JP2004231728A - エポキシ樹脂硬化剤および硬化性エポキシ樹脂組成物および硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂硬化剤および硬化性エポキシ樹脂組成物および硬化物 Download PDF

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賢治 石井
Yasumasa Norisue
泰正 則末
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大典 大野
Michio Nawata
道生 名和田
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Abstract

【課題】耐熱性、電気特性、耐湿性の優れたエポキシ樹脂硬化物を得る。
【解決手段】2官能フェニレンエーテルオリゴマーを硬化剤として用いたエポキシ樹脂硬化物はガラス転移点が高く、低誘電率、低誘電正接、低吸水率でありポリフェニレンエーテル骨格の優れた性質を受け継いだバランスのとれた特性を有していた。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エポキシ樹脂硬化剤に関する。本発明のエポキシ樹脂硬化剤はエポキシ樹脂と組み合わせて硬化性樹脂組成物とし、これを硬化させることによって耐熱性、低誘電特性に優れ、吸水率の低い高分子材料を得ることができるものであり、かかる硬化性樹脂組成物は、半導体封止材、電気絶縁材料、銅張り積層板用樹脂、レジスト、電子部品の封止用樹脂、液晶のカラーフィルター用樹脂、塗料、各種コーティング剤、接着剤、ビルドアップ積層板材料、FRP等の広範な用途に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】
従来、エポキシ樹脂は機能性高分子材料の原料として用いられている。しかしながら、近年これらの応用分野における要求性能の高度化に伴い、機能性高分子材料として求められる物性はますます厳しくなってきている。かかる物性として、例えば、耐熱性、耐候性、耐薬品性、低吸水性、高破壊靭性、低誘電率、低誘電正接等が求められている。
【0003】
例えば、印刷配線板分野ではエポキシ樹脂硬化物が絶縁材料として広く用いられているが、近年の信号の高周波化に伴う信号減衰の問題から、従来のエポキシ樹脂硬化物では誘電特性が不十分となりつつあり、さらなる低誘電特性を有する材料が望まれている。半導体封止材では、半田時に高温にさらされることにより、吸湿していた水分が膨張にクラックが入ることから、高い耐熱性と低い吸湿性とが要求され、現在主として用いられているクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とフェノールノボラック樹脂硬化剤とを用いたエポキシ樹脂封止材は、耐熱性および吸湿性とも充分とはいえない。
【0004】
これらの要求に対して、例えば、エポキシ樹脂硬化剤、添加剤としてインデンを用いる方法(例えば、特許文献1参照。)が提案されているが、近年の高耐熱化、低誘電特性化、低吸水率化の要求はますます厳しくなっている。
【0005】
【特許文献1】特開平9−208673号公報(第1−5頁)
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐熱性に優れ、低誘電率、低誘電正接、低吸水率である硬化物を与えるエポキシ樹脂硬化剤および硬化性エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、PPE骨格の優れた誘電特性・耐熱性を引継いだ数平均分子量が500〜3000の2官能性フェニレンエーテルオリゴマーをエポキシ樹脂硬化剤として用い、エポキシ樹脂と組み合わせて硬化させることにより、優れた耐熱性を有し、低誘電特性で、低吸水率である硬化物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、一般式(1)に表されるエポキシ樹脂硬化剤に関し、さらにエポキシ樹脂と該エポキシ樹脂硬化剤からなる硬化性エポキシ樹脂組成物に関し、さらには該組成物を硬化させてなる硬化物に関する。
【化3】
Figure 2004231728
(式中、−(O−X−O)−は構造式(2)で示され、R1,R2, R7,R8は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R3,R4,R5,R6は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。Aは、炭素数20以下の直鎖状あるいは、分岐状あるいは、環状の炭化水素である。−(Y−O)−は構造式(3)で定義される1種類の構造、または構造式(3)で定義される2種類以上の構造がランダムに配列したものである。R9,R10は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R11,R12は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。a,bは、少なくともいずれか一方が0でない、0〜30の整数を示す。)
【0008】
【発明実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。一般式(1)で表される化合物において、R1,R2, R7,R8は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R3,R4,R5,R6は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。Aは、炭素数20以下の直鎖状あるいは、分岐状あるいは、環状の炭化水素である。−(Y−O)−は構造式(3)で定義される1種類の構造、または構造式(3)で定義される2種類以上の構造がランダムに配列したものである。R9,R10は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R11,R12は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。a,bは、少なくともいずれか一方が0でない、0〜30の整数を示す。これらのなかでも好ましくは、R1,R2, R7,R8は炭素数3以下のアルキル基、R3,R4,R5,R6は水素原子または炭素数3以下のアルキル基、R9,R10は炭素数3以下のアルキル基、R11,R12は水素原子または炭素数3以下のアルキル基である。分子量は小さすぎるとフェニレンエーテル骨格の有する耐熱性、電気特性が得られず、また、大きすぎるとエポキシ樹脂との反応性が低下することから、好ましくは数平均分子量が500〜3000である。
【0009】
一般式(1)で表されるエポキシ樹脂硬化剤の製法は、特に限定されず、いかなる方法で製造してもよい。例えば、特願2002−018508に記載の方法で、2官能フェノール化合物と1官能フェノール化合物を銅、アミン存在下、酸化カップリングにより製造することができる。
【0010】
一般式(1)で表されるエポキシ樹脂硬化剤を硬化性エポキシ樹脂組成物とする際には、エポキシ樹脂硬化剤の水酸基のモル(A)とエポキシ樹脂のエポキシ基のモル(B)のモル比(B/A)が0.5〜10となるように配合するのが好ましく、特に好ましくは1〜5である。
【0011】
本発明で使用されるエポキシ樹脂としては、一般に公知のものが使用できる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、キシレンノボラック型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、特願2001−353194、特願2002−018508に示されるPPE骨格を有するエポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は1種あるいは2種以上混合して用いられる。
【0012】
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物には上記エポキシ樹脂硬化剤が必須成分として配合されるが、その他の配合成分には特に限定はなく、公知のエポキシ硬化剤を併用することもできる。例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物類、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド等のアミン類が挙げられる。
【0013】
また、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物には本発明のエポキシ樹脂硬化剤を全硬化剤の総量に対して5wt%以上、好ましくは10wt%以上配合するのがよい。配合量が少ないと物性改良効果が小さい場合がある。
【0014】
また、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて公知の硬化促進剤を使用できる。例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(ジメトキシフェニル)ホスフィン等のホスフィン類、テトラフェニルホスホニウムボレート、メチルトリブチルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスホニウム塩、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、テトラメチルブチルグアニジン等のアミン類、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート等のアンモニウム塩が挙げられる。これらの硬化促進剤は1種あるいは2種以上混合して用いられる。これらの硬化促進剤の使用量は、エポキシ樹脂に対して0.05〜7wt%であり、より好ましくは、0.1〜5wt%である。
【0015】
また、本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、エポキシ樹脂以外の硬化性樹脂を添加することもできる。例えば、シアネート樹脂、オキセタン樹脂、エチレン性不飽和基を有する樹脂等が挙げられる。
【0016】
さらに本発明の硬化性樹脂組成物を製造する際には、必要に応じて、ガラス繊維、有機基材、無機充填剤、着色顔料、消泡剤、表面調整剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、重合禁止剤、流動調整剤、熱可塑性樹脂等の公知の添加剤を添加することができる。無機充填剤としては、例えば、天然シリカ、溶融シリカ、アモルファスシリカ等のシリカ類、ホワイトカーボン、チタンホワイト、アエロジル、アルミナ、タルク、天然マイカ、合成マイカ、カオリン、クレー、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、E−ガラス、A−ガラス、C−ガラス、L−ガラス、D−ガラス、S−ガラス、NE−ガラス、M−ガラスG20等が挙げられる。このようにして得られた硬化性樹脂組成物は、半導体封止材、電気絶縁材料、銅張り積層板用樹脂、レジスト、電子部品の封止用樹脂、液晶のカラーフィルター用樹脂、塗料、各種コーティング剤、接着剤、ビルドアップ積層板材料、FRP等の各種用途に有用である。
【0017】
本発明の硬化物は、前述の方法で得られた本発明の硬化性樹脂組成物を、公知の方法、例えば、電子線、紫外線および熱による硬化方法に従って硬化することにより得られる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により特に限定されるものではない。なお、数平均分子量および重量平均分子量の測定にゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により求めた。
(2官能フェニレンエーテルオリゴマー体の合成)
(合成例1)
撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた2Lの縦長反応器にCuCl1.3 g(0.012 mol)、ジ−n−ブチルアミン70.7g(0.55 mol)、メチルエチルケトン 400gを仕込み、反応温度40℃にて撹拌を行い、あらかじめ800gのメチルエチルケトンに溶解させた2価のフェノール4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス(2,6−ジメチルフェノール)45.4g(0.16mol)と2,6−ジメチルフェノール58.6g(0.48mol)を2 L/minの空気のバブリングを行いながら120分かけて滴下し、さらに滴下終了後60分間、2 L/minの空気のバブリングを続けながら撹拌を行った。これにエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液を加え、反応を停止した。その後、1Mの塩酸水溶液で3回洗浄を行った後、イオン交換水で洗浄を行った。得られた溶液をエバポレイタ−で濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、上記一般式(1)で示される樹脂イを98.8g得た。樹脂イの数平均分子量は845、重量平均分子量1106、水酸基当量が451であった。
【0019】
(合成例2)
撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた2Lの縦長反応器にCuCl1.3 g(0.012 mol)、ジ−n−ブチルアミン70.7g(0.55 mol)、メチルエチルケトン 400gを仕込み、反応温度40℃にて撹拌を行い、あらかじめ800gのメチルエチルケトンに溶解させた2価のフェノール4,4’−シクロヘキシリデンビス(2,6−ジメチルフェノール)51.8g(0.16mol)と2,6−ジメチルフェノール58.6g(0.48mol)を2L/minの空気のバブリングを行いながら120分かけて滴下し、さらに滴下終了後60分間、2 L/minの空気のバブリングを続けながら撹拌を行った。これにエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液を加え、反応を停止した。その後、1Mの塩酸水溶液で3回洗浄を行った後、イオン交換水で洗浄を行った。得られた溶液をエバポレイタ−で濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、上記一般式(1)で示される樹脂ロを102.6g得た。樹脂ロの数平均分子量は877、重量平均分子量1183、水酸基当量が477であった。
【0020】
(合成例3)
撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた2Lの縦長反応器にCuCl1.3 g(0.012 mol)、ジ−n−ブチルアミン70.7g(0.55 mol)、メチルエチルケトン 400gを仕込み、反応温度40℃にて撹拌を行い、あらかじめ800gのメチルエチルケトンに溶解させた2価のフェノール4,4’−メチリデンビス(2,3,6−トリメチルフェノール)45.4g(0.16mol)と2,6−ジメチルフェノール58.6g(0.48mol)を2 L/minの空気のバブリングを行いながら120分かけて滴下し、さらに滴下終了後60分間、2 L/minの空気のバブリングを続けながら撹拌を行った。これにエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液を加え、反応を停止した。その後、1Mの塩酸水溶液で3回洗浄を行った後、イオン交換水で洗浄を行った。得られた溶液をエバポレイタ−で濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、上記一般式(1)で示される樹脂ハを97.4g得た。樹脂ハの数平均分子量は852、重量平均分子量1133、水酸基当量が460であった。
【0021】
(合成例4)
撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた2Lの縦長反応器にCuCl1.3 g(0.012 mol)、ジ−n−ブチルアミン70.7g(0.55 mol)、メチルエチルケトン 400gを仕込み、反応温度40℃にて撹拌を行い、あらかじめ800gのメチルエチルケトンに溶解させた2価のフェノール4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス(2,3,6−トリメチルフェノール)68.8g(0.16mol)と2,6−ジメチルフェノール58.6g(0.48mol)を2 L/minの空気のバブリングを行いながら120分かけて滴下し、さらに滴下終了後60分間、2 L/minの空気のバブリングを続けながら撹拌を行った。これにエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液を加え、反応を停止した。その後、1Mの塩酸水溶液で3回洗浄を行った後、イオン交換水で洗浄を行った。得られた溶液をエバポレイタ−で濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、上記一般式(1)で示される樹脂ニを114.6g得た。樹脂ニの数平均分子量は934、重量平均分子量1223、水酸基当量が496であった。
【0022】
(合成例5)
撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた2Lの縦長反応器にCuCl1.3 g(0.012 mol)、ジ−n−ブチルアミン70.7g(0.55 mol)、メチルエチルケトン 400gを仕込み、反応温度40℃にて撹拌を行い、あらかじめ800gのメチルエチルケトンに溶解させた2価のフェノール4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェノール)41.0g(0.16mol)と2,6−ジメチルフェノール58.6g(0.48mol)を2 L/minの空気のバブリングを行いながら120分かけて滴下し、さらに滴下終了後60分間、2 L/minの空気のバブリングを続けながら撹拌を行った。これにエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液を加え、反応を停止した。その後、1Mの塩酸水溶液で3回洗浄を行った後、イオン交換水で洗浄を行った。得られた溶液をエバポレイタ−で濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、上記一般式(1)で示される樹脂ホを94.6g得た。樹脂ホの数平均分子量は801、重量平均分子量1081、水酸基当量が455であった。
【0023】
(合成例6)
撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた5Lの縦長反応器にCuC27.1g(0.028 mol)、ジ−n−ブチルアミン169.7g(1.32 mol)、メチルエチルケトン 1000gを仕込み、反応温度40℃にて撹拌を行い、あらかじめ1900gのメチルエチルケトンに溶解させた2価のフェノール4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェノール)41.0g(0.16mol)と2,6−ジメチルフェノール195.3g(1.6mol)を2 L/minの空気のバブリングを行いながら120分かけて滴下し、さらに滴下終了後60分間、2L/minの空気のバブリングを続けながら撹拌を行った。これにエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液を加え、反応を停止した。その後、1Mの塩酸水溶液で3回洗浄を行った後、イオン交換水で洗浄を行った。得られた溶液をエバポレイタ−で濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、上記一般式(1)で示される樹脂ヘを212.5g得た。樹脂ヘの数平均分子量は1613、重量平均分子量2420、水酸基当量が834であった。
(合成例7)
撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた5Lの縦長反応器にCuC37.9g(0.039mol)、ジ−n−ブチルアミン237.5g(1.84 mol)、メチルエチルケトン 1300gを仕込み、反応温度40℃にて撹拌を行い、あらかじめ1700gのメチルエチルケトンに溶解させた2価のフェノール4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェノール)41.0g(0.16mol)と2,6−ジメチルフェノール292.9g(2.4mol)を2 L/minの空気のバブリングを行いながら120分かけて滴下し、さらに滴下終了後60分間、2L/minの空気のバブリングを続けながら撹拌を行った。これにエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液を加え、反応を停止した。その後、1Mの塩酸水溶液で3回洗浄を行った後、イオン交換水で洗浄を行った。得られた溶液をエバポレイタ−で濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、上記一般式(1)で示される樹脂トを305g得た。樹脂トの数平均分子量は2150、重量平均分子量3256、水酸基当量が1093であった。
【0024】
(実施例1)
樹脂イとエポキシ樹脂、硬化促進剤を水酸基とエポキシ基のモル比(エポキシ基/水酸基)が2.6となるように表1の通り配合し、120℃で溶融脱気、注型した後、180℃10時間硬化させて、硬化物を得た。
【0025】
(実施例2〜9)
樹脂イ〜トとエポキシ樹脂、硬化促進剤を水酸基とエポキシ基のモル比(エポキシ基/水酸基)が1となるように表1の通り配合し、120℃で溶融脱気、注型した後、180℃10時間硬化させて、硬化物を得た。
【0026】
(比較例1)
エポキシ樹脂とエポキシ硬化剤、硬化促進剤を表1の通り配合し、120℃で溶融脱気、注型した後、180℃10時間硬化させて、硬化物を得た。
【0027】
(比較例2、3)
エポキシ樹脂とエポキシ硬化剤、硬化促進剤を水酸基とエポキシ基のモル比(エポキシ基/水酸基)が1となるように表1の通り配合し、120℃で溶融脱気、注型した後、180℃10時間硬化させて、硬化物を得た。
【0028】
【表1】
Figure 2004231728
ビスフェノールA型エポキシ:エピコート828(ジャパンエポキシレジン製)
クレゾールノボラック型エポキシ:EOCN102S(日本化薬製)
ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ:HP7200(大日本インキ製)
フェノールノボラック樹脂:TD2093(大日本インキ製)
【0029】
実施例1〜9、比較例1〜3で得られた硬化物の特性を以下の方法により評価した。
ガラス転移温度(Tg):動的粘弾性測定(DMA)により求めた。振動周波数10Hzで測定を行った。
誘電率、誘電正接:空洞共振摂動法により求めた。
吸水率:121℃、100%RH、100時間処理した後の吸水率を求めた。
【0030】
以上の物性の評価結果を表2に示す。
【表2】
Figure 2004231728
【0031】
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂硬化剤は、エポキシ樹脂と組み合わせて硬化させることにより高いガラス転移温度を有し、低誘電率、低誘電正接、低吸水率である硬化物を与えることから、高機能性高分子材料として極めて有用であり、熱的、電気的に優れた材料として半導体封止材、電気絶縁材料、銅張り積層板用樹脂、レジスト、電子部品の封止用樹脂、液晶のカラーフィルター用樹脂、塗料、各種コーティング剤、接着剤、ビルドアップ積層板材料、FRPなどの幅広い用途に使用することができる。

Claims (4)

  1. 一般式(1)で示される数平均分子量が500〜3000のエポキシ樹脂硬化剤
    Figure 2004231728
    (式中、−(O−X−O)−は構造式(2)で示され、R1,R2, R7,R8は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R3,R4,R5,R6は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。Aは、炭素数20以下の直鎖状あるいは、分岐状あるいは、環状の炭化水素である。−(Y−O)−は構造式(3)で定義される1種類の構造、または構造式(3)で定義される2種類以上の構造がランダムに配列したものである。R9,R10は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R11,R12は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。a,bは、少なくともいずれか一方が0でない、0〜30の整数を示す。)
  2. −(O−X−O)−の構造式(2)において、R1,R2,R7,R8がメチル基であり、−(Y−O)−が構造式(4)あるいは、構造式(5)あるいは、構造式(4)と構造式(5)がランダムに配列した構造を有することを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂硬化剤
    Figure 2004231728
  3. エポキシ樹脂と請求項1記載のエポキシ樹脂硬化剤とを含有してなる硬化性エポキシ樹脂組成物
  4. 請求項3記載の硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物
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