JP2013147318A - 巻き芯 - Google Patents

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Abstract

【課題】傷、継ぎ目、段差等が帯状製品に転写されるのを防ぐことができ、部材を繰り返して使用することができるので、材料の節約とコストの低減を図ることができる巻き芯を提供する。
【解決手段】内芯2と外芯8からなる巻き芯1であって、内芯2は大筒部3と小筒部4からなり、前記大筒部3と前記小筒部4の間にリブ5が放射状に接続されており、外芯8は前記内芯2に外嵌可能なスリーブ状であることを特徴とする巻き芯1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、帯状に形成されたテープ、フィルム、シート、紙、布等(以下、帯状製品と称する)を巻回してロール状にするための巻き芯に係り、詳しくは、部材を繰り返して使用することができ、材料の節約とコストの低減が可能な巻き芯に関する。
従来より、帯状製品を保存、運搬する際には、例えば引用文献1の図1に記載されているような筒状の巻き芯が使用され、この巻き芯の周りに帯状製品を巻回してロール体とされていた。しかしながら、引用文献1に記載されているような筒状の巻き芯は安価ではあるものの強度が小さいため、大量の帯状製品を巻回するには適していない。
強度が大きく大量の帯状製品を巻回できる巻き芯としては、例えば図14に示すような、大筒部3と小筒部4の二重構造とされ、この大筒部3と小筒部4の間にリブ5が設けられたものが用いられている。
特開平10−101268号公報
図14のように大筒部3と小筒部4の間にリブ5を設けた場合、構造が複雑な分だけ高価となるものの、強度が大きいので大量の帯状製品を巻回できるうえに数回程度の繰り返し使用することができる。しかしながら、繰り返して使用するうちに表面に傷ができ、この傷が帯状製品に転写される恐れがあるので、表面以外の箇所は十分に強度を保っているにもかかわらず新しいものと取り替えざるを得ず、結局、コストアップとなるのが避けられない。
また、図14に示したような複雑な形状の巻き芯1は軸方向に長いものを成形するのが困難であり、せいぜい長さ20cm程度のものを製造するのが限度である。この問題を解決するために、出願人は、数個の短いパーツを継ぎ合わせることにより長い巻き芯とする技術を特願2011−192403号として提案した。しかしながら、このような技術では、寸法精度等が低いと継ぎ目や段差が生じるので、この継ぎ目や段差が帯状製品に転写される場合がある。
本発明はかかる実情に鑑み、傷、継ぎ目、段差等が帯状製品に転写されるのを防ぐことができ、部材を繰り返して使用することができ、材料の節約とコストを低減することができる巻き芯を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するためになされたもので、本発明の特徴の第1は、内芯と外芯からなる巻き芯であって、内芯は大筒部と小筒部からなり、前記大筒部と前記小筒部の間にリブが放射状に接続されており、外芯は前記内芯に外嵌可能なスリーブ状である巻き芯を内容とする。
本発明の特徴の第2は、内芯は長さ方向に複数個に分割された内芯片からなり、
隣接する内芯片同士が接合されている上記の巻き芯を内容とする。
本発明の特徴の第3は、外芯はカッターにより切り裂き可能であり、
内芯の表面にはカッターの刃を誘導するための溝が当該内芯の一端から他端まで延設されている上記の巻き芯を内容とする。
本発明の特徴の第4は、内芯の外径と外芯の内径の差は0.1mm以下であり、外芯の厚さは1〜3mmである上記の巻き芯を内容とする。
本発明の特徴の第5は、外芯が透明又は半透明である上記の巻き芯を内容とする。
本発明の特徴の第6は、内芯と外芯の間に、軸方向に延伸する凹条及び凸条からなる凹凸嵌合構造を有する上記の巻き芯を内容とする。
本発明の巻き芯は、内芯と外芯からなり、外芯は内芯に外嵌可能とされているので、内芯の表面に傷があったり、複数の内芯片を接合する際の継ぎ目や段差がある場合でも、この傷や継ぎ目、段差が外芯で覆われるので、帯状製品に転写されることがない。
さらに、外芯が傷付いた場合は外芯だけを交換すれば足り、内芯は繰り返し再利用が可能となり経済的である。しかも、外芯の形状はスリーブ状であり、比較的安価に製造できるので、全体としてコストが低廉になる。
外芯をカッターにより切り裂き可能とすれば、外芯を一端側から他端側に切り裂くことにより、不要になった外芯を容易に取り外して交換することができる。また、内芯側にカッターの刃を誘導するための溝を設け、この溝に沿ってカッターの刃を動かし外芯を切り裂くように構成すれば、外芯を切り裂く際にカッターの刃が内芯に当接しにくくなり、内芯に傷が付きにくくなる。また、傷が付いた場合でも、その傷の位置は溝の中であり、新しい外芯を内芯に外嵌する際に新しい外芯が内芯の傷に触れることがなく、外嵌の妨げになることはない。
外芯を透明又は半透明とすれば、外芯の外側から溝の位置を確認でき、誤って溝の外側で外芯を切り裂き、内芯の表面まで傷付けてしまうような不都合を回避できる。
軸方向に延伸する凹条及び凸条からなる凹凸嵌合構造を内芯と外芯の間に設ければ、内芯への外芯の外嵌が容易になる程度にまで内芯の外径と外芯の内径の差を広げた場合でも、帯状製品を巻回する際に外芯が帯状製品と供回りするのを防止することができる。従って、内芯と外芯の寸法精度に余り気を使う必要がないので製造が容易であり、また、外芯の内芯への外嵌が容易となる。
図1は本発明の巻き芯の一例を示す斜視図である。 図2は図1の巻き芯を各内芯片と外芯に分離させた状態を示す斜視図である。 図3は内芯におけるリブの変更例を示す端面図である。 図4は内芯におけるリブの更なる変更例を示す端面図である。 図5は2個の内芯片からなる内芯の斜視図である。 図6は図5の内芯の構造を示す断面説明図である。 図7は3個の内芯片からなる内芯の斜視図である。 図8は図7の内芯の構造を示す断面説明図である。 図9は本発明の巻き芯の別例を示す側面図である。 図10は図9のA−A断面図である。 図11は更に別の巻き芯を示す概略説明断面図である。 図12は更に別の巻き芯を示す一部切除側面図である。 図13は図12のB−B断面図である。 図14は従来の巻き芯を示す斜視図である。
図1及び図2は本発明の巻き芯の好ましい一例を示すもので、巻き芯1は内芯2と外芯8からなり、内芯2は大筒部3と小筒部4からなり、前記大筒部3と前記小筒部4の間にリブ5が放射状に接続されており、外芯8は前記内芯2に外嵌可能なスリーブ状であることを特徴とする。
本例においては、図2に示すように、内芯2は2個の内芯片2pに分割されており、使用する際には図5に示したように2個の内芯片2pを接合して内芯2を形成してから、その上に外芯8を外嵌することにより巻き芯1を形成するように構成されている。
本発明における内芯2は、後述の外芯8及び巻回された帯状製品を支持するための部材である。この内芯2は大筒部3と小筒部4からなるが、本発明において大筒部3は、その外面で外芯8を直接支持するための筒状部材であり、小筒部4は内部に帯状製品の巻回装置における回転軸が挿通され軸受けとして機能する筒状部材である。大筒部3及び小筒部4の長さや径は特に限定されず、外芯8の周りに巻回する帯状製品の性質に応じて適宜定めればよい。
大筒部3と小筒部4の間にはリブ5が放射状に接続されて、当該大筒部3と小筒部4が補強されている。なお、リブ5の数及び形状は大筒部3及び小筒部4が十分な強度を有する限り特に限定されず、図3に示したようにリブ5の数(図3の例では8個)を変えてもよいし、図4に示したようにリブ5の形状(図4の例では断面Y字型)を変えても良い。
本発明の内芯2は単一のピースから形成されるものでもよいし、図5に示したように複数(図5においては2個)の内芯片2pから形成されてもよい。
内芯2が2個以上の内芯片2pから形成される場合、内芯片2pを接合するための構造は特に限定されず、本出願人が先に出願した特願2011−192403号で提案される構造が全て好適に使用できる。その一例としては、図6に示すように、一の内芯片2pの端部に環状凸条部7aを設け、他の内芯片2pの端部に設けられた環状凹条部7aとを嵌合する構造が挙げられる。この構造によれば、内芯片2p同士を強固に接合できるため好ましい。なお、本発明において、環状凸条部7a、環状凹条部7a、その他内芯片2pを接合させるための構造を総称して、接合部7とする。
幅が広い帯状製品に対応するため、内芯2は、図7に示すように、内芯片2pを3個以上接合することによって長くすることができる。
3個以上の内芯片2pを接合させる場合は、例えば、図8に示すように、接合部7が一方の端部のみに設けられた内芯片2p(端部用内芯片2pe)の間に、接合部7が両方の端部に設けられた内芯片2p(中間部用内芯片2pm)を所定数(図8に示した例では1個)付け加えればよい。
本発明において、内芯2の材質は特に限定されず、帯状製品を巻回しても壊れない程度の強度を得られる材料であれば特に限定されないが、造形性、軽量性に優れている点で、合成樹脂が好ましい。具体的には、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン- スチレン共重合樹脂)、AAS樹脂(アクリロニトリル/アクリルゴム/スチレン樹脂)、AES樹脂(アクリロニトリル/エチレンプロピレンゴム/スチレン樹脂)、AS樹脂(アクリロニトリル/スチレン樹脂)、PS樹脂(ポリスチレン樹脂)、PMMA樹脂(ポリメチルメタクリレート樹脂)、PVC樹脂(ポリ塩化ビニリデン樹脂)、MS樹脂(メチルメタクリレート/スチレン樹脂)、PP樹脂(ポリプロピレン樹脂)、PE樹脂(ポリエチレン樹脂)等のポリオレフィン樹脂、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂)、PBT樹脂(ポリブチレンテレフタレート樹脂)等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、PC樹脂(ポリカーボネート樹脂)等が好適に使用できる。また、ポリ乳酸樹脂、ポリブチレンサクシネート、ポリアミド11、ポリヒドロキシ酪酸等の生分解性プラスチックやバイオマスプラスチックも使用できる。
また、成形方法も、巻回した帯状製品がシワにならない程度の寸法精度が得られる方法であればどのような方法でも採用できるが、コスト及び寸法精度の観点から射出成形が好ましい。
本発明においては、前記した内芯2に外芯8が外嵌される。この外芯8により内芯2の表面が覆われるので、外芯8の表面に傷や継ぎ目があった場合でもその傷や継ぎ目が帯状製品に転写される恐れがない。また、外芯8に傷が付いた場合には、その外芯8を速やかに取り除いて新しい外芯8を外嵌することができる。
外芯8を内芯2に外嵌可能とするには、内芯2の外径と外芯8の内径の差(以後、クリアランスと称することがある)を調節すればよい。但し、通常の場合、外芯8の外嵌や取り外しがスムースにできるようにクリアランスは0.2mm程度とされるが、本願発明の巻き芯1において通常のクリアランスを適用すれば、帯状製品を巻回する際に、外芯8が帯状製品と供回りしてしまう。逆に供回りしない程度にクリアランスを小さくした場合、外芯8と内芯2の間の摩擦力が強すぎて外芯8を内芯2に外嵌したり、外芯8の取り替えの際に外芯8を引き抜くことが困難になる。
このような問題を解決する方法の一つとして、クリアランスを小さくすると共に、外芯8の交換の際には、古くなった外芯8を引き抜くのではなく、カッター等を用いて不用になった外芯8を切り裂いて取り除く方法が好ましい。
この際、クリアランスを0.1mm以下、好ましくは0.01〜0.08mm、更に好ましくは、0.02〜0.07mmにすればよい。この程度であれば、外芯8を内芯2に外嵌することが可能であり、しかも帯状製品を巻回する際にも外芯8は供回りしない。
外芯8が内芯2に外嵌されたままで外芯8を切り裂く場合、カッターの刃が内芯2にまで達して内芯2の表面を傷つけて内芯2の寿命を縮めたり、内芯2に付いた傷により新しい外芯8を外嵌し難くなる恐れもある。
このような不都合を回避する方法としては、図9及び図10に示すように、内芯2の表面にカッターの刃を誘導するために当該内芯2の一端から他端まで延びる溝6を設け、この溝6に沿ってカッターを動かして外芯8を切り裂く方法が例示できる。このようにすれば、外芯8のみを切り裂くのが容易であり、また、カッターの刃先が内芯2を傷付けた場合でも、傷の位置は溝6の中であり、新たな外芯8を外嵌する場合の妨げにはならない。
溝6の形状は外芯8を切り裂く際にカッターの刃先と当接しにくい形状である他は特に限定されず、具体的には、図9及び図10に示したようなVカット型や、図11に示したようなスリット型が例示できる。
溝6を設けた場合、外芯8の上からでは溝6の位置が見えず、溝6の位置から外れた箇所をカッターで切り裂いて、内芯2の表面を傷付ける場合がある。
このような不都合を回避するには、外芯8を透明又は半透明とするのが好ましい。外芯8を透明又は半透明にすれば、外芯8の外側からでも溝6の位置を確認できるため、誤って溝の外側を切り裂くような不都合を回避できる。図9に示した例においても外芯8は透明であり、内芯2の表面に刻設された溝6が外芯8を通して位置が確認できる様になっている。
なお、この場合、溝6の位置を確認できる限り、外芯8の透光率やヘイズ等は特に限定されない。例えば、溝6を着色したり、内芯2の表面を赤く、溝6の中を緑に着色するなど、内芯2の表面と溝6の中を異なる色、好ましくは補色で着色すれば、外芯8の透光率がかなり低く、ヘイズがかなり高いような場合でも溝6の位置を確認することができる。
上記のように、外芯8を切り裂いて取り外すようにする場合、外芯8の厚さは1〜3mmとするのが好ましい。1mm未満にするのは加工が困難でコストが高くなる傾向がある。3mmを超えると外芯8を切り裂くのが困難になり、作業性が悪化する傾向がある。
外芯8の外嵌や取り付けが容易で、且つ帯状製品を巻回しても外芯8が供回りしないような構造の別例としては、図12及び図13に示したように、内芯2と外芯8の間に、軸方向に延伸する凹条9a及び凸条9bからなる凹凸嵌合構造9を設ける方法が例示できる。なお、図12は外芯8の一部を切除して、内芯2の表面、特に凹条9bの部分が明らかになるようにしたものである。
このようにすれば、クリアランスを通常通りとすることにより、外芯8を外嵌しやすく、また外芯8の取り替えの際に外芯8から内芯2を引き抜きやすくなるばかりでなく、凹凸嵌合構造9により供回りを防ぐことができる。但し、図12及び図13に示した例では内芯2側に凹条9aが設けられ、外芯8側に凸条9bが設けられているがこれに限定されず、内芯2側に凸条9bを設けて外芯8側に凹条9aを設けてもよい。
外芯8の交換と外芯8と帯状製品の供回り防止を両立する他の方法としては、クリアランスを大きくして外芯8の交換を容易にするとともに、帯状製品を巻回する際にはドーナツ状の板部材で両端部から外芯8と内芯2を同時に挟圧し、ドーナツ状の板部材と外芯8及び内芯2との間の摩擦力で帯状製品を巻回する際の引張応力に対抗させ供回りを防ぐ等が例示できる。
本発明において、外芯8の材質は特に限定されず、内芯2の材質として例示したものの全てが外芯8の材質としても例示できる。
また、内芯2に設けた溝6を透視できる程度に外芯8を透明又は半透明にする場合には、PMMA樹脂(ポリメチルメタクリレート樹脂)、PVC樹脂(ポリ塩化ビニリデン樹脂)、PP樹脂(ポリプロピレン樹脂)、PE樹脂(ポリエチレン樹脂)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、PC樹脂(ポリカーボネート樹脂)等が例示できる。
上記したとおり、本発明の巻き芯は、内芯と外芯からなり外芯は前記内芯に外嵌可能に構成されているため、巻き芯の表面が傷ついた場合でも外芯だけを交換するだけでよく、内芯は繰り返し再利用できるので、材料の節約と大幅なコスト削減が可能である。
1 巻き芯
2 内芯
2p 内芯片
2pe 端部用内芯片
2pm 中間部用内芯片
3 大筒部
4 小筒部
5 リブ
6 溝
7 接合部
7a 環状凸条部
7b 環状凹条部
8 外芯
9 凹凸嵌合構造
9a 凹条
9b 凸条

Claims (6)

  1. 内芯と外芯からなる巻き芯であって、
    内芯は大筒部と小筒部からなり、前記大筒部と前記小筒部の間にリブが放射状に接続されており、
    外芯は前記内芯に外嵌可能なスリーブ状であることを特徴とする巻き芯。
  2. 内芯は長さ方向に複数個に分割された内芯片からなり、
    隣接する内芯片同士が接合されていることを特徴とする請求項1に記載の巻き芯。
  3. 外芯はカッターにより切り裂き可能であり、
    内芯の表面にはカッターの刃を誘導するための溝が当該内芯の一端から他端まで延設されていることを特徴とする請求項1及び2に記載の巻き芯。
  4. 内芯の外径と外芯の内径の差は0.1mm以下であり、
    外芯の厚さは1〜3mmであることを特徴とする請求項3に記載の巻き芯。
  5. 外芯が透明又は半透明であることを特徴とする請求項3又は4に記載の巻き芯。
  6. 内芯と外芯の間に、軸方向に延伸する凹条及び凸条からなる凹凸嵌合構造を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の巻き芯。
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