JP2013161052A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)希釈剤と、(D)エポキシ化合物と、(E)有機リン酸塩とを含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
カルボキシル基を含有した感光性樹脂であれば特に限定されず、例えば、感光性の不飽和二重結合を1個以上有する感光性のカルボキシル基含有樹脂を挙げることができる。(A)成分の例として、分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸、メタクリル酸等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得て、生成した水酸基に多塩基酸又はその無水物を反応させて得られる樹脂を挙げることができる。
光重合開始剤は、一般的に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、オキシム系開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2,2‐ジエトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2‐メチル‐1‐〔4‐(メチルチオ)フェニル〕‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン、4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル‐2‐(ヒドロキシ‐2‐プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p‐フェニルベンゾフェノン、4,4′‐ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2‐メチルアントラキノン、2‐エチルアントラキノン、2‐ターシャリーブチルアントラキノン、2‐アミノアントラキノン、2‐メチルチオキサントン、2‐エチルチオキサントン、2‐クロルチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、2,4ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
希釈剤は、例えば、非反応性希釈剤であり、硬化性樹脂組成物の粘度や乾燥性を調節するために配合する。非反応性希釈剤には、例えば、有機溶剤が挙げられる。有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、などのアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類等を挙げることができる。
エポキシ化合物は、硬化物の架橋密度を上げて、十分な機械的強度を有する硬化塗膜を得るためのものである。エポキシ化合物には、例えば、エポキシ樹脂がある。エポキシ樹脂は特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型など)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型エポキシ樹脂、さらにシクロヘキセンオキシド基、トリシクロデカンオキシド基、シクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂を挙げることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
有機リン酸塩を使用することで、従来のレオロジーコントロール剤を使用しなくても硬化性樹脂組成物にチクソトロピー性を付与できるだけでなく、チクソトロピー性が径時的に変化するのを抑制できる。有機リン酸塩は、特に限定されないが、例えば、有機ポリリン酸の塩または複塩、ポリリン酸誘導体の塩または複塩、ポリリン酸塩と有機化合物塩との複塩、下記一般式(I)で表される有機リン酸エステルの塩または複塩、ポリリン酸と炭素数1〜10の脂肪族アルコールから得られる有機リン酸エステルの塩または複塩等が挙げられる。
O=P(OR)m(OH)3−m (I)
酸化チタンには、例えば、アナタース型酸化チタン、ルチル結晶構造を有する酸化チタン(ルチル型酸化チタン)を挙げることができる。アナタース型酸化チタンには、例えば、石原産業(株)製の「タイペークA‐100」、「タイペークA‐220」等を挙げることができる。ルチル型酸化チタンには、例えば、富士チタン工業(株)製の「TR−600」、「TR−700」、「TR−750」、「TR−840」、石原産業(株)製の「R−550」、「R−580」、「R−630」、「R−820」、「CR−50」、「CR−60」、「CR−90」、「CR−93」、チタン工業(株)製の「KR−270」、「KR−310」、「KR−380」等を挙げることができる。酸化チタンの配合量は特に限定されないが、例えば、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、30〜200質量部が好ましく、特に好ましくは50〜150質量部である。
下記表1に示す各成分を下記表1に示す配合割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜10、比較例1〜6にて使用する硬化性樹脂組成物を調製した。次に、上記のように調製した実施例と比較例の硬化性樹脂組成物について、上記調製直後(初期)の硬化性樹脂組成物、上記調製後30℃恒温槽にて90日間放置後(90日後)の硬化性樹脂組成物、上記調製後30℃恒温槽にて180日間放置後(180日後)の硬化性樹脂組成物を用いて、後述する試験片作製工程にて基板上に塗膜を塗工し、試験片を作製した。下記表1に示す各成分の配合量は、特に断りの無い限り質量部を示す。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
・リポキシSP‐4621:昭和高分子(株)製、多塩基酸変性クレゾールノボラック型エポキシアクリレート樹脂。
(B)光重合開始剤
・イルガキュア907:チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリホリノプロパン−1−オン。
(C)希釈剤
・EDGAC:三洋化成(株)製、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート。
(D)エポキシ化合物
・EPCRON 860:DIC(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂。
(E)有機リン酸塩
・Exolit OP-1230:クラリアントジャパン(株)製、有機リン酸塩。
・プラネロンNP:三井化学ファイン(株)製、ポリリン酸の塩とメラミンの塩との複塩。
(F)酸化チタン
・CR−93:石原産業(株)製、ルチル型酸化チタン。
・タイペークA−100:石原産業(株)製、アナタース型酸化チタン。
・レオロシールDM−20S:(株)トクヤマ製、非晶質二酸化ケイ素。
・BYK−405:ビックケミージャパン(株)製、ポリヒドロキシカルボン酸アミド溶液。
・リオノールブルーFG−7351:東洋インキ(株)製、フタロシアニン系顔料。
・クロモフタロイエローAGR:チバ・スペシャリティケミカルズ(株)製、アントラキノン系顔料。
・アセチレンブラック:電気化学工業(株)製。
・DICY−7:ジャパンエポキシレジン(株)製、ジシアンジアミド。
・メラミン:日産化学(株)製。
銅張積層板(FR‐4、厚さ1.6mm、導体厚35μm)に回路パターンを形成したプリント配線板を、希硫酸(3質量%)により表面処理した後、スクリーン印刷法にて、実施例1〜10及び比較例1〜6にて使用する硬化性樹脂組成物をそれぞれ塗布後、塗布したプリント配線板を、垂直に立て掛けた状態でBOX炉にて80℃で20分の予備乾燥を行った。予備乾燥後、塗膜上に露光装置(オーク社製HMW−680GW)にて紫外線(波長300〜450nm)を500mJ/cm2露光した後、30℃、1%の炭酸ナトリウム水溶液にて現像後、BOX炉にて150℃で60分のポストキュアを行って、プリント配線板上に硬化性樹脂組成物の硬化塗膜を形成し、試験片を作製した。硬化塗膜の厚みは20〜23μmであった。
(1)チクソ比
上記のように調製した硬化性樹脂組成物について、ブルックフィールド製粘度計「RVT型」を用いて、試料温度25℃におけるスピンドル回転数5rpmのBF粘度(η5)、及び試料温度25℃におけるスピンドル回転数50rpmのBF粘度(η50)をそれぞれ測定し、該粘度の比(η5/η50)からチクソ比を算出した。
(2)ダレ性
垂直に立て掛けた状態で行った予備乾燥後のプリント配線板について、目視により観察し、以下の基準に従って評価した。
○:プリント配線板上の塗膜に、ダレがない。
△:プリント配線板上の回路パターン部の塗膜に、ダレがややある。
×:プリント配線板上の回路パターン部の塗膜に、片寄りによるダレが認められる。
(3)はんだ耐熱性
上記試験片作製工程にて作製した試験片の硬化塗膜を、JIS C−6481の試験方法に従って、260℃のはんだ槽に30秒間浸せき後、セロハンテープによるピーリング試験を1サイクルとし、これを1〜3回繰り返した後の塗膜状態を目視により観察し、以下の基準に従って評価した。なお、上記ピーリング試験は、いずれも、回路パターンが形成された部位にて行なった。
◎:3サイクル繰り返し後も塗膜に変化が認められない。
○:3サイクル繰り返し後の塗膜にほんの僅か変化が認められる。
△:2サイクル繰り返し後の塗膜に変化が認められる。
×:1サイクル後の塗膜に剥離が認められる。
(4)塗膜外観
調製から30℃恒温槽にて180日間放置後の硬化性樹脂組成物を用いて、上記試験片作製工程にて作製した試験片の硬化塗膜を、目視により観察し、以下の基準に従って評価した。
○:プリント配線板上の塗膜が平滑に形成され、異常なし。
△:プリント配線板上の塗膜表面にわずかに気泡が見られる。
×:プリント配線板上の塗膜表面に多くの気泡が見られ、平滑な塗膜を形成していない。
Claims (4)
- (A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)希釈剤と、(D)エポキシ化合物と、(E)有機リン酸塩とを含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
- 前記有機リン酸塩が、ポリリン酸の塩とメラミンの塩の複塩を含むことを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- さらに、(F)酸化チタンを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物をソルダーレジストとして塗布したことを特徴とするプリント配線板。
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