JP2021181532A - ビスマレイミド樹脂組成物 - Google Patents

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洋之 井口
Hiroyuki Iguchi
健太郎 番場
Kentaro Bamba
肇 糸川
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Abstract

【課題】硬化物が低誘電率、低誘電正接であり、耐熱性、強靭性に優れ、更にはポットライフが長く作業性も良好な樹脂組成物の提供。【解決手段】(a)下記式(1)で表されるビスマレイミド化合物(式(1)中、Aは独立して環状構造を含む4価の有機基を示す。Bは独立してヘテロ原子を含んでもよい炭素数6以上の2価の炭化水素基である。Qは独立してヘテロ原子を含んでもよい炭素数6以上のアリーレン基である。WはB又はQで示される基を示す。nは0〜100であり、mは0〜100である。)及び(b)1分子中に少なくとも2個のイミノ基又はエナミノ基を有する化合物を含むビスマレイミド樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ビスマレイミド樹脂組成物に関する。
近年、携帯電話に代表される移動体通信機器、その基地局装置、サーバー、ルーター等のネットワークインフラ機器、大型コンピュータ等の電子機器では、使用する信号の高速化及び大容量化が年々進んでいる。これに伴い、これらの電子機器に搭載されるプリント配線板には20GHz領域といった高周波帯が使用されるため、低誘電率、低誘電正接、低熱膨張率、高耐熱性、低吸水性など、プリント配線板用材料に求められる特性はますます高まっている。
これらの特性を満たす可能性のある材料としては、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、マレイミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる(特許文献1〜3)。しかしながら、これら前記樹脂を単独で硬化させた場合、耐熱性が悪く、長期間高温に晒されると硬化物が脆くなりクラックが入りやすいという欠点があった。
特許文献4、5では、マレイミド化合物に加えて、アミン化合物を硬化剤として使用した場合、得られる硬化物の耐熱性、強靭性は優れるが、マレイミド化合物とアミン化合物の反応が非常に速く、ポットライフが短いという欠点があった。
特開2019−1965号公報 特開2018−28044号公報 特開2018−44065号公報 特開2017−66280号公報 特開2019−99710号公報
従って、本発明は、硬化物が低誘電率、低誘電正接であり、耐熱性、強靭性に優れ、更にはポットライフが長く作業性も良好な樹脂組成物を提供する。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究した結果、下記ビスマレイミド樹脂組成物が上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
<1>
(a)下記式(1)で表されるビスマレイミド化合物
Figure 2021181532
(式(1)中、Aは独立して環状構造を含む4価の有機基を示す。Bは独立してヘテロ原子を含んでもよい炭素数6以上のアルキレン基である。Qは独立してヘテロ原子を含んでもよい炭素数6以上のアリーレン基である。WはB又はQで示される基を示す。nは0〜100であり、mは0〜100である。)
及び
(b)1分子中に少なくとも2個のイミノ基又はエナミノ基を有する化合物
を含むビスマレイミド樹脂組成物。
<2>
式(1)中のAで示される有機基が下記構造式で示される4価の有機基のいずれかである<1>に記載のビスマレイミド樹脂組成物。
Figure 2021181532
(上記構造式中の置換基が結合していない結合手は、式(1)において環状イミド構造を形成するカルボニル炭素と結合するものである。)
<3>
式(1)中のBで示される2価の炭化水素基が下記構造式(2)〜(6)で示される2価の炭化水素基のいずれかである<1>または<2>に記載のビスマレイミド樹脂組成物。
Figure 2021181532
(R1は互いに独立に水素原子、または炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す。p1及びp2はそれぞれ5以上の数であり、同じであっても異なっていてもよく、p3及びp4はそれぞれ数4以上の数であり、同じであっても異なっていてもよく、p5及びp6はそれぞれ0以上の数であり、同じであっても異なっていてもよい。上記構造式中の置換基が結合していない結合手は、式(1)において環状イミド構造を形成する窒素原子と結合するものである。)
<4>
式(1)中のQで示されるアリーレン基が下記構造式(7)〜(13)で示されるアリーレン基のいずれかである<1>〜<3>のいずれか1項に記載のビスマレイミド樹脂組成物。
Figure 2021181532
(R2は互いに独立に水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、R3は互いに独立に水素原子、ハロゲン原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であり、Zは酸素原子、硫黄原子又はメチレン基である。上記構造式中の置換基が結合していない結合手は、式(1)において環状イミド構造を形成する窒素原子と結合するものである。)
<5>
(b)成分のイミノ基またはエナミノ基が下記式(14)〜(19)で示される基のいずれかである<1>〜<4>のいずれか1項に記載のビスマレイミド樹脂組成物。
Figure 2021181532
(式中、R4及びR5はそれぞれ水素原子、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基であり、R4及びR5の少なくともいずれかは脂肪族炭化水素基であり、R6及びR7は互いに独立に水素原子又は炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基であり、xは1〜4である。式中の波線は互いに独立して、(b)成分の化合物が有するイミノ基又はエナミノ基と残部との結合部位を示す。)
<6>
更に(c)成分として、(メタ)アクリル基を有する化合物を含有する<1>〜<5>のいずれか1項に記載のビスマレイミド樹脂組成物。
<7>
(c)成分の(メタ)アクリル基を有する化合物が、(メタ)アクリル基を除く分子中の炭素数が10以上の(メタ)アクリレートである<6>に記載のビスマレイミド樹脂組成物。
本発明のビスマレイミド樹脂組成物は、ポットライフが長く作業性が良好である。更には、耐熱性及び強靭性に優れ、低比誘電率、低誘電正接の硬化物となるため、本発明のビスマレイミド樹脂組成物は、フレキシブルプリント配線板、カバーレイフィルム、カバーレイフィルム用接着剤、放熱用接着剤、電磁波シールド、半導体封止材等の用途に有用である。
以下、本発明のビスマレイミド樹脂組成物について詳細に説明する。
[(a)ビスマレイミド化合物]
(a)成分のビスマレイミド化合物は、本発明のビスマレイミド樹脂組成物の主成分となるものであり、下記式(1)で表されるマレイミド化合物である。
Figure 2021181532
式(1)中、Aは独立して環状構造を含む4価の有機基を示す。Bは独立してヘテロ原子を含んでもよい炭素数6以上の2価の炭化水素基である。Qは独立してヘテロ原子を含んでもよい炭素数6以上のアリーレン基である。WはB又はQで示される基を示す。nは0〜100の数を、mは0〜100の数を表す。
ここで、式(1)中のAで示される有機基は独立して環状構造を含む4価の有機基であり、特に下記構造式で示される4価の有機基のいずれかであることが好ましい。
Figure 2021181532
上記構造式中の置換基が結合していない結合手は、式(1)において環状イミド構造を形成するカルボニル炭素と結合するものである。
また、式(1)中のBは独立してヘテロ原子を含んでもよい炭素数6以上60以下の2価の炭化水素基であり、好ましくはヘテロ原子を含んでもよい炭素数8以上40以下の2価の炭化水素基である。更に好ましくは下記構造式(2)〜(6)で示される2価の炭化水素基である。
Figure 2021181532
上記構造式中の置換基が結合していない結合手は、式(1)において環状イミド構造を形成する窒素原子と結合するものである。
上記式中、p1及びp2はそれぞれ5〜12の数であり、好ましくはそれぞれ6〜10以上の数であり、同じであっても異なっていてもよい。
3及びp4はそれぞれ2〜10の数であり、好ましくはそれぞれ3〜8の数であり、同じであっても異なっていてもよい。
5及びp6はそれぞれ0〜4の数であり、好ましくはそれぞれ0〜2の数であり、同じであっても異なっていてもよい。
上記式中、R1は互いに独立に水素原子、または炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、好ましくは水素原子、または炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、更に好ましくは水素原子、または炭素数1〜10の直鎖のアルキル基である。
また、式(1)中のQは独立してヘテロ原子を含んでもよい炭素数6以上30以下のアリーレン基であり、好ましくは炭素数6以上18以下のアリーレン基である。該アリーレン基は、芳香族炭化水素から芳香環を構成する炭素原子に結合した水素原子2個を除去した2価の基である。該芳香族炭化水素は、下記の化合物を含むものである。
・単環式又は多環式の芳香族炭化水素
・独立した2以上の単環式又は多環式の芳香族炭化水素が単結合又は2価の有機基を介して結合した化合物
式(1)中のQは、下記構造式(7)〜(13)で示されるアリーレン基のいずれかであることが更に好ましい。
Figure 2021181532
上記構造式中の置換基が結合していない結合手は、式(1)において環状イミド構造を形成する窒素原子と結合するものである。
上記式中、R2は互いに独立に水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、好ましくは水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基であり、更に好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基であり、更により好ましくは水素原子である。
上記式中、R3は互いに独立に水素原子、ハロゲン原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であり、好ましくは水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
上記式中、Zは酸素原子、硫黄原子又はメチレン基であり、好ましくは酸素原子又は硫黄原子であり、更に好ましくは酸素原子である。
式(1)中のnは0〜100の数であり、好ましくは0〜70の数である。式(1)中のmは0〜100の数であり、好ましくは0〜70の数である。
(A)成分のビスマレイミド化合物の重量平均分子量(Mw)としては特に制限はないが、好ましくは300〜50,000、より好ましくは400〜30,000、更に好ましくは500〜10,000、更により好ましくは600〜3,000である。この範囲であれば、本発明の樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎず、さらに該樹脂組成物の硬化物が高い強度を有する。
本明細書中で言及する重量平均分子量(Mw)とは、下記条件で測定したGPCによるポリスチレンを標準物質とした重量平均分子量を指すこととする。
[GPC測定条件]
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.6mL/min
カラム:TSK Guardcolumn SuperH−L
TSKgel SuperH4000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH3000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH2000(6.0mmI.D.×15cm×2)
(いずれも東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:20μL(試料濃度:0.5質量%−テトラヒドロフラン溶液)
検出器:示差屈折率計(RI)
ビスマレイミド化合物としては、ジアミンと酸無水物とから常法によって合成してもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、BMI−689、BMI−1400、BMI−1500、BMI−2500、BMI−2560、BMI−3000、BMI−5000、BMI−6000、BMI−6100(以上、Designer Molecules Inc.製)、BMI−1000、BMI−4000、BMI−5100(以上、大和化成(株)製)等を挙げることができる。また、ビスマレイミド化合物は1種単独で使用しても複数種のものを併用しても構わない。
本発明の組成物中、(a)成分の配合量は樹脂分100質量部に対して30〜90質量部であることが好ましく、40〜80質量部であることがより好ましい。なお、ここで言う樹脂分とは(a)成分及び(b)成分の総量を指し、配合されている場合は(c)成分やその他の添加剤の配合量を含むが、無機充填剤ならびに有機充填剤の配合量は樹脂分として含まないものとする。
[(b)1分子中に少なくとも2個のイミノ基又はエナミノ基を有する化合物]
(b)成分は1分子中に少なくとも2個のイミノ基又はエナミノ基を有する化合物である。(b)成分の1分子中のイミノ基又はエナミノ基の数が2個又は3個であることが好ましい。(b)成分の1分子中のイミノ基又はエナミノ基の数がこの範囲内であれば、(a)成分のマレイミド基との架橋点の数を抑えることができ、組成物がゲル化することなく分子量を大きくすることができ、その硬化物を強靭化することができる。
1分子中に少なくとも2個のイミノ基又はエナミノ基を有する化合物としては、1分子中に少なくとも2個の1級又は2級アミンを有する化合物とカルボニル化合物とから合成してもよいし、市販品を用いてもよい。
1分子中に少なくとも2個の1級又は2級アミンを有する化合物とカルボニル化合物とから合成する方法としては、該アミン化合物と該カルボニル化合物を混合し、40〜180℃で0.5〜72時間、好ましくは60〜150℃で2〜48時間、脱水しながら加熱混合すればよい。
1分子中に少なくとも2個の1級又は2級アミンを有する化合物としては、特に制限はないが、例えば1,3−ジアミノプロパン、2−メチル−1,3−プロパンジアミン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、ジエチレントリアミン、3,7−ジアザ−1,9−ノナンジアミン、N−メチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N−イソプロピル−1,3−ジアミノプロパン、3,3’−ジアミノジプロピルアミン、N,N’−ジメチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジメチル−1,12−ジアミノドデカン等の鎖状脂肪族アミン;1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン、Priamine1071、Priamine1072、Priamine1073、Priamine1074、Priamine1075(クローダジャパン社製)、VERSAMINE551(BASFジャパン社製)、N,N’−ジメチル−1,4−ジアミノシクロヘキサン、N,N’−ジメチル−1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等の環状脂肪族アミン;1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノトルエン、3,4−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,3,3’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’,4,4’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、KAYAHARD A−A(日本化薬社製)、N,N’−ジメチル−1,4−ジアミノベンゼン、N−メチル−2,4−ジアミノトルエン等の芳香族アミン;ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ジメチルポリシロキサン等のアミノ基変性シロキサン等が挙げられる。
これらの中でも、樹脂組成物の硬化物を強靭化するために鎖状脂肪族アミン又は環状脂肪族アミン等の脂肪族アミンが好ましく、炭素数6〜60の鎖状脂肪族アミン又は環状脂肪族アミンがより好ましく、炭素数5以上の脂肪族環を1個以上含む炭素数8以上40以下の環状脂肪族アミンが更に好ましい。
カルボニル化合物としては、特に制限はないが、例えばアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、2−メチルベンゼンアセトアルデヒド、3−メチルベンゼンアセトアルデヒド、4−メチルベンゼンアセトアルデヒド、4−イソプロピルベンズアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、n−ブチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、5−メチル−3−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、シクロヘキシルフェニルケトン、4−メチルベンゾフェノン、4−オクチルベンゾフェノン、2−ノルボルナノン、1,7,7−トリメチルビシクロ[2.1.1]−2−ヘプタノン、1,3,3−トリメチル−2−ノルボルナノン等のケトンが挙げられる。
これらの中でも良好なポットライフの樹脂組成物を得るためにケトンが好ましく、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、プロピオフェノン、1,7,7−トリメチルビシクロ[2.1.1]−2−ヘプタノン、1,3,3−トリメチル−2−ノルボルナノンがより好ましい。
上記アミン化合物とカルボニル化合物を反応させて得られる、1分子中に少なくとも2個のイミノ基又はエナミノ基を有する化合物としては特に制限はないが、下記式(14)〜(19)のいずれかで表されるイミノ基またはエナミノ基を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2021181532
式中の波線は互いに独立して、(b)成分の化合物のイミノ基又はエナミノ基と残部との結合部位を示す。
上記式中、R4及びR5はそれぞれ水素原子、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基であり、好ましくは水素原子又は炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基であり、更に好ましくは水素原子又は炭素数1〜10の分岐状脂肪族炭化水素基である。ただし、R4、R5の少なくともいずれかは脂肪族炭化水素基である。
上記式中、R6及びR7は互いに独立に水素原子又は炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基であり、好ましくは水素原子又は炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基であり、更に好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基である。
上記式中、xは1〜4であり、好ましくは2〜3である。
イミノ基又はエナミノ基として例えば下記構造式で表される有機基が挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2021181532
式中の波線は互いに独立して、(b)成分の化合物が有するイミノ基又はエナミノ基と残部との結合部位を示す。
1分子中に少なくとも2個のイミノ基又はエナミノ基を有する化合物を、1分子中に少なくとも2個の1級又は2級アミンを有する化合物とカルボニル化合物とから合成する場合、1分子中に少なくとも2個の1級又は2級アミンを有する化合物のアミノ基のイミノ基又はエナミノ基への変換率が60〜100%であることが好ましく、80〜100%であることがより好ましく、90〜100%であることが更に好ましい。この範囲であれば、(a)成分のビスマレイミド化合物と混合しても良好なポットライフが得られる。
本発明の組成物中、(b)成分の配合量は(a)成分100質量部に対して5〜200質量部であることが好ましく、10〜150質量部であることがより好ましい。
[その他の成分]
[(c)(メタ)アクリル基を有する化合物]
(c)成分は(a)成分、(b)成分と良好に反応し、さらに樹脂組成物の接着力を向上させるため、必要に応じて使用するものである。
(c)成分の(メタ)アクリル基を有する化合物としては特に制限はないが、好ましくは(メタ)アクリル基を除く炭素数が10以上の(メタ)アクリレートであり、より好ましくは炭素数12以上の(メタ)アクリレートであり、更に好ましくは炭素数14〜40の(メタ)アクリレートである。(メタ)アクリレートの炭素数が10以上であれば、樹脂組成物の耐熱性が良好となる。
(c)成分の1分子中の(メタ)アクリル基の数としては特に制限はないが、1〜3個、好ましくは1又は2個である。(c)成分の1分子中の(メタ)アクリル基の数が1〜3個であれば、樹脂組成物の硬化時の収縮が小さく、接着力が低減することもないため好ましい。
(c)成分の具体例として、例えば下記構造式で表される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2021181532
上記式中、y1は4〜30の数であり、好ましくは6〜20の数であり、y2は0〜3の数であり、好ましくは0または1であり、y3は2〜30の数であり、好ましくは4〜20の数であり、y4は2〜8の数であり、好ましくは2〜4の数であり、y5は1〜3の数である。
本発明の組成物中、(c)成分の配合量は、(a)成分100質量部に対して5〜100質量部であることが好ましく、10〜80質量部であることがより好ましい。
また、本発明の(a)〜(c)成分の官能基当量として、前記(a)成分中のマレイミド基のモル数na、前記(b)成分中のイミノ基又はエナミノ基のモル数nb、並びに前記(c)成分中の(メタ)アクリル基のモル数ncが、0.05≦nb/(na+nc)≦1であることが好ましく、0.1≦nb/(na+nc)≦0.9であることがより好ましく、0.3≦nb/(na+nc)≦0.8であることが更に好ましい。この範囲であれば、(b)成分中のイミノ基又はエナミノ基が未反応のまま硬化物に残存する可能性が低く、樹脂組成物の硬化物の耐熱性及び強靭性が良好となる。
本発明の樹脂組成物は上記成分の他に必要によりその他の添加剤、充填剤を加えてもよい。以下に詳細に説明する。
[重合開始剤]
本発明の樹脂組成物に、添加剤として重合開始剤を加えてもよい。重合開始剤を加えることによって、未反応のマレイミド基、アクリル基等を減らすことが可能となる。
重合開始剤としては、特に制限はないが、熱ラジカル重合開始剤、熱アニオン重合開始剤、光重合開始剤等が挙げられる。
熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、桂皮酸パーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、α、α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルプロピル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルエチル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−プロピル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−エチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、ジメチル−1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)等のアゾ化合物が挙げられ、好ましくはジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルエチル)−2−メチルプロピオンアミド]であり、更に好ましくはジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイドである。
熱アニオン重合開始剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン等のアミン類;トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のホスフィン類が挙げられ、好ましくは2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィンであり、更に好ましくは2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリフェニルホスフィンである。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン等のベンゾイル化合物(又はフェニルケトン化合物)、特に、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン等のカルボニル基のα−位の炭素原子上にヒドロキシ基を有するベンゾイル化合物(又はフェニルケトン化合物);2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン等のα−アルキルアミノフェノン化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビスアシルモノオルガノホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物;イソブチルベンゾインエーテル等のベンゾインエーテル化合物;アセトフェノンジエチルケタール等のケタール化合物;チオキサントン系化合物;アセトフェノン系化合物等が挙げられる。
特にUV−LEDから発生する放射線は単一波長であるので、UV−LEDを光源として用いる場合、340〜400nmの領域に吸収スペクトルのピークを有するα−アルキルアミノフェノン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物の光重合開始剤を使用するのが有効である。
これら重合開始剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。重合開始剤の配合量は特に限定されないが、本発明の組成物中の(a)成分100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましく、0.05〜8質量部であることがより好ましく、0.1〜5質量部であることが更により好ましい。この範囲であれば未反応の官能基を十分に反応させることができる。
[無機充填剤]
無機充填剤としては、特に制限はないが、例えばシリカ、二酸化チタン、酸化イットリウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム等の金属酸化物;窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の金属窒化物;炭化ケイ素、ダイヤモンド、グラフェン等の炭素含有粒子;シリカバルーン(中空シリカ)、カーボンバルーン、アルミナバルーン、アルミノシリケートバルーン等の中空粒子;金、銀、銅、パラジウム、アルミニウム、ニッケル、鉄、コバルト、チタン、マンガン、亜鉛、タングステン、白金、鉛、錫等の金属単体;半田、鋼、ステンレス鋼等の合金;ステンレス、Fe−Cr−Al−Si合金、Fe−Si−Al合金、Fe−Ni合金、Fe−Cu−Si合金、Fe−Si合金、Fe−Si―B(−Cu−Nb)合金、Fe−Si−Cr−Ni合金、Fe−Si−Cr合金、Fe−Si−Al−Ni−Cr合金等の磁性金属合金;ヘマタイト(Fe23)、マグネタイト(Fe34)、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Mg−Mn系フェライト、Zr−Mn系フェライト、Ti−Mn系フェライト、Mn−Zn−Cu系フェライト、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等のフェライト類が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
金属酸化物、金属窒化物、炭素含有粒子を加えることによって樹脂組成物の硬化物の線膨張係数を下げ、熱伝導率を上げることができ、中空粒子を加えることによって樹脂組成物の硬化物の比誘電率、誘電正接、密度等を下げることができ、金属、合金を加えることによって樹脂組成物の硬化物の電気伝導率、熱伝導率等を上げることができ、フェライト類を加えることによって樹脂組成物の硬化物に電磁波吸収能を付与することができる。
前記無機充填剤の形状としては、特に制限はなく、例えば球状、鱗片状、フレーク状、針状、棒状、楕円状等が挙げられ、中でも球状、鱗片状、フレーク状、楕円状、棒状が好ましく、球状、鱗片状、フレーク状、楕円状が更に好ましい。
前記無機充填剤の一次粒径としては特に制限はないが、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定されたメジアン径として0.05〜500μmが好ましく、0.1〜300μmがより好ましく、1〜100μmが更に好ましい。この範囲内であれば、樹脂組成物中に前記無機充填剤を均一に分散させることが容易であり、経時で該無機充填剤が沈降、分離、偏在してしまうこともないため好ましい。
前記無機充填剤の配合量としては特に制限はないが、本発明の組成物中の(a)成分100質量部に対して5〜3,000質量部であることが好ましく、10〜2,500質量部であることがより好ましく、50〜2,000質量部であることが更に好ましい。この範囲であれば樹脂組成物の強度を保持したまま、無機充填剤の機能を十分に発揮することができる。
[有機充填剤]
有機充填剤としては、特に制限はないが、例えばアクリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルブロック共重合体のような熱可塑性樹脂粒子、炭素繊維、セルロース繊維、シリコーンパウダー、アクリルパウダー、ポリテトラフルオロエチレン粉、ポリエチレン粉、ポリプロピレン粉などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機充填剤の形状としては、特に制限はなく、例えば球状、繊維状、フレーク状、針状、棒状、楕円状等が挙げられ、中でも球状、繊維状、フレーク状、楕円状、棒状が好ましく、球状、繊維状、フレーク状、楕円状が更に好ましい。
前記有機充填剤の一次粒径としては特に制限はないが、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定されたメジアン径として0.05〜500μmが好ましく、0.1〜300μmがより好ましく、1〜100μmが更に好ましい。この範囲内であれば、樹脂組成物中に前記有機充填剤を均一に分散させることが容易であり、経時で該有機充填剤が沈降、分離、偏在してしまうこともないため好ましい。
前記有機充填剤の配合量としては特に制限はないが、本発明の組成物中の(a)成分100質量部に対して1〜400質量部であることが好ましく、5〜200質量部であることがより好ましく、10〜100質量部であることが更に好ましい。この範囲であれば樹脂組成物の強度を上げることが可能となる。
[接着性付与剤]
本発明の樹脂組成物は、接着性あるいは粘着性(感圧接着性)を付与するため、必要に応じて接着性付与剤を含有してよい。接着性付与剤としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、シランカップリング剤等が挙げられる。中でも接着性を付与するにはエポキシ樹脂、シランカップリング剤が好ましく、粘着性(感圧接着性)を付与するにはテルペン樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂及び4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂等のビフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、トリスフェニロールメタン型エポキシ樹脂、テトラキスフェニロールエタン型エポキシ樹脂、並びにフェノールジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂の芳香環を水素化したエポキシ樹脂等が挙げられる。必要に応じて、上記以外のエポキシ樹脂を目的に応じて一定量併用することができる。
テルペン樹脂としては、特に制限はないが、例えば、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、及びリモネン等のモノテルペン類、セドレン、ファネルセン等のセスキテルペン類、アビエチン酸等のジテルペン類のようなテルペン類の単独重合体や、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物と前記テルペン類との共重合体である芳香族変性テルペン樹脂、フェノール、クレゾール、ヒドロキノン、ナフトール、ビスフェノールA等のフェノール類と前記テルペン類との共重合体であるテルペンフェノール樹脂等が挙げられる。また、これらのテルペン樹脂を水素添加した水素添加テルペン樹脂等も使用可能である。
シランカップリング剤としては、特に制限はないが、例えば、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、2−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]−トリメトキシシラン、メトキシトリ(エチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤等が挙げられる。
前記接着性付与剤の含有量としては特に制限はないが、本発明の組成物中の(a)成分100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、1〜5質量部が更に好ましい。この範囲内であれば、前記樹脂組成物の物性を変えることなく、該樹脂組成物の接着力あるいは粘着力をより向上させることができる。
[酸化防止剤]
酸化防止剤としては、特に制限はないが、例えば、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アセテート、ネオドデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ドデシル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、エチル−α−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)イソブチレート、オクタデシル−α−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)イソブチレート、オクタデシル−α−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(n−オクチルチオ)エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(2−ステアロイルオキシエチルチオ)エチル−7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘプタノエート、2−ヒドロキシエチル−7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等のフェノール系酸化防止剤;ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等の硫黄系酸化防止剤;トリデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2−エチルヘキシルジフェニルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル]オキシ]−N,N−ビス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル]オキシ]−エチル]エタナミン等のリン系酸化防止剤が挙げられる。
前記酸化防止剤の含有量としては特に制限はないが、本発明の組成物中の(a)成分100質量部に対して0.00001〜5質量部が好ましく、0.0001〜4質量部がより好ましく、0.001〜3質量部が更に好ましい。この範囲内であれば、前記樹脂組成物の機械物性を変えることなく、該樹脂組成物の酸化を防止できる。
[難燃剤]
難燃剤としては、特に制限はないが、例えば、リン系難燃剤、金属水和物、ハロゲン系難燃剤等が挙げられる。リン系難燃剤としては、例えば、赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム、リン酸グアニジン、リン酸アミド等の無機系含窒素リン化合物、リン酸、ホスフィンオキシド、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジルジ−2,6−キシレニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、1,3−フェニレンビス(ジ−2,6−キシレニルホスフェート)、ビスフェノールA−ビス(ジフェニルホスフェート)、1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、フェニルホスホン酸ジビニル、フェニルホスホン酸ジアリル、フェニルホスホン酸ビス(1−ブテニル)、ジフェニルホスフィン酸フェニル、ジフェニルホスフィン酸メチル、ビス(2−アリルフェノキシ)ホスファゼン、ジクレジルホスファゼン等のホスファゼン化合物、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラム、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド等が挙げられる。金属水和物としては、例えば、水酸化アルミニウム水和物、水酸化マグネシウム水和物等が挙げられる。ハロゲン系難燃剤としては、例えば、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、エチレンビステトラブロモフタルイミド、1,2−ジブロモ−4−(1,2−ジブロモエチル)シクロヘキサン、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリスチレン、2,4,6−トリス(トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
前記難燃剤の含有量としては特に制限はないが、本発明の組成物中の(a)成分100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましく、0.05〜4質量部がより好ましく、0.1〜3質量部が更に好ましい。この範囲内であれば、前記樹脂組成物の機械物性を変えることなく、該樹脂組成物に難燃性を付与できる。
[製造方法]
本発明の樹脂組成物の製造方法は、(a)成分、(b)成分並びに必要に応じて加えられる(c)成分及びその他の添加剤を、例えば、プラネタリーミキサー(井上製作所(株)製)や、攪拌機THINKY CONDITIONING MIXER(シンキー(株)製)を使用して混合する方法が挙げられる。
このようにして得られた本発明の樹脂組成物は、ポットライフが長く作業性に優れ、硬化物が低比誘電率、低誘電正接であり、耐熱性及び強靭性に優れるため、フレキシブルプリント配線板、カバーレイフィルム用接着剤、放熱用接着剤、電磁波シールド、半導体封止材等の用途に有用である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例において、Ma価はマレイミド当量、N価はイミン、エナミン又はアミン当量、Vi価はアクリル当量を表す。
下記実施例に示した分子量はポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した重量平均分子量(Mw)である。以下に測定条件を示す。
[GPC測定条件]
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.6mL/min
カラム:TSK Guardcolumn SuperH−L
TSKgel SuperH4000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH3000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH2000(6.0mmI.D.×15cm×2)
(いずれも東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:20μL(試料濃度:0.5質量%−テトラヒドロフラン溶液)
検出器:示差屈折率計(RI)
(a)ビスマレイミド化合物
(a−1)ビスマレイミド化合物
N−メチルピロリドン196gに、1,12−ジアミノドデカン200g(1.0mol)及びピロメリット酸無水物207g(0.95mol)を添加し、25℃で3時間撹拌し、更に150℃で3時間撹拌した。得られた溶液に無水マレイン酸196g(2.0mol)、酢酸ナトリウム82g(1.0mol)及び無水酢酸204g(2.0mol)を加え、80℃で1時間撹拌した。その後、トルエン500gを加え、更に水洗、脱水後、溶剤を減圧留去し、下記式で示される(a−1)ビスマレイミド化合物を得た。(Ma価=0.057mol/100g)(重量平均分子量3,500)
Figure 2021181532
(m≒8(平均値))
(a−2)ビスマレイミド化合物
下記式で示されるビスマレイミド化合物(商品名:BMI−2500、Designer Molecules Inc.製)(Ma価=0.057mol/100g)(重量平均分子量3,500)
Figure 2021181532
(m1≒3(平均値)、m2≒3(平均値))
(a−3)ビスマレイミド化合物
下記式で示されるビスマレイミド化合物(商品名:BMI−1500、Designer Molecules Inc.製)(Ma価=0.095mol/100g)(重量平均分子量2,100)
Figure 2021181532
(m≒2(平均値))
(a−4)ビスマレイミド化合物
N−メチルピロリドン350gに、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(商品名:カヤハードA−A(日本化薬(株)製))252g(1.0mol)及びピロメリット酸無水物207g(0.9mol)を添加し、室温で3時間撹拌し、更に120℃で3時間撹拌した。得られた溶液に無水マレイン酸196g(2.0mol)、酢酸ナトリウム82g(1.0mol)及び無水酢酸204g(2.0mol)を加え、80℃で1時間撹拌した。その後、トルエン500gを加え、更に水洗、脱水後、溶剤を減圧留去し、下記式で示される(a−4)ビスマレイミドを得た。(Ma価=0.11mol/100g)(重量平均分子量1,800)
Figure 2021181532
(n≒3(平均値))
(a−5)ビスマレイミド化合物
下記式で示されるビスマレイミド化合物(商品名:BMI−689、Designer Molecules Inc.製)(Ma価=0.29mol/100g)(重量平均分子量690)
Figure 2021181532
(a−6)ビスマレイミド化合物
下記式で示されるビスマレイミド化合物(商品名:BMI−1000、大和化成(株)製)(Ma価=0.56mol/100g)(重量平均分子量360)
Figure 2021181532
(b)1分子中に少なくとも2個のイミノ基又はエナミノ基を有する化合物
(b−1)イミン化合物
1,12−ジアミノドデカン200g(1.0mol)とメチルイソブチルケトン300g(3.0mol)を混合し、脱水しながら2時間還流した。その後未反応のメチルイソブチルケトンを減圧留去し、下記式で示される(b−1)イミン化合物を得た。(N価=0.55mol/100g)
Figure 2021181532
(b−2)イミン化合物
1,3−ジアミノシクロヘキサン114g(1.0mol)とシクロヘキサノン296g(3.0mol)を混合し、脱水しながら2時間還流した。その後未反応のシクロヘキサノンを減圧留去し、下記式で示される(b−2)イミン化合物を得た。(N価=0.73mol/100g)
Figure 2021181532
(b−3)イミン化合物
Priamine1075(クローダジャパン(株)製、2官能アミン)544g(1.0mol)とジイソプロピルケトン342g(3.0mol)を混合し、脱水しながら4時間還流した。その後未反応のジイソプロピルケトンを減圧留去し、下記式で示される(b−3)イミン化合物を得た。(N価=0.28mol/100g)
Figure 2021181532
(b−4)イミン化合物
カヤハードA−A(日本化薬(株)製、2官能アミン)253g(1.0mol)とアセトフェノン252g(2.1mol)を混合し、脱水しながら26時間還流した。その後未反応のアセトフェノンを減圧留去し、下記式で示される(b−4)イミン化合物を得た。(N価=0.44mol/100g)
Figure 2021181532
(b−5)イミン化合物
N,N’−ジメチルホルムアミド500gに、イソホロンジアミン170g(1.0mol)と1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]−2−ヘプタノン608g(4.0mol)を添加し、脱水しながら12時間還流した。その後溶剤を減圧留去し、濾過し、下記式で示される(b−5)イミン化合物を得た。(N価=0.46mol/100g)
Figure 2021181532
(b−6)エナミン化合物
N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン102g(1.0mol)とメチルイソブチルケトン300g(3.0mol)を混合し、脱水しながら2時間還流した。その後未反応のメチルイソブチルケトンを減圧留去し、下記式で示される(b−6)エナミン化合物を得た。(N価=0.75mol/100g)
Figure 2021181532
(b’−1)アミン化合物
1,12−ジアミノドデカン(東京化成(株)製)(N価=1.0mol/100g)
(b’−2)アミン化合物
カヤハードA−A(日本化薬(株)製)(N価=0.79mol/100g)
(c)(メタ)アクリル基を有する化合物
(c−1)下記式で表されるアクリレート(Vi価=0.59mol/100g)(商品名:KAYARAD R−684(日本化薬(株)製))
Figure 2021181532
(c−2)イソボルニルアクリレート(Vi価=0.48mol/100g)(大阪有機化学(株)製)
Figure 2021181532
(c−3)ステアリルアクリレート(Vi価=0.31mol/100g)(東京化成(株)製)
(c−4)ドデシルアクリレート(Vi価=0.42mol/100g)(東京化成(株)製)
(d)重合開始剤
(d−1)ジクミルパーオキサイド(商品名:「パークミルD」(日油(株)製))
(d−2)トリフェニルホスフィン(キシダ化学(株)製)
(e)無機充填剤
(e−1)シリカ「SFP−130MC」(一次粒径のメジアン径0.6μm)(デンカ(株)製)
(e−2)アルミナ「AO−41R」(一次粒径のメジアン径6μm)(アドマテックス(株)製)
(f)有機充填剤
(f−1)シリコーンパウダー「KMP−600」(一次粒径のメジアン径5μm)(信越化学工業(株)製)
(g)接着性付与剤
(g−1)シランカップリング剤「KBM−403」(信越化学工業(株)製)
(h)酸化防止剤
(h−1)アデカスタブAO−60(アデカ(株)製)
(i)難燃剤
(i−1)アピノン−303(三和ケミカル(株)製)
[樹脂組成物の調製方法]
実施例1〜17及び比較例1〜4について、表1に示す配合(質量部)で各成分を混合し、得られた混合物をプラネタリーミキサー(井上製作所(株)製)を使用して60℃で10分混練し、その後25℃まで冷却し、攪拌機THINKY CONDITIONING MIXER(シンキー(株)製)に入れて3分撹拌脱泡し、樹脂組成物を作製した。
[組成物の粘度]
表1に示す配合(質量部)で調製した組成物について、JIS Z 8803:2011に準じ、B型粘度計を用いて23℃での樹脂組成物の粘度を測定した。結果を表1に記載した。
[ポットライフ]
表1に示す配合(質量部)で調製した組成物を23℃で24時間静置し、JIS Z 8803:2011に準じ、B型粘度計を用いて23℃での樹脂組成物の粘度を測定し、下記式に従ってポットライフを算出した。結果を表1に記載した。
(23℃で24時間静置した後の粘度)/(初期の粘度)
[硬化物の硬さ]
50mm径×10mm厚のアルミシャーレに、調製した樹脂組成物を流し込み、100℃で1時間、180℃で2時間の順でステップキュアし、該組成物の硬化物を作製した。得られた硬化物の硬さをJIS K 6253−3:2012に記載の方法に準拠して測定した。測定はまずデュロメータタイプAの硬度計を用いて行い、測定値が90以上であれば、デュロメータタイプD硬度計を用いて測定し、その測定値を記載した。また、デュロメータタイプA硬度計での測定値が20以下であれば、デュロメータタイプE硬度計を用いて測定し、その測定値を記載した。結果を表1に記載した。
[硬化物の引張強さ及び切断時伸び]
150mm×200mm×2mm厚のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)でコーティングされた凹型の金型に調製した組成物を流し込み、100℃で1時間、180℃で2時間の順でステップキュアし、該組成物の硬化物(試験サンプル)を作製した。JIS K 6251:2010に準拠して、EZ TEST(EZ−L、株式会社島津製作所製)を用いて、試験速度500mm/min、つかみ具間距離80mm、標点間距離40mmの条件で前記試験サンプルの引張強さと切断時伸びを測定した。結果を表1に記載した。
[耐熱性]
150mm×200mm×2mm厚のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)でコーティングされた凹型の金型に調製した組成物を流し込み、100℃で1時間、180℃で2時間の順でステップキュアし、該組成物の硬化物(試験サンプル)を作製した。得られた硬化物を180℃で1000時間放置し、JIS K 6251:2010に準拠して、EZ TEST(EZ−L、株式会社島津製作所製)を用いて、試験速度500mm/min、つかみ具間距離80mm、標点間距離40mmの条件で耐熱試験後の試験サンプルの引張強さと切断時伸びを測定した。結果を表1に記載した。
[比誘電率及び誘電正接]
30mm×40mm×100μm厚の金型枠に、調製した樹脂組成物を挟み、180℃で2時間熱プレスし、試験サンプルを作製した。作製した試験サンプルにネットワークアナライザ(キーサイト社製 E5063−2D5)とストリップライン(キーコム株式会社製)を接続して、周波数10GHzにおける比誘電率、誘電正接を測定した。結果を表1に記載した。
Figure 2021181532
実施例1〜17では、組成物の24時間後の粘度変化が少なくポットライフが長く良好であった。また、実施例1〜17では、耐熱試験前と比べて耐熱試験後の硬化物の引張強さ及び切断時伸びの値の変化が少なく、耐熱性及び強靭性に優れるものであった。さらに、硬化物は低比誘電率、低誘電正接でありながら、低硬度であった。
比較例1、2では、(b)成分の1分子中に少なくとも2個のイミノ基又はエナミノ基を有する化合物を含有しないため、耐熱試験後の硬化物の引張強度、切断時伸びの値が耐熱試験前と比べて低く、脆くなってしまった。
比較例3では、脂肪族アミンを含有するため、反応が非常に速く、混合しただけでゲル化してしまった。
比較例4では、芳香族アミンを含有するため、反応が速く、ポットライフが悪くなってしまった。

Claims (7)

  1. (a)下記式(1)で表されるビスマレイミド化合物
    Figure 2021181532
    (式(1)中、Aは独立して環状構造を含む4価の有機基を示す。Bは独立してヘテロ原子を含んでもよい炭素数6以上の2価の炭化水素基である。Qは独立してヘテロ原子を含んでもよい炭素数6以上のアリーレン基である。WはB又はQで示される基を示す。nは0〜100であり、mは0〜100である。)
    及び
    (b)1分子中に少なくとも2個のイミノ基又はエナミノ基を有する化合物
    を含むビスマレイミド樹脂組成物。
  2. 式(1)中のAで示される有機基が下記構造式で示される4価の有機基のいずれかである請求項1に記載のビスマレイミド樹脂組成物。
    Figure 2021181532
    (上記構造式中の置換基が結合していない結合手は、式(1)において環状イミド構造を形成するカルボニル炭素と結合するものである。)
  3. 式(1)中のBで示される2価の炭化水素基が下記構造式(2)〜(6)で示される2価の炭化水素基のいずれかである請求項1または2に記載のビスマレイミド樹脂組成物。
    Figure 2021181532
    (R1は互いに独立に水素原子または炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示す。p1及びp2はそれぞれ5以上の数であり、同じであっても異なっていてもよく、p3及びp4はそれぞれ4以上の数であり、同じであっても異なっていてもよく、p5及びp6はそれぞれ0以上の数であり、同じであっても異なっていてもよい。上記構造式中の置換基が結合していない結合手は、式(1)において環状イミド構造を形成する窒素原子と結合するものである。)
  4. 式(1)中のQで示されるアリーレン基が下記構造式(7)〜(13)で示されるアリーレン基のいずれかである請求項1〜3のいずれか1項に記載のビスマレイミド樹脂組成物。
    Figure 2021181532
    (R2は互いに独立に水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、R3は互いに独立に水素原子、ハロゲン原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であり、Zは酸素原子、硫黄原子又はメチレン基である。上記構造式中の置換基が結合していない結合手は、式(1)において環状イミド構造を形成する窒素原子と結合するものである。)
  5. (b)成分のイミノ基またはエナミノ基が下記式(14)〜(19)で示される基のいずれかである請求項1〜4のいずれか1項に記載のビスマレイミド樹脂組成物。
    Figure 2021181532
    (式中、R4及びR5はそれぞれ水素原子、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基であり、R4及びR5の少なくともいずれかは脂肪族炭化水素基であり、R6及びR7は互いに独立に水素原子又は炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基であり、xは1〜4である。式中の波線は互いに独立して、(b)成分の化合物が有するイミノ基又はエナミノ基と残部との結合部位を示す。)
  6. 更に(c)成分として、(メタ)アクリル基を有する化合物を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のビスマレイミド樹脂組成物。
  7. (c)成分の(メタ)アクリル基を有する化合物が、(メタ)アクリル基を除く分子中の炭素数が10以上の(メタ)アクリレートである請求項6に記載のビスマレイミド樹脂組成物。
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