JP2013177772A - 取付金具の上部ボルト固定構造およびそれを備えた取付金具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 上部ボルト10は、取付部材20の構造、すなわち取付部材20を構成する第1分割パーツ30と第2分割パーツ40の構造によって、取付部材20に固定されている。そして、第1分割パーツ30は、頂面31に上部ボルト10を挿通する長孔32と、頂面31の下側にあって長孔32の一部に向かい合い挿通した上部ボルト10の頭部11を支持する支持部33を有する。また、第2分割パーツ40は、第1分割パーツ30の頂面31の上に重ね合わせる頂面41を有するとともに、第1分割パーツ30の長孔32に挿通されて支持部33によってその頭部11が支持された位置にある上部ボルト10のネジ部12を貫通させるボルト孔42を頂面41に形成する。
【選択図】 図1
Description
特許文献1は、図10に示すように、(はぜ式)折板屋根1のはぜ継ぎ部1a’に、レール固定用ボルト(上部ボルト)4cを備えたレール受け金具(取付金具)4をボルト締めして取り付けるものである。
(1)ボルトの根元を押し潰して固定する方法
(2)特殊座金を使用して固定する方法
(3)ボルトを溶着して固定する方法
上記(1)の固定方法では、専用のボルトと金型が必要になるが、専用ボルトは入手性が悪く、また、コストがかかる。
上記(2)の固定方法では、座金のコストがかかる上に、部品点数が増えるために組み立て作業性が悪い。
上記(3)の固定方法では、ボルトを溶着する作業工程が繁雑であり、溶着の程度によっては品質が安定しない。
第2の発明は、第1分割パーツ及び第2分割パーツの頂面に、頂面どうしの重ね合わせた状態を維持する係止手段を備えたことを特徴とする同取付金具の上部ボルト固定構造である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明に係る取付金具の上部ボルト固定構造を備えた金属屋根用取付金具である。
第4の発明は、水平方向に組み合わせる第1分割パーツ及び第2分割パーツを締め付けるために横貫して設けられた締結具のボルトの共回りを防止する共回り防止手段を備えたことを特徴とする同取付金具である。
第5の発明は、共回り防止手段が、ボルトの頭部内面と接触する取付金具の接触部分の外側に切り起こし片を複数形成し、ボルトの頭部側面と当接させることを特徴とする同取付金具である。
(1)本願発明は、取付金具が、一対の分割パーツを備え、第1分割パーツは、頂面に上部ボルトを挿通する長孔と、頂面の下側にあって長孔の一部に向かい合い挿通した上部ボルトの頭部を支持する支持部を有し、第2分割パーツは、第1分割パーツの頂面の上に重ね合わせる頂面を有するとともに、第1分割パーツの長孔に挿通されて支持部によってその頭部が支持された位置にある上部ボルトのネジ部を貫通させるボルト孔を頂面に形成したことで、まず、上部ボルトは第1分割パーツの長孔に挿通した後に、長孔の長手方向にスライドすることで上部ボルトの頭部が支持部によって支持されて第1分割パーツに仮止めされた状態になる。次に、第2分割パーツの頂面を第1分割パーツの頂面の上に重ね合わせるように組み合わせると、ちょうど第2分割パーツの頂面に形成したボルト孔に上部ボルトのネジ部が貫通し、上部ボルトのスライドを規制する。これによって、上部ボルトが取付金具に固定された状態になる。すなわち、取付金具の構造によって、簡易且つ確実に上部ボルトを固定できることになる。
(2)第1分割パーツ及び第2分割パーツの頂面に、頂面どうしの重ね合わせた状態を維持する係止手段を備えたことで、第1分割パーツの頂面から第2分割パーツの頂面が外れることを防止できるので、上部ボルトの固定をより確実なものとすることができる。
(3)上記する上部ボルト固定構造を取付金具に備えたことで、金属屋根の上面に設置物(例えば、ソーラーパネルなど)を取り付ける作業を極めて簡易且つ確実に行える。
(4)水平方向に組み合わせる第1分割パーツ及び第2分割パーツを締め付けるために横貫して設けられた締結具のボルトの共回りを防止する共回り防止手段を備えたことで、ボルトの共回りを防止して、締結具(ボルト及びナット)による締結作業をより確実・安定的に行うことができる。
(5)共回り防止手段が、ボルトの頭部内面と接触する取付金具の接触部分の外側に切り起こし片を複数形成し、ボルトの頭部側面と当接させることで、共回りしようとするボルトの回転運動を規制し、ボルトの共回りを防止できる。また、切り起こし片がナット側に形成されていたとしても、座金やフランジナット(ボルトの頭部よりも設置面の大きいもの)を用いることで、ナットの締め付け時に切り起こし片を寝かせることができるので、特に支障が無く、ボルト側とナット側で同じ切り起こし片の形成された部材を用いることができる。すなわち、リブ等を用いた通常の共回り防止手段では、ボルト側にリブ有りの部材でナット側にリブ無いの部材を用いる非対称形状のために、非効率であった。これに対して、本願発明の共回り防止手段を用いれば、ボルト側とナット側に共通の部材を使用できるので、部品点数の減少、生産性の向上が可能になる。また、汎用の六角ボルトを使用できるために、部品調達も容易になる。
図1は、本願発明に係る取付金具の上部ボルト固定構造の実施形態を示す説明図(1)である。なお、図1(a)は全体斜視図、図1(b)は分解図である。
図1(a)に示すように、上部ボルト10は、取付部材20の構造、すなわち取付部材20を構成する第1分割パーツ30と第2分割パーツ40の構造によって、取付部材20に固定されている。
また、第2分割パーツ40は、第1分割パーツ30の頂面31の上に重ね合わせる頂面41を有するとともに、第1分割パーツ30の長孔32に挿通されて支持部33によってその頭部11が支持された位置にある上部ボルト10のネジ部12を貫通させるボルト孔42を頂面41に形成する。
図2及び図3に示すように、まず、上部ボルト10は第1分割パーツ30の長孔32に挿通した後に(図2(a)及び図3(a))、長孔32の長手方向にスライドすることで上部ボルト10の頭部11が支持部33によって支持されて第1分割パーツ30に仮止めされた状態にする。
図4に示すように、第1分割パーツ30の頂面31に切欠溝34,34を形成し、この切欠溝34,34に対応する差込片43,43を第2分割パーツ40の頂面41に形成する。こうして、お互いに係合する切欠溝34と差込片43によって、第1分割パーツ30及び第2分割パーツ40の頂面どうしの重ね合わせた状態を維持する係止手段を備える。これによって、第1分割パーツ30の頂面31から第2分割パーツ40の頂面41が外れることを防止できるので、上部ボルト10の固定をより確実なものとすることができる。
図5に示す取付部材21は、立平葺屋根50に用いられる立平葺屋根用取付部材である。この立平葺屋根用取付部材21に上記した上部ボルト10の固定構造を用いることで、立平葺屋根50の上面に設置物60(例えば、ソーラーパネルなど)を取り付ける作業を極めて簡易且つ確実に行える。
なお、上記した上部ボルト10の固定構造は、立平葺屋根用取付部材だけでなく、その他の金属屋根用の取付金具に使用することができる。
図6及び図7に示すように、部材80,90,80間に横貫して設けられた締結具70のボルト71の共回りを防止する共回り防止手段は、ボルト71の頭部72内面73と接触する部材80の接触部分の外側に切り起こし片81を複数形成し(図6(a)、図7(a))、ボルト71の頭部72側面74と当接させるものである(図6(b)、図7(b)及び(c))。すなわち、共回りしようとするボルト71の回転運動を切り起こし片81で規制し、ボルト71の共回りを防止する。
図8(a)は、切り起こし片81a(矩形状)をボルト71の頭部72の隣り合う側面74に当接するように形成したものである。
図8(b)は、切り起こし片81b(矩形状)をボルト71の頭部72の向かい合う側面74に当接するように形成したものである。
図8(c)は、切り起こし片81c(三角形状)をボルト71の頭部72の隣り合う側面74に当接するように形成したものである。
図8(d)は、切り起こし片81d(三角形状)をボルト71の頭部72の向かい合う側面74に当接するように形成したものである。
なお、上記した切り起こし片81a〜81dは、例示であって、切り起こし片81の形状及び位置・数は、これに限定されるものではない。すなわち、切り起こし片81は、ボルトの頭部側面と当接させることで、共回りしようとするボルトの回転運動を規制し、ボルトの共回りを防止できるものであれば、その形状及び位置・数は問わない。
図9に示す取付部材22は、図5で図示した立平葺屋根50に用いられる立平葺屋根用取付部材である。この立平葺屋根用取付部材22に上記したボルトの共回り防止手段を用いることで、立平葺屋根50の上面に設置物60(例えば、ソーラーパネルなど)を取り付ける作業を極めて簡易且つ確実に行える。
なお、上記したボルトの共回り防止手段は、立平葺屋根用取付部材だけでなく、その他の金属屋根用の取付金具に使用することができる。
11 頭部
12 ネジ部
20 取付部材
21 取付部材(立平葺屋根用取付部材)
30 第1分割パーツ
31 頂部
32 長孔
33 支持部
34 切欠溝
40 第2分割パーツ
41 頂面
42 ボルト孔
43 差込片
50 立平葺屋根
60 設置物
70 締結具
71 ボルト
72 頭部
73 内面
74 側面
75 ナット
76 フランジナット
80 部材
81 切り起こし片
90 部材
Claims (5)
- 金属屋根の上面に設置物を取り付けるために上部ボルトを備えた取付金具の上部ボルト固定構造であって、
取付金具は、一対の分割パーツを備え、
第1分割パーツは、頂面に上部ボルトを挿通する長孔と、頂面の下側にあって長孔の一部に向かい合い挿通した上部ボルトの頭部を支持する支持部を有し、
第2分割パーツは、第1分割パーツの頂面の上に重ね合わせる頂面を有するとともに、第1分割パーツの長孔に挿通されて支持部によってその頭部が支持された位置にある上部ボルトのネジ部を貫通させるボルト孔を頂面に形成したことを特徴とする取付金具の上部ボルト固定構造。 - 第1分割パーツ及び第2分割パーツの頂面に、頂面どうしの重ね合わせた状態を維持する係止手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の取付金具の上部ボルト固定構造。
- 請求項1又は2に記載の取付金具の上部ボルト固定構造を備えた金属屋根用取付金具。
- 水平方向に組み合わせる第1分割パーツ及び第2分割パーツを締め付けるために横貫して設けられた締結具のボルトの共回りを防止する共回り防止手段を備えたことを特徴とする請求項3記載の取付金具。
- 共回り防止手段は、ボルトの頭部内面と接触する取付金具の接触部分の外側に切り起こし片を複数形成し、ボルトの頭部側面と当接させることを特徴とする請求項4記載の取付金具。
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