JP2013122070A - 酸化膜密着性に優れた高強度銅合金板 - Google Patents

酸化膜密着性に優れた高強度銅合金板 Download PDF

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Abstract

【課題】高強度と優れた酸化膜密着性とを両立させたCu−Fe−P系銅合金板を提供する。
【解決手段】質量%で、Fe:0.02〜0.5%、P:0.01〜0.25%を含有し、残部銅及び不可避不純物からなる組成を有し、FeとPの質量%比Fe/Pが2.0〜5.0であるCu−Fe−P系銅合金板。表面をEBSD分析で観察したときの観察面積に対する円相当径が0.5μm未満の微細結晶粒の面積比が0.90以下であり、かつXPS分析による表面のCu2pのピーク面積値に対するC1sのピーク面積値の比C1s/Cu2pが0.35以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、高強度で、かつ、パッケージクラックや剥離の問題に対処するために、酸化膜密着性を向上させたCu−Fe−P系の銅合金板に関する。本発明の銅合金板は、半導体装置用リードフレームの素材として好適で、半導体装置用リードフレーム以外にも、その他の半導体部品、プリント配線板等の電気・電子部品材料、開閉器部品、ブスバー、端子・コネクタ等の機構部品など様々な電気電子部品用として好適に使用される。ただ、以下の説明では、代表的な用途例として、半導体部品であるリードフレームに使用する場合を中心に説明を進める。
半導体リードフレーム用銅合金としては、従来よりFeとPを含有する、Cu−Fe−P系の銅合金が一般に用いられている。これらCu−Fe−P系の銅合金としては、例えば、Fe:0.05〜0.15%、P:0.025〜0.040%を含有する銅合金(C19210合金)や、Fe:2.1〜2.6%、P:0.015〜0.15%、Zn:0.05〜0.20%を含有する銅合金(CDA194合金)が例示される。これらのCu−Fe−P系の銅合金は、銅母相中にFe又はFe−Pの金属間化合物を析出させると、銅合金の中でも、強度、導電性及び熱伝導性に優れていることから、国際標準合金として汎用されている。
近年、電子機器に用いられる半導体装置の大容量化、小型化、高機能化に伴い、半導体装置に使用されるリードフレームの小断面積化が進み、より一層の強度、導電性、熱伝導性が要求されている。これに伴い、これら半導体装置に使用されるリードフレームに用いられる銅合金板にも、より一層の高強度化、熱伝導性が求められている。
一方、半導体装置のプラスチックパッケージは、熱硬化性樹脂によって半導体チップを封止するパッケージが、経済性と量産性に優れることから、主流となっている。これらパッケージは、最近の電子部品の小型化の要求に伴って、益々薄肉化されている。
これらのパッケージの組み立てにおいて、リードフレームに半導体チップをAgペーストなどを用いて加熱接着するか、あるいはAu,Agなどのめっき層を介してはんだ付けもしくはAgろう付けする。そして、その後樹脂封止を行い、樹脂封止を行ったあとに、アウターリードに電気めっきによる外装を行うのが一般的である。
これらのパッケージの信頼性に関する最大の課題は、実装時や使用時に発生するパッケージ・クラックや剥離の問題である。これらのパッケージ・クラックや剥離は、樹脂とリードフレームの密着性が低い場合に、実装時や使用時の熱応力によって生じる。このようなパッケージクラックや剥離の問題は、近年、上記パッケージの薄型の進展に伴って顕著となっている。
ここで、パッケージクラックや剥離の問題は、樹脂とリードフレームとの密着性不良に起因するが、この密着性に最も大きな影響を及ぼしているのが、リードフレーム母材の酸化膜である。リードフレーム母材は、板の製造やリードフレーム製作のために種々の加熱工程を経ている。このため、母材の表面には、数十〜数百nmの厚さの酸化膜が形成されており、この酸化膜を介して銅合金と樹脂とが接しているため、この酸化膜のリードフレーム母材との剥離は、そのまま樹脂とリードフレームとの剥離へつながり、リードフレームと樹脂の密着性を著しく低下させる。
したがって、パッケージクラックや剥離の問題は、この酸化膜のリードフレーム母材との密着性にかかっている。このため、リードフレーム母材としての、前記高強度化したCu−Fe−P系の銅合金板には、種々の加熱工程を経て表面に形成された酸化膜の密着性が高いことが要求される。
こうした課題に対し、これまで、特許文献1では、Fe含有量を0.50質量%以下と低減した組成において、銅合金板表面の集合組織と平均結晶粒径を制御することで、酸化膜密着性を向上させることが提案されている。即ち、特許文献1では、銅合金板表面の後方散乱電子回折像EBSPを用いた結晶方位解析方法により測定した、Brass方位の方位分布密度が25%以上である集合組織を有するとともに、平均結晶粒径を6.0μm以下として、酸化膜密着性を向上させることが提案されている。また、特許文献2では、同じくFe含有量を0.50質量%以下と低減した組成において、銅合金板表面の表面粗さと表面形態を制御することで、酸化膜密着性を向上させることが提案されている。即ち、特許文献2では、銅合金板表面の表面粗さ測定における中心線平均粗さRaが0.2μm以下、最大高さRmaxが1.5μm以下であり、かつ、粗さ曲線のクルトシス(尖り度)Rkuが5.0以下として、酸化膜密着性を向上させることが提案されている。
特開2008−45204号公報 特開2008−127606号公報
しかしながら、この特許文献1に開示されたCu−Fe−P系銅合金板のみでは、近年望まれているさらに高レベルの酸化膜密着性を実現することはできない。半導体装置の使用環境は年々厳しくなっており、より信頼性の高い半導体装置が要求されている。特に自動車等で使用される半導体装置は従来室内に設置されていたのに対して、室内スペース拡張による快適化や配線長さ短縮による軽量化などを目的にエンジンルーム内に設置されるものが増えてきている。具体的には、従来使用環境温度として80℃以下とされてきた半導体装置においても、100℃、120℃あるいはそれ以上の使用環境温度が要求されるようになってきている。このような背景から、より信頼性の高い半導体装置の要求に伴い、リードフレーム用銅合金板にはさらに高レベルの酸化膜密着性が要求されるようになってきている。よって、酸化膜密着性評価の加熱時間も従来5分以下の時間が使用されていたが、より長時間の加熱による評価が要求されるようになり、特許文献1に開示されたCu−Fe−P系銅合金板のみではその要求に対応できなくなっている。また、特許文献2に開示されたCu−Fe−P系銅合金板のみでも、同様に近年望まれているさらに高レベルの酸化膜密着性を実現することはできない。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、Fe含有量を実質的に0.5質量%以下と低減した組成において、高強度化と近年望まれているさらに高レベルの酸化膜密着性とを両立させたCu−Fe−P系銅合金板を提供することである。
この目的を達成するため、本発明に係る酸化膜密着性に優れた高強度銅合金板は、質量%で、Fe:0.02〜0.5%、P:0.01〜0.25%を各々含有し、残部銅及び不可避不純物からなる組成を有し、FeとPの質量%比Fe/Pが2.0〜5.0であり、さらに、表面をEBSD分析で観察したときの観察面積に対する円相当径が0.5μm未満の微細結晶粒の面積比が0.90以下であり、かつXPS分析による表面のCu2pのピーク面積値に対するC1sのピーク面積値の比C1s/Cu2pが0.35以下であることを特徴とする。
上記酸化膜密着性に優れた高強度銅合金板において、XPS分析により得られた表面のC1s/Cu2pは、後述するとおり銅合金板表面における相対的なC量を意味する。銅合金板表面のC1s/Cu2pを0.35以下に低減するには、めっきの前処理の仕上げ等として一般的に行われるアルカリ陰極電解洗浄の前に、銅合金板の表面から、アルカリ陰極電解洗浄では除去できないC源をほぼ完全に除去しておく必要がある。
言い換えれば、アルカリ陰極電解洗浄前の銅合金板の表面から、アルカリ陰極電解洗浄では除去できないC源がほぼ完全に除去されていれば、アルカリ陰極電解洗浄を行った後に、XPS分析により得られる表面のC1s/Cu2pが0.35以下である、酸化膜密着性に優れた銅合金板を得ることができる。
本発明に係る銅合金板は、高強度を達成するために、更に、質量%で0.005〜3%のSnを、酸化膜密着性改善のために、更に、質量%で0.005〜3%のZnを、各々含有しても良い。
本発明に係る銅合金板は、圧延方向に平行方向の引張強度が500MPa以上であることが望ましく、さらに、圧延方向に平行方向の引張試験における破断伸びが5%以上であることが望ましい。
本発明に係る銅合金板は、特許文献1,2に記載された従来の銅合金板と同等に高強度である。また、本発明に係る銅合金板の表面をEBSD分析で観察したときの微細結晶粒の面積比と、XPS分析により得られる表面のC1s/Cu2pを0.35以下に規制したことにより、近年望まれているさらに高レベルの酸化膜密着性を実現することができる。その結果、本発明によれば、パッケージクラックや剥離を防止し、信頼性の高い半導体装置を提供できる。
銅合金板に対しめっきの前処理の仕上げ等として一般的にアルカリ陰極電解洗浄が行われているが、このアルカリ陰極電解洗浄前の銅合金板の表面から、アルカリ陰極電解洗浄では除去できないC源がほぼ完全に除去されていれば、アルカリ陰極電解洗浄後に、XPS分析により得られる表面のC1s/Cu2pが0.35以下である、酸化膜密着性に優れた銅合金板を得ることができる。
以下に、半導体リードフレーム用などとして、必要な特性を満たすための、本発明のCu−Fe−P系銅合金板における各要件の意義や実施態様を具体的に説明する。
「銅合金板の成分組成」
本発明では、半導体リードフレーム用などとして、高強度と優れた酸化膜密着性とを併せて達成するため、Cu−Fe−P系銅合金板は、質量%で、Feの含有量が0.02〜0.5%の範囲、Pの含有量が0.01〜0.25%の範囲とし、FeとPの質量%比Fe/Pが2.0〜5.0であり、残部Cu及び不可避不純物からなる基本組成を有する。
この基本組成に対し、Sn、Znの一種又は二種を、更に下記範囲で含有する態様でも良い。また、その他の不可避不純物元素も、これらの特性を阻害しない範囲での含有は許容する。なお、合金元素や不可避不純物元素の含有量の表示%は全て質量%の意味である。
(Fe)
Feは、Fe又はFe基金属間化合物として析出し、銅合金の強度や耐熱性を向上させる主要元素である。Feの含有量が0.02%未満では、上記析出粒子の生成量が少なく、強度向上への寄与が不足し、強度が不足する。一方、Feの含有量が0.5%を超えると、粗大な晶・析出物粒子が生成し易くなり、エッチング性(エッチング加工面の平滑性)やめっき性(Agめっき等の平滑性)が低下する他、強度向上への寄与も飽和する。従って、Feの含有量は0.02〜0.5%の範囲とする。また、望ましくは0.04〜0.4%とし、さらに望ましくは0.06〜0.35%とする。
(P)
Pは、脱酸作用がある他、Feと化合物を形成して、銅合金の強度や耐熱性を向上させる主要元素である。P含有量が0.01%未満では、化合物の析出が不十分であるため、所望の強度が得られない。一方、P含有量が0.25%を超えると、熱間加工性と酸化膜密着性が低下する。従って、Pの含有量は0.01〜0.25%の範囲とする。また、望ましくは0.015〜0.2%とし、さらに望ましくは0.02〜0.15%とする。
(Fe/P)
FeとPの質量%比であるFe/Pの規定は、強度に寄与する微細なFeとPの化合物を効率良く析出させるために必要な規定である。Fe/Pが2.0未満では、Feの質量%に対するPの質量%が高過ぎるため、強度に寄与する微細なFe−P化合物の生成量が不足するとともに固溶状態のPが多く残留し、強度と酸化膜の密着性が低下する。一方、Fe/Pが5.0を超えると、Feの質量%に対するPの質量%が低過ぎるため、同様に強度に寄与する微細なFe−P化合物の生成量が不足するとともに固溶状態のFeが多く残留し、強度と酸化膜の密着性が低下する。従って、Fe/Pは2.0〜5.0の範囲とする。また、望ましくは2.2〜4.7とし、さらに望ましくは2.4〜4.4とする。
(Sn)
Snは、銅合金の強度向上に寄与する。Snの含有量が0.005%未満の場合は高強度化に寄与しない。一方、Snの含有量が3%を超えて過剰に含有されると、Fe又はFe−P化合物の固溶量が減少し、Fe又はFe−P化合物の粗大な晶・析出物粒子が生成し易くなり、強度向上の効果が小さくなるとともに熱間加工性と酸化膜密着性が低下する。従って、選択的に含有させる場合のSn含有量は、用途に要求される強度と酸化膜密着性のバランスに応じて、0.001〜3%の範囲から選択する。また、望ましくは0.008〜2.7%とし、さらに望ましくは0.01〜2.4%とする。
(Zn)
Znは、リードフレームなどに必要な、銅合金のはんだ及びSnめっきの耐熱剥離性を改善するとともに、酸化膜密着性を改善し、銅合金の強度向上に寄与する。Znの含有量が0.005%未満の場合は所望の効果が得られない。一方、3%を超えると、Fe又はFe−P化合物の固溶量が減少し、Fe又はFe−P化合物の粗大な晶・析出物粒子が生成し易くなり、強度向上の効果が小さくなるとともに熱間加工性が低下する。また、酸化膜密着性の改善効果も飽和する。従って、選択的に含有させる場合のZnの含有量は、用途に要求される強度と酸化膜密着性を考慮し、0.005〜3%の範囲から選択する。また、望ましくは0.008〜2.7%とし、さらに望ましくは0.01〜2.4%とする。
(不可避的不純物)
本発明で言う不可避的不純物は、例えば、Mn、Mg、Ca、Zr、Ag、Cr、Cd、Be、Ti、Co、Ni、Au、Ptなどの元素である。これらの元素が含有されると、粗大な晶・析出物粒子が生成し易くなる他、強度を低下させる。従って、総量で0.2質量%以下の極力少ない含有量にすることが望ましい。また、銅合金中に微量に含まれているHf、Th、Li、Na、K、Sr、Pd、W、S、Si、C、Nb、Al、V、Y、Mo、Pb、In、Ga、Ge、As、Sb、Bi、Te、B、ミッシュメタル等の元素も不可避的不純物である。これらの元素が含有されると、粗大な晶・析出物粒子が生成し易くなる他、熱間加工性を低下させることから、総量で0.1質量%以下の極力少ない含有量に抑えることが望ましい。さらに、銅合金中に微量に含まれるOは添加元素を酸化するため、有効な添加元素量が減少し強度を低下させることから、50質量ppm以下の極力少ない含有量に抑えることが望ましい。また、銅合金中に微量に含まれるHは銅合金中に欠陥(ブローホールやフクレ等)を生じさせる要因となることから、5質量ppm以下の極力少ない含有量に抑えることが望ましい。
「表面をEBSD分析で観察したときの観察面積に対する円相当径が0.5μm未満の微細結晶粒の面積比が0.90以下」
銅合金板の表面をEBSD分析で観察したときの観察面積に対する微細結晶粒(円相当径が0.5μm未満)の面積比とは、いわば、銅合金板表面における微細結晶粒の占有割合を意味する。ここで、EBSD分析とは電子線後方散乱回折分析のことであり、結晶粒の大きさや方位などの分布を分析する方法である。また、ここでいう結晶粒とは、EBSD分析により隣接する測定点間の方位差が5°以上となる場合を粒界とみなし、この粒界で完全に囲まれた領域とした。本発明でいう円相当径は、前記領域と同じ面積を持つ円の直径である。この面積比はアルカリ陰極電解洗浄の前後で変化しない。
銅合金板表面の微細結晶粒の面積比が大きいということは、微細な結晶粒が多く存在し、多くの結晶粒界を有するということであり、結晶粒界に起因する欠陥が酸化膜中に多量に導入されることになり、酸化膜の密着性は低下することとなる。よって、銅合金板表面の微細結晶粒の面積比はより小さい方が望ましく、0.90以下とする。また、望ましくは0.85以下とし、更に望ましくは、0.80以下とする。
「XPS分析による表面のCu2pのピーク面積値に対するC1sのピーク面積値の比C1s/Cu2pが0.35以下」
XPS分析による表面のCu2pのピーク面積値に対するC1sのピーク面積値の比C1s/Cu2pとは、いわば、銅合金板表面における相対的なC量を意味する。XPS分析とはX線光電子分光分析のことであり、ESCA分析ともいい、表面の極薄い層の組成及び状態分析を得意とする分析方法である。銅合金板の表面から検出されるCは、通常、種々の汚染物質(有機物、無機物)に由来すると共に、銅合金板の変色を防止するために処理された有機防錆膜(ベンゾトリアゾール他)などにも由来する。銅合金板表面に付着したこれらのC源の量は、銅合金板表面における前記C1s/Cu2pの大きさに反映する。
上記C源が銅合金板表面に存在すると、すべて酸化膜の密着性に悪影響を及ぼす。これは、上記C源に起因する欠陥が酸化膜中に導入されることによって、欠陥の多い酸化膜が生成されやすくなるためと考えられる。従って、前記C1s/Cu2pの値は、より小さい方が望ましく、本発明では0.35以下とする。また、望ましくは0.30以下とし、更に望ましくは、0.25以下とする。
ところで、半導体装置のリードフレームに用いられる銅合金板は、アルカリ陰極電解洗浄を含む前処理が行われた後に、部分的にAgめっき等のめっき処理が行われて組立工程に供される。この組立工程の熱履歴で生成された酸化膜の密着性がパッケージの信頼性を左右することになる。従って、酸化膜の密着性に影響を及ぼすのは、銅合金板にアルカリ陰極電解洗浄を含む前処理が行われた後のC量である。このC量が多いと、アルカリ陰極電解洗浄前の銅合金板表面に、アルカリ陰極電解洗浄で除去できないC源が多く付着していたことになる。なお、銅合金板の変色を防止するために一般的に使用されている有機防錆膜(ベンゾトリアゾール他)は、アルカリ陰極電解洗浄によって容易に除去される。
ここで、アルカリ陰極電解洗浄とは、アルカリ性の水溶液中で対象物を陰極として電解を行い、対象物の表面から発生する水素ガスによる機械的撹拌作用によって洗浄力を高めた洗浄方法であり、それ自体周知の洗浄方法である。本方法に使用されるアルカリ性水溶液は、一般に、水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ塩をベースに、界面活性剤やキレート化合物等の有機物が添加されて構成されており、対象物を陰極にして電解が行われることから、銅合金板の表面は酸化及び溶解等が行われることはなく、何らダメージを受けることはない。従って、アルカリ陰極電解洗浄を用いれば、銅合金板を製造する際に使用される圧延油等の有機物やベンゾトリアゾール等の有機防錆膜は容易に除去することができる。
しかしながら、アルカリ陰極電解洗浄を用いても、圧延油等が熱等によって変質・劣化した有機物等(焼付き状のもの等)は除去できない。アルカリ陰極電解洗浄前の銅合金板の表面に、このようなアルカリ陰極電解洗浄で除去できない有機物等が付着していると、アルカリ陰極電解洗浄後も、これらがC源として銅合金板表面に残留し、銅合金板表面のC1s/Cu2pの値が高くなり、酸化膜の密着性が低下し、パッケージの信頼性が低下する。従って、アルカリ陰極電解洗浄前の段階で、銅合金板の表面から、アルカリ陰極電解洗浄で除去できないC源を予め除去しておくことが重要となる。
「圧延方向に平行方向の引張強度が500MPa以上、圧延方向に平行方向の破断伸びが5%以上」
本発明に係る銅合金板は、高強度材の目安として、好ましくは圧延方向に平行方向の引張強度が500MPa以上である。さらに、好ましくは圧延方向に平行方向の引張試験における破断伸びが5%以上である。本発明に係る銅合金板は、適度な破断伸びを有することによって、リードフレーム用素材に必要とされる適度な曲げ加工性を保持できることから、電気・電子部品の素材、特に半導体装置用リードフレーム用素材として好適な銅合金板となる。これに対して、圧延方向に平行方向の引張試験における破断伸びが5%未満の場合には、リードフレーム用素材に必要とされる適度な曲げ加工性を保持できないことから、電気・電子部品の素材、特に半導体装置用リードフレーム用素材として好適とはいえない。なお、5%以上の破断伸びは、本発明に係る銅合金組成であれば、後述する製造方法により容易に達成し得る。また、500MPa以上の引張強度についても、合金元素量がごく希薄な領域を除いて、後述する製造方法により容易に達成し得る。
(製造条件)
次に、銅合金板組織を上記本発明規定の組織とするための望ましい製造条件について以下に説明する。
即ち、先ず、上記の成分組成に調整した銅合金溶湯を鋳造する。そして、鋳塊を面削後、加熱又は均質化熱処理した後に熱間圧延し、熱延後の板を水冷する。この熱間圧延は通常の条件で良い。
その後、中延べと言われる一次冷間圧延を行って、焼鈍、洗浄後、更に仕上げ(最終)冷間圧延、低温焼鈍(最終焼鈍、仕上げ焼鈍、歪取り焼鈍などともいう)を行って、製品板厚の銅合金板などとする。これらの焼鈍と冷間圧延は繰返し行ってもよい。なお、半導体装置の小型化・高集積化によるリードフレームの微細配線化に伴い、板のフラットネスと内部応力低減に関する品質要求は益々高くなっており、仕上げ冷間圧延の後の低温焼鈍はこれらの品質向上に有効である。リードフレーム等の半導体用材料に用いられる銅合金板の場合の製品板厚は0.1〜0.4mm程度である。
なお、一次冷間圧延の前に銅合金板の溶体化処理及び水冷による焼き入れ処理を行なっても良い。この際、溶体化処理温度は、例えば750〜1000℃の範囲から選択される。
最終冷間圧延も常法による。
前述の銅合金板表面をEBSD分析で観察したときの観察面積に対する微細結晶粒(円相当径が0.5μm未満)の面積比を0.90以下とし、かつXPS分析による表面のCu2pのピーク面積値に対するC1sのピーク面積値の比C1s/Cu2pを0.35以下とするためには、下記のような工程を実施すればよい。
まず、銅合金板表面をEBSD分析で観察したときの観察面積に対する微細結晶粒(円相当径が0.5μm未満)の面積比が0.90以下であるためには、焼鈍後に機械的研磨を行わないか、又は、機械的研磨の番手を大きくすることによって、研磨剤の粒度を小さくし、表層の結晶粒をできるだけ大きく保つようにすることが重要である。さらに、機械的研磨を行っても、その後、化学的溶解処理及び電気化学的溶解処理等によって、機械的研磨で生成した微細結晶層を除去することも有効な手段である。従来、焼鈍後には機械的研磨が多く行われている。焼鈍で生成する酸化膜は強固であり、酸洗浄だけでは除去し難い場合があるためである。よって、機械的研磨を行わないか、又は、機械的研磨の負荷を小さくして微細結晶粒の面積比を小さくするためには、焼鈍雰囲気を十分に管理し、強固な酸化膜が生成しないようにすることが重要である。具体的には、焼鈍雰囲気は還元雰囲気(H2及びCOなどの還元性成分を含有する雰囲気)とし、酸化性成分(O2及びH2O等)はできるだけ低い濃度に管理し、強固な酸化膜を生成しないようにすることが重要である。特に、最終工程である低温焼鈍工程では、焼鈍雰囲気を十分に管理し、強固な酸化膜を生成しないように制御することによって、酸洗浄のみでの酸化膜除去を可能とし、機械的研磨を行わないことが望ましい。
次に、XPS分析による銅合金板表面のCu2pのピーク面積値に対するC1sのピーク面積値の比C1s/Cu2pが0.35以下であるためには、焼鈍の前後に洗浄処理を行うことが重要である。一般的に、焼鈍後には、焼鈍で生成した酸化膜や圧延油に起因する残渣を除去するために酸洗浄や研磨などが行われるが、焼鈍後のみの洗浄では特に圧延油に起因する残渣等の除去を効果的に行うことが難しく、これらがめっきの前処理であるアルカリ陰極電解洗浄を行った後も銅合金板表面に残留し、銅合金板表面のC量が多くなり、酸化膜密着性は低下する。また、焼鈍後のみの洗浄で、圧延油に起因する残渣等の除去を十分に行おうとすれば、洗浄の時間を長くしたり、研磨剤の番手を小さくする(研磨剤の粒度を大きくする)等のロスも生じる。なお、研磨剤の番手を小さくすると、銅合金板表面の微細結晶粒が増加するとともに粗さも大きくなり、逆に酸化膜密着性を低下する要因ともなる。従って、このような圧延油に起因する残渣等の除去を効果的に行うには、焼鈍後のみでなく焼鈍前にも洗浄処理を行うことが有効であり、特に最終工程である低温焼鈍前には洗浄処理を行うことが必須であり、さらに低温焼鈍後には酸洗浄などによる酸化膜の除去処理を行うことが有効である。このような焼鈍前の洗浄処理としては、溶剤洗浄・アルカリ洗浄・アルカリ電解洗浄等、種々の洗浄処理があり、必要に応じて適切な洗浄方法を用いる。
以上の製造方法により得られた銅合金板(アルカリ陰極電解洗浄前)に対し、さらにアルカリ陰極電解洗浄を行うことで、XPS分析による表面のC1s/Cu2p比を0.35以下に低減することができる。この銅合金板は半導体リードフレーム等の電気電子部品用として用いられるが、その際に、めっきの前処理としてアルカリ陰極電解洗浄を含む処理を行うことにより、板表面のC1s/Cu2p比が0.35以下に低減し、優れた酸化膜密着性が得られるようになる。
以下に本発明の効果を実証するための発明例及び比較例の試験結果について説明する。銅合金板の製造方法としては、まず銅合金溶湯を高周波炉において溶製した後、黒鉛製のブック鋳型に傾注式で鋳込み、厚さが50mm、幅が200mm、長さが100mmの表1,2に示す組成の鋳塊を得た。
その後、各鋳塊から、厚さが50mm、幅が180mm、長さが80mmのブロックを切り出し、圧延面を面削して加熱し、950℃に到達した後、0.5乃至1時間保持した後、厚さが16mmになるまで熱間圧延し、700℃以上の温度から水冷した。この圧延板の表面を面削して酸化スケールを除去した後、冷間圧延と焼鈍を行い、その後、最終の冷間圧延を行って厚さが0.2mmの銅合金板を得た。最終冷間圧延後には、低温焼鈍を行った。低温焼鈍は200乃至500℃程度の温度範囲及び1乃至300秒程度の時間範囲から、強度低下が少なく破断伸び5%以上(圧延方向に平行方向の引張試験を行ったときの破断伸び)が確保できる条件を選定した。
ここで、焼鈍及び低温焼鈍は、N+10%H雰囲気(露点:−20℃以下、O濃度:50ppm以下)中で行い、焼鈍前後の洗浄処理は次のように行った。焼鈍に関しては、焼鈍前にヘキサンによる超音波洗浄(20kHz、1分)を行い、焼鈍後には硫酸洗浄(10%硫酸、10秒)後に、機械的研磨(#2400耐水研磨紙)を行った。低温焼鈍に関しては、焼鈍前にヘキサンによる超音波洗浄(20kHz、1分)を行い、低温焼鈍後は硫酸洗浄(10%硫酸、10秒)のみとし、機械的研磨は行わなかった。
なお、表1に示す各銅合金は、記載元素量を除いた残部の組成はCuであり、その他の不純物元素として、Mn、Mg、Ca、Zr、Ag、Cr、Cd、Be、Ti、Co、Ni、Au、Pt等の元素は総量で0.2質量%以下であり、Hf、Th、Li、Na、K、Sr、Pd、W、S、Si、C、Nb、Al、V、Y、Mo、Pb、In、Ga、Ge、As、Sb、Bi、Te、B、ミッシュメタル等の元素は総量で0.1質量%以下であった。
上記のようにして得られた銅合金板に対して、各例とも、銅合金板から試料を切り出し、各試料板表面の表面性状(C1s/Cu2p比、微細結晶粒の面積比)、機械的性質(引張強さ、破断伸び)、及び酸化膜密着保持温度などの特性を評価した。これらの結果を表1,2に各々示す。表2において、本発明の請求項1〜4から外れる組成又は成分比には下線を付した。
(微細結晶粒の面積比)
微細結晶粒の面積比は、先に記載した方法で、銅合金板表面をEBSD分析で観察した際の観察面積と微細結晶粒(円相当径が0.5μm未満)の面積を測定し、微細結晶粒の占有する面積比として算出した。
(C1s/Cu2p比)
C1s/Cu2p比は、銅合金板表面にアルカリ陰極電解洗浄を行った後、XPS分析により表面のCu2pのピーク面積値とC1sのピーク面積値を測定して算出した。ここで、アルカリ陰極電解洗浄は、水酸化ナトリウムを20g/L含む水溶液を用い、液温:60℃、陰極電流密度:5A/dm2、時間:30秒の条件で行った。
(機械的性質)
機械的性質は、圧延方向に平行方向のJIS−5号試験片を作製し、引張試験において引張強さと破断伸びを測定した。
(酸化膜密着保持温度)
酸化膜密着保持温度は,銅合金板表面にアルカリ陰極電解洗浄を行い、さらに、水洗→酸洗浄(10%硫酸)→水洗→乾燥を行った後、大気中にて所定の温度で5分間及び10分間の加熱を行い、その後、粘着テープによるピーリング試験で評価した。アルカリ陰極電解洗浄は、C1s/Cu2p比の測定の際のアルカリ陰極電解洗浄と同じ条件で行った。粘着テープによるピーリング試験は市販のテープ(住友スリーエム社製メンディングテープ)を貼り付け、引き剥がす方法で行った。このとき、加熱温度は10℃刻みで変化させ、酸化膜の剥離が生じない最高の温度を酸化膜密着保持温度として評価した。
Figure 2013122070
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表1に示すように、本発明に係る銅合金板(発明例1〜21)のうち発明例1〜13は、請求項1,2の組成範囲を満たし、発明例14〜16は、請求項3の組成範囲を満たし、発明例17〜21は、請求項4の組成範囲を満たす。さらに、発明例1〜21は、請求項1,2に規定した表面性状(微細結晶粒の面積比、C1s/Cu2p比)を満足する。これにより、発明例1〜21の銅合金板は、酸化膜密着保持温度が390℃×5分以上、340℃×10分以上の良好な特性を有していた。
なお、特許文献1(特開2008−45204号公報)−表1−発明例9の酸化膜剥離温度が370℃×5分(酸化膜密着保持温度に直すと360℃×5分)であるのに対して、類似組成の本願−表1−発明例10〜11の酸化膜密着保持温度は410〜400℃×5分であり、特許文献1に比較してさらに酸化膜密着性が向上していることがわかる。さらに、特許文献2(特開2008−127606号公報)−表2−発明例6の酸化膜剥離温度が400℃×5分(酸化膜密着保持温度に直すと390℃×5分)であるのに対して、類似組成の本願−表1−発明例10の酸化膜密着保持温度は410℃×5分であり、特許文献2に比較してもさらに酸化膜密着性が向上していることがわかる。
一方、比較例22〜33は、表2に示すように請求項1〜4の組成又は/及び成分比を満たさない。このため、以下に個別に説明するとおり、発明例1〜21と比べて引張強さが劣るか、酸化膜密着保持温度が低い。
比較例22は、Fe/Pが下限値を下回っており、強度に寄与する微細なFe−P化合物の生成量が不足するとともに固溶状態のPが増加しているため、発明例1に比較して引張強さと酸化膜密着保持温度が低くなった。
比較例23は、P含有量が下限値を下回っており、Fe−P化合物の生成量が不十分であるため、発明例1に比較して引張強さが低下した。
比較例24は、Fe/Pが上限値を超えており、強度に寄与する微細なFe−P化合物の生成量が不足するとともに固溶状態のFeが増加しているため、発明例2に比較して引張強さと酸化膜密着保持温度が低くなった。
比較例25も、Fe/Pが上限値を超えており、強度に寄与する微細なFe−P化合物の生成量が不足するとともに固溶状態のFeが増加しているため、発明例4に比較して引張強さと酸化膜密着保持温度が低くなった。
比較例26は、Fe/Pが下限値を下回っており、強度に寄与する微細なFe−P化合物の生成量が不足するとともに固溶状態のPが増加しているため、発明例6に比較して引張強さと酸化膜密着保持温度が低くなった。
比較例27は、Fe/Pが上限値を超えており、強度に寄与する微細なFe−P化合物の生成量が不足するとともに固溶状態のFeが増加しているため、発明例9に比較して引張強さと酸化膜密着保持温度が低くなった。
比較例28は、Fe/Pが下限値を下回っており、強度に寄与する微細なFe−P化合物の生成量が不足するとともに固溶状態のPが増加しているため、発明例11に比較して引張強さと酸化膜密着保持温度が低くなった。
比較例29は、Fe/Pが上限値を超えており、強度に寄与する微細なFe−P化合物の生成量が不足するとともに固溶状態のFeが増加しているため、発明例12に比較して引張強さと酸化膜密着保持温度が低くなった。
比較例30は、Pが上限値を超えるとともにFe/Pが下限値を下回っており、強度に寄与する微細なFe−P化合物の生成量が不足するとともに固溶状態のPが増加しているため、発明例13に比較して引張強さと酸化膜密着保持温度が低くなった。
比較例31は、Fe含有量が上限値を超えており、粗大な晶・析出物粒子が生成しやすくなっているため、強度向上への寄与が小さく、発明例13に比較して引張強さが低下した。
比較例32は、Sn含有量が上限値を超えており、粗大な晶・析出物粒子が生成しやすくなっているため、強度向上効果が小さくなり、発明例16に比較して引張強さがほぼ飽和するとともに、酸化膜密着保持温度が低くなった。
比較例33は、Zn含有量が上限値を超えており、粗大な晶・析出物粒子が生成しやすくなっているため、強度向上効果が小さくなり、発明例19に比較して引張強さが低下するとともに、酸化膜密着保持温度の向上効果も飽和した。
次に、表面性状(微細結晶粒の面積比、C1s/Cu2p)と酸化膜密着保持温度との関係に関する試験結果について説明する。この実施例2においては、表1の発明例5、10、21の鋳塊から、実施例1と同様の方法及び条件により、厚さが0.2mmの銅合金板を作製した。
ただし、この実施例2では、焼鈍前後の洗浄処理方法を変化させることによって、銅合金板の表面性状(微細結晶粒の面積比、C1s/Cu2p)を変化させた。
続いて、表面性状(微細結晶粒の面積比、C1s/Cu2p)及び酸化膜密着保持温度の評価を実施例1と同様に行った。
各例の洗浄処理方法と、表面性状(微細結晶粒の面積比、C1s/Cu2p)及び酸化膜密着保持温度の評価結果を表3,4に示す。表3,4において、発明例5−1〜5−3及び比較例5−4〜5−5は、表1の発明例5の鋳塊から作製された銅合金板、発明例10−1及び比較例10−2〜10−3は、表1の発明例10の鋳塊から作製された銅合金板、発明例21−1〜21−5及び比較例21−6〜21−9は、表1の発明例21の鋳塊から作製された銅合金板である。
表3,4において、アルカリ浸漬洗浄は、水酸化ナトリウムを主成分とし、その他のりん酸塩、ケイ酸塩、炭酸塩、界面活性剤を含有する代表的な市販のアルカリ浸漬洗浄溶薬剤を使用した。また、焼鈍の後処理の中で行っている化学的溶解処理は、硫酸と過酸化水素を主成分とする代表的な市販の水溶液を使用した。なお、表4の表面性状の欄において、請求項から外れる項目について下線を付して示した。
Figure 2013122070
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表3に示すように、本発明に係る銅合金板(発明例5−1〜5−3,10−1,21−1〜21−5)は、焼鈍及び低温焼鈍とともに、それぞれの焼鈍前後で適切な洗浄処理が行われているため、銅合金板の表面にアルカリ陰極電解洗浄を行った後のXPS分析による表面のC1s/Cu2pが0.35以下で良好であるとともに、銅合金板表面のEBSD分析による観察面積に対する微細結晶粒(円相当径が0.5μm未満)の面積比も0.90以下で良好となっている。なお、発明例5−2は表1の発明例5と、発明例10−1は表1の発明例10と、発明例21−2は表1の発明例21と同じものである。
この結果、本発明に係る銅合金板(発明例5−1〜5−3,10−1,21−1〜21−5)の酸化膜密着保持温度は400℃×5分以上、350℃×10分以上の良好な特性を有していた。また、同じ組成であれば、C1s/Cu2pと微細結晶粒の面積比が、それぞれ小さくなるほど、酸化膜密着保持温度はさらに向上している。
比較例5−4は、焼鈍及び低温焼鈍のいずれも、焼鈍前の洗浄処理に、圧延油等に対する洗浄力が弱いエタノールを用い、かつ浸漬洗浄のみとしていることから、C1s/Cu2pが上限値を超えており、発明例5−1に比較して酸化膜密着保持温度が低くなった。
比較例5−5は、同様に、焼鈍及び低温焼鈍のいずれも、焼鈍前の洗浄処理に、圧延油等に対する洗浄力が弱いエタノールを用い、かつ浸漬洗浄のみとしていることから、C1s/Cu2pが上限値を超えている。さらに、低温焼鈍後に研磨を行っていることから、微細結晶粒の面積比も上限値を超えており、発明例5−1に比較してさらに酸化膜密着保持温度が低くなった。
比較例10−2は、焼鈍及び低温焼鈍のいずれも、焼鈍前の洗浄処理に、圧延油等に対する洗浄力が弱いエタノールを用い、かつ浸漬洗浄のみとしていることから、C1s/Cu2pが上限値を超えており、発明例10−1に比較して酸化膜密着保持温度が低くなった。
比較例10−3は、同様に、焼鈍及び低温焼鈍のいずれも、焼鈍前の洗浄処理に、圧延油等に対する洗浄力が弱いエタノールを用い、かつ浸漬洗浄のみとしていることから、C1s/Cu2pが上限値を超えている。さらに、低温焼鈍後に研磨を行っていることから、微細結晶粒の面積比も上限値を超えており、発明例10−1に比較してさらに酸化膜密着保持温度が低くなった。
比較例21−6は、焼鈍及び低温焼鈍のいずれも、焼鈍前の洗浄処理に、圧延油等に対する洗浄力が弱いエタノールを用い、かつ浸漬洗浄のみとしていることから、C1s/Cu2pが上限値を超えており、発明例21−1に比較して酸化膜密着保持温度が低くなった。
比較例21−7は、同様に、焼鈍及び低温焼鈍のいずれも、焼鈍前の洗浄処理に、圧延油等に対する洗浄力が弱いエタノールを用い、かつ浸漬洗浄のみとしていることから、C1s/Cu2pが上限値を超えている。さらに、低温焼鈍後に研磨を行っていることから、微細結晶粒の面積比も上限値を超えており、発明例21−1に比較してさらに酸化膜密着保持温度が低くなった。
比較例21−8は、焼鈍及び低温焼鈍のいずれも、焼鈍前の洗浄処理にヘキサンを用いており、C1s/Cu2pは請求項の規定を満足しているものの、低温焼鈍後に研磨を行っていることから、微細結晶粒の面積比が上限値を超えており、発明例21−1に比較してさらに酸化膜密着保持温度が低くなった。
比較例21−9は、焼鈍及び低温焼鈍のいずれも、焼鈍前の洗浄処理に、圧延油等に対する洗浄力が弱いエタノールを用い、かつ浸漬洗浄のみとしていることから、C1s/Cu2pが上限値を超えている。さらに、低温焼鈍後には研磨を行っていないもの、焼鈍後の研磨に番手の小さな(研磨剤の粒度の大きな)研磨紙を使用したために、微細結晶粒の面積比が上限値を超えており、発明例21−1に比較して酸化膜密着保持温度が低くなった。
本発明に係る銅合金板は優れた酸化膜密着性を有し、また、本発明に係る銅合金板によれば、リードフレーム用素材に必要とされる高強度と適度な曲げ加工性を有する。これにより、本発明に係る銅合金材はリードフレーム用素材として好適であるとともに、他の電気・電子部品用素材全般に好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. 質量%で、Fe:0.02〜0.5%、P:0.01〜0.25%を含有し、残部銅及び不可避不純物からなる組成を有し、FeとPの質量%比Fe/Pが2.0〜5.0であり、さらに、表面をEBSD分析で観察したときの観察面積に対する円相当径が0.5μm未満の微細結晶粒の面積比が0.90以下であり、かつXPS分析による表面のCu2pのピーク面積値に対するC1sのピーク面積値の比C1s/Cu2pが0.35以下であることを特徴とする酸化膜密着性に優れた高強度銅合金板。
  2. 前記銅合金板が、さらに、質量%で、Sn:0.005〜3%を含有することを特徴とする請求項1に記載の銅合金板。
  3. 前記銅合金板が、さらに、質量%で、Zn:0.005〜3%を含有する請求項1又は2に記載の銅合金板。
  4. 前記銅合金板の圧延方向に平行方向の引張強度が500MPa以上、圧延方向に平行方向の破断伸びが5%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅合金板。
  5. 質量%で、Fe:0.02〜0.5%、P:0.01〜0.25%を含有し、残部銅及び不可避不純物からなる組成を有し、FeとPの質量%比Fe/Pが2.0〜5.0であり、さらに、表面をEBSD分析で観察したときの観察面積に対する円相当径が0.5μm未満の微細結晶粒の面積比が0.90以下であり、かつアルカリ陰極電解洗浄を行った後のXPS分析による表面のCu2pのピーク面積値に対するC1sのピーク面積値の比C1s/Cu2pが0.35以下であることを特徴とする高強度銅合金板。
  6. 前記銅合金板が、さらに、質量%で、Sn:0.005〜3%を含有することを特徴とする請求項5に記載の銅合金板。
  7. 前記銅合金板が、さらに、質量%で、Zn:0.005〜3%を含有する請求項5又は6に記載の銅合金板。
  8. 前記銅合金板の圧延方向に平行方向の引張強度が500MPa以上、圧延方向に平行方向の破断伸びが5%以上である請求項5〜7のいずれか1項に記載の銅合金板。
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