JP2013066867A - 接着剤の塗布方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】接着剤の塗布方法は、空気流を用いた非接触式の塗布方法により、ホットメルト型の接着剤2を、回転する転写ローラー4の周面に、所定のパターン形状を描くように塗布した後、その接着剤を、転写ローラー4の周面から搬送中のシート状物6に転写する。
【選択図】図1
Description
斯かる接着剤の塗布方式としては、搬送される塗布対象物に塗布ガン等の接着剤吐出部を接触させて塗布する接触式と、塗布対象物から離れた吐出口から吐出した接着剤を、空気流に載せ、あるいは空気流により方向を変化させながら塗布対象物に塗布する非接触式とがある。
また、改良された接触式の塗布方法として、特許文献1や2には、塗布液を、ローラーの表面に面塗工したり全面的に付着させたりした後、それらを、他のローラーの周面に形成された所定パターンの凸部上に転移させ、それを塗布対象のシート状物に転写する技術が記載されている。しかし、それらの方法は、空気流を用いて非接触式の塗布方法で塗布する工程を有しないため、パターン形状が面状に限定され、線状のパターンを有することで塗布部に強力な接着力を発現させながら通気性や柔らかさを確保できるという非接触式塗布のメリットを享受できない。
非接触式の塗布方法としては、特許文献3に記載のもの等があるが、それらも裏抜けの問題を有している。
本発明の吸収性物品の製造方法によれば、接着剤の裏抜けによる不都合を防止でき、吸収性物品を安定的且つ効率的に製造可能である。
図1は、本発明の一実施態様の実施に好ましく用いられる接着剤の塗布装置1及びシート状物の接合装置10を示す図である。
図1に示すように、接着剤の塗布装置1は、ホットメルト型の接着剤2の塗布装置であり、公知の圧送装置(不図示)から供給される溶融状態の接着剤2を吐出する吐出口31を備えたノズル3と、該吐出口31の下方に、該吐出口31から離間した外周面41を有する転写ローラー4と、転写ローラー4の下方に配されたローラー5とを備えている。
転写ローラー4は、このようにして、外周面41上に塗布された接着剤2を、その周面に保持したまま回転し、転写ローラー4の下方に位置する転写部Tにおいて、その接着剤2を、シート状物6に対して転写する。なお、本実施態様で用いた転写ローラー4は、平滑で非通気性の外周面41を有する円柱状の金属製ローラーが好ましく、図示しない水平な回転軸を有している。
接着剤に対する非粘着処理は、非粘着処理が施されていない場合に比して、接着剤が付きにくくする処理であり、そのような目的を達成し得る多様な処理を採用することができる。
好ましい非粘着処理としては、金属表面に対する溶射処理(但し、吹き付ける金属にシリコーン等を混ぜて非粘着性を発揮させる)や、シリコーンやテフロン(登録商標)系の処理(より好ましくは金属表面にクロムメッキやニッケルメッキ等のメッキ処理を施した後、メッキに細かい傷(ひび)を生じさせ、その隙間にシリコ−ンやテフロン(登録商標)を流し込む処理)等を挙げることができる。
また、転写ローラー4のロール素材自体にシリコーンゴム等の非粘着性材料を用いることも好ましい。
温度調整可能とするためには、転写ローラー4に、電熱ヒータ等の加熱手段と、熱電対等を用いた温度検知手段とを設け、温度検知手段で検知した温度に基づき、加熱手段の出力を調整する方法等があるが、そのようなものに制限されるものではなく、各種公知の温調方法を採用し得る。
転写ローラー4は、シート状物6の融点を超えない温度及び接着剤の軟化点以上の温度となるように調節することが好ましい。
転写ローラー4は、シート状物6と接していることによって、シート状物のX方向への移動に従動して回転するものであっても良いが、外部駆動されることが、塗布パターンを精度よく転写する観点から好ましい。転写ローラー4やローラー5の外部駆動には、例えばサーボモータ等のモーターが用いられる。
積層部7は、他のシート状物71の搬送方向を、シート状物6に沿う方向に変えて重ね合わせる従動ローラー72を備えており、シート状物6の接着剤2を転写させた側の面上に、他のシート状物71を重ね合わせる。
再加熱シール部8は、その積層体73を、一対の加圧ローラー81,82等の加圧部材により加圧すると共に、その加圧部材81,82の少なくとも一方を加熱し、積層体73中の接着剤2を再加熱する。
このように、接着剤2を再加熱しながら2枚のシート状物6,71を加圧する場合の、接着剤2の加熱温度は、両シート状物6,71の融点以下であることが好ましい。
なお、他のシート状物71と重ね合わせる時点で、接着剤2が、充分な粘着力を発現する適度な温度を維持している場合等には、何れも加熱しないローラー間で加圧するのみで充分な接合強度が得られる。
この理由は、圧縮空気等による空気流が、転写ローラー4の周面に当たり、シート状物6に直接的には当たらないことや、接着剤2の温度が、転写ローラー4によって搬送されている間に低下し、接着剤2が、粘度が低下した状態でシート状物6に転写されるので、その接着剤2がシート状物6にしみ込みにくいことにある。
また、接着剤を転写させるシート状物として、ティッシュペーパーや不織布等を用いた場合、これらが、接着剤を吐出する際の空気流に曝されないことで、搬送安定性が向上したり、パターンの成形性がよくなる。
斯かるシート状物としては、ティッシュペーパー、不織布等が挙げられる。特に不織布やティッシュペーパー等において、坪量を低くしたり、繊維間距離を大きくする場合に有効である。
図3及び図4に示すパターン形状は、何れも、シート状物6上における接着剤2の位置が、該シート状物6の長手方向と交差する方向(Y方向)に移動する部分を含む形状である。
このような吸収性物品は、一般に、液保持性の表面シート、液難透過性(不透過性を含む概念)の裏面シート及びこれら両シート間に配された吸収体を具備する。本発明の接着剤の塗布方法で塗布した接着剤で接合する吸収性物品の構成部材としては、表面シートと吸収体、吸収体と裏面シート、裏面シートとその非肌側面に配する剥離紙や包装シート等が挙げられるが、これに限定されるものではなく、吸収性物品の任意の構成部材どうしの接合に用いることができる。本発明の吸収性物品の製造方法は、本発明の接着剤の塗布方法で塗布した接着剤を介して2つの構成部材以外は、従来の吸収性物品の製造方法と同様である。
例えば、図5に示すように、接着剤2の転写部Tに配して、転写ローラー4との間で接着剤2及びシート状物6を加圧するローラー5や他の部材は、転写ローラー4にシート状物6が巻き掛け気味になるように配することが好ましい。その場合の巻き掛け角度θ(図5参照)は、3〜180度、特に10〜90度であることが好ましい。
また、図5において、ローラー83及びローラー84は、何れか一方が加熱手段を備えるものであっても良いし、何れも加熱手段を有しないローラーであっても良い。また、転写ローラー4に塗布する接着剤2の本数は、図2に示す例では5本であるが、これに代えて、1本でも良いし、2本から4本、6本以上であっても良い。また、一本の転写ローラー4上に、複数の吐出口31から、相互に異なる塗布パターンで接着剤を塗布することもできる。
2 接着剤
3 ノズル
4 転写ローラー
41 外周面
5 加圧ローラー
6 シート状物
7 積層部
8 再加熱シール部
10 接合装置
31 吐出口
32 吹き出し口
41 転写ローラー
71 他のシート状物(他の部材)
72 従動ローラー
73 積層体
81,82 加圧ローラー(加圧部材)
81,82 加圧部材
Claims (7)
- 空気流を用いた非接触式の塗布方法により、ホットメルト型の接着剤を、回転する転写ローラーの周面に、所定のパターン形状を描くように塗布した後、その接着剤を、転写ローラーの周面から搬送中のシート状物に転写する、接着剤の塗布方法。
- 前記パターン形状は、前記接着剤の位置が、前記シート状物の長手方向と交差する方向に移動する部分を含む形状である、請求項1記載の接着剤の塗布方法。
- 前記転写ローラーの周面は、前記接着剤に対する非粘着処理が施されている、請求項1又は2記載の接着剤の塗布方法。
- 前記転写ローラーは温度調整可能である、請求項1〜3の何れか1項記載の接着剤の塗布方法。
- 前記接着剤を前記転写ローラーから前記シート状物に転写する際に、該転写ローラーと他の部材との間で、該接着剤及び該シート状物を加圧する、請求項1〜4の何れか1項記載の接着剤の塗布方法。
- 前記接着剤を転写した後の前記シート状物と他の部材とを重ね合わせた後、前記接着剤を再加熱しながら該シート状物及び該他の部材を加圧する、請求項1〜5の何れか1項記載の接着剤の塗布方法。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載の接着剤の塗布方法により接着剤を、吸収性物品を構成するシート状物に塗工する工程、及び該シート状物を該接着剤を介して他の構成部材と接合する工程を具備する吸収性物品の製造方法。
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