JP2023042690A - 熱硬化性樹脂組成物および電子装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】その硬化物が高い熱伝導性を有する熱硬化性樹脂組成物を提供する。【解決手段】式(d-EP)で表される、2つのエポキシ基を有する2官能エポキシ化合物(A)と、2つのフェノール性水酸基を有する2官能フェノール化合物(B)と、を含む熱硬化性樹脂組成物であって、【化1】TIFF2023042690000016.tif17151式(d-EP)中、Xは、メソゲン骨格を有する2価の基であり、前記2官能フェノール化合物(B)は、カルコン化合物から選択される少なくとも1つである、熱硬化性樹脂組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、フェノキシ樹脂、およびこれを含む熱硬化性樹脂組成物、ならびに当該熱硬化性樹脂組成物より製造される樹脂シート、樹脂基板および回路基板に関する。より詳細には、高熱伝導性材料として使用可能なフェノキシ樹脂およびその用途に関する。
半導体の高集積化や電子機器の処理能力の急速な向上に伴い、処理能力の高い電子部品からは多くの熱が発生する。そのため電子部品から熱を効果的に外部へ放散させる熱対策が非常に重要な課題になっている。このような放熱対策として、プリント配線基板、半導体パッケージ、筐体、ヒートパイプ、放熱板、熱拡散板等の放熱部材には、金属、セラミックス、高分子組成物等の放熱材料からなる熱伝導性部材が適用されている。
これらの放熱部材の中でも、エポキシ樹脂組成物から成形される熱伝導性エポキシ樹脂成形体は、電気絶縁性、機械的性質、耐熱性、耐薬品性、接着性等に優れているため、注型品、積層板、封止材、熱伝導性シート、接着剤等として電気電子分野を中心に広く使用されている。
熱伝導性エポキシ樹脂成形体を構成するエポキシ樹脂組成物は、樹脂、ゴム等の高分子マトリックス材料中に、熱伝導率の高い熱伝導性充填剤を配合したものが知られている。熱伝導性充填剤としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、石英等の金属酸化物、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等の金属窒化物、炭化ケイ素等の金属炭化物、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、金、銀、銅等の金属、炭素繊維、黒鉛等が用いられている。
さらに高い熱伝導性が要求される場合には、エポキシ樹脂に特殊な熱伝導性充填剤を配合した熱伝導性エポキシ樹脂組成物や熱伝導性エポキシ樹脂成形体が提案されている(たとえば、特許文献1)。また、エポキシ樹脂自体の熱伝導率や耐熱性を向上させることも提案されている(たとえば、特許文献2)。特許文献2では、メソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂等を重合することにより、熱伝導性を向上させた絶縁組成物を得ている。
しかしながら、本発明者が検討した結果、特許文献2に記載の樹脂組成物は、熱伝導性の点においてさらなる改善の余地を有することが判明した。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、特定の配合を有する熱硬化性樹脂組成物の硬化物が高熱伝導性を有することを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、
式(d-EP)で表される、2つのエポキシ基を有する2官能エポキシ化合物(A)と、
2つのフェノール性水酸基を有する2官能フェノール化合物(B)と、を含む熱硬化性樹脂組成物であって、
式(d-EP)で表される、2つのエポキシ基を有する2官能エポキシ化合物(A)と、
2つのフェノール性水酸基を有する2官能フェノール化合物(B)と、を含む熱硬化性樹脂組成物であって、
式(d-EP)中、Xは、メソゲン骨格を有する2価の基であり、
前記2官能フェノール化合物(B)は、式(b1)~(b5)で表される化合物から選択される少なくとも1つである、熱硬化性樹脂組成物が提供される。
前記2官能フェノール化合物(B)は、式(b1)~(b5)で表される化合物から選択される少なくとも1つである、熱硬化性樹脂組成物が提供される。
また本発明によれば、
基板と、
前記基板上に設けられた電子部品と、
前記電子部品を封止する封止材と、を備え、
前記封止材は、上記熱硬化性樹脂組成物の硬化物よりなる、電子装置が提供される。
基板と、
前記基板上に設けられた電子部品と、
前記電子部品を封止する封止材と、を備え、
前記封止材は、上記熱硬化性樹脂組成物の硬化物よりなる、電子装置が提供される。
本発明によれば、その硬化物が高い熱伝導性を有する熱硬化性樹脂組成物が提供される。また本発明によれば、上記熱硬化性樹脂組成物の硬化物を封止材として備える、信頼性に優れた電子装置が提供される。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書中、「~」は特に断りがなければ「以上」から「以下」を表す。
[熱硬化性樹脂組成物]
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、2つのエポキシ基を有する2官能エポキシ化合物(A)と、2つのフェノール性水酸基を有する2官能フェノール化合物(B)とを含む。本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、熱処理により、2官能エポキシ化合物(A)と二官能フェノール化合物(B)とが硬化反応し、フェノキシ樹脂を含む硬化物が生成される。以下、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物を構成し得る成分について説明する。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、2つのエポキシ基を有する2官能エポキシ化合物(A)と、2つのフェノール性水酸基を有する2官能フェノール化合物(B)とを含む。本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、熱処理により、2官能エポキシ化合物(A)と二官能フェノール化合物(B)とが硬化反応し、フェノキシ樹脂を含む硬化物が生成される。以下、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物を構成し得る成分について説明する。
(2官能エポキシ化合物(A))
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物に用いられる2官能エポキシ化合物(A)は、式(d-EP)で表される化合物である。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物に用いられる2官能エポキシ化合物(A)は、式(d-EP)で表される化合物である。
前記式(d-EP)中のXは、メソゲン骨格を有する2価の基である。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、メソゲン骨格を有する2官能エポキシ化合物(A)を含むことにより、得られる硬化物が高い熱伝導性および高い耐熱性を有する。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、メソゲン骨格を有する2官能エポキシ化合物(A)を含むことにより、得られる硬化物が高い熱伝導性および高い耐熱性を有する。
式(d-EP)中のX基が有するメソゲン骨格としては、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格、フェニルベンゾエート骨格、アゾベンゼン骨格、スチルベン骨格、シクロヘキシルベンゼン骨格、およびそれらの誘導体が挙げられる。X基が上記のメソゲン骨格を有することにより、得られる熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、高い熱伝導性を有し得る。
一実施形態において、式(d-EP)のX基の少なくとも1つは、式(2)で表される基である。式(d-EP)のX基が式(2)で表されるメソゲン骨格である2官能エポキシ化合物(A)を用いることにより、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、高い熱伝導性を有するとともに、優れた耐熱性を有する。
一実施形態において、2官能エポキシ化合物(A)は、式(2)中のR1、R4、R5、およびR8が炭素数1~4のアルキル基であり、R2、R3、R6、およびR7が水素原子である基である化合物である。中でも、式(2)中のR1、R4、R5、およびR8が炭素数1のアルキル基(メチル基)であり、かつR2、R3、R6、およびR7が水素原子である(X基が「テトラメチルビフェニル基」)、エポキシ化合物である。このような2官能エポキシ化合物(A)を用いることにより、得られる熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、熱伝導性と耐熱性とを優れたバランスで有し得る。
一実施形態において、2官能エポキシ化合物(A)は、式(2)中のR1、R4、R5、およびR8が炭素数1のアルキル基であり、かつR2、R3、R6、およびR7が水素原子である(X基が「ビフェニル基」)、エポキシ化合物である。このような2官能エポキシ化合物(A)を用いることにより、得られる熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、優れた熱伝導性と耐熱性とを有する。
一実施形態において、式(d-EP)で表される2官能エポキシ化合物は、X基として、テトラメチルビフェニル基とビフェニル基とを含む化合物であることが好ましい。このような2官能エポキシ化合物を組み合わせて含むことにより、得られる熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、熱伝導性と耐熱性とを優れたバランスで有し得る。
(2官能フェノール化合物(B))
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物に用いられる2官能フェノール化合物(B)としては、以下の式(b1)~(b5)で表される化合物が挙げられる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物に用いられる2官能フェノール化合物(B)としては、以下の式(b1)~(b5)で表される化合物が挙げられる。
(熱伝導性フィラー)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、熱伝導性フィラーを含んでもよい。熱伝導性フィラーを配合することにより、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物を、放熱部材を作製するための材料として使用することができる。熱伝導性フィラーは、たとえば、20W/m・K以上の熱伝導率を有する高熱伝導性無機粒子を含むことができる。高熱伝導性無機粒子としては、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、および酸化マグネシウムが挙げられる。これらを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、熱伝導性フィラーを含んでもよい。熱伝導性フィラーを配合することにより、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物を、放熱部材を作製するための材料として使用することができる。熱伝導性フィラーは、たとえば、20W/m・K以上の熱伝導率を有する高熱伝導性無機粒子を含むことができる。高熱伝導性無機粒子としては、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、および酸化マグネシウムが挙げられる。これらを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記熱伝導性フィラーとして、窒化ホウ素を用いる場合、窒化ホウ素は、鱗片状窒化ホウ素の、単分散粒子、凝集粒子またはこれらの混合物を含むことができる。鱗片状窒化ホウ素は顆粒状に造粒されていてもよい。鱗片状窒化ホウ素の凝集粒子を用いることによって、得られる熱硬化性樹脂組成物の熱伝導性をより一層高めることができる。凝集粒子は、焼結粒子であっても、非焼結粒子であってもよい。
(熱硬化性樹脂)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、熱硬化性樹脂を含んでもよい。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミド樹脂、アクリル樹脂、フェノール誘導体またはこれらの誘導体等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、1分子内に反応性官能基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を用いることができ、その分子量や分子構造は特に限定されない。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、熱硬化性樹脂を含んでもよい。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミド樹脂、アクリル樹脂、フェノール誘導体またはこれらの誘導体等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、1分子内に反応性官能基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を用いることができ、その分子量や分子構造は特に限定されない。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(硬化剤)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、硬化剤を含んでもよい。上記硬化剤としては、熱硬化性樹脂の種類に応じて選択され、これと反応するものであれば特に限定されない。上記硬化剤としては、フェノール樹脂系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、メルカプタン系硬化剤等を挙げることができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、硬化剤を含んでもよい。上記硬化剤としては、熱硬化性樹脂の種類に応じて選択され、これと反応するものであれば特に限定されない。上記硬化剤としては、フェノール樹脂系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、メルカプタン系硬化剤等を挙げることができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(硬化触媒)
上記熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、硬化触媒を含むことができる。
上記硬化触媒の種類や配合量は特に限定されないが、反応速度や反応温度、保管性などの観点から、適切なものを選択することができる。
上記熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、硬化触媒を含むことができる。
上記硬化触媒の種類や配合量は特に限定されないが、反応速度や反応温度、保管性などの観点から、適切なものを選択することができる。
上記硬化触媒としては、例えば、イミダゾール類、有機リン化合物、3級アミン類、フェノール化合物、有機酸等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。この中でも、耐熱性を高める観点から、イミダゾール類などの窒素原子含有化合物を用いることが好ましい。
(シランカップリング剤)
上記熱硬化性樹脂組成物は、シランカップリング剤を含んでもよい。これにより、熱硬化性樹脂組成物中における熱伝導性フィラーの相溶性を向上させることができる。カップリング剤は、熱硬化性樹脂組成物に添加してもよいし、熱伝導性フィラー表面に処理して使用してもよい。
上記熱硬化性樹脂組成物は、シランカップリング剤を含んでもよい。これにより、熱硬化性樹脂組成物中における熱伝導性フィラーの相溶性を向上させることができる。カップリング剤は、熱硬化性樹脂組成物に添加してもよいし、熱伝導性フィラー表面に処理して使用してもよい。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、上述した成分以外の他の成分を含むことができる。この他の成分としては、例えば、酸化防止剤、レベリング剤が挙げられる。
[熱硬化性樹脂組成物の製造方法]
本実施形態における熱硬化性樹脂組成物は、上記の各成分を、溶剤中に溶解、混合、撹拌することにより樹脂ワニス(ワニス状の熱硬化性樹脂組成物)を調製することができる。この混合は、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、および自転公転式分散方式などの各種混合機を用いることができる。あるいは、本実施形態における熱硬化性樹脂組成物は、上記の各成分を、タンブラーミキサーやヘンシェルミキサー等のミキサーやブレンダー等で均一に混合した後、ニーダー、ロール、ディスパー、アジホモミキサー、及びプラネタリーミキサー等で加熱しながら混練することにより製造できる。なお、混練時の温度としては、硬化反応が生じない温度範囲である必要があり、例えば、70~150℃程度で溶融混練することが好ましい。混練後に冷却固化し、混練物を、粉粒状、顆粒状、タブレット状、またはシート状に加工してもよい。
本実施形態における熱硬化性樹脂組成物は、上記の各成分を、溶剤中に溶解、混合、撹拌することにより樹脂ワニス(ワニス状の熱硬化性樹脂組成物)を調製することができる。この混合は、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、および自転公転式分散方式などの各種混合機を用いることができる。あるいは、本実施形態における熱硬化性樹脂組成物は、上記の各成分を、タンブラーミキサーやヘンシェルミキサー等のミキサーやブレンダー等で均一に混合した後、ニーダー、ロール、ディスパー、アジホモミキサー、及びプラネタリーミキサー等で加熱しながら混練することにより製造できる。なお、混練時の温度としては、硬化反応が生じない温度範囲である必要があり、例えば、70~150℃程度で溶融混練することが好ましい。混練後に冷却固化し、混練物を、粉粒状、顆粒状、タブレット状、またはシート状に加工してもよい。
上記溶剤としては特に限定されないが、アセトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール、およびN-メチルピロリドン等が挙げられる。
[熱硬化性樹脂組成物の用途]
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、電子部品を封止するための封止材として用いることができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、電子部品を封止するための封止材として用いることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の様々な構成を採用することができる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例で用いた原料は以下のとおりである。
(2官能エポキシ化合物)
・エポキシ化合物1:下記式(3)で表されるテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂(2官能エポキシ化合物、メソゲン構造あり、三菱ケミカル(株)社製、「YX4000」)
(2官能エポキシ化合物)
・エポキシ化合物1:下記式(3)で表されるテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂(2官能エポキシ化合物、メソゲン構造あり、三菱ケミカル(株)社製、「YX4000」)
・エポキシ化合物2:下記式(3)で表されるテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂と下記式(4)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂との1:1混合物(三菱ケミカル(株)社製の「YL-6121」)
(2官能フェノール化合物)
・フェノール化合物1:式(b1-1)で表される、4,4'-ジヒドロキシカルコン
・フェノール化合物1:式(b1-1)で表される、4,4'-ジヒドロキシカルコン
式(b1-1)で表される4,4'-ジヒドロキシカルコンは、以下の手順で合成した。
4'-ヒドロキシアセトフェノン10g(0.07モル)および4-ヒドロキシベンズアルデヒド9g(0.07モル)を、エタノール100mlに溶解した。この混合溶液に、硫酸(99%)5mlを加え、25℃で12時間反応させた。得られた反応混合物を、純水で洗浄することにより精製した。1H-NMRの測定により、得られた生成物が式(b1-1)の構造を有することを確認した。図1に、1H-NMRチャートを示し、図2に、7.2-9.2ppm付近の1H-NMRチャートを示す。
4'-ヒドロキシアセトフェノン10g(0.07モル)および4-ヒドロキシベンズアルデヒド9g(0.07モル)を、エタノール100mlに溶解した。この混合溶液に、硫酸(99%)5mlを加え、25℃で12時間反応させた。得られた反応混合物を、純水で洗浄することにより精製した。1H-NMRの測定により、得られた生成物が式(b1-1)の構造を有することを確認した。図1に、1H-NMRチャートを示し、図2に、7.2-9.2ppm付近の1H-NMRチャートを示す。
・フェノール化合物2:式(b3-1)で表される4,4'-ジヒドロキシ-2,2'-ジメトキシカルコン
式(b3-1)で表される4,4'-ジヒドロキシ-2,2'-ジメトキシカルコンは、以下の手順で合成した。
2'-メトキシ-4'-ヒドロキシアセトフェノン5.5g(0.03モル)および2-メトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド5g(0.03モル)を、エタノール50mlに溶解した。この混合溶液に、硫酸(99%)3mlを加え、25℃で12時間反応させた。得られた反応混合物を、純水で洗浄することにより精製した。1H-NMRの測定により、得られた生成物が式(b3-1)の構造を有することを確認した。図3に、1H-NMRチャートを示し、図4に、6.8-7.8ppm付近の1H-NMRチャートを示す。
2'-メトキシ-4'-ヒドロキシアセトフェノン5.5g(0.03モル)および2-メトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド5g(0.03モル)を、エタノール50mlに溶解した。この混合溶液に、硫酸(99%)3mlを加え、25℃で12時間反応させた。得られた反応混合物を、純水で洗浄することにより精製した。1H-NMRの測定により、得られた生成物が式(b3-1)の構造を有することを確認した。図3に、1H-NMRチャートを示し、図4に、6.8-7.8ppm付近の1H-NMRチャートを示す。
・フェノール化合物3:式(b4-1)で表されるジヒドロキシテレフタルカルコン
式(b4-1)で表されるジヒドロキシテレフタルカルコンは、以下の手順で合成した。
4'-ヒドロキシアセトフェノン10g(0.07モル)およびテレフタルアルデヒド5g(0.03モル)を、エタノール100mlに溶解した。この混合溶液に、硫酸(99%)5mlを加え、25℃で12時間反応させた。得られた反応混合物を、純水で洗浄することにより精製した。1H-NMRの測定により、得られた生成物が式(b4-1)の構造を有することを確認した。図5に、1H-NMRチャートを示し、図6に、6.8-7.2ppm付近の1H-NMRチャートを示す。
4'-ヒドロキシアセトフェノン10g(0.07モル)およびテレフタルアルデヒド5g(0.03モル)を、エタノール100mlに溶解した。この混合溶液に、硫酸(99%)5mlを加え、25℃で12時間反応させた。得られた反応混合物を、純水で洗浄することにより精製した。1H-NMRの測定により、得られた生成物が式(b4-1)の構造を有することを確認した。図5に、1H-NMRチャートを示し、図6に、6.8-7.2ppm付近の1H-NMRチャートを示す。
・フェノール化合物4:ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製、PR-55617)
(硬化触媒)
・硬化触媒1:2-メチル-イミダゾール
・硬化触媒2:トリフェニルホスフィン
(熱伝導性フィラー)
・熱伝導性フィラー1:窒化ホウ素
・硬化触媒1:2-メチル-イミダゾール
・硬化触媒2:トリフェニルホスフィン
(熱伝導性フィラー)
・熱伝導性フィラー1:窒化ホウ素
(実施例1~4)
表1に示す配合で、樹脂組成物を作製した。
(実施例5)
表1に示す配合で、熱伝導性フィラーを含有する樹脂組成物を作製した。
表1に示す配合で、樹脂組成物を作製した。
(実施例5)
表1に示す配合で、熱伝導性フィラーを含有する樹脂組成物を作製した。
(比較例1)
エポキシ化合物1とフェノール化合物4を用いて樹脂組成物を作製した。
(比較例2)
表1に示す配合で、熱伝導性フィラーを含有する樹脂組成物を作製した。
(熱伝導率の測定)
上記で得られた樹脂組成物の熱伝導性を、以下の方法で測定した。
・樹脂成形体1の作製
実施例1~4または比較例1の各エポキシ樹脂、フェノール樹脂、触媒(2-メチルイミダゾール)2重量部を混合した混合物を、離型剤を塗布した金型にセットし、コンプレッション成形を180℃、30min行い、直径10mm×厚み1mmの樹脂成形物を得た。その後、オーブンにて180℃、180minの硬化を行い、樹脂成形体1(熱伝導率測定用サンプル)を得た。
・樹脂成形体2の作製
実施例5または比較例2の熱伝導性フィラーを含有する熱硬化性樹脂組成物を用い、0.018mmの銅箔で挟みセットし、コンプレッション成形を10MPaで180℃、90minを行い、樹脂成形体2を得た。得られた成形体から直径10mmの熱拡散率測定用サンプルを切り出し、熱拡散率測定に用いた。
エポキシ化合物1とフェノール化合物4を用いて樹脂組成物を作製した。
(比較例2)
表1に示す配合で、熱伝導性フィラーを含有する樹脂組成物を作製した。
(熱伝導率の測定)
上記で得られた樹脂組成物の熱伝導性を、以下の方法で測定した。
・樹脂成形体1の作製
実施例1~4または比較例1の各エポキシ樹脂、フェノール樹脂、触媒(2-メチルイミダゾール)2重量部を混合した混合物を、離型剤を塗布した金型にセットし、コンプレッション成形を180℃、30min行い、直径10mm×厚み1mmの樹脂成形物を得た。その後、オーブンにて180℃、180minの硬化を行い、樹脂成形体1(熱伝導率測定用サンプル)を得た。
・樹脂成形体2の作製
実施例5または比較例2の熱伝導性フィラーを含有する熱硬化性樹脂組成物を用い、0.018mmの銅箔で挟みセットし、コンプレッション成形を10MPaで180℃、90minを行い、樹脂成形体2を得た。得られた成形体から直径10mmの熱拡散率測定用サンプルを切り出し、熱拡散率測定に用いた。
・熱伝導率の測定
得られた樹脂成形体から、厚み方向測定用として、直径10mm×厚み1mmに加工したものを試験片とした。次に、ULVAC社製のXeフラッシュアナライザーTD-1RTVを用いて、レーザーフラッシュ法により板状の試験片の厚み方向の熱拡散係数(α)の測定を行った。測定は、大気雰囲気下、25℃の条件下で行った。
樹脂成形体について、得られた熱拡散係数(α)、比熱(Cp)、密度(Sp)の測定値から、下記式に基づいて熱伝導率を算出した。結果を以下の表1に示す。
熱伝導率[W/m・K]=α[m2/s]×Cp[J/kg・K]×Sp[g/cm3]
得られた樹脂成形体から、厚み方向測定用として、直径10mm×厚み1mmに加工したものを試験片とした。次に、ULVAC社製のXeフラッシュアナライザーTD-1RTVを用いて、レーザーフラッシュ法により板状の試験片の厚み方向の熱拡散係数(α)の測定を行った。測定は、大気雰囲気下、25℃の条件下で行った。
樹脂成形体について、得られた熱拡散係数(α)、比熱(Cp)、密度(Sp)の測定値から、下記式に基づいて熱伝導率を算出した。結果を以下の表1に示す。
熱伝導率[W/m・K]=α[m2/s]×Cp[J/kg・K]×Sp[g/cm3]
実施例1~4の樹脂成形体は、比較例1に比べ、高い熱伝導率を有していた。実施例5の熱伝導性フィラーを含有する樹脂成形体は、比較例2に比べ、高い熱伝導率を有していた。
Claims (11)
- 前記式(2)で表される基において、R1、R4、R5、およびR8は、炭素数1~4のアルキル基であり、R2、R3、R6、およびR7は、水素原子である、請求項2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記式(2)で表される基において、R1、R4、R5、およびR8は、メチル基であり、R2、R3、R6、およびR7は、水素原子である、請求項2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記式(2)で表される基において、R1~R8のすべてが水素原子である、請求項2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 式(d-EP)で表される前記2官能エポキシ化合物は、
R1、R4、R5、およびR8がメチル基であり、R2、R3、R6、およびR7が水素原子である式(2)で表される2官能エポキシ化合物と、
R1~R8のすべてが水素原子である式(2)で表されるに官能エポキシ化合物と、を含む、請求項2に記載の熱硬化性樹脂組成物。 - 硬化触媒をさらに含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 熱伝導性フィラーをさらに含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 顆粒状またはタブレット状である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 電子部品を封止するための封止材を形成するために用いられる、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 基板と、
前記基板上に設けられた電子部品と、
前記電子部品を封止する封止材と、を備え、
前記封止材は、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物よりなる、
電子装置。
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