JP5671086B2 - 屋根上物品取付具 - Google Patents
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Description
本発明は、屋根上に突出したボルト体に挟持して固定される構成とした屋根上物品取付具に関する。
一般に、折板屋根(角波形屋根)、丸波形屋根等の波形屋根の上面に、たとえばテレビアンテナや空調機器、太陽電池パネル、遮熱シート等の各種機器・部材類(屋根上物品)を配設することが実施されており、従来には、各種機器・部材類を屋根上に取り付けるための種々の屋根上物品取付具が提案されている(たとえば、特許文献1、2参照)。
特許文献1、2に記載された屋根は、山部と谷部とが交互に連続してなる波形屋根における山部の頂部で、隣接する屋根材同士を重ねてなる重合部をボルト体とナットの螺着によって連結、固定する重ね式連結構造となっている。そして、その波形屋根に取り付けられる屋根上物品取付具は、屋根材の重合部を波形屋根の下方より貫通して屋根上に突出した、屋根材連結のためのボルト体の軸部を、先端が相対向する挟着片で挟み込むことで設置できるようになっている。
具体的には、これらの屋根上物品取付具は、略門形に形成され、その両脚片を横方向に貫通する緊締用ボルトおよび緊締用ナットで両脚片を緊締して、両脚片のそれぞれの下端から対向するように延びた両挟着片がボルト体を挟着する構造となっている。挟着片の先端がボルト体のネジ溝に食い込んだ状態で係止、固定されるので、屋根上物品取付具は容易に外れることなく屋根上にしっかりと固定される。
しかしながら、特許文献1の屋根上物品取付具は1部材よりなる略門形の挟着具よりなるため、手作業による緊締作業には力を要し、そのため取付作業を迅速に行うことはできない。
また、特許文献2の屋根上物品取付具は、一対の挟着具よりなるため、緊締作業には比較的楽に行える構成であるが、全体の形状、構造が複雑であり、製造コストがかかるおそれがある。
本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的は、簡単かつ強固に取り付けることができ、かつ製造コストを低減できる屋根上物品取付具を提供することにある。また、様々な径のボルト体に対して挟着できるようにすることも本発明の目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の屋根上物品取付具は、2個一対の挟持具を用いて、屋根上に突出したボルト体を挟持して固定される構造とした屋根上物品取付具であって、挟持具のそれぞれは、台座部と、該台座部の一方の端部より垂下した垂下片と、他方の端部より下方に垂下片から遠ざかるように下方に延び、屋根面に当接する足部を有した支持脚部とを備えており、垂下片は、ボルト体の軸部を挟持する、凹部内面に凹凸部が形成された凹溝部と、該凹溝部の両側端より側方に延びボルト挿通孔を有した板片によりなる、前記凹溝部同士による前記ボルト体の挟持をボルト、ナットの螺着により保持する固定部とを備えており、支持脚部の中央部の側端には、ボルト、ナットの螺合作業をしやすくするための切り欠き凹所が形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の屋根上物品取付具は、一対の挟持具は同一形状とされることを特徴とする。
請求項3に記載の屋根上物品取付具は、凹溝部の内面同士を突き合わせて形成される開口が、突き合わせ方向の径を短径とした略楕円形状であることを特徴とする。
請求項1に記載の屋根上物品取付具によれば、上述の構成となっているため、全体の形状、構造をシンプルかつ頑丈にでき、屋根上に強固に取り付けることができる。形状、構造がシンプルであるため、製造コストを低減できる。また、屋根上物品取付具を屋根に取り付けるために力を要する緊締作業の必要がなく、簡単に楽に取り付けができ、屋根上での取付操作を効率よく行うことができる。
また、凹凸部が形成された両凹溝部でボルト体を挟持する構成であるため、ずれや外れが発生しにくく、屋根上物品取付具を安定的に設置できる。さらに、凹凸部をボルト体の軸部に接触させて摩擦力でしっかりと固定できる構成であるため、軸部が錆びて螺合ができないボルト体に対しても取り付けることができる。また、挟持具の少なくとも一方が支持脚部を有しているため、その支持脚部とボルト体とで、屋根にさらにしっかりと固定することができる。
請求項2に記載の屋根上物品取付具によれば、一対の挟持具は同一形状であるため、構成部品の種類を少なくすることができ、部品管理も簡易にできる。
請求項3に記載の屋根上物品取付具によれば、凹溝部の内面同士を突き合わせて形成される開口が、突き合わせ方向の径を短径とした略楕円形状であるので、種々の径のボルト体に挟持具を固定することができる。
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
本屋根上物品取付具1が取り付けられる屋根としては、図6に示した折板屋根Y(角波形屋根)や丸波形屋根などの波形屋根が挙げられる。また、屋根の素材としては、金属や合成樹脂、セメント系等のものが適用できる。なお、屋根上物品取付具1の取付対象は波形屋根に限定されず、平板屋根であってもよい。
図例として示した折板屋根Yは、山部Y1と谷部Y2とが交互に連続する屋根であって、複数の折板屋根材を側端縁の山部Y1の頂部Y1aで重合し、その重合部でボルト体BとナットC1の螺着によって連結した重ね式連結構造となっている。
このナットC1は、図例においては、その下方の山状の座金C2とともに座金部Cを構成している。座金C2は、ボルト孔からの水の浸入を防止するための防水パッキン(不図示)を覆っている。なお、座金部Cは、図例のような座金C2を含まず螺着用のナットC1のみで構成してもよい。
また、折板屋根Yの裏側には、図3および図4に示すように、折板屋根Yと略同形状をなす、ボルト止めのための支持金具Y3が取り付けられている。折板屋根Yはこの支持金具Y3に支持される。なお、屋根上物品取付具1を取り付けるためのボルト体Bの取付位置は、隣接する折板屋根材の重合部に限らず、他の頂部Y1aに支持金具Y3を用いてボルト体Bを取り付けてもよい。
この屋根上物品取付具1は、図1(a)(b)に示すように、同一形状の2個一対の挟持具10、10を組み合わせ、それらを2組のボルト21(図例では根角ボルト)、ナット22で連結できるようにして構成されている。
両挟持具10、10は、同一形状であり、一方の挟持具10の正面形状が他方の挟持具10の背面形状と同一である(図1(a)(b)参照)。
挟持具10は、屋根上に設置したときに頂部Y1aの上面とほぼ平行となる台座部11と、台座部11の一方の端部より垂下した垂下片12と、台座部11の他方の端部より下方に垂下片から遠ざかるように下方に延び、屋根面に当接する足部16bを有した支持脚部16とを備えている。
垂下片12は、中央の凹溝部13と、その両側端より側方に延びた板状の一対の翼片14a、14aよりなる固定部14と、凹溝部13および固定部14と台座部11とを連結した連結部15とより構成されている。
凹溝部13は、両挟持具10、10の凹溝部13、13同士を突き合わせた場合に筒状体が形成され、その横断面が略楕円となるように、溝幅にくらべて浅底の湾曲凹溝状に形成されている(図1(c)および図2(a)参照)。
この凹溝部13の凹部内面には、凹溝部13ほぼ全長にわたりねじ溝よりなる凹凸部13aが形成されている。凹凸部13aとしてはねじ溝に限らず、種々のものが適用でき、複数の略平行な細溝や同様の突条でもよく、梨地状の凹部、凸部などでもよい。凹溝部13、13間にはボルト体Bが挟持されるので、細溝や突条はボルト体Bのねじ山に沿って横方向に形成するほうが望ましい。
一組の挟持具10、10の凹溝部13、13によりボルト体Bの軸部B1を挟持することができ、溝幅寸法を溝底間の長さよりやや大きくしたことにより、図2(b)のような径大なボルト体Bも挟持することができる。
また、凹凸部13aが形成された両凹溝部13、13でボルト体Bを挟持する構成であるため、ずれや外れが発生しにくく、屋根上物品取付具1を安定的に屋根上に設置することができる。さらに、凹凸部13aをボルト体Bの軸部B1に接触させて摩擦力でしっかりと固定できる構成であるため、軸部B1が錆びて螺合ができないボルト体Bに対しても取り付けることができる。
固定部14の翼片14a、14aには角孔に形成されたボルト挿通孔が開設されており、図2(a)、(b)および図4(a)(b)に示すように、ボルト体Bの軸部B1を挟んだ状態にして、2組のボルト21、21、ナット22、22を螺合することで、挟持状態を固定保持することができる。
また、連結部15は、図1(b)に示すように、中央に矩形の窓開口15aがあり、ボルト体Bの軸部B1の先端がその窓開口15aから覗くように配される。この窓開口15aは、頭部を上部に配したボルト21を挟持することも考慮して、その頭部を収容できる程度の寸法、形状とすることが望ましい。なお、連結部15は設けなくてもよく、台座部11の端部より直接、凹溝部13が垂下した構成としてもよい。その場合には、ボルト21の軸部の先端は凹溝部13、13同士によって隠される。
また、垂下片12の下端は、支持脚部16の足部16bよりも高い位置に配置されており、図4(a)に示すように、挟持具10、10を屋根上に設置した際には、座金部Cとの接触が回避できるようになっている。
台座部11は、図1(a)(b)に示すように、上面が平坦であり、図4(a)に示すように、一組の挟持具10、10を連結することにより、面積の広い連結台座を形成することができる。この連結台座の上には、テレビアンテナや空調機器、太陽電池パネル、遮熱シート等の各種機器・部材類(屋根上物品)を配設することができる。
支持脚部16は、幅方向の中央に縦に走る補強用のリブ16aを有した板片よりなり、その下端部には折曲してなる足部16bを有している。また、支持脚部16の高さ方向の中央部の側端には、ボルト21、ナット22の螺合作業をしやすくするための湾曲状の切欠き凹所16c、16cが形成されている。
この支持脚部16は、他方の挟持具10の支持脚部16とともに作用して、屋根上物品取付具1を屋根面に安定的に設置させることができ、さらに支持脚部16、16間の中央にはボルト体Bの軸部B1に固定された一対の凹溝部13、13が配されているので、3点でしっかりと屋根上物品取付具1を固定保持することができる。また、一対の支持脚部16、16は末広がり状に屋根上に載置されるので、さらに設置状態は安定する。
なお、支持脚部16を一方の挟持具10のみに設けたものとしてもよく、他方の挟持具10は、凹溝部13と固定部14とより構成されたものとしてもよい。その場合でも、1つの支持脚部16と、ボルト体Bを挟持した一対の凹溝部13、13との2点支持により、屋根上物品取付具1を屋根上に安定的に設置させることができる。
このような一対の挟持具10、10は、たとえば図3、図4(a)に示すように、折板屋根Yの頂部Y1aから上方に突出したボルト体Bの両側より頂部Y1aの形成方向に沿ってボルト体Bに近づけていき(図3参照)、ボルト体Bの軸部B1を挟持してから、重合したボルト挿通孔14bにボルト21を挿通させてナット22で固定すればよい(図4(a)参照)。
このように、この屋根上物品取付具1は上述した構成となっているため、ボルト体Bに簡単に取り付けることができ、2片を締め付け近づかせるるような力を要する緊締作業を必要とせず、楽に設置することができる。
また、本実施形態の挟持具10は、板片を折曲形成した簡易な構成であるため、形状、構造をシンプルかつ頑丈にでき、屋根上に強固に取り付けることができる。形状、構造がシンプルであるため、製造コストを低減できる。
一対の挟持具10、10は同一形状であるため、屋根上物品取付具1を構成する部品種類を少なくすることができ、部品管理も簡易にできる。さらに、挟持具10、10をボルト体に組み付けたときには、左右両端に支持脚部16、16が配せられるので安定感がある。また、左右対称に屋根上に設置されるので美観にもすぐれている。
このような屋根上物品取付具1は、たとえば図5に示すように、頂部Y1aの形成方向に沿って並べて設置してもよく、長尺状のたとえば遮熱シートを配設するためのフレームなどの取り付けにも適している。
1 屋根上物品取付具
10 挟持具
11 台座部
12 垂下片
13 凹溝部
13a 凹凸部
14 固定部
14b ボルト挿通孔
16 支持脚部
16b 足部
21 ボルト
22 ナット
Y 折板屋根
Y1 山部
Y1a 頂部
Y2 谷部
B ボルト体
B1 軸部
C1 ナット
10 挟持具
11 台座部
12 垂下片
13 凹溝部
13a 凹凸部
14 固定部
14b ボルト挿通孔
16 支持脚部
16b 足部
21 ボルト
22 ナット
Y 折板屋根
Y1 山部
Y1a 頂部
Y2 谷部
B ボルト体
B1 軸部
C1 ナット
Claims (3)
- 2個一対の挟持具を用いて、屋根上に突出したボルト体を挟持して固定される構造とした屋根上物品取付具であって、
前記挟持具のそれぞれは、台座部と、該台座部の一方の端部より垂下した垂下片と、他方の端部より下方に垂下片から遠ざかるように下方に延び、屋根面に当接する足部を有した支持脚部とを備えており、
前記垂下片は、前記ボルト体の軸部を挟持する、凹部内面に凹凸部が形成された凹溝部と、該凹溝部の両側端より側方に延びボルト挿通孔を有した板片によりなる、前記凹溝部同士による前記ボルト体の挟持をボルト、ナットの螺着により保持する固定部とを備えており、
前記支持脚部の中央部の側端には、前記ボルト、ナットの螺合作業をしやすくするための切り欠き凹所が形成されていることを特徴とする屋根上物品取付具。 - 請求項1において、
前記一対の挟持具は同一形状とされることを特徴とする屋根上物品取付具。 - 請求項1または2において、
前記凹溝部の内面同士を突き合わせて形成される開口が、突き合わせ方向の径を短径とした略楕円形状であることを特徴とする屋根上物品取付具。
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