JP2017179195A - 接着シート、接着テープ、繊維基材シート、衣料製品及び接着シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】伸縮性を有する素材同士を接着した場合に高い接着強度が得られ、素材の伸縮時における接着部位の剥がれを低減することができ、かつ良好な肌触りや風合いを得ることができる接着シート、接着テープ、繊維基材シート、衣料製品及び接着シートの製造方法を提供する。【解決手段】接着シート10は、フィルム状に形成された伸縮性を有する第1のホットメルト接着剤の膜11の上に、より流動開始温度の高い伸縮性を有する第2のホットメルト接着剤のドット12が積層されてなり、第1のホットメルト接着剤の膜11の厚みT1が5μmから30μmの範囲内であり、第2のホットメルト接着剤のドット径W1が0.5mmから3mmの範囲内であり、かつ厚みt1が100μmから500μmの範囲内である。【選択図】図1
Description
本発明は、接着シート、接着テープ、繊維基材シート、衣料製品及び接着シートの製造方法に関する。
アンダーシャツ、トランクス、ブラジャー、ガードル等の衣料製品として、その全部又は一部を縫製ではなく接着テープを用いて接合する無縫製衣料がある。無縫製衣料を製造するための接着方法に関して、様々な技術が開発されている。一例として、伸縮弾性及び耐熱性を有する支持体シートの少なくとも片面に、伸縮弾性を有するホットメルト性の接着剤皮膜を設けた接着シートを用いる接着方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この接着シートはそれ自体が伸縮性を有することから、伸縮性を有する繊維素材の接着に用いた場合でも、ある程度の伸縮性を保持することができる。
しかし、この技術において、接着強度を高める目的で接着シートを厚くすると、風合いが硬くなる。また、接着された繊維素材を伸縮させたときに伸長回復歪、いわゆる「ワライ」が発生し、外観が損なわれる。これに対して、接着シートを薄くすると風合いやワライは改善できるが、その代わりに接着強度が低下してしまう。
この問題を解決するために、繊維素材上にホットメルト樹脂のドットを形成させて貼り合わせる方法が提案されている。このようなホットメルト樹脂のドットは、貼り合わせ時に生地同士の間に点接合が形成されることから、伸縮性を有する繊維素材の動きを過度に拘束することがない。このため、伸縮性を有する素材を接着する場合にも、風合いの硬化やワライの発生を軽減するとともに、接着強度を高めることが期待される。
繊維素材上にホットメルト樹脂のドットを形成する方法としては、例えば、スクリーン印刷やグラビアコーティング等で繊維素材上に直接付与形成する方法や、離型フィルムや離型紙等の離型基材上にホットメルト樹脂をドット状に形成させて接着シートを作成し、繊維素材にホットメルト樹脂を転写する方法が考えられる。
しかし、上述の方法を用いた場合には、繊維素材や接着シートからホットメルト樹脂のドットが脱落しやすいという問題がある。特に、接着シートは、繊維素材の形状に合わせてカットする必要があるが、カットする際に、物理的な力によりホットメルト樹脂のドットが繊維素材から脱落するという不具合が発生する。このため、このような接着シートは取り扱い性が難しく、接着性が低下するという問題点があった。
本発明は、上述の事情の下でなされたもので、伸縮性を有する素材同士を接着した場合に高い接着強度が得られ、素材の伸縮時における接着部位の剥がれを低減することができ、かつ良好な肌触りや風合いを得ることができる接着シート、接着テープ、繊維基材シート、衣料製品及び接着シートの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る接着シートは、伸縮性を有する第1のホットメルト接着剤の膜の上に、前記第1のホットメルト接着剤の流動開始温度以上の流動開始温度を有するとともに伸縮性を有する第2のホットメルト接着剤のドットが複数形成されてなる。
前記第1のホットメルト接着剤の膜を支持する基材を有することとしてもよい。
前記第1のホットメルト接着剤の膜の厚みが5μmから30μmの範囲内であり、前記第2のホットメルト接着剤のドットの径が1.0mmから3.0mmの範囲内であり、かつ厚みが100μmから500μmの範囲内であることとしてもよい。
前記第1のホットメルト接着剤の流動開始温度が70℃から120℃の範囲内であることとしてもよい。
前記第1のホットメルト接着剤の100%モジュラスが0.1MPa以上、15MPa以下であることとしてもよい。
前記第2のホットメルト接着剤が熱可塑性エラストマータイプであることとしてもよい。
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係る接着テープは、前記接着シートをスリットして得られる。
上記目的を達成するために、本発明の第3の観点に係る繊維基材シートは、前記接着シートが伸縮性を有する繊維基材の上に熱転写されてなる。
上記目的を達成するために、本発明の第4の観点に係る衣料製品は、前記接着シート、及び/又は前記接着テープ、及び/又は前記繊維基材シートにより一部又は全部が接着されてなる。
上記目的を達成するために、本発明の第5の観点に係る接着シートの製造方法は、
離型基材上に伸縮性を有する第1のホットメルト接着剤を主体とする樹脂溶液を均一に塗布する工程と、
塗布された樹脂溶液を乾燥して前記第1のホットメルト接着剤の膜を形成する工程と、
前記第1のホットメルト接着剤の膜の上に、さらに、伸縮性を有する第2のホットメルト接着剤のドットを形成する工程と、
を有する。
離型基材上に伸縮性を有する第1のホットメルト接着剤を主体とする樹脂溶液を均一に塗布する工程と、
塗布された樹脂溶液を乾燥して前記第1のホットメルト接着剤の膜を形成する工程と、
前記第1のホットメルト接着剤の膜の上に、さらに、伸縮性を有する第2のホットメルト接着剤のドットを形成する工程と、
を有する。
本発明に係る接着シート、接着テープ、繊維基材シート、衣料製品及び接着シートの製造方法は、伸縮性を有する素材同士を接着した場合に高い接着強度が得られ、素材の伸縮時における接着部位の剥がれを低減することができ、かつ良好な肌触りや風合いを得ることができる。
接着シートの製造方法としては、離型性を有する紙又はフィルム等の離型基材上に伸縮性を有する第1のホットメルト接着剤の樹脂溶液をコンマコーター等のコーティング装置により均一な膜厚となるように塗布、乾燥し、第1のホットメルト接着剤を離型基材上にフィルム状に形成させる。次に、フィルム状に形成された第1のホットメルト接着剤の上に、ロータリースクリーンプリント機又はグラビア機により、伸縮性を有する第2のホットメルト接着剤を所定のドット径およびドット間隔にて塗布し、第1のホットメルト接着剤の流動開始温度以上の温度にて乾燥し、第2のホットメルト接着剤のドットを、フィルム状の第1のホットメルト接着剤を固着させる。このようにして、目的とする接着シートが得られる。
本発明の実施の形態に係る接着シート及び接着テープにおける、フィルム状に形成される伸縮性を有する第1のホットメルト接着剤としては、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体の熱可塑性のエラストマー、等が挙げられる。本発明の実施の形態に係る接着シートに必要とされる伸縮性の点からは、ポリウレタン系のホットメルト樹脂が好適である。フィルム形成前の状態としては、溶剤系、水系又は加熱溶融により流動化させる固形状タイプが挙げられるが、特に限定されない。
ポリウレタン樹脂の種類としては、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタンやポリカーボネート系ポリウレタン等がある。いずれの樹脂も本発明に使用できるが、凝集力が高く、また、耐加水分解性や耐光性に優れている点で、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が好ましく用いられる。また、これらのウレタン系ホットメルト接着剤は、ブレンドして用いることも可能である。
また、フィルム状ホットメルト接着剤の破断強度等皮膜物性を向上させる目的で、架橋剤を添加してもよい。架橋剤としては、カルボジイミド系、メラミン系、イソシアネート系、オキサゾリン系、エポキシ系等の樹脂を付与することが好ましい。これにより、剛直で、高強度、高弾性のフィルム状ホットメルト接着剤となる。
また、タックやブロッキングの防止剤として、アクリル系樹脂や、シリコン系樹脂を混合することもできる。さらに、樹脂物性及び接着性に大きく影響しない範囲内で、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、その他の無機微粒子を添加してブロッキングを防止してもよい。
フィルム状ホットメルト接着剤の膜厚は、5μmから30μmの範囲内であることが好ましく、5μmから15μmの範囲内であることがより好ましい。フィルム状ホットメルト接着剤の膜厚が5μmより小さいと、次工程で塗布されるホットメルト樹脂のドット接着剤の支持基材への保持が不十分となる。この結果、接着シートから接着テープを切り出すために物理的なカットやスリット等を行った場合、支持基材上からドットの脱落等を引き起こすおそれがある。一方、フィルム状ホットメルト接着剤の膜厚が30μmより大きいと、フィルム状接着シートと同様に、伸縮性素材の接着後に風合いの硬化やワライが生じるおそれがある。
このように、フィルム状ホットメルト接着剤の好適な膜厚が薄いことから、ホットメルト接着剤の種類によってはフィルム単独での形成が困難な場合がある。このため、製膜するための支持基材を用いることがより好ましい。支持基材としては、離型性を有するフィルム又は離型紙等の離型基材が使用できる。離型性を有するフィルムの材質としては、ホットメルト接着剤が溶融する温度で、形状変化の少ないポリマーが必要である。ホットメルト接着剤の溶融温度にもよるが、ポリプロピレンフィルムやポリエステルフィルムが利用できる。また、離型紙も上記材質のフィルムを紙と溶融ラミネートしたものが利用できる。
目的とする膜厚を均一にかつ容易に形成させる樹脂の形態としては、溶剤系が好ましい。溶剤系の樹脂の場合、製膜時のクリアランスを一定な状態として、含有する溶剤の混合割合を調整することにより、容易に膜厚を調整することができる。また、ピンホール等の欠陥も少なくすることができ、品位の面においても良好なフィルムとなる。水系の場合、水分の割合で膜厚を調整することができるが、気泡等が混入し易く、部分的な皮膜強度の低下が生じるおそれがある。これら溶剤系、水系のポリウレタン樹脂溶液の粘度は、5,000cpsから50,000cpsの範囲内であることが好ましい。粘度が5,000cpsより低いと、製膜時に所定の膜厚に制御することが難しくなる。50,000cpsより高いと、気泡等が混入し易く、部分的な皮膜強度の低下が生じるおそれがある。
加熱溶融系の場合、Tダイ等溶融押し出しによる皮膜形成が可能であるが、30μm以下での膜厚調整は難易度が高い。
本発明におけるフィルム状ホットメルト接着剤の流動開始温度は80℃から150℃の範囲内であることが好ましく、80℃から120℃の範囲内であることがより好ましい。フィルム状ホットメルト接着剤の流動開始温度が80℃より低いと、接着シートのドット形成工程等、加熱を伴う工程でブロッキング等の不具合が生じやすくなる。また、フィルム状ホットメルト接着剤の流動開始温度が150℃より高い場合には、接着工程における加熱温度を高くする必要がある。このため、布帛を構成する繊維が黄変したり、強度低下を招いたり、風合いが硬くなったりするおそれがある。
フィルム状ホットメルトの流動開始温度は、ホットメルト樹脂のドット接着剤の流動開始温度以下である必要がある。フィルム状ホットメルト接着剤の流動開始温度がホットメルト樹脂のドット接着剤の流動開始温度よりも高いと、ホットメルト樹脂のドット接着剤の接着を阻害し、接着強度が大きく低下するおそれがある。
フィルム状ホットメルト接着剤の伸長性は、100%モジュラスとして0.1MPaから15.0MPaの範囲内であることが好ましく、2.0MPaから5.0MPaの範囲内であることがより好ましい。「100%モジュラス」は、次のように定義される。
「モジュラス」とは、試験片に特定の伸びを与えた時の応力であり、以下のようにして測定する。測定する合成樹脂に、コーティング樹脂処方で使用する架橋剤を添加して、そこにコーティング樹脂処方で使用する希釈溶剤を添加して、合成樹脂溶液の粘度が室温で3000〜5000mPa・sになるように希釈する。その合成樹脂溶液を、樹脂皮膜が約0.2mmの厚さになるように型に流し込み、常温で乾燥させ、乾燥後、150℃で3分間熱処理を行い、皮膜を硬化させる。このようにして合成樹脂のシートを作り、JISの引張2号形ダンベル状の型で合成樹脂のシートをダンベル状に打ち抜き、測定試料とする。そして、合成樹脂のシート厚みを測定し、ダンベルの幅が1cmの部分に1cmの標線を引き、測定温度23℃の環境で、引張速度200mm/分で、縦方向に標線の間隔が2cmになるまで引っぱって、100%モジュラスを測定する。
フィルム状ホットメルト接着剤の100%モジュラスが0.1MPaより小さいと、接着シートとした時に皮膜保持性が弱く、ホットメルト接着剤のドットの脱落が生じるおそれがある。一方、フィルム状ホットメルト接着剤の100%モジュラスが15.0MPaより大きいと、生地接着後の風合いが硬くなり、伸縮性や柔軟性も損なわれるおそれがある。
また、破断伸度は300%以上であることが好ましく、400%から600%の範囲内であることがより好ましい。破断伸度が300%より小さいと、生地接着後の伸縮性が悪くなり、ワライが生じるおそれがある。
薄膜を形成する方法としては、例えば、離型性を有するフィルム又は離型紙等の離型基材上に、ホットメルト接着剤の樹脂溶液を所定の膜厚で塗布して、乾燥する方法が挙げられる。所定の膜厚の範囲内であれば、ホットメルト接着剤の樹脂溶液を複数回重ね塗りしてもよい。塗布にはコンマコーター、ナイフコーター及びリバースロールコーター等、公知のコーティング方法を用いることができる。
ドットを形成するための伸縮性を有する第2のホットメルト接着剤としては、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、等を用いることができる。衣料用に用いる場合、第2のホットメルト接着剤としては、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系のホットメルト接着剤が好ましい。伸縮性を有する素材に対しては、第2のホットメルト接着剤としてポリウレタン系のホットメルト接着剤を用いることが、特に好ましい。
ドットを形成するための第2のホットメルト接着剤の形態としては、フィルム状ホットメルト接着剤と同様、溶剤系、水系、加熱溶融タイプ、等が考えられる。ドット付与後のレベリングが少なく、ドット厚みの調整が容易であることから、水系又は加熱溶融タイプがより好ましい。
ドットを形成する手法としては、接着剤の状態が水系(エマルジョン又はホットメルトパウダー分散タイプ、等)であれば、一般的なグラビアロール転写、スクリーンプリント、ロータリープリント、及びディスペンサーを用いることができる。また、加熱溶融タイプでドットを形成させる場合は、加熱溶融装置が付属したディスペンサーによる手法を用いることができる。そのような装置としては、例えばノードソン社製のイー・ドットエレクトリックガンを用いたシステムや武蔵エンジニアリング社製の非接触JETディスペンサーHOTMELT JET(登録商標)等が挙げられる。
ドットを形成するための第2のホットメルト接着剤の100%モジュラスは、0.1MPaから50MPaの範囲内であることが好ましく、2.0MPaから10.0MPaの範囲内であることがより好ましい。ドットを形成するための第2のホットメルト接着剤の100%モジュラスが0.1MPa未満であると、樹脂の凝集力が小さいため、生地接着後に十分な剥離強度を得ることが困難である。一方、100%モジュラスが50MPaより大きいと、剥離強度は向上するが、生地接着後の風合いが硬くなり、伸縮性や柔軟性も損なわれる。
ドットを形成するための第2の接着剤の流動開始温度は80℃から150℃の範囲内であることが好ましく、100℃から120℃の範囲内であることがより好ましい。ホットメルト樹脂のドットの接着剤の流動開始温度が80℃より低いと、接着シートの製造工程中でブロッキング等の不具合が生じやすくなる。一方、150℃より高いと、熱接着時の熱により、布帛を構成する繊維が黄変したり、強度低下を招いたり、風合いが硬くなったりするおそれがある。
また、ドットを形成するための第2のホットメルト接着剤の流動開始温度は、フィルム状ホットメルト接着剤の流動開始温度以上である必要がある。第2のホットメルト接着剤の流動開始温度がフィルム状ホットメルト接着剤の流動開始温度よりも低いと、接着シートの製造工程中でフィルム状に付与されるホットメルト接着剤に接着を阻害され、接着強度が大きく低下するおそれがある。また、その場合には、フィルム状ホットメルト接着剤の溶融温度まで上げるとドット形成用のホットメルト接着剤の流動性が高くなる。その結果、ドット形成用のホットメルト接着剤が接着する素材に浸透してしまい、接着強度が低下するおそれがある。このため、第2のホットメルト接着剤の流動開始温度は、フィルム状ホットメルト接着剤の流動開始温度よりも高い方が好ましい。
ドットの厚み、ドット径(円形状の場合には直径、楕円形状の場合は長径)、ドットのパターン及びドットの密度は、接着する伸縮性素材により適宜調整すればよい。接着後の剥離強度、貼り合わせ素材からの接着剤の染み出しや、風合い、ワライ(回復性)が許容できる範囲内であれば、接着強度が最大化される条件に調整すれば良く、特に限定されるものではない。一般的にはドットが適度の密度間隔であり、一様に配置されていることが好ましい。
ドット形状はダイヤ柄、亀甲柄、円形柄等が使用でき、特に限定されないが、均一性やワライが発生し難い面から円形柄が好適である。ドットが円形柄の場合、ドット径(直径)は、1.0mmから3.0mmの範囲内であることが好ましく、1.5mmから2.0mmの範囲内であることがより好ましい。ドット径が1mmより小さいと、必要とするドット厚みを形成し難くなり、3.0mmより大きいとワライの発生や風合いの硬化に繋がるおそれがある。
ドット間の間隔は0.5mmから2mmの範囲内であることが好ましく、0.5mmから1mmの範囲内であることがより好ましい。ドット間の間隔が0.5mmより狭いと、加熱接着時において、溶融による流動化によりドット同志が密着するおそれがあり、密着するとワライの発生や風合いの硬化に繋がる。ドット間の間隔が2mmより広いと、応力がかかったときに接着部の歪みが大きくなり、剥離が発生するリスクが大きくなる。
フィルム状ホットメルト接着剤上に第2のホットメルト接着剤のドットを積層形成した後、フィルム状ホットメルト接着剤の流動開始温度以上、第2のホットメルト接着剤の流動開始温度未満で加熱することが好ましい。このような処理を行うことにより、第2のホットメルト接着剤のドットがフィルム状ホットメルト接着剤に固着し、脱落しにくくなる。このように作製された接着シートからは第2のホットメルト接着剤のドットの脱落が少ないことから、接着シートをカットして接着シートパーツとして使用したり、スリットすることにより接着テープとして使用したりすることも可能である。
また、接着シートを、伸縮性を有する繊維基材に転写して、繊維基材と複合化させたシートを作製することも可能である。さらに、繊維基材に対して先に離型基材上に形成されたフィルム状ホットメルト接着剤を、フィルム状が維持される温度条件で加熱転写し、繊維基材上にフィルム状ホットメルト接着剤を形成させた後、第2のホットメルト接着剤を塗布して、ドットを固着させた構成でも構わない。このような複合シートを裁断して伸縮性接着パーツとしたり、スリットして伸縮繊維基材との接着複合テープとしたりすることもできる。
本発明の接着シートは、貼り合せる素材の間に挟み込み、フィルム状ホットメルト接着剤の流動開始温度以上の第2のホットメルト接着剤の流動開始温度で加熱することにより、第2のホットメルト接着剤のドットが接着される。その際、フィルム状ホットメルト接着剤は非常に薄い膜であるため、フィルム状態を維持することなく溶融し、貼り合わせる素材に浸透又は貼り合わせた素材間で非常に薄い接着層を形成する。このため、素材の伸縮性を大きく阻害することがない。
本発明の接着シート及び接着シートをカット又はスリットして得られる接着パーツや接着テープは、フィルム状ホットメルト接着剤の表面にホットメルト接着剤のドットが付与、塗布されている。これにより、接着フィルムで伸縮性を有する生地同士を接着させた場合、第2のホットメルト接着剤のドットが生地同士を点接合で一体化させる。さらにフィルム状ホットメルト接着剤は非常に薄い膜であり、接着布の動きを過度に拘束することがないから、接着強度を維持しつつ風合いの悪化やワライを回避することができる。
本実施の形態に係る接着シート、接着テープ、衣料製品、及び接着シートの製造方法について、図面を参照してより具体的に説明する。
図1の模式図に示されるように、第1の実施の形態に係る接着シート10は、フィルム状に形成された伸縮性を有する第1のホットメルト接着剤の膜11の上に、第2のホットメルト接着剤のドット12が形成された構造を有している。第1のホットメルト接着剤の膜11の膜厚T1は、5μmから30μmの範囲内であることが好ましく、5μmから15μmの範囲内であることがより好ましい。
ドット12の厚みt1は、100μmから500μmの範囲内であることが好ましい。ドット12の径w1は、1.0mmから3.0mmの範囲内であることが好ましく、1.5mmから2.0mmの範囲内であることがより好ましい。ドット12間の間隔h1は、0.5mmから2mmの範囲内であることが好ましく、0.5mmから1mmの範囲内であることがより好ましい。
図2の模式図に示されるように、第2の実施の形態に係る接着シート20は、離型性を有する支持基材23の上に、フィルム状の伸縮性を有する第1のホットメルト接着剤の膜21が形成され、さらにその上に第2のホットメルト接着剤のドット22が形成された構造を有している。支持基材23の厚さT3は、通常の支持基材として用いられる離型性を有するフィルムや離型紙等の離型基材の厚さである。第1のホットメルト接着剤の膜21の好ましい膜厚T2は、第1の実施の形態と同様である。ドット22の好ましい厚みt2の範囲、ドット22の好ましい径w2の範囲、ドット22間の好ましい間隔h2の範囲は、第1の実施の形態と同様である。
上記第1の実施の形態に係る接着シート10をスリットすることによって、図3の模式図に示される接着テープ15が得られる。接着テープ15は、第1のホットメルト接着剤の膜11の上に、第2のホットメルト接着剤のドット12が形成された構造を有している。上記第2の実施の形態に係る接着シート20をスリットすることによって、図4の模式図に示される接着テープ25が得られる。接着テープ25は、離型性を有する支持基材23の上に第1のホットメルト接着剤の膜21が形成され、さらにその上に第2のホットメルト接着剤のドット22が形成された構造を有している。
第1の実施の形態に係る接着シート10又は第2の実施の形態に係る接着シート20を用いた接着の方法について、図5を参照して説明する。図5は、伸縮性を有する素材32A、32Bを互いに接着して無縫製衣料とする方法を模式的に示す図である。接着シート10又は接着シート20は、伸縮性を有する素材32A、32Bの形状に合わせて接着シート30のような形状にカットして用いられる。このように、接着シート10及び20は、立体的な形状の伸縮性を有する素材32A、32Bを立体的に接着する場合に特に好ましく用いられる。
第1の実施の形態に係る接着テープ15又は第2の実施の形態に係る接着テープ25を用いた接着の方法について、図6を参照して説明する。図6は、伸縮性を有する素材33A、33Bを互いに接着して無縫製衣料とする方法を模式的に示す図である。図5は、伸縮性を有する素材32A、32Bを互いに接着して無縫製衣料とする方法を模式的に示す図である。接着テープ15又は接着テープ25を、伸縮性を有する素材33A、33Bの接着部分に接着することにより、伸縮性を有する素材33A、33Bを接着することができる。
接着シート及び接着テープの製造方法の具体的な手順を、図7を参照して説明する。まず、伸縮性を有する第1のホットメルト接着剤の樹脂溶液を準備する(ステップS11)。この樹脂溶液を、離型性を有する紙又はフィルム等の離型基材上に均一な膜厚となるように塗布する(ステップS12)。塗布した樹脂溶液を乾燥して、第1のホットメルト接着剤の層を離型基材上にフィルム状に形成する(ステップS13)。次に、第1のホットメルト接着剤の層の上に、ロータリースクリーンプリント機又はグラビア機により、伸縮性を有する第2のホットメルト接着剤のドットを形成する(ステップS14)。このようにして、目的とする接着シートが得られる。この接着シートをスリット加工する(ステップS15)ことにより、目的とする接着テープが得られる。
以下、実施例を挙げて本発明の構成及び効果をさらに詳細に説明する。実施例における各物性は、下記の方法により求めたものである。
(1)樹脂の流動開始温度
ポリウレタン樹脂の皮膜を厚さが0.20mmとなるように作製し、得られた厚さ0.2mmのフィルムの流動開始温度を熱機械分析装置「EXSTER6000 TMA/SS6100」(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を使用して測定した。
ポリウレタン樹脂の皮膜を厚さが0.20mmとなるように作製し、得られた厚さ0.2mmのフィルムの流動開始温度を熱機械分析装置「EXSTER6000 TMA/SS6100」(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を使用して測定した。
(2)フィルム状に形成させたホットメルト接着剤の厚み
フィルム状に形成させたホットメルト接着剤の厚みを、膜厚計(PEACOCK 株式会社尾崎製作所製)を使用して測定した。
フィルム状に形成させたホットメルト接着剤の厚みを、膜厚計(PEACOCK 株式会社尾崎製作所製)を使用して測定した。
(3)接着シートカット後のドットの脱落状態
カッターでドットの中心に刃が通るように30cmの長さでカットし、カット部におけるドットの脱落を目視により確認した。
○:ドットの脱落が認められない
△:ドットの脱落が認められるが、非常に少ない
×:ドットの脱落が認められる
カッターでドットの中心に刃が通るように30cmの長さでカットし、カット部におけるドットの脱落を目視により確認した。
○:ドットの脱落が認められない
△:ドットの脱落が認められるが、非常に少ない
×:ドットの脱落が認められる
(4)剥離強度(180°ピール剥離)
得られた接着シートを2.54cm幅となるようにスリットした接着シートを用いて、各被着布としてナイロンとポリウレタンで構成された伸縮性を有する丸編み交編素材(40G丸編み、混率:ナイロン75%、ポリウレタン25%、コース密度63本/2.54cm、ウェール密度34本/2.54cm、目付160g/m2 )同士をフラットプレス機にて、温度160℃、プレス圧力0.4MPaで60秒間処理して接着した。このようにして作製した接着布試料の剥離強度を測定した(JIS L1086−1983、測定幅2.5cm、引張速度 100mm/分)。
得られた接着シートを2.54cm幅となるようにスリットした接着シートを用いて、各被着布としてナイロンとポリウレタンで構成された伸縮性を有する丸編み交編素材(40G丸編み、混率:ナイロン75%、ポリウレタン25%、コース密度63本/2.54cm、ウェール密度34本/2.54cm、目付160g/m2 )同士をフラットプレス機にて、温度160℃、プレス圧力0.4MPaで60秒間処理して接着した。このようにして作製した接着布試料の剥離強度を測定した(JIS L1086−1983、測定幅2.5cm、引張速度 100mm/分)。
(5)接着編物の伸長回復率
(4)で作製した接着布試料を、タテ15cm×ヨコ2.54cmに3枚カットした。接着布試料の中心位置から上下方向に2.5cmの位置にそれぞれ印をつける。その後、オートグラフAG−IS AGS−J(株式会社島津製作所製)で、つかみ幅100mmで、引張り速度300mm/minの条件で引張り、50%伸長を3回繰り返した後に接着布試料を解放し、印を付けた試料長について測定した。下記式により伸長回復率を算出し、3枚の平均値で評価した。
伸長回復率(%)=100−(50%伸長後試料長−初期試料長)/初期試料長×100)
○:95%以上
△:90%以上95%未満
×:90%未満
(4)で作製した接着布試料を、タテ15cm×ヨコ2.54cmに3枚カットした。接着布試料の中心位置から上下方向に2.5cmの位置にそれぞれ印をつける。その後、オートグラフAG−IS AGS−J(株式会社島津製作所製)で、つかみ幅100mmで、引張り速度300mm/minの条件で引張り、50%伸長を3回繰り返した後に接着布試料を解放し、印を付けた試料長について測定した。下記式により伸長回復率を算出し、3枚の平均値で評価した。
伸長回復率(%)=100−(50%伸長後試料長−初期試料長)/初期試料長×100)
○:95%以上
△:90%以上95%未満
×:90%未満
(6)伸長後の外観(ワライ)
(4)で使用した伸縮性を有する丸編み交編素材を7.5cm幅にカットし、2.5cm幅となるようにスリットした接着シート又は接着シートを素材の幅方向の中心となるようにセットして、(4)と同条件で貼り合わせ処理して、中央に接着部2.5cm幅、両側に未接着部2.5cm幅となる接着布試料を得た。接着布試料を、オートグラフAG−IS AGS−J(株式会社島津製作所製)を用いて、つかみ幅100mm、引張り速度300mm/minの条件で引張り、50%伸長させて、その状態を5分間維持した後、接着布試料を解放し、接着布試料の状態を目視により次の3段階で評価を行った。
○:ワライが認められるが非常に小さい
△:ワライが認められる
×:ワライが大きい
(4)で使用した伸縮性を有する丸編み交編素材を7.5cm幅にカットし、2.5cm幅となるようにスリットした接着シート又は接着シートを素材の幅方向の中心となるようにセットして、(4)と同条件で貼り合わせ処理して、中央に接着部2.5cm幅、両側に未接着部2.5cm幅となる接着布試料を得た。接着布試料を、オートグラフAG−IS AGS−J(株式会社島津製作所製)を用いて、つかみ幅100mm、引張り速度300mm/minの条件で引張り、50%伸長させて、その状態を5分間維持した後、接着布試料を解放し、接着布試料の状態を目視により次の3段階で評価を行った。
○:ワライが認められるが非常に小さい
△:ワライが認められる
×:ワライが大きい
[実施例1]
編物としてポリウレタン糸(20dtex/2f)30重量%とナイロン糸(22dtex/20f)70重量%を交編させたスムース(ナイロンベアスムース)を丸編み機により編み立てし、一般的な加工条件により染色、仕上げ加工を行い接着評価に使用する2ウェイ(2way)のベアスムース編物を作製した。
編物としてポリウレタン糸(20dtex/2f)30重量%とナイロン糸(22dtex/20f)70重量%を交編させたスムース(ナイロンベアスムース)を丸編み機により編み立てし、一般的な加工条件により染色、仕上げ加工を行い接着評価に使用する2ウェイ(2way)のベアスムース編物を作製した。
次に、下記処方1Aのポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を主体とする樹脂溶液(粘度30,000cps)を耐熱離型紙上に乾燥後の厚みが10μmとなるようにコンマコーターによりコーティングし、熱風乾燥機により100℃で1分半間乾燥し、フィルム状ホットメルト膜を作成した。
[処方1A]
セイカボンド HS−510S 100部
(大日精化株式会社製、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂)
CRISVON ASSISTOR NB−60−33 3部
(大日本インキ株式会社製、アクリル系ブロッキング防止剤)
希釈溶剤 [1]酢酸エチル 10部
[2]ジメチルホルムアミド 10部
[処方1A]
セイカボンド HS−510S 100部
(大日精化株式会社製、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂)
CRISVON ASSISTOR NB−60−33 3部
(大日本インキ株式会社製、アクリル系ブロッキング防止剤)
希釈溶剤 [1]酢酸エチル 10部
[2]ジメチルホルムアミド 10部
その後、下記処方2Aのドット形成用水系ポリウレタン樹脂を主体とする樹脂溶液(粘度50,000cps)をフィルム状ホットメルト膜の上に乾燥後の厚みが300μmとなるようにロータリースクリーンプリント機を用いて塗布し、熱風乾燥機により110℃で2分乾燥して、目的とする接着シートを得た。使用したフィルム状ホットメルト樹脂及びホットメルト樹脂のドットの流動開始温度を表1に示す。また、使用したロータリースクリーンプリントのドット形状及び密度は下記の通りである。得られた接着シートは円盤カッターにより、幅25.4mmにスリットして、接着テープを得た。スリット時におけるホットメルト樹脂のドットの脱落は認められなかった。
[処方2A]
ユニバインダー TN−4929 100部
(ユニ化成株式会社製)
エラストロン BN−11 3部
(第一工業製薬株式会社製、ブロックイソシアネート系架橋剤)
[ロータリースクリーンプリントのドットパターン]
ドット形状:円形、ドットの直径:2.5mm、ドットの間隔:0.8mm
[処方2A]
ユニバインダー TN−4929 100部
(ユニ化成株式会社製)
エラストロン BN−11 3部
(第一工業製薬株式会社製、ブロックイソシアネート系架橋剤)
[ロータリースクリーンプリントのドットパターン]
ドット形状:円形、ドットの直径:2.5mm、ドットの間隔:0.8mm
次に、上記で作製した編物と接着テープを120℃、圧力0.3MPaの条件で20秒間加熱圧着して、接着テープからフィルム状ホットメルト接着剤及びホットメルト接着剤のドットを編物に転写した。上記ホットメルトを転写した編物にさらに同一の編物を重ね、150℃、圧力0.4MPaの条件で60秒間加熱圧着して編物同士を接着し、評価用の接着布を得た。得られた接着布の評価結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1で作製した得られた接着テープにおいて、フィルム状ホットメルト膜用のホットメルト樹脂として処方1Bを、ホットメルト樹脂のドット用のホットメルト樹脂を処方2Bとし、フィルム状ホットメルトの厚みを50μmとした以外は同様な条件で接着テープを作製した。スリット時におけるホットメルト樹脂のドットの脱落は認められなかった。さらに得られた接着テープにより実施例1と同様な条件にて評価用の接着布を得た。得られた接着布の評価結果を表1に示す。
[処方1B]
タイフォース AH−500 100部
(DIC株式会社製、ポリエステル系ポリウレタン樹脂)
CRISVON ASSISTOR NB−60−33 3部
(大日本インキ株式会社製、アクリル系ブロッキング防止剤)
希釈溶剤 [1]酢酸エチル 10部
[2]ジメチルホルムアミド 10部
[処方2B]
SEバインダー TF−408U 100部
(株式会社村山化学研究所製)
エラストロン BN−11 3部
(第一工業製薬株式会社製、ブロックイソシアネート系架橋剤)
実施例1で作製した得られた接着テープにおいて、フィルム状ホットメルト膜用のホットメルト樹脂として処方1Bを、ホットメルト樹脂のドット用のホットメルト樹脂を処方2Bとし、フィルム状ホットメルトの厚みを50μmとした以外は同様な条件で接着テープを作製した。スリット時におけるホットメルト樹脂のドットの脱落は認められなかった。さらに得られた接着テープにより実施例1と同様な条件にて評価用の接着布を得た。得られた接着布の評価結果を表1に示す。
[処方1B]
タイフォース AH−500 100部
(DIC株式会社製、ポリエステル系ポリウレタン樹脂)
CRISVON ASSISTOR NB−60−33 3部
(大日本インキ株式会社製、アクリル系ブロッキング防止剤)
希釈溶剤 [1]酢酸エチル 10部
[2]ジメチルホルムアミド 10部
[処方2B]
SEバインダー TF−408U 100部
(株式会社村山化学研究所製)
エラストロン BN−11 3部
(第一工業製薬株式会社製、ブロックイソシアネート系架橋剤)
[比較例1]
フィルム状ホットメルト膜用のホットメルト樹脂として処方1Cのポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を主体とする樹脂溶液を用い、ドット形成用水系ポリウレタン樹脂を主体とする樹脂溶液を下記処方2Cに変更した以外は、実施例1と同様な方法で接着テープを得た。すなわち、この比較例1においては、実施例1と逆に、フィルム状ホットメルト膜用の樹脂の流動開始温度よりも、ホットメルト接着剤ドット用のホットメルト樹脂の流動開始温度の方が低くなっている。実施例1と同様に、スリット時におけるホットメルト樹脂のドットの脱落は認められなかった。さらに、得られた接着テープにより実施例1と同様な条件にて評価用の接着布を得た。得られた接着布の評価結果を表1に示す。
[処方1C]
セイカボンド HS−530S 100部
(大日精化株式会社製、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂)
CRISVON ASSISTOR NB−60−33 3部
(大日本インキ株式会社製、アクリル系ブロッキング防止剤)
希釈溶剤 [1]酢酸エチル 10部
[2]ジメチルホルムアミド 10部
[処方2C]
ユニバインダー TN−929 100部
(ユニ化成株式会社製)
エラストロン BN−11 3部
(第一工業製薬株式会社製、ブロックイソシアネート系架橋剤)
フィルム状ホットメルト膜用のホットメルト樹脂として処方1Cのポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を主体とする樹脂溶液を用い、ドット形成用水系ポリウレタン樹脂を主体とする樹脂溶液を下記処方2Cに変更した以外は、実施例1と同様な方法で接着テープを得た。すなわち、この比較例1においては、実施例1と逆に、フィルム状ホットメルト膜用の樹脂の流動開始温度よりも、ホットメルト接着剤ドット用のホットメルト樹脂の流動開始温度の方が低くなっている。実施例1と同様に、スリット時におけるホットメルト樹脂のドットの脱落は認められなかった。さらに、得られた接着テープにより実施例1と同様な条件にて評価用の接着布を得た。得られた接着布の評価結果を表1に示す。
[処方1C]
セイカボンド HS−530S 100部
(大日精化株式会社製、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂)
CRISVON ASSISTOR NB−60−33 3部
(大日本インキ株式会社製、アクリル系ブロッキング防止剤)
希釈溶剤 [1]酢酸エチル 10部
[2]ジメチルホルムアミド 10部
[処方2C]
ユニバインダー TN−929 100部
(ユニ化成株式会社製)
エラストロン BN−11 3部
(第一工業製薬株式会社製、ブロックイソシアネート系架橋剤)
[比較例2]
フィルム状ホットメルト膜を作製せずに、処方2Aのドット形成用水系ポリウレタン樹脂を主体とする樹脂溶液を離型紙上にドット状に付与し、離型紙上にホットメルト接着剤のドットが塗布された接着シートを得た。さらに得られた接着シートを、2.54cm幅でスリットした。スリット時においてホットメルト接着剤のドットの脱落が多く認められた。さらにスリットした離型紙テープを用いてホットメルト接着剤のドットを実施例1で作製した編物に実施例1と同様な条件にて転写し、さらに編物を貼り合わせて評価用の接着布を得た。得られた接着布の評価結果を表1に示す。
フィルム状ホットメルト膜を作製せずに、処方2Aのドット形成用水系ポリウレタン樹脂を主体とする樹脂溶液を離型紙上にドット状に付与し、離型紙上にホットメルト接着剤のドットが塗布された接着シートを得た。さらに得られた接着シートを、2.54cm幅でスリットした。スリット時においてホットメルト接着剤のドットの脱落が多く認められた。さらにスリットした離型紙テープを用いてホットメルト接着剤のドットを実施例1で作製した編物に実施例1と同様な条件にて転写し、さらに編物を貼り合わせて評価用の接着布を得た。得られた接着布の評価結果を表1に示す。
[比較例3]
ドット形成用水系ポリウレタン樹脂を塗布しない以外は、実施例1と同様な条件にてフィルム状ポリウレタン接着シートを得た。得られたフィルム状ポリウレタン接着シートを2.54cm幅でスリットし、実施例1で作製した編物に実施例1と同様な条件にて転写し、さらに編物を貼り合わせて評価用の接着布を得た。得られた接着布の評価結果を表1に示す。
ドット形成用水系ポリウレタン樹脂を塗布しない以外は、実施例1と同様な条件にてフィルム状ポリウレタン接着シートを得た。得られたフィルム状ポリウレタン接着シートを2.54cm幅でスリットし、実施例1で作製した編物に実施例1と同様な条件にて転写し、さらに編物を貼り合わせて評価用の接着布を得た。得られた接着布の評価結果を表1に示す。
[比較例4]
ポリウレタン接着シートとして大倉工業株式会社製シルクロンSHM−120、厚み100μmを2.54cm幅でスリットして、実施例1で作製した編物に実施例1と同様な条件にて転写し、さらに編物を貼り合わせて評価用の接着布を得た。得られた接着布の評価結果を表1に示す。
ポリウレタン接着シートとして大倉工業株式会社製シルクロンSHM−120、厚み100μmを2.54cm幅でスリットして、実施例1で作製した編物に実施例1と同様な条件にて転写し、さらに編物を貼り合わせて評価用の接着布を得た。得られた接着布の評価結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1及び2に係る接着テープは、スリット後のドットの脱落が殆どなく、剥離強度が大きく、繰り返し伸長後の伸長回復率に優れ、伸長後の外観が良好でワライが非常に少ない。
これに対して、比較例1の接着テープは、繰り返し伸長後の伸長回復率、伸長後のワライの状態は良好であるが、剥離強度が小さいものとなっている。また、比較例2は繰り返し伸長後の伸長回復率、伸長後のワライの状態、剥離強度は良好であるが、製造時にドット接着剤の脱落が発生し、生産性の悪いものであった。
比較例3はドットのないテープ状のもので繰り返し伸長後の伸長回復率、伸長後のワライの状態は良好であるが、剥離強度が小さいものとなっている。さらに、比較例4もドットのないテープ状もので厚みを厚くしたものであり、剥離強度は良好であるが、繰り返し伸長後の伸長回復率に劣り、伸長後にワライが生じるものであった。
本発明に係る接着シート、接着テープ、及び繊維基材シートは、伸縮性を有する素材同士を接着した場合に高い接着強度が得られ、素材の伸縮時における接着部位の剥がれを低減することができ、かつ良好な肌触りや風合いを得ることができる。このようにして製造された衣料製品は、伸縮時における接着部位の剥がれを低減することができ、かつ良好な肌触りや風合いを得ることができる。本発明に係る接着シートの製造方法は、無縫製衣料を製造するための接着に有効に応用できる接着シートを容易に製造することができる。
10、20 接着シート
11、21 フィルム状ホットメルト接着剤の膜
12、22 ホットメルト接着剤のドット
15、25 接着テープ
23 基材
30 カットした接着シート
31A、31B、33A、33B 伸縮性を有する素材
32 カットした接着テープ
11、21 フィルム状ホットメルト接着剤の膜
12、22 ホットメルト接着剤のドット
15、25 接着テープ
23 基材
30 カットした接着シート
31A、31B、33A、33B 伸縮性を有する素材
32 カットした接着テープ
Claims (10)
- 伸縮性を有する第1のホットメルト接着剤の膜の上に、前記第1のホットメルト接着剤の流動開始温度以上の流動開始温度を有するとともに伸縮性を有する第2のホットメルト接着剤のドットが複数形成されてなる接着シート。
- 前記第1のホットメルト接着剤の膜を支持する基材を有する請求項1に記載の接着シート。
- 前記第1のホットメルト接着剤の膜の厚みが5μmから30μmの範囲内であり、前記第2のホットメルト接着剤のドットの径が1.0mmから3.0mmの範囲内であり、かつ厚みが100μmから500μmの範囲内である請求項1又は2に記載の接着シート。
- 前記第1のホットメルト接着剤の流動開始温度が70℃から120℃の範囲内である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の接着シート。
- 前記第1のホットメルト接着剤の100%モジュラスが0.1MPa以上、15MPa以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の接着シート。
- 前記第2のホットメルト接着剤が熱可塑性エラストマータイプである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の接着シート。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の接着シートをスリットして得られる接着テープ。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の接着シートが伸縮性を有する繊維基材の上に熱転写されてなる繊維基材シート。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の接着シート、及び/又は請求項7に記載の接着テープ、及び/又は請求項8に記載の繊維基材シートにより一部又は全部が接着されてなる衣料製品。
- 離型基材上に伸縮性を有する第1のホットメルト接着剤を主体とする樹脂溶液を均一に塗布する工程と、
塗布された樹脂溶液を乾燥して前記第1のホットメルト接着剤の膜を形成する工程と、
前記第1のホットメルト接着剤の膜の上に、さらに伸縮性を有する第2のホットメルト接着剤のドットを形成する工程と、
を有する接着シートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016070688A JP2017179195A (ja) | 2016-03-31 | 2016-03-31 | 接着シート、接着テープ、繊維基材シート、衣料製品及び接着シートの製造方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110470089A (zh) * | 2018-05-09 | 2019-11-19 | 日立环球生活方案株式会社 | 冰箱 |
JP2020015820A (ja) * | 2018-07-25 | 2020-01-30 | 東亞合成株式会社 | ホットメルト型接着シート |
JP2021500489A (ja) * | 2017-10-27 | 2021-01-07 | カール・フロイデンベルク・カーゲーCarl Freudenberg KG | 熱固定可能な面状形成物 |
KR102378791B1 (ko) * | 2021-07-12 | 2022-03-30 | 유한회사 을하 | 의류용 심실링 테이프, 그 제조방법 및 이를 이용한 의류 |
-
2016
- 2016-03-31 JP JP2016070688A patent/JP2017179195A/ja active Pending
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