JP4098557B2 - 緑化屋根 - Google Patents

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敏彦 山口
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、折板屋根を緑化するものであり、前記折板屋根が新設,既設を問わず、極めて簡単且つ迅速に施工することができ、且つ極めて強固なる構造にすることができる緑化屋根に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、屋根上面を利用して植物,作物等の栽培が行われる緑化屋根の施工が増えている。特に、屋根上は、日当たり,風通し等の栽培に好適な条件が揃っており、このようなことから栽培に適している。また、緑化屋根は単に屋根を鮮やかにするだけでなく、植物の炭酸同化作用等により環境にも極めて良い影響を与えるもので、近年その緑化屋根が多いに奨励されている。
【0003】
このような緑化屋根は、その施工にはかなりの技術が必要であり、屋根が施工され、この金属屋根板上に種子入りのマット材や土を敷設するようにしたものが多く見受けられる。この種のものでは、栽培部のマット部が適度の吸水性,及び良好なる透水性,通気性を有したものが好ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した緑化屋根のほとんどは、新設のものであり、従来の屋根を緑化して施工されるものではない。これは、緑化屋根の構造が複雑であり、また植物に適度の水分が必要であるため、その適度の水分を溜めることができる構造にしなくてはならない。
【0005】
このように既設屋根を利用して緑化屋根に葺き代えることは、高度の施工技術を必要とし、簡単に施工することができるものではなかった。また、既設屋根を緑化して緑化屋根とすることは、新設の緑化屋根を施工する場合よりも施工が困難,且つ面倒であることが多い。本発明の目的は、既設又は新設を問わず多くの折板屋根に対して、これらを極めて簡易且つ迅速に緑化屋根に施工することができ、且つその構造も極めて強固にすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、本発明を、山形部が所定間隔をおいて連続形成された折板屋根と、溝板支持部の幅方向両側に取付脚部が形成され,前記折板屋根の山形部頂部箇所に装着する支持具と、底面部の幅方向両側に立上り側部が形成されてなる溝板と、該溝板を前記溝板支持部上に固定する固定部材とからなり、前記山形部に固定された複数の支持具間に溝板が前記山形部の長手方向に直交するようにして配置され,且つ前記固定部材にて固定され、それぞれの溝板には栽培部が敷設され、前記固定部材は係止部を有する吊子とし、前記溝板は、一方側の立上り側部の外側に取付縁が形成され、他方側の立上り側部を断面ほぼ逆U字形状とし、前記吊子が前記取付縁とともに前記溝板支持部上に固着され、その立上り側部に次位の溝板の断面逆U字形状とした立上り側部が重合され且つ前記吊子の係止部に係止固着されてなる緑化屋根としたことにより、前記折板屋根が新設,既設を問わず、極めて簡単且つ迅速に施工することができ、且つ極めて強固なる構造にすることができ、上記課題を解決したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。まず、本発明の第1実施形態を図1乃至図7に基づいて説明する。第1実施形態では、に示すように、主に折板屋根A,溝板3,支持具B,固定部材C、栽培部15等から構成される。まず、折板屋根Aは、既設或いは新設のいずれの場合も含まれる。その折板屋根Aには、種々の種類が存在するが、いずれの場合であっても断面がほぼ台形山形状の山形部1と、平坦状の底部2とが存在する。
【0008】
その折板屋根Aは、図1乃至図3及び図13に示すように、複数の折板屋根板A1 ,A1 ,…から構成されるものである。すなわち複数の折板屋根板A1 ,A1 ,…が並設され、それぞれ隣接する折板屋根板A1 ,A1 の山形部1,1同士が重合連結され折板屋根Aが施工される。その山形部1の上方箇所には、膨出部1aが形成されている。該膨出部1aは、幅方向両側に膨出する被嵌合膨出条1a1 ,1a1 が形成されている。
【0009】
該被嵌合膨出条1a1 ,1a1 の下端には、図13に示すように、後述する支持具Bの取付脚部6,6が嵌合することができる嵌合隅角部1a11,1a11が形成されている。すなわち山形部1において、その膨出部1aが嵌合隅角部1a11,1a11箇所が括れ状となっているものである。各被嵌合膨出条1a1 の断面形状は、ほぼ「く」字形状(「逆く」字形状も含む)に形成されている。そして、その膨出部1aの裏面側が受金具19によって嵌合固定される。また、折板屋根板A1 の幅方向両側部分の山形部1,1は、共に半山形状に形成されている。
【0010】
具体的には、折板屋根板A1 の幅方向の一方側の山形部1の膨出部1aの幅方向両側に被嵌合膨出条1a1 ,1a1 が形成され、他方側の膨出部1aには幅方向の片側にのみ被嵌合膨出条1a1 が形成されている。そして、前述したように、その半山形状とした山形部1,1同士が重合される。その重合状態において、図13(A)に示すように、下側に位置する山形部1と上側に位置する山形部1のそれぞれの被嵌合膨出条1a1 ,1a1 同士が嵌合することにより、重合された山形部1,1同士は相互に固定される。このようにして、折板屋根板A1 ,A1 により構成された折板屋根Aは、その山形部1が長手方向に沿って勾配を有することもある。この場合には、折板屋根Aの傾斜する方向の上方を水上側と称し、傾斜する方向の下側を水下側と称する。
【0011】
次に、第1実施形態における溝板3は、図1,図6,図7に示すように、底面部3aの幅方向両側に立上り側部3b,3bが形成されたものであり、該立上り側部3b,3bは、前記底面部3aに対してほぼ直角状に形成されている。また、前記立上り側部3bは、その頂部箇所に外方へ折返し部が形成されている。該溝板3は、図1に示すように、その長手方向すなわち幅方向に直交する方向が長尺に形成されている。
【0012】
その溝板3は、具体的には、幅方向の寸法がほぼ400mm程度で長さがほぼ4乃至5m程度である。実際には、その幅方向の寸法が415mmに形成されている。しかし、溝板3は、これらの寸法に限定されるものではなく、使用される状況に応じて寸法は適宜設定されるものである。また、溝板3の底面部3a及び立上り側部3b,3bには、被覆シート部3rが貼着され、ほぼ樹脂コーティング状態に形成されることもある。この被覆シート部3rは、後述するが熱融着可能な素材からなるものである。また、この溝板3は、前記折板屋根Aに対して、後述する支持具Bにより固定される。また、前記立上り側部3bには、その長手方向に沿って多数の排水孔が形成されることもある。該排水孔は、溝板3内に溜まった水を排出するものであり、該溝板3内に水が溜まるの防止し、ひいては根腐れ等を防止するものである。この溝板3は、その表面に後述する被覆シート部3rが貼着されることもある。
【0013】
次に、支持具Bは、金属材からなり、図1,図5に示すように、溝板支持部5と取付脚部6,6とから構成されている。前記溝板支持部5は、平坦状に形成され、前記溝板3の底面部3aの幅方向端部箇所が安定した状態で載置される。さらに、前記溝板支持部5の前後方向両側箇所には、ガイド爪片5a,5aが形成されている。該ガイド爪片5a,5aは、溝板支持部5の前後方向端縁箇所を部分的に切除し、正面より見てほぼ「ハ」字形状となるように、鞍状に折り曲げられたものである。そして、両ガイド爪片5a,5aにて前記山形部1の膨出部1aの頂部箇所を抱持しつつ、前記ガイド爪片5a,5aが跨ぐようにして設置される。
【0014】
前記取付脚部6,6は、前記溝板支持部5の幅方向両側から内方下向きに傾斜状に形成され、両取付脚部6,6の下端には、嵌合屈曲端縁6a,6aが形成されている。該嵌合屈曲端縁6a,6aは、内方に突出するように、断面ほぼ「く」字形状(「逆く」字形状も含む)に形成されている。そして、その嵌合屈曲端縁6a,6aが、図3,図4に示すように、前記山形部1の両被嵌合膨出条1a1 ,1a1 の下端に形成された嵌合隅角部1a11,1a11に食い込むように嵌合し、支持具Bが山形部1の頂面箇所に固着される。このとき、両取付脚部6,6の弾性力により、嵌合屈曲端縁6a,6aは被嵌合膨出条1a1 ,1a1 の嵌合隅角部1a11,1a11に押圧力を有して強固に固定されるものである。
【0015】
次に、固定部材Cは、図5(A)に示すように、前記支持具Bの溝板支持部5上に前記溝板3を固定する部材である。その固定部材Cは、固定用螺子部材9と連結部材10とから構成され、その固定用螺子部材9は、前記溝板支持部5上に植設されている。すなわち、前記溝板支持部5上にほぼ垂直状に固着される。前記固定用螺子部材9は、螺子軸9a及びナット等の締付具9bから構成されるものである。その螺子軸9aは、前記溝板支持部5に対して、溶接,圧入,カシメ等の種々の固着手段により固着されるものである。
【0016】
また、前記螺子軸9aが支持具Bに固着されず、別材として分離したものであれば、ボルト等が使用されることもある。前記連結部材10は、図5,図6に示すように、断面ほぼハット形状に形成されたもので、図4に示すように、隣接する前記溝板3,3同士を前記支持具Bの溝板支持部5上で連結する役目をなす部材である。具体的には、断面ほぼ門形状とした連結部10aと底面部押え部10b,10bとからなり、前記連結部10aは、上面10a1 の幅方向両側から側片10a2 ,10a2 が形成されている。
【0017】
その両側片10a2 ,10a2 の下端から外方に向けて平坦且つ水平状の底面部押え部10b,10bが形成されている。該底面部押え部10b,10bは、後述するように、前記溝板3の底面部3aの幅方向端部箇所を前記支持具Bの溝板支持部5に押さえ付ける役目をなすものである。この連結部材10は、長手方向に長尺物であり、前記溝板3の長手方向に対してその長さがほぼ等しく形成される。前記上面10a1 には、その長手方向に沿って複数の貫通孔10a3 ,10a3 ,…が形成されている。各貫通孔10a3 は、支持具Bの前記固定用螺子部材9が貫通する部位である。そして、前記連結部材10は、図5に示すように、その貫通孔10a3 に前記支持具Bの固定用螺子部材9の螺子軸9aが貫通し、固定用のナット等の締付具9bにて締め付けられ、図4に示すように、前記支持具Bの溝板支持部5上に固定される。
【0018】
次に、マット押え部材11は、図2に示すように、押え板部11aに貫通孔11bが形成されたものである。前記押え板部11aは、具体的には、円板状をなし、その一側面で溝板3に載置された栽培部15を押さえつけるようにして、固定するものである。そして、前記マット押え部材11は、前記栽培部15を被覆する保護ネット16を固定する役目もなしている。具体的には、前記固定用螺子部材9の螺子軸9aを保護ネット16に通過させ、前記マット押え部材11を装着し、保護ネット16を栽培部15上に被覆するものである。
【0019】
次に、栽培層を構成する栽培部15において植栽マット材としたものでは、繊維質の材質から構成され、平面的に見て略正方形或いは長方形の偏平布団状に形成されたものであり、植物が成長して行くものである。また、栽培部15は、繊維質以外のもので木質のものや石質のものであっても構わない。また、前記溝板3に配列された栽培部15,15,…には、保護ネット16が被覆状に被せられることもある。該保護ネット16は、繊維質から形成されたものや、ナイロン等の合成樹脂や、或いは金属製のものであってもよい。また、散水管18は、その長手方向に沿って多数の散水孔が形成され、栽培部15に適当な量の水を与えるものである。
【0020】
次に、第1実施形態の施工について図6,図7に基づいて説明する。まず、図6(A)に示すように、折板屋根Aを構成する複数の折板屋根板A1 ,A1 ,…の山形部1の頂部に支持具Bが装着される。該支持具Bは、その取付脚部6,6を前記山形部1の膨出部1a上に被せて、その支持具Bを押さえ付けるようにして嵌合屈曲端縁6a,6aを膨出部1aの両被嵌合膨出条1a1 ,1a1 に嵌合させる。そして、山形部1の長手方向に沿って複数の支持具B,B,…が所定間隔をおいて装着されてゆく。
【0021】
次に、支持具B,B間に溝板3が載置される。次に、図6(B)に示すようにそれぞれの支持具Bの溝板支持部5上で隣接する溝板3,3の対向する立上り側部3b,3bを跨ぐようにして連結部材10が配置される。前記溝板支持部5上に植設された固定用螺子部材9の螺子軸9aとナット等の締付具9bにて固着される。次に、前記各溝板3,3,…には、図7(A)に示すように、栽培部15,15,…が敷設されてゆく。次に、前記マット押え部材11の押え板部11aにて前記溝板3に敷設された栽培部15,15,…を押さえるとともに、そのマット押え部材11は、図7(B)に示すように、前記支持具Bの固定用螺子部材9の螺子軸9aにナット等の締付具9bで固着され、そのマット押え部材11により栽培部15の端部が押さえ付けられるものである。
【0022】
さらに、前記溝板3に敷設された栽培部15,15,…は、保護ネット16により被覆される。この保護ネット16は、図2,図3(B)に示すように、前記マット押え部材11により装着される。また、栽培部15,15,…には、散水管18が配置され、該散水管18から栽培部15,15,…に水分又は栄養分を供給することができる。上記溝板3に配置される栽培部15は、植栽マット材,人工マット材等が好適であるが、その溝板3に土を直接入れてもよい。特に土を溝板3に直接、入れる場合には、土が雨や風等にて流されないように、ある程度固めるようにすることが好ましい。
【0023】
次に、本発明の第2実施形態について、図7乃至図12に基づいて説明する。ここで、第2実施形態における折板屋根Aは、第1実施形態における折板屋根Aと同等構造であり、その説明は第1実施形態にて説明しているので、ここでは省略する。この第2実施形態における溝板3は、図12(A),(B),(C)に示すように、平坦状の底面部3aの幅方向両側端に立上り側部3b,3bが形成されている。ここで、第2実施の形態において、両立上り側部3b,3bは、その溝板3の幅方向の一方側に形成される立上り側部3bを「一方側の立上り側部3b」と称する。また、前記一方側の立上り側部3bと反対側に位置する立上り側部3bを「他方側の立上り側部3b」と称する。なお、両立上り側部3b,3bを一方側と他方側と称するのは、両立上り側部3b,3bを任意に区別するために与えられた名称であり、この一方側と他方側とを入れ代えて定義してもかまわない。
【0024】
特に、前記折板屋根Aが棟側から軒先に傾斜角度θの勾配を有する場合には、折板屋根Aに装着される溝板3において、一方側の立上り側部3bは、傾斜上方における、水上側の立上り側部3bとなり、また他方側の立上り側部3bは、傾斜下方における水下側の立上り側部3bとなる。またここで、溝板3における水下側と水上側については、勾配の傾斜方向における下方側を水下側とし、傾斜方向上方側を水上側とする。
【0025】
したがって、前記水上側の立上り側部3bは、溝板3の水上側に形成され、水下側の立上り側部3bは、溝板3の水下側に形成されるものである。その水下側の立上り側部3b及び水上側の立上り側部3bは、前記底面部3aに対して略直角であり、その上下方向の頂部箇所が折返し頂部となっている。また、水下側の立上り側部3bは、図12(B)に示すように、その断面形状が略逆U字形状に形成されている。また、図12(C)に示すように、前記水上側の立上り側部3bは、略密着状とした略逆U字形状の折畳み状に形成されたものである。
【0026】
さらに、前記水下側の立上り側部3bの外端縁には水平縁3b1 が形成されており、水上側の立上り側部3bの外端縁には取付縁3b2 が外方に向かって形成されている。まず前記水平縁3b1 は、前記水下側の立上り側部3bの外端から略直角状で、前記底面部3aとは略同一面となるようにして形成されている。さらに、水下側の水平縁3b1 の外端箇所は、下方に向かって僅かな傾斜角度とした、屈曲端縁3b11が形成されることもある。前記水上側の立上り側部3bは、水下側の立上り側部3bよりも低く形成される。具体的には、水上側の立上り側部3bは、水下側の立上り側部3bに対してその高さの略半分程度に形成されている。
【0027】
次に、前記取付縁3b2 は、前記水上側の立上り側部3bの外端縁から、該水上側の立上り側部3bに略直角となるように外方に向かって形成されたものである。前記取付縁3b2 は、前記底面部3aを形成する板材が適宜に折り返されることにより形成されるものであり、具体的には、前記底面部3aの幅方向端部箇所が一旦、上面側に折り返され、さらにその折り返された部分の内方側がほぼ直角に屈曲され、その屈曲部分の上端が外方に折り返されて立上り側部3b及び取付縁3b2 が形成されることになる。
【0028】
さらに、溝板3の幅方向略中央箇所には、中央立上り側部3cが形成されることもある。該中央立上り側部3cは、前記一方側(水下側)の立上り側部3bと他方側(水上側)の立上り側部3bとの間に位置するもので、前記水下側の立上り側部3bと略同一高さに形成され、且つその断面形状は略逆U字形状に形成されている。これによって、一つの溝板3のみで、2以上の立上り側部3b,3b,…を有することとなり、該立上り側部3b,3b,…により区画される箇所が多くなり、栽培部15,15,…を安定した状態で支持することができ、緑化屋根の施工効率を格段と向上させることができ、良質な緑化屋根とすることができる。
【0029】
次に、第2実施形態における固定部材Cは、図10(B),図12(D)に示すように、吊子12と固着具13とからなる。該吊子12は、取付部12aと係止部12bとからなり、取付部12aと係止部12bとで断面略「L」字形状に形成されている。その取付部12aは取付基部12a1 及び垂直状部12a2 とから構成されている。その取付基部12a1 は、略平板状をなし、前記溝板3の取付縁3b2 上に配置される。その取付基部12a1 には、ドリルビス,リベット等の固着具13用の貫通孔12a3 が穿孔されることもある。また、固着具13は、その頭部が偏平円板形状であることが好適である。
【0030】
前記垂直状部12a2 は、前記取付基部12a1 から略直角に立上り形成されたものである。該垂直状部12a2 の上端に係止部12bが形成されている。該係止部12bは、略管状に形成されたものであり、具体的には、前記垂直状部12a2 の上端箇所が断面略円形状に屈曲形成されたものである。また、係止部12bは、前記垂直状部12a2 とは別部材として管部材を溶接手段等により固着したものであってもかまわない。その係止部12bは、前記溝板3の水下側の立上り側部3b及び中央立上り側部3cが係止される部位である。
【0031】
次に、ジョイント部材14は、図8(B),図11に示すように、二つの主挟持部14a,副挟持部14b及び締付具14cとから構成されたものである。その一対の主挟持部14a,副挟持部14bが前記水下側の立上り側部3b及び中央立上り側部3cの頂部箇所に装着されるものである。主挟持部14a,副挟持部14bの下端は、それぞれ断面略円弧状とした挟持端縁14a1 ,挟持端縁14b1 が形成されている。
【0032】
そして、前記主挟持部14aの上方には断面略逆J字形状のフック部14a2 が形成されている。該フック部14a2 は、図8(A),(B)に示すように、保護ネット16を係止する役目をなす。その主挟持部14aと副挟持部14bとの挟持端縁14a1 ,挟持端縁14b1 により前記水下側の立上り側部3b及び中央立上り側部3cの頂部箇所を挟持する状態にして配置され、両主挟持部14aと副挟持部14bとが前記締付具14cにより固定される。具体的には、前記主挟持部14aと副挟持部14bとにそれぞれ貫通孔14d,14dが形成され、該貫通孔14d,14dにボルト・ナット等からなる締付具14cにより締め付けられ、ジョイント部材14が各立上り側部3b,3b,…上に固定されるものである。
【0033】
次に、第2実施形態の緑化屋根の施工について図10に基づいて述べる。まず、支持具Bの折板屋根Aへの装着は、前述の第1実施形態と同様に、折板屋根Aの膨出部1aの被嵌合膨出条1a1 ,1a1 に支持具Bの取付脚部6,6が嵌合されることにより、支持具Bが折板屋根Aの膨出部1aに固定される。このようにして複数の支持具B,B,…が山形部1の長手方向に沿って所定間隔をおいて装着される。次に、隣接する支持具B,B間に溝板3が配置される。
【0034】
まず、溝板3の他方側の立上り側部3b(水下側の立上り側部3b)が折板屋根Aの水下側に位置し、溝板3の一方側の立上り側部3b(水上側の立上り側部3b)が折板屋根Aの水上側に位置する。その溝板3の取付縁3b2 上に吊子12の取付基部12a1 が載置され、ドリルビス,リベット等の固着具13を介して折板屋根Aに固着される。このとき、前記吊子12の垂直状部12a2 は、前記一方側の立上り側部3bと略密着又は近接状態となる〔図10(A),(B)参照〕。また、前記係止部12bは、前記水上側の立上り側部3bの上端より上方に位置することになる。また、前記固着具13は、折板屋根Aを貫通又は当接しないようにする。ここで、上記括弧内の文字は、折板屋根Aに勾配が設けられている場合の位置関係を示している。
【0035】
次に、前記一方側の立上り側部3bの上方から次位の溝板3の断面ほぼU字形状の立上り側部3bが被せられ重合される〔図10(C)参照〕。このときには、断面ほぼU字形状の立上り側部3bの両片が、前記一方側の立上り側部3bと,吊子12の垂直状部12a2 とを挟持する構成となる。そして、前記他方側の立上り側部3bの頂部箇所の裏面が前記係止部12bに当接した状態で、前記他方側の立上り側部3bの頂部箇所を、前記係止部12bの外周形状に沿って略同一形状となるようにして締め付けて係止するものである〔図10(D)参照〕。さらに、隣接する次位の溝板3の水平縁3b1 は、前位の溝板3の底面部3aに当接し、さらに屈曲端縁が底面部3aに押圧状態となり、溝板3,3同士の連結を良好にしている。
【0036】
このようにすることで、他方側の立上り側部3bの頂部箇所は長手方向に沿って前記係止部12bの範囲において、管形状に形成されることになる。また、中央立上り側部3cにおいては、前記吊子12の取付基部12a1 が支持具Bの溝板支持部5上にドリルビス,リベット等の固着具13或いは溶接手段等にて直接固着され、前記他方側の立上り側部3bと同様に中央立上り側部3cの頂部箇所が係止部12bに締め付けられて係止されるものである。これを順次繰り返して屋根が形成される。上記溝板3の一方側,他方側の立上り側部3b,3b及び中央立上り側部3c等は、折板屋根Aの水下側から水上側に向かって、略等間隔となるように配置され、且つ立上り側部3b,3b,…は、折板屋根Aの山形部1の長手方向に対して直交(略直交も含む)する構造となる。その立上り側部3b,3b間の底面部3a上に前記栽培部15が配置されてゆく。
【0037】
これによって、折板屋根A上に配置された溝板3,3,…は、各立上り側部3b,3b,…により適正量の水分を確保するとともに、前記栽培部15に常時水を供給することができる。次に、前記立上り側部3b,3b,…の頂部箇所には、図8(B),図11等に示すように、ジョイント部材14,14,…が装着され、該ジョイント部材14を介して、保護ネット16が前記栽培部15を被覆して保護する。
【0038】
なお、前記溝板3は、図12(A),(B),(C)に示すように、金属薄板材に熱融着可能な合成樹脂からなる被覆シート部3rが被覆されることもある。その被覆シート部3rは、前述したように、合成樹脂からなるものであり、その材質としては例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマー等を主成分とした合成樹脂等である。その厚さは、0.1mm乃至1mmの範囲であり、さらに好ましくは0.2mm程度とすることが多い。
【0039】
さらに、被覆シート部3rは、耐久性のあるものが好適である。また、溶融する温度の設定も材質により種々異なるが、建設用材Aの使用条件に適応するように設定されることが好ましい。また、被覆シート部3rは、紫外線又は汚染空気に対して強いもので耐候性に優れた材質であり、且つ破断,膨れ或いはひび割れ等が起きにくい性質のものが好ましい。上記の条件を満たす具体的な材質として好適なるものには、エチレンプロピレンを主成分とした合成高分子ゴム材等が存在する。
【0040】
上記実施形態の溝板3,3同士において立上り側部3b,3b同士の重合箇所では、上方側に位置する取付縁3b2 と下方に位置する底面部3aのシート部同士が熱融着又は樹脂溶接されて、水密的な接合が行われるものであり、さらに防水性を高めることができる。また、両立上り側部3b,3b同士の樹脂溶接接合において、接合シート材20が使用され、該接合シート材20を両立上り側部3b,3b間に配置し、その接合シート材20をそれぞれの被覆シート部3rに熱融着することもある。
【0041】
本発明では上述したように、溝板3の底面部3aに適宜の間隔をおいて複数の立上り側部3b,3b,…が平行状に形成され、傾斜角度θとして勾配を有する。前記立上り側部3b,3b,…の長手方向は前記折板屋根Aの傾斜方向(又は山形部1の長手方向)に対して略直交するものとし、前記底面部3aには栽培部15が配置されることにより、屋根上面にて種々の植物,作物等の栽培を行うことができ、植物に補給するための水分を十分に確保することができ、且つ維持,管理も簡単にできるものである。
【0042】
なお、前記折板屋根Aにおいては、上述したように、隣接する折板屋根板A1 ,A1 の膨出部1a,1a同士を嵌合させて、折板屋根板A1 ,A1 を連結して折板屋根Aを施工するタイプの他に、種々のタイプの折板屋根Aが存在する。その折板屋根Aは、折板屋根板A1 ,A1 同士の連結を馳締によって行う馳締タイプのものであって、図14(A),図15(A)等に示すように、折板屋根Aが馳締タイプとしたものに適用されるものである。
【0043】
馳締タイプとした折板屋根板A1 は、図16(B)に示すように、幅方向の一端側の山形部1の頂部には、下馳部1bが形成され、他方の山形部1の頂部には上馳部1cが形成されている。そして、図15(A)に示すように、幅方向に隣接する折板屋根板A1 ,A1 の対向する下馳部1bと上馳部1cとが受金具19に装着された折板用吊子21とともに、馳折り状態で連結されるものである。図示された下馳部1b及び上馳部1cは、丸馳形状であるが、その他に角馳形状のものも存在する。
【0044】
また、この馳締めタイプの折板屋根Aに適応する支持具Bは、図4乃至図6等に示すように、前述したように溝板支持部5と取付脚部6,6とから構成されているものであるが、取付脚部6,6は、ほぼ平行に形成され、いずれか一方の取付脚部6の下端から内方上向きの傾斜状に係止屈曲片6bが形成されている。また、他方側の取付脚部6には、螺子孔6cが形成され、該螺子孔6cに螺合するビス,ボルト等の締付用螺子8が装着されている。前記溝板支持部5には固定用螺子部材9の螺子軸9aが植設、すなわち前記溝板支持部5上にほぼ垂直状に固着される。
【0045】
その両取付脚部6,6が前記折板屋根Aの下馳部1bと上馳部1cとの馳締連結部を挟持するようにして、山形部1の頂部に載置される。そして、図15(A)に示すように、支持具B側から前記取付脚部6に装着された締付用螺子8が締め付けられることにより、係止屈曲片6b先端と締付用螺子8先端とで馳締連結部への下部付根付近が挟持状態に固着されるものである。また、前記取付脚部6,6の下端は、山形部1の頂部平坦面に当接する状態となって安定させることができる。その支持具Bの溝板支持部5上への溝板3,栽培部15,15,…,等の緑化屋根を構成する部材の取付は、図15(B),図16(A)に示すように、前述した第1,第2実施形態とほぼ同様の構造となる。また馳締タイプの折板屋根板A1 にも被覆シート部3rが貼着されることもある。
【0046】
次に、折板屋根Aの別のタイプとしては、図17(A),図18(B)に示すように、折板屋根板A1 とキャップ材1eとから構成される嵌合キャップタイプとしたものである。嵌合キャップタイプとした折板屋根板A1 は、図19(B)に示すように、幅方向両側の山形部1は、半山形に形成され、それぞれの山形部1の頂部には被嵌合屈曲部1dが形成されている。そして、隣接する折板屋根板A1 ,A1 の対向する両被嵌合屈曲部1d,1dにキャップ材1eが嵌合状態で被せられるものである。
【0047】
そのキャップ材1eは、図18(A),図19(B)に示すように、冠状部1e1 と嵌合屈曲片1e2 ,1e2 から構成されており、該嵌合屈曲片1e2 ,1e2 が形成され、該嵌合屈曲片1e2 ,1e2 は前記被嵌合屈曲部1d,1dに嵌合するようになっている。また、両折板屋根板A1 ,A1 ,…の対向する被嵌合屈曲部1d,1d間には、折板用吊子21が受金具19とともに設置されている。
【0048】
このタイプの折板屋根Aに適応する支持具Bは、図17(B),図18(A)等に示すように、その両取付脚部6,6に、該両取付脚部6,6が相互に近接するように押圧する締付用螺子8が装着されたものである。また両取付脚部6,6の下端には、それぞれ嵌合突片6d,6dが形成されている。そして、前記締付用螺子8を締め付けることにより、嵌合突片6d,6dがキャップ材1eの嵌合屈曲片1e2 ,1e2 に嵌合状態で固定するものである。この支持具Bの溝板支持部5上への溝板3,栽培部15,15,…,等の緑化屋根を構成する部材の取付は、図18(B),図19(A)に示すように、前述した第1,第2実施形態とほぼ同様の構造となる。また嵌合キャップタイプの折板屋根板A1 及びキャップ材1eにも被覆シート部3rが貼着されることもある。
【0049】
なお、本発明の緑化屋根は、その折板屋根Aの代わりとして、図20(A)に示すように、瓦棒葺屋根Dへも応用することができる。その瓦棒葺屋根Dは、瓦棒屋根板材22,瓦棒キャップ材23及び瓦棒吊子24から構成されている。その瓦棒屋根板材22は、主板22aの幅方向両側に立上片22b,22bが形成されている。そして、隣接する瓦棒屋根板材22,22間に瓦棒吊子24が配置され、該瓦棒吊子24箇所に瓦棒キャップ材23が被せられ、その対向する両立上片22b,22bと瓦棒キャップ材23の幅方向両側箇所とが馳締め状態で固着されている。
【0050】
この瓦棒葺屋根Dに適応する支持具Bは、図20(A),(B)に示すように、溝板支持部5の幅方向両側に取付脚部6,6が形成されたものであるが、該両取付脚部6,6が締付用螺子8にて相互に近接するようになっている。また、支持具Bには、安定部材25が装着されている。該安定部材25は、支持具Bが瓦棒部に対して安定した装着状態を維持する役目をなすもので、板状体のものであり、その幅方向両側箇所が瓦棒部の幅方向両側に形成された両馳締部上に載置されるようになっておいる。その安定部材25は前記締付用螺子8に可動自在に連結されている。この支持具Bの溝板支持部5上への溝板3,栽培部15,15,…,等の緑化屋根を構成する部材の取付は、図20(B),図21に示すように、前述した第1,第2実施形態とほぼ同様の構造となる。
【0051】
【発明の効果】
請求項1の発明は、山形部1が所定間隔をおいて連続形成された折板屋根Aと、溝板支持部5の幅方向両側に取付脚部6が形成され,前記折板屋根Aの山形部1頂部箇所に装着する支持具Bと、底面部3aの幅方向両側に立上り側部3bが形成されてなる溝板3と、該溝板3を前記溝板支持部5上に固定する固定部材Cとからなり、前記山形部1に固定された複数の支持具B間に溝板3が前記山形部1の長手方向に直交するようにして配置され,且つ前記固定部材Cにて固定され、それぞれの溝板3には栽培部15が敷設され、前記固定部材Cは係止部を有する吊子12とし、前記溝板3は、一方側の立上り側部3bの外側に取付縁3bが形成され、他方側の立上り側部3bを断面ほぼ逆U字形状とし、前記吊子12が前記取付縁3bとともに前記溝板支持部5上に固着され、その立上り側部3bに次位の溝板3の断面逆U字形状とした立上り側部3bが重合され且つ前記吊子12の係止部12bに係止固着されてなる緑化屋根としたことにより、前記折板屋根が新設,既設を問わず、緑化することができ、且つ極めて強固な構造にすることができる等の効果を奏する。
【0052】
上記効果を詳述すると、折板屋根Aの山形部1の長手方向と溝板3の長手方向とがほぼ直交するようにして緑化屋根が構成されるのである。それゆえに、その折板屋根Aが既設又は新設を問わず、簡易に緑化屋根を施工することができる。特に、既設屋根を緑化することは、従来では面倒であったが、比較的少ない構成部材と、簡単な施工にて緑化することができる。また本発明の緑化屋根は、前述したように、折板屋根Aの山形部1の長手方向と溝板3の長手方向とがほぼ直交するように構成しているので構造的に強固なる2層タイプの屋根とすることができるものである。
【0053】
さらに、前記固定部材Cは係止部12bを有する吊子12とし、前記溝板3は、一方側の立上り側部3bの外側に取付縁3b2 が形成され、他方側の立上り部3bを断面ほぼ逆U字形状とし、前記吊子12が前記取付縁3b2 とともに前記溝板支持部5上に固着され、その立上り部3bに次位の溝板3の断面逆U字形状とした立上り側部3bが重合され且つ前記吊子12の係止部12bに係止固着されてなる緑化屋根としたことにより、特に防水性に優れた緑化屋根にすることができる。
【0054】
上記効果を詳述すると、支持具B上で隣接する溝板3,3の連結構造は、溝板3の一方側の立上り側部3b上に、隣接する次位の溝板3の他方側の断面逆U字形状とした立上り側部3bが被せられるようにして重合されるもので、水が溝板3の裏面側に漏れ出しにくい構造となっている。また、断面ほぼ逆U字形状に形成された立上り側部3bは、前記吊子12の係止部12bに被せるようにして、立上り側部3bの外側より係止部12b箇所を押圧することにより係止固定されるので、施工が簡単であり、また立上り側部3bに固定用の貫通孔等を穿孔することもなく、水漏れがほとんど生じない確実な仕上げ状態にすることができる利点もある。
【0055】
請求項2の発明は、幅方向両側に膨出する膨出部1aを有する山形部1が所定間隔をおいて連続形成された折板屋根Aと、溝板支持部5の幅方向両側に前記膨出部1aに嵌合する取付脚部6が形成されてなる支持具Bと、底面部3aの幅方向両側に立上り側部3bが形成されてなる溝板3と、該溝板3を前記溝板支持部5上に固定する固定部材Cとからなり、前記膨出部の長手方向に嵌合固定された複数の支持具B間に溝板3が前記山形部1の長手方向に直交するようにして配置され,且つ前記固定部材Cにて固定され、それぞれの溝板3には栽培部15が敷設され、前記固定部材Cは係止部を有する吊子12とし、前記溝板3は、一方側の立上り側部3bの外側に取付縁3bが形成され、他方側の立上り側部3bを断面ほぼ逆U字形状とし、前記吊子12が前記取付縁3bとともに前記溝板支持部5上に固着され、その立上り側部3bに次位の溝板3の断面逆U字形状とした立上り側部3bが重合され且つ前記吊子12の係止部12bに係止固着されてなる緑化屋根としたことにより、その折板屋根Aが既設又は新設を問わず、その折板屋根Aを極めて簡単且つ迅速に緑化屋根とすることができるし、緑化屋根化の施工において折板屋根Aになんら加工する必要がなく、さらに折板屋根Aに断熱性を有するものにできる等の効果を奏する。
【0056】
上記効果を詳述すると、その折板屋根Aは、幅方向両側に膨出する膨出部1aを上方に有する複数の山形部1,1,…が所定間隔で連続形成されたものである。また支持具Bは、溝板支持部5の幅方向両側に取付脚部6,6が形成されたものであり、該取付脚部6,6を前記折板屋根Aの膨出部1aに嵌合することができるようになっている。
【0057】
その支持具Bに溝板3を装着し、栽培部15を配置するものであり、前記折板屋根A上への溝板3の施工は、前述したように、支持具Bの取付脚部6,6を折板屋根Aの膨出部1aに嵌合するのみでよく、折板屋根A側にはなんら加工することなく、溝板3を配置してゆくことができ、ひいては、極めて簡単に緑化屋根のベースを築くことができる。さらに、折板屋根Aの上方に溝板3を介して緑化屋根のベースが施工されるので、折板屋根Aと溝板3とともに、ほぼ2層状態に屋根とすることができ、をの折板屋根Aと溝板3との間に空間が形成され、断熱性を有することができる。
【0058】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記折板屋根Aは、山形部1の長手方向に沿って勾配を有するものである緑化屋根としたことにより、溝板3には幅方向に沿って勾配が設けられることになり、それぞれの溝板3,3,…の立上り側部3b,3b側寄りには適当な量の水を溜めることができ、栽培部15に適正量の水分を与えることができるものである。また、立上り側部3b,3b側寄りには適当な量の水が溜めるもので、決して多めに水分が溜まることなく、栽培部15の植設された植物が根腐れするようなことも防止できる。
【0059】
請求項4の発明は、請求項1,2又は3において、前記溝板3上に敷設された栽培部15には、保護ネット16が被覆されてなる緑化屋根としたことにより、栽培部15が保護ネット16により保護され、強風や地震等により、溝板3からの位置ずれや、脱落等の損害を防止することができるものである。
【0060】
請求項5の発明は、請求項1,2,3又は4において、前記溝板3には、熱融着性を有する被覆シート部3rが貼着され、その隣接する溝板3,3の連結箇所にて前記被覆シート部3r,3r同士が樹脂溶接されてなる緑化屋根としたことにより、隣接する溝板3,3同士の連結箇所を極めて水密性の高いものにできる。
【0061】
また、前述の構成において、前記固定部材Cは、前記支持具B,B間に配置され、溝板支持部5上で対向する溝板3,3の立上り部3b,3bを抱持する断面ほぼ門形状の連結部材10と,該連結部材10を前記溝板支持部5に固定する固定用螺子部材9とからなることにより、支持具Bの溝板支持部5上に隣接する溝板3,3,…を固定する作業を簡単且つ迅速に行うことができる。
【0062】
すなわち、支持具B上で隣接する溝板3,3の対向する立上り側部3b,3bを断面ほぼ門形状に形成した連結部材10を被せるようにして抱持し、且つ支持具B上に植設された固定用螺子部材9を介して前記連結部材10をナット等の締付具9bにて固定するのみで、隣接する溝板3,3を固定することができる。この施工では、支持具Bは折板屋根Aの膨出部1aに嵌合式で固着することができることにより、折板屋根A側には何ら加工する必要がない。また、折板屋根A上における溝板3,3,…の施工では、固定用螺子部材9に締付具9bを締め付けるのみで簡単且つ迅速にできるものである。
【0063】
さらに、前述の構成において、前記溝板3上に配置された栽培部15を前記固定用螺子部材9を介して押さえ付けるマット押え部材11が設けられることによれば、極めて簡単なる構造にて栽培部15を溝板3に固定することができるとともに、保護ネット16の装着も極めて簡単且つ効率的にできる。
【0064】
上記について、前記マット押え部材11は、薄板状で前記固定用螺子部材9が貫通する貫通孔11bが形成されたものであり、その貫通孔11bに前記固定用螺子部材9の螺子軸9aを貫通するようにしてマット押え部材11を装着し、締付具9bにて締め付けることで、栽培部15の端部箇所表面を押え付けることができる。さらに、そのマット押え部材11の下面側で保護ネット16を押さえ付けることで、該保護ネット16の装着も同時にでき、作業効率も向上する。このように、栽培部15が植栽マット材等の人工材である場合には、この栽培部15,15,…を押さえ付ける役目をなすものとしてマット押え部材11は、極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の斜視図
【図2】 (A)は第1実施形態の要部拡大斜視図
(B)は(A)の縦断側面図
【図3】 (A)は第1実施形態の縦断正面略示図
(B)は(A)の要部拡大図
【図4】 (A)は第1実施形態における山形部の膨出部に支持具を装着した斜視図
(B)は支持具上に溝板及び連結部材を配置した斜視図
【図5】 (A)は第1実施形態における固定部材の一部断面にした分解図
(B)は第1実施形態における支持具の斜視図
【図6】 (A)は折板屋根上に支持具を介して溝板を配置する工程図
(B)は隣接する溝板間に連結部材を配置する工程図
【図7】 (A)は溝板上に栽培部を配置する工程図
(B)は栽培部をマット押え部材にて固定する工程図
【図8】 (A)は第2実施形態における斜視図
(B)は第2実施形態の要部拡大縦断側面図
【図9】 (A)は第2実施形態における溝板を折板屋根上に装着した要部拡大斜視図
(B)は(A)の要部縦断側面図
【図10】 (A)は支持具上に吊子を取り付ける状態の工程図
(B)は吊子上に溝板の立上り側部箇所を装着する工程図
(C)は吊子上に溝板の立上り側部箇所を装着完了した工程図
(D)は吊子上に溝板の立上り側部を締付完了した状態の工程図
【図11】 第2実施形態における要部拡大斜視図
【図12】 (A)は第2実施形態における溝板の斜視図
(B)は(A)の要部の拡大縦断正面図
(C)は(A)の要部の拡大縦断正面図
(D)は吊子の斜視図
【図13】 (A)は折板屋根板の略示正面図
(B)は折板屋根板同士の連結箇所の拡大縦断正面図
【図14】 (A)は第1実施形態において折板屋根を馳締タイプとした縦断正面略示図
(B)は馳締タイプの折板屋根に支持具及び溝板を装着した状態の斜視図
【図15】 (A)は第1実施形態において折板屋根を馳締タイプとした要部拡大縦断正面図
(B)は(A)の縦断側面図
【図16】 (A)は第2実施形態において折板屋根を馳締タイプとした要部拡大縦断側面図
(B)は馳締タイプとした折板屋根板の略示正面図
【図17】 (A)は第1実施形態において折板屋根を嵌合キャップタイプとした縦断正面略示図
(B)は嵌合キャップタイプの折板屋根に適応する支持具の斜視図
【図18】 (A)は第1実施形態において折板屋根を嵌合キャップタイプとした要部拡大縦断正面図
(B)は(A)の縦断側面図
【図19】 (A)は第2実施形態において折板屋根を嵌合キャップタイプとした要部拡大縦断側面図
(B)は嵌合キャップタイプとした折板屋根板とキャップ材の略示正面図
【図20】 (A)は第1実施形態において折板屋根のかわりに瓦棒葺屋根とした要部拡大縦断正面図
(B)は瓦棒葺屋根に適応する支持具の斜視図
【図21】 第2実施形態において折板屋根のかわりに瓦棒葺屋根とした要部拡大縦断側面図
【符号の説明】
A…折板屋根
B…支持具
C…固定部材
1…山形部
1a…膨出部
3…溝板
3a…底面部
3b…立上り側部
3b2 …取付縁
3r…被覆シート部
5…溝板支持部
6…取付脚部
9…固定用螺子部材
10…連結部材
11…マット押え部材
12…吊子
12b…係止部
15…栽培部
16…保護ネット

Claims (5)

  1. 山形部が所定間隔をおいて連続形成された折板屋根と、溝板支持部の幅方向両側に取付脚部が形成され,前記折板屋根の山形部頂部箇所に装着する支持具と、底面部の幅方向両側に立上り側部が形成されてなる溝板と、該溝板を前記溝板支持部上に固定する固定部材とからなり、前記山形部に固定された複数の支持具間に溝板が前記山形部の長手方向に直交するようにして配置され,且つ前記固定部材にて固定され、それぞれの溝板には栽培部が敷設され、前記固定部材は係止部を有する吊子とし、前記溝板は、一方側の立上り側部の外側に取付縁が形成され、他方側の立上り側部を断面ほぼ逆U字形状とし、前記吊子が前記取付縁とともに前記溝板支持部上に固着され、その立上り側部に次位の溝板の断面逆U字形状とした立上り側部が重合され且つ前記吊子の係止部に係止固着されてなることを特徴とする緑化屋根。
  2. 幅方向両側に膨出する膨出部を有する山形部が所定間隔をおいて連続形成された折板屋根と、溝板支持部の幅方向両側に前記膨出部に嵌合する取付脚部が形成されてなる支持具と、底面部の幅方向両側に立上り側部が形成されてなる溝板と、該溝板を前記溝板支持部上に固定する固定部材とからなり、前記膨出部の長手方向に嵌合固定された複数の支持具間に溝板が前記山形部の長手方向に直交するようにして配置され,且つ前記固定部材にて固定され、それぞれの溝板には栽培部が敷設され、前記固定部材は係止部を有する吊子とし、前記溝板は、一方側の立上り側部の外側に取付縁が形成され、他方側の立上り側部を断面ほぼ逆U字形状とし、前記吊子が前記取付縁とともに前記溝板支持部上に固着され、その立上り側部に次位の溝板の断面逆U字形状とした立上り側部が重合され且つ前記吊子の係止部に係止固着されてなることを特徴とする緑化屋根。
  3. 請求項1又は2において、前記折板屋根は、山形部の長手方向に沿って勾配を有するものであることを特徴とする緑化屋根。
  4. 請求項1,2又は3において、前記溝板上に敷設された栽培部には、保護ネットが被覆されてなることを特徴とする緑化屋根。
  5. 請求項1,2,3又は4において、前記溝板には、熱融着性を有する被覆シート部が貼着され、その隣接する溝板の連結箇所にて前記被覆シート部同士が熱融着により接続されてなることを特徴とする緑化屋根。
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