JP2013126879A - ガラス板の梱包方法、および、ガラス板の梱包体 - Google Patents

ガラス板の梱包方法、および、ガラス板の梱包体 Download PDF

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慎一郎 富山
佳紀 ▲高▼橋
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Abstract

【課題】本発明の目的は、ガラス板積層体から合紙をより確実に除去することができるガラス板の梱包方法、および、ガラス板の梱包体を提供することである。
【解決手段】ガラス板の梱包方法は、複数のガラス板10を、それらの間に合紙12を介在させて、パレット20上に立て掛けて積層させる方法である。最初に、合紙12が突出部12aを有するように、ガラス板10を積層させる。次に、突出部12aの両端部に第1貫通穴12b1および第2貫通穴12b2を開ける。次に、第1貫通穴12b1に第1合紙支持部材30aを貫通させ、かつ、第2貫通穴12b2に第2合紙支持部材30bを貫通させる。次に、第1合紙支持部材30aおよび第2合紙支持部材30bを引っ張ることによって、突出部12aに、ガラス板10の幅方向のテンションを付与する。次に、第1合紙支持部材30aおよび第2合紙支持部材30bをパレット20に固定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス板の梱包方法、および、ガラス板の梱包体に関する。
種種の製品に使用されるガラス板は、保管および搬送される際に、その表面に疵および汚れが付着して欠陥となりやすい。特に、液晶ディスプレイに使用されるガラス板のように、表面に電気回路が組み込まれるガラス板では、極微小な疵および汚れであっても製品不良の原因となる。そのため、このようなガラス板には、極めて高い表面特性が維持された状態で保管および搬送されることが要求される。
ガラス板の表面の疵は、ガラス板を積層させて保管および搬送する過程において、隣接するガラス板の表面が擦れ合うことによって発生する場合が多い。また、ガラス板の表面の汚れは、ガラス板を保管および搬送する際の雰囲気中に存在する有機物等が、ガラス板の表面に付着することによって発生する場合が多い。そこで、ガラス板を積層させて梱包する場合における疵および汚れの発生を抑制するために、従来、合紙を介してガラス板を積層させてガラス板の表面同士を離間させたガラス板積層体を保管および搬送するガラス板の梱包方法が用いられてきた。
例えば、特許文献1(特開2001−139138号公報)には、ガラス板の搬送装置であるパレット上に、ガラス板と合紙とを交互に積層させたガラス板積層体が開示されている。このガラス板積層体は、ガラス板がパレット上に立て掛けられている状態で梱包されている。このガラス板積層体は、ガラス板を使用する段階において、合紙吸着手段によって合紙が吸着把持されて除去され、次に、ガラス板吸着手段によってガラス板が吸着把持されて製造ラインに投入される工程が繰り返される。
また、特許文献2(特開2011−143946号公報)には、ガラス板と合紙とが交互に積層したガラス板積層体に関して、ガラス板の両側辺から突出した合紙を、ガラス板の両側辺に沿って折り曲げる方法が開示されている。これにより、ガラス板の上辺から突出した合紙の剛性が向上するので、ガラス板の上辺から突出した合紙がガラス板の積層方向に倒れることが抑制される。
しかし、特許文献2(特開2011−143946号公報)に開示されるガラス板積層体では、ガラス板の上辺から突出した合紙が倒れる度合いは低減されるが、十分に低減されない。また、合紙のサイズ、特に、合紙の幅方向の長さが大きくなると、合紙が倒れる度合いがガラス板の幅方向に沿って一様でないことによって、合紙に「うねり」が発生する場合がある。そして、ガラス板の上辺から突出した合紙にガラス板の幅方向のうねりが発生すると、合紙吸着手段は、ガラス板積層体から合紙を確実に除去することができない場合がある。
本発明の目的は、合紙に発生するこのようなうねりを抑制して、ガラス板積層体から合紙をより確実に除去することができるガラス板の梱包方法、および、ガラス板の梱包体を提供することである。
本発明に係るガラス板の梱包方法は、複数のガラス板を、それらの間に合紙を介在させて、パレット上に立て掛けて積層させる方法であって、積層工程と、穴開け工程と、貫通工程と、テンション付与工程と、固定工程とを備える。積層工程では、合紙が、ガラス板の上辺から上方に突出している突出部を有するように、ガラス板を積層させる。穴開け工程では、それぞれの合紙の突出部の、ガラス板の幅方向の両端部に、それぞれ第1貫通穴および第2貫通穴を開ける。貫通工程では、ガラス板の積層方向に沿って、突出部の第1貫通穴に第1合紙支持部材を貫通させ、かつ、突出部の第2貫通穴に第2合紙支持部材を貫通させる。テンション付与工程では、第1合紙支持部材および第2合紙支持部材を、ガラス板の幅方向に沿って互いに反対方向に引っ張ることによって、突出部に、ガラス板の幅方向のテンションを付与する。固定工程では、突出部にテンションが付与された状態で、第1合紙支持部材および第2合紙支持部材をパレットに固定する。
本発明に係るガラス板の梱包方法では、パレット上にガラス板と合紙とを交互に積層させて、ガラス板積層体を形成する。ガラス板は、パレット上に立て掛けられて積層される。隣接するガラス板の表面同士は、合紙によって離間されている。合紙は、立て掛けられたガラス板の上辺から上方に突出している部分である突出部を有している。複数の合紙の突出部は、パレットに固定された第1合紙支持部材および第2合紙支持部材によって支持されている。第1合紙支持部材および第2合紙支持部材は、ガラス板の積層方向に沿って、合紙の突出部の両端部を貫通している。また、第1合紙支持部材および第2合紙支持部材は、ガラス板の幅方向のテンションを突出部に付与する。具体的には、第1合紙支持部材および第2合紙支持部材を、ガラス板の幅方向に沿って互いに反対方向に引っ張ることによって、突出部にテンションを付与する。これにより、合紙の突出部がガラス板の主面に対して傾斜することが抑制される。また、突出部に付与されたテンションによって、合紙の突出部の傾斜角度がガラス板の幅方向に沿って不均一になることが抑制される。そのため、合紙の突出部にガラス板の幅方向のうねりが発生することが抑制される。
合紙の突出部がガラス板の積層方向に過度に傾斜し、または、合紙の突出部にガラス板の幅方向のうねりが発生すると、ガラス板積層体からガラス板と合紙とを交互に吸着して除去する工程において、合紙が適切に吸着されない場合がある。従って、本発明に係るガラス板の梱包方法では、ガラス板積層体から合紙を吸着によって除去する際に、合紙を適切に吸着することができるので、ガラス板積層体から合紙をより確実に除去することができる。
本発明に係るガラス板の梱包体は、複数のガラス板を、それらの間に合紙を介在させて、パレット上に立て掛けて積層させたものである。合紙は、ガラス板の上辺から上方に突出している突出部を有する。突出部は、ガラス板の幅方向に沿って互いに反対方向に引っ張られてテンションが付与された状態で、パレットに固定される。
本発明に係るガラス板の梱包方法、および、ガラス板の梱包体は、ガラス板積層体から合紙をより確実に除去することができる。
実施形態に係るガラス板梱包体の斜視図である。 実施形態に係るパレットの斜視図である。 実施形態に係るガラス板積層体の上部の斜視図である。 実施形態に係るガラス板積層体の上部の正面図である。 実施形態に係るガラス板積層体の上部の側面図である。 実施形態に係る第1糸支持部材の斜視図である。 実施形態に係る第1糸支持部材の斜視図である。
(1)構成
本発明に係るガラス板の梱包方法、および、ガラス板の梱包体の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、複数の矩形状のガラス板10が矩形状の合紙12を介して積層されたガラス板積層体14、および、パレット20からなるガラス板梱包体1の斜視図である。図2は、ガラス板積層体14が載置されていない状態のパレット20の斜視図である。なお、図1に示されるガラス板10および合紙12の数は、実際のガラス板積層体14のガラス板10および合紙12の数よりも少ない。
(1−1)パレット
パレット20は、基台22と、底面支持台24と、背面支持台26とを備えている。基台22の上面は、平坦な水平面である載置面22sである。底面支持台24および背面支持台26は、載置面22s上に載置されている。底面支持台24の上面は、背面支持台26に向かって下方に傾斜している底面支持面24sである。背面支持台26の上面は、底面支持台24の底面支持面24sに対して約90°の角度θ1で傾斜し、かつ、基台22の載置面22sに対して70°〜85°の角度θ2で傾斜している背面支持面26sである。
(1−2)ガラス板積層体
ガラス板積層体14は、ガラス板10がパレット20上に立て掛けられている状態で、パレット20上に載置されている。ガラス板積層体14がパレット20上に形成される過程について、具体的に説明する。最初に、何も載置されていないパレット20上に、一枚の合紙12を立て掛ける。立て掛けた合紙12の主面は、背面支持台26の背面支持面26sに密着している。次に、一枚のガラス板10をパレット20上に立て掛ける。立て掛けたガラス板10の主面は、その前に立て掛けた合紙12の主面に密着している。次に、一枚の合紙12をパレット20上に立て掛ける。以上の工程を繰り返し、ガラス板10と合紙12とを交互にパレット20上に立て掛けることで、ガラス板積層体14を形成する。パレット20上に載置されるガラス板積層体14のガラス板10の枚数は、例えば、厚みが0.5mmの第5世代のガラス基板の場合は約600枚、厚みが0.7mmの第5世代のガラス基板の場合は約400枚である。パレット20上に載置されたガラス板積層体14は、ベルト等によってパレット20上に固定された状態で、ガラス板梱包体1として保管および運搬される。
合紙12は、ガラス板10同士が直接接触することを防止して、ガラス板10を保護するためのシートである。合紙12は、隣接するガラス板10の表面が擦れ合うことによって発生するガラス板10の表面の疵を抑制する。また、合紙12は、ガラス板10を保管および搬送する際の雰囲気中に存在する有機物等がガラス板10の表面に付着することによって発生するガラス板の表面の汚れを抑制する。合紙12に含まれる樹脂等がガラス板10の表面に付着することを防ぐために、合紙12の表面は、ある程度の粗さを有している。
合紙12は、ガラス板10よりも大きいサイズを有している。図1に示されるように、合紙12は、ガラス板10の上辺および両側辺からはみ出している部分を有している。以下、合紙12の一部であって、ガラス板10の上辺からはみ出して上方に突出している部分を、突出部12aという。突出部12aの出代、すなわち、ガラス板10の上辺から突出部12aの上辺までの長さは、90mm以下であり、好ましくは50mm〜75mmである。なお、合紙12の厚みは、0.05mm〜0.2mmであることが好ましい。突出部12aは、後述する第1支持糸30aおよび第2支持糸30bによって支持されている。
パレット20上に載置されたガラス板積層体14は、ガラス板梱包体1として保管および運搬された後、液晶ディスプレイの製造ライン等において、合紙12が除去されながらガラス板10が取り出される。このとき、ガラス板10および合紙12は、積層された順番とは逆の順番で、パレット20上のガラス板積層体14から交互に抜き取られる。合紙12は、例えば、ガラス板10の幅方向に沿って複数の吸引ノズルを備える棒状の吸着装置によって、突出部12aが複数のポイントで吸着される。これにより、突出部12aが吸着装置によって把持されて、ガラス板積層体14から合紙12が抜き取られる。
(1−3)支持糸
第1支持糸30aおよび第2支持糸30bは、合紙12の突出部12aの両端部を支持している糸である。第1支持糸30aの両端は第1糸支持部材32aによって固定され、第2支持糸30bの両端は第2糸支持部材32bによって固定されている。第1糸支持部材32aおよび第2糸支持部材32bは、パレット20の背面支持台26に取り付けられ、ガラス板10の幅方向に沿って移動可能である。第1支持糸30aおよび第2支持糸30bによって、合紙12の突出部12aには、ガラス板の幅方向のテンションが付与されている。図3は、図1に示されるガラス板積層体14の上部の拡大斜視図である。図4は、ガラス板積層体14の上部を、ガラス板10の積層方向に沿って見た場合の正面図である。図5は、ガラス板積層体14の上部を、ガラス板10の主面に沿って見た場合の側面図である。なお、図3および図5に示されるガラス板10および合紙12の数は、実際のガラス板積層体14のガラス板10および合紙12の数よりも少ない。
第1支持糸30aおよび第2支持糸30bを用いて、合紙12の突出部12aに、ガラス板10の幅方向のテンションを付与する工程について説明する。最初に、ガラス板10と合紙12とをパレット20上に交互に積層して、ガラス板積層体14を形成する。次に、ガラス板10の積層方向に沿って、突出部12aの両端部に第1貫通穴12b1および第2貫通穴b2を開ける。なお、第1貫通穴12b1および第2貫通穴b2は、ガラス板10および合紙12をパレット20上に載置する前に、あらかじめ合紙12の端部に開けられていてもよい。
次に、すべての合紙12の第1貫通穴12b1に第1支持糸30aを通し、すべての合紙12の第2貫通穴12b2に第2支持糸30bを通す。ここで、第1支持糸30aおよび第2支持糸30bは、それぞれ、一端が第1糸支持部材32aおよび第2糸支持部材32bに取り付けられ、かつ、他端が糸通し部材34に取り付けられている。図6は、第1支持糸30aを第1貫通穴12b1に通す前の第1糸支持部材32aの斜視図である。糸通し部材34は、第1貫通穴12b1に第1支持糸30aを通し、または、第2貫通穴12b2に第2支持糸30bを通す作業を容易にするための棒状部材等である。なお、糸通し部材34として針を用いる場合、第1貫通穴12b1および第2貫通穴12b2を有さない突出部12aの両端部に、糸通し部材34を貫通させてもよい。この場合、突出部12aに第1貫通穴12b1および第2貫通穴12b2を形成すると共に、第1支持糸30aおよび第2支持糸30bを、それぞれ第1貫通穴12b1および第2貫通穴12b2に通すことができる。第1貫通穴12b1および第2貫通穴12b2に、それぞれ第1支持糸30aおよび第2支持糸30bを通した後、第1支持糸30aおよび第2支持糸30bの糸通し部材34が取り付けられている方の端部は、それぞれ、第1糸支持部材32aおよび第2糸支持部材32bに取り付けられる。図7は、第1支持糸30aを第1貫通穴12b1に通した後、糸通し部材34が取り付けられている方の第1支持糸30aの端部を第1糸支持部材32aに取り付けたときの第1糸支持部材32aの斜視図である。
次に、第1支持糸30aが取り付けられた第1糸支持部材32a、および、第2支持糸30bが取り付けられた第2糸支持部材32bを、それぞれ、ガラス板10の幅方向に沿って突出部12aの両側に向かって互いに反対方向に引っ張る。このとき、合紙12の突出部12aがガラス板10の主面に対してできるだけ傾斜していない状態で、第1糸支持部材32aおよび第2糸支持部材32bを引っ張ることが好ましい。これにより、第1支持糸30aおよび第2支持糸30bは、図4に示される矢印の方向に沿って、突出部12aにテンションを付与する。そして、適度なテンションが突出部12aに付与された状態で、第1糸支持部材32aおよび第2糸支持部材32bを背面支持台26に固定する。
なお、本実施形態において、突出部12aに付与されるテンションは、少なくとも200g重、すなわち、約1.96Nであることが好ましい。この数値は、合紙12の突出部12aの上端中央部を、ガラス板10の積層方向に1cm引っ張るために必要な力を表す。
(2)特徴
(2−1)
ガラス板梱包体1を長期間保管すると、合紙12の突出部12aが、ガラス板10の積層方向に徐々に倒れて傾斜する現象が起こる。突出部12aの傾斜の原因の一つとして、ガラス板梱包体1の保管場所の雰囲気に含まれる水分が、合紙12に吸着され、または、合紙12から放出される過程が挙げられる。以下、図4に示されるように、パレット20の背面支持面26sから最も離れた位置にある合紙12を、最外側合紙112という。最外側合紙112の、ガラス板10に接していない方の主面112sは、大部分がガラス板梱包体1の保管場所の雰囲気に露出しているので、雰囲気中の水分を吸着および放出しやすい。一方、最外側合紙112の、ガラス板10に接している方の主面は、他方の主面112sに比べて水分を吸着および放出しにくい。合紙12は、水分を吸着すると伸び、水分を放出すると縮む傾向を有する。そのため、ガラス板梱包体1の保管場所が乾燥している場合、最外側合紙112は、ガラス板10に接していない主面112sの方が、蒸発によって水分を失いやすく縮みやすい。この場合、最外側合紙112の突出部12aは、背面支持面26sから離れる方向に傾斜する。
そして、傾斜した最外側合紙112の突出部12aと、隣接する合紙12の突出部12aとの間の空間が広がることにより、当該隣接する合紙12の突出部12aの最外側合紙112側の主面も、水分を吸着および放出しやすくなる。従って、ガラス板梱包体1の保管場所が乾燥している場合、最外側合紙112から背面支持面26sに向かって順番に、合紙12の突出部12aが連鎖的に傾斜する。なお、ガラス板梱包体1の保管場所および保管状態によっては、上述の過程に従わずに突出部12aが傾斜する現象が起こる。例えば、合紙12が自重および繊維の向きに応じて湾曲することにより、突出部12aが傾斜する場合もある。いずれにせよ、ガラス板梱包体1を長期間保管することによって、合紙12の突出部12aは、ガラス板10の積層方向に徐々に傾斜する傾向を示す。
そして、ガラス板10の主面に対する、合紙12の突出部12aの傾斜角度が大きい場合、ガラス板積層体14からガラス板10を取り出して使用する工程において、合紙12の突出部12aが吸着装置によって適切に把持されず、合紙12が除去されない可能性がある。
本実施形態では、図4に示されるように、合紙12の突出部12aは、第1支持糸30aおよび第2支持糸30bによって、ガラス板10の幅方向に沿って互いに反対方向のテンションが付与されている。これにより、ガラス板10の積層方向に沿った突出部12aの移動が制限されるので、ガラス板10の主面に対して突出部12aが傾斜することが抑制される。すなわち、第1支持糸30aおよび第2支持糸30bによって、合紙12の突出部12aがガラス板10の積層方向に過度に傾斜することが抑制される。そのため、ガラス板積層体14からガラス板10を取り出して使用する工程において、合紙12の突出部12aが吸着装置によって適切に把持されずに合紙12が除去されない不具合の発生が抑えられる。
従って、本実施形態では、ガラス板積層体14から合紙12を吸着によって除去する際に、合紙12を適切に吸着することができるので、ガラス板積層体14から合紙12をより確実に除去することができる。
(2−2)
ガラス板梱包体1を長期間保管することによって、合紙12の突出部12aは、ガラス板10の積層方向に徐々に傾斜する傾向を示す。このとき、ガラス板10の主面に対する突出部12aの傾斜角度が、ガラス板10の幅方向に沿って均一でない場合、突出部12aの上辺が波打った状態となり、合紙12の突出部12aに「うねり」が発生する。このとき、ガラス板積層体14からガラス板10を取り出す工程において、合紙12の突出部12aと吸着装置との間隔がガラス板10の幅方向に均一でなくなる。そのため、突出部12aの一部が吸着装置の吸引ノズルによって吸着されず、吸着装置にエラーが発生し、結果として、合紙12が除去されない現象が発生するおそれがある。
本実施形態では、図4に示されるように、合紙12の突出部12aは、第1支持糸30aおよび第2支持糸30bによって、ガラス板10の幅方向に沿って互いに反対方向のテンションが付与されている。これにより、ガラス板10の積層方向に沿った突出部12aの移動が制限されるので、ガラス板10の主面に対する突出部12aの傾斜角度が、ガラス板10の幅方向に沿って不均一になることが抑制される。すなわち、合紙12の突出部12aにガラス板10の幅方向の「うねり」が発生することが抑制される。そのため、ガラス板積層体14からガラス板10を取り出して使用する工程において、突出部12aの一部が吸着装置によって吸着されない不具合の発生が抑えられる。
従って、本実施形態では、ガラス板積層体14から合紙12を吸着によって除去する際に、合紙12を適切に吸着することができるので、ガラス板積層体14から合紙12をより確実に除去することができる。
(2−3)
本実施形態では、ガラス板積層体14からガラス板10を取り出して使用する工程において、第1支持糸30aおよび第2支持糸30bを切断することによって、ガラス板積層体14から第1支持糸30aおよび第2支持糸30bを容易に取り外すことができる。
(3)変形例
(3−1)変形例A
実施形態では、突出部12aにテンションを付与する部材として、第1支持糸30aおよび第2支持糸30bが用いられたが、針金等の剛性を有する棒状部材が代わりに用いられてもよい。
(3−2)変形例B
実施形態では、第1支持糸30aおよび第2支持糸30bは、ガラス板10の積層方向に沿って、合紙12の突出部12aを貫通しているが、ガラス板10の積層方向に対して傾斜した方向に沿って、合紙12の突出部12aを貫通してもよい。
(3−3)変形例C
実施形態では、合紙12の突出部12aに第1貫通穴12b1および第2貫通穴b2を開けて第1支持糸30aおよび第2支持糸30bを通し、第1糸支持部材32aおよび第2糸支持部材32bを用いて、ガラス板10の幅方向に沿って互いに反対方向のテンションを突出部12aに付与している。しかし、ガラス板10の幅方向に沿って互いに反対方向のテンションを突出部12aに付与することで突出部12aのうねりを低減することができれば、他の方法が用いられてもよい。例えば、ガラス板10の積層方向に沿って連続して配置されている所定の枚数の合紙12の突出部12aの両端部をクリップで挟み、ガラス板10の幅方向に沿って互いに反対方向にクリップを引っ張ることで、突出部12aにテンションを付与してもよい。
(3−4)変形例D
実施形態では、ガラス板10の幅方向に沿って複数の吸引ノズルを備える棒状の吸着装置によって、合紙12の突出部12aが複数のポイントで吸着把持されて、ガラス板積層体14から合紙12が除去される。しかし、合紙12は、吸着以外の方法によって除去されてもよい。この場合においても、合紙12の突出部12aのうねりが抑制されることによって、ガラス板積層体14から合紙12をより確実に除去することができる。
1 ガラス板梱包体
10 ガラス板
12 合紙
12a 突出部
12b1 第1貫通穴
12b2 第2貫通穴
14 ガラス板積層体
20 パレット
22 基台
22s 載置面
24 底面支持台
24s 底面支持面
26 背面支持台
26s 背面支持面
30a 第1支持糸(第1合紙支持部材)
30b 第2支持糸(第2合紙支持部材)
32a 第1糸支持部材
32b 第2糸支持部材
34 糸通し部材
特開2001−139138号公報 特開2011−143946号公報

Claims (4)

  1. 複数のガラス板を、それらの間に合紙を介在させて、パレット上に立て掛けて積層させるガラス板の梱包方法であって、
    前記合紙が、前記ガラス板の上辺から上方に突出している突出部を有するように、前記ガラス板を積層させる積層工程と、
    それぞれの前記合紙の前記突出部の、前記ガラス板の幅方向の両端部に、それぞれ第1貫通穴および第2貫通穴を開ける穴開け工程と、
    前記ガラス板の積層方向に沿って、前記突出部の前記第1貫通穴に第1合紙支持部材を貫通させ、かつ、前記突出部の前記第2貫通穴に第2合紙支持部材を貫通させる貫通工程と、
    前記第1合紙支持部材および前記第2合紙支持部材を、前記ガラス板の幅方向に沿って互いに反対方向に引っ張ることによって、前記突出部に、前記ガラス板の幅方向のテンションを付与するテンション付与工程と、
    前記突出部に前記テンションが付与された状態で、前記第1合紙支持部材および前記第2合紙支持部材を前記パレットに固定する固定工程と、
    を備える、ガラス板の梱包方法。
  2. 前記第1合紙支持部材および前記第2合紙支持部材は、糸である、
    請求項1に記載のガラス板の梱包方法。
  3. 前記テンション付加工程において、前記突出部に付与される前記テンションの大きさは、少なくとも1.96Nである、
    請求項1または2に記載のガラス板の梱包方法。
  4. 複数のガラス板を、それらの間に合紙を介在させて、パレット上に立て掛けて積層させたガラス板の梱包体であって、
    前記合紙は、前記ガラス板の上辺から上方に突出している突出部を有し、
    前記突出部は、前記ガラス板の幅方向に沿って互いに反対方向に引っ張られてテンションが付与された状態で、前記パレットに固定される、
    ガラス板の梱包体。
JP2011276239A 2011-12-16 2011-12-16 ガラス板の梱包方法、および、ガラス板の梱包体 Pending JP2013126879A (ja)

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