JP2008239891A - 新規エポキシ樹脂、それを含有するエポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】不飽和結合を有したダイマージオール骨格のエポキシ樹脂の提供。
【解決手段】一般式(1)(R1〜R8は炭素数4〜12のアルキル基でそのうちの少なくとも1つは不飽和2重結合、R1〜R8の2個以上が同一であっても良い。nは0から3の整数)で表される、加水分解性ハロゲン量が0.2重量%以下であるエポキシ樹脂及び硬化物。
Figure 2008239891

【選択図】なし

Description

本発明は低粘度性に優れるとともに、耐湿性、可とう性、高伸び性に優れた硬化物を与える半導体素子に代表される電気・電子部品等の封止、コーティング材料、積層材料、複合材料等の硬化剤として有用な新規エポキシ樹脂、更にそれを用いたエポキシ樹脂組成物並びにその硬化物に関するものであり、プリント配線板、半導体封止等の電気電子分野の絶縁材料等に好適に使用される。
エポキシ樹脂は工業的に幅広い用途で使用されてきているが、その要求性能は近年ますます高度化している。例えば、エポキシ樹脂を主剤とする樹脂組成物の代表的分野に半導体封止材料があるが、近年、半導体素子の集積度の向上に伴い、パッケージサイズが大面積化、薄型化に向かうとともに、実装方式も表面実装化への移行が進展しており、より半田耐熱性に優れた材料の開発が望まれている。
また最近では、高集積化、高密度実装化の技術動向により、従来の金型を利用したトランスファー成形によるパッケージに変わり、ハイブリッドIC、チップオンボード、テープキャリアパッケージ、プラスチックピングリッドアレイ、プラスチックボールグリッドアレイ等の金型を使用しないで液状材料を用いて封止し、実装する方式が増えてきている。しかし、一般に液状材料はトランスファー成形に用いる固形材料に比べて信頼性が低い欠点がある。これは、液状材料に粘度上の限界があり、用いる樹脂、硬化剤、充填剤等に制約があるからである。
特開平4-359009号公報 特開2006-188606号公報 特開2005-320477号公報 特開平3-275711号公報
これらの問題点を克服するため、主剤となるエポキシ樹脂及び硬化剤には、低粘度化、低吸湿化、高耐熱化が望まれている。低粘度エポキシ樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等が一般に広く知られているが、低粘度性の点で充分ではない。低粘度性に優れたエポキシ樹脂として、特許文献1には、オキシメチレン鎖を有するエポキシ樹脂が提案されているが、耐熱性、耐湿性に改良の余地があった。特許文献2には、ビシクロヘキシル環を有するエポキシ樹脂が提案されているが、伸び性に改良の余地があった。可とう性の優れた樹脂として、特許文献3には、炭素数2〜12の2価アルコールのエポキシ樹脂と2価フェノールの高可とう性樹脂が提案されているが、低粘度化に改良の余地があった。特許文献4には、水素化ダイマージオールのグリシジルエーテルからなるエポキシ樹脂の可とう性付与剤が提案されているが、水素化されたダイマージオールを使用しているため伸び性に改良の余地があった。
従って、本発明の目的は低粘度性に優れ、かつ耐湿性及び可とう性、高伸び性に優れた硬化物を与える新規エポキシ樹脂、更にそれを用いたエポキシ樹脂組成物ならびにその硬化物を提供することにある。
すなわち、本発明は下記一般式(1):
Figure 2008239891
(但し、R1〜R8は、炭素数4〜12のアルキル基を表し、そのうちの少なくとも1つは不飽和2重結合を有しており、R1〜R8の2個以上が同一であってもく、nは0から3の整数を表し、そしてGはグリシジル基を示す)
で表される、加水分解性ハロゲン量が0.2重量%以下であるエポキシ樹脂に関する。
また、本発明は、エポキシ樹脂及び硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物において、前記のエポキシ樹脂を必須成分として配合してなるエポキシ樹脂組成物に関する。
更に、本発明は、前記エポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物に関する。
本発明のエポキシ樹脂は、一般式(2):
Figure 2008239891
(但し、R1〜R4は、炭素数4〜12のアルキル基を表し、そのうちの少なくとも1つは不飽和二重結合を有しており、R1〜R4の2個以上が同一であっても良い)
で表されるダイマージオール化合物とエピハロヒドリンを反応させることにより製造することができる。
上記ダイマージオール化合物は、重合脂肪酸(ダイマー酸)のカルボキシル基を水酸基にまで還元したものが挙げられる。ここに、重合脂肪酸は不飽和脂肪酸(リノール酸、オレイン酸等)の2個ないしそれ以上の分子間反応により得られるは化合物であり、その主成分は、炭素数36個の二塩基酸であり、公知のものである。
上記ダイマージオール化合物をエピハロヒドリンと反応させる反応は、通常のエポキシ化反応と同様に行うことができる。例えば、上記ダイマージオール化合物を過剰のエピハロヒドリンに溶解した後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の存在下に、40〜120℃の範囲で1〜10時間反応させる方法が挙げられる。この場合、加水分解性ハロゲン低減の観点からは、50〜70℃で反応を行うことが好ましい。
使用するアルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムまたはこれらの混合物等が挙げられ、水溶液または固体状態で用いるのが好ましく、通常市販されている水酸化ナトリウム水溶液がより好ましい。
アルカリ金属水酸化物の使用量は、ダイマージオール化合物中の水酸基1モルに対して、0.8〜15.0モル、好ましくは0.9〜2.0モルの範囲である。これより少ないと残存加水分解性ハロゲンの量が多くなり、これより多いとエポキシ樹脂合成の際のゲルの生成量が多くなり、水洗時のエマルジョンの生成を引き起こすとともに、収率の低下を招くため好ましくない。
また、反応を促進させる目的で、相間移動触媒を併用しても良い。相間移動触媒の具体例としては、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化メチルトリオクチルアンモニウム等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。それら2種以上混合して使用することもできる。これら相間移動触媒の使用量は、ダイマージオール化合物100重量部に対して、20重量部以下であり、好ましくは0.5〜10重量部の範囲であり、より好ましくは1〜5重量部の範囲である。
また、エピハロヒドリンはダイマージオール化合物中の水酸基の合計量に対して過剰に用いられるが、通常、ダイマージオール化合物中の水酸基の合計量1モルに対して、1.5〜30モル、好ましくは2〜15モル、より好ましくは2.5〜10モルの範囲である。これより少ないと、エポキシ樹脂の分子量が大きくなり、粘度が高くなる。これより多いと生産性が著しく低下する。エピハロヒドリンとしては、エピクロロヒドリン、エピヨードヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルエピクロロヒドリン、メチルエピブロモヒドロン、メチルエピヨードヒドリン等が挙げられるが、好ましくはエピクロロヒドリンである。
また、反応に際しては、エポキシ基とは反応しない溶媒中で行う事ができ、具体的にはトルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン等のケトン類、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジエチレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル等のグリコールエーテル類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル等の脂肪族エーテル類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の脂環式エーテル類、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、それら2種以上混合して使用することもできる。これら溶媒の使用量は、エピハロヒドリン100重量部に対して、200重量部以下であり、好ましくは5〜150重量部の範囲であり、より好ましくは10〜100重量部の範囲である。
反応終了後、過剰のエピハロヒドリンを留去し、溶剤に溶解し、濾過し、水洗して無機塩を除去し、次いで溶剤を留去することにより本発明のエポキシ樹脂を得ることができる。
加水分解性ハロゲン量が多すぎる場合は、加水分解性ハロゲン量低減の観点から、得られたエポキシ樹脂を更に、残存する加水分解性ハロゲン量に対して、1〜30倍量のアルカリ金属水酸化物を加え、60〜90℃の温度で10分〜2時間精製反応を行なった後、中和、水洗等の方法で過剰のアルカリ金属水酸化物や副生塩を除去し、さらに溶媒を減圧留去すると、精製された本発明のエポキシ樹脂を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂は、一般式(1)において、nが0から3の整数で表されるものであるが、低粘度性の観点から、n=0のもの(n=0体)の含有率が50%以上であることが好ましく、より好ましくは70%以上である。
また、加水分解性ハロゲン含有量は、0.2重量%以下であることが好ましい。加水分解性ハロゲン含有量が0.2重量%以上では、塩基性の硬化促進剤を用いた組成物の場合、硬化反応が阻害され、その結果硬化物の物性が低下する。特に絶縁信頼性の低下が起こり、電気・電子分野での用途に好ましくない。好ましくは0.1重量%以下であり、より好ましくは0.05重量%以下である。
本発明のエポキシ樹脂は、硬化剤と共に組成物とされて、各種用途に使用できる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂及び硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂成分として上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂を必須成分として配合したものである。
上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂を必須成分とする場合の硬化剤としては、一般にエポキシ樹脂の硬化剤として知られているものはすべて使用できる。例えば、ジシアンジアミド、多価フェノール類、酸無水物類、芳香族及び脂肪族アミン類等がある。
具体的に例示すれば、多価フェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類、あるいは、トリス−(4−ヒドロキジフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキジフェニル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、ポリビニルフェノール等に代表される3価以上のフェノール類がある。更には、フェノール類、ナフトール類または、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−キシリレングリコール等の縮合剤とから合成される多価フェノール性化合物等がある。
酸無水物としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル無水ハイミック酸、無水ナジック酸、無水トリメリット酸等がある。
アミン類としては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン等の芳香族アミン類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族アミン類がある。
本発明の樹脂組成物には、これら硬化剤の1種または2種以上を混合して用いることができる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物中には、エポキシ樹脂成分として、一般式(1)で表される本発明のエポキシ樹脂以外に別種のエポキシ樹脂を配合してもよい。この場合のエポキシ樹脂としては、分子中にエポキシ基を2個以上有する通常のエポキシ樹脂はすべて使用できる。例を挙げれば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン等の2価のフェノール類、あるいは、トリス−(4−ヒドロキジフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキジフェニル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック等の3価以上のフェノール類、またはテトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類から誘導されるグリシジルエーテル化物等、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等アルコール類のポリグリシジルエーテル類等、ジアミノジフェニルメタン等のポリグリシジルアミン類等、脂環式エポキシ樹脂等がある。これらのエポキシ樹脂は、1種または2種以上を混合して用いることができる。そして、本発明のエポキシ樹脂を必須成分とする組成物の場合、本発明に関わる一般式(1)で表されるエポキシ樹脂の配合量はエポキシ樹脂全体中、5〜100%、好ましくは60〜100%の範囲であることがよい。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物中には、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル、ポリウレタン、石油樹脂、インデンクマロン樹脂、フェノキシ樹脂等のオリゴマーまたは高分子化合物を適宜配合してもよいし、無機充填剤、顔料、難燃剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、流動性向上剤等の添加剤を配合してもよい。無機充填剤としては、例えば、球状あるいは、破砕状の溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ粉末、アルミナ粉末、ガラス粉末、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、アルミナまたは水和アルミナ等が挙げられる。顔料としては、有機系または無機系の体質顔料、鱗片状顔料等がある。チクソ性付与剤としては、シリコン系、ヒマシ油系、脂肪族アマイドワックス、酸化ポリエチレンワックス、有機ベントナイト系等を挙げることができる。また更に必要に応じて、本発明の樹脂組成物には、カルナバワックス、OPワックス等の離型剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、三酸化アンチモン等の難燃剤、シリコンオイル等の低応力化剤、ステアリン酸カルシウム等の滑剤等を使用できる。
更に、必要に応じて本発明の樹脂組成物には、公知の硬化促進剤を用いることができる。例を挙げれば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、メタキシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等のアミン類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2−メチルイミダゾリン、2−エチル−4−メチルイミダゾリン等のイミダゾリン類、イミダゾール化合物のトリアジン塩、シアノエチル塩、シアノエチルトリメリット酸塩などの各種塩類、酢酸亜鉛、酢酸ナトリウムなどの金属系化合物類、テトラエチルアンモニウムクロリドなどの第4級アンモニウム塩類、アミド化合物類、トリフェニルホスフィン等の有機リン化合物類などを挙げることができる。これら硬化促進剤の配合割合は、本発明のエポキシ樹脂100質量部に対し、0.01〜5重量部、より好ましくは0.1〜2重量部である。
本発明のエポキシ樹脂硬化物は、上記のエポキシ樹脂組成物を加熱することにより得ることができる。硬化物を得るための方法としては注型、注入、ポッティング、ディッピング、ドリップコーティング、トランスファー成形、圧縮成形等が好適に用いられ、その際の温度としては通常、100℃〜300℃の範囲である。
発明の効果
本発明のエポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物は、優れた低粘度性を有するとともに、これを硬化して得られる硬化物は、耐湿性、可とう性、高伸び性に優れた性能を有するため、重防食塗料、粉体塗料、PCM塗料、缶塗料等の塗料用途や土木・建設用途、接着用途、電気絶縁用、半導体チップ仮止剤等の電気・電子部品用途及びプリント配線板や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を始めとする各種複合材料用途等に適し、特に、プリント配線板、半導体封止等の電気・電子分野の絶縁材料等に好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲は実施例のみに制限されるものではない。なお、実施例及び比較例における各成分の配合部数は、特に断らない限り重量部を示すものである。
また、性状値分析は次の方法で行った。
(1)エポキシ当量は、JIS K-7236により測定した。
(2)加水分解性塩素量は、サンプル約2gを三角フラスコに秤取り、ジオキサンで溶解後、0.1N−KOHメタノール溶液25 m1を加え、70℃の温水中で30分反応させた後、200 m1ビーカーに移し取り、アセトン、イオン交換水、及び酢酸3mlを加えて、0.01N−AgNO3水溶液による電位差滴定で測定した。
(3)粘度は、JIS K-7233、単一円筒回転粘度計法により測定した。
実施例1.
攪拌機、温度計、窒素吹き込み管、及び冷却管を備えた反応装置に、PRIPOL2033(ダイマー酸のカルボキシル基を水酸基まで還元したダイマージオール化合物、水酸基当量270g/eq、ユニケマジャパン社製)300部、エピクロロヒドリン256.9部及びトルエン120部を加え混合溶解した。50℃にて撹拌しながら、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム6部を加えた後、96%水酸化カリウム97.4部を30分毎5回に分けて加えた。更に、50℃にて2.5時間反応後、トルエン300部を加え、濾過により生成した塩を除き、イオン交換水270部で水洗分液した後、エピクロロヒドリンを留去し、メチルイソブチルケトン500部に溶解した。
80℃にて撹拌しながら、12.5%水酸化ナトリウム水溶液96部を加え1.5時間精製反応を行った。イオン交換水を200部で水洗分液して水層を除去した。次に燐酸で中和、水洗して水層を除去した。さらに水洗を行い濾過した後、メチルイソブチルケトンを留去して本発明のエポキシ樹脂A325部を得た。得られたエポキシ樹脂Aは、25℃での粘度が200 mPa・s、エポキシ当量が378g/eq、加水分解性塩素0.02%であった。GPC測定結果から、n=0体が84%、n=1体及びその他の成分等が16%であった。エポキシ樹脂Aについて、赤外吸収スペクトルを図1、GPCチャートを図2に示す。
実施例2並びに比較例1及び2
エポキシ樹脂成分として、実施例1で得られたエポキシ樹脂A、YD-171(ダイマー酸ポリグリシジルエステル樹脂、エポキシ当量435g/eq、25℃での粘度は740 mPa・s、加水分解性塩素0.51%、東都化成社製)、PG-207S(ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル樹脂、エポキシ当量313g/eq、25℃での粘度は44 mPa・s、加水分解性塩素0.05%、東都化成社製)を用い、硬化剤として、リカシッドMH-700(無水メチルヘキサヒドロフタル酸、酸無水物当量168g/eq、新日本理化製)、硬化促進剤として、ヒシコーリンPX-4ET(有機ホスホニウム塩化合物、日本化学製)を用い、表1に示す配合でエポキシ樹脂組成物を得た。なお、表中の数値は配合における重量部を示す。
このエポキシ樹脂組成物を用いて100℃で2時間かけて成形し、更に140℃にて12時間ポストキュアを行い、硬化物試験片を得た後、各種物性測定に供した。結果を表2に示す。
なお、硬化物性の試験方法及び評価方法は以下の通りである。
(1)線熱膨張係数は、熱機械測定装置を用いて10℃/分の昇温速度で測定した、50℃から100℃での変位として求めた。
(2)吸水率は、直径50 mm、厚さ5 mmの円形の試験片を用いて、23℃、100% RHの条件で50時間吸湿させた後の重量増加変化率とした。
(3)イオン性不純物量は、105℃、20時間のプレッシャークッカーテストを行った後の抽出イオン分をイオンクロマトグラフィーにて、塩素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンを測定し、固形分に換算して求めた。
(4)伸びは、JIS K-6251により、ダンベル状6号形試験片で測定した。
(5)タック性は、硬化物を指触し、タックの有無を確認した。
Figure 2008239891
Figure 2008239891
比較例1においては、使用されたエポキシ樹脂は加水分解性塩素が0.51%と0.2%より多いため、硬化物の塩素イオンが600 ppmあり、実施例に比較して60倍と多くなっている。これは電気的絶縁信頼性が悪いことを示している。また、伸びも48%と実施例の約半分しかない。比較例2においては、使用されたエポキシ樹脂は不飽和結合を持たない脂肪族アルコールであり、伸びが38%と小さく、実施例の約1/3しかなく、実施例に比較して伸び性が充分ではない。さらに、吸水率が3.1%と多く、実施例に比較して吸水性が悪いことを示している。
発明の効果
本発明によるエポキシ樹脂を用いると、低粘度性に優れるとともに、低弾性で高伸び性を有した耐湿性優れた硬化物が得られる。これは、通常の使用範囲において必要十分な耐熱性でありながら低弾性で湿性優れた硬化物が製造可能になり、半導体素子に代表される電気・電子部品等の封止、コーティング材料、積層材料、複合材料等に有用な樹脂組成物が得られ、その技術上の意味に大きなものがある。
図1は、エポキシ樹脂AのIRスペクトルを示す。図における縦軸は透過率を、横軸は波長を示す。 図2は、エポキシ樹脂AのGPCチャートを示す。図における縦軸は標準ポリスチレン換算分子量を、横軸は溶出時間を示す。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1):
    Figure 2008239891
    (但し、R1〜R8は、炭素数4〜12のアルキル基を表し、そのうちの少なくとも1つは不飽和2重結合を有しており、R1〜R8の2個以上が同一であってもよく、nは0から3の整数を表し、そしてGはグリシジル基を示す)
    で表される、加水分解性ハロゲン量が0.2重量%以下である新規エポキシ樹脂。
  2. エポキシ樹脂及び硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物において、請求項1に記載のエポキシ樹脂を配合してなるエポキシ樹脂組成物。
  3. 請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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