JP2023023714A - 多価ヒドロキシ樹脂、エポキシ樹脂、それらを用いたエポキシ樹脂組成物および硬化物 - Google Patents

多価ヒドロキシ樹脂、エポキシ樹脂、それらを用いたエポキシ樹脂組成物および硬化物 Download PDF

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Shrestha Niranjan
正史 梶
Masashi Kaji
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Abstract

【課題】高熱分解安定性、高耐熱性、難燃性、低吸湿性等に優れた硬化物を与える多価ヒドロキシ樹脂、エポキシ樹脂、これらのエポキシ樹脂組成物、その硬化物を提供する。【解決手段】フェノール樹脂と当該フェノール樹脂中の水酸基1モルに対して0.05~0.45モルの下記一般式TIFF2023023714000008.tif29153で表されるベンゾフェノン化合物を反応させて得られる多価ヒドロキシ樹脂、またこの多価ヒドロキシ樹脂より得られるエポキシ樹脂。【選択図】なし

Description

本発明は、高熱分解安定性、高耐熱性、低熱膨張性、難燃性、低吸湿性等に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂、その製造方法、このエポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物並びにその硬化物に関するものであり、半導体封止、プリント配線板、放熱基板等の電気電子分野の絶縁材料等に好適に使用される。
近年、電子機器においては、半導体パッケージの高密度実装化、LSIの高集積化及び高速化等が図られており、より寸法安定性の高い材料が求められている。さらには、パッケージの片面実装化の進展により、パッケージの反り低減も重要な課題となってきており、より低熱膨張性のベース樹脂の開発が求められている。また、上記動向に対応して、素子から発生する熱の放熱対策が非常に重要な課題になっている。さらに最近では、車載用電子部品においては、長時間、高温環境下にさらされることから、従来のガラス転移点に代表される物理的耐熱性に加えて、熱分解安定性に代表される化学的耐熱性の向上が強く求められている。
しかしながら、従来より知られているエポキシ樹脂には、これらの要求を満足するものは未だ知られていない。例えば、周知のビスフェノール型エポキシ樹脂は、常温で液状であり、作業性に優れていることや、硬化剤、添加剤等との混合が容易であることから広く使用されているが、耐熱性、耐湿性の点で問題がある。また、耐熱性を改良したものとして、フェノールノボラック型エポキシ樹脂が知られているが、耐湿性や耐衝撃性に問題がある。また、特許文献1には耐湿性、耐衝撃性の向上を目的に、フェノールアラルキル樹脂のエポキシ化合物が提案されているが、耐熱性や難燃性の点で十分でない。
特許文献2には、芳香族構造の含有率を高めたビフェニルおよびナフタレン構造を有するエポキシ樹脂が難燃性に優れたものとして提案されているが、依然として、熱分解安定性、低熱膨張性の点で十分ではない。また、特許文献3には、ナフトールをナフチレン基で連結した構造を持つナフトールアラルキル型エポキシ樹脂が提案されているが、全ての芳香族構造がナフタレン環であるために、粘度、軟化点が高くなり、取扱い性および成形性を低下させる問題があった。また、依然として、熱分解安定性、低熱膨張性の点で十分ではない。
熱分解安定性に優れたものとしては、例えば、非特許文献1にはエーテルエーテルケトン基を持つエポキシ樹脂が示されているが、強い結晶性を有することから、融点が185℃と高融点であるため、エポキシ樹脂組成物の調整が困難であるとともに成形性にも問題があった。非特許文献2にも同構造のエポキシ樹脂の合成例が示されているが、得られたエポキシ樹脂の融点は175℃と高融点であるとともに、溶剤に溶解させてワニスとして使用するためには、極性の高い溶剤、例えばDMF、NMP、m-クレゾール等を必要とし、実用性の観点からの制約が大きい。また、これらのエポキシ樹脂は二官能性であるため、硬化性やガラス転移温度に代表される耐熱性に限界があった。また、特許文献4には、ビスフェノール化合物とベンゾフェノン化合物との反応で得られるエーテルエーテルケトン基を持つ多価ヒドロキシ樹脂、およびそれから得られるエポキシ樹脂が開示されているが、依然として、耐熱性および耐湿性等に課題があった。
特開昭63-238122号公報 特開平2000-273281号公報 特開2004-59792号公報 特許5734603号公報
S.H.Hwang,et.al.,Polym.Adv.Technol.,12,441(2001) K.S.Lee,et.al.,Bull.Korean Chem.Soc.,22,424(2001)
従って、本発明の目的は、成形性、溶剤溶解性に優れるとともに、高熱分解安定性、高耐熱性、低熱膨張性、難燃性、低吸湿性、及び高熱伝導性等に優れた硬化物を与える多価ヒドロキシ樹脂、エポキシ樹脂及およびこれらを用いたエポキシ樹脂組成物、更にはその硬化物を提供することにある。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)、
Figure 2023023714000001
(但し、Aは独立してベンゼン、ビフェニル、またはナフタレンを表し、Bは二価の連結基を表し、Rは独立して炭素数1~9の炭化水素基を表す。pは0~2、mは1~2、nは平均で1.5~15の数を示す。)
で表されるフェノール樹脂と当該フェノール樹脂中の水酸基1モルに対して0.05~0.45モルの下記一般式(2)、
Figure 2023023714000002
(但し、Xは独立してハロゲン原子示す。)
で表されるベンゾフェノン化合物を反応させて得られる多価ヒドロキシ樹脂である。
また、上記多価ヒドロキシ樹脂とエピクロロヒドリンを反応させて得られることを特徴とするエポキシ樹脂である。
さらに本発明は、エポキシ樹脂及び硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂成分として上記エポキシ樹脂を配合したことを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。またさらに本発明は、エポキシ樹脂及び硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物であって、硬化剤成分として上記多価ヒドロキシ樹脂を配合したことを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。また、本発明はこのエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物である。
本発明の多価ヒドロキシ樹脂およびエポキシ樹脂は、高い化学結合エネルギーを持つとともに、分子間力の大きな芳香族エーテルエーテルケトンユニットを主鎖構造中に導入するとともに、一分子中に3個以上の官能基を有する成分を含有する多官能性の構造とすることで、熱分解安定性、耐熱性及び低熱膨張性に優れるとともに、高い芳香族性に由来して、難燃性、低吸湿性に優れた硬化物を与える。また、多量体の混合物とすることで硬化剤等との溶融混合性、溶剤溶解性等のバランスに優れている。これにより、従来のエポキシ樹脂では困難であったエポキシ樹脂組成物を調整する際の取扱い性と優れた硬化物物性の両立が達成される。
実施例1の多価ヒドロキシ樹脂AのGPCチャートである。 実施例1の多価ヒドロキシ樹脂Aの赤外吸収スペクトルである。 実施例2の多価ヒドロキシ樹脂BのGPCチャートである。 実施例3の多価ヒドロキシ樹脂CのGPCチャートである。 実施例4のエポキシ樹脂AのGPCチャートである。 実施例4のエポキシ樹脂Aの赤外吸収スペクトルである。 実施例5のエポキシ樹脂BのGPCチャートである。 実施例6のエポキシ樹脂BのGPCチャートである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の多価ヒドロキシ樹脂は、一般式(1)のフェノール樹脂と一般式(2)のベンゾフェノン化合物を反応させることにより合成されたものである。
Figure 2023023714000003
Figure 2023023714000004
一般式(1)において、Aは独立してベンゼン、ビフェニル、またはナフタレン骨格を示す。Rは独立して炭素数1~9の炭化水素基を表し、具体的には、メチル基、エチル基、iso-プロピル基、tert-ブチル基、フェニル基、ベンジル基等が例示されるが、Rは水素原子またはメチル基が好ましい。pは0~2の数を表すが、好ましくは0または1である。mは1~2の数を表すが、低吸水性の観点からは1が好ましく、耐熱性の観点からは2が好ましい。Bは二価の連結基を表し、具体的には、単結合、酸素原子、硫黄原子、ケトン基、スルホン基、および二価の炭化水素基等が例示される。好ましくは、-CH-、-CH(Me)-、-CH(φ)-、-C(Me)-、-CH-φ-CH-、-CH(Me)-φ-CH(Me)-、-C(Me)-φ-C(Me)-、-CH-φ-φ-CH-であるが、特に好ましくは、-CH-、-CH-φ-CH-、-CH-φ-φ-CH-である。
nは平均の繰り返し数を示し、1.5~15であるが、好ましくは1.7~10であり、特に好ましくは2.0~8である。本発明に用いるフェノール樹脂は、分子量分布を持たない単一の化合物であってもよいし、分子量分布を持った混合物であってもよい。
一般式(1)において、nが1のものは、ビスフェノール類であって、一般式(1)で表わされるフェノール樹脂には該当しないが、粘度を低下させるために存在させることができる。仮にnが1のものを一般式(1)で表わされるフェノール樹脂の一つとして計算する場合は、nの数平均値として1.1~15、好ましくは1.5~10となるようにnが1であるビスフェノール類を存在させることがよい。この場合、耐熱性の観点から、nが1の成分を50wt%以下とすることが好ましい。
一般式(1)で表されるフェノール樹脂は、分子量分布が、好ましくは、式(1)において、n=0体が0~30%、n=1体が10~50%、n=2体が10~60%、n=3体以上が残部である。なお、式(1)において、m=1の場合、n=0体は5%以下であることが好ましい。
また、一般式(2)において、Xはハロゲン原子を示し、具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。ハロゲン原子の好ましい置換位置はベンゾフェノン骨格に対して4,4’-位である。具体的には、4,4’-ジフルオロベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、4,4’-ジブロモベンゾフェノン、3,3’-ジフルオロベンゾフェノン、3,3’-ジクロロベンゾフェノン、3,3’-ジブロモベンゾフェノン、2,2’-ジフルオロベンゾフェノン、2,2’-ジクロロベンゾフェノン、2,2’-ジブロモベンゾフェノンを挙げることができる。
本発明の多価ヒドロキシ樹脂は、水酸基当量が好ましくは150~3000g/eq.、より好ましくは170~1000g/eq.、さらに好ましくは190~500g/eq.である。軟化点が好ましくは50~300℃、より好ましくは70~180℃である。
本発明の多価ヒドロキシ樹脂は、一般式(1)のフェノール樹脂と一般式(2)のベンゾフェノン化合物を反応させることにより得られる。ベンゾフェノン化合物の使用量は、フェノール樹脂中の水酸基1モルに対して0.05~0.45モルであり、好ましくは、0.08~0.30であり、さらに好ましくは0.10~0.20である。これより少ないと、多価ヒドロキシ樹脂中のベンゾフェノン骨格に基づく耐熱性向上効果が小さくなり、これより大きいと、多価ヒドロキシ樹脂の粘度が高くなり、成形性等の取扱性が低下する。
この反応は塩基性触媒の存在下に行うことがよく、三級アミン化合物、四級アンモニウム化合物、イミダゾール化合物、三級ホスフィン化合物、四級ホスホニウム化合物、および水酸化アルカリ金属化合物、水酸化アルカリ土類金属化合物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を使用することができる。
これら塩基性触媒はそれぞれ単独、あるいは水または溶媒にあらかじめ溶解させておき、しかる後に反応系内に投入してもよい。塩基性触媒の使用割合は、芳香族ジヒドロキシ化合物のフェノール性水酸基1モルに対して、通常0.001~10モル%、好ましくは0.05~5モル%である。
通常、この反応は10~250℃で1~20時間行う。更に、反応溶媒として、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のアルコール類や、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等を使用することができる。
反応終了後、場合により、中和、水洗等の方法により、触媒を除去し、必要に応じて残存する溶媒を水洗、減圧留去等の方法により系外に除き、多価ヒドロキシ樹脂とすることができる。
本発明のエポキシ樹脂は、上記の多価ヒドロキシ樹脂とエピクロロヒドリンを反応させることにより得られる。この反応は、通常のエポキシ化反応と同様に行うことができる。例えば、上記多価ヒドロキシ樹脂中の水酸基の量に対して過剰のエピクロロヒドリンに溶解した後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の存在下に、50~150℃、好ましくは、60~120℃の範囲で1~10時間反応させる方法が挙げられる。この際、アルカリ金属水酸化物の使用量は、多価ヒドロキシ樹脂中の水酸基1モルに対して0.8~2モル、好ましくは0.9~1.2モルの範囲である。また、エピクロロヒドリンは多価ヒドロキシ樹脂中の水酸基に対して過剰に用いられるが、通常、多価ヒドロキシ樹脂中の水酸基1モルに対して、1.5~15モル、好ましくは2~8モルの範囲である。また、反応の際、四級アンモニウム塩等を添加することができる。四級アンモニウム塩としては、たとえばテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド等があり、その添加量としては、多価ヒドロキシ樹脂に対して、0.1~2.0wt%の範囲が好ましい。これより少ないと四級アンモニウム塩添加の効果が小さく、これより多いと難加水分解性塩素の生成が多くなり、高純度化が困難になる。更には、ジメチルスルホキシド、ジグライム等の極性溶媒を用いても良く、その添加量は、多価ヒドロキシ樹脂に対して、10~200wt%の範囲が好ましい。これより少ないと添加の効果が小さく、これより多いと容積効率が低下し経済上好ましくない。反応終了後、過剰のエピクロロヒドリンを留去し、残留物をトルエン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解、濾過した後、水洗して無機塩を除去し、次いで溶剤を留去することにより目的のエポキシ樹脂を得ることができる。このエポキシ樹脂は一般式(3)で表されるものを主成分とするが、一般式(1)の新規多価ヒドロキシ樹脂の芳香族環にナフチルメタン基が1つ又はそれ以上付加した化合物のグリシジルエーテル化物が含まれていてもよい。更に、本発明のエポキシ樹脂中のエポキシ基がエーテル結合としてオリゴマー化したものもが含まれていてもよい。
本発明のエポキシ樹脂は、エポキシ当量が、好ましくは150~3000g/eq.、より好ましくは180~1000g/eq.、さらに好ましくは200~650g/eq.である。軟化点は、好ましくは40~200℃、より好ましくは60~150℃である。また、150℃での溶融粘度は、好ましくは0.01~10Pa・s、より好ましくは0.05~5Pa・s、特に好ましくは1.0Pa・s以下である。加水分解性塩素が好ましくは1000ppm以下、より好ましくは300ppm以下である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂及び硬化剤よりなり、硬化剤成分として、上記一般式(1)のフェノール樹脂と一般式(2)のベンゾフェノン化合物を反応させて得られる多価ヒドロキシ樹脂、またはエポキシ樹脂成分として、本発明の多価ヒドロキシ樹脂とエピクロロヒドリンを反応させることにより製造されたエポキシ樹脂の少なくともいずれか一方を必須成分として配合したものである。
本発明のエポキシ樹脂を必須成分とする本発明のエポキシ樹脂組成物に配合する硬化剤としては、一般にエポキシ樹脂の硬化剤として知られているものはすべて使用できる。例えば、ジシアンジアミド、多価フェノール類、酸無水物類、芳香族及び脂肪族アミン類等がある。
具体的に例示すれば、多価フェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF(異性体混合物)、4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、フルオレンビスフェノール、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、2,2’-ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン、1,5-ナフタレンジオール、1,6-ナフタレンジオール、2,6-ナフタレンジオール、2,7-ナフタレンジオール等の2価のフェノール類、あるいは、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン混合物、トリス-(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2-テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o-クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、ポリビニルフェノール等に代表される3価以上のフェノール類がある。更には、フェノール、o-クレゾール等のフェノール類、ナフトール類等の1価のフェノール類や、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’-ビフェノール、2,2’-ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p-ヒドロキシベンズアルデヒド、1,4-ジヒドロキシメチルベンゼン、1,4-ジメトキシメチルベンゼン、1,4-ビスクロロメチルベンゼン、4,4’-ジヒドロキシメチルビフェニル、4,4’-ジメトキシメチルビフェニル、4,4’-ビスクロロメチルビフェニル、1,5-ビスクロロメチルナフタレン、1,4-ビスクロロメチルナフタレン等の縮合剤により合成される多価フェノール性化合物等がある。また、本発明の多価ヒドロキシ樹脂を硬化剤の一部、または全部として用いても良い。
酸無水物としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル無水ハイミック酸、無水ナジック酸、無水トリメリット酸等がある。
また、アミン類としては、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、m-フェニレンジアミン、p-キシリレンジアミン、1,5-ジアミノナフタレン等の芳香族アミン類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族アミン類がある。
硬化剤の中では、電気絶縁性、低吸湿性、高熱伝導性、低熱膨張性等の観点から、フェノール性硬化剤を用いることが好ましい。特に、硬化物の熱分解安定性、低熱膨張性、低吸湿性の観点からは、フェノール類を1,4-ジヒドロキシメチルベンゼン、4,4’-ジメトキシメチルビフェニル等で縮合して得られるアラルキル型フェノール樹脂を用いることが望ましい。また、耐熱性、高熱伝導性の観点からは、フェノールノボラック、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン類、1,1,2,2-テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタン類等の多価フェノール性化合物が望ましい。
本発明の樹脂組成物には、上記の硬化剤の1種又は2種以上を混合して用いることができる。本発明の多価ヒドロキシ樹脂を必須成分とする樹脂組成物の場合、本発明の多価ヒドロキシ樹脂の配合量は、硬化剤全体中、50~100wt%、好ましくは70~100wt%の範囲であることがよい。これより少ないと硬化物とした際の高熱分解安定性、高耐熱性、低熱膨張性、難燃性、低吸湿性、及び高熱伝導性等の向上効果が小さい。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物中には、エポキシ樹脂成分として、本発明のエポキシ樹脂以外に別種のエポキシ樹脂を配合してもよい。この場合のエポキシ樹脂としては、分子中にエポキシ基を2個以上有する通常のエポキシ樹脂はすべて使用できる。例を挙げれば、ビスフェノールA、4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン、ビスフェノールA、ビスフェノールF(異性体混合物)、4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、フルオレンビスフェノール、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、2,2’-ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン、1,5-ナフタレンジオール、1,6-ナフタレンジオール、2,6-ナフタレンジオール、2,7-ナフタレンジオール等の2価のフェノール類、あるいは、フェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、o‐クレゾールノボラック、m‐クレゾールノボラック、p‐クレゾールノボラック、キシレノールノボラック、ポリ‐p‐ヒドロキシスチレン、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン混合物、トリス-(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2-テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、フルオログリシノール、ピロガロール、t‐ブチルピロガロール、アリル化ピロガロール、ポリアリル化ピロガロール、1,2,4―ベンゼントリオール、2,3,4―トリヒドロキシベンゾフェノン、フェノールアラルキル樹脂、4,4’-ビフェニレン基を持つアラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂等の3価以上のフェノール類、又は、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類から誘導されるグルシジルエーテル化物等がある。これらのエポキシ樹脂は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂を必須成分とする組成物の場合、本発明のエポキシ樹脂の配合量は、エポキシ樹脂全体中、50~100wt%、好ましくは70~100wt%の範囲であることがよい。これより少ないと硬化物とした際の高熱分解安定性、高耐熱性、低熱膨張性、難燃性、低吸湿性、及び高熱伝導性等の向上効果が小さい。
エポキシ樹脂と硬化剤の配合比率は、エポキシ基と硬化剤中の官能基が当量比で0.8~1.5の範囲であることが好ましい。この範囲外では硬化後も未反応のエポキシ基、又は硬化剤中の官能基が残留する可能性がある。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、無機充填材を適量配合することができる。無機充填材としては、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物、炭素材料等が挙げられる。金属としては、銀、銅、金、白金、ジルコン等、金属酸化物としてはシリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、三酸化タングステン等、金属窒化物としては窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等、金属炭化物としては炭化ケイ素等、金属水酸化物としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等、炭素材料としては炭素繊維、黒鉛化炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛、球状黒鉛粒子、メソカーボンマイクロビーズ、ウィスカー状カーボン、マイクロコイル状カーボン、ナノコイル状カーボン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等が挙げられる。無機充填材の形状としては、破砕状、球状、ウィスカー状、繊維状のものが適用できるが、高充填率化を図るためには球状のものが好ましい。エポキシ樹脂硬化物の絶縁性と高熱伝導性を確保するためには、無機充填材としては金属酸化物が好ましく、特にはアルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウムが好ましい。これらの無機充填材は単独で配合してもよく、二種以上を組み合わせて配合してもよい。また、無機充填材とエポキシ樹脂との濡れ性の改善、無機充填材の界面の補強、分散性の改善等の目的で無機充填材に通常のカップリング剤処理を施してもよい。
無機充填材の配合量としては50wt%以上が好ましく、更に好ましくは70wt%以上である。これより少ないと熱伝導率の向上効果が小さい。また、無機充填材の使用量は、低吸湿性、高半田耐熱性の観点からは、通常、75wt%以上であるが、特には80wt%以上であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、従来より公知の硬化促進剤を用いることができる。例を挙げれば、アミン類、イミダゾール類、有機ホスフィン類、ルイス酸等があり、具体的には、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-へプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール類、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフイン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレートなどのテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2-エチル-4-メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N-メチルモルホリン・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩などがある。添加量としては、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、0.2~10重量部の範囲である。
更に、本発明のエポキシ樹脂組成物中には、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、ポリエーテル、ポリウレタン、石油樹脂、インデンクマロン樹脂、フェノキシ樹脂等のオリゴマー又は高分子化合物を適宜配合してもよいし、顔料、難然剤、揺変性付与剤、カップリング剤、流動性向上剤、等の添加剤を配合してもよい。顔料としては、有機系又は無機系の体質顔料、鱗片状顔料等がある。揺変性付与剤としては、シリコン系、ヒマシ油系、脂肪族アマイドワックス、酸化ポリエチレンワックス、有機ベントナイト系等を挙げることができる。また更に必要に応じて、本発明の樹脂組成物には、臭素化エポキシ等のハロゲン系難燃剤、赤リン、リン酸エステル、リン原子含有エポキシ樹脂等のリン系難燃剤、三酸化アンチモン等の難燃助剤、カルナバワックス、エステル系ワックス等の離型剤、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、シリコンオイル等の低応力化剤、ステアリン酸カルシウム等の滑剤、エポキシシラン、アミノシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン、アルキルシラン、有機チタネート、アルミニウムアルコレート等の添加剤を使用できる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、一般的には、上記エポキシ樹脂、硬化剤成分等の配合成分を所定の配合量で、ミキサー等によって十分混合した後、ミキシングロール、押し出し機などによって混練し、冷却、粉砕することによって得ることができる。
あるいは、上記配合成分をベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール等のアルコール溶剤、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン等の極性溶剤に溶解させてワニス状のエポキシ樹脂組成物とすることができる。ワニス状のエポキシ樹脂組成物は、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の繊維状充填材に含浸後、乾燥により有機溶剤を除いて、プリプレグ状のエポキシ組成物とすることもできる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて硬化物を得るためには、例えば、トランスファー成形、プレス成形、注型成形、射出成形、押出成形等の方法が適用される。また、プリプレグ状のエポキシ樹脂組成物を硬化させるための手法としては真空プレス等の方法が取られる。この際の温度は通常、120~220℃の範囲である。
本発明のエポキシ樹脂硬化物は、上記成形方法により加熱硬化させることにより得ることができるが、通常、成形温度としては80℃から250℃であり、成形時間は1分から20時間である。エポキシ樹脂硬化物の結晶化度を上げるためには、低い温度で長時間かけて硬化させることが望ましい。好ましい硬化温度は100℃から180℃の範囲であり、より好ましくは120℃から160℃である。また、好ましい硬化時間は10分から6時間であり、より好ましくは30分から3時間である。更に成形後、ポストキュアにより、更に結晶化度を上げることができる。通常、ポストキュア温度は130℃から250℃であり、時間は1時間から20時間の範囲であるが、好ましくは、示差熱分析における吸熱ピーク温度よりも5℃から40℃低い温度で、1時間から24時間かけてポストキュアを行うことが望ましい。
本発明のエポキシ樹脂硬化物は、別種の基材と積層させることができる。積層させる基材としては、シート状、フィルム状のものであり、銅箔、アルミニウム箔、ステンレス箔等の金属基材、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、液晶ポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン等の高分子基材が例示される。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。なお、例中の物性等は、以下に示す方法により試料調製及び測定を行った。
1)GPC測定
HLC-8320型GPC装置(東ソー(株)製)及びカラム:TSKgel SuperHZ2500×2本及びTSKgel SuperHZ2000×2本(何れも東ソー(株)製)を用い、溶媒:テトラヒドロフラン、流速:0.35ml/分、温度:40℃、検出器:RIの条件で行った。
2)溶融粘度
BROOKFIELD製、CAP2000H型回転粘度計を用いて、150℃にて測定した。
3)水酸基当量の測定
電位差滴定装置を用い、1,4-ジオキサンを溶媒に用い、1.5mol/L塩化アセチルでアセチル化を行い、過剰の塩化アセチルを水で分解して0.5mol/L-水酸化カリウムを使用して滴定した。
4)エポキシ当量の測定
電位差滴定装置を用い、溶媒としてメチルエチルケトンを使用し、臭素化テトラエチルアンモニウム酢酸溶液を加え、電位差滴定装置にて0.1mol/L過塩素酸-酢酸溶液を用いて測定した。
5)加水分解性塩素
試料0.5gをジオキサン30mlに溶解後、1N-KOH、10mlを加え30分間煮沸還流した後、室温まで冷却し、更に80%アセトン水100mlを加えたものを、0.002N-AgNO水溶液で電位差滴定を行うことにより測定した。
6)赤外吸収スペクトル
日本分光製、FT/IR-6100型赤外吸収分析計を用いてKBr錠剤法により測定した。
7)熱分解温度、熱重量測定
日立ハイテクサイエンス製TG/DTA7300型熱重量測定装置により、窒素気流下、昇温速度10℃/分の条件にて、熱分解温度、および700℃での残炭率(10%重量減少温度)を求めた。
8)線膨張係数、ガラス転移点(Tg)
日立ハイテクサイエンス製TMA7100型熱機械測定装置を用いて、昇温速度10℃/分にて測定した。
9)吸水率
直径50mm、厚さ3mmの円盤を成形し、ポストキュア後、133℃、3atmの条件で94時間吸湿させた後の重量変化率とした。
実施例1
1Lセパラブルフラスコに、フェノールノボラック(フェノール樹脂A;日鉄ケミカル&マテリアル製、水酸基当量105g/eq.、式(1)において、A=ベンゼン環(以下、φと標記)、B=-CH-、およびn=0が無し(0%)、n=1が11.8%、n=2が57.5%、n=3が20.7%、n=4が6.1%、n=5が2.3%、n≧6が1.5%;nの平均値は2.4)100g(水酸基のモル数0.95mol)、4,4’-ジフルオロベンゾフェノン(DFBP)30g(0.14mol)、無水炭酸カリウム22.6g 、N-メチルピロリドン(NMP)300gを仕込み、窒素気流下、140℃にて、生成した水を留出させながら4時間反応させた。反応後、酢酸19.6gを加えて中和した後、減圧下、160℃にてNMPを留去した。その後、水洗、減圧脱水を行い、固形樹脂115gを得た(多価ヒドロキシ樹脂A)。OH当量は198g/eq.、軟化点は54℃、150℃での溶融粘度1.2Pa・sであった。GPCチャートを図1、赤外吸収スペクトルを図2に示す。
実施例2
1Lセパラブルフラスコに、ナフタレンジオールアラルキル樹脂(フェノール樹脂B;日鉄ケミカル&マテリアル製、SN-395、水酸基当量108g/eq.、式(1)において、A=ナフタリン、B=-CH-φ-CH-、およびn=0が21.1%、n=1が27.6%、n=2が19.2%、n=3が12.0%、n=4が7.4%、n=5が4.5%、n=6が2.9%、n=7が1.5%、n≧8が2.4%;nの平均値は2.0)67g(水酸基のモル数0.62mol)、DFBP20g(0.09mol)、無水炭酸カリウム15.1g 、NMP200gを仕込み、窒素気流下、130℃にて、生成した水を留出させながら4時間反応させた。反応後、酢酸13.1gを加えて中和した後、減圧下、160℃にてNMPを留去した。その後、水洗、減圧脱水を行い、固形樹脂80gを得た(多価ヒドロキシ樹脂B)。OH当量は217g/eq.、軟化点160℃であった。GPCチャートを図3に示す。
実施例3
1Lセパラブルフラスコに、ビフェニルアラルキル樹脂(フェノール樹脂C;明和化成製、MEH-7851、水酸基当量210g/eq.、式(1)において、A=ビフェニル、B=-CH-φ-φ-CH-、およびn=0が無し(0%)、n=1が36.7%、n=2が24.7%、n=3が14.3%、n=4が8.7%、n=5が5.4%、n≧6が7.6%;nの平均値は2.4)67g(水酸基のモル数0.32mol)、DFBP20g(0.09mol)、無水炭酸カリウム15.1g 、NMP200gを仕込み、窒素気流下、110℃にて、生成した水を留出させながら4時間反応させた。反応後、酢酸13.1gを加えて中和した後、減圧下、160℃にてNMPを留去した。その後、水洗、減圧脱水を行い、固形樹脂86gを得た(多価ヒドロキシ樹脂C)。OH当量は290g/eq.、軟化点80℃、150℃での溶融粘度1.6Pa・sであった。GPCチャートを図4に示す。
実施例4
実施例1で得た多価ヒドロキシ樹脂A、45g、エピクロロヒドリン420g、ジエチレングリコールジメチルエーテル63.5gを仕込み、減圧下(約130Torr)、65℃にて48.6%水酸化ナトリウム水溶液19.6gを滴下し、4時間反応させた。その後、エピクロロヒドリンおよび生成水を減圧下、85℃で留去し、これにトルエン200gを加えて溶解させ、ろ過により生成塩を除去し、さらに水洗を行った後、48.8%水酸化カリウム水溶液0.9gを加えて、80℃にて2時間反応させた。その後、水洗を繰り返した後、トルエンを減圧下除去し、固形樹脂(エポキシ樹脂A)54gを得た。エポキシ当量252g/eq.、軟化点70℃、150℃の溶融粘度0.31Pa・s、加水分解性塩素20ppmであった。GPCチャートを図5、赤外吸収スペクトルを図6に示す。
実施例5
実施例2で得た多価ヒドロキシ樹脂B、40g、エピクロロヒドリン340g、ジエチレングリコールジメチルエーテル70gを仕込み、減圧下(約130Torr)、65℃にて48.8%水酸化ナトリウム水溶液15.9gを3時間かけて滴下した。この間、生成する水はエピクロロヒドリンとの共沸により系外に除き、留出したエピクロロヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、さらに1時間反応を継続し脱水した。その後、エピクロロヒドリンを減圧下除去し、これにメチルイソブチルケトン(MIBK)200gを加えて溶解させ、ろ過により生成塩を除去し、さらに水洗を行った後、48.8%水酸化カリウム水溶液0.7gを加えて、80℃にて2時間反応させた。その後、水洗を繰り返した後、MIBK層よりMIBKを減圧下除去し、固形樹脂(エポキシ樹脂B)34gを得た。エポキシ当量238g/eq.、軟化点69℃、150℃の溶融粘度0.06Pa・s、加水分解性塩素40ppmであった。GPCチャートを図7に示す。
実施例6
実施例3で得た多価ヒドロキシ樹脂C、40g、エピクロロヒドリン255g、ジエチレングリコールジメチルエーテル50gを仕込み、減圧下(約130Torr)、65℃にて48.8%水酸化ナトリウム水溶液11.9gを3時間かけて滴下した。この間、生成する水はエピクロロヒドリンとの共沸により系外に除き、留出したエピクロロヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、さらに1時間反応を継続し脱水した。その後、エピクロロヒドリンを減圧下除去し、これにMIBK200gを加えて溶解させ、ろ過により生成塩を除去し、さらに水洗を行った後、48.8%水酸化カリウム水溶液0.5gを加えて、80℃にて2時間反応させた。その後、水洗を繰り返した後、MIBK層よりMIBKを減圧下除去し、固形樹脂(エポキシ樹脂C)38gを得た。エポキシ当量487g/eq.、軟化点72℃、150℃の溶融粘度0.37Pa・s、加水分解性塩素150ppmであった。GPCチャートを図8に示す。
参考例1
1Lセパラブルフラスコに、ビスフェノールF(本州化学製)75g(0.375mol)、DFBP27.5g(0.125mol)、無水炭酸カリウム20.7g 、NMP270gを仕込み、窒素気流下、140℃にて、生成した水を留出させながら4時間反応させた。反応後、酢酸18.0gを加えて中和した後、減圧下、160℃にてNMPを留去した。その後、水洗、減圧脱水を行い、固形樹脂95gを得た(多価ヒドロキシ樹脂D)。OH当量は196g/eq.、150℃での溶融粘度0.8Pa・sであった。
参考例2
参考例1で得た多価ヒドロキシ樹脂D、45g、エピクロロヒドリン420g、ジエチレングリコールジメチルエーテル63.5gを仕込み、減圧下(約130Torr)、65℃にて48.6%水酸化ナトリウム水溶液19.4gを滴下し、4時間反応させた。その後、エピクロロヒドリンおよび生成水を減圧下、85℃で留去し、これにトルエン200gを加えて溶解させ、ろ過により生成塩を除去し、さらに水洗を行った後、48.8%水酸化カリウム水溶液0.9gを加えて、80℃にて2時間反応させた。その後、水洗を繰り返した後、トルエンを減圧下除去し、固形樹脂(エポキシ樹脂D)52gを得た。エポキシ当量254g/eq.、軟化点50℃、150℃の溶融粘度0.21Pa・s、加水分解性塩素220ppmであった。
実施例7~9及び比較例1,2
エポキシ樹脂成分として、実施例4~6、参考例2で合成したエポキシ樹脂(エポキシ樹脂A~D)、o-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂E;日本化薬製、EOCN-1020、エポキシ当量 200、軟化点55℃)を用い、硬化剤として、フェノールノボラック(アイカ工業製、BRG-557、OH当量104、軟化点83℃)を用い、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィンを用いて表1に示す配合で混合し、100℃にて混練しエポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物を用いて150℃にて成形し、175℃にて6時間ポストキュアを行い、硬化物試験片を得た後、各種物性測定に供した。表1に評価結果を示す。なお、表1に示す配合量は重量部である。
Figure 2023023714000005

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)、
    Figure 2023023714000006
    (但し、Aは独立してベンゼン、ビフェニル、またはナフタレンを表し、Bは二価の連結基を表し、Rは独立して炭素数1~9の炭化水素基を表す。pは0~2、mは1~2、nは平均で1.5~15の数を示す。)
    で表されるフェノール樹脂と、当該フェノール樹脂中の水酸基1モルに対して0.05~0.45モルの下記一般式(2)、
    Figure 2023023714000007
    (但し、Xはハロゲン原子示す。)
    で表されるベンゾフェノン化合物を反応させて得られることを特徴とする多価ヒドロキシ樹脂。
  2. 一般式(1)における二価の連結基が-CH-、-CH(Me)-、-CH(φ)-、-C(Me)-、-CH-φ-CH-、-CH(Me)-φ-CH(Me)-、-C(Me)-φ-C(Me)-、-CH-φ-φ-CH-から選ばれた基である請求項1に記載の多価ヒドロキシ樹脂。ここで、φはベンゼン環を示す。
  3. 請求項1または2に記載の多価ヒドロキシ樹脂とエピクロロヒドリンを反応させて得られるエポキシ樹脂。
  4. エポキシ樹脂及び硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物であって、硬化剤成分として請求項1または2に記載の多価ヒドロキシ樹脂を配合したことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  5. エポキシ樹脂及び硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂成分として請求項3に記載のエポキシ樹脂を配合したことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項4または5に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物。
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