JP2017003984A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)フェノール変性キシレン樹脂構造を有するエポキシ樹脂と、(C)光重合開始剤と、(D)反応性希釈剤と、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
カルボキシル基含有感光性樹脂は、特に限定されず、例えば、感光性の不飽和二重結合を1個以上有する樹脂が挙げられる。カルボキシル基含有感光性樹脂として、例えば、1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸やメタクリル酸(以下、「(メタ)アクリル酸」ということがある。)等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて、エポキシ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得て、生成した水酸基に多塩基酸又はその無水物を反応させて得られる、多塩基酸変性エポキシ(メタ)アクリレート等の多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を挙げることができる。
フェノール変性キシレン樹脂構造を有するエポキシ樹脂は、キシレン構造とエポキシ基を有する樹脂であって、前記キシレン構造が、フェノールまたはその誘導体で変性された樹脂である。フェノール変性キシレン樹脂構造を有するエポキシ樹脂としては、特に限定されず、例えば、フェノールまたはその誘導体で変性されたキシレン構造が、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂構造をフェノールまたはその誘導体で変性した構造である、エポキシ樹脂を挙げることができる。
光重合開始剤は、一般的に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2,2‐ジエトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2−メチル−4’−(メチルチオ)−2−モルフォリノプロピオフェノン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル‐2‐(ヒドロキシ‐2‐プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p‐フェニルベンゾフェノン、4,4′‐ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2‐メチルアントラキノン、2‐エチルアントラキノン、2‐ターシャリーブチルアントラキノン、2‐アミノアントラキノン、2‐メチルチオキサントン、2‐エチルチオキサントン、2‐クロルチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、2,4‐ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
反応性希釈剤とは、例えば、光重合性モノマーであり、1分子当たり少なくとも1つ、好ましくは1分子当たり少なくとも2つの重合性二重結合を有する化合物である。反応性希釈剤は、感光性樹脂組成物の光硬化を十分にして、耐酸性、耐熱性、耐アルカリ性などを有する硬化物を得るために使用する。
下記表1に示す各成分を下記表1に示す配合割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜6、比較例1にて使用する感光性樹脂組成物を調製した。そして、調製した感光性樹脂組成物を以下のように塗工して試験片を作製した。下記表1中の数字は質量部を示す。また、下記表1中の配合の空欄部は、配合なしを意味する。
カルビトールアセテート250質量部に、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(住友化学工業(株)製、ESCN−220、エポキシ当量220)220質量部及びアクリル酸72質量部を溶解し、還流下に反応させて、クレゾールノボラック型エポキシアクリレートを得た。次いで、得られたクレゾールノボラック型エポキシアクリレートに、テトラヒドロ無水フタル酸78質量部を加え、酸価が理論値になるまで還流下で反応させ、固形分66質量%のカルボキシル基含有感光性樹脂の溶液(A−1)を得た。
・YX7700:三菱化学(株)製。
・イルガキュア907、イルガキュア819、イルガキュアOXE−02:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製。
・KAYACURE JETX:日本化薬(株)製。
・EBECRYL8402:ダイセル・オルネクス社製。
・硫酸バリウムB−34:堺化学工業(株)製。
・LMS200:富士タルク(株)製。
・レオロシールDM−20S:トクヤマ(株)製。
顔料
・ファーストゲングリーン:DIC社製。
添加剤
・粉末メラミン:日産化学工業(株)製。
・アンテージMB:川口化学工業(株)製。
・DICY−7:ジャパンエポキシレジン社製。
溶剤
・EDGAC:三洋化成品(株)製。
・YX4000:三菱化学(株)製。
基板:プリント配線基板(ガラスエポキシ基板「FR−4」、板厚1.6mm、導体(Cu箔)厚50μm)
基板表面処理:バフ研磨
塗工:スプレー塗工
塗装条件:吐出量(110cc/min)、コンベアー速度(2.3m/min)、ディスク回転数(30000rpm)、印加電圧(−35KV)
DRY膜厚:35〜40μm
予備乾燥:80℃、20分
露光:感光性樹脂組成物上300mJ/cm2(オーク社製「HMW−680GW」)
アルカリ現像:1質量%Na2CO3、液温30℃、スプレー圧0.2MPa、現像時間60秒
ポストキュア:150℃、60分
(1)熱衝撃耐性試験
上記試験片作製工程にて作製した試験片100枚について、熱衝撃試験機(日立アプライアンス(株)製、日立ヒートショック試験装置「ES−76LMS」)にて、−65℃/30分〜125℃/30分を1サイクルとして1000サイクルの試験を行った。その後、顕微鏡(×200)にてプリント配線基板の塗膜を観察して、塗膜のクラック発生率を以下の基準にて評価した。塗膜の観察位置は、露出したCu箔(2.0mm角パット)の周りを囲むように正方形状(2.4mm角)にアルカリ現像された塗膜の各角部とした。
◎:クラック発生率が10%以下
○:クラック発生率が11〜30%
△:クラック発生率が31〜50%
×:クラック発生率が50%以上
上記試験片作製工程にて作製した試験片の、Cu箔上の塗膜について、任意の硬度の鉛筆を用いて角度45度、荷重1Kg条件で引っ掻き試験を行った。試験後、目視にてプリント配線基板の塗膜を観察して、Cu箔表面が暴露しない最大の塗膜硬度を以下の基準にて評価した。
◎:4H以上
○:2H〜3H
×:H以下
上記試験片作製工程にて作製した試験片の塗膜上に、フラックス((株)タムラ製作所製、「ULF−210R」)を塗布後、25℃にて乾燥した。その後、塗布面を下側に向け、260〜262℃のはんだ槽に試験片を浸せきし、10秒間加熱した。その後、はんだ槽から試験片を取り出し、常温まで冷却した。冷却後、IPAでフラックス残渣をふき取って、セロハン粘着テープによるピーリング試験(剥離試験)を繰り返した後の塗膜状態を目視により観察し、以下の基準にて評価した。
◎:3サイクル繰り返し後も塗膜に変化が認められない
○:2〜3サイクル繰り返し後に塗膜に変化が認められる
×:1サイクルにて塗膜に変化が認められる
上記試験片作製工程における予備乾燥後に、Cu箔上の塗膜を指触し、塗膜の状態を目視により観察し、以下の基準にて評価した。
◎:塗膜に指紋痕は残るものの、塗膜にべたつきはない
○:塗膜に指紋痕が残り、塗膜に若干のべたつきがあるが、指に塗膜が付着しない
×:塗膜にべたつきがあり、指に塗膜が付着する
上記試験片作製工程にて使用したプリント配線基板に、上記のように調製した感光性樹脂組成物をスプレー塗工法にて塗布後、80℃にて、40、50、60分間、予備乾燥した。その後、予備乾燥炉から試験片を取り出し、上記試験片作製工程のアルカリ現像条件にて現像を行い、現像後の塗膜の除去状態を目視により観察し、以下の基準にて評価した。
○:予備乾燥時間60分でも完全に塗膜が除去されている
△:予備乾燥時間40分で完全に塗膜が除去されているが、50分間または60分間で若干塗膜が残っている
×:予備乾燥時間40分で塗膜が残っている
上記試験片作製工程と同様にして予備乾燥工程まで行ったプリント配線基板に対し、透明マイラーフィルムを通し、メインピ−クが365nmの波長の紫外線の照射光量を(株)オ−ク製作所社製の積算光量計を用い300mJ/cm2照射したものをテストピ−スとした。このテストピースに対し、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液を用い、2.0kg/cm2 のスプレー圧で60秒間現像を行った後の塗膜表面を、以下の基準で評価した。
◎:塗膜表面が光沢している
○:塗膜表面が若干失沢している
△:塗膜表面が失沢している
×:塗膜表面が失沢し、亀裂が発生している
硬化塗膜の厚みが40μmである以外は上記試験片作製工程に準じて作製した、ライン幅30〜120μmで設計の硬化塗膜を有する試験片について、プリント配線基板上に残存した最も細いライン幅の硬化塗膜を目視にて観察し、解像性として評価した。前記ラインは、上記試験片作製工程の露光・現像と同じ方法により形成した。
上記試験片作製工程に準じて作製した、幅100μmの硬化塗膜を形成したプリント配線基板について、該基板を切断して切断面を封止樹脂(エポキシ樹脂)にて封止した。次に、封止した断面を研磨後、硬化塗膜の断面について、金属顕微鏡または走査型電子顕微鏡にて、表面側端部の幅(x)と底部側(深部側)端部の幅(y)を測定し、yがxより片側10μm未満狭い断面形状を「◎」、yがxより片側10μm以上15μm未満狭い断面形状を「○」、yがxより片側15μm以上狭い断面形状を「×」と評価した。
Claims (4)
- (A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)フェノール変性キシレン樹脂構造を有するエポキシ樹脂と、(C)光重合開始剤と、(D)反応性希釈剤と、を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
- 前記(B)フェノール変性キシレン樹脂構造を有するエポキシ樹脂のエポキシ当量が、240〜300g/eqであることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(B)フェノール変性キシレン樹脂構造を有するエポキシ樹脂が、前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、15〜75質量部含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を塗布したことを特徴とするプリント配線板。
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