JP2008266406A - 分散剤、表面に分散剤が担持された窒化ホウ素粒子、分散剤を含むエポキシ樹脂組成物ならびにその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】窒化ホウ素粒子とエポキシ樹脂とを含むエポキシ樹脂組成物に含有される分散剤であって、前記分散剤には、少なくとも二種類のアクリル系モノマーにより形成されてなる共重合体が含有されており、前記二種類のアクリル系モノマーの内の第一のモノマーが、一般式(1)で表されるモノマーであり、第二のモノマーが、エーテル性酸素原子を有する官能基とヒドロキシル基との内の少なくとも一方の官能基を有するアクリル系モノマーであることを特徴とする分散剤などを提供する。
【選択図】 なし
Description
特に、熱伝導性を向上させるべく、無機物粒子が用いられたフィラー(以下「無機フィラー」ともいう)をエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂をベースとした樹脂成分に分散させた樹脂組成物(以下「熱伝導性樹脂組成物」ともいう)は、チップ部品の封止や、発熱部品の搭載された回路と放熱板との間の絶縁層の形成などといった電子部品用途において広く用いられている。
例えば、特許文献1には、ベース樹脂と無機フィラーとを含む熱伝導性樹脂組成物によりシート状に形成された高熱伝導性樹脂層が、金属箔が用いられて形成された金属箔層上に積層された金属箔付高熱伝導接着シートが記載されており、この金属箔付高熱伝導接着シートが半導体チップの接着に用いられることが記載されている。
このような熱伝導性樹脂組成物においては、より熱伝導率を向上させるべく樹脂成分中に無機物粒子を高充填させることが検討されている。
例えば、特許文献2には、エポキシ樹脂中に無機フィラーを80〜95重量%もの高充填させた熱伝導性樹脂組成物を用いることにより、硬化物の熱伝導率を3〜10W/mKとさせ得ることが記載されている。
そして、この窒化ホウ素粒子の樹脂への分散性を向上させるための分散剤の検討が従来なされている。
また、特許文献3には、窒化ホウ素粒子をイソシアネート系化合物で処理して、窒化ホウ素粒子の表面に存在するアミンや水酸基などによるフィラー間の相互作用を変化させることが記載されている。
フィラーの分散が不十分である場合には、この熱伝導性樹脂組成物を用いた成形品にフィラーの充填量に見合う熱伝導率を発揮させることが困難となるおそれを有する。
また、フィラーの分散が不十分である場合には、この熱伝導性樹脂組成物を用いた成形品の絶縁性などの電気特性を低下させるおそれもある。
なお、このような分散性の向上については、電子部品用途における熱伝導性樹脂組成物のみならず窒化ホウ素粒子とエポキシ樹脂とを含むエポキシ樹脂組成物全体に要望される事柄である。
また、二種類のアクリル系モノマーの内の第二のモノマーが、エーテル性酸素原子を有する官能基とヒドロキシル基との内の少なくとも一方の官能基を有するアクリル系モノマーであることからこの第二のモノマーによって共重合体の分子中に窒化ホウ素粒子に対して親和性の高い部分を形成させ得る。
すなわち、この分散剤を用いることにより、窒化ホウ素粒子とエポキシ樹脂とを含むエポキシ樹脂組成物における窒化ホウ素粒子の分散性を向上させ得る。
本実施形態の熱伝導性樹脂組成物には、窒化ホウ素粒子、樹脂成分、および、分散剤が含有されている。
このエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではなく、クレゾールノボラック型、ジシクロペンタジエン型、ビフェニル型、ビスフェノール型、3官能のナフタレン型などを例示することができる。
なお、このエポキシ樹脂としては、常温固体のエポキシ樹脂が好ましい。
常温固体のエポキシが好ましいのは、常温で液体状態のエポキシ樹脂を用いた場合には、熱伝導性樹脂組成物を加圧加熱条件下において成形する際に、エポキシ樹脂の粘度が低下しすぎてエポキシ樹脂の滲出を発生させるおそれがあるためである。
すなわち、常温固体のエポキシが好ましいのは、熱伝導性樹脂組成物を用いた加工時に温度や圧力の調整に対する高い精度が求められることを抑制させることができ作業性を向上させ得るためである。
したがって、熱伝導性樹脂組成物に適度な流れ性を付与して、加工性を向上させ得る点において、この樹脂成分には、エポキシ当量450〜2000g/eqの常温固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、エポキシ当量160〜220g/eqの常温固体で87℃から93℃の間に軟化点を有する多官能のノボラック型エポキシ樹脂とを(ビスフェノールA型エポキシ樹脂/ノボラック型エポキシ樹脂)=40/60〜60/40となる重量比率で混合して用いることが好ましい。
なお、このエポキシ当量は、JIS K 7236により求めることができる。
この他の樹脂成分としては、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂などの樹脂などが例示でき、これらは、本発明の効果を損ねない範囲において熱伝導性樹脂組成物に含有させることができる。
なお、熱伝導性樹脂組成物には、この窒化ホウ素フィラーに加えて、酸化アルミニウム粒子、炭化ケイ素粒子、二酸化ケイ素粒子、ダイヤモンド粒子などを本発明の効果を損ねない範囲において添加することができる。
ただし、三種類のモノマーの内の少なくとも二種類は、アクリル系モノマーとされる。
しかも、この二種類のアクリル系モノマーの内の第一のモノマー(以下「第一成分」ともいう)には、下記一般式(1)で表されるモノマーが用いられる。
なお、この“(メタ)アクリレート”との表現は、本明細書中においては、“アクリレート”と“メタクリレート”との両方を包含する意味で用いている。
なお、シリコーンマクロマーを用いていない共重合体が用いられる場合に比べてシリコーンマクロマーを用いて形成された共重合体が用いられている熱伝導性樹脂組成物の方が成形物の熱伝導率を向上させ得る。
このような点において、熱伝導性樹脂組成物に用いる分散剤の第三成分としては、シリコーンマクロマーが特に好適である。
また、その重合方法については、分子長など共重合体の構造を制御しやすく、均質な重合体を得られやすい点から、リビング重合が好ましい。
すなわち、リビング重合により形成されたブロック共重合体が好ましい。
なかでも穏和な反応条件を採用しつつ優れた重合効率を発揮させ得る点からリビングラジカル重合が好ましい。
なかでも、重合反応を容易に制御し得る点から原子移動ラジカル重合好ましい。
また、共重合体に占める第一成分、第二成分、第三成分の比率は、モル数で、通常、第一成分の割合が65〜95%、第二成分の割合が5〜35%、第三成分の割合が0〜10%とすることができる。
例えば、前記分散剤を熱伝導性樹脂組成物に含有させる方法についても、樹脂成分への窒化ホウ素フィラー分散前に予め樹脂成分に含有させる方法や、樹脂成分への窒化ホウ素フィラー分散前に予め窒化ホウ素フィラーの表面をこの分散剤で処理しておく方法などを採用することができる。
この窒化ホウ素フィラーに対して予め分散剤で表面処理する方法についても、特に限定されるものではなく、例えば、分散剤を溶剤で希釈した溶液に窒化ホウ素フィラーを浸漬したり、窒化ホウ素フィラーに溶液をスプレーしたりした後に乾燥させる方法などを採用することができる。
表面に分散剤を担持させることにより窒化ホウ素フィラーを、樹脂に対する分散性に優れたものとさせ得る。
このように分散剤で予め表面処理された窒化ホウ素フィラーは、より確実に分散剤が表面に担持されることとなり樹脂に対する分散性にいっそう優れたものとさせ得る。
また、熱伝導性樹脂組成物を用いた成形品の作製方法についても特に限定されず、押出し成形、射出成形など一般に用いられている樹脂製品の成形方法を採用することができる。
(重合開始剤の作製)
分散剤を作製するための重合開始剤としては、2−ブロモ−2−メチルプロピオン酸2−ヒドロキシエチル(以下「2−H2MPN」ともいう)、エチル−α−ブロモイソブチレートの二種類を用いた。
この内、2−H2MPNについては、以下の方法により合成を実施した。
過剰のエチレングリコール44ml(788ミリモル)、トリエチルアミン100ml(717ミリモル)およびピリジン20ml(200ミリモル)を反応容器に入れ、これにアセトン800mlおよび2−ブロモイソブチリルブロミド150g(652ミリモル)を、発熱反応を抑えるために氷浴で冷却しながら、添加した。
16時間反応後、析出物をろ去し、これに酢酸エチル1000mlおよび飽和食塩水500mlを加え、よく振とうした。
しばらく静置したのち、上層の酢酸エチル層を希塩酸で2回、飽和食塩水500mlでも3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムを除去したのち、酢酸エチルを減圧留去し、粗生成物を得た。
このようにして得られた粗生成物を、蒸留法(87〜90℃/0.25mmHg)で精製して、目的物である2−H2MPNを得た。
この2−H2MPNの収量は88g、収率は64重量%であった。
メカニカルスターラ、窒素導入口、冷却管、ラバーセプタムを備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート27.0g(211ミリモル)を加え、これに2,2’−ビピリジン0.6g(3.84ミリモル)を加え、系内を窒素置換した。
これに窒素気流下、臭化銅600mg(4.19ミリモル)を加えて、反応系を90℃に加熱し、重合開始剤として2−H2MPNを310mg(1.29ミリモル)加えて重合を開始し、溶剤を加えずに窒素気流下、90℃で12時間重合した。
重合率(加熱して揮発成分を除去したポリマー重量を、揮発成分を除去する前の重合溶液中のポリマー成分の重量で割った値。以下同じ。)が90重量%以上であることを確認したのち、これに2−ヒドロキシエチルメタクリレート3.0g(23.0ミリモル)をラバーセプタムから添加し、さらに110℃で5時間加熱した。
このようにして得られた重合物を酢酸エチルで20重量%程度に希釈して、触媒をろ去した。
最後に、酢酸エチルを留去し、減圧加熱(50℃)して、油状ポリマーであるA−B型ブロック共重合体(分散剤1)を製造した。
メカニカルスターラ、窒素導入口、冷却管、ラバーセプタムを備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート27.0g(211ミリモル)を加え、これに2,2’−ビピリジン0.6g(3.84ミリモル)を加え、系内を窒素置換した。
これに窒素気流下、臭化銅600mg(4.19ミリモル)を加えて、反応系を90℃に加熱し、重合開始剤として2−H2MPNを310mg(1.29ミリモル)加えて重合を開始し、溶剤を加えずに窒素気流下、90℃で12時間重合した。
重合率(加熱して揮発成分を除去したポリマー重量を、揮発成分を除去する前の重合溶液中のポリマー成分の重量で割った値。以下同じ。)が90重量%以上であることを確認したのち、これに2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.0g(15.4ミリモル)をラバーセプタムから添加し、さらに110℃で5時間加熱した。
この2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含めた重合率が90重量%以上になったところでシリコーンマクロマー(商品名「X−22−174DX」、信越化学社製)1.0gを加え、さらに110℃で5時間加熱した。
このようにして得られた重合物を酢酸エチルで20重量%程度に希釈して、触媒をろ去した。
最後に、酢酸エチルを留去し、減圧加熱(50℃)して、油状ポリマーであるA−B−C型ブロック共重合体(分散剤2)を製造した。
メカニカルスターラ、窒素導入口、冷却管、ラバーセプタムを備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート26.4g(206ミリモル)を加え、これに2,2’−ビピリジン1.1g(7.1ミリモル)を加え、系内を窒素置換した。
これに窒素気流下、臭化銅480mg(3.35ミリモル)を加えて、反応系を90℃に加熱し、重合開始剤として2−H2MPNを600mg(2.84ミリモル)加えて重合を開始し、溶剤を加えずに窒素気流下、90℃で12時間重合した。
重合率(加熱して揮発成分を除去したポリマー重量を、揮発成分を除去する前の重合溶液中のポリマー成分の重量で割った値。以下同じ。)が90重量%以上であることを確認したのち、これに2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.4g(18.4ミリモル)をラバーセプタムから添加し、さらに110℃で5時間加熱した。
この2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含めた重合率が90重量%以上になったところでシリコーンマクロマー(商品名「X−22−174DX」、信越化学社製)1.2gを加え、さらに110℃で5時間加熱した。
このようにして得られた重合物を酢酸エチルで20重量%程度に希釈して、触媒をろ去した。
最後に、酢酸エチルを留去し、減圧加熱(50℃)して、油状ポリマーであるA−B−C型ブロック共重合体(分散剤3)を製造した。
メカニカルスターラ、窒素導入口、冷却管、ラバーセプタムを備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート40.0g(312ミリモル)を加え、これに2,2’−ビピリジン0.6g(3.84ミリモル)を加え、系内を窒素置換した。
これに窒素気流下、臭化銅480mg(3.35ミリモル)を加えて、反応系を90℃に加熱し、重合開始剤として2−H2MPNを310mg(1.29ミリモル)加えて重合を開始し、溶剤を加えずに窒素気流下、90℃で12時間重合した。
重合率(加熱して揮発成分を除去したポリマー重量を、揮発成分を除去する前の重合溶液中のポリマー成分の重量で割った値。以下同じ。)が90重量%以上であることを確認したのち、これに2−ヒドロキシエチルメタクリレート5.0g(38.4ミリモル)をラバーセプタムから添加し、さらに110℃で5時間加熱した。
この2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含めた重合率が90重量%以上になったところでジメチルアミノプロピルメタクリルアミド5.0g(29.4ミリモル)を加え、さらに110℃で5時間加熱した。
このようにして得られた重合物を酢酸エチルで20重量%程度に希釈して、触媒をろ去した。
最後に、酢酸エチルを留去し、減圧加熱(50℃)して、油状ポリマーであるA−B−C型ブロック共重合体(分散剤4)を製造した。
メカニカルスターラ、窒素導入口、冷却管、ラバーセプタムを備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート40.0g(312ミリモル)を加え、これに2,2’−ビピリジン0.6g(3.84ミリモル)を加え、系内を窒素置換した。
これに窒素気流下、臭化銅240mg(1.68ミリモル)を加えて、反応系を90℃に加熱し、重合開始剤としてエチル−α−ブロモイソブチレートを310mg(1.59ミリモル)加えて重合を開始し、溶剤を加えずに窒素気流下、90℃で12時間重合した。
重合率(加熱して揮発成分を除去したポリマー重量を、揮発成分を除去する前の重合溶液中のポリマー成分の重量で割った値。以下同じ。)が90重量%以上であることを確認したのち、これに2−ヒドロキシエチルメタクリレート5.0g(38.4ミリモル)をラバーセプタムから添加し、さらに110℃で5時間加熱した。
この2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含めた重合率が90重量%以上になったところでジメチルアミノプロピルメタクリルアミド5.0g(294ミリモル)を加え、さらに110℃で5時間加熱した。
このようにして得られた重合物を酢酸エチルで20重量%程度に希釈して、触媒をろ去した。
最後に、酢酸エチルを留去し、減圧加熱(50℃)して、油状ポリマーであるA−B−C型ブロック共重合体(分散剤4)を製造した。
2−ヒドロキシエチルメタクリレート3.0g(23.0ミリモル)に代えて2−メトキシエチルアクリレート5.0g(38.4ミリモル)とした以外は、分散剤1と同様にして油状ポリマーであるA−B型ブロック共重合体(分散剤6)を製造した。
メカニカルスターラ、窒素導入口、冷却管、ラバーセプタムを備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート27.0g(211ミリモル)と2−ヒドロキシエチルメタクリレート3.0g(23.0ミリモル)とを加え、さらに、酢酸エチル30g、アゾイソブチロニトリル0.05g加え系内を窒素置換した。
窒素気流下、80℃で4時間重合し、酢酸エチルならびに未反応モノマーなどを留去し、油状ポリマーであるランダム共重合体(分散剤7)を製造した。
メカニカルスターラ、窒素導入口、冷却管、ラバーセプタムを備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート27.0g(211ミリモル)と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.0g(15.5ミリモル)と、シリコーンマクロマー(商品名「X−22−174DX」、信越化学社製)1.0gを加え、さらに、酢酸エチル30g、アゾイソブチロニトリル0.05g加え系内を窒素置換した。
窒素気流下、80℃で4時間重合し、酢酸エチルならびに未反応モノマーなどを留去し、油状ポリマーであるランダム共重合体(分散剤8)を製造した。
下記の配合材料を東洋精機社製の混練機(商品名「ラボプラストミル」)に投入して100℃で15分間の混練を実施し熱伝導性樹脂組成物を作製した。
得られた熱伝導性樹脂組成物を温度180℃、圧力17kgf/cm2で3分間プレス成形して膜厚0.4mmのシート状の成形品を作製した。
なお、得られたシート状成形品における窒化ホウ素粒子の割合は50体積%であった。
・窒化ホウ素粒子:商品名「UHP−1」、昭和電工社製、46g
・結晶性エポキシ樹脂:商品名「YX4000H」、ジャパンエポキシレジン社製、9.6g
・フェノール系硬化剤:(硬化促進剤であるトリフェニルホスフィン5重量%含有品)9.6g
・分散剤1:0.46g
用いる分散剤を分散剤1に代えて分散剤2とした以外は、実施例1と同様に熱伝導性樹脂組成物ならびに該熱伝導性樹脂組成物を用いたシート状の成形品を作製した。
なお、得られたシート状成形品における窒化ホウ素粒子の割合は50体積%であった。
用いる分散剤を分散剤1に代えて分散剤3とした以外は、実施例1と同様に熱伝導性樹脂組成物ならびに該熱伝導性樹脂組成物を用いたシート状の成形品を作製した。
なお、得られたシート状成形品における窒化ホウ素粒子の割合は50体積%であった。
用いる分散剤を分散剤1に代えて分散剤4とした以外は、実施例1と同様に熱伝導性樹脂組成物ならびに該熱伝導性樹脂組成物を用いたシート状の成形品を作製した。
なお、得られたシート状成形品における窒化ホウ素粒子の割合は50体積%であった。
用いる分散剤を分散剤1に代えて分散剤5とした以外は、実施例1と同様に熱伝導性樹脂組成物ならびに該熱伝導性樹脂組成物を用いたシート状の成形品を作製した。
なお、得られたシート状成形品における窒化ホウ素粒子の割合は50体積%であった。
用いる分散剤を分散剤1に代えて分散剤6とした以外は、実施例1と同様に熱伝導性樹脂組成物ならびに該熱伝導性樹脂組成物を用いたシート状の成形品を作製した。
なお、得られたシート状成形品における窒化ホウ素粒子の割合は50体積%であった。
分散剤を一切加えなかったこと以外は、実施例1と同様に熱伝導性樹脂組成物ならびに該熱伝導性樹脂組成物を用いたシート状の成形品を作製した。
なお、得られたシート状成形品における窒化ホウ素粒子の割合は50体積%であった。
用いる分散剤を分散剤1に代えて市販の分散剤(商品名「Disperbyk−2001」、ビックケミージャパン社製)とし、分散剤の使用量を0.46gに代えて0.5gとした以外は、実施例1と同様に熱伝導性樹脂組成物ならびに該熱伝導性樹脂組成物を用いたシート状の成形品を作製した。
なお、「Disperbyk−2001」からは、予め溶媒を減圧留去し、該減圧留去後のものを0.5g用いた。
また、得られたシート状成形品における窒化ホウ素粒子の割合は50体積%であった。
用いる窒化ホウ素粒子の量を46gに代えて48gとし、結晶性エポキシ樹脂の量を9.6gに代えて7.9gとし、フェノール系硬化剤の量を9.6gに代えて8.0gとし、分散剤の量を0.46gに代えて0.5gとした以外は実施例3と同様に熱伝導性樹脂組成物ならびに該熱伝導性樹脂組成物を用いたシート状の成形品を作製した。
なお、得られたシート状成形品における窒化ホウ素粒子の割合は55体積%であった。
用いる窒化ホウ素粒子の量を46gに代えて50gとし、結晶性エポキシ樹脂の量を9.6gに代えて6.9gとし、フェノール系硬化剤の量を9.6gに代えて7.0gとし、分散剤の量を0.46gに代えて0.5gとした以外は実施例3と同様に熱伝導性樹脂組成物ならびに該熱伝導性樹脂組成物を用いたシート状の成形品を作製した。
なお、得られたシート状成形品における窒化ホウ素粒子の割合は60体積%であった。
用いる窒化ホウ素粒子の量を46gに代えて50gとし、結晶性エポキシ樹脂の量を9.6gに代えて5.3gとし、フェノール系硬化剤の量を9.6gに代えて5.4gとし、分散剤の量を0.46gに代えて0.5gとした以外は実施例3と同様に熱伝導性樹脂組成物ならびに該熱伝導性樹脂組成物を用いたシート状の成形品を作製した。
なお、得られたシート状成形品における窒化ホウ素粒子の割合は65体積%であった。
用いる分散剤の量を0.5gに代えて1.0gとした以外は実施例9と同様に熱伝導性樹脂組成物ならびに該熱伝導性樹脂組成物を用いたシート状の成形品を作製した。
なお、得られたシート状成形品における窒化ホウ素粒子の割合は65体積%であった。
用いる窒化ホウ素粒子の量を46gに代えて50gとし、結晶性エポキシ樹脂の量を9.6gに代えて4.4gとし、フェノール系硬化剤の量を9.6gに代えて4.5gとし、分散剤の量を0.46gに代えて0.5gとした以外は実施例3と同様に熱伝導性樹脂組成物ならびに該熱伝導性樹脂組成物を用いたシート状の成形品を作製した。
なお、得られたシート状成形品における窒化ホウ素粒子の割合は70体積%であった。
用いる分散剤の量を0.5gに代えて1.5gとした以外は実施例11と同様に熱伝導性樹脂組成物ならびに該熱伝導性樹脂組成物を用いたシート状の成形品を作製した。
なお、得られたシート状成形品における窒化ホウ素粒子の割合は70体積%であった。
分散剤を一切加えなかったこと以外は、実施例7と同様に熱伝導性樹脂組成物ならびに該熱伝導性樹脂組成物を用いたシート状の成形品を作製した。
なお、実施例7ではペースト状の熱伝導性樹脂組成物が得られたが、この比較例4で得られた熱伝導性樹脂組成物はバサバサとしたまとまりのないものであった。
また、後述するように、得られたシート状成形品の熱伝導率も実施例7に比べて低い値のものであった。
分散剤1に代えて市販のシランカップリング剤(商品名「KBM−403」、チッソ社製)とし、使用量を0.46gに代えて1.2gとした以外は、実施例1と同様に熱伝導性樹脂組成物ならびに該熱伝導性樹脂組成物を用いたシート状の成形品を作製した。
なお、得られたシート状成形品における窒化ホウ素粒子の割合は50体積%であった。
用いる分散剤を分散剤1に代えて分散剤7とした以外は、実施例1と同様に熱伝導性樹脂組成物ならびに該熱伝導性樹脂組成物を用いたシート状の成形品を作製した。
なお、得られたシート状成形品における窒化ホウ素粒子の割合は50体積%であった。
用いる分散剤を分散剤1に代えて分散剤8とした以外は、実施例1と同様に熱伝導性樹脂組成物ならびに該熱伝導性樹脂組成物を用いたシート状の成形品を作製した。
なお、得られたシート状成形品における窒化ホウ素粒子の割合は50体積%であった。
(絶縁破壊電圧)
実施例8乃至12の熱伝導性樹脂組成物を銅箔上にプレス成形し厚み0.4mmのシート状の成形品を作製した。
作製した試料を絶縁油中に浸漬させ、1kV/secの昇圧速度で昇圧して絶縁破壊電圧を測定した。
結果を表1に示す。
各実施例、比較例で作製した熱伝導性シートを用いて熱伝導率の測定を実施した。
熱伝導率は、アイフェイズ社製、商品名「ai−phase mobile」により熱拡散率を求め、さらに、示差走査熱量計(DSC)を用いた測定により熱伝導性シートの単位体積あたりの熱容量を測定し、先の熱拡散率に乗じることにより算出した。
Claims (8)
- アミノ基またはアミド基の少なくとも一方の官能基を有するモノマーか、シリコーンマクロマーかのいずれかが、さらに用いられて形成されてなる前記共重合体が含有されている請求項1記載の分散剤。
- 前記共重合体が、ブロック共重合体である請求項1または2記載の分散剤。
- 前記ブロック共重合体がリビング重合により重合されたものである請求項3記載の分散剤。
- 前記リビング重合が、原子移動ラジカル重合である請求項4記載の分散剤。
- エポキシ樹脂を含む樹脂成分に分散される窒化ホウ素粒子であって、
表面に分散剤が担持されており、前記分散剤には、少なくとも二種類のアクリル系モノマーにより形成されてなる共重合体が含有されており、前記二種類のアクリル系モノマーの内の前記二種類のアクリル系モノマーの内の第一のモノマーが、下記一般式(1)で表されるモノマーであり、
第二のモノマーが、エーテル性酸素原子を有する官能基とヒドロキシル基との内の少なくとも一方の官能基を有するアクリル系モノマーであることを特徴とする窒化ホウ素粒子。 - 窒化ホウ素粒子とエポキシ樹脂とを含むエポキシ樹脂組成物であって、
分散剤がさらに含有されており、前記分散剤には、少なくとも二種類のアクリル系モノマーにより形成されてなる共重合体が含有されており、前記二種類のアクリル系モノマーの内の前記二種類のアクリル系モノマーの内の第一のモノマーが、下記一般式(1)で表されるモノマーであり、
第二のモノマーが、エーテル性酸素原子を有する官能基とヒドロキシル基との内の少なくとも一方の官能基を有するアクリル系モノマーであることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 - エポキシ樹脂を含む樹脂成分に窒化ホウ素粒子を分散させてエポキシ樹脂組成物を製造するエポキシ樹脂組成物製造方法であって、
少なくとも二種類のアクリル系モノマーにより形成されてなる共重合体が含有されており、しかも、前記二種類のアクリル系モノマーの前記二種類のアクリル系モノマーの内の第一のモノマーが、下記一般式(1)で表されるモノマーであり、
第二のモノマーが、エーテル性酸素原子を有する官能基とヒドロキシル基との内の少なくとも一方の官能基を有するアクリル系モノマーである共重合体が含有されている分散剤存在下で前記窒化ホウ素粒子を前記樹脂成分に分散させることを特徴とするエポキシ樹脂組成物製造方法。
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