として、グリシジル基、エポキシ基及びマレイミド基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液状組成物。
- 前記架橋剤は、アミン化合物、ジカルボン酸無水物及びテトラカルボン酸二無水物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液状組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の液状組成物を用いてなることを特徴とするエレクトロニクス実装材料。
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