JP2012189928A - ソルダーレジスト組成物及びフレキシブルプリント配線板 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、高い耐熱性を有すると共に、易屈曲性並びに低反り性を併せ持つソルダーレジスト層が形成されるソルダーレジスト組成物を提供する。
【解決手段】ソルダーレジスト組成物がカルボキシル基含有樹脂と、光重合開始剤とを含有する。前記カルボキシル基含有樹脂が、エポキシ樹脂にカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物が付加され、更に酸無水物が付加された構造を有する第一の樹脂を含有する。前記エポキシ樹脂が2官能のエポキシ樹脂である。前記カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物に、下記一般式(1)で示されるω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレートが含まれている。
C=CHCOO(C10COO)H …(1)
(nは1以上の数)
【選択図】なし

Description

本発明は、フレキシブルプリント配線板のソルダーレジスト層の形成に好適に用いられるソルダーレジスト組成物、及びこのソルダーレジスト組成物から形成されたソルダーレジスト層を備えるフレキシブルプリント配線板に関する。
近年、民生用及び産業用の各種プリント回路基板のレジストパターン形成法としては、印刷配線板の高配線密度化に対応するため、スクリーン印刷法に代わって、解像性及び寸法精度等に優れたドライフィルムや液状の現像可能なソルダーレジスト組成物を用いる方法が大きな位置を占めてきている。
更に、近年、携帯端末や薄型ディスプレイなどの小型或いは薄型の電子機器の普及などに伴ってフレキシブルプリント配線板の需要が拡大してきており、それに伴ってフレキシブルプリント配線板に適したソルダーレジスト用組成物が求められるようになってきている。フレキシブルプリント配線板に形成されるソルダーレジスト層には、従来のソルダーレジスト層に求められている耐熱性などの特性に加えて、更に屈曲され易いこと(易屈曲性)、反りが発生しにくいこと(低反り性)などが求められる。
フレキシブルプリント配線板におけるソルダーレジスト層の易屈曲性や低反り性の向上のために、従来、ソルダーレジスト組成物にポリウレタン系やアクリル共重合系のカルボキシル基含有樹脂を含有させることがおこなわれていた。この種のソルダーレジスト組成物として、例えば特許文献1には、(A−1)2個以上のヒドロキシル基を有するポリオール成分がポリカーボネートジオール由来のものである、カルボキシル基及びエチレン性不飽和二重結合を有するウレタン樹脂、(A−2)2個以上のヒドロキシル基を有するポリオール成分がポリエーテルポリオール由来のものである、カルボキシル基及びエチレン性不飽和二重結合を有するウレタン樹脂、(B)光重合開始剤、(C)希釈剤、及び(D)熱硬化性化合物を含有する光硬化性・熱硬化性樹脂組成物が開示されている。
しかし、ポリウレタン系やアクリル共重合系のカルボキシル基含有樹脂が使用される場合は、ソルダーレジスト層の耐熱性が充分に向上され難いという問題がある。
特開2009−19178号公報
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高い耐熱性を有すると共に、易屈曲性並びに低反り性を併せ持つソルダーレジスト層が形成されるソルダーレジスト組成物を提供することを目的とする。
本発明は、高い耐熱性を有すると共に、易屈曲性並びに低反り性を併せ持つソルダーレジスト層を備えるフレキシブルプリント配線板を提供することも目的とする。
本発明に係るソルダーレジスト組成物は、カルボキシル基含有樹脂と、光重合開始剤とを含有し、前記カルボキシル基含有樹脂が、エポキシ樹脂にカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物が付加され、更に酸無水物が付加された構造を有する第一の樹脂を含有し、前記エポキシ樹脂が2官能のエポキシ樹脂であり、前記カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物に、下記一般式(1)で示されるω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレートが含まれている。
C=CHCOO(C10COO)H …(1)
(nは1以上の数)
本発明に係るソルダーレジスト組成物において、前記一般式(1)で示されるω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレートの数平均分子量が200〜400の範囲であることが好ましい。
本発明に係るソルダーレジスト組成物において、前記カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物全体に対する、前記一般式(1)で示されるω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレートの割合が、20〜100mol%の範囲であることが好ましい。
本発明に係るソルダーレジスト組成物において、前記カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物に、更にアクリル酸が含まれていることが好ましい。
本発明に係るソルダーレジスト組成物において、前記カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物中の、前記一般式(1)で示されるω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレートと前記アクリル酸との合計量に対する前記アクリル酸の割合が、1〜80mol%の範囲であることが好ましい。
本発明に係るソルダーレジスト組成物において、前記カルボキシル基含有樹脂中の前記第一の樹脂の割合が20〜100質量%の範囲であることが好ましい。
本発明に係るソルダーレジスト組成物において、前記光重合開始剤が、リン含有光重合開始剤を含有することが好ましい。
本発明に係るソルダーレジスト組成物において、前記リン含有光重合開始剤が、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有することが好ましい。
本発明に係るソルダーレジスト組成物が、リン含有難燃剤を更に含有することが好ましい。
本発明に係るソルダーレジスト組成物において、前記リン含有難燃剤が、リン酸エステル化合物を含有することが好ましい。
本発明に係るソルダーレジスト組成物が、一分子中に少なくとも二個のエポキシ基を有するエポキシ化合物を更に含有することが好ましい。
本発明に係るソルダーレジスト組成物が、光重合性を有するモノマー及びプレポリマーから選択される少なくとも一種の光重合性化合物を更に含有することが好ましい。
本発明に係るソルダーレジスト組成物のリン元素の含有量が、フィラーを除く固形分量に対して0.5〜8.0質量%の範囲であることが好ましい。
本発明に係るソルダーレジスト組成物は、フレキシブルプリント配線板におけるソルダーレジスト層を形成するために用いられることが好ましい。
本発明に係るフレキシブルプリント配線板は、前記ソルダーレジスト組成物から形成されたソルダーレジスト層を備える。
本発明によれば、高い耐熱性を有すると共に、易屈曲性並びに低反り性を併せ持つソルダーレジスト層が形成されるソルダーレジスト組成物が得られる。
また、本発明によれば、高い耐熱性を有すると共に、易屈曲性並びに低反り性を併せ持つソルダーレジスト層を備えるフレキシブルプリント配線板が得られる。
[ソルダーレジスト組成物の組成]
本実施形態に係るソルダーレジスト組成物は、カルボキシル基含有樹脂と、このカルボキシル基含有樹脂の光重合反応を誘発する光重合開始剤とを含有する。
(1)カルボキシル基含有樹脂
a.第一の樹脂
カルボキシル基含有樹脂は、エポキシ樹脂にエチレン性不飽和化合物が付加され、更に酸無水物が付加された構造を有する第一の樹脂を含有する。この場合におけるエポキシ樹脂は2官能のエポキシ樹脂である。更に、エチレン性不飽和化合物には、下記一般式(1)で示されるω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレートが含まれる。
C=CHCOO(C10COO)H …(1)
(nは1以上の数)
エポキシ樹脂とカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物との付加反応は、エポキシ樹脂におけるエポキシ基とカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物におけるカルボキシル基とが関与する開環付加反応であり、これにより、付加反応による生成物(付加反応生成物)には水酸基が生じる。
この付加反応生成物と多塩基酸無水物との付加反応は、エポキシ樹脂が元々有する水酸基に由来する水酸基、或いは生成物における開環付加反応により生成した水酸基と、多塩基酸無水物における酸無水物基とが関与するエステル化反応であり、これにより第一の樹脂にはカルボキシル基が生じる。
第一の樹脂は上記のような反応により生成し得るため、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物に由来するエチレン性不飽和結合と、多塩基酸無水物に由来するカルボキシル基とを有する。このため、この第一の樹脂により、ソルダーレジスト組成物に光硬化性とアルカリ現像性とが付与される。
更に、第一の樹脂を合成するために用いられるエポキシ樹脂が2官能のエポキシ樹脂であると共に、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物がω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレートを含むことで、この第一の樹脂を含むソルダーレジスト組成物から形成されるソルダーレジスト層の柔軟性が非常に高くなり、このためソルダーレジスト層が優れた易屈曲性を有するようになる。更に、ソルダーレジスト組成物が光硬化する際の硬化収縮が少なくなり、このためソルダーレジスト層が優れた低反り性を有するようになる。更に、このような構造を有する第一の樹脂の硬化物の耐熱性が高いため、ソルダーレジスト組成物から形成されるソルダーレジスト層の耐熱性も高くなる。
第一の樹脂を合成するために用いられ得るエポキシ樹脂、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物、及び酸無水物について、更に詳しく説明する。
第一の樹脂を合成するためのエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(具体例として三菱化学株式会社製の品番jER1001)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(具体例として三菱化学株式会社製の品番jER4004P)、ビスフェノールS型エポキシ樹脂(具体例としてDIC株式会社製の品番EPICLON EXA−1514)、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂(具体例として三菱化学株式会社製の品番YX7399)、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(具体例として新日鐵化学株式会社製の品番ST−4000D)、特殊2官能型エポキシ樹脂(具体例として、三菱化学株式会社製の品番YL7175−500、及びYL7175−1000;DIC株式会社製の品番EPICLON TSR−960、EPICLON TER−601、EPICLON TSR−250−80BX、EPICLON 1650−75MPX、EPICLON EXA−4850、EPICLON EXA−4816、EPICLON EXA−4822、及びEPICLON EXA−9726;新日鐵化学株式会社製の品番YSLV−120TE)、前記以外のビスフェノール系エポキシ樹脂などが、挙げられる。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、ソルダーレジスト組成物から形成される湿潤被膜のベタ付きを抑制すると共にソルダーレジスト層の柔軟性を充分に向上する観点からは、250以上であることが好ましく、450以上であれば更に好ましく、500以上であれば更に好ましく、600以上であれば特に好ましい。また、このエポキシ当量は、ソルダーレジスト組成物に良好な感光性を付与する観点からは、5000以下であることが好ましく、3300以下であれば更に好ましく、2200以下であれば更に好ましく、1000以下であれば特に好ましい。この2官能のエポキシ樹脂のエポキシ当量が600〜1000の範囲であれば特に好ましい。
第一の樹脂を合成するためのカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は上記の通り、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレートを含む。ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレートの数平均分子量は特に制限されないが、200以上であることが好ましく、250以上であることが更に好ましい。またこの数平均分子量は400以下であることが好ましく、350以下であれば更に好ましい。この数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィにより、次の条件で測定される。
GPC装置:昭和電工社製 SHODEX SYSTEM 11
カラム:SHODEX KF−800P,KF−005,KF−003,KF−001の4本直列
移動相:THF
流量:1ml/分
カラム温度:45℃
検出器:R1
換算:ポリスチレン
このようなω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレートが用いられることで、ソルダーレジスト組成物から形成されるソルダーレジスト層が屈曲されやすくなると共に、このソルダーレジスト層に反りが生じにくくなる。これは、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレートが用いられることで形成される、ソルダーレジスト組成物の硬化物中の樹脂骨格の架橋構造が、易屈曲性及び低反り性の向上のために有利に働くためであると考えられる。
ソルダーレジスト層の易屈曲性及び低反り性の向上ためには、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物全体に対する、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレートの割合は20〜100mol%の範囲であることが好ましく、特に35〜100mol%の範囲であることが好ましい。
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物がω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート以外の化合物を更に含む場合、この化合物としては、適宜のポリマー及びプレポリマーから選択される化合物が使用され得る。この化合物の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、メタクリロイルオキシエチルサクシネート、2−プロペノイックアシッド,3−(2−カルボキシエトキシ)−3−オキシプロピルエステル、2−アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等の、エチレン性不飽和基を1個のみ有する化合物;ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のヒドロキシル基を有する多官能アクリレートや多官能メタクリレートに二塩基酸無水物を反応させて得られる化合物などといった、エチレン性不飽和基を複数有する化合物などが、挙げられる。これらの化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。特に、アクリル酸が使用されることが好ましい。この場合、ソルダーレジスト組成物から形成される湿潤被膜のタック性が充分に抑制されると共に、ソルダーレジスト層の耐メッキ性、はんだ耐熱性が向上する。
ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレートとアクリル酸とが併用される場合には、両者の合計量に対するアクリル酸の割合が1〜80mol%の範囲であることが好ましく、特に1〜60mol%の範囲が好ましい。この場合はカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物全体に対する、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレートの割合は20〜99mol%の範囲であることが好ましく、特に40〜99mol%の範囲であることが好ましい。
第一の樹脂が合成される際のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物の全使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1モルに対してカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物のカルボキシル基が0.7〜1.2モルの範囲となる量であることが好ましく、特に前記カルボキシル基が0.9〜1.1モルの範囲となる量であることが好ましい。この場合、第一の樹脂中におけるエポキシ基の残存量が特に低減し、このためソルダーレジスト組成物が予備乾燥程度の弱い熱乾燥条件下に置かれた場合での第一の樹脂の熱硬化反応が抑制され、このためソルダーレジスト組成物の露光後の現像性の低下が抑制される。更に、第一の樹脂の合成時における未反応のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物の残存が抑制される。
第一の樹脂の合成のための多塩基酸無水物の具体例としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水マレイン酸、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物、無水シトラコン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物等の三塩基酸以上の酸無水物などが、挙げられる。これらの化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用され得る。
この多塩基酸無水物は、第一の樹脂に酸価を与えることで、ソルダーレジスト組成物に希アルカリ水溶液による再分散、再溶解性を付与することを主たる目的として使用される。多塩基酸酸無水物の使用量は、第一の樹脂の酸価が好ましくは30mgKOH/g以上、特に好ましくは60mgKOH/g以上となるように調整される。また、多塩基酸酸無水物の使用量は、第一の樹脂の酸価が好ましくは160mgKOH/g以下、特に好ましくは130mgKOH/g以下となるように調整される。
第一の樹脂が合成される際に、エポキシ樹脂とカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物との付加反応、並びにこの付加反応による生成物と多塩基酸無水物との付加反応を進行させるにあたっては、公知の方法が採用され得る。例えばエポキシ樹脂とカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物との付加反応にあたっては、エポキシ樹脂の溶剤溶液にカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物を加え、更に必要に応じて熱重合禁止剤及び触媒を加えて攪拌混合することで、反応性溶液が得られる。この反応性溶液を常法により好ましくは60〜150℃、特に好ましくは80〜120℃の反応温度で反応させることで、付加反応生成物が得られる。熱重合禁止剤としてはハイドロキノンもしくはハイドロキノンモノメチルエーテル等が挙げられる。触媒としてベンジルジメチルアミン、トリエチルアミン等の第3級アミン類、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、メチルトリエチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩類、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビンなどが挙げられる。
付加反応生成物と多塩基酸無水物との付加反応を進行させるにあたっては、付加反応生成物の溶剤溶液に多塩基酸無水物を加え、更に必要に応じて熱重合禁止剤及び触媒を加えて撹拌混合することで、反応性溶液が得られる。この反応性溶液を常法により反応させることで、第一の樹脂が得られる。反応条件はエポキシ樹脂とエチレン性不飽和化合物との付加反応の場合と同じ条件でよい。熱重合禁止剤及び触媒としては、エポキシ樹脂とカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物との付加反応時に使用された化合物をそのまま使用することができる。
カルボキシル基含有樹脂全体に対する第一の樹脂の割合は、20〜100質量%の範囲であることが好ましく、40〜100質量%の範囲であれば更に好ましい。
このような第一の樹脂が使用されることで、上記の通りソルダーレジスト層の柔軟性が非常に高くなり、更にソルダーレジスト組成物の光硬化時の硬化収縮が小さくなり、更にソルダーレジスト組成物の光反応性も向上する。このような特性の向上には、第一の樹脂の分子中におけるカルボキシル基の位置及び密度、主鎖とカルボキシル基との間の距離等が関与しているものと考えられる。
カルボキシル基含有樹脂が第一の樹脂以外に含有し得る樹脂としては、特に制限されないが、例えば次の第二の樹脂及び第三の樹脂が挙げられる。
b.第二の樹脂
第二の樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物にカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物が付加され、更に多塩基酸無水物が付加された構造を有する樹脂であって、第一の樹脂以外の樹脂である。
第二の樹脂を合成するために用いられ得るエポキシ化合物、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物、及び多塩基酸無水物について、更に詳しく説明する。
第二の樹脂を合成するための1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物としては、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA−ノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。
エポキシ化合物は、エポキシ基を有する化合物を含むエチレン性不飽和化合物の重合体であってもよい。エチレン性不飽和化合物として、エポキシ基を有する化合物のみが使用されても、エポキシ基を有する化合物とエポキシ基を有しない化合物とが併用されてもよい。
エポキシ基を有する化合物としては、適宜のポリマー又はプレポリマーが挙げられる。エポキシ基を有する化合物の具体例として、アクリル酸又はメタクリル酸のエポキシシクロヘキシル誘導体類;アクリレート又はメタクリレートの脂環エポキシ誘導体;β−メチルグリシジルアクリレート、β−メチルグリシジルメタクリレート等が挙げられる。これらの化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。特に、汎用されて入手が容易なグリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
エポキシ基を有しない化合物は、同時に使用されるエポキシ基を有する化合物と共重合可能な化合物であればよい。エポキシ基を有しない化合物の具体例としては、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(重合度n=2〜17)、ECH変性フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ECH変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンベンゾエート(メタ)アクリレート、EO変性フタル酸(メタ)アクリレート、EO,PO変性フタル酸(メタ)アクリレート、ビニルカルバゾール、スチレン、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、3−マレイミド安息香酸N−スクシンイミジル、直鎖状或いは分岐を有する脂肪族又は脂環族(但し、環中に一部不飽和結合を有してもよい)の(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート等;N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類等が挙げられる。これらの化合物と共に、必要に応じて、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の、1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物が併用されてもよい。これらの化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。これらの化合物はソルダーレジスト層の硬度及び油性の調節が容易である等の点で好ましい。
エチレン性不飽和化合物は、公知の重合方法、例えば溶液重合、エマルション重合等により反応する。溶液重合の方法としては、エチレン性不飽和化合物を適当な有機溶剤中で、重合開始剤の存在下、窒素雰囲気下で加熱攪拌する方法や、共沸重合法等が挙げられる。
エチレン性不飽和化合物の重合のために使用される有機溶剤としては、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、及びトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、及び酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類、及びジアルキルグリコールエーテル類等が挙げられる。これらは一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。
エチレン性不飽和化合物の重合のために使用される重合開始剤としては、例えばジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン等のジアルキルパーオキサイド類、イソブチリルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、メチルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシビバレート等のアルキルパーエステル類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物類が挙げられる。これらは一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。また、前記重合開始剤としてレドックス系の開始剤が使用されてもよい。
第二の樹脂を合成するためのカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、適宜のポリマー又はプレポリマーが挙げられる。このエチレン性不飽和化合物の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、メタクリロイルオキシエチルサクシネート、2−プロペノイックアシッド,3−(2−カルボキシエトキシ)−3−オキシプロピルエステル、2−アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等の、エチレン性不飽和基を1個のみ有する化合物が挙げられる。このエチレン性不飽和化合物として、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のヒドロキシル基を有する多官能アクリレートや多官能メタクリレートに二塩基酸無水物を反応させて得られる化合物などといった、エチレン性不飽和基を複数有する化合物も挙げられる。これらの化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。特にエチレン性不飽和化合物がアクリル酸及びメタクリル酸のうちの少なくとも一方を含有することが好ましい。この場合、アクリル酸及びメタクリル酸により第二の樹脂に導入されるエチレン性不飽和基は特に光反応性に優れるため、第二の樹脂の光反応性が高くなる。
第二の樹脂の合成時のエチレン性不飽和化合物の使用量は、エポキシ化合物のエポキシ基1モルに対してエチレン性不飽和化合物のカルボキシル基が0.7〜1.2モルの範囲となる量であることが好ましく、特に前記カルボキシル基が0.9〜1.1モルの範囲となる量であることが好ましい。
第二の樹脂を合成するための多塩基酸無水物の具体例としては、第一の樹脂を合成するための多塩基酸無水物の場合と同じ化合物が挙げられる。多塩基酸無水物の使用量は、第二の樹脂の酸価が好ましくは30mgKOH/g以上、特に好ましくは60mgKOH/g以上となるように調整される。また、多塩基酸無水物の使用量は、第二の樹脂の酸価が好ましくは160mgKOH/g以下、特に好ましくは130mgKOH/g以下となるように調整される。
第二の樹脂が合成される際に、エポキシ化合物とカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物との付加反応、並びにこの付加反応による生成物と多塩基酸無水物との付加反応を進行させるにあたっては、公知の方法、例えば第一の樹脂が合成される場合と同様の方法が、採用され得る。
c.第三の樹脂
第三の樹脂は、カルボキシル基を有する化合物を含むエチレン性不飽和化合物の重合体に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物が反応することで得られる樹脂である。
第三の樹脂の合成に使用されるカルボキシル基を有する化合物を含むエチレン性不飽和化合物には、カルボキシル基を有する化合物と共に、カルボキシル基を有さない化合物が含まれていてもよい。カルボキシル基を有する化合物の具体例としては、第二の樹脂を合成するためのカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物の場合と同じ化合物が挙げられる。カルボキシル基を有さない化合物の具体例としては、第二の樹脂を合成するためのエポキシ基を有しない化合物の場合と同じ化合物が挙げられる。
第三の樹脂の合成に使用されるエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物としては、第二の樹脂を合成するためのエポキシ基を有する化合物の場合と同じ化合物が挙げられる。エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物の使用量は、第三の樹脂の酸価が好ましくは30mgKOH/g以上、特に好ましくは60mgKOH/g以上となるように調整される。また、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物の使用量は、第三の樹脂の酸価が好ましくは160mgKOH/g以下、特に好ましくは130mgKOH/g以下となるように調整される。
第三の樹脂が合成される際に、カルボキシル基を有する化合物を含むエチレン性不飽和化合物の重合反応を進行させるにあたっては、公知の方法、例えば第二の樹脂を合成するにあたってエチレン性不飽和化合物を重合させる場合と同様の方法が、採用され得る。カルボキシル基を有する化合物を含むエチレン性不飽和化合物の重合体に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させる方法としても、公知の方法、例えば第一の樹脂が合成される際のエポキシ樹脂とカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物との付加反応の場合と同様の方法が、採用され得る。
カルボキシル基含有樹脂全体の重量平均分子量は特に制限されないが、その好ましい範囲は3000〜400000である。この範囲において、ソルダーレジスト組成物に特に優れた感光性と解像性とが付与される。
カルボキシル基含有樹脂全体の酸価は30mgKOH/g以上であることが好ましく、この場合、ソルダーレジスト組成物に良好な現像性が付与される。この酸価は60mgKOH/g以上であれば更に好ましい。また、カルボキシル基含有樹脂全体の酸価は160mgKOH/g以下であることが好ましく、この場合、ソルダーレジスト組成物から形成されるソルダーレジスト層中のカルボキシル基の残留量が低減し、ソルダーレジスト層の良好な電気特性、耐電蝕性及び耐水性等が維持される。この酸価は130mgKOH/g以下であれば更に好ましい。
ソルダーレジスト組成物中のカルボキシル基含有樹脂の割合は特に制限されないが、ソルダーレジスト組成物の固形分(硬化物を構成する成分)全量に対してカルボキシル基含有樹脂の割合が1質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であれば更に好ましい。またこのカルボキシル基含有樹脂の割合は99質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であれば更に好ましい。この場合、ソルダーレジスト組成物の良好な感度及び作業特性並びにソルダーレジスト層の良好な物性が充分に確保される。
(2)光重合開始剤
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド等のベンゾフェノン類;2,4−ジイソプロピルキサントン等のキサントン類;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシケトン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン等の窒素原子を含む化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(DAROCUR TPO)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−エチル−フェニル−フォスフィネート(SPEEDCURE TPO−L)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(IRGACURE 819)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド(CGI 403)等のアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤等が挙げられる。光重合開始剤と共に、p−ジメチル安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート等の第三級アミン系等の公知の光重合促進剤や増感剤等が使用されてもよい。可視光露光用や近赤外線露光用等の光重合開始剤も必要に応じて使用される。これらの光重合開始剤は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。また、光重合開始剤と共に、レーザ露光法用増感剤として7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等のクマリン誘導体、その他カルボシアニン色素系、キサンテン色素系等が併用されてもよい。
光重合開始剤には、リン含有光重合開始剤が含まれていることが好ましい。この場合、ソルダーレジスト層の難燃性が向上する。リン含有光重合開始剤としては、上記のアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤が用いられることが好ましい。ソルダーレジスト組成物中のリン含有光重合開始剤の含有量は、ソルダーレジスト組成物中のリン元素の含有量が、ソルダーレジスト層が充分に高い難燃性を有し得る程度の量となるように、適宜設定されることが望ましい。
光重合開始剤がアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含む場合には、光重合開始剤が更にα−ヒドロキシアセトフェノンを含むことも好ましい。α−ヒドロキシアセトフェノンはアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤よりも酸素障害を受けにくく、且つ熱により変色しにくい。このため、α−ヒドロキシアセトフェノンが使用される場合には、ソルダーレジスト組成物の露光時における表層の硬化性が特に高くなる。α−ヒドロキシアセトフェノンの具体例としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(IRGACURE 184)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(DAROCUR 1173)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(IRGACURE 2959)などが挙げられる。
ソルダーレジスト組成物がアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤とα−ヒドロキシアセトフェノンとを含有する場合には、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量は0.1〜20質量%の範囲、α−ヒドロキシアセトフェノンの含有量は0.1〜20質量%の範囲であることが好ましい。この場合、ソルダーレジスト組成物の光硬化性が充分に維持されると共に、ソルダーレジスト層の硬度が更に向上し、且つ、ソルダーレジスト層の耐現像液性が向上する。またこのため、特にソルダーレジスト層の耐無電解Niめっき性が向上する。
ソルダーレジスト組成物中における光重合開始剤の含有量は、ソルダーレジスト組成物の光硬化性と、このソルダーレジスト組成物から形成されるソルダーレジスト層の物性とのバランスを考慮して適宜設定されることが好ましく、特にソルダーレジスト組成物の固形分全量に対して0.1〜30質量%の範囲であることが望ましい。
(3)エポキシ化合物
ソルダーレジスト組成物が、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物を含有することが好ましい。この場合、ソルダーレジスト組成物に熱硬化性が付与され得る。このエポキシ化合物は、溶剤難溶性エポキシ化合物であってもよく、汎用の溶剤可溶性エポキシ化合物等であってもよい。エポキシ化合物の種類は特に限定されないが、特にフェノールノボラック型エポキシ樹脂(具体例としてDIC株式会社製の品番EPICLON N−775)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(具体例としてDIC株式会社製の品番EPICLON N−695)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(具体例として三菱化学株式会社製の品番jER1001)、ビスフェノールA−ノボラック型エポキシ樹脂(具体例としてDIC株式会社製の品番EPICLON N−865)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(具体例として三菱化学株式会社製の品番jER4004P)、ビスフェノールS型エポキシ樹脂(具体例としてDIC株式会社製の品番EPICLON EXA−1514)、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂(具体例として三菱化学株式会社製の品番YX4000)、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(具体例として日本化薬株式会社製の品番NC−3000)、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(具体例として新日鐵化学株式会社製の品番ST−4000D)、ナフタレン型エポキシ樹脂(具体例としてDIC株式会社製の品番EPICLON HP−4032、EPICLON HP−4700、EPICLON HP−4770)、特殊2官能型エポキシ樹脂(具体例として、三菱化学株式会社製の品番YL7175−500、及びYL7175−1000;DIC株式会社製の品番EPICLON TSR−960、EPICLON TER−601、EPICLON TSR−250−80BX、EPICLON 1650−75MPX、EPICLON EXA−4850、EPICLON EXA−4816、EPICLON EXA−4822、及びEPICLON EXA−9726;新日鐵化学株式会社製の品番YSLV−120TE)、前記以外のビスフェノール系エポキシ樹脂が望ましい。トリグリシジルイソシアヌレートとしては、特にS−トリアジン環骨格面に対し3個のエポキシ基が同一方向に結合した構造をもつβ体が好ましく、或いはこのβ体と、S−トリアジン環骨格面に対し1個のエポキシ基が他の2個のエポキシ基と異なる方向に結合した構造をもつα体との混合物が好ましい。
エポキシ化合物にリン含有エポキシ樹脂が含まれていることも好ましい。この場合、ソルダーレジスト層の難燃性が向上する。リン含有エポキシ樹脂としては、リン酸変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂(具体例としてDIC株式会社製の品番EPICRON EXA−9726、及びEPICLON EXA−9710)、新日鐵化学株式会社製の品番エポトートFX−305等が挙げられる。
ソルダーレジスト組成物中のエポキシ化合物の割合は特に制限されないが、ソルダーレジスト組成物の固形分全量に対してエポキシ化合物全量の割合が0.1質量%以上であることが好ましく、この場合、ソルダーレジスト層の耐はんだ性、耐めっき性等が更に向上する。またこの割合が50重量%以下であれば、ソルダーレジスト組成物の現像性が更に向上する。
(4)リン含有難燃剤
ソルダーレジスト組成物が、リン含有難燃剤を含有することも好ましい。この場合、ソルダーレジスト層の難燃性が向上する。リン含有難燃剤としては、芳香族リン酸エステル、芳香族縮合型リン酸エステル、亜リン酸エステル、リン酸エステルアミド、リン酸エステル金属塩、ポリリン酸塩、イントメッセント系難燃剤(具体例として株式会社アデカ製の品番FP−2100J、及びFP−2200)、三光株式会社製の品番HCA(9,10−ジヒドロー9−オキサー10−フォスファナンスレンー10−オキサイド)及びその誘導体、赤燐、リン酸アンモニウム、リン酸メラミン、リン含有フェノキシ樹脂等が挙げられる。
リン含有難燃剤が、リン酸エステル化合物を含むことが好ましい。この場合、レジスト層の硬化収縮が抑えられ、これによりレジスト層の屈曲性と低反り性が更に向上する。リン酸エステル化合物の概念には芳香族リン酸エステル、芳香族縮合型リン酸エステル、リン酸エステルアミドとリン酸エステル金属塩が含まれる。リン酸エステル化合物の具体例としては、トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、t−ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ビス(t−ブチルフェニル)フェニルホスフェート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ビス(イソプロピルフェニル)ジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、1,3−フェニレンビス(ジキシレニル)ホスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、ジイソデシルペンタエリストールジフォスファイト、無機金属リン酸塩(具体例としてクラリアントジャパン株式会社製の品番Exolit OP930、Exolit OP935、Exolit OP1230、及びExolit OP1312)等が挙げられる。
また、ソルダーレジスト組成物が、水酸基を有するリン含有化合物を含むことも好ましい。この場合、リン含有難燃剤が水酸基を有することで、エポキシ基と反応し、硬化物に組み込まれるため、ブリードが発生しにくくなる。このような水酸基を有するリン含有化合物の具体例としては、リン含有フェノキシ樹脂(具体例として新日鐵化学株式会社製の品番フェノトートERF−001M30、及びTX−0924K30)、水酸基含有リン酸エステル(具体例として大八化学工業株式会社製の品番DAIGUARD−580、及びDAIGUARD−610)、水酸基含有HCA誘導体(具体例として三光株式会社製の品番HCA−HQ、及びM−Ester)、シクロオクチレンホスフィニルー1,4−ベンゼンジオール(具体例として日本化学工業株式会社製品番CPHO−HQ)、ジエチルN,Nビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホスフォネート(具体例としてICL―IP JAPAN株式会社製のファイロール6)、ポリ(m−フェニレンメチルホスフォネート)(具体例としてICL―IP JAPAN株式会社製のファイロールPMP)等が挙げられる。
ソルダーレジスト組成物中のリン含有難燃剤の含有量は特に制限されないが、フィラーを除く固形分量に対して、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であれば更に好ましい。また、この含有量は35質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であれば更に好ましい。
(5)光重合性化合物
ソルダーレジスト組成物が、カルボキシル基含有樹脂以外の光重合性化合物を更に含有することも好ましい。光重合性化合物は、光重合性を有するモノマー及びプレポリマーから選択される。この光重合性化合物は、例えばソルダーレジスト組成物の希釈、粘度調整、酸価の調整、光重合性の調整などの目的で使用される。この光重合性化合物としては、光重合性を有する適宜のポリマー或いはプレポリマーが挙げられる。光重合性化合物の具体例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート等の単官能アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε―カプロラクトン変性ペンタエリストールヘキサアクリレート等の多官能(メタ)アクリレートなどが挙げられる。このような化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。
この光重合性化合物に、リン含有化合物(リン含有光重合性化合物)が含まれていることも好ましい。この場合、ソルダーレジスト層の難燃性が向上する。リン含有光重合性化合物としては、2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェート(具体例として共栄社化学株式会社製の品番ライトエステルP−1M、及びライトエステルP−2M)、2−アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート(具体例として共栄社化学株式会社製の品番ライトアクリレートP−1A)、ジフェニルー2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート(具体例として大八工業株式会社製の品番MR−260)、昭和高分子株式会社製のHFAシリーズ(具体例としてジペンタエリストールヘキサアクリレートとHCAとの付加反応物である品番HFAー6003、及びHFA−6007、カプロラクトン変性ジペンタエリストールヘキサアクリレートとHCAとの付加反応物である品番HFAー3003、及びHFA−6127等)等が挙げられる。
光重合性化合物が使用される場合、ソルダーレジスト組成物中への光重合性化合物の含有量はソルダーレジスト組成物全量に対して0.05〜40質量%の範囲であることが好ましい。更にこの含有量はソルダーレジスト組成物の固形分全量に対して50質量%以下であることが望ましい。光重合性化合物の含有量がこのような範囲であると、ソルダーレジスト組成物から形成される乾燥膜の表面粘着性が強くなり過ぎることが抑制され、ネガマスクが乾燥膜の表面に直接当てがわれた場合のネガマスクの汚損等が抑制される。
(6)有機溶剤
ソルダーレジスト組成物は必要に応じて有機溶剤を含有してもよい。有機溶剤は、例えばソルダーレジスト組成物の液状化又はワニス化、粘度調整、塗布性の調整、造膜性の調整などの目的で使用される。有機溶剤の具体例としては、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ヘキサノール、エチレングリコール等の直鎖、分岐、2級或いは多価のアルコール類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;スワゾールシリーズ(丸善石油化学社製)、ソルベッソシリーズ(エクソン・ケミカル社製)等の石油系芳香族系混合溶剤;セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;プロピレングリコールメチルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールメチルエーテル等のポリプロピレングリコールアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等の酢酸エステル類;ジアルキルグリコールエーテル類などが挙げられる。これらの有機溶剤は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。
ソルダーレジスト組成物中の有機溶剤の含有量は適宜設定される。この含有量は、ソルダーレジスト組成物から形成される塗膜の仮乾燥時に有機溶剤が速やかに揮散するように、すなわち有機溶剤が乾燥膜に残存しないように、調整されることが好ましい。この有機溶剤の含有量は、特にソルダーレジスト組成物全量に対して5〜99.5重量%の範囲であることが好ましく、この場合、ソルダーレジスト組成物の良好な塗布性が維持される。尚、有機溶剤の好適な含有量は塗布方法などにより異なるので、塗布方法に応じて含有量が適宜調節されることが好ましい。
(7)他の樹脂
ソルダーレジスト組成物は、上述のカルボキシル基含有樹脂及びエポキシ化合物以外に、更に例えばカプロラクタム、オキシム、マロン酸エステル等でブロックされたトリレンジイソシアネート、モルホリンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート系のブロックドイソシアネート、及びメラミン、n−ブチル化メラミン樹脂、イソブチル化メラミン樹脂、ブチル化尿素樹脂、ブチル化メラミン尿素共縮合樹脂、ベンゾグアナミン系共縮合樹脂等のアミノ樹脂等の熱硬化成分;紫外線硬化性エポキシ(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、脂環型エポキシ樹脂等に(メタ)アクリル酸を付加したもの;ジアリルフタレート樹脂、フェノキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の高分子化合物などを含有してもよい。
(8)その他
ソルダーレジスト組成物は、必要に応じて、エポキシ化合物を硬化させる硬化剤;硬化促進剤;顔料等の着色剤;シリコーン、アクリレート等の共重合体;レベリング剤;シランカップリング剤等の密着性付与剤;チクソトロピー剤;重合禁止剤;ハレーション防止剤;難燃剤;消泡剤;酸化防止剤;界面活性剤;高分子分散剤;硫酸バリウム、結晶性シリカ、ナノシリカ、酸化チタン、カーボンナノチューブ、タルク、ベントナイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機フィラーなどを含有してもよい。
(9)リン元素含有量
ソルダーレジスト組成物は、上記のリン含有光重合開始剤、リン含有難燃剤、リン含有光重合性化合物、及びリン含有エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましく、この場合、ソルダーレジスト層の難燃性が向上する。更に、ソルダーレジスト組成物がハロゲンを含む化合物を含有せず、或いはハロゲンを含む化合物の含有量が少なくても、ソルダーレジスト層の難燃性が充分に向上する。特にソルダーレジスト組成物はハロゲンを含む化合物を含有しないことが好ましい。
ソルダーレジスト組成物が上記のようなリンを含む化合物を含有することで、ソルダーレジスト組成物のフィラーを除く固形分量に対するリン元素の含有量が0.5〜8.0質量%の範囲となることが好ましい。このように燐元素の含有量が0.5質量%以上となることでソルダーレジスト層が充分に高い難燃性を発揮し、更にこの含有量が8.0質量%以下となることでソルダーレジストの硬化阻害を防ぐことができる。
[ソルダーレジスト組成物の調製]
ソルダーレジスト組成物は、上記のような原料成分を配合し、例えば三本ロール、ボールミル、サンドミル等を用いる公知の混練方法によって混練することにより調製することができる。その場合に、上記各成分のうち一部、例えば光重合性化合物及び有機溶剤の一部及びエポキシ樹脂を予め混合して分散させておき、これとは別に残りの成分を予め混合して分散させておき、使用時に両者を混合してソルダーレジスト組成物を調製してもよい。
[プリント配線板に対するソルダーレジスト層の形成]
プリント配線板上にソルダーレジスト層が形成されることで、ソルダーレジスト層を有するプリント配線板が作製される。プリント配線板としては、フレキシブルプリント配線板が使用されることが好ましい。ソルダーレジスト層の形成方法は特に限定されない。
ソルダーレジスト層の形成方法の一例は下記のとおりである。
プリント配線板に対して、ソルダーレジスト用組成物を浸漬法、スプレー、スピンコート、ロールコート、カーテンコート、スクリーン印刷等の適宜の手法により塗布した後、ソルダーレジスト用組成物中の有機溶剤を揮発させるために例えば60〜120℃で予備乾燥を行ない、乾燥膜を形成する。
この乾燥膜に対し、パターンが描かれたネガマスクを乾燥膜の表面に直接又は間接的に当てがい、活性エネルギー線を照射することにより、ネガマスクを介して乾燥膜を露光する。ネガマスクとしては、ソルダーレジスト層のパターン形状が活性エネルギー線を透過させる露光部として描画されると共に他の部分が活性エネルギー線を遮蔽する非露光部として形成された、マスクフィルムや乾板等のフォトツールなどが用いられる。また活性エネルギー線としては、ソルダーレジスト用組成物の組成に応じ、紫外線、可視光、近赤外線等などの適宜の活性エネルギー線が挙げられる。例えばケミカルランプ、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ又はメタルハライドランプ等の光源から紫外線等を照射する。
尚、露光の手法は、上記のようなネガマスクを用いる方法に限られるものではなく、適宜の手法を採用することができ、例えばレーザ露光等による直接描画法等を採用することもできる。
露光後のプリント配線板からネガマスクを取り外し、現像処理することにより、乾燥膜の非露光部分を除去し、残存する乾燥膜の露光部分にてソルダーレジスト層を形成する。
現像処理では、感光性樹脂層を形成するソルダーレジスト用組成物の種類に応じた適宜の現像液を使用することができる。現像液の具体例としては例えば炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸アンモニウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶、炭酸水素カリウム水溶液、炭酸水素アンモニウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化アンモニウム水溶液、水酸化リチウム水溶液などのアルカリ溶液を例示することができる。また、前記アルカリ溶液以外でもモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の有機アミンを使用することができ、これらは、単独でも組み合わせても用いることができる。このアルカリ溶液の溶媒としては、水単独のみならず、例えば水と低級アルコール類等の親水性のある有機溶媒の混合物を用いることも可能である。
更に、ソルダーレジスト層がエポキシ化合物を含有する場合には、必要に応じてソルダーレジスト層を例えば120〜180℃で30〜90分程度の条件で加熱処理を施すことでエポキシ化合物を熱硬化させてもよく、この場合、ソルダーレジスト層の膜強度、硬度、耐薬品性等が向上する。
このようにして形成されるソルダーレジスト層は、高い耐熱性を有すると共に、易屈曲性並びに低反り性を併せ持つ。更に、ソルダーレジスト組成物がリン含有光重合開始剤、リン含有難燃剤、リン含有光重合性化合物、及びリン含有エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも一種を含有する場合には、ソルダーレジスト層が優れた難燃性を発揮する。このため、本実施形態に係るソルダーレジスト組成物は、フレキシブルプリント配線板にソルダーレジスト層を形成するための好適に用いられる。
[合成例A−1]
還流冷却器、温度計、空気吹き込み管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、品番jER1004、エポキシ当量919)919質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート470部、ハイドロキノン0.2部、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート(東亞合成株式会社製、商品名アロニックスM−5300、数平均分子量290)300質量部、トリフェニルホスフィン3質量部を加えることで、反応溶液を調製した。この反応溶液を、四つ口フラスコ中に空気を吹き込みながら115℃で12時間加熱することで付加反応を進行させた。続いて、四つ口フラスコ中の液に無水コハク酸249質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート322質量部を加えて、110℃で5時間加熱することで反応させた。これにより、カルボキシル基含有樹脂の65質量%溶液を得た。
[合成例A−2]
還流冷却器、温度計、空気吹き込み管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、品番jER1004、エポキシ当量919)919質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート470質量部、ハイドロキノン0.2質量部、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート(東亞合成株式会社製、商品名アロニックスM−5300、数平均分子量290)150質量部、アクリル酸36質量部、トリフェニルホスフィン3質量部を加えることで、反応溶液を調製した。この反応溶液を、四つ口フラスコ中に空気を吹き込みながら115℃で12時間加熱することで付加反応を進行させた。続いて、この四つ口フラスコ中の液に無水コハク酸249質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート261質量部を加えて、110℃で5時間加熱することで反応させた。これにより、カルボキシル基含有樹脂の65質量%溶液を得た。
[合成例A−3]
還流冷却器、温度計、空気吹き込み管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、品番jER1004、エポキシ当量919)919質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート470質量部、ハイドロキノン0.2質量部、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート(東亞合成株式会社製、商品名アロニックスM−5300、数平均分子量290)180質量部、アクリル酸28.8質量部、トリフェニルホスフィン3質量部を加えることで、反応溶液を調製した。この反応溶液を、四つ口フラスコ中に空気を吹き込みながら115℃で12時間加熱することで付加反応を進行させた。続いて、この四つ口フラスコ中の液に無水コハク酸166.1質量部、テトラヒドロ無水フタル酸126.1質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート296.5質量部を加えて、110℃で5時間加熱することで反応させた。これにより、カルボキシル基含有樹脂の65質量%溶液を得た。
[合成例A−4]
還流冷却器、温度計、空気吹き込み管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、品番jER1001、エポキシ当量472)472質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート293質量部、ハイドロキノン0.2質量部、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート(東亞合成株式会社製、商品名アロニックスM−5300、数平均分子量290)180質量部、アクリル酸28.8質量部、トリフェニルホスフィン3質量部を加えることで、反応溶液を調製した。この反応溶液を、四つ口フラスコ中に空気を吹き込みながら115℃で12時間加熱することで付加反応を進行させた。続いて、この四つ口フラスコ中の液に無水コハク酸99.7質量部、テトラヒドロ無水フタル酸75.7質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート327.5質量部を加えて、110℃で5時間加熱することで反応させた。これにより、カルボキシル基含有樹脂の65質量%溶液を得た。
[合成例A−5]
還流冷却器、温度計、空気吹き込み管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、品番jER1007、エポキシ当量2052)2052質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート970質量部、ハイドロキノン0.2質量部、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート(東亞合成株式会社製、商品名アロニックスM−5300、数平均分子量290)180質量部、アクリル酸28.8質量部、トリフェニルホスフィン3質量部を加えることで、反応溶液を調製した。この反応溶液を、四つ口フラスコ中に空気を吹き込みながら115℃で12時間加熱することで付加反応を進行させた。続いて、この四つ口フラスコ中の液に無水コハク酸332.2質量部、テトラヒドロ無水フタル酸252.2質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート563.8質量部を加えて、110℃で5時間加熱することで反応させた。これにより、カルボキシル基含有樹脂の65質量%溶液を得た。
[合成例B−1]
還流冷却器、温度計、空気吹き込み管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、品番jER1004、エポキシ当量919)919質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート470質量部、ハイドロキノン0.2質量部、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン3質量部を加えることで、反応溶液を調製した。この反応溶液を、四つ口フラスコ中に空気を吹き込みながら115℃で12時間加熱することで付加反応を進行させた。続いて、この四つ口フラスコ中の液に無水コハク酸249質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート195質量部を加えて、110℃で5時間加熱することで反応させた。これにより、カルボキシル基含有樹脂の65質量%溶液を得た。
[合成例B−2]
還流冷却器、温度計、空気吹き込み管及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、品番N−695、エポキシ当量212)212質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート221質量部、ハイドロキノン0.2質量部、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート(東亞合成株式会社製、商品名アロニックスM−5300、数平均分子量290)300質量部、トリフェニルホスフィン3質量部を加えることで、反応溶液を調製した。この反応溶液を、四つ口フラスコ中に空気を吹き込みながら115℃で12時間加熱することで付加反応を進行させた。続いて、この四つ口フラスコ中の液にテトラヒドロ無水フタル酸76質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート97.3質量部を加えて、110℃で5時間加熱することで反応させた。これにより、カルボキシル基含有樹脂の65質量%溶液を得た。
[ソルダーレジスト組成物の調製]
各実施例及び比較例において、表1に示す原料を配合して得られる混合物を3本ロールで混練することで、ソルダーレジスト組成物を得た。
[評価試験]
ポリイミドフィルムからなる基材とこの基材に積層している厚み35μmの銅箔とを備えるフレキシブル積層板を用意し、このフレキシブル積層板の銅箔にパターニング処理を施すことで導体配線を形成することで、フレキシブルプリント配線板を得た。このフレキシブルプリント配線板の片側の表面上に各実施例及び比較例によるソルダーレジスト組成物をスクリーン印刷により塗布することで湿潤塗膜を形成した。この湿潤塗膜を80℃で30分加熱して予備乾燥することで、膜厚20μmの乾燥塗膜を形成した。この乾燥塗膜の表面上にネガマスクを直接当てがうとともに各ソルダーレジスト組成物における最適露光量の紫外線を照射することで、乾燥塗膜を選択的に露光した。露光後の乾燥塗膜に炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像処理を施すことで、乾燥塗膜のうち露光により硬化した部分(硬化膜)を基板上に残存させた。この硬化膜を更に150℃で60分間加熱して熱硬化させることでソルダーレジスト層を形成した。これによりソルダーレジスト層を備えるテストピースを得た。
これらのソルダーレジスト層について、次のような評価試験をおこなった。
(タック性)
テストピース作製の際、露光時にネガマスクを取り外すときの乾燥塗膜の粘着の状態を、次に示すように評価した。
◎:ネガマスクを取り外した際に全く剥離抵抗を感じず、貼付痕もなかった。
○:ネガマスクを取り外した際には粘着を感じなかったが、乾燥膜上にマスクのかすかな貼付痕が認められた。
△:ネガマスクを取り外す際にわずかに剥離抵抗を感じると共に、乾燥膜上にマスクの貼付痕が認められた。
×:ネガマスクを取り外すことが困難で、無理に剥すとマスクパターンが毀損した。
(耐酸性)
室温下でテストピースを10%の塩酸水溶液に1時間浸漬した後、ソルダーレジスト層の外観を観察した。その結果を次に示すように評価した。
◎:異常を生じない。
○:極僅かに変化が見られる。
△:少し変化が見られる。
×:塗膜に剥がれ等の大きな変化が見られる。
(耐アルカリ性)
室温下でテストピースを10%の水酸化ナトリウム水溶液に1時間浸漬した後、ソルダーレジスト層の外観を目視で観察した。その結果を次に示すように評価した。
◎:異常が生じない。
〇:極僅かに変化が見られる。
△:少し変化が見られる。
×:塗膜に剥がれ等の大きな変化が見られる。
(密着性)
JIS D0202の試験方法に従って、テストピースのソルダーレジスト層に碁盤目状にクロスカットを入れ、次いでセロハン粘着テープによるピーリング試験後の剥がれの状態を目視により観察した。その結果を次に示すように評価した。
◎:100個のクロスカット部分のうちの全てに全く変化が見られない。
○:100個のクロスカット部分のうち1箇所に僅かに浮きを生じた。
△:100個のクロスカット部分のうち2〜10箇所に剥がれを生じた。
×:100個のクロスカット部分のうち11〜100箇所に剥がれを生じた。
(鉛筆硬度)
テストピースのソルダーレジスト層の鉛筆硬度を、三菱ハイユニ(三菱鉛筆社製)を用いて、JIS K5400に準拠して測定した。
(PCT特性)
テストピースを温度121℃の飽和水蒸気中に8時間放置した後、このテストピースのソルダーレジスト層の外観を観察した。その結果を次に示すように評価した。
◎:ふくれ、剥がれ、変色等の変化が全く見られない。
○:ふくれ、剥がれ、変色等の変化が極僅かに見られる。
△:ふくれ、剥がれ、変色等の変化が若干認められる。
×:ふくれ、剥がれ、変色等の変化が認められる。
(耐メッキ性)
市販品の無電解ニッケルメッキ浴及び無電解金メッキ浴を用いて、テストピースのメッキを行い、メッキの状態を観察した。またソルダーレジスト層に対してセロハン粘着テープ剥離試験をおこなうことでメッキ後のソルダーレジスト層の密着状態を観察した。その結果を次に示すように評価した。
◎:外観の変化、テープ剥離時の剥離、メッキの潜り込みのいずれについても全くない。
○:外観変化はなく、テープ剥離時においても剥離も生じないが、レジストの末端部分において、極めてわずかながら、メッキの潜り込みが認められる。
△:外観変化はないが、テープ剥離時に一部剥離が認められる。
×:ソルダーレジスト層の浮きが見られ、テープ剥離時に剥離が認められる。
(はんだ耐熱性)
フラックスとしてLONCO 3355−11(ロンドンケミカル社製の水溶性フラックス)を用い、まずテストピースにフラックスを塗布し、次いでこれを260℃の溶融はんだ浴に10秒間浸漬し、その後水洗した。このサイクルを2回おこなった後のソルダーレジスト層の外観を観察し、その結果を次に示すように評価した。
◎:異常を生じない。
○:極僅かに変化が見られる。
△:少し変化が見られる。
×:ソルダーレジスト層に剥がれ等の大きな変化が見られる。
(耐電蝕性)
IPC B−25くし型電極Bクーポン上に、上記テストピースの場合と同じ条件でソルダーレジスト層を形成することで、評価用のプリント配線板を得た。この評価用のプリント配線板のくし型電極にDC100Vのバイアス電圧を印加しながら、評価用のプリント配線板を40℃、90%R.H.の条件下に500時間曝露した。この試験後の評価用のプリント配線板におけるマイグレーションの有無を確認した。その結果を次に示すように評価した。
◎:全くマイグレーションが確認されない。
〇:極僅かにマイグレーションが確認される。
△:若干のマイグレーションが確認される。
×:マイグレーションが発生している。
(易屈曲性)
平面視寸法5cm×5cm、厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製、商品名カプトン)の片側の表面上に各実施例及び比較例によるソルダーレジスト組成物をスクリーン印刷により塗布することで湿潤塗膜を形成した。この湿潤塗膜を80℃で30分加熱して予備乾燥することで、膜厚20μmの乾燥塗膜を形成した。この乾燥塗膜の表面上全面に各ソルダーレジスト組成物における最適露光量の紫外線を照射することで、乾燥塗膜全面を露光した。露光後の乾燥塗膜に炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像処理を施し、更に150℃で60分間加熱して熱硬化させることでソルダーレジスト層を形成した。これにより、評価用のテストピースを得た。
このテストピースを、ソルダーレジスト層が外側になるようにして180°折り曲げ、更にその上に1kgの重りを乗せた。続いてこのテストピースにおける、先に折り曲げた箇所と同じ箇所を、今度はソルダーレジスト層が内側になるようにして180°折り曲げ、更にその上に1kgの重りを乗せた。この一連の操作を1サイクルとする折り曲げ処理をテストピースに施し、処理後のテスト−ピースのレジスト層の表面を顕微鏡で観察することで、クラックの発生の有無を確認した。その結果を次に示すように評価した。
◎:折り曲げ処理を3サイクル繰り返してもクラックが認められない。
〇:折り曲げ処理2サイクルでクラック発生せず、3サイクルでクラックが発生する。
△:折り曲げ処理1サイクルでクラック発生せず、2サイクルでクラックが発生する。
×:折り曲げ処理1サイクルでクラックが発生する。
(低反り性)
上記易屈曲性評価の場合と同じ方法で、評価用テストピースを作製した。このテストピースを平坦な板上に載置すると共にこのテスト−ピースの一辺を板の上に固定した。この状態で、板の上面からのテストピースの浮き上がり高さの最大値を反り量とし、下記の基準により評価した。
◎:反りが無い。
〇:反り量5mm未満。
△:反りが5mm以上15mm未満。
×:反りが15mm以上。
(難燃性)
上記易屈曲性評価の場合と同じ方法で、評価用テストピースを作製した。このテストピースに対して、UL94規格に準拠した薄材垂直燃焼試験を行い、その結果を次に示すように評価した。
◎:VTM−0相当の難燃性を有する。
×:燃焼し、難燃性を有さない。
(試験結果)
以上の評価試験の結果を下記表1に示す。
Figure 2012189928
尚、表中の成分の詳細は次の通りである。
・ベース樹脂C:ビフェニルノボラック骨格を有する酸変性エポキシアクリレート樹脂、日本化薬株式会社製、品番KAYARAD ZCR−1601H。
・エポキシ樹脂A:ビスフェノールA骨格を有するエポキシ樹脂、DIC株式会社製、品番EPICLON EXA−4822。
・エポキシ樹脂B:ビフェニル型エポキシ樹脂、三菱化学株式会社製、品番YX−4000。
・エポキシ樹脂C:ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、日本化薬株式会社製、品番NC−3000−H。
・エポキシ樹脂D:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱化学株式会社製、品番jER1001。
・リン含有エポキシ樹脂E:リン酸変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂、DIC株式会社製、品番EPICLON EXA−9726。
・光重合性化合物A:ε―カプロラクトン変性ペンタエリストールヘキサアクリレート、日本化薬株式会社製、品番KAYARAD DPCA−60。
・リン含有光重合性化合物B:リン含有アクリレート、昭和高分子株式会社製、品番HFA−6007。
・光重合開始剤A:2−メチルー1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパンー1−オン、チバ・ジャパン株式会社製、品番IRGACURE907。
・光重合開始剤B:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、チバ・ジャパン株式会社製、品番IRGACURE 184。
・リン含有光重合開始剤C:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、BASF社製、品番ルシリンTPO。
・メラミン樹脂:日産化学工業株式会社製の微粉メラミン。
・硫酸バリウム:堺化学工業株式会社製、品番B−30。
・リン含有難燃剤A:リン酸エステル金属塩、クラリアントジャパン株式会社製、品番Exolit OP935。
・リン含有難燃剤B:芳香族縮合リン酸エステル、大八化学工業株式会社製、品番CR−741。
・リン含有フェノキシ樹脂:新日鐵化学株式会社製、品番フェノトートERF−001M30
・有機溶剤:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート。
・シリコーン:信越シリコーン株式会社製、品番KS−66。

Claims (15)

  1. カルボキシル基含有樹脂と、光重合開始剤とを含有し、
    前記カルボキシル基含有樹脂が、エポキシ樹脂にカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物が付加され、更に酸無水物が付加された構造を有する第一の樹脂を含有し、
    前記エポキシ樹脂が2官能のエポキシ樹脂であり、
    前記カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物に、下記一般式(1)で示されるω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレートが含まれているソルダーレジスト組成物。
    C=CHCOO(C10COO)H …(1)
    (nは1以上の数)
  2. 前記一般式(1)で示されるω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレートの数平均分子量が200〜400の範囲である請求項1に記載のソルダーレジスト組成物。
  3. 前記カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物全体に対する、前記一般式(1)で示されるω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレートの割合が、20〜100mol%の範囲である請求項1又は2に記載のソルダーレジスト組成物。
  4. 前記カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物に、更にアクリル酸が含まれている請求項1に記載のソルダーレジスト組成物。
  5. 前記カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物中の、前記一般式(1)で示されるω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレートと前記アクリル酸との合計量に対する前記アクリル酸の割合が、1〜80mol%の範囲である請求項4に記載のソルダーレジスト組成物。
  6. 前記カルボキシル基含有樹脂中の前記第一の樹脂の割合が20〜100質量%の範囲である請求項1乃至5のいずれか一項に記載のソルダーレジスト組成物。
  7. 前記光重合開始剤が、リン含有光重合開始剤を含有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載のソルダーレジスト組成物。
  8. 前記リン含有光重合開始剤が、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有する請求項7に記載のソルダーレジスト組成物。
  9. リン含有難燃剤を更に含有する請求項1乃至8のいずれか一項に記載のソルダーレジスト組成物。
  10. 前記リン含有難燃剤が、リン酸エステル化合物を含有する請求項9に記載のソルダーレジスト組成物。
  11. 一分子中に少なくとも二個のエポキシ基を有するエポキシ化合物を更に含有する請求項1乃至10のいずれか一項に記載のソルダーレジスト組成物。
  12. 光重合性を有するモノマー及びプレポリマーから選択される少なくとも一種の光重合性化合物を更に含有する請求項1乃至11のいずれか一項に記載のソルダーレジスト組成物。
  13. リン元素の含有量が、フィラーを除く固形分量に対して0.5〜8.0質量%の範囲である請求項1乃至12のいずれか一項に記載のソルダーレジスト組成物。
  14. フレキシブルプリント配線板におけるソルダーレジスト層を形成するために用いられる請求項1乃至13のいずれか一項に記載のソルダーレジスト組成物。
  15. 請求項14に記載のソルダーレジスト組成物から形成されたソルダーレジスト層を備えるフレキシブルプリント配線板。
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