JP2007332766A - 金属屋根の緑化システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 上部が開放された箱型容器状で、側面部の上端において折り返し形成されたつば部を有するとともに、培養土が充填され、緑化植物が予め植栽された緑化用トレー(2)と、上部に固定ボルトを立設されるとともに、金属屋根(3)の屋根面から突出するハゼ継ぎ部(3b)を挟持し、所定の間隔で設置される支持部材(4)と、幅方向両側に、且つ長さ方向に連続して、押え部が形成された断面視略逆ハット形状をなし、固定ボルトを挿通して支持部材に支持され、金属屋根(3)の流れ方向に略直交して複数列置される長尺のレール部材(5)と、を備え、押え部が、左右に隣り合う複数の緑化用トレー(2)のつば部上面と当接して、緑化用トレー(2)の浮揚を防止するようにして緑化システム(1)を構成した。
【選択図】 図1
Description
一方、工場、倉庫、スーパーマーケット等の大規模建物等において、コスト低減や工期短縮等のために、折板屋根や瓦棒葺屋根等の金属屋根を用いて建物が施工される場合が多く見受けられる。折板屋根は、鋼板等を折り曲げてW形を連続させた断面形状を持つ屋根であり、瓦棒葺屋根は、屋根の傾斜に沿って一定間隔に瓦棒を配置し、その位置で金属板の横方向の接続を行うようにした屋根であるが、これらの屋根は、その特殊な形状ゆえに、通常の屋上で用いられる緑化技術をそのまま適用することは困難である。
緑化用トレーは、金属屋根の流れ方向と略直交する方向(左右方向)に対しては、
左右に隣接して配置され、金属屋根の流れ方向(前後方向)に対しては、レール部材を挟んで前後に隣接して配置される。
本発明の緑化システムを適用可能な折板屋根は、山部と谷部とが所定の間隔で交互に連続し、山部に支持部材を挟持可能なハゼ継ぎ部等の突出部を有するものである。山部には、緑化用トレーを安定して載置できるように、略平坦な頂面が形成されていることが好ましい。
緑化用トレーは、1人又は2人程度で運搬可能な大きさ、重量とすることが好ましく、軽量化のために、例えば合成樹脂製にて成形する。緑化用トレーは、折板屋根への積載荷重を低減するために、なるべく浅く構成することが好ましい。
緑化用トレーの平面形状等に限定は無いが、載置される折板屋根の山部の間隔に対応した横(左右)寸法を有する平面視略矩形状とし、折板屋根の隣り合う山部の頂面に丁度架設できる大きさ・形状とすれば、安定した載置が可能となるとともに、施工性が向上し好ましい。
支持部材の配置間隔は、金属屋根の流れ方向(前後方向)に対しては、緑化用トレーの奥行き(前後)寸法と略等しい間隔とする(千鳥に配置してもよい)が、金属屋根の流れ方向と略直交する方向(左右方向)に対しては、強度及び施工性との兼ね合いを考慮しつつ、例えば山部一つおき又は二つおき程度の間隔(約800〜1500mm程度)とすることが好ましい。
レール部材は、長尺、短尺の何れでもよいが、施工性及びメンテナンス時の交換が容易となる点を考慮して、全長約1500〜3000mmとして、接合して用いることが好ましい。
押え部は、レール部材の長さ方向に沿って、一定の間隔で設けてもよいが、連続して設けることとすれば、より強固に緑化用トレーを保持できる。
また、本発明者は、培養土として、ピートモス、パーライト、有機堆肥、真砂土等を主成分とし、これらを所定の割合で配合したものを用いれば、軽量化を図ることができるとともに、保水性及び排水性のバランスを良好に保つことができ、緑化植物の栽培及び育成に好適であることを見出したものである。培養土は、特にパーライトを5〜10体積%含んで構成することが好ましい。パーライトの含有率が5体積%未満となると、全体の軽量化を図ることが難しくなり、10体積%を超えると、保水性を保つことが難しく、植物の育成に支障が生じる。パーライトは、真珠岩系パーライト、黒ヨウ石パーライトの何れであっても、多孔質で軽量化を実現可能であるが、真珠岩系パーライトを用いることとすれば、より保水性に優れており好ましい。
さらに、ピートモス、有機堆肥、真砂土の配合比率を、概ね4:1:1(体積比)となるように構成すれば、特にセダム類の栽培及び育成に最適な土壌を形成することができる。ピートモスに替えて、椰子の実から種子を取り除いた椰子殻から得られるココピート(登録商標)を用いてもよい。
その他、貝化石、有機マグカリン、ロング肥料、炭等を、必要により適宜、微量ずつ配合してもよい。
折板屋根(3)は、図1〜図2に示すように、鋼板を山形に屈曲形成してなる長尺の折板(3a)を、両側縁部のハゼ継ぎ部(3b)を介して、左右に複数連結し、山部(3c)と谷部(3d)とが交互に連続するようにして形成されたものである。折板屋根(3)は、図3に示すように、タイトフレーム(3’)によって、躯体鉄骨梁(フランジ)(3’’)に支持されている。
図6〜図8に示すように、底面部(10)の裏面には、中心部から縦横斜めの放射状に補強リブ(14)が形成されるとともに、つば部(12)裏面の適宜の位置においても補強リブ(14’)が形成されている。
図6〜図8に示すように、底面部(10)の裏面外周縁における、補強リブ(14)の先端に相当する位置には、脚部(16)が形成され、底面部(10)が底上げされた状態で保持されるようになっている。
本実施例では、トレー(2)内の排水性向上のために、底面部(10)の中心部を水上として、排水口(15)に向かう水勾配を底面部(10)に形成している。
山部(3c)の頂面には、図3に示すように、脚部(16)が当接され、頂面上に位置する排水口(15)からの排水が効率よく行われるようになっている。
コ型金物(24)もコ型金物(23)と共通する構成で、締付部(33)、載置部(34)、挟持部(35)、ボルト孔(37)を有するが、図10に示すように、載置部(34)には切欠部に替えて、固定ボルト(43)を貫通可能なボルト孔(38)が穿孔されている。
支持部材(4)は、折板屋根(3)のハゼ継ぎ部(3a)に、適宜の間隔で着脱可能に取り付けられるものであり、図12に示すように、挟持部(27)(35)を、山部(3c)の頂面(7a)(7b)にそれぞれ載置し、挟持部(27)(35)の先端を、ハゼ継ぎ部(3b)の付け根付近に両側面から当接し、さらに締付部(25)(33)を貫通して装着される締付ボルト(40)を、ナット(41)を螺着して締め付けることによって、載置部(26)先端を締付部(33)内面上端に当接させるとともに、挟持部(27)(35)でハゼ継ぎ部(3b)を挟持して、支持部材(4)が折板屋根(3)の山部(3c)に強固に固着されるようになされている。
また、図10〜図12に示すように、載置部(26)に設けられた切欠部(30)によって、締付ボルト(40)及び固定ボルト(43)を嵌装したまま、コ型金物(24)が左右方向にスライド可能とされ、施工性の向上が図られている。
具体的には、底板部(50)、押え部(53)(54)をそれぞれ幅30mm(厚1.5mm)、立上り部(51)(52)を高さ15mm(厚1.5mm)とし、レール部材(5)の全長が2mとなるように形成している。
押え部(53)(54)下面と側面部(11)上端(つば部(12)上面)とは、緑化用トレー(2)のがたつきが生じない程度に相当接していることが好ましい。
本実施例のように、レール部材(50)の幅方向両側に押え部(53)(54)を形成することとすれば、レール部材(50)を挟んで前後2列の緑化用トレー(2)を同時に保持固定できるため、効率が良い。
端部用レール部材(5a)は、図14(b)に示すように、底板部(50a)の幅方向一側においてのみ立上り部(51a)と押え部(53a)とが形成されたものである。
[1]緑化システム(1)の施工に先立ち、緑化用トレー(2)に培養土を充填し、セダム類等の緑化植物を植え付けて育成しておく。植栽がなされた緑化用トレー(2)を用いて、以下の作業を行う。
[2]支持部材(4)を、折板屋根(3)のハゼ継ぎ部(3b)に所定の間隔(本実施例では1000mm間隔)で最前列横一列に取り付け、上部に端部用レール部材(5a)を固着する。
[3]最前列の緑化用トレー(2)を、端部用レール部材(5a)に沿って、隣接して並置する。このとき、緑化用トレー(2)の前方の側面部(11)上端が、端部用レール部材(5a)の押え部(53a)下面に位置するように、緑化用トレー(2)を圧入して配置する。
[4]次列の支持部材(4)及びレール部材(5)を固着し、レール部材(5)の一方の押え部(53)によって、[3]によって敷設した緑化用トレー(2)の後方の側面部(11)上端を押圧固定する。
[5]次列の緑化用トレー(2)を、レール部材(5)に沿って、隣接して並置する。このとき、緑化用トレー(2)の前方の側面部(11)上端が、レール部材(5)の他の押え部(54)下面に位置するように、緑化用トレー(2)を圧入して配置する。
[6]最後列に支持部材(5)及び端部用レール部材(5a)を固着し、端部用レール部材(5a)の押え部(53a)によって、[5]によって敷設した緑化用トレー(2)の後方の側面部(11)上端を押圧固定する。
メンテナンス面においても、該当箇所の緑化用トレー(2)、支持部材(4)、レール部材(5)等を取り外し、部分的に交換等すれば足りるため、非常に容易に行える。また、レール部材(5)は、幅計90mmを有するため、メンテナンス用の歩行通路としても兼用でき、便宜である。
図16は試験装置を示す図、図17は荷重載荷ステップを示す図、図18は変位量測定位置を示す図、図19は試験結果を示す図、図20はレール部材(押え金物)のたわみ量を示す図、図21は緑化用トレーのたわみ量を示す図、図22はレール部材(押え金物)と鋼製折板の相対変位量を示す図、図23はレール部材(押え金物)の変位量を示す図である。
試験体は、母屋(スパン1450mm)を想定した鋼製枠にタイトフレームを介して葺かれた鋼製折板の試験片(左右幅2000mm×前後奥行き1700mm)上に支持部材とレール部材を用いて緑化用トレー4個(前後2列)を載置固定した緑化システムである(図1〜図2参照)。
支持部材は、既存折板の山部のハゼ継ぎ部を挟み込む方法で固定され、その支持部材にレール部材(押え金物)を固定ボルトで固定する。緑化用トレーは、レール部材(押え金物)の折板の流れ方向に直交する2辺で支持される。
従って、トレーが受ける風圧は、レール部材(押え金物)、支持部材、折板、タイトフレーム、母屋の順に伝達される。支持部材は、トレーの角ごと(左右方向には1000mm間隔)に配置されるので、最大で4個の隣り合うトレーに掛かる風圧の一部を負担する。本試験では4個のトレーを設置し、それらの交点にある支持部材の強度に注目した。
試験は、図16に示すように、試験体の天地を反転し、トレーに砂袋を吊下げることにより風圧による浮き上り力に相当する荷重を作用させる方法で行った。トレーの裏面には2本の丸棒(径20mm×150mm)を設置し、4等分2線荷重となるようにした。試験時の荷重載荷ステップを図17に示す。試験体各部の変位量測定は、図18に示す位置に設置した変位計(感度:1/50mm、非直線性:0.2%F.S.)を用いて行った。
試験結果の詳細を図19〜図23に示す。
レール部材(押え金物)と鋼製折板の相対変位は載荷荷重−2.00kN/m2まで載荷にしたがって増大(図22参照)し、それ以降は変位が急激に増加したが載荷荷重−3.53kN/m2時においても緑化システムは破壊しなかった。
設計風荷重(標準的な外装材用風荷重)の算定例としては、−1880N/m2の値が計算され、本発明に係る緑化システムが、簡易な構成であるにもかかわらず、強固な構造(耐風圧性能)を有していることが確認された。
ピートモス28%(%は体積%、以下同様)、パーライト4%、有機堆肥45%、真砂土20%と、有機マグカリンを微量混合して、培養土Pを得た。
重量を計測したところ、約4.5kg重/12リットルであった。
培養土Pを、緑化用トレーに充填し、セダム類(メキシコマンネングサ)の小苗を植え付けたものを1000トレー(約250m2)用意して、兵庫県下の農場にて6ヶ月間栽培した。
セダムの成長面において特に問題は無く、6ヶ月経過後には、育成が完了した。
ピートモス35%、バーミキュライト2%、パーライト7%、有機堆肥40%、真砂土11%と、貝化石、有機マグカリン、ロング肥料、炭をそれぞれ微量混合して、培養土Qを得た。
培養土Qの重量を計測したところ、約3.9kg重/12リットルであった。
培養土Qを、同様に緑化用トレーに充填し、セダム類(メキシコマンネングサ)の苗を植え付けたものを1000トレー(約250m2)用意して、培養土Xと同一の条件にて6ヶ月間栽培した。
この場合も、セダムの成長面において特に問題は無く、6ヶ月経過後には、育成が完了した。
ピートモス60%、バーミキュライト4%、パーライト13%、有機堆肥9%、真砂土9%と、貝化石、有機マグカリン、ロング肥料、炭をそれぞれ微量混合して、培養土Rを得た。
培養土Rの重量を計測したところ、約2.9kg重/12リットルであった。
培養土Rを、同様に緑化用トレーに充填し、セダム類(メキシコマンネングサ)の苗を植え付けたものを1000トレー(約250m2)用意して、培養土Pと同一の条件にて6ヶ月間栽培した。
この場合、培養土P、Qを使用したものに比較して、セダムの成長がかなり劣っていた。これは、土の保水性がかなり低下したことが主原因と考えられる。
6ヶ月間の栽培では育成未完了の状態で、その後栽培を続けた結果、完成品となるまでに実験開始から1年を要した。
培養土Rは、最も軽量となったが、緑化植物の栽培育成に長期間を要した。培養土P、Qについては、緑化植物の成長面において特に問題が無く、特に培養土Qは、培養土Pより約15%軽量で、本発明に係る緑化システムに好適に用いることが可能である。
本実施例の折板屋根(70)は、図24〜図26に示すように、折板(70a)を、屋根面から突出するタイプのハゼ継ぎ部(70b)を介して、左右に複数連結し、山部(70c)と谷部(70d)とが交互に連続するようにして形成したものであるが、ハゼ継ぎ部(70b)のピッチW’が333mmと比較的狭くなっている。
本実施例の緑化システム(1’)は、載置レール部材(5’’)をさらに備えた構成により、緑化用トレー(2)を、折板屋根(70)の隣り合う山部(70c)に架設するのではなく、ハゼ継ぎ部(70b)よりも高い位置において敷き並べることができるようにしたものである。
このようなコ型金物(23’)の構成を採用することにより、施工性を向上させることができるとともに、加工コストを低減することができる。
コ型金物(23’)の上面略中心位置には、図27(a)(b)に示すように、溶接等の固着手段によって、固定ボルト(43’)が立設されている。固定ボルト(43’)は、レール部材(5’)及び載置レール部材(5’’)を支持固定するためのものである。
底板部(50’)の適宜の位置には、上記支持部材(4’)における固定ボルト(43’)を挿通し、図25〜図26に示す如く、上方からナット(44’)を螺着してレール部材(5’)を支持部材(4’)に支持固定するための、ボルト孔(56’)が設けられている。
各々のレール部材(5’)は、約3000mmの全長を有しており、押え部(53’)(54’)がそれぞれ、左右に隣り合って配設される6個の緑化用トレー(2)のつば部(12)と連続的に当接可能となされている。
載置レール部材(5’’)の幅方向両側に、且つ長さ方向に連続して設けられる載置面(53’’)(54’’)は、図25〜図26に示すように、それぞれ左右に隣り合う複数の緑化用トレー(2)を、連続して同時に載置支持するためのもので、レール部材(5’)の押え部(53’)(54’)よりも突出長を長く形成されている。天板部(50’’)の適宜の位置には、レール部材(5’)と同様に、上記支持部材(4’)における固定ボルト(43’)を挿通し、図25〜図26に示す如く、載置レール部材(5’’)を支持部材(4’)に支持固定するための、ボルト孔(56’’)が設けられている。
各々の載置レール部材(5’’)は、約3000mmの全長を有しており、載置面(53’’)(54’’)がそれぞれ、左右に隣り合って配設される6個の緑化用トレーを同時に載置支持可能となされている。
レール部材(5’)の押え部(53’)(54’)は、緑化用トレー(2)の風や振動等による浮き上がりを防止する働きをなし、一方で、載置レール部材(5’’)の載置面(53’’)(54’’)は、緑化用トレー(2)を安定して載置する働きをなすものである。
図25〜図26に示すように、緑化用トレー(2)は、ハゼ継ぎ部(70b)よりも高い位置で載置されるようにする。このために、載置面(53’’)(54’’)下端がハゼ継ぎ部(70b)の上端よりも高い位置にくるようになされている。
そして、それぞれ左右に隣り合う複数の緑化用トレー(2)が、レール部材(5’)の押え部(53’)(54’)と載置レール部材(5’’)の載置面(53’’)(54’’)との間に、連続して同時に挟持されることとなるが、緑化用トレー(2)のつば部(12)上面を、押え部(53)(54)下面がわずかに下方に押圧した状態で、レール部材(5)が固定ボルト(43’)にナット(44’)を介して支持固定されるようにすることが好ましい。
各部材の材質等は、耐候性や強度を考慮して任意のものを使用することができるが、特に高耐食性溶融めっき鋼板、溶融亜鉛‐アルミニウム‐マグネシウム合金めっき鋼板(例えば日新製鋼社製「ZAM」)によれば、アルミニウムやステンレスに比べて、コスト、耐久性、施工性等の面で有利であり好ましい。
[1]緑化システム(1’)の施工に先立ち、緑化用トレー(2)に培養土を充填し、セダム類等の緑化植物を植え付けて育成しておく。植栽がなされた緑化用トレー(2)を用いて、以下の作業を行う。
[2]支持部材(4’)を、折板屋根(70)のハゼ継ぎ部(70b)に所定の間隔(本実施例では二山おき=約1000mm間隔)で最前列横一列に取り付け、その上部に載置レール部材(5’’)を長さ方向に接続しながら設置する。載置レール部材(5’’)の設置は、ボルト孔(56’’)を支持部材(4’)の固定ボルト(43’)に挿通させるとともに、載置面(53’’)(54’’)下端を載置部(26’)に載置するだけでよい。
[3]次列の支持部材(4’)及び載置レール部材(5’’)を同様にして設置する。支持部材(4’)は、緑化用トレー(2)のサイズに対応して、折板屋根(70)の流れ方向に対して約500mm間隔で設置する。
[4]最前列のレール部材(5’)を長さ方向に接続しながら設置するとともに、最前列の緑化用トレー(2)を、最前列及び次列の載置レール部材(5’’)の載置面(53’’)(54’’)に架設することにより、最前列のレール部材(5’)に沿って横一列に並べてゆく。レール部材(5’)の設置は、ボルト孔(56’)を支持部材(4’)の固定ボルト(43’)に挿通させるとともに、ナット(44’)を上方から螺着させることによって行い、レール部材(5’)の押え部(53’)(54’)が、緑化用トレー(2)の側面部(11)上端及びつば部(12)上面を、わずかに下方に押圧した状態となるようにして、ナット(44’)を締め付ける。
このとき、レール部材(5’)、及び載置レール部材(5’’)が、それぞれ断面視略逆ハット形状、及び略ハット形状をなしているため、緑化用トレー(2)の横ズレが防止されるとともに、緑化用トレー(2)の位置決めが容易となり、施工性の向上が図られる。
[5]次列のレール部材(5’)及び緑化用トレー(2)を同様にして設置する。
[6]以上の手順を繰り返し、緑化用トレー(2)を順次敷き並べてゆけば、緑化システム(1’)を完成させることができる。
しかも、本実施例に係る緑化システム(1’)では、特に載置レール部材(5’’)を設ける構成としたことにより、緑化用トレー(2)のサイズ(左右幅)やハゼ継ぎ部(70b)の位置・ピッチ等によらずに、緑化用トレー(2)を安定して載置支持することが可能となり、あらかじめハゼ継ぎ部(70b)の位置・ピッチ等を指定することができない既存建物の改修工事等において、特に効果をあげることができる。
本実施例は、本発明の緑化システムを瓦棒葺屋根に適用する例を示したものである。
支持部材(4’’)のハゼ継ぎ部(80b)への取り付けは、図30〜図31に示すように、コ型金物(23’’)を瓦棒(81)の所定の位置において上方から装着し、挟持部(27’’)がハゼ継ぎ部(80b)を両外側面から把持した状態とした後、締付ボルト(40’’)とナット(41’’)とで締め付けることによって行う。ハゼ継ぎ部(80b)の座屈を防止するために、ハゼ継ぎ部(80b)の左右端凸部を内側面から支持する補助金物(28’’)を用いてもよい。
2 緑化用トレー
3 折板屋根
3b ハゼ継ぎ部
4 支持部材
5 レール部材
5a 端部用レール部材
7a、7b 頂面
10 底面部
11 側面部
12 つば部
19 連結具
23、24 コ型金物
27、35 挟持部
50、50a 底板部
51、52、51a 立上り部
53、54、53a 押え部
57 接合部材
1’、1’’ 緑化システム
4’、4’’ 支持部材
5’ レール部材
5’’ 載置レール部材
23’、23’’ コ型金物
26’、26’’ 載置部
27’ 挟持用ツメ
27’’ 挟持部
50’ 底板部
50’’ 天板部
51’、52’ 立上り部
51’’、52’’ 垂下部
53’、54’ 押え部
53’’、54’’ 載置面
70 折板屋根
70b ハゼ継ぎ部
80 瓦棒葺屋根
80b ハゼ継ぎ部
Claims (5)
- 複数の金属板を、ハゼ継ぎ部を介して、左右方向に連結してなる金属屋根において、
緑化用トレーを左右前後に複数敷設して、金属屋根上部の緑化を行う緑化システムであって、
上部が開放された箱型容器状で、側面部の上端において外方に折り返し形成されたつば部を有するとともに、培養土が充填され、緑化植物が予め植栽された緑化用トレーと、
上部に固定ボルトを立設されるとともに、金属屋根の屋根面から突出するハゼ継ぎ部を挟持し、所定の間隔で設置される支持部材と、
幅方向両側に、且つ長さ方向に連続して、押え部が形成された断面視略逆ハット形状をなし、該固定ボルトを挿通して該支持部材に支持され、金属屋根の流れ方向に略直交して複数列置される長尺のレール部材と、を備え、
該押え部が、左右に隣り合う複数の緑化用トレーの該つば部上面と当接して、緑化用トレーの浮揚を防止するようになされた緑化システム。 - 該金属屋根は折板屋根であり、
該緑化用トレーは、平面視略矩形状をなし、折板屋根の隣り合う山部の頂面に架設されるようにした請求項1に記載の緑化システム。 - 幅方向両側に、且つ長さ方向に連続して、緑化用トレーを載置支持するための載置面が形成された断面視略ハット形状をなし、該レール部材と互いに上下に位置するように、該固定ボルトを挿通して該支持部材に支持される長尺の載置レール部材と、をさらに備え、
該押え部と該載置面との間に、左右に隣り合う複数の緑化用トレーを挟持するようになされた請求項1に記載の緑化システム。 - 該レール部材が、メンテナンス用の歩行通路と兼用される請求項1乃至3の何れかに記載の緑化システム。
- 該緑化植物はセダム類であり、
該培養土は、ピートモス、パーライト、有機堆肥、真砂土を主成分とし、パーライトを5〜10体積%含んでなる、
請求項1乃至4の何れかに記載の緑化システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007130219A JP2007332766A (ja) | 2006-05-17 | 2007-05-16 | 金属屋根の緑化システム |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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