JP5618905B2 - 屋根上取付具 - Google Patents

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Description

本発明は、波形屋根の頂部より突出したボルト体に挟着させることで屋根上に取り付けるようにした屋根上取付具に関する。
一般に、折板屋根(角波形屋根)、丸波形屋根等の波形屋根の上面に、例えばテレビアンテナや空調機器、太陽電池パネル、遮熱シート等の各種機器・部材類を配設することが実施されており、従来には、各種機器・部材類を屋根上に取り付けるための種々の屋根上取付具が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1に記載された屋根は、山部と谷部とが交互に連続してなる波形屋根における山部の頂部で、隣接する屋根材同士を重ねてなる重合部をボルト体とナットの螺着によって連結、固定する重ね式連結構造となっている。そして、その波形屋根に取り付けられる屋根上取付具は、屋根材の重合部を波形屋根の下方より貫通して屋根上に突出した、屋根材連結のためのボルト体の雄ネジ部を、先端が相対向する挟着片で挟み込むことで設置できるようになっている。
具体的には、この屋根上取付具は、略門形に形成した挟着具の両脚片を横方向に貫通する緊締用ボルトおよびナットで両脚片を緊締して、両脚片のそれぞれの下端から対向するように延びた両挟着片をボルト体に挟着させる構造となっている。挟着片の先端がボルト体のネジ溝に食い込んだ状態で係止、固定されるので、屋根上取付具は容易に外れることなく屋根上にしっかりと固定される。
また、特許文献2のものは、挟着具が支点連結された一対の挟着部材より構成され、波形屋根の頂部におけるハゼ部に対して挟着する構造となっているが、この種のものを、重ね式連結構造の屋根に適用させ、両挟着片でボルト体に挟着させる構造に形成した場合でも、同様に屋根上取付具はしっかりと屋根上に固定されることが想定できる。
特開2010−77692号公報 特許第3368374号公報
ところが、このような屋根上取付具であっても、設置した各種機器・部材類や風雨、積雪等により屋根上取付具に負荷がかかり、挟着片同士の挟着が緩んで挟着片間がわずかに開いて、屋根上取付具がボルト体からずり上がったり、抜け出たりするおそれがある。
図12は、ボルト体への挟着によって設置できるようにした従来の屋根上取付具の波形屋根への取付例を示した概略説明図である。
この図例のように、遮熱シート110を複数の挟着具100に固定フレーム111を介して固定して張り渡した状態において、例えば遮熱シート110上に積雪があった場合、雪Sの重みによって遮熱シート110の両側に配された屋根上取付具(挟着具100)が中央に引っ張られて挟着片101、101の先端同士が開いて不安定な状態となるおそれがある。さらに力が加わることで、ボルト体Bに挟着した挟着片101が傾斜しながら抜け出ていくおそれもある。
また、テレビアンテナや空調機器、太陽電池パネル等の機器を取り付けた場合、挟着具100の挟着片101が少しでも開いてしまえば、屋根上取付具が外れないまでも、それらの機器がぐらついたり傾いたりして不安定な状態となって、機器が正常に機能しなくなるおそれもある。
本発明は、このような問題を考慮して提案されたもので、その目的は、挟着片間が開かずに、波形屋根に安定的に固定維持できるようにした屋根上取付具を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1に記載の屋根上取付具は、挟着片を下端内方に向けて折曲形成させた脚片と、該脚片を下方に延設させた台座部とを含んで形成された挟着部材2つを、挟着片を対向させて相互に連結し、脚片を緊締して、挟着片を相互に近接させ、波形屋根の頂部より突出したボルト体に挟着、固定するようにした屋根上取付具であって、2つの挟着部材のそれぞれは、ガイド突片と、ガイド突片を貫挿可能な寸法とした貫挿開口部とを一体に備えた構造とされ、これら2つの挟着部材のガイド突片と貫挿開口部をそれぞれ雌雄結合させて2つの挟着部材を連結する構造となっており、挟着片は、ボルト体の雄ネジ部に係止する係止部と、脚片の幅方向の各外側に突出した締付突出片とを備えてなり、一対の挟着片の締付突出片同士を固定具で締付固定する構造としたことを特徴とする。

請求項2に記載の屋根上取付具は、係止部がボルト係止溝部よりなる。
請求項3に記載の屋根上取付具は、係止部がボルト体の雄ネジ部を抱持する係止凹所と、係止凹所の底部に設けた係止突片とより構成されている。
請求項1に記載の屋根上取付具によれば、一対の挟着片の締付突出片同士を固定具で締付固定する構造となっているので、挟着片でボルト体を挟着し、係止部でボルト体の雄ネジ部に係止した状態で、締付突出片同士を固定してしまえば、その後、挟着片間が開くことはなく、屋根上取付具のぐらつきやボルト体からの抜けを防止でき、安定した固定状態を維持することができる。
特に、本屋根上取付具は、一対の分離された挟着部材を屋根上で連結させる構造としているが、このような連結構造であっても、締付突出片同士を固定して開かないようにした構成であるため、2つの挟着部材の連結によるずれが生じたりすることがなく、屋根上での結合強度が向上する。
請求項2に記載の屋根上取付具によれば、係止部がボルト係止溝部よりなるので、ボルト体の雄ネジ部を抱持するように挟着でき、屋根上取付具をより強固に屋根上に取り付けられる。
請求項3に記載の屋根上取付具によれば、係止部が係止凹所と、係止凹所の底部に設けた係止突片とより構成されているので、係止部を簡易な形状に構成でき、製造コストを低減できる。
本発明に係る屋根上取付具の第1実施形態の説明図であり、屋根上取付具を波形屋根へ取り付ける前の状態を示した分解斜視図である。 屋根上取付具の挟着片の展開図である。 屋根上取付具の波形屋根への取り付け後の状態を示した斜視図である。 (a)は屋根上取付具の波形屋根への取り付け後の状態を示した正面図、(b)は同側面図である。 (a)、(b)は、屋根上取付具の施工手順を示した部分断面正面図である。 屋根上取付具の波形屋根への他の設置例を示した正面図である。 図6の設置例において屋根上取付具の波形屋根への載置状態を説明するための図である。 本発明に係る屋根上取付具の第2実施形態の説明図であり、屋根上取付具の波形屋根への取り付け前の状態を示した斜視図である。 屋根上取付具の挟着片の展開図である。 屋根上取付具の波形屋根への取り付け後の状態を示した斜視図である。 本発明に係る屋根上取付具の第3実施形態の説明図であり、(a)は要部斜視図、(b)は屋根上取付具の正面図である。 従来の屋根上取付具の設置例を示した正面図である。
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る屋根上取付具の第1実施形態の説明図であり、屋根上取付具を波形屋根へ取り付ける前の状態を示した分解斜視図である。図2は、挟着片の展開図である。図3は、屋根上取付具の波形屋根への取り付け後の状態を示した斜視図である。図4(a)は屋根上取付具の波形屋根への取り付け後の状態を示した正面図、図4(b)は同側面図である。図5(a)、(b)は、屋根上取付具の施工手順を示した部分断面正面図である。
この屋根上取付具Aが取り付けされる波形屋根としては、図例として示した折板屋根Y(角波形屋根)や丸波形屋根が挙げられる。また、屋根の素材としては、金属や合成樹脂、セメント系等のものが適用できる。
図例として示した折板屋根Yは、山部Y1と谷部Y2が交互に連続する屋根であって、複数の折板屋根材を側端縁の山部Y1の頂部Y1aで重合し、その重合部でボルト体BとナットC1の螺着によって連結した重ね式連結構造となっている。
このナットC1は、図例においては、その下方の座金C2とともに座金部Cを構成している。座金C2は、ボルト孔からの水の浸入を防止するための防水パッキンC3を覆っている。なお、座金部Cは、図例のような座金C2を含まず螺着用のナットC1のみで構成してもよい。
また、折板屋根Yの裏側には、正面視で折板屋根Yと略同形状をなす、ボルト止めのための支持金具Y3が取り付けられている。折板屋根Yはこの支持金具Y3に支持される。なお、屋根上取付具Aを取り付けるためのボルト体Bの取付位置は、隣接する折板屋根材の重合部に限らず、他の頂部Y1aに支持金具Y3を用いてボルト体Bを取り付けてもよい。
この屋根上取付具Aは、金属板または硬質樹脂板よりなり、折板屋根Yの頂部Y1aより上方に突出した上記ボルト体Bに挟着させて、取り付け、固定する構造となっている。
この屋根上取付具Aは、連結して挟着具1を構成するための2つの挟着部材10、10を含んで構成されており、2つの挟着部材10、10はそれぞれ、ボルト体Bを挟着する挟着片13を下端内方に向けて折曲形成させた脚片12と、脚片12を下方に延出させた台座部11とを含んで、同一寸法、同一形状に形成されている。
それぞれの台座部11における、2つの挟着部材10、10を連結する際に相互に隣接する辺縁部の中央には、各種機器・部材類(不図示)を取り付けるための取付用ボルト3を挟み込んで固定するための切欠き凹所11bが形成されている。そして、その辺縁の切欠き凹所11bの両側方には、辺縁より垂下した対向片11aが分離形成されており、一側方の対向片11aには対向する相手側の挟着部材10の対向片11aの方向に向かって突出したガイド突片10aが形成され、他側方の対向片11aには、そのガイド突片10aを貫挿可能な寸法とした貫挿開口部10bが形成されている。
すなわち、一方の挟着部材10のガイド突片10aが他方の挟着部材10の貫挿開口部10bに貫挿し、かつ他方の挟着部材10のガイド突片10aが一方の挟着部材10の貫挿開口部10bに貫挿することで、2つの挟着部材10、10は結合する。つまり、両挟着部材10、10はそれぞれ雌雄一体構造であり、2組の雌雄部によって相互に結合する。
なお、挟着具1は2つの挟着部材10、10の結合とともに、緊締用ボルト25と緊締用ナット26との螺合による緊締によって一体化固定し、さらに後述する締付突出片14、14同士の締め付けによっても固定する構成であるため、貫挿による結合によって両者が固定状態にならなくてもよく、そのためガイド突片10aの貫挿開口部10bに対する貫挿は遊貫であってもよい。結合バランスの調整のしやすさを考慮すれば、遊貫構造とするほうが望ましい。
挟着具1は、2つの挟着部材10、10の各挟着片13の先端を相互に近接させて、ボルト体Bに挟着する構造となっている。挟着具1の緊締は、対向する両脚片12、12に開設された軸孔12a、12aに貫通された緊締用ボルト25と、緊締用ナット26との螺合によってなされる。なお、27はワッシャである。また、台座部11の中央に立設された取付用ボルト3に各種機器・部材類を取り付け可能にしている。
挟着片13は、屋根上取付具Aを折板屋根Yの頂部Y1aに取り付けたときに頂部Y1aの上面に接触する屋根上載置部13aを有し、その先端部において上方に折曲されて立上り部13dが形成され、その立上り部13dの中央には、ボルト体Bの雄ネジ部B1に係止する係止部を構成する、半割筒体よりなるボルト係止溝部13bが形成されている。
この立上り部13dの両端には、屋根上取付具Aの中央開口の貫通方向(脚片12の幅方向)の各外側に突出した締付突出片14が形成されている。この締付突出片14にはボルト挿通孔14aが開設されており、対向する締付突出片14、14同士をボルト15、ナット16で締め付け固定できるようになっている。ボルト15、ナット16に代えてドリルビス等の固定具を用いてもよいし、カシメによって固定してもよい。なおドリルビスを使用する場合は、締付突出片14にはボルト挿通孔14aを設けなくてもよい。
また、屋根上載置部13aは、図2の挟着片13の展開図に示すように、中央部が開口されており、折り曲げて挟着片13を形成したときには、その開口によって、屋根上取付具Aを頂部Y1aに設置したときに上記座金部Cを収容する(回避する)座金部収容空所13aaが形成される。
この座金部収容空所13aaは、平面的には座金C2の大きさ分を収容でき、高さ方向においてはナットC1の上端までを収容できる程度の空所であればよい。
また、ボルト係止溝部13bは内側に雌ネジ部13baを形成した半割筒体よりなり、脚片12の緊締によって両ボルト係止溝部13b、13bでボルト体Bを抱持することで雄ネジ部B1と係止される。こうして、雄ネジ部B1とボルト係止溝部13bとは、ネジ山とネジ溝とが相互に噛み合って、強固な挟着関係が形成され、それによって屋根上取付具Aがボルト体Bに固定される。
また、図3に示すように、屋根上取付具Aは頂部Y1aの上面に載置されるように固定される。つまり、屋根上取付具Aを設置したときには挟着片13の屋根上載置部13aは頂部Y1aの上面に接触する。
したがって、この屋根上取付具Aによれば、ボルト係止溝部13bにより折板屋根Yの頂部Y1aより突出したボルト体Bにしっかりと係止、挟着でき、さらに、2組の締付突出片14、14同士を締め付け固定することで、しっかりと挟着した挟着片13、13間が開くことをほぼ確実に防止することができる。特に、本実施形態に示した締付突出片14は外側に突出しているので、ボルト止めの作業がしやすく、屋根上での施工の負担にならない。また図7で後述するように、屋根上載置部13aは、座金部Cの周回部において頂部Y1a上面に接触するので、さらに安定的な設置が望める。
このように、係止部(ボルト係止溝部13b)によるボルト体Bの雄ネジ部B1への係止と、挟着片13によるボルト体Bへの挟着と、締付突出片14、14同士の締付固定との協働によって、屋根上取付具Aのボルト体Bからの抜け出しや、ぐらつきをほぼ確実に防止することができる。
またさらに、波形屋根Yに取り付けたときに、屋根上載置部13aが頂部Y1aに接触する構成となっているので、屋根上取付具Aのボルト体Bへの固定安定化を補完できる。
以上のように構成した本発明の屋根上取付具Aは、以下の要領で折板屋根Yに取り付けて使用する。
まず、一方の挟着部材10の台座部11の切欠き凹所11bに取付用ボルト3の軸部を嵌め入れ、上方に突き出た軸部に落下防止プレート4を装着して仮止めしておく。つぎに、2つの挟着部材10、10の脚片12、12の軸孔12a、12aに緊締用ボルト25の軸部を貫通させたうえで、緊締用ボルト25の先端側から緊締用ナット26を軽く締めるとともに、2つの挟着部材10、10のガイド突片10aと貫挿開口部10bを軽く雌雄結合(ガイド突片10aの先端部を貫挿開口部10bに挿入)させて仮止め状態にし、その挟着具1を、折板屋根Yより突出したボルト体Bの上方から、両挟着片13、13のボルト係止溝部13b、13b間の間隙Sを通じてボルト体Bを嵌挿する(図5(a)参照)。
次に、仮止め状態にしていた緊締用ボルト25および緊締用ナット26を締め付けていくと、2つのガイド突片10a、10aが対応した貫挿開口部10b、10bに貫挿して2つの台座部11、11が隙間なく密着する。それと同時に、螺合による締め付け力によって両脚片12、12が近接して、両挟着片13、13のボルト係止溝部13b、13bも互いに近接し、両半割筒体がボルト体Bの雄ネジ部B1を挟み込み、ボルト係止溝部13b、13bがボルト体Bの雄ネジ部B1の外周面のネジ溝に係止して(螺合関係を形成して)ボルト体Bを挟持する(図5(b)参照)。
そして最後に、向かい合い接触あるいは近接状態となった締付突出片14、14同士をボルト15、ナット16の螺合により締め付け固定する(図4(a)参照)。
こうして折板屋根Yに取り付けた屋根上取付具Aの台座部11の上には、各種機器・部材類を取り付けることができる(図5(b)参照)。
以上に示した施工手順例では、2つの挟着部材10、10を仮結合させた状態で折板屋根Y上に取り付けるようにしているが(図5(a)、(b)参照)、両挟着部材10、10を分離した状態でボルト体Bを挟んで折板屋根Y上に載置してから、両挟着部材10、10をスライドさせながら結合させるようにしてもよい。
図6は、図1に示した屋根上取付具Aの波形屋根(折板屋根Y)への他の設置例を示した正面図である。すなわち、図6は屋根上取付具Aを頂部Y1aの幅方向に両脚片12、12を並べるように設置した例図である。なお、折板屋根Yの構造は図1のものと同様であり、その形状、構造等については同一の符号を付してその説明を省略する。
図6のように、座金C2の径が大きく、頂部Y1aの幅方向の両側に広いスペースが得られない場合(図1参照)でも、座金部収容空所13aaが形成された屋根上載置部13aが挟着片13に形成されているため、図6の例のように頂部Y1aの幅方向に両脚片12、12を並べるように設置する場合でも、挟着片13は座金部Cに抵触することなく、挟着片13を安定的に頂部Y1aの上面に接触、載置させることができる。
なお、図7は図6における屋根上取付具Aの折板屋根Yへの載置状態を示した概略平面図であるが、両挟着片13、13の屋根上載置部13a、13aは、クロスハッチングで示しているように座金部Cに接触することなく、頂部Y1aの上面に面接触している。
ついで、本発明の第2実施形態について、図8〜図10を参照しながら説明する。
図8は、本発明に係る屋根上取付具の第2実施形態の説明図であり、屋根上取付具を波形屋根へ取り付ける前の状態を示した分解斜視図である。図9は、挟着片の展開図である。図10は、屋根上取付具の波形屋根への取り付け後の状態を示した斜視図である。
なお、本実施形態の屋根上取付具の取付対象である波形屋根(折板屋根Y)の素材、構造、重合部を連結するボルト体および座金部については、第1実施形態のものと同一であるため説明を省略する。
この屋根上取付具Aは、第1実施形態の屋根上取付具と同様、連結して挟着具1を構成するための2つの挟着部材10、10を含んで構成されており、2つの挟着部材10、10はそれぞれ、ボルト体Bを挟着する挟着片13を下端内方に向けて折曲形成させた脚片12と、脚片12を下方に延出させた台座部11とを含んで、同一寸法、同一形状に形成されている。
それぞれの台座部11における、2つの挟着部材10、10を連結する際に相互に隣接する辺縁中央には、屋根上取付物取付用の取付用ボルト3を挟み込んで固定するための切欠き凹所11bが形成されている。そして、その辺縁の切欠き凹所11bの両側方には、辺縁より垂下した対向片11aが分離形成されており、一側方の対向片11aには対向する相手側の挟着部材10の対向片11aの方向に向かって突出したガイド突片10aが形成され、他側方の対向片11aには、そのガイド突片10aを貫挿可能な寸法とした貫挿開口部10bが形成されている。
すなわち、一方の挟着部材10のガイド突片10aが他方の挟着部材10の貫挿開口部10bに貫挿し、かつ他方の挟着部材10のガイド突片10aが一方の挟着部材10の貫挿開口部10bに貫挿することで、2つの挟着部材10、10は結合する。つまり、両挟着部材10、10はそれぞれ雌雄一体構造であり、2組の雌雄部によって相互に結合する。
挟着具1は、2つの挟着部材10、10の緊締によって各挟着片13の先端を相互に近接させて、ボルト体Bに挟着する構造となっている。なお、一対の挟着部材10、10の緊締構造については、第1実施形態と同様であるため、同一の符号を付して、その説明を省略する。また、台座部11の中央に立設された取付用ボルト3に、各種機器・部材類を取り付け可能にしている。
挟着片13は、屋根上取付具Aを折板屋根Yの頂部Y1aに取り付けたときに頂部Y1aの上面に接触する屋根上載置部13aを有し、その先端部において上方に折曲されて立上り部13dが形成され、さらに折り返されて折返し片13eが形成され、、その立上り部13dの中央には、折返し片13eにかけて、ボルト体Bが嵌め入れられる係止凹所13cbが形成され、その係止凹所13cbの底部にはボルト体Bの雄ネジ部B1に係止する係止突片13caが形成されている。この係止凹所13cbと係止突片caとで、ボルト体Bの雄ネジ部B1に対する係止部を構成している。
この立上り部13dの両端には、第1実施形態と同様に、屋根上取付具Aの中央開口の貫通方向(脚片12の幅方向)の各外側に突出した締付突出片14が形成されている。この締付突出片14にはボルト挿通孔14aが開設されており、対向する締付突出片14、14同士をボルト15、ナット16で締め付け固定できるようになっている。なお、ボルト15、ナット16に代えてドリルビス等の固定具を用いてもよいし、カシメによって固定してもよい。ドリルビスを使用する場合は、締付突出片14にはボルト挿通孔14aを設けなくてもよい。
この屋根上載置部13aは、図9の挟着片13の展開図に示すように中央部に大きな開口が形成され、その開口に連通する凹所(係止凹所13cb)が形成されている。この挟着片板材を折り曲げて挟着片13を形成したときには、その開口によって、屋根上取付具Aを頂部Y1aに設置したときに上記座金部Cを収容する(回避する)座金部収容空所13aaが形成される。
この座金部収容空所13aaは、平面的には座金C2の大きさ分を収容でき、高さ方向においてはナットC1の上端までを収容できる程度の空所であればよい。
また、係止突片13caは、脚片12の緊締によって両係止凹所13cb、13cbでボルト体Bを抱持することで雄ネジ部B1と係止される。こうして、雄ネジ部B1のネジ溝に係止突片13caが噛み合って、強固な挟着関係が形成され、それによって屋根上取付具Aがボルト体Bに固定される。
また、図10に示すように、屋根上取付具Aは頂部Y1aの上面に載置されるように固定される。つまり、屋根上取付具Aを設置したときには挟着片13、13の屋根上載置部13a、13aは頂部Y1aの上面に座金部Cを取り囲むように接触する。
したがって、この屋根上取付具Aによれば、係止凹所13cbと係止突片13caにより折板屋根Yの頂部Y1aより突出したボルト体Bにしっかりと係止、挟着でき、さらに、2組の締付突出片14、14同士を締め付け固定することで、しっかりと挟着した挟着片13、13間が開くことをほぼ確実に防止することができる。
このように、係止部(係止凹所13cbと係止突片13ca)によるボルト体Bの雄ネジ部B1への係止と、挟着片13によるボルト体Bへの挟着と、締付突出片14、14同士の締付固定との協働によって、屋根上取付具Aのボルト体Bからの抜け出しや、ぐらつきをほぼ確実に防止することができる。なお、係止部は係止突片を突出させていない係止凹所で構成してもよく、つまり係止凹所の内縁だけでボルト体Bを係止する構成であってもよいし、係止凹所を設けずに係止突片のみでボルト体Bを係止する構成であってもよい。
またさらに、波形屋根Yに取り付けたときに、屋根上載置部13aが頂部Y1aに接触する構成となっているので、屋根上取付具Aのボルト体Bへの固定安定化を補完できる。
また、本実施形態の屋根上取付具によれば、係止部が係止凹所と、係止凹所の底部に設けた係止突片とより構成されているので、係止部を簡易な形状に構成でき、製造コストを低減できる。
なお、本実施形態の施工手順については、第1実施形態(図5(a)、(b)参照)とほぼ同じであるため説明を省略する。
図11は本発明に係る屋根上取付具の第3実施形態の説明図であり、図11(a)は要部拡大斜視図、図11(b)は屋根上取付具の正面図である。
この屋根上取付具Aは、台座部11と、一対の脚片12、12と、一対の挟着片13、13とが一体形成されている点で第1、第2実施形態と同様であるが、締付突出片14の形成態様がそれらとは異なっている。以下では、第1実施形態と同一の構成部については同一の符号を付して説明を省略する。
挟着片13は、脚片12の下端より湾曲しながら斜め上方のボルト体Bの雄ネジ部B1方向に延びている。挟着片13の先端には係止部(係止凹所13cbと係止突片13ca)が形成され、ボルト体Bを挟着できるようになっている。
また、締付突出片14は挟着片13の横方向に延びず、先端の両端部より下方に延びて脚部のごとく突出形成されており、折板屋根Yに取り付けたときに、ボルト挿通孔14aを有した締付突出片14の下端が屋根面に接触する構成となっている。締付突出片14の下端が屋根面に接触しないものでもよいが、より安定的に設置するために接触する構成とするほうが望ましい。
また、挟着片13を斜め方向に立ち上がり形成することで、その下方空間を座金部収容空所13aaとして構成することができる。
このように、本実施形態の屋根上取付具Aも第1実施形態のものと同様に、係止部13bによるボルト体Bの雄ネジ部B1への係止と、挟着片13によるボルト体Bへの挟着と、締付突出片14、14同士のボルト15、ナット16による締付固定との協働によって、屋根上取付具Aのボルト体Bからの抜け出しや、ぐらつきをほぼ確実に防止することができる。
また、締付突出片14が脚片12の幅方向の外側に突出していないため、取り扱いが便利であり、破損もしにくい。なお、ボルト止め作業は第1実施形態のものに比べればややしにくくなることが想定されるが、図11の図例のように挟着片13を湾曲形成して作業空間を大きくしているのでほとんど問題はなく、また図11(a)の2点鎖線で示すように、締付突出片14を外側に延出形成したものであれば、第1、第2実施形態と同様、きわめて作業はしやすい。
また、上記3つの実施形態では係止部の形状、構造として2例(ボルト係止溝部13bよりなるものと、係止凹所13cbおよび係止突片13caよりなるもの)を示したが、他の種々の係止構造を有した係止部であってもよい。
A 屋根上取付具
1 挟着具
10 挟着部材
11 台座部
12 脚片
13 挟着片
13a 屋根上載置部
13b ボルト係止溝部(係止部)
13ba 雌ネジ部
13ca 係止突片(係止部)
13cb 係止凹所(係止部)
B ボルト体
B1 雄ネジ部
Y 折板屋根(波形屋根)
Y1 山部
Y1a 頂部

Claims (3)

  1. 挟着片を下端内方に向けて折曲形成させた脚片と、該脚片を下方に延設させた台座部とを含んで形成された挟着部材2つを、上記挟着片を対向させて相互に連結し、上記脚片を緊締して、上記挟着片を相互に近接させ、波形屋根の頂部より突出したボルト体に挟着、固定するようにした屋根上取付具であって、
    上記2つの挟着部材のそれぞれは、ガイド突片と、該ガイド突片を貫挿可能な寸法とした貫挿開口部とを一体に備えた構造とされ、これら2つの挟着部材のガイド突片と貫挿開口部をそれぞれ雌雄結合させて2つの挟着部材を連結する構造となっており、
    上記挟着片は、上記ボルト体の雄ネジ部に係止する係止部と、上記脚片の幅方向の各外側に突出した締付突出片とを備えてなり、
    上記一対の挟着片の締付突出片同士を固定具で締付固定する構造としたことを特徴とする屋根上取付具。
  2. 請求項1において、
    上記係止部がボルト係止溝部よりなる屋根上取付具。
  3. 請求項1において、
    上記係止部が上記ボルト体の雄ネジ部を抱持する係止凹所と、該係止凹所の底部に設けた係止突片とより構成されている屋根上取付具。
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