JP2012525370A - インフルエンザに対して防御するためのアジュバント添加ワクチン - Google Patents

インフルエンザに対して防御するためのアジュバント添加ワクチン Download PDF

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Abstract

H1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素を含むワクチンは、水中油型乳剤アジュバントでアジュバント添加される。ワクチンは、「ブタインフルエンザ」と呼ばれるウイルスに対して患者を免疫するのに適切である。ワクチンは一価であってもよい。ワクチンは、2つの異なるH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素であって、(i)第1のH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素が配列番号3に対してより、配列番号1に対してより密接に関係し、および(ii)第2のH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素が配列番号1に対してより、配列番号3に対してより密接に関係している、血球凝集素を含んでもよい。一価ワクチンは、三価A/H1N1−A/H3N2−B季節性インフルエンザワクチンと併用して投与されてもよい。

Description

本発明は、インフルエンザウイルス感染から、特に、2009年4月に出現したブタインフルエンザ株(複数可)などの株から防御するためのアジュバント添加ワクチン(adjuvanted vaccine)の分野にある。
2009年4月、ブタインフルエンザのヒトでの発生が、メキシコおよび米国を含む多くの国において確認され、その後、世界中にわたって急速に広まった。2009年6月に、WHOによりパンデミックが宣言された。その疾患は、新しく同定されたブタインフルエンザウイルスA/California/04/2009 A(H1N1)によって引き起こされた。このブタインフルエンザ株は、現行のヒト季節性ワクチンにおけるA(H1N1)抗原を含む現行のヒトインフルエンザワクチン株と免疫学的交差反応性をもたないようである。そのウイルスは、「ブタインフルエンザ」、「新型ブタ起源H1N1インフルエンザ」、「ヒト−ブタインフルエンザ」、「新型インフルエンザA(H1N1)」、および「インフルエンザA(H1N1)v」と様々、呼ばれている。
このブタインフルエンザおよびそれの変種のさらなるヒトからヒトへの伝染を防ぐためのワクチンの必要性がある。
本発明の第1態様によれば、H1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素を含むワクチンが水中油型乳剤アジュバントでアジュバント添加される。血球凝集素は、レシピエントにおいて免疫応答を誘発し、アジュバントはこの応答のヘテロ変種(heterovariant)適用範囲を広げる。特にH1抗原は、それだけではブタインフルエンザに対して防御しない可能性があるが、アジュバントは、たとえワクチンの血球凝集素がブタインフルエンザ血球凝集素と低い免疫学的交差反応性しか示さないとしても免疫応答を増強することができ、それにより防御が達成される。さらに、ワクチンが、ブタインフルエンザ血球凝集素と免疫学的に交差反応性である血球凝集素を含む場合には、同種株に対して、および自然に生じ得るドリフト株などのその変種にも対して防御を提供することができる。
したがって、本発明は、(i)H1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素および(ii)水中油型乳剤アジュバントを含むワクチンを患者に投与する工程を含む、ブタインスルエンザに対して患者(典型的にはヒト)を免疫するための方法を提供する。いくつかの実施形態において、H1血球凝集素は、配列番号3に対してより、配列番号1に対してより密接に関係している;他の実施形態において、それは、配列番号1に対してより、配列番号3に対してより密接に関係している。
本発明は、(i)配列番号3に対してより、配列番号1に対してより密接に関係しているH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素、および(ii)水中油型乳剤アジュバントを含む免疫原性組成物を提供する。この組成物は、一価ワクチン(すなわち、それは、単一のインフルエンザウイルス株由来の血球凝集素抗原を含む)であってもよいが、いくつかの実施形態において、それは、多価ワクチン、例えば、H3N2インフルエンザAウイルス血球凝集素およびインフルエンザBウイルス血球凝集素もまた含む三価ワクチンであってもよい。
本発明の第2の態様によれば、本発明は、2つの異なるH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素を含む免疫原性組成物であって、(i)第1のH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素が配列番号3に対してより、配列番号1に対してより密接に関係し、そして(ii)第2のH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素が配列番号1に対してより、配列番号3に対してより密接に関係し、ならびに組成物が免疫学的アジュバントとして水中油型乳剤アジュバントを含む、免疫原性組成物を提供する。このアジュバント添加H1血球凝集素の混合物は、現在利用可能なものよりH1インフルエンザAウイルス株に対してより広域スペクトルの防御を与える。この組成物はまた、(iii)H3N2および/または(iv)インフルエンザBウイルス抗原を含んでもよい。いくつかの実施形態において、組成物は、(iii)H3N2、(iv)B/Victoria/2/87様インフルエンザBウイルス株、および(v)B/Yamagata/16/88様インフルエンザBウイルス株を含む。
本発明の第3の態様によれば、H1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素を含む一価ワクチンが、三価A/H1N1−A/H3N2−B季節性インフルエンザワクチンと併用して投与され、ワクチン(複数可)の両方が水中油型乳剤でアジュバント添加されている。一価ワクチンは、配列番号3に対してより、配列番号1に対してより密接に関係しているH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素を含む;三価ワクチンは、配列番号1に対してより、配列番号3に対してより密接に関係しているH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素を含む。一価ワクチンは、三価ワクチンの前に、三価ワクチンの後に、または、三価ワクチンと同時に、投与されてもよい。2つのワクチンが別々に投与される場合、投与と投与の間に2〜26週間、あってもよい。1つの有用な実施形態において、患者はまず、三価季節性ワクチン(アジュバント添加、FLUAD(商標)製品など)を受け、後で一価ワクチン(アジュバント添加)を受ける。本明細書に示されているように、アジュバント添加三価季節性ワクチンの予備投与は、配列番号3に対してより、配列番号1に対してより密接に関係した血球凝集素を含む一価H1N1ワクチンの有効性を向上させることができる。
関連した実施形態において、H1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素を含む一価ワクチンは、4価A/H1N1−A/H3N2−B−B季節性インフルエンザワクチンと併用して投与され、その2つのB株がB/Victoria/2/87様株およびB/Yamagata/16/88様株であり、ワクチンの両方が水中油型乳剤でアジュバント添加されている。一価ワクチンは、配列番号3に対してより、配列番号1に対してより密接に関係しているH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素を含む;4価ワクチンは、配列番号1に対してより、配列番号3に対してより密接に関係しているH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素を含む。一価ワクチンは、三価ワクチンの前に、三価ワクチンの後に、または、三価ワクチンと同時に、投与されてもよい。2つのワクチンが別々に投与される場合、投与と投与の間に2〜26週間、あってもよい。1つの有用な実施形態において、患者はまず、一価ワクチンを受け、後で4価ワクチンを受ける。
本発明の第4の態様によれば、H1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素を含む一価ワクチンは、2回用量投与計画(two−dose regimen)によって投与され、一価ワクチンのどちらの投与も、水中油型乳剤でアジュバント添加されている。一価ワクチンは、配列番号3に対してより、配列番号1に対してより密接に関係しているH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素を含む。2つの用量(two doses)は、1〜6週間離して、例えば、1週間離して、2週間離して、3週間離して、4週間離して、5週間離して、6週間離して、投与される。いくつかの実施形態において、H1血球凝集素は、両方の一価ワクチンにおいて同一である;他の実施形態において、2つの一価ワクチンにおけるH1血球凝集素は、異なるアミノ酸配列を有し、例えば、それらはお互いに最高20アミノ酸まで、異なり得る(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、または20個のアミノ酸置換)。
抗原成分
本発明は、ワクチン抗原としてインフルエンザAウイルス血球凝集素を用いる。その抗原は、典型的には、インフルエンザビリオンから調製されるが、代替法として、血球凝集素は組換え宿主において(例えば、バキュロウイルスベクターを用いる昆虫細胞系において)発現し、精製された形態で[1、2、3]、またはウイルス様粒子(VLP;例えば、参考文献4および5参照)の形態で用いることができる。しかしながら、一般的に、抗原はビリオン由来である。
様々な形態のインフルエンザウイルスワクチンが現在、利用可能である(例えば、参考文献6の17章および18章参照)。公知のワクチンは、一般的に、生ウイルスかまたは不活性化ウイルスかのいずれかに基づいている。本発明のワクチンにおける抗原は、不活性化ウイルスの形態をとる。不活性化ワクチンは、ビリオン全体、「スプリット」ビリオンに基づいてもよいし、または精製された表面抗原に基づいてもよい。ウイルスを不活性化するための化学的手段には、有効量の以下の作用物質の1つ以上での処理が挙げられる:界面活性剤、ホルムアルデヒド、ホルマリン、β−プロピオラクトン、またはUV光。不活性化のための追加の化学的手段には、メチレンブルー、ソラレン、カルボキシフラーレン(C60)、またはそれらのいずれかの組み合わせでの処理が挙げられる。ウイルス不活性化の他の方法は、当技術分野において知られており、例えば、バイナリーエチルアミン(binary ethylamine)、アセチルエチレンイミン、またはγ照射などである。
ワクチンは、ビリオン全体、スプリットビリオン、または(血球凝集素を含み、通常、ノイラミニダーゼも含む)精製された表面抗原を含み得る。スプリットビリオンおよび精製された表面抗原(すなわち、不完全ビリオンワクチン)が特に本発明に有用である。
ビリオンは、様々な方法によってウイルス含有流体から回収することができる。例えば、精製プロセスは、ビリオンを破壊するための界面活性剤を含む線形ショ糖勾配溶液を用いるゾーン遠心分離を含んでもよい。その後、抗原を、必要に応じた希釈後、ダイアフィルトレーションによって精製してもよい。
スプリットビリオンは、「Tween−エーテル」スプリット化プロセスを含め、ビリオンを界面活性剤(例えば、エチルエーテル、ポリソルベート80、デオキシコレート、トリ−N−ブチルホスフェート、Triton X−100、Triton N101、臭化セチルトリメチルアンモニウム、Tergitol NP9など)で処理して、不完全ビリオン調製物を生成することによって得られる。インフルエンザウイルスをスプリット化する方法は、当技術分野においてよく知られており、例えば、参考文献7〜12などを参照されたい。ウイルスのスプリット化は、典型的には、破壊濃度のスプリット化剤で、感染性であろうが非感染性であろうが、ウイルス全体を破壊し、または断片化することによって行われる。破壊は結果として、ウイルスタンパク質の完全な、または部分的な可溶化を生じ、ウイルスの完全性を変化させる。好ましいスプリット化剤は、非イオン性およびイオン性(例えば、陽イオン性)表面活性剤、例えば、アルキルグリコシド、アルキルチオグリコシド、アシル糖、スルホベタイン、ベタイン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、N,N−ジアルキル−グルカミド、Hecameg、アルキルフェノキシ−ポリエトキシエタノール、第四アンモニウム化合物、サルコシル、CTAB(臭化セチルトリメチルアンモニウム)、トリ−N−ブチルホスフェート、Cetavlon、ミリスチルトリメチルアンモニウム塩、リポフェクチン、リポフェクタミン、およびDOT−MA、オクチルフェノキシポリオキシエタノールまたはノニルフェノキシポリオキシエタノール(例えば、Triton X−100またはTriton N101などのTriton表面活性剤)、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(Tween表面活性剤)、ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンエステルなどである。1つの有用なスプリット化手順は、デオキシコール酸ナトリウムおよびホルムアルデヒドの連続した効果を用い、スプリット化は、初期のビリオン精製の間(例えば、ショ糖密度勾配溶液において)に起こり得る。したがって、スプリット化プロセスは、(非ビリオン材料を除去するための)ビリオン含有材料の清澄、(例えば、CaHPO吸着などの吸着方法を用いる)回収されたビリオンの濃縮、非ビリオン材料からのビリオン全体の分離、(例えば、デオキシコール酸ナトリウムなどのスプリット化剤を含むショ糖勾配を用いる)密度勾配遠心分離工程におけるスプリット化剤を用いるビリオンのスプリット化、およびその後の、望ましくない材料を除去するための濾過(例えば、限外濾過)を含むことができる。スプリットビリオンは、有用には、リン酸ナトリウム緩衝等張塩化ナトリウム溶液に再懸濁することができる。BEGRIVAC(商標)、FLUARIX(商標)、FLUZONE(商標)、およびFLUSHIELD(商標)製品はスプリットワクチンである。
精製された表面抗原ワクチンは、インフルエンザ表面抗原血球凝集素、および典型的には、ノイラミニダーゼも含む。精製された形態でこれらのタンパク質を調製するためのプロセスは当技術分野においてよく知られている。FLUVIRIN(商標)、AGRIPPAL(商標)、およびINFLUVAC(商標)製品はサブユニットワクチンである。
インフルエンザ抗原はまた、INFLEXAL V(商標)およびINVAVAC(商標)製品においてのように、ビロソーム[13](核酸を含まないウイルス様リポソーム粒子)の形態で提供することができるが、本発明に関してはビロソームを用いないことが好ましい。したがって、いくつかの実施形態において、インフルエンザ抗原はビロソームの形態をとらない。
ワクチンにおける血球凝集素抗原は、任意の適切な株由来であってよい。いくつかの実施形態において、血球凝集素は、アジュバント無添加の形態でヒト被験体に投与される場合、A/California/04/2009血球凝集素(配列番号1;GI:227809830)と交差反応しない抗血球凝集素抗体を誘発する血球凝集素である;これらの実施形態において、ワクチンのアジュバントは、ヒト被験体がA/California/04/2009血球凝集素と交差反応する抗体を産生するように免疫応答を増強させる。他の実施形態において、血球凝集素は、アジュバント無添加の形態でヒト被験体に投与される場合、A/California/04/2009血球凝集素(配列番号1)と交差反応する抗血球凝集素抗体を誘発することができる血球凝集素である;これらの実施形態において、ワクチンのアジュバントは、ヒト被験体が、A/California/04/2009のドリフト株に対して防御するのに役立つことができる、より広域スペクトルの抗体を産生するように、免疫応答を増強する。他の実施形態において、血球凝集素はA/California/04/2009(配列番号1)由来である。他の実施形態において、血球凝集素は、配列番号2に対して少なくともi%配列同一性を有するHA1アミノ酸配列を含み、iは85以上、例えば、85、88、90、92、94、95、96、97、98、99、または99超(例えば、100)である。多くのそのような配列は、例えば、以下の公知の株のいずれかから入手できる:
Figure 2012525370
さらに、適切なHA抗原を有するH1N1株には、A/California/04/2009自体、A/California/7/2009、A/Texas/5/2009、A/England/195/2009、およびA/New York/18/2009が挙げられる。
好ましい実施形態は、上記で論じられているように、配列番号2に対して少なくともi%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む血球凝集素など、アジュバント無添加の形態でヒト被験体に投与される場合、A/California/04/2009血球凝集素(配列番号1)と交差反応する抗血球凝集素抗体を誘発することができる血球凝集素を含む。
いくつかの実施形態において、血球凝集素は、配列番号3(A/Chile/1/1983)に対してより、配列番号1(A/California/04/2009)に対してより密接に関係している;他の実施形態において、血球凝集素は、配列番号1に対してより、配列番号3に対してより密接に関係している。配列番号3に対してより、配列番号1に対してより密接に関係している(すなわち、同じアルゴリズムおよびパラメータを用いて比較した場合、配列番号3よりは配列番号1と、より高い程度の配列同一性を有する)血球凝集素を、以下、「H1」血球凝集素と呼ぶ。配列番号1と配列番号3は80.4%同一である。
本発明に用いるための有用な完全長H1血球凝集素配列として、配列番号1および配列番号6、加えて、上記で論じられているような配列番号2に対して少なくともi%配列同一性を有し、または配列番号7に対して少なくともi%配列同一性を有するアミノ酸配列を含むものが挙げられる。理想的には、血球凝集素は、HA1/HA2切断部位の周辺に高塩基性領域を含まない。好ましい血球凝集素は、Sia(α2,3)Gal末端二糖を有するオリゴ糖と比較して、Sia(α2,6)Gal末端二糖を有するオリゴ糖への結合を優先する(下記参照)。
(配列番号7を含む)配列番号6は、有用なH1血球凝集素である。それは配列番号1と残基214、226、および240において異なる(すなわち、99.47%同一性)。
H1血球凝集素(H1血球凝集素など)および水中油型乳剤アジュバントを含むことに加えて、本発明の組成物は、インフルエンザAウイルスおよび/またはインフルエンザBウイルスを含む1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える)の追加のインフルエンザウイルス株由来の抗原(複数可)を含んでもよい。したがって、組成物は、通常の季節性ワクチンに特有な1つ以上の株由来の抗原、および水中油型乳剤アジュバント、加えて少なくとも1つのH1血球凝集素、例えば、2つのH1株(1つがH1血球凝集素、1つがH1血球凝集素ではない)、H3N2株、および1つのインフルエンザB株を含む4価ワクチン、または2つのH1株(1つがH1血球凝集素、1つがH1血球凝集素ではない)、H3N2株、および2つのインフルエンザBウイルス株(B/Victoria/2/87様株およびB/Yamagata/16/88様株)を含む5価ワクチンを含んでもよい。本発明はまた、H1血球凝集素およびH5血球凝集素および水中油型乳剤アジュバントを含む2価ワクチンを提供する。ワクチンが1つより多いインフルエンザ株を含む場合、異なる株は、典型的には、別々に増殖し、ウイルスが回収され、抗原が調製された後で混合される。したがって、本発明のプロセスは、1つより多いインフルエンザ株由来の抗原を混合する工程を含んでもよい。
本発明のワクチンが2つのインフルエンザB株を含む場合、1つのB/Victoria/2/87様株および1つのB/Yamagata/16/88様株が含まれる。これらの株は、通常、抗原性で識別されるが、アミノ酸配列の違いもまた、2つの系列を識別するために記載されており、例えば、B/Yamagata/16/88様株は、(常にではないが)しばしば、「Lee40」HA配列に対して番号付けされたアミノ酸残基164において欠失をもつHAタンパク質を有する[14]。2つ以上のインフルエンザBウイルス株由来の抗原が存在する場合の本発明のいくつかの実施形態において、インフルエンザBウイルス株のうちの少なくとも2つは、別個の血球凝集素を有し得るが、関連したノイラミニダーゼを有し得る。例えば、それらは両方とも、B/Victoria/2/87様ノイラミニダーゼを有してもよいし[15]、または両方ともB/Yamagata/16/88様ノイラミニダーゼを有してもよい。例えば、2つのB/Victoria/2/87様ノイラミニダーゼは両方とも、以下の配列特性のうちの1つ以上を有してもよい:(1)残基27はセリンではなく、好ましくはロイシン;(2)残基44はグルタメートではなく、好ましくはリシン;(3)残基46はスレオニンではなく、好ましくはイソロイシン;(4)残基51はプロリンではなく、好ましくはセリン;(5)残基65はアルギニンではなく、好ましくはヒスチジン;(6)残基70はグリシンではなく、好ましくはグルタメート;(7)残基73はロイシンではなく、好ましくはフェニルアラニン;および/または(8)残基88はプロリンではなく、好ましくはグルタミン。同様に、いくつかの実施形態において、ノイラミニダーゼは、残基43において欠失をもってもよく、またはスレオニンを有してもよい;NA遺伝子におけるトリヌクレオチド欠失から生じる残基43における欠失は、B/Victoria/2/87様株の特性として報告されているが、最近の株はThr−43を回復している[15]。逆に、もちろん、反対の特性が、2つのB/Yamagata/16/88様ノイラミニダーゼ、例えば、S27、E44、T46、P51、R65、G70、L73、および/またはP88によって共有されてもよい。これらのアミノ酸は、「Lee40」ノイラミニダーゼ配列[16]に対して番号付けられている。
血球凝集素タンパク質が精製されるインフルエンザウイルスは、抗ウイルス治療に抵抗性(例えば、オセルタミビル[17]および/またはザナミビルに抵抗性)であってもよい。
いくつかの実施形態において、本発明に用いられる株は、したがって、Sia(α2,3)Gal末端二糖を有するオリゴ糖と比較してSia(α2,6)Gal末端二糖を有するオリゴ糖への結合が優先する血球凝集素を有する。ヒトインフルエンザウイルスは、Sia(α2,6)Gal末端二糖(シアル酸がガラクトースにα−2,6結合している)を有する受容体オリゴ糖に結合するが、卵およびベロ細胞は、Sia(α2,3)Gal末端二糖を有する受容体オリゴ糖を有する。MDCKなどの細胞におけるヒトインフルエンザウイルスの増殖は、卵での継代とは違って、本来のSia(α2,6)Gal結合を維持するように血球凝集素へ淘汰圧を与える。ウイルスが、Sia(α2,3)Gal末端二糖を有するオリゴ糖と比較してSia(α2,6)Gal末端二糖を有するオリゴ糖への結合を優先するかどうかを決定するために、様々なアッセイを用いることができる。例えば、参考文献18は、親和定数の高感度かつ定量的測定を与えるインフルエンザウイルス受容体結合活性についての固相酵素結合型アッセイを記載する。参考文献19は、2つの異なるシアリル糖タンパク質(Sia(α2,3)Gal決定基を有するオボムコイド、およびSia(α2,6)Gal決定基を有するブタα−マクログロブリン)へのウイルスの結合が評価される固相アッセイを用いており、ウイルスの結合が2つの受容体類似体:遊離シアル酸(Neu5Ac)および3’−シアリルラクトース(Neu5Acα2−3Galβ1−4Glc)に対して評価されたアッセイも記載している。参考文献20は、α2,3結合またはα2,6結合についての受容体優先性を明らかに区別することができたグリカンアレイを用いるアッセイを報告している。参考文献21は、Sia(α2,6)GalかまたはSia(α2,3)Galのいずれかを含むように酵素的に改変されたヒト赤血球の凝集に基づいたアッセイを報告している。アッセイの型に応じて、それはウイルス自体に関して直接、行ってもよいし、またはウイルスから精製された血球凝集素に関して間接的に行うことができる。
いくつかの実施形態において、H1血球凝集素は、卵由来のウイルスに見られるパターンとは異なるグリコシル化パターンを有する。したがって、HA(および他の糖タンパク質)は、ニワトリの卵には見られないグリコフォームを含んでもよい。有用なHAにはイヌのグリコフォームが挙げられる。
血球凝集素抗原を含むことに加えて、本発明のワクチンは、典型的には、ノイラミニダーゼタンパク質も含み、例えば、ワクチンはウイルスのノイラミニダーゼを含む。本発明は、インフルエンザAウイルスNA亜型N1、N2、N3、N4、N5、N6、N7、N8、またはN9の1つ以上に対して防御し得るが、通常にはN1(例えば、H1N1ウイルス)またはN2(例えば、H1N2ウイルス)に対してである。ビリオン全体、スプリットビリオン、およびサブユニットワクチンの全ては、血球凝集素およびノイラミニダーゼの両方を含む。ワクチンがノイラミニダーゼ抗原を含む場合、ノイラミニダーゼは、配列番号4に対して少なくともj%配列同一性を有し得、jは75以上、例えば、75、80、85、88、90、92、94、95、96、97、98、99、または99超(例えば、100)である。多くのそのような配列は利用可能である。いくつかの実施形態において、ノイラミニダーゼは、配列番号5に対してより、配列番号4に対してより密接に関係している。配列番号4と配列番号5は82%同一である。
ワクチンはまた、M1および/もしくはM2(またはその断片)ならびに/または核タンパク質などのマトリックスタンパク質を含んでもよい。ブタのモデルは、不活性化H1N1ブタインフルエンザウイルスワクチン(水中油型乳剤でアジュバント添加されている)へのM2の添加がワクチンの有効性を増強し得ることを示している[22]。
インフルエンザウイルスは、再集合体株であってもよく、逆遺伝学技術によって獲得されていてもよい。逆遺伝学技術[例えば、23〜27]により、所望のゲノムセグメントを有するインフルエンザウイルスを、インビトロでプラスミドを用いて、またはプラスミドを含まない系によって調製することが可能になる。典型的には、その技術は、(a)例えば、polIプロモーターから、所望のウイルスRNA分子をコードするDNA分子を、および(b)例えば、polIIプロモーターから、ウイルスタンパク質をコードするDNA分子を、両方の型のDNAの細胞における発現が完全な無傷の感染性ビリオンの構築をもたらすように、発現させることを含む。DNAは、好ましくは、ウイルスRNAおよびタンパク質の全部を供給するが、RNAおよびタンパク質の一部を供給するためにヘルパーウイルスを用いることも可能である。各ウイルスRNAを産生するために別々のプラスミドを用いるプラスミドに基づいた方法が好ましく[28〜30]、これらの方法はまた、ウイルスタンパク質の全部または一部(例えば、PB1、PB2、PA、およびNPタンパク質だけ)を発現するためにプラスミドの使用を含み、いくつかの方法においては最高12個までのプラスミドが用いられる。イヌの細胞を用いる場合には、イヌのpolIプロモーターを用いてもよい[31]。
必要とされるプラスミドの数を低減するために、1つのアプローチ[32]は、同じプラスミド上の(ウイルスRNA合成のための)複数のRNAポリメラーゼI転写カセット(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、または全ての8つのインフルエンザA vRNAセグメントをコードする配列)、および別のプラスミド上のRNAポリメラーゼIIプロモーターと共の複数のタンパク質コード領域(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、または全ての8つのインフルエンザA mRNA転写産物をコードする配列)を組み合わせている。方法は、(a)単一のプラスミド上のPB1、PB2、およびPAのmRNAコード領域、ならびに(b)単一のプラスミド上の全ての8つのvRNAコードセグメントを含んでもよい。1つのプラスミド上のNAおよびHAセグメント、ならびに別のプラスミド上の6つの他のセグメントを含むこともまた、事態(matter)を促進させることができる。
ウイルスRNAセグメントをコードするためにpolIプロモーターを用いることの代わりとして、バクテリオファージポリメラーゼプロモーターを用いることは可能である[33]。例えば、SP6、T3、またはT7ポリメラーゼについてのプロモーターは便利に用いることができる。polIプロモーターの種特異性のために、バクテリオファージポリメラーゼプロモーターは、多くの細胞型(例えば、MDCK)についてより好都合であり得るが、細胞はまた、外因性ポリメラーゼ酵素をコードするプラスミドでトランスフェクションされなければならない。
他の技術において、単一の鋳型からウイルスRNAおよび発現可能なmRNAを同時にコードするために二重のpolIプロモーターおよびpolIIプロモーターを用いることが可能である[34、35]。
本発明に用いられるインフルエンザAウイルスは、特にウイルスが卵中で増殖する場合、A/PR/8/34ウイルス由来の1つ以上のRNAセグメント(典型的には、A/PR/8/34由来の6つのセグメントで、HAおよびNセグメントはワクチン株由来である、すなわち、6:2再集合体)を含んでもよい。それはまた、A/WSN/33ウイルス由来、またはワクチン調製のために再集合体ウイルスを作製するのに有用な任意の他のウイルス株由来の1つ以上のRNAセグメントを含んでもよい。典型的には、本発明は、ヒトからヒトへの伝染の能力がある株から防御し、それゆえに、株のゲノムは、通常、哺乳類(例えば、ヒト)のインフルエンザウイルスを起源とする少なくとも1つのRNAセグメントを含む。
抗原の供給源として用いられるウイルスは、卵または細胞培養物のどちらでも増殖することができる。インフルエンザウイルス増殖のための現在の標準方法は、特定病原体未感染(SPF)胚形成の雌鳥卵を用い、ウイルスはその卵内容物(尿膜腔液)から精製される。しかしながら、最近になって、ウイルスを動物細胞培養物中で増殖させており、速さと患者アレルギーの理由により、この増殖方法が好ましい。卵に基づいたウイルス増殖を用いる場合には、1つ以上のアミノ酸をウイルスと共に卵の尿膜腔液へ導入してもよい[12]。
細胞培養物が用いられる場合、ウイルス増殖培養基(substrate)は、典型的には、哺乳類起源の細胞系である。適切な哺乳類細胞の起源として、ハムスター、ウシ、(ヒトおよびサルを含む)霊長類、およびイヌの細胞が挙げられるが、それらに限定されない。例えば、腎臓細胞、線維芽細胞、網膜細胞、肺細胞などの様々な細胞型を用いることができる。適切なハムスター細胞の例は、BHK21またはHKCCという名前をもつ細胞系である。適切なサル細胞は、例えば、ベロ細胞系においてのような腎臓細胞などのアフリカミドリザル細胞である。適切なイヌ細胞は、例えば、MDCK細胞系においてのような腎臓細胞である。このように、適切な細胞系には、MDCK、CHO、293T、BHK、ベロ、MRC−5、PER.C6、WI−38などが挙げられるが、それらに限定されない。インフルエンザウイルスを増殖させるための好ましい哺乳類細胞系には、メイディン・ダービー・イヌ腎臓由来のMDCK細胞[36〜39]、アフリカミドリザル(Cercopithecus aethiops)腎臓由来のベロ細胞[40〜42]、またはヒト胚性網膜芽細胞由来のPER.C6細胞[43]が挙げられる。これらの細胞系は、例えば、American Type Cell Culture(ATCC)コレクションから、Coriell Cell Repositoriesから、またはEuropean Collection of Cell Cultures(ECACC)から広く入手可能である。例えば、ATCCは、カタログ番号CCL−81、CCL−81.2、CRL−1586、およびCRL−1587の様々な異なるベロ細胞を供給し、カタログ番号CCL−34のMDCK細胞を供給する。PER.C6は、寄託番号96022940によりECACCから入手可能である。哺乳類細胞系の代わりとしてあまり好ましくないが、ウイルスは、トリ細胞系において増殖させることができ[参考文献44〜46]、それにはアヒル(例えば、アヒル網膜)または雌鳥由来の細胞系が挙げられる。トリ細胞系の例として、トリ胚性幹細胞[44、47]およびアヒル網膜細胞[45]が挙げられる。適切なトリ胚性幹細胞には、ニワトリ胚性幹細胞、EB45、EB14、およびEB14−074由来のEBx細胞系が挙げられる[48]。ニワトリ胚性線維芽細胞(CEF)もまた用いてもよい。
インフルエンザウイルスを増殖させるための最も好ましい細胞系は、MDCK細胞系である。もともとのMDCK細胞系は、ATCCからCCL−34として入手可能であるが、この細胞系の誘導体もまた用いてもよい。例えば、参考文献36は、懸濁培養物での増殖に適応したMDCK細胞系(「MDCK 33016」、DSM ACC 2219として寄託されている)を開示している。同様に、参考文献49は、無血清培養において懸濁液で増殖するMDCK由来細胞系(「B−702」、FERM BP−7449として寄託されている)を開示している。参考文献50は、「MDCK−S」(ATCC PTA−6500)、「MDCK−SF101」(ATCC PTA−6501)、「MDCK−SF102」(ATCC PTA−6502)、および「MDCK−SF103」(PTA−6503)を含む非腫瘍原性MDCK細胞を開示している。参考文献51は、「MDCK.5F1」細胞(ATCC CRL−12042)を含む、感染に対して高感受性のMDCK細胞系を開示している。これらのMDCK細胞系のいずれでも用いることができる。
ウイルスを哺乳類細胞系で増殖させた場合、組成物は、有利には、卵タンパク質(例えば、オボアルブミンおよびオボムコイド)およびニワトリDNAを含まず、それによりアレルゲン性を低下させる。
ウイルスを細胞系で増殖させた場合、増殖のための培養物および培養を開始するために用いられるウイルス接種物は、好ましくは、単純ヘルペスウイルス、呼吸器系合胞体ウイルス、パラインフルエンザウイルス3、SARSコロナウイルス、アデノウイルス、ライノウイルス、レオウイルス、ポリオーマウイルス、ビルナウイルス、サーコウイルス、および/またはパルボウイルスを含まない(すなわち、それらについて試験されて、それらによる汚染について陰性結果が示されている)[52]。単純ヘルペスウイルスの非存在は特に好ましい。
MDCK細胞などの細胞系における増殖について、ウイルスを、懸濁液中の細胞[36、53、54]、または付着培養物の細胞で増殖させてもよい。懸濁培養のための1つの適切なMDCK細胞系は、MDCK 33016(DSM ACC2219として寄託されている)である。代わりとして、マイクロキャリア培養を用いることができる。
インフルエンザウイルス複製を支持する細胞系は、好ましくは、無血清培地および/またはタンパク質を含まない培地中で増殖する。本発明との関連において、ヒトまたは動物起源の血清由来の添加物が存在しない培地が無血清培地と呼ばれる。タンパク質を含まないとは、細胞の増殖が、タンパク質、増殖因子、他のタンパク質添加物、および非血清タンパク質を排除して起こる培養を意味すると理解されるが、ウイルス増殖に必要である可能性があるトリプシンまたは他のプロテアーゼなどのタンパク質を必要に応じて含むことができる。そのような培養で増殖する細胞は、当然、それら自体のタンパク質を含む。
インフルエンザウイルス複製を支持する細胞系は、好ましくは、ウイルス複製中、37℃未満、例えば、30〜36℃、31〜35℃、または33±1℃で増殖する[55]。
培養細胞中でウイルスを繁殖させるための方法は、一般的に、培養すべき株を培養細胞に接種する工程、感染した細胞を、例えば、ウイルス力価または抗原発現によって決定される場合などのウイルス繁殖にとって望ましい期間(例えば、接種後24時間から168時間の間)、培養する工程、および繁殖したウイルスを収集する工程を含む。培養細胞に、1:500〜1:1、好ましくは1:100〜1:5、より好ましくは1:50〜1:10の細胞比で(PFUまたはTCID50によって測定される)ウイルスを接種する。ウイルスは細胞の懸濁液に加えられ、または細胞の単層にアプライされ、ウイルスは、細胞に少なくとも60分間、しかし通常には、300分間未満、好ましくは90分間から240分間の間、25℃〜40℃、好ましくは28℃〜37℃で吸収される(absorbed)。感染した細胞培養物(例えば、単層)を、回収された培養上清のウイルス含有量を増加させるために、凍結融解によるか、または酵素作用によるかのいずれかで取り出すことができる。回収された流体は、その後、不活性化されるか、または凍結保存されるかのいずれかである。培養細胞を、約0.0001〜10、好ましくは0.002〜5、より好ましくは0.001〜2までの感染多重度(「m.o.i.」)で感染させ得る。さらにより好ましくは、細胞を、約0.01のm.o.iで感染させる。感染細胞は、感染から30〜60時間後に回収することができる。好ましくは、細胞を、感染させてから34〜48時間後に回収する。さらにより好ましくは、細胞を感染させてから38〜40時間後に回収する。プロテアーゼ(典型的にはトリプシン)は一般的に、ウイルス放出を可能にするために細胞培養中に加えられ、プロテアーゼは培養中の任意の適切な段階で加えることができる。
血球凝集素(HA)は、不活化インフルエンザワクチンにおける主要な免疫原であり、ワクチン用量は、典型的には一元放射免疫拡散(SRID)アッセイによって測定される場合の、HAレベルを参照することによって、標準化される。現在のワクチンは、典型的には、1株あたり約15μgのHAを含むが、より低い用量もまた、例えば、子ども用に、または緊急事態において、用いられる。1/2(すなわち、FOCETRIA(商標)においてのように、1株あたり7.5μgのHA)、1/4(すなわち、PREPANDRIX(商標)においてのように、1株あたり3.75μg)、および1/8などの分割用量は、より高い用量(例えば、3×または9×用量[58、59])を有する場合に用いられている[56、57]。したがって、ワクチンは、1インフルエンザ株あたり0.1〜150μgのHA、好ましくは0.1μgから50μgの間、例えば、0.1〜20μg、0.1〜15μg、0.1〜10μg、0.1〜7.5μg、0.5〜5μg、3.75〜15μgなどを含み得る。具体的な用量には、例えば、1株あたり約45μg、約30μg、約15μg、約10μg、約7.5μg、約5μg、約3.8μg、約3.75μg、約1.9μg、約1.5μgなどが挙げられる。1株あたりの等しいHA総量(HA mass)が典型的である。より低い用量(すなわち、<15μg/用量)が、本発明でのようにワクチン中にアジュバントが存在する場合、最も有用である。高くも90μgほどの用量がいくつかの研究に用いられているが(例えば、参考文献60)、本発明の組成物は、通常、15μg/用量/株またはそれ未満を含む。
本発明で用いられるHAは、ウイルス内に見出されるような天然HAであってもよいし、改変されていてもよい。
本発明の組成物は、特にスプリットワクチンまたは表面抗原ワクチンについて、界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンエステル表面活性剤(「Tween」として知られている、例えば、ポリソルベート80)、オクトキシノール(オクトキシノール−9(Triton X−100)もしくはオクトキシノール−10、またはt−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)、臭化セチルトリメチルアンモニウム(「CTAB」)、またはデオキシコール酸ナトリウムを含んでもよい。界面活性剤は、痕跡量でのみ、存在する場合がある。したがって、ワクチンは、1mg/ml未満のオクトキシノール−10、コハク酸水素α−トコフェリル、およびポリソルベート80のそれぞれを含んでもよい。痕跡量の他の残留成分は抗生物質(例えば、ネオマイシン、カナマイシン、ポリミキシンB)であり得る。
宿主細胞DNA
ウイルスが細胞系で増殖していた場合、DNAのいかなる腫瘍形成活性も最小限にするために、最終ワクチンにおいて残留細胞系DNAの量を最小限にすることは標準的な慣例である。したがって、組成物は、好ましくは、1用量あたり10ng未満(好ましくは、1ng未満、より好ましくは100pg未満)の残留宿主細胞DNAを含むが、痕跡量の宿主細胞DNAが存在する場合がある。一般的に、本発明の組成物から排除されることが望ましい宿主細胞DNAは、100bpより長いDNAである。
残留宿主細胞DNAの測定は、現在、生物製剤についての日常的規制要件であり、当業者の標準能力でできる範囲内である。DNAを測定するために用いられるアッセイは、典型的には、確証されたアッセイである[61、62]。確証されたアッセイの性能特性は、数学的かつ数量化可能な用語で記載することができ、それの起こり得る誤差の原因が同定されていることになる。アッセイは、一般的に、正確度、精度、特異性などの特性について試験されている。いったんアッセイが(例えば、既知の標準量の宿主細胞DNAに対して)較正され、試験されたならば、定量的DNA測定は日常的に実施することができる。DNA定量化についての以下の3つの原理技術を用いることができる:サザンブロットまたはスロットブロットなどのハイブリダイゼーション方法[63];Threshold(商標)システムなどのイムノアッセイ方法[64];および定量的PCR[65]。これらの方法は全て、当業者によく知られているが、各方法の正確な特性、例えば、ハイブリダイゼーションのためのプローブの選択、増幅のためのプライマーおよび/またはプローブの選択などは、問題の宿主細胞に依存し得る。Molecular Devices製のThreshold(商標)システムは、ピコグラムレベルの全DNAについての定量的アッセイであり、生物医薬品中の汚染DNAのレベルをモニターするのに用いられている[64]。典型的なアッセイは、ビオチン化ssDNA結合タンパク質である、ウレアーゼ連結抗ssDNA抗体とDNAとの間の反応複合体の非配列特異的形成を含む。全てのアッセイ成分は、製造業者から入手できる完全な全DNAアッセイキット中に含まれている。様々な商業的製造業者が、残留宿主細胞DNAを検出するための定量的PCRアッセイを提供しており、例えば、AppTec(商標)Laboratory Services、BioReliance(商標)、Althea Technologiesなどがある。ヒトウイルスワクチンの宿主細胞DNA汚染を測定するための化学発光ハイブリダイゼーションアッセイと全DNAThreshold(商標)システムとの比較は参考文献66に見出すことができる。
汚染DNAは、標準精製手順、例えば、クロマトグラフィーなどを用いてワクチン調製中に除去することができる。残留宿主細胞DNAの除去は、ヌクレアーゼ処理により、例えば、DNアーゼを用いることによって、強化することができる。宿主細胞DNA汚染を低減するための便利な方法は、参考文献67および68に開示されており、それには、最初に、ウイルス増殖中に用いることができるDNアーゼ(例えば、Benzonase)を用い、その後ビリオン破壊中に用いることができる陽イオン性界面活性剤(例えば、CTAB)を用いる、2工程処理が含まれる。β−プロピオラクトンなどのアルキル化剤での処理もまた、宿主細胞DNAを除去するのに用いることができ、有利には、ビリオンを不活性化するためにも用いることができ[69]、同時に、ホルムアルデヒドの使用を回避することができる。
15μgの血球凝集素あたり<10ng(例えば、<1ng、<100pg)の宿主細胞DNAを含むワクチンが好ましく、0.25ml容量あたり<10ng(例えば、<1ng、<100pg)の宿主細胞DNAを含むワクチンも同様である。50μgの血球凝集素あたり<10ng(例えば、<1ng、<100pg)の宿主細胞DNAを含むワクチンはより好ましく、0.5ml容量あたり<10ng(例えば、<1ng、<100pg)の宿主細胞DNAを含むワクチンも同様である。
水中油型乳剤アジュバント
本発明の組成物は、組成物を受ける患者において誘発される免疫応答(体液性および/または細胞性)を増強するように機能することができる水中油型乳剤アジュバントを含む。Novartis Vaccines製のFLUAD(商標)製品は、水中油型乳剤を含む。
様々の適切な乳剤が知られており、それらは典型的には、少なくとも1つの油および少なくとも1つの表面活性剤を含み、その油(複数可)および表面活性剤(複数可)は生分解性(代謝可能)および生体適合性である。乳剤における油滴は、一般的に、直径が5μm未満であり、有利には、乳剤は、サブミクロンの直径をもつ油滴を含み、これらの小さいサイズは、マイクロ流体化装置で達成され、安定な乳剤を提供する。220nm未満のサイズをもつ液滴は、濾過滅菌に供することができるため、好ましい。
本発明は、動物源(魚など)または植物源由来の油などの油と共に用いることができる。植物油についての源として、堅果、種子、および穀物が挙げられる。最も一般的に入手可能な、ピーナッツ油、大豆油、ココナッツ油、およびオリーブ油が堅果油を例示している。ホホバ油を用いることができ、例えば、ホホバ豆から得ることができる。種子油には、サフラワー油、綿実油、ヒマワリ種子油、ゴマ種子油などが挙げられる。穀物群において、コーン油が最も容易に入手できるが、例えば、コムギ、オートムギ、ライムギ、コメ、テフ、ライコムギ(triticale)などの他の穀物の油もまた用いてもよい。グリセロールおよび1,2−プロパンジオールの6〜10炭素脂肪酸エステルは、種子油中に天然では存在しないが、堅果油および種子油から出発する適当な材料の加水分解、分離、およびエステル化によって調製してもよい。哺乳類の乳由来の脂肪および油は代謝可能であり、したがって、本発明の実施に用いてもよい。動物源から純粋な油を得るのに必要な分離、精製、鹸化、および他の手段についての手順は当技術分野において周知である。たいていの魚は、容易に回収することができる代謝可能油を含む。例えば、タラ肝油、サメ肝油、鯨蝋などの鯨油は、本明細書で用いることができる魚油のいくつかを例示している。いくつかの分岐鎖油は、5炭素イソプレン単位で生化学的に合成され、一般的にテルペノイドと呼ばれている。サメ肝油は、スクワレンとして知られた分岐不飽和テルペノイドである、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチル−2,6,10,14,18,22−テトラコサヘキサエンを含む。他の好ましい油は、トロコフェロールである(下記参照)。スクワレンを含む水中油型乳剤が特に好ましい。油の混合物を用いることができる。
表面活性剤は、それらの「HLB」(親水性/親油性バランス)によって分類することができる。本発明の好ましい表面活性剤は、少なくとも10、好ましくは少なくとも15、より好ましくは少なくとも16のHLBを有する。本発明は、以下を含む表面活性剤と共に用いることができるが、それらに限定されない:ポリオキシエチレンソルビタンエステル表面活性剤(一般的には、Tweenと呼ばれる)、特にポリソルベート20およびポリソルベート80;DOWFAX(商標)という商品名で販売されている、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、および/またはブチレンオキシド(BO)のコポリマー、例えば、線状EO/POブロックコポリマー;エトキシ(オキシ−1,2−エタンジイル)基を繰り返す数が変化し得るオクトキシノールで、オクトキシノール−9(Triton X−100またはt−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)が特に関心対象である;(オクチルフェノキシ)ポリエトキシエタノール(IGEPAL CA−630/NP−40);ホスファチジルコリン(レシチン)などのリン脂質;ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、およびオレイルアルコール由来のポリオキシエチレン脂肪エーテル(Brij表面活性剤として知られている)、例えば、トリエチレングリコールモノラウリルエーテル(Brij 30):ならびにソルビタンエステル(一般的にはSPANとして知られている)、例えば、トリオレイン酸ソルビタン(Span 85)およびモノラウリン酸ソルビタン。乳剤に含ませるのに好ましい表面活性剤はTween 80(モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)、Span 85(トリオレイン酸ソルビタン)、レシチン、およびTriton X−100である。上記で述べられているように、Tween 80などの界面活性剤は、下記の例に見られる熱安定性に寄与し得る。
表面活性剤の混合物を用いることができ、例えば、Tween 80/Span 85混合物がある。モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(Tween 80)などのポリオキシエチレンソルビタンエステルとt−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(Triton X−100)などのオクトキシノールの組み合わせもまた適している。もう一つの有用な組み合わせは、ラウレス9とポリオキシエチレンソルビタンエステルおよび/またはオクトキシノールを含む。
表面活性剤の好ましい量(重量%)は以下の通りである:ポリオキシエチレンソルビタンエステル(Tween 80など)0.01〜1%、特に約0.1%;オクチルフェノキシポリオキシエタノールまたはノニルフェノキシポリオキシエタノール(Triton X−100、またはTritonシリーズの他の界面活性剤など)0.001〜0.1%、特に0.005〜0.02%;ポリオキシエチレンエーテル(ラウレス9など)0.1〜20%、好ましくは0.1〜10%、特に0.1〜1%または約0.5%。
本発明に関して有用な特定の水中油型乳剤アジュバントには以下が挙げられるが、それらに限定されない:
・スクワレン、Tween 80、およびSpan 85のサブミクロン乳剤。乳剤の容量組成は、約5%のスクワレン、約0.5%のポリソルベート80、および約0.5%のSpan 85であり得る。重量に置き換えると、これらの比は、4.3%のスクワレン、0.5%のポリソルベート80、および0.48%のSpan 85になる。このアジュバントは、参考文献73の10章および参考文献74の12章においてより詳細に記載されているように、「MF59」として知られている[70〜72]。MF59乳剤は、有利には、クエン酸イオン、例えば、10mMのクエン酸ナトリウム緩衝液を含む。
・スクワレン、α−トコフェロール、およびポリソルベート80を含む乳剤。これらの乳剤は、2%から10%までのスクワレン、2%から10%までのトコフェロール、および0.3%から3%までのTween 80を有し得、スクワレン:トコフェロールの重量比は、好ましくは、≦1(例えば、0.90)であり、これがより安定な乳剤を与えるからである。スクワレンおよびTween 80は、約5:2の容量比、または約11:5の重量比で存在してもよい。1つのそのような乳剤は、PBS中にTween 80を溶解して2%溶液を生じ、その後、90mlのこの溶液を(5gのDL−α−トコフェロールおよび5mlのスクワレン)の混合物と混合し、その後、その混合物をマイクロ流体化する(microfluidising)ことによって作製することができる。生じた乳剤は、サブミクロンの油滴、例えば、100nmから250nmの間、好ましくは約180nmの平均直径をもつ、油滴を有し得る。
・スクワレン、トコフェロール、およびTriton界面活性剤(例えば、TritonX−100)の乳剤。その乳剤は、3d−MPLも含んでもよい(下記参照)。その乳剤はリン酸緩衝液を含んでもよい。
・ポリソルベート(例えば、ポリソルベート80)、Triton界面活性剤(例えば、Triton X−100)、およびトコフェロール(例えば、コハク酸α−トコフェロール)を含む乳剤。その乳剤は、これらの3つの成分を約75:11:10の質量比(例えば、750μg/mlのポリソルベート80、110μg/mlのTriton X−100、および100μg/mlのコハク酸α−トコフェロール)で含み得、これらの濃度は、抗原由来のこれらの成分のいかなる寄与分も含むべきである。その乳剤はまたスクワレンも含んでもよい。その乳剤は、3d−MPLも含んでもよい(下記参照)。その水性相はリン酸緩衝液を含んでもよい。
・スクワレン、ポリソルベート80、およびポロキサマー401(「Pluronic(商標)L121」)の乳剤。その乳剤は、リン酸緩衝食塩水、pH7.4中に製剤化することができる。この乳剤は、ムラミルジペプチドについての有用な送達ビヒクルであり、「SAF−1」アジュバント[75](0.05〜1%のThr−MDP、5%のスクワレン、2.5%のPluronic L121、および0.2%のポリソルベート80)においてスレオニル−MDPと共に用いられている。それはまた、「AF」アジュバント[76](5%のスクワレン、1.25%のPluronic L121、および0.2%のポリソルベート80)においてのように、Thr−MDPなしに用いることもできる。マイクロ流体化が好ましい。
・スクワレン、水性溶媒、ポリオキシエチレンアルキルエーテル親水性非イオン性表面活性剤(例えば、ポリオキシエチレン(12)セトステアリルエーテル)、および疎水性非イオン性表面活性剤(例えば、モノオレイン酸(monoleate)ソルビタンまたは「Span 80」などのソルビタンエステルまたはマンニドエステル)を含む乳剤。その乳剤は、好ましくは、熱可逆性であり、および/または200nm未満のサイズをもつ少なくとも90容量%の油滴を有する[77]。その乳剤はまた、アルジトール(例えば、マンニトール)、凍結保護剤(例えば、ドデシルマルトシドおよび/またはショ糖などの糖)、および/またはアルキルポリグリコシドのうちの1つ以上を含んでもよい。そのような乳剤は、凍結乾燥されてもよい。その乳剤は、330:63:49:61の質量比でのスクワレン:ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル:オレイン酸ソルビタン:マンニトールを含んでもよい。
・0.5〜50%の油、0.1〜10%のリン脂質、および0.05〜5%の非イオン性表面活性剤を有する乳剤。参考文献78に記載されているように、好ましいリン脂質成分は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、スフィンゴミエリン、およびカルジオリピンである。サブミクロンの液滴サイズが有利である。
・非代謝型油(例えば、軽鉱油(light mineral oil))および少なくとも1つの表面活性剤(例えば、レシチン、Tween 80、またはSpan 80)のサブミクロン水中油型乳剤。QuilAサポニン、コレステロール、(グルクロン酸のカルボキシル基を介する脂肪族アミンのデスアシルサポニンへの付加により生じる、参考文献79に記載されたGPI−0100などの)サポニン親油性コンジュゲート、臭化ジメチルジオクタデシルアンモニウム、および/またはN,N−ジオクタデシル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)プロパンジアミンなどの添加物が含まれてもよい。
・鉱油、非イオン性親油性エトキシ化脂肪アルコール、および非イオン性親水性表面活性剤(例えば、エトキシ化脂肪アルコールおよび/またはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー)を含む乳剤[80]。
・鉱油、非イオン性親水性エトキシ化脂肪アルコール、および非イオン性親油性表面活性剤(例えば、エトキシ化脂肪アルコールおよび/またはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー)を含む乳剤[80]。
・サポニン(例えば、QuilAまたはQS21)およびステロール(例えば、コレステロール)がヘリカルミセルとして会合している乳剤[81]。
組成物における抗原およびアジュバントは、典型的には、患者への送達の時点で混合物となっている。乳剤は、製造中、または送達時点に即席で、抗原と混合されてもよい。したがって、アジュバントおよび抗原は、使用時点で最終調合する準備が整った状態の、パッケージングされたワクチンまたは分割されたワクチン(distributed vaccine)中で別々に保管されてもよい。抗原は、一般的に、水性の形態であり、そのため、ワクチンは、最終的に、2つの液体を混合することによって調製される。混合するための2つの液体の容量比は変わり得るが(例えば、5:1から1:5の間)、一般的に約1:1である。
抗原およびアジュバントが混合された後、血球凝集素抗原は、一般的には、水溶液中に留まるが、油/水の界面の周囲に分布し得る。一般的に、血球凝集素はほとんど乳剤の油相に入らない。
組成物がトコフェロールを含む場合、α、β、γ、δ、ε、またはζトコフェロールのいずれも用いることができるが、α−トコフェロールが好ましい。トコフェロールは、いくつかの形態、例えば、異なる塩および/または異性体の形態をとることができる。塩には、コハク酸塩、酢酸塩、ニコチン酸塩などの有機塩が挙げられる。D−α−トコフェロールおよびDL−α−トコフェロールはどちらも用いることができる。トコフェロールは、有利には、高齢患者(例えば、60歳以上)に使用するためのワクチンに含まれるが、ビタミンEがこの患者群において免疫応答へプラス効果を有することが報告されているからである[82]。それらはまた、乳剤を安定化させるのに役立ち得る抗酸化剤の性質も有する[83]。好ましいα−トコフェロールは、DL−α−トコフェロールであり、このトコフェロールの好ましい塩は、コハク酸塩である。コハク酸塩は、インビボでTNF関連リガンドと協力することが見出されている。さらに、コハク酸α−トコフェロールは、インフルエンザワクチンと適合性があること、および水銀化合物の代替物として有用な保存剤であることが知られている。
上記で述べられているように、スクワレンを含む水中油型乳剤は特に好ましい。いくつかの実施形態において、ワクチン用量中のスクワレン濃度は、5〜15mgの範囲(すなわち、0.5ml投与容量と仮定すれば、10〜30mg/mlの濃度)であり得る。しかし、スクワレンの濃度を低下させること、例えば、用量あたり<5mg、またはさらに用量あたり<1.1mgを含むことは可能である[84、85]。例えば、ヒト用量は、用量あたり9.75mgのスクワレンを含んでもよく(FLUAD(商標)製品においての場合、0.5ml投与容量中、9.75mgのスクワレン、1.175mgのポリソルベート80、1.175mgのトリオレイン酸ソルビタン)、またはその分割量、例えば、3/4、2/3、1/2、1/3、1/4、1/5、1/6、1/7、1/8、1/9、または1/10を含んでもよい。例えば、組成物は、用量あたり7.31mgのスクワレン(および、それと共に、各0.88mgのポリソルベート80およびトリオレイン酸ソルビタン)、4.875mgスクワレン/用量(および、それと共に、各0.588mgのポリソルベート80およびトリオレイン酸ソルビタン)、3.25mgスクワレン/用量、2.438mg/用量、1.95mg/用量、0.975mg/用量などを含んでもよい。FLUAD(商標)−強化MF59のこれらの分割希釈物を本発明に用いることができる。
上記で述べられているように、抗原/乳剤の混合は、送達時点で即席に行ってもよい。したがって、本発明は、いつでも混合できる状態になっている抗原成分およびアジュバント成分を含むキットを提供する。キットは、アジュバントおよび抗原を使用時点まで別々に保管されるようになっている。成分は、キット内で物理的にお互いから離れており、この分離は様々な方法で達成することができる。例えば、2つの成分は、バイアルなどの2つの別々の容器内であってもよい。その後、2つのバイアルの内容物は、例えば、一方のバイアルの内容物を別々に取り出して、それらを他方のバイアルへ加えることによって、または両方のバイアルの内容物を取り出して、それらを第3の容器内で混合することによって、混合することができる。好ましい配置(arrangement)において、キット成分の一方は、シリンジ内にあり、他方がバイアルなどの容器内にある。シリンジは、混合のためにその内容物を第2の容器へ挿入するために用いることができ(例えば、針で)、その後、混合物は、シリンジへ吸引することができる。その後、シリンジの混合された内容物は、患者へ、典型的には、新しい滅菌針を通して、投与することができる。シリンジ内に1つの成分を詰めることは、患者投与用の別個のシリンジを用いる必要性をなくす。別の好ましい配置において、2つのキット成分は、一緒に保持されるが、同じシリンジ内で別々に、例えば、参考文献86〜93などに開示されたものなどの二重チャンバー型シリンジ中に、保持される。シリンジを作動させたとき(例えば、患者への投与中)、2つのチャンバーの内容物が混合される。この配置は、使用時点での別途の混合工程の必要性を回避する。
薬学的組成物
本発明の組成物は、薬学的に許容され得る。それらは、通常、抗原およびアジュバントに加えて成分を含み、例えば、それらは、典型的には、1つ以上の薬学的キャリア(複数可)および/または賦形剤(複数可)を含む。そのような成分の徹底的な議論は、参考文献94において入手できる。
組成物は、一般的に、水性の形態である。
組成物は、チオメルサール(thiomersal)(例えば、10μg/mlでの)または2−フェノキシエタノールなどの保存剤を含んでもよい。しかしながら、好ましくは、ワクチンが水銀材料を実質的に含まないように(すなわち、5μg/ml未満)、例えばチオメルサールを含まないように、するべきである[95]。水銀を含まないワクチンはより好ましい。保存剤を含まないワクチンは特に好ましい。
張度を調節するために、ナトリウム塩などの生理学的塩を含むことは好ましい。塩化ナトリウム(NaCl)が好ましく、1mg/mlから20mg/mlの間で存在してもよい。存在してもよい他の塩には、塩化カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二ナトリウム(無水)、塩化マグネシウム、塩化カルシウムなどが挙げられる。
組成物は、一般的に、200mOsm/kgから400mOsm/kgの間、好ましくは240mOsm/kg〜360mOsm/kgの間の重量オスモル濃度を有し、より好ましくは、290〜310mOsm/kgの範囲内にある。重量オスモル濃度は、以前には、ワクチン接種によって引き起こされる痛みへ影響を及ぼさないことが報告されているが[96]、重量オスモル濃度をこの範囲に保つことは、やはり好ましい。
組成物は1つ以上の緩衝液を含んでもよい。典型的な緩衝液には、リン酸緩衝液、Tris緩衝液、ホウ酸緩衝液、コハク酸緩衝液、ヒスチジン緩衝液、またはクエン酸緩衝液が挙げられる。緩衝液は、典型的には、5〜20mMの範囲に含まれる。緩衝液は乳剤の水相内に存在し得る。
組成物のpHは、一般的に、5.0から8.1の間、より典型的には6.0から8.0の間、例えば、6.5から7.5の間、または7.0から7.8の間である。したがって、本発明のプロセスは、バルクワクチンのpHをパッケージングの前に調整する工程を含んでもよい。
組成物は、好ましくは、無菌である。組成物は、好ましくはグルテンを含まない。
好ましいワクチンは、低含有量の内毒素、例えば、1IU/ml未満、好ましくは0.5IU/ml未満の内毒素を有する。内毒素測定値についての国際単位はよく知られており、例えば、NIBSCから入手できる2nd International Standard(Code 94/580−IS)などの国際標準品[97、98]との比較によって試料について計算することができる。卵中で増殖したウイルスから調製される現在のワクチンは、0.5〜5IU/mlの領域の内毒素レベルを有する。
ワクチンは、好ましくは、抗生物質(例えば、ネオマイシン、カナマイシン、ポリミキシンB)を含まない。
組成物は、単回の免疫用の材料を含んでもよいし、または複数回の免疫(すなわち、「複数用量(multidose)」組成物)用の材料を含んでもよい。複数用量の配置(multidose arrangement)は、通常、ワクチン内に保存剤を含ませる。この必要性を回避するために、ワクチンは、材料の取り出しのための無菌性アダプターを有する容器内に含まれてもよい。
インフルエンザワクチンは、典型的には、約0.5mlの投与容量で投与されるが、半分の用量(すなわち、約0.25ml)を子どもに投与してもよく、単位用量は、適宜、選択され、例えば、単位用量は、患者への投与として0.5mlの用量が与えられる。
組成物またはキット成分のパッケージング
本発明のプロセスは、ワクチンを容器に、特に医師が用いるための分割用の容器に入れる工程を含むことができる。
ワクチン用の適切な容器には、バイアル、鼻腔用スプレー、および使い捨てシリンジが挙げられ、それらは無菌であるべきである。
組成物/成分がバイアル内に置かれている場合、バイアルは好ましくは、ガラス材料またはプラスチック材料でできている。バイアルは、好ましくは、組成物がそれに加えられる前に滅菌される。ラテックス感受性患者に関する問題を避けるために、バイアルは、好ましくは、ラテックスを含まないストッパーで密封され、全てのパッケージング材料においてラテックスが存在しないことが好ましい。バイアルは単回用量(single dose)のワクチンを含んでもよいし、または1用量より多い用量(「複数用量」バイアル)、例えば、10用量を含んでもよい。好ましいバイアルは無色ガラスでできている。
バイアルは、前もって充填されたシリンジをキャップへ挿入することができ、シリンジの内容物をバイアル中へ放出することができ、およびバイアルの内容物を取り出してシリンジへ戻すことができるように適応したキャップ(例えば、Luerロック)を有することができる。バイアルからシリンジを取り出した後、針を取り付けることができ、組成物を患者に投与することができる。キャップに届くことができる前に、シールまたはカバーを取り除かなければならないように、キャップは、好ましくは、シールまたはカバーの内側に置かれる。バイアルは、特に複数用量バイアルについて、その内容物の無菌的取り出しを可能にするキャップを有してもよい。
組成物/成分がシリンジにパッケージングされる場合、シリンジには、針が取り付けられていてもよい。針が取り付けられていない場合には、組み合わせ(assembly)および使用のために針をシリンジとは離してシリンジと共に供給してもよい。そのような針は外筒に収められていてもよい。安全針が好ましい。1インチ23ゲージ、1インチ25ゲージ、および5/8インチ25ゲージの針が典型的である。シリンジは、記録管理を容易にするために、ロット番号、インフルエンザ季節、および内容物の有効期限が印刷され得る剥離式ラベルを付けて提供されてもよい。シリンジ中のプランジャーは、好ましくは、プランジャーが吸引中に偶然に外れるのを防ぐためにストッパーを有する。シリンジは、ラテックスゴムキャップおよび/またはプランジャーを有してもよい。使い捨てシリンジは、単回用量のワクチンを含む。シリンジは、一般的に、針の装着前に先端を密閉するための先端キャップを有し、先端キャップは好ましくは、ブチルゴムでできている。シリンジおよび針が別々にパッケージングされる場合には、針は、好ましくは、ブチルゴムの保護物を取り付けられている。好ましいシリンジは、「Tip−Lok」(商標)という商品名で販売されたものである。
容器は、例えば、子どもへの送達を容易にするために、半分用量の容量を示すように印を付けられていてもよい。例えば、0.5mlの用量を含むシリンジは、0.25mlの容量を示す印があってもよい。
ガラス容器(例えば、シリンジまたはバイアル)が用いられる場合、ソーダ石灰ガラス製よりもむしろホウケイ酸ガラス製の容器を用いることが好ましい。
組成物は、ワクチンの詳細を含む小冊子、例えば、投与、ワクチン内の抗原の詳細などについての説明書と組み合わせてもよい(例えば、同じ箱の中に)。説明書はまた、例えば、ワクチン接種後のアナフィラキシー反応の場合に容易に利用できるアドレナリンの溶液を置いておくことなどの注意を含んでもよい。
ワクチンによる処置方法および投与方法
本発明の組成物は、ヒト患者への投与に適しており、本発明は、本発明の組成物を患者に投与する工程を含む、患者において免疫応答を起こす方法を提供する。
本発明はまた、薬物として用いる本発明のキットまたは組成物も提供する。
本発明の方法および使用によって起こる免疫応答は、一般的に、抗体応答、好ましくは防御抗体応答を含む。インフルエンザウイルスワクチン接種後の抗体応答、中和能、および防御を評価するための方法は、当技術分野においてよく知られている。ヒト研究により、ヒトインフルエンザウイルスの血球凝集素に対する抗体価が防御と相関していることが示されている(約30〜40の血清試料血球凝集阻害力価が、同種ウイルスによる感染からの約50%防御を与える)[99]。抗体応答は、典型的には、血球凝集阻害法により、マイクロ中和法により、一元放射免疫拡散法(SRID)により、および/または一元放射溶血法(SRH)により測定される。これらのアッセイ技術は当技術分野においてよく知られている。
本発明の組成物は、様々な方法で投与することができる。最も好ましい免疫経路は、(例えば、腕または脚への)筋肉内注射によるが、他の利用可能な経路には、皮下注射、鼻腔内[100〜102]、皮内[103、104]、経口[105]、経皮(transcutaneous)、経皮(transdermal)[106]などが挙げられる。皮内経路および鼻腔内経路は魅力的である。皮内投与は、例えば、約1.5mmの長さの針を有する、マイクロインジェクションデバイスを含む場合がある。
本発明に従って調製されるワクチンは、子どもおよび成人のどちらを処置するのにも用いることができる。インフルエンザワクチンは、現在、小児および成人の免疫における使用として、生後6ヶ月から推奨されている。したがって、患者は、1歳未満(例えば、生後6ヶ月未満)、1〜5歳、5〜15歳、15〜55歳、または少なくとも55歳であってもよい。ワクチンを受けるのに好ましい患者は高齢者(例えば、≧50歳、≧60歳、および好ましくは≧65歳)、若者(例えば、≦5歳、または生後6ヶ月から24歳の間、もしくは生後6ヶ月から4歳の間、もしくは5〜18歳の間の者)、中高年(25〜64歳)、入院患者、保健健康管理従事者、武装業務の人員および軍人、妊婦、慢性病の患者、免疫不全の患者、ワクチンを受ける前の7日間、抗ウイルス化合物(例えば、オセルタミビルまたはザナミビル化合物;下記参照)を服用している患者、卵アレルギーをもつ人、および海外旅行する人である。ワクチンはこれらの群だけに適しているわけではなく、集団においてより一般的に用いられてもよい。
いくらかの高齢者(60歳より上の者の約3分の1)は、パンデミックA/CA/04/09株に対する既存の血清抗体を有するが、若年成人のほとんど、および本質的にどの子どもも、該抗体を有しない。若者の季節性株に対する免疫はこの株に対する抗体を誘発しない[107]。水中油型アジュバントを含む本発明の免疫原性組成物を受けるべき有用な被験体群は、パンデミックA/CA/04/09株に対する現存する血清抗体を有しない被験体、例えば、1960年以降、1970年以降、1980年以降、1990年以降、または2000年以降に生まれた患者である。
本発明の好ましい組成物は、有効性についてCPMP判定基準の1、2、または3を満たす。成人(18〜60歳)において、これらの判定基準は、(1)≧70%の血清防御(seroprotection);(2)≧40%のセロコンバージョン;および/または(3)≧2.5倍のGMT増加である。高齢者(>60歳)において、これらの判定基準は、(1)≧60%の血清防御;(2)≧30%のセロコンバージョン;および/または(3)≧2倍のGMT増加である。これらの判定基準は、少なくとも50人の患者に関する非盲検試験に基づいている。判定基準は、ワクチンにおける株ごとに適用される。
処置は、単回用量スケジュールまたは複数回用量(multiple dose)スケジュールによることができる。複数回用量は、一次免疫スケジュールおよび/または追加免疫スケジュールに用いることができる。複数回用量スケジュールにおいて、様々な用量を、同じ経路または異なる経路によって、例えば、非経口での初回抗原刺激(prime)および粘膜での追加免疫(boost)、粘膜での初回抗原刺激および非経口での追加免疫などによって与えてもよい。1用量より多い用量(典型的には2つの用量)の投与は、免疫学的にナイーブの患者において、例えば、以前にインフルエンザワクチンを受けたことがない人について、または新しいHA亜型に対してワクチン接種することにおいて、特に有用である。複数回用量は、典型的には、少なくとも1週間(例えば、約2週間、約3週間、約4週間、約6週間、約8週間、約12週間、約16週間など)離して投与される。
本発明によって作製されるワクチンは、他のワクチンと実質的に同時に(例えば、同じ医師への相談、または医療専門家もしくは予防接種センターへの訪問中に)、例えば、麻疹ワクチン、ムンプスワクチン、風疹ワクチン、MMRワクチン、水痘ワクチン、MMRVワクチン、ジフテリアワクチン、破傷風ワクチン、百日咳ワクチン、DTPワクチン、結合型H.インフルエンザ菌(H.influenzae)b型ワクチン、不活性化ポリオウイルスワクチン、B型肝炎ウイルスワクチン、髄膜炎菌結合型ワクチン(4価A−C−W135−Yワクチンなど)、呼吸器系合胞体ウイルスワクチン、肺炎球菌結合型ワクチンなどと実質的に同時に、患者に投与されてもよい。肺炎球菌ワクチンおよび/または髄膜炎菌ワクチンと実質的に同時の投与は特に、高齢患者において特に有用である。
同様に、本発明のワクチンは、抗ウイルス化合物、特にインフルエンザウイルスに対して活性のある抗ウイルス化合物(例えば、オセルタミビルおよび/またはザナミビル)と実質的に同時に(例えば、同じ医師への相談、または医療専門家への訪問中に)患者へ投与してもよい。これらの抗ウイルス剤には、そのエステル(例えば、そのエチルエステル)およびその塩(例えば、そのリン酸塩)を含む、(3R,4R,5S)−4−アセチルアミノ−5−アミノ−3(1−エチルプロポキシ)−1−シクロヘキセン−1−カルボン酸、または5−(アセチルアミノ)−4−[(アミノイミノメチル)−アミノ]−2,6−アンヒドロ−3,4,5−トリデオキシ−D−グリセロ−D−ガラクトノン−2−エノン酸などのノイラミニダーゼ阻害剤が挙げられる。好ましい抗ウイルス剤は、オセルタミビルリン酸塩(TAMIFLU(商標))としても知られた、(3R,4R,5S)−4−アセチルアミノ−5−アミノ−3(1−エチルプロポキシ)−1−シクロヘキセン−1−カルボン酸のエチルエステル、リン酸塩(1:1)である。投与することができるもう一つの抗ウイルス剤は、チモシンα1(例えば、チマルファシン、28アミノ酸の合成ペプチド、ZADAXIN(商標)として入手可能)である[108]。1つの特定の実施形態において、患者は、オセルタミビルリン酸塩などのノイラミニダーゼ阻害剤を、不活化ビリオン全体のワクチン(例えば、一価、H1)を受けるのと実質的に同時に受ける。
ワクチン製品およびキット
上記で述べられているように、本発明は、(i)配列番号3に対してより、配列番号1に対してより密接に関係しているH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素、および(ii)水中油型乳剤アジュバントを含むワクチンを提供する。有用な実施形態において、この組成物は、一価の不活性化表面抗原ワクチンである。不活性化ウイルスは、卵で増殖していてもよいし、または細胞培養物中(例えば、MDCK細胞中[36、118])で増殖していてもよい。ワクチンは、0.5mlの単位用量を含むシリンジ(例えば、ホウケイ酸ガラス)中で提供されてもよく、各単位用量は約7.5μgのH1血球凝集素(例えば、再集合体株X−179AまたはX−181由来などのA/California/7/2009様株)を含む。シリンジは、ブロモブチルゴムのプランジャー−ストッパーを有してもよい。アジュバントは、スクワレン、ポリソルベート80、およびトリオレイン酸ソルビタン、例えば、7.5μgのHAあたり約9.75mgのスクワレン、約1.18mgのポリソルベート80、および約1.18mgのトリオレイン酸ソルビタンを含む。組成物は、クエン酸緩衝液を含んでもよい。組成物は理想的には水銀を含まないが、低用量のチメロサールを含む場合がある。いくつかの実施形態において、アジュバント添加ワクチンは、特に0.25mlの投与容量が用いられる場合、3.75μgのHAを有する。アジュバント添加ワクチンは、筋肉内に、例えば、三角筋または大腿前外側に投与してもよい。被験体は、アジュバント添加ワクチンの単回用量を受けてもよいし、2つの用量(例えば、2週間〜6ヶ月間離れた、例えば3週間離れた)を受けてもよい。シリンジは、カートンに、例えば、それぞれがブリスターパックに入った、カートンあたり10個で、パッケージングすることができる。
本発明はまた、(i)配列番号3に対してより、配列番号1に対してより密接に関係しているH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素、および(ii)水中油型乳剤アジュバントを含むワクチンを提供する。有用な実施形態において、この組成物は、一価の不活性化表面抗原ワクチンである。不活性化ウイルスは卵で増殖していてもよい。ワクチンは、複数回の0.5ml単位用量を含むバイアル、例えば、各単位用量が、約7.5μgまたは15μgまたは30μgのH1血球凝集素(例えば、再集合体株X−179A由来などのA/California/7/2009様株)を含む、チメロサール含有の10回投与バイアルで提供されてもよい。アジュバントは、スクワレン、ポリソルベート80、およびトリオレイン酸ソルビタン、例えば、7.5μgのHAあたり約9.75mgのスクワレン、約1.18mgのポリソルベート80、および約1.18mgのトリオレイン酸ソルビタンを含む。組成物は、クエン酸緩衝液を含んでもよい。アジュバント添加ワクチンは、筋肉内に、例えば、三角筋または大腿前外側に投与してもよい。被験体は、アジュバント添加ワクチンの単回用量を受けてもよいし、2つの用量(例えば、2週間〜6ヶ月間離れた、例えば3週間離れた)を受けてもよい。
本発明はまた、(i)配列番号3に対してより、配列番号1に対してより密接に関係しているアジュバント無添加のH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素を含む第1のキット成分、および(ii)水中油型乳剤アジュバントを含む第2のキット成分を含むキットを提供する。2つのキット成分は、使用時点で混合して、本発明の一価ワクチンを生じさせることができる。有用な実施形態において、第1のキット成分は、一価のスプリットビリオン不活性化ワクチンである。不活性化ウイルスは卵で増殖していてもよい。キットは、各バイアルが、1:1容量比で混合するための、例えば、2.5mlの抗原を2.5mlのアジュバントと混合するための等容量の液体を含む、2つのバイアル構成(例えば、ホウケイ酸ガラス、必要に応じてブチルゴムのストッパーを有する)として提供されてもよい。0.5mlの単位用量の一価アジュバント添加ワクチンは、約7.5μg、3.75μg、または1.9μgのH1血球凝集素(例えば、再集合体株X−179A由来などのA/California/7/2009様株)を含むことができる。アジュバントは、スクワレン、DL−α−トコフェロール、およびポリソルベート80、例えば、0.5mlの単位用量中、約10.7mgのスクワレン、約11.9mgのトコフェロール、および約4.9mgのポリソルベート80(またはそれらの分割量、例えば、スクワレン、トコフェロール、およびポリソルベート80のこれらの量の3/4、2/3、1/2、1/3、1/4、1/5、1/6、1/7、1/8、1/9、または1/10)を含む。したがって、アジュバント成分は、2.20:2.44:1の質量比(スクワレン:トコフェロール:ポリソルベート80)で存在してもよい。アジュバント成分は、1μgのH1血球凝集素あたり2.85μgのスクワレン、3.16μgのトコフェロール、および1.30μgのポリソルベート80で存在してもよい。ワクチンは、チオメルサール保存剤を、例えば、約10μg/mlで、すなわち、0.5ml用量中、約5μgを含んでもよい。被験体は、アジュバント添加ワクチンの単回用量を受けてもよいし、2つの用量(例えば、1週間、2週間、もしくは3週間、または3週間より長く、例えば、3〜26週間、離れた)を受けてもよい。18歳〜60歳の成人は、有用には、単回用量を受け得るが、60歳より上の高齢者は、2つの用量を受けてもよい。3〜9歳の子どもは、半分用量、例えば、1.875μgのHAを含む0.25mlの容量を受けてもよい。抗原成分およびアジュバント成分は、どちらもリン酸緩衝液を含んでもよい。抗原成分はポリソルベート80、オクトキシノール10、塩化カリウム、および/または塩化マグネシウムを含んでもよい。本発明のキットは、50個のバイアルの抗原(それぞれにおいて2.5mlの懸濁液)および50個のバイアルのアジュバント(それぞれにおいて2.5mlの乳剤)を含んでもよい。抗原バイアルは、単一のパックに入っていてもよい;アジュバントバイアルは2つのパックに入っていてもよい。アジュバント添加ワクチンは、筋肉内に、例えば、三角筋または大腿前外側に投与してもよい。
本発明はまた、(i)配列番号3に対してより、配列番号1に対してより密接に関係しているH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素、および(ii)水中油型乳剤アジュバントを含むワクチンを提供する。有用な実施形態において、この組成物は、一価の不活性化表面抗原ワクチンである。不活性化ウイルスはMDCK細胞中で増殖した[36、118]。ワクチンは、3.75μgのH1血球凝集素(例えば、再集合体株X−179A由来などのA/California/7/2009様株)を含む単位用量で提供される。アジュバントは、スクワレン、ポリソルベート80、およびトリオレイン酸ソルビタン、例えば、約4.875mgのスクワレン、約0.59mgのポリソルベート80、および約0.59mgのトリオレイン酸ソルビタンを含む。組成物は、クエン酸緩衝液を含んでもよい。アジュバント添加ワクチンは、筋肉内に、例えば、三角筋または大腿前外側に投与してもよい。被験体は、アジュバント添加ワクチンの単回用量を受けてもよいし、2つの用量(例えば、2週間〜6ヶ月間、離れた、例えば3週間離れた)を受けてもよい。単位用量は、0.25mlの容量を有する場合があり、患者は、単一の免疫において1単位用量(例えば、3〜17歳または18〜40歳の患者に対して)、または2単位用量(40歳より上の患者に対して)を受けることができる。ワクチンは10×0.25ml用量のパックとして分割されてもよい。
本発明はまた、(i)配列番号3に対してより、配列番号1に対してより密接に関係しているアジュバント無添加のH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素を含む第1のキット成分、および(ii)水中油型乳剤アジュバントを含む第2のキット成分を含むキットを提供する。2つのキット成分は、使用時点で混合して、本発明の一価ワクチンを生じさせることができる。有用な実施形態において、第1のキット成分は、一価の不活性化スプリットビリオンである。不活性化ウイルスは卵で増殖していてもよい。キットは、例えば、混合して単位容量の4倍の最終ワクチンを生じさせるために、第1のバイアルが単位容量の抗原を含み、第2のバイアルがその単位容量の3倍の乳剤を含む、2つのバイアル構成(例えば、ホウケイ酸ガラス、必要に応じてクロロブチルのストッパーを有する)として提供されてもよい。したがって、1.5mlの抗原は、4.5mlの乳剤と組み合わせて6mlのワクチンを生じさせることができる。0.5ml単位用量の一価アジュバント添加ワクチンは、約3.8μgのH1血球凝集素(例えば、再集合体株X−179A由来などのA/California/7/2009様株)を含むことができる。アジュバントは、スクワレン、オレイン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル、およびマンニトール、例えば、0.5mlの単位用量中、約12.4mgのスクワレン、約1.9mgのオレイン酸ソルビタン、約2.4mgのポリオキシエチレンセトステアリルエーテル、および約2.3mgのマンニトール(またはそれらの分割量、例えば、スクワレン、オレイン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル、およびマンニトールのこれらの量の3/4、2/3、1/2、1/3、1/4、1/5、1/6、1/7、1/8、1/9、または1/10)を含む。したがって、アジュバント成分は、124:19:24:23の質量比(スクワレン:オレイン酸ソルビタン:ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル:マンニトール)で存在してもよい。ワクチンは、チオメルサール保存剤を、例えば、0.5mlあたり約11.3μg、または1μgの血球凝集素あたり約3μgのチオメルサールで含んでもよい。抗原成分およびアジュバント成分は、どちらもリン酸緩衝液を含んでもよい。被験体は、アジュバント添加ワクチンの単回用量を受けてもよく、または、より典型的には、2つの用量(例えば、3週間より長く、例えば、3〜26週間、離れた)を受けてもよい。3歳〜60歳の被験体は、有用には、単回用量を受け得るが、60歳より上の高齢者は、2つの用量を受けてもよい。生後6ヶ月〜3歳未満の子どもは、半分用量、例えば、1.9μgのHAを含む0.25mlの容量を受けてもよい。アジュバント添加ワクチンは、筋肉内に、例えば、三角筋または大腿前外側に投与してもよい。
本発明はまた、前の段落で定義されているような第1のキット成分を、前の段落で定義されているような第2のキット成分と混合する工程を含む、インフルエンザワクチンを調製するための方法を提供する。
このセクションで述べられたワクチンは、有用には、配列番号7を含む血球凝集素を含むことができる。
混合源ワクチン
上記で述べられた本発明のいくつかの実施形態は、多価である、すなわち、それらは1つより多いインフルエンザウイルス株由来のHA抗原を含む。多価ワクチンを調製するために用いられるウイルスを、全て、同じ培養基を用いて増殖させてもよいし(例えば、全てを卵中で増殖させる、または全てをMDCK培養物中で増殖させるなど)、またはそれらを異なる培養基中で増殖させてもよい(例えば、1つの株を卵中で増殖させ、別の株を細胞培養物中で増殖させる;または1つの株をMDCK培養物中で増殖させ、別の株をベロ培養物中で増殖させる)。
例えば、増殖培養基は、特定の株の増殖嗜好性に従って選択することができ、例えば、H1N1株は卵中よりも細胞培養物中でより良く増殖するが、インフルエンザBウイルスがその反対の嗜好を示す場合には、それらを別々の培養基上で増殖させ、その後、混合してもよい。
一実施形態において、H1株(例えば、H1N1)を、細胞培養物中(例えば、懸濁培養物などのMDCK培養物中[36、118])で増殖させ、別の株(例えば、H3N2株、インフルエンザB株など)を卵中で増殖させる。株から調製された抗原は、その後、混合されて、多価インフルエンザワクチンを提供する。このプロセスは、2つのH1株(1つがH1血球凝集素、1つがH1血球凝集素でない)、H3N2株、および1つのインフルエンザB株を有する4価ワクチンを調製するのに特に適している。
したがって、本発明は、少なくとも2つの異なるインフルエンザウイルス株から得られる血球凝集素を含むワクチンであって、第1の血球凝集素が卵中で増殖したインフルエンザウイルスから調製され、第2の血球凝集素が細胞培養物中で増殖したインフルエンザウイルスから調製される、ワクチンを提供する。このように、2つの異なるインフルエンザウイルス株について、1つを細胞培養物中で、1つを卵中で増殖させる。ウイルスを、両方の源から精製し、その後、混合してワクチンを生じさせる。
第1および第2の血球凝集素は、どちらもインフルエンザAウイルス由来、どちらもインフルエンザBウイルス由来であってもよいし、または一方がインフルエンザAウイルス由来で、他方がインフルエンザBウイルス由来であってもよい。好ましくは、第1および第2の血球凝集素の少なくとも1つがインフルエンザAウイルス由来である。第1の血球凝集素および第2の血球凝集素の両方がインフルエンザAウイルス由来である場合、これは、典型的には、例えば、H1N1株由来およびH3N2株由来の、H1血球凝集素およびH3血球凝集素である。
第1および第2の血球凝集素がインフルエンザAウイルス血球凝集素を含む場合、これらの1つはH1血球凝集素であり得る。H1血球凝集素であるのが2つのインフルエンザA血球凝集素の両方ではないことが好ましく、H1血球凝集素であるのが2つのインフルエンザA血球凝集素の両方ではないことがより好ましい。ワクチンがH1血球凝集素を含む場合、これは、好ましくは、第2血球凝集素であり、すなわち、H1株を細胞培養物中で増殖させ、その後、H1ワクチン抗原を、卵から調製された非H1ワクチン抗原と組み合わせる。他の実施形態において、H1血球凝集素は第1血球凝集素であり、すなわち、H1株を卵中で増殖させ、その後、H1ワクチン抗原を、細胞培養物から調製された非H1ワクチン抗原と組み合わせる。
適切な細胞培養宿主は上で記載されており、それにはMDCK細胞、例えば、MDCK 33016が挙げられ、それは、懸濁液中で増殖することができ、H1血球凝集素を有するウイルスを調製するのに有用である。
この混合源(mixed−source)の手法は、H1株、非H1のH1株、H3株、およびインフルエンザB株を含むワクチンを作製するのに特に有用である。H1株は、細胞培養物中で増殖することができ、その他の3つの株(すなわち、最近の季節性ワクチンについての通常の三価混合物)は、通常の様式で卵中で増殖することができる。
全般
用語「含むこと(comprising)」は、「含むこと(including)」、および「からなること(consisting)」を包含し、例えば、Xを「含む(comprising)」組成物は、独占的にXからなる場合もあるし、追加の何かを含む、例えば、X+Yを含む場合もある。
単語「実質的に」は、「完全に」を排除せず、例えば、Yを「実質的に含まない」組成物は、完全にYを含まない場合もある。必要な場合、単語「実質的に」を、本発明の定義から削除してもよい。
数値xに関しての用語「約」は任意選択であり、例えば、x±10%を意味する。
「GI」番号付けが上記で用いられている。GI番号、または「GenInfo識別名」は、配列がNCBIのデータベースに加えられたとき、NCBIによって処理される各配列記録へ連続的に割り当てられる一連の数字である。GI番号は、配列記録のアクセッション番号との類似性はない。配列が(例えば、訂正のために、またはより多くの注釈もしくは情報を加えるために)アップデートされたとき、それは新しいGI番号を受け取る。したがって、与えられたGI番号に関連づけられる配列は決して変化しない。
具体的に言及されない限り、2つ以上の成分を混合する工程を含むプロセスは、いかなる特定の混合順序を必要としない。したがって、成分は任意の順序で混合することができる。3つの成分がある場合、2つの成分をお互いに組み合わせて、その後、その組み合わせ物を3つ目の成分と組み合わせてもよいなど。
動物(および特にウシ)材料が細胞の培養に用いられる場合、それらは、伝達性海綿状脳症(TSE)を含まず、特に、ウシ海綿状脳症(BSE)を含まない供給源から得られるべきである。全体的に見れば、動物由来材料の完全な非存在下で細胞を培養することが好ましい。
化合物が組成物の一部として身体に投与される場合、その化合物を、代替として、適切なプロドラッグに置き換えてもよい。
細胞培養基が再集合(reassortment)手順または逆遺伝学手順のために用いられる場合、それは、好ましくは、例えば、Ph Eur総則5.2.3章にあるような、ヒトワクチン製造での使用が認可されているものである。
ポリペプチド配列間の同一性は、好ましくは、MPSRCHプログラム(OxfordMolecular)において実行されているようなSmith−Watermanホモロジー検索アルゴリズムによって、ギャップ開始ペナルティ=12およびギャップ伸長ペナルティ=1のパラメータでのアフィンギャップ検索を用いて、決定される。
図1は、アジュバントを添加していない(0.5μgまたは1μgのHA用量)かまたはMF59のアジュバントを添加した(0.5μg)かのいずれかのH1N1sw抗原での免疫後に得られたHI力価を示す。PBS対照も用いられた。黒色バーは1回の免疫後の力価を示す;灰色バーは2回の免疫後の力価を示す。 図2は、様々な初回抗原刺激/追加免疫投与計画で免疫したフェレットにおける肺のウイルス負荷を示す。動物群A〜Hは下部に記載されている。y軸はLog10TCID50/群を示す。 図3は、同じフェレットにおける鼻のウイルス負荷を示し、y軸はlog10CDUを示す。 図4は、同じフェレットにおけるHI力価を示す。 図5は、季節性H1N1(Brisbane)での初回抗原刺激を受けたマウスにおける2回のH1N1sw追加免疫投与後のIgG血清抗体価(ELISA)を示す。初回抗原刺激した株および追加免疫した株ならびに添加したアジュバントが示されている。
フェレット研究
参考文献109は、インフルエンザワクチンを調べるためのフェレットモデルを報告している。フェレットをアジュバント添加(スクワレン含有水中油型乳剤、MF59(商標))もしくはアジュバント無添加の季節性ワクチンで、またはPBSで初回抗原刺激した。3週間後(21日目)、これらのフェレットは、追加免疫量のアジュバント添加もしくはアジュバント無添加の三価季節性ワクチンもしくは一価パンデミックワクチン(「H1N1sw」)またはPBSを受けた。合計8つの動物群A〜Hが用いられた。
Figure 2012525370
その後、49日目に、フェレットをH1N1sw株(10TCID50)でチャレンジし、肺の病変を各群において評価した。鼻および気管のみに感染する季節性H1N1と違って、H1N1swウイルスは肺にも感染する。H1N1swウイルスはフェレットにとって致死性ではない。
冒された肺実質の平均%は以下であった:
Figure 2012525370
このように、PBS群と比較して、アジュバント添加またはアジュバント無添加の季節性ワクチンで予め初回抗原刺激を受けさせ、その後、同種の季節性ワクチンかまたはH1N1swかのいずれかで追加免疫した全てのフェレットは、肺病変の重要な低下を有した。最良の効果は、追加免疫投与がH1N1swであり、かつ初回抗原刺激ワクチンおよび追加免疫ワクチンの両方ともアジュバント添加されていた場合に観察された(C群)。アジュバント添加H1N1swの単回用量により、初回抗原刺激の非存在下でさえも同様の防御を与えられた。
肺のウイルス負荷もまた評価し、結果は図2に示されている。PBSと比較して、アジュバント添加H1N1swワクチンの1用量は、肺のウイルス負荷を2log〜3log、低下させた(G群とH群を比較する)。H1N1swワクチン接種がアジュバント無添加季節性インフルエンザワクチンの投与に先行された場合には、肺におけるウイルス負荷はほとんど検出不可能なレベルまで低下し(F群)、先行の季節性ワクチンがアジュバント添加された場合には、ウイルス負荷は検出不可能なレベルであった(C群)。
ウイルス負荷をまた鼻スワブから評価した(図3)。PBSと比較して、アジュバント添加H1N1swワクチンの1用量は、鼻スワブにおけるウイルス負荷を1log、低下させたが、アジュバント無添加ワクチンについては低下させなかった。H1N1swワクチン接種がアジュバント無添加の季節性ワクチンでのワクチン接種に先行された場合には、鼻のウイルス負荷はさらに低下した(F群)。H1N1swワクチン接種がアジュバント添加の季節性ワクチンでのワクチン接種に先行された場合には、鼻のウイルス負荷は検出不可能であった(C群)。同様の結果は喉スワブにおいて見出された。
HI抗体応答もまた49日目に測定した(図4)。アジュバント添加H1N1swワクチンの1用量は、アジュバント無添加H1N1swワクチンより免疫原性が高かった。H1N1swウイルスに対するHI力価は、アジュバント添加の季節性ワクチンで予め免疫したフェレットにおいて少なくとも1log、増加した。
季節性H1N1およびH3N2季節性株に対するHI抗体応答も評価した。季節性H1N1とH1N1swとの間で交差反応する抗体は、HIによって検出されなかった。
したがって、アジュバント添加H1N1swワクチンの1用量は、肺、鼻、および喉におけるウイルス負荷によって測定した場合、アジュバント無添加ワクチンより免疫原性が高く、かつより有効であった。免疫原性および有効性の両方が、季節性インフルエンザワクチンでの予めの免疫によって増強され、この効果は、季節性ワクチンがアジュバントを添加された場合にはより高かった。この免疫原性および有効性の増強は、季節性H1N1とH1N1swとの間で交差反応する(HIによる)抗体のせいではないようである。
これらの結果より、なぜ高齢の人々が、抗体の交差反応性がほとんどないにも関わらず、H1N1swウイルスに対してより良く防御され得るのかが説明することができる。その結果によりまた、抗体に交差反応性がほとんどまたは全くないにも関わらず、健康な成人における1回の単回用量後の良い応答を示す臨床試験の予備的結果を、この効果が季節性ウイルスでの以前の免疫学的経験(自然感染またはワクチン接種による)のせいであり得るからということで説明することができる。その結果はまた、アジュバントの存在下で、および患者がアジュバント添加の季節性ワクチンで以前に免疫されている場合には、より良いH1N1sw防御が達成されることも含意する。免疫学的にナイーブの個体(例えば、子ども)および免疫学的に虚弱な個体は、単回用量でも臨床的に有用であり得るとしても、最適かつ持続性の防御のためにアジュバント添加H1N1swワクチンの1用量より多い用量を必要とし得る。
このフェレット研究のさらなる詳細は参考文献110にある。
マウス研究I
H1N1swワクチンで水中油型乳剤アジュバントを用いることの利点は、マウスにおいて実施した免疫原性研究から明らかである。初回抗原刺激を受けていないマウスにおいて、インフルエンザ抗原へのいかなる先行曝露もなしで、乳剤アジュバント添加H1N1swワクチンの単回用量は、ヒトにおける防御と関連づけられるHI力価を与える。しかしながら、アジュバントなしでは、この力価に達するには2つの用量が必要とされた。したがって、ヒト防御は、子どもにおいてさえも、アジュバント添加された単回用量で達成し得る。対照的に、1976年ブタインフルエンザワクチンは、子どもおよび若年成人に対して2つの用量を必要とした。さらに、アジュバントは、初回抗原刺激を受けていない被験体においてさえも、単回用量での免疫を促進することができるため、すでにインフルエンザに曝されたことがある被験体(例えば、一般的な成人集団)もまた、頑強な応答に達するために単回用量のアジュバント添加されたワクチンだけを必要とするはずである。
ワクチンを、卵中で増殖したH1N1sw A/California/07/2009 H1N1様ウイルスから調製した。ワクチンに、アジュバントを添加しないか、またはスクワレンを含む水中油型乳剤(MF59(商標))でアジュバントを添加するかのいずれかを行なった。ワクチンを、0.5μgか1μgかのいずれかのHA用量を用いるSRIDによって標準化した。6〜7週齢のBalb/cマウスを0日目に、リン酸緩衝食塩水、0.5μgもしくは1.0μg(HA含有量)の抗原単独、または50μlのアジュバントと共の0.5μgの抗原で筋肉内に免疫した。投与容量は100μlであった。13日目に血清を採取した。マウスを、14日目に、1回目に匹敵する2回目の用量で追加免疫した。21日目に再び、血清を収集した。抗原としての不活化ウイルス全体およびシチメンチョウの赤血球を用いる血球凝集阻害(HI)によって血清を評価した。
0.5μgのアジュバント添加抗原での単回免疫は、免疫から2週間後に採取された血清において1:63の平均機能性抗体(HI)力価を誘発した(図1)。1:40以上のHI力価が、季節性インフルエンザからのヒトの防御と関連づけられている[111]。2週間後のアジュバント添加ワクチンでの2回目の免疫は、追加免疫から1週間後に採取された血清における平均HI力価を1:1280まで増加させた。アジュバントなしでの抗原による単回免疫は、有意なHI力価を誘発しなかったが、2週間後の2回目の免疫は、1:160のHI力価を誘発した。0.5μgまたは1.0μgのアジュバント無添加の抗原での免疫により誘発された力価において有意差はなかった。
これらのデータは、他の潜在的なパンデミックインフルエンザ株に対するワクチンでのヒト免疫の結果と一致している。アジュバントなしで、H5トリインフルエンザ株に対するワクチンは、低い抗体価を誘発する;MF59は、誘発された抗体の迅速性(rapidity)、力価、および幅を大いに増加させる[112、113]。1976年のブタ起源インフルエンザのはるかに小さいヒトでの発生の間には、アジュバント添加ワクチンは入手できなかった。1976年ワクチンの単回用量は、若者において低い抗体価を誘発したが、高齢の個体においては有意により高い力価を誘発し、それは、おそらく、高齢の被験体が初回抗原刺激を受けるインフルエンザ感染または免疫をより多く経験していたからである[114]。
マウス免疫データにより、特に、インフルエンザ感染または免疫への過去の曝露をほとんどまたは全くもたない子どもおよび若年成人に対する、H1N1swパンデミックインフルエンザワクチンによる免疫キャンペーンにおいてMF59などのアジュバントを含めることが支持される。これらの個体は、特に、現在のパンデミックにおいて罹患および死亡に陥りやすい[115]。MF59アジュバント添加のパンデミック抗原に関して、免疫学的にナイーブのマウスへ与えられる単回用量は、ヒトにおける季節性インフルエンザからの防御と関連づけられている抗体応答を生じさせる;アジュバントなしでは、2つの用量が必要とされる。この研究において、0.5μgと1μgのアジュバント無添加の抗原の間で、用量反応性は観察されなかった。マウスにおけるこの所見は、有効な投与回数を増加させることができる用量節約型投与計画がヒト臨床試験において有効であることを証明し得る可能性を増加させるものである。
マウス研究II
季節性H1N1(A/Brisbane/59/2007;0.2μgのHA用量)一価ワクチン(MF59アジュバントを含む、または含まない)で初回抗原刺激を受けさせたマウスを、同じワクチンで、またはパンデミックH1N1sw株(A/California/04/2009血球凝集素)から調製された等価の一価ワクチン(この場合もやはり、MF59アジュバントを含む、または含まない)で、2回(36日目および66日目)、追加免疫した。
免疫応答のELISA分析(図5)は、先行の季節性アジュバント添加ワクチン接種が、H1N1swワクチンへのより高い力価応答としてマウスを効果的に初回抗原刺激を受けさせ、この初回抗原刺激は、H1N1swワクチンがアジュバントを添加されていない場合には特に重要であった。初回抗原刺激を受けさせていないマウスまたはアジュバント無添加の季節性H1N1で初回抗原刺激を受けさせたマウスにおいて、H1N1swワクチンがアジュバントを添加された場合のみ、高い力価応答が見られた。
したがって、H1N1swワクチンのアジュバント添加は、頑強な免疫応答にとって重要であるようである。さらに、アジュバント添加は、季節性ワクチンが抗原刺激してパンデミックワクチンへの頑強な抗体応答を可能にすることにとって重要であるようである。
要約すれば、アジュバント無添加のパンデミックワクチンの2つの用量での免疫は、初回抗原刺激を受けていないマウスにおいて、またはアジュバント無添加の季節性ワクチンで初回抗原刺激を受けたマウスにおいて、機能性抗体をほとんど誘発しなかった。しかしながら、アジュバント添加の季節性ワクチンで初回抗原刺激を受けたマウスにおいて、アジュバント無添加のパンデミックワクチンの2つの用量は、良好な応答を与えた。マウスは、自身が初回抗原刺激を受けていたかどうかに関わらず、アジュバント添加のパンデミックワクチンの2つの用量に頑強に応答した。アジュバント添加の季節性ワクチンはパンデミック株に対する抗体を効率的に誘発しない可能性があるが、その代わりに、それらは、パンデミックワクチンへのより高い力価応答をプライムし得る。これらのデータは、パンデミックインフルエンザワクチンによる免疫のために、およびパンデミックインフルエンザワクチンによる免疫に対して集団を用意するための季節性キャンペーンにおいても、水中油型アジュバントの使用を支持するものである。
マウス研究III
40匹の6週齢の雌BALB/cマウスの3つの群は、2005/06季節かまたは2009/10季節(どちらも北半球)のいずれか由来の三価季節性ワクチンの単回筋肉内注射を受けた。インフルエンザについてナイーブの対照マウスはPBSを受けた。0日目にヒト用量の1/10(1株あたり1.5μgHA)でワクチンを投与した。40日目、マウスをそれぞれ10匹の動物の4つの部分群に分け、一価の不活性化H1N1swワクチンを再接種した。4つの群は、オレイン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル、およびマンニトールと組み合わせたスクワレンを含むサブミクロンの水中油型乳剤アジュバント有りまたは無しで、高用量または低用量(3μgのHAまたは0.3μgのHA)を受けた。その後、全ての動物は、61日目に2回目のH1N1sw投与を受けた。季節性H1N1株およびパンデミックH1N1株に対するHI抗体の存在を、40日目、61日目、75日目、および102日目に評価した。このマウス研究の完全な詳細は参考文献116に示されている。
結果から、H1N1swワクチンの単回注射が、アジュバントの有無に関わらず、防御レベルまでHI抗体応答を誘導するのに十分であることを確認した。H1N1sw株に対するHI抗体価(GMT)は、0.3μg HAのアジュバント無添加ワクチンで免疫されたナイーブマウスの群を除く全ての群において>40であった。
以前の季節性インフルエンザワクチン接種により誘発された抗体は、H1N1sw株と交差反応しなかったが、季節性インフルエンザワクチンでの初回抗原刺激は、結果として、アジュバント無添加H1N1swワクチンへのより高い抗体応答を生じた。対照的に、以前の季節性インフルエンザワクチンによる免疫は、マウスにおいてアジュバント添加H1N1swワクチンの免疫原性に影響を及ぼしていないようであり、それは、おそらく、これらの群におけるアジュバント添加ワクチンによって誘導された強い一次応答によるものである。
結論として、マウス研究IIIは、水中スクワレン乳剤と共に製剤化されたスプリットビリオン不活性化H1N1swワクチンのヒトにおける使用を支持する。
Focetria(商標)製品およびCeltura(商標)製品
SPF卵(Focetria(商標)について)またはMDCK細胞の懸濁培養物(Celtura(商標)について)のいずれも、配列番号3に対してより、配列番号1に対してより密接に関係している血球凝集素を有する再集合体H1N1インフルエンザAウイルス株を感染させている。ウイルスを、公知の技術を用いて増殖させ、その後、収集し、不活性化しており、一価の表面抗原ワクチンは精製されたウイルスから調製している。精製した抗原を希釈し、その後、サブミクロンのスクワレン液滴を含む水中油型乳剤(MF59(商標))と組み合わせて、Focetria(商標)製品(0.5mlの単位用量あたり7.5μgの血球凝集素を有する)およびCeltura(商標)製品(0.25mlの単位用量あたり3.75μgの血球凝集素を有する)のためのバルクワクチンを提供する。製品はシリンジに充填される。このように、製品は、注射用の予め充填されたシリンジで配送される。これらの2つの一価アジュバント添加製品は、様々な地方(teritory)においてヒト使用について認可されている。
ヒト研究I(レスター(Leicester)、UK)
参考文献117に報告されているように、一価表面抗原ワクチンを、A/California/7/2009 H1N1sw株から調製した。ワクチン株は、A/California/7/2001 H1N1sw由来のHA、NA、およびPB1遺伝子セグメントを有し、他の5つのセグメントはA/PR8/8/34由来であった。ウイルスをMDCK細胞中で増殖させた。ウイルスおよび抗原は、三価OPTAFLU(商標)製品を製造するために用いられたプロセスを用いて調製した[118]。以下の2つのワクチンを調製した:7.5μgのHAおよびサブミクロンのスクワレン液滴を含むMF59水中油型乳剤を含むアジュバント添加ワクチン;ならびに緩衝液中の15μgのHAを含むアジュバント無添加ワクチン。全てのワクチンは0.5mlの容量を有した。アジュバント添加ワクチンの半分用量をいくつかの被験体に用いた(すなわち、0.25mlの容量で)。最終ワクチンにおけるHA含有量については、SRID試薬が利用できないため、逆相HPLCを用いて決定した。
175人の被験体を7つの群に分けた。被験体は、1用量(0日目)かまたは2つのの同一の用量(0日目;7日目、14日目、または21日目)のいずれかを受けた。7つのA〜G群は以下の通りであった(用量;adj=アジュバント添加):
Figure 2012525370
免疫原性を、0日目、14日目、および21日目に評価した。中間評価は、21日目の用量の投与直前に免疫原性を測定した。したがって、A〜C群は、それらの投与計画を完了していたが、D群は、1回の7.5μgのアジュバント添加された用量のみを受けていた。E〜G群については、この中間段階では評価しなかった。抗体応答を、幾何平均力価(GMT)、幾何平均比、セロコンバージョン(%)、および血清防御(%)として血球凝集(HI)アッセイによって評価した。抗体応答をまた、GMT、力価≧40を有する被験体の割合(%)、またはセロコンバージョンとしてマイクロ中和法(MN)によって評価した。中間評価におけるHIによる抗体応答は以下の通りであった:
Figure 2012525370
中間評価におけるMNによる抗体応答は以下の通りであった:
Figure 2012525370
免疫前の抗体を、HIアッセイ(力価>1:8)およびMNアッセイ(力価>1:10)によってそれぞれ、14%の被験体および39%の被験体において検出し、この頻度は、年齢または季節性ワクチンの過去の接種と関係がなかった。14日目、HIおよびMNアッセイを用いて測定した場合の幾何平均力価(GMT)は、1用量のみを受けていた被験体と比較して2つのの7.5μgのアジュバント添加された用量を受けた被験体においてより高かった(D群に対してA〜C群を比較する)が、群内で力価において有意差はなかった。21日目において、1つの用量または2つの用量を受けていた被験体の間で力価における有意差はなかった。全ての被験体は、21日目までに1:40を超える力価のMN抗体を有した。
このように、中間段階での免疫応答は、アジュバント添加ワクチンの単回用量の投与から2週間内の2009 H1N1swウイルスに対する血清防御と一致した。様々なスケジュールで投与された7.5μgのHAを含むアジュバント添加ワクチンの1回または2つの用量は、頑強な抗体価を誘発した。2倍用量(15μgのHA)は、1用量より高い抗体レベルを与えたが、血清防御の力価は、あらゆる群において少なくとも80%の被験体で達成された。
ヒト研究II
一価の不活性化表面抗原ワクチンを、卵中で増殖したA/California/7/2009 H1N1swウイルスから調製した。抗原を30μg/mlのHA濃度まで希釈し、MF59水中油型乳剤(クエン酸緩衝液中にサブミクロンのスクワレン液滴を含む)と混合し、15μg/mlのHA濃度をもつアジュバント添加バルクを生じさせた。アジュバント添加ワクチンを、0.5ml用量あたり7.5μgHAを有するワクチンを提供するように、それぞれ0.5ml用量としてシリンジへパッケージングした。アジュバント添加ワクチン(例えば、FOCETRIA(商標)製品)は、筋肉内に、例えば、三角筋または大腿前外側に投与される。
ヒト研究III
H1N1sw株由来の一価の不活性化スプリットワクチンを、ヒト成人ボランティア(18〜60歳)に与えた。患者は、アジュバント添加ワクチンかまたはアジュバント無添加ワクチンのいずれかを受けた。アジュバント添加ワクチンは、スクワレンを含むサブミクロンの水中油型乳剤(AS03)と共に5.25μgのHAを有した;アジュバント無添加ワクチンは21μgのHAを有した。ワクチンを0日目および21日目に投与した。A/California/7/2009に対するHI力価、加えてセロコンバージョンおよび血清防御を、これらの日に評価した。このヒト研究の完全な詳細は参考文献119に示されている。
ワクチンは耐容性が良好で、免疫原性結果は以下の通りであった:
Figure 2012525370
このように、アジュバント添加ワクチンおよびアジュバント無添加ワクチンは、どちらも成人において免疫原性であり、5.25μgのHA(アジュバント添加)かまたは21μgのHA(アジュバント無添加)のいずれかの単回用量が認可下付判定基準を満たすのに十分であった。4分の1の抗原を有するアジュバント添加ワクチンが、アジュバント無添加ワクチンに匹敵する免疫応答を誘導した。
ヒト研究IV
アジュバント添加の一価H1N1swワクチン(7.5μgのHA;FOCETRIA(商標))をヒト被験体(成人および高齢者)に、三価(3×15μgのHA)2009/10季節性ワクチン(アジュバント添加またはアジュバント無添加)と同時かまたは該季節性ワクチンを与えてから3ヶ月後かのいずれかに与えた。全てのワクチンは、不活性化表面抗原ワクチンであり、アジュバントは、スクワレン含有水中油型乳剤(MF59(商標))であった。全てのワクチンの免疫原性を、1日目および22日目に血球凝集阻害によって評価し、安全性および反応原性を、患者の日誌を用いてモニターした。このヒト研究の完全な詳細は参考文献120に示されている。
成人における季節性ワクチン接種から3ヶ月後、または季節性ワクチンと同時でのアジュバント添加H1N1swワクチンの1用量は、いずれのワクチンの耐容性または免疫原性に影響することなく、成人および高齢者の被験体についての認可下付判定基準を満たした。
ヒト研究V:併用治療
末期腎疾患を有する患者、および慢性透析中である患者に、1用量あたり7.5μgの一価不活性化表面抗原ワクチンの形態をとるH1N1血球凝集素を含むFOCETRIA(商標)ワクチンを与えた。ワクチンは、スクワレンを含むMF59(商標)サブミクロンの水中油型乳剤アジュバントを含んだ。一部の患者は、肝炎ウイルスの処置用として知られているペプチドであるチマルファシン(チモシンα1;ZADAXIN(商標)製品として市販されている)も受けた。2つの異なる用量のチマルファシンを試験して、無作為化3群非盲検研究を行なった。チマルファシンを2回与えたが、1回目の注射はワクチン接種の7日前であり、2回目注射はワクチン接種の日であった。21日目に少なくとも1:40の抗体価に達成しなかった全被験体はその日に2回目のワクチン接種を受けた。
FOCETRIA(商標)ワクチンのみを受けた被験体と比較して、両方の用量でのチマルファシンの追加も、ワクチン接種後の21日目および42日目の両方の時点で、セロコンバージョンした被験体のパーセンテージにおいて統計的に有意な増加をもたらした。低用量(3.2mg)のチマルファシンを受けた患者の93%、および高用量(6.4mg)を受けた患者の94%が、ワクチンのみを受けた患者の77%と比較して、42日後のH1N1ウイルスに対するセロコンバージョンを達成した。
ヒト研究VI
2つの多施設無作為化用量範囲探索試験(dose−ranging study)は、生後6ヶ月〜17歳の健康な子どもにおいて(MF59での)アジュバント添加およびアジュバント無添加の卵由来および細胞培養物由来の一価H1N1swワクチンを評価した。目的は、健康な子どもおよび青年における好ましいワクチン製剤(アジュバント有りまたは無し)、投薬量、およびスケジュール(1回または2回投与)を特定することであった。
登録時に、被験体を(i)4つの年齢コホート、すなわち、9〜17歳、3〜8歳、生後12〜35ヶ月、および生後6〜11ヶ月へ層別化し、(ii)3.75μgHA+1/2用量MF59、7.5μgHA+完全用量MF59、またはアジュバント無添加の15μgHAを与えられる3つのワクチン群へ無作為化した。9〜17歳の子どもおよび生後6〜11ヶ月の乳児は、アジュバント添加ワクチンのみを受けた。被験体は、21日間離して、2回のワクチン接種を受けた。ワクチンは卵中かまたはMDCK細胞培養物(懸濁培養)中かのいずれかで調製した。
免疫原性を、血球凝集阻害(HI)によって各ワクチン接種から21日後に決定した。ワクチン接種後のHI力価/ワクチン接種前のHI力価についての幾何平均HI力価(GMT)および幾何平均比(GMR)を計算した。セロコンバージョン率、すなわち、≧1:40のワクチン接種後HIおよびベースラインにおいて陰性(HI<1:10)、またはベースラインにおいて陽性(HI≧1:10)の被験体についてHI力価における少なくとも4倍の増加をもつ被験体の%を評価した。血清防御率(SP)、すなわち、HI力価≧1:40をもつ被験体の%も評価した。
中間評価を、3〜8歳および9〜17歳の被験体から得た(細胞由来ワクチンを受けた388人の被験体、および卵由来のワクチンを受けた403人の被験体)。
細胞由来ワクチンを受けた被験体におけるGMT値およびGMR値は以下の通りであった:
Figure 2012525370
卵由来のワクチンを受けた被験体におけるGMT値およびGMR値は以下の通りであった:
Figure 2012525370
2つの研究におけるアジュバント添加ワクチンは、9〜17歳および3〜8歳のコホートにおいて1回目および2回目のワクチン接種から3週間後、SP率≧70%を有した。2つの研究におけるアジュバント無添加ワクチンは、2回目のワクチン投与から3週間後に、3〜8歳のコホートにおいてSP率≧70%に達した。両方の年齢のコホート(3〜17歳)における全てのワクチンは、両方の研究において1回目および2回目のワクチン接種から3週間後、SC率≧40%を有した。GMTは各投与から3週間後、大きく増加し、両方のコホートにおける全てのワクチンはGMR≧2.5を有した。
アジュバント添加の卵由来(FOCETRIA(商標))ワクチンおよび細胞培養物由来(CELTURA(商標))ワクチンは、アジュバント無添加ワクチンより低いHA用量で迅速で強い免疫応答を誘導した。全てのアジュバント添加ワクチンの免疫原性は、単回用量に関して欧州規制パンデミックインフルエンザワクチン判定基準(被験体の>70%がHI力価≧1:40;セロコンバージョン>40%かつGMR>2.5を有する)を満たした。
ヒト研究VII(コスタリカ)
この研究は、小児集団において(MF59での)アジュバント添加またはアジュバント無添加のH1N1swワクチンの投与後の安全性および抗体応答を決定することを目的とした。ワクチンを、卵で増殖させたウイルスから調製した。被験体を2つの年齢群(3〜8歳の子どもおよび9〜17歳の青年)に分け、(a)7.5μgのアジュバント添加ワクチンの1回投与、(b)15μgのアジュバント無添加ワクチンの1回投与、または(c)30μgのアジュバント無添加ワクチンの投与(2×15μg投与)へ無作為化した。3週間後、被験体は、7.5μgのH5N1血球凝集素(表面抗原ワクチン、卵由来)を含むMF59アジュバント添加ワクチンを受けた。血清学的試験のための血液試料を1日目(免疫)、22日目、29日目、43日目に収集した。H1N1ワクチン抗原に対する抗体価を血球凝集阻害(HI)によって評価した。抗血球凝集阻害抗体の幾何平均力価(GMT)、セロコンバージョン(SC)率、およびHI力価≧1:40をもつ被験体のパーセンテージを計算した。SC率およびHI力価≧1:40を、有効な生物製剤評価および研究センター(CBER)規制判定基準と比較した。SC率についての95%CIの下界(lower bound)は、≧40%であるべきである。HI力価≧1:40をもつパーセンテージについての95%CIの下界は≧70%であるべきである。
194人の子どもおよび196人の青年を登録した。1回目の投与後(22日目)、アジュバント無添加ワクチンを与えられた子どもの72〜74%と比較して、7.5μgのアジュバント添加ワクチンを与えられた子どもの93%が、HI力価≧1:40に達した。3〜8歳の子どもにおけるアジュバント添加ワクチンについてのSC率(22日目)(91%)は、アジュバント無添加ワクチンについてのSC率(71〜72%)より高かった。29日目までに、7.5μgのアジュバント添加ワクチンを与えられた全ての被験体は、HI力価≧1:40に達した;全てのワクチンはCBER判定基準を満たした。2回目のワクチン投与後のSC率は、全研究群にわたって83〜95%の範囲であった。GMTは、各ワクチン接種後、上昇したが、7.5μgのアジュバント添加ワクチンを与えられた被験体において、特に子どもにおいて、より強く上昇した。
全ての3つのH1N1ワクチンは、ワクチンの2つの用量以内で小児集団において高いHI抗体応答を生じたが、単回用量後では、アジュバント添加ワクチンだけが、CBER免疫原性判定基準を満たすHI抗体応答を達成した。アジュバント無添加ワクチンと比較して、アジュバント添加ワクチンにおいてより低い総用量の抗原(7.5μg)でさえもこれらの判定基準が満たされた。
ヒト研究VIII(USA)
小児集団において水中油型アジュバント(MF59)を含むまたは含まない一価H1N1swワクチンの最適な用量を評価するために用量決定研究を実施した。3歳から9歳未満までの合計1357人の健康な子どもを登録した。子どもを、等しく8つの群に無作為化し、1日目および22日目に筋肉内ワクチン注射を与えた。ワクチンについては、完全用量または半分用量のMF59の有りまたは無しの3.75μg、7.5μg、15μg、または30μgのHAとして製剤化した。
CBER判定基準[HI力価≧1:40(95%CI下界≧70%)およびセロコンバージョン率(95%CI下界≧40%)]に従う免疫原性(HIアッセイ)を、22日目および43日目に評価した。セロコンバージョンを、ワクチン接種前HI力価<1:10およびワクチン接種後力価≧1:40、またはワクチン接種前HI力価≧1:10およびワクチン接種後力価における4倍以上の上昇と定義した。HI抗体応答を、ワクチン接種前力価に対するワクチン接種後力価の幾何平均力価(GMT)および幾何平均比として表した。各群間のGMT比の対での比較を行い、95%CIを、0.5、および次に、0.67の非劣性マージンに対して評価した。ワクチン群間の差を、GMT比前後の両側95%CIが1(統計的に有意な優越性または劣性のいずれかを示す)を含まなかった場合には、統計的に有意であると仮定した。
GMTおよびGMRの結果は以下の通りであった:
Figure 2012525370
各群におけるベースライン血清陽性率(HI力価≧10)は同程度であった(18%〜27%)。全てのアジュバント添加の群は、1用量後にHI力価≧1:40判定基準を満たしたが、アジュバント無添加の群は、2つの用量後のみ、血清防御判定基準を満たした。全てのワクチン群(アジュバント無添加の7.5μg群を除く)における被験体は、1用量投与後にセロコンバージョン判定基準を満たし、2つの用量後に全ての群がこの判定基準を満たした。両側95%CIを用いる22日目のGMTの対での群比較は、全てのアジュバント添加ワクチンがアジュバント無添加ワクチンよりも優れていたことを示している。アジュバント添加の群は、1回の投与後に認可下付判定基準を満たし、7.5μg抗原および半分用量のMF59アジュバントを含むワクチン投与が明らかに優れた応答を示した。
本発明は、例としてのみ記載されており、本発明の範囲および精神内に留まりながら、改変をなし得ることは理解されている。
Figure 2012525370
Figure 2012525370
Figure 2012525370

Claims (23)

  1. (i)配列番号3に対してより、配列番号1に対してより密接に関係しているH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素、および(ii)水中油型乳剤アジュバントを含むワクチンを患者に投与する工程を含む、ヒトを免疫するための方法。
  2. i)配列番号3に対してより、配列番号1に対してより密接に関係しているH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素、および(ii)水中油型乳剤アジュバントを含む免疫原性組成物。
  3. 一価ワクチンである、請求項2に記載の組成物。
  4. 血球凝集素が、配列番号2と少なくとも90%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項2または3に記載の組成物。
  5. 前記水中油型乳剤アジュバントがスクワレンを含み、250nm未満の直径をもつ液滴を有する、請求項2〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 約7.5μg/mlまたは約15μg/mlの血球凝集素濃度を有する、請求項2〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. H3N2インフルエンザAウイルス血球凝集素およびインフルエンザBウイルス血球凝集素もまた含む三価ワクチンである、請求項2に記載の組成物。
  8. 2つの異なるH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素および水中油型乳剤アジュバントを含む免疫原性組成物であって、(i)第1のH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素が配列番号3に対してより、配列番号1に対してより密接に関係し、および(ii)第2のH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素が配列番号1に対してより、配列番号3に対してより密接に関係している、免疫原性組成物。
  9. (iii)H3N2インフルエンザAウイルス血球凝集素および(iv)インフルエンザBウイルス血球凝集素もまた含む、請求項8に記載の組成物。
  10. (iii)H3N2インフルエンザAウイルス血球凝集素、(iv)B/Victoria/2/87様インフルエンザBウイルス血球凝集素、および(v)B/Yamagata/16/88様インフルエンザBウイルス血球凝集素もまた含む、請求項8に記載の組成物。
  11. (i)H1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素を含む一価ワクチンを患者に投与する工程、および(ii)三価A/H1N1−A/H3N2−B季節性インフルエンザワクチンを該患者に投与する工程を含む、インフルエンザウイルスに対してヒトを免疫するための方法であって、(a)該一価ワクチンが、配列番号3に対してより、配列番号1に対してより密接に関係しているH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素を含み、(b)該三価ワクチンが、配列番号1に対してより、配列番号3に対してより密接に関係しているH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素を含み、(c)該一価ワクチンが水中油型乳剤アジュバントを含み、および(d)該三価ワクチンが水中油型乳剤アジュバントを含む、方法。
  12. 前記一価ワクチンが前記三価ワクチンの少なくとも4週間前に投与される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記一価ワクチンが前記三価ワクチンから少なくとも4週間後に投与される、請求項11に記載の方法。
  14. ヒトを免疫するための一価ワクチンの製造におけるH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素の使用であって、該ワクチンが水中油型乳剤アジュバントを含み、該一価ワクチンが、配列番号3に対してより、配列番号1に対してより密接に関係しているH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素を含む、使用。
  15. 前記ヒトが以前に、三価A/H1N1−A/H3N2−B季節性インフルエンザワクチンを受けたことがあり、該三価ワクチンが、配列番号1に対してより、配列番号3に対してより密接に関係しているH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素を含む、請求項14に記載の使用。
  16. 前記乳剤が、サブミクロン直径を有する油滴を含み、該乳剤がスクワレンを含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法、組成物、または使用。
  17. 少なくとも2つの異なるインフルエンザウイルス株から得られる血球凝集素を含むワクチンであって、第1の血球凝集素が卵中で増殖したインフルエンザウイルスから調製され、第2の血球凝集素が細胞培養物中で増殖したインフルエンザウイルスから調製され、該第2の血球凝集素が配列番号3に対してより、配列番号1に対してより密接に関係している、ワクチン。
  18. 前記細胞培養物がMDCK細胞培養物である、請求項17に記載のワクチン。
  19. (i)組換え宿主において発現した精製されたH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素であって、配列番号3に対してより、配列番号1に対してより密接に関係している、H1血球凝集素、および(ii)水中油型乳剤アジュバントを含む、免疫原性組成物。
  20. 前記血球凝集素が、バキュロウイルスベクターを用いて昆虫細胞系において発現する、請求項19に記載の組成物。
  21. 組換えインフルエンザウイルスノイラミニダーゼを含む、請求項19または20に記載の組成物。
  22. インフルエンザワクチンの2つの別々の用量を被験体に投与する工程を含む、該被験体を免役するための方法であって、(a)該2つの用量が1〜6週間離して投与され、(b)各ワクチンが、配列番号3に対してより、配列番号1に対してより密接に関係しているH1亜型インフルエンザAウイルス血球凝集素を含み、および(c)該被験体が、オセルタミビルリン酸塩などのノイラミニダーゼ阻害剤を、該2つのワクチン用量を受ける間に少なくとも3回、摂取する、方法。
  23. 投与されるワクチンの1つまたは両方が水中油型乳剤アジュバントを含む、請求項22に記載の方法。
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