JP2011522874A - 季節性および汎流行性の防御のための混合インフルエンザワクチン - Google Patents

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Abstract

インフルエンザワクチン接種に対する現在のアプローチは、季節性株または汎流行性株のどちらかに焦点を当てている。現在の季節性ワクチンは、一般的に2種のインフルエンザA型株(H1N1とH3N2)と1種のインフルエンザB型株由来の抗原を含む。現在の汎流行性ワクチンは、H5N1インフルエンザA型ウイルス株に焦点を当てている。本発明の目的は、季節性株および汎流行性株の両方に対して免疫を惹起することができるワクチンを製造するさらなる改善された方法を提供することである。

Description

この出願は、2008年6月12日に出願された米国仮出願第61/131,918号および2009年3月31日に出願された英国特許出願第0905570.8号(これらの両方の内容は、参考として本明細書に援用される)の利益を主張する。
技術分野
本発明は、インフルエンザウイルス感染から防御するためのワクチン、特に現在の季節性株と汎流行性株に由来する抗原を含むワクチンの分野にある。
インフルエンザワクチン接種に対する現在のアプローチは、季節性株または汎流行性株のどちらかに焦点を当てている。現在の季節性ワクチンは、一般的に、2種のインフルエンザA型株(H1N1とH3N2)と1種のインフルエンザB型株由来の抗原を含む。現在の汎流行性ワクチンは、H5N1インフルエンザA型ウイルス株に焦点を当てている。
季節性株および汎流行性株の両方に対して免疫を惹起することができるワクチンは、参考文献1(特許文献1)に開示されている。本発明の目的は、季節性株および汎流行性株の両方に対して免疫を惹起することができるワクチンを製造するさらなる改善された方法を提供することである。
国際公開第2008/068631号
発明の開示
本発明は、(i)H1N1インフルエンザA型ウイルス株、H3N2インフルエンザA型ウイルス株、およびインフルエンザB型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第1容器;ならびに(ii)汎流行性株、例えば、H5N1などのH5株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第2容器、を含むキットを提供し、ここで、第1容器中のH1N1、H3N2、およびB抗原の各々の濃度が、25〜35μg/mlの範囲、例えば、約30μg/ml(一般的に1:1:1の質量比で)であることを特徴とする。第2容器中の汎流行性抗原の濃度は、理想的には、5〜20μg/mlの範囲、例えば、約15μg/mlである。これらの抗原濃度は、不活化インフルエンザワクチンにとって通常であるように、インフルエンザウイルス赤血球凝集素に関して表現される。
汎流行性ワクチンを季節性ワクチンと別々に、しかし、キット内で維持することにより、製造過程で4価のワクチンが処方されるよりも最終ワクチン株のプロファイルをより容易に改変することを可能とする。これは、汎流行性ウイルスの株の変動のために特に重要である。
本発明は、また、(i)H1N1インフルエンザA型ウイルス株、H3N2インフルエンザA型ウイルス株、およびインフルエンザB型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第1容器;ならびに(ii)汎流行性株、例えば、H5N1などのH5株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第2容器、を含むキットを提供し、第2容器中の汎流行性抗原の濃度が、5〜20μg/mlの範囲、例えば、約15μg/mlであることを特徴とする。
本発明は、また、(i)H1N1インフルエンザA型ウイルス株、H3N2インフルエンザA型ウイルス株、およびインフルエンザB型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第1容器;ならびに(ii)汎流行性株、例えば、H5N1などのH5株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第2容器、を含むキットを提供し、第1容器と第2容器中の水性ワクチンの容積が、実質的に同じであり、それぞれが約0.4ml〜約0.6mlの範囲、例えば、約0.5mlであることを特徴とする。
本発明は、また、(i)H1N1インフルエンザA型ウイルス株、H3N2インフルエンザA型ウイルス株、およびインフルエンザB型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第1容器;ならびに(ii)汎流行性株、例えば、H5N1などのH5株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第2容器、を含むキットを提供し、第1容器中の水性ワクチンの容積が、第2容器中の水性ワクチンの容積の実質的に2倍であることを特徴とする。
本発明は、また、(i)H1N1インフルエンザA型ウイルス株、H3N2インフルエンザA型ウイルス株、およびインフルエンザB型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第1容器;ならびに(ii)汎流行性株、例えば、H5N1などのH5株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第2容器、を含むキットを提供し、各容器は、ホウケイ酸ガラス製バイアルであることを特徴とする。各バイアルは、1用量または複数(例えば、10)用量の材料を含み得る。バイアルは、ブチルゴム製のストッパーを有していてもよい。
本発明は、また、(i)H1N1インフルエンザA型ウイルス株、H3N2インフルエンザA型ウイルス株、およびインフルエンザB型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第1容器;ならびに(ii)H5N1インフルエンザA型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第2容器、を含むキットを提供し、H5N1インフルエンザA型ウイルス株が、クレード1、2または4に属することを特徴とする。
本発明は、また、(i)H1N1インフルエンザA型ウイルス株、H3N2インフルエンザA型ウイルス株、およびインフルエンザB型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第1容器;ならびに(ii)H5N1インフルエンザA型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第2容器、を含むキットを提供し、ここで、H5N1株は、A/Vietnam/1203/2004;A/Vietnam/1194/2004;A/duck/Hunan/795/2002;A/Indonesia/5/2005;A/Whooper−swan/Mongolia/244/2005;A/Chicken/India/NIV33487/2006; A/Anhui/1/2005;A/Bar−headed goose/Quighai/1A/2005;A/Japanese white eye/Hong Kong/1038/2006;A/turkey/Turkey/1/2005;A/goose/Guiyang/337/2006;A/duck/Laos/3295/2006;A/Cambodia/R0405050/2007;およびA/common magpie/Hong Kong/5052/2007からなる群から選択されるか、あるいは前記群から選択される株由来の赤血球凝集素と交差反応する抗赤血球凝集素抗体を誘発する赤血球凝集素を有する。
いくつかの実施形態では、第1容器はアジュバントを含むが、第2容器はアジュバント無添加(unadjuvanted)である。別の実施形態では、第1容器はアジュバントを含み、そして、第2容器もアジュバントを含む。別の実施形態において、第1容器はアジュバント無添加であるが、第2容器はアジュバントを含む。他の実施形態では、第1および第2容器の両方は共にアジュバント無添加であるが、キットは、抗原なしの水中油型エマルジョンアジュバントを含む第3容器を含む。別の実施形態では、第1および第2容器の両方はアジュバント無添加であるが、キットは水中油型エマルジョンアジュバントと非インフルエンザ抗原を含む第3容器を含む。適切なアジュバントの詳細は、以下に示される。
これらのキットを用いて、容器の内容物は、混合ワクチンとして患者への便利な投与の前に、使用時に混合することができる。内容物は、任意の適切な順序で混合することができる。例えば、容器がバイアルである場合、第2容器の内容物は、針によって注射器に取り出すことができ、それから第1容器に挿入することができる。混合後、混合内容物は、注射器(前と同じまたは異なるもの)に取り出される。採取針が注射のために使われてもよいし、あるいは廃棄して、注射用(例えば、IM注射)に適したものと置きかえてもよい。
本発明は、また、(i)H1N1インフルエンザA型ウイルス株、H3N2インフルエンザA型ウイルス株、汎流行性インフルエンザA型ウイルス株(例えば、H5N1などのH5株)、およびインフルエンザB型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第1容器;ならびに(ii)水中油型エマルジョンアジュバントを含む第2容器、を含むキットを提供する。
本発明は、(i)H1N1インフルエンザA型ウイルス株、H3N2インフルエンザA型ウイルス株、およびインフルエンザB型ウイルス株由来の抗原を含む凍結乾燥された不活化インフルエンザワクチンを含む第1容器;ならびに(ii)汎流行性株、例えば、H5N1などのH5株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第2容器、を含むキットを提供する。第2容器は、理想的には、水中油型エマルジョンを含む。
本発明は、(i)H1N1インフルエンザA型ウイルス株、H3N2インフルエンザA型ウイルス株、および汎流行性インフルエンザA型ウイルス株(例えば、H5N1などのH5株)、インフルエンザB型ウイルス株由来の抗原を含む凍結乾燥された不活化インフルエンザワクチンを含む第1容器;ならびに(ii)水中油型エマルジョンアジュバントを含む第2容器、を含むキットを提供する。
本発明は、また、複数の別々のチャンバーを含む注射器を提供し、そこでは、(i)第1のチャンバーは、H1N1インフルエンザA型ウイルス株、H3N2インフルエンザA型ウイルス株、およびインフルエンザB型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含み;そして、(ii)第2のチャンバーは、汎流行性株、例えば、H5N1などのH5株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む。したがって、2つの水性成分は、共に、しかし同じ注射器の中で別々に保持され、それらは、作用させる際には、成分が混合される。いくつかの実施形態において、第1のチャンバーは、アジュバントを含む。他の実施形態では、第2のチャンバーはアジュバントを含む。他の実施形態では、第3のチャンバーは、アジュバントを含む。複数のチャンバーを有する注射器は、公知である(例えば、参考文献2〜9、その他)。
ワクチン調製
現在、さまざまな形のインフルエンザウイルスワクチンが入手可能であり、一般的に、ワクチンは生ウイルスまたは不活化ウイルスのいずれかに基づいている。不活化ワクチンは、全ビリオン、スプリットビリオン、または精製された表面抗原に基づいてもよい。インフルエンザ抗原は、ビロソームの形態で提供されてもよい。本発明は、これらのタイプのワクチンのいずれをも使用できるが、一般的に不活化ワクチンと共に使用されるであろう。
不活化ウイルスが用いられるとき、ワクチンは全ビリオン、スプリットビリオン、または精製された表面抗原(赤血球凝集素を含み、通常はノイラミニダーゼも含む)を含んでもよい。ウイルスを不活化するための化学的手段は、有効量の以下の薬剤の1つまたはそれ以上による処理を含む:洗浄剤、ホルムアルデヒド、β−プロピオラクトン、メチレンブルー、ソラレン、カルボキシフラーレン(C60)、バイナリーエチルアミン、アセチルエチレンイミン、またはそれらの組み合わせ。例えば、UV光またはガンマ線照射などの、ウイルス不活化の非化学的方法は、当該技術分野において公知である。
ビリオンは、さまざまな方法によってウイルスを含有する流体から採取できる。例えば、精製方法は、ビリオンを破壊するための洗浄剤を含む線形スクロース勾配溶液を用いたゾーン遠心分離法を含んでもよい。次いで抗原は、任意の希釈の後、ダイアフィルトレーションによって精製されてもよい。
スプリットビリオンは、精製したビリオンを洗浄剤(例えば、エチルエーテル、ポリソルベート80、デオキシコール酸塩、リン酸トリ−N−ブチル、Triton X−100、Triton N101、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、Tergitol NP9など)で処理してサブビリオン調製物を生成することによって得られ、これは「Tween−エーテル」分解方法を含む。インフルエンザウイルスを分解する方法は、当該技術分野において周知であり、例えば、参考文献10〜15などを参照されたい。ウイルスの分解は、典型的には、ウイルス全体を破壊またはフラグメント化することによって行なわれ、分解剤(splitting agent)の破壊濃度によって感染性または非感染性となる。破壊によってウイルスタンパク質の完全または部分的な可溶化がもたらされ、ウイルスの完全性を変える。好ましい分解剤は、非イオン性およびイオン性(例えば、カチオン性)の界面活性剤、例えば、アルキルグリコシド、アルキルチオグリコシド、アシル糖、スルホベタイン、ベタイン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、N,N−ジアルキル−グルカミド、Hecameg、アルキルフェノキシ−ポリエトキシエタノール、第4級アンモニウム化合物、サルコシル、CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド)、リン酸トリ−N−ブチル、セタブロン、ミリスチルトリメチルアンモニウム塩、リポフェクチン、リポフェクタミン、およびDOT−MAなど、オクチル−またはノニルフェノキシポリオキシエタノール(例えば、Triton界面活性剤、例えば、Triton X−100またはTriton N101など)、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(Tween界面活性剤)、ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンエステルなどである。有用な分解手順の1つは、デオキシコール酸ナトリウムおよびホルムアルデヒドの連続的な効果を用いており、分解は最初のビリオン精製の際に(例えば、スクロース密度勾配溶液の中で)起こり得る。よって、分解方法は、ビリオン含有材料の浄化(非ビリオン材料を除去するため)と、採取したビリオンの濃縮(例えば、CaHPO吸着などの吸着方法を用いる)と、非ビリオン材料からの全ビリオンの分離と、密度勾配遠心分離ステップにおける分解剤の使用によるビリオンの分解(例えば、デオキシコール酸ナトリウムなどの分解剤を含有するスクロース勾配を用いる)と、その後のろ過(例えば、限外ろ過)による望ましくない材料の除去とを含んでもよい。スプリットビリオンは、リン酸ナトリウム緩衝等張食塩水に有効に再懸濁できる。BEGRIVACTM、FLUARIXTM、FLUZONETM、およびFLUSHIELDTM製品は、スプリットワクチンである。
精製された表面抗原ワクチンは、インフルエンザ表面抗原赤血球凝集素を含み、典型的には、ノイラミニダーゼも含む。これらのタンパク質を精製した形態で調製するための方法は、当該技術分野において周知である。FLUVIRINTM、AGRIPPALTMおよびINFLUVACTM製品が、その例である。
不活化インフルエンザ抗原の別の形態は、ビロソーム[16](核酸を含まないウイルス様リポソーム粒子)である。ビロソームは、インフルエンザウイルスを洗浄剤で可溶化した後にヌクレオカプシドを除去し、ウイルスの糖タンパク質を含有する膜を再構築することによって調製できる。ビロソームを調製するための代替的な方法は、ウイルスの膜糖タンパク質を過剰量のリン脂質に加えて、膜内にウイルスタンパク質を有するリポソームを与えることを含む。本発明は、INFLEXAL VTMおよびINVAVACTM製品と同様にバルクのビロソームを保存するために用いられてもよい。
インフルエンザウイルスは弱毒化されてもよい。インフルエンザウイルスは、温度感受性であってもよい。インフルエンザウイルスは、低温適応されてもよい。これら3つの特徴は、生ウイルスを抗原として用いるときに特に有用である。
HAは現行の不活化インフルエンザワクチンにおける主な免疫原であり、ワクチン用量は、典型的にはSRIDによって測定されたHAレベルを参照して標準化される。既存のワクチンは、典型的には1株当り約15μgのHAを含有するが、例えば子供用、または汎流行性状態のとき、あるいはアジュバントを使用するときなどには、もっと低用量のものを用いることができる。例えば、1/2(すなわち1株当り7.5μgのHA)、1/4および1/8などの部分的用量が用いられており、より高用量(例えば、3×または9×用量[17、18])も用いられている。他に記載されている場合を除き、ワクチンはインフルエンザ1株当り0.1μgから150μgのHA、好ましくは0.1μgから50μg、例えば0.1〜20μg、0.1〜15μg、0.1〜10μg、0.1〜7.5μg、0.5〜5μgなどを含んでもよい。特定の用量は、1株当り、例えば、約45、約30、約15、約10、約7.5、約5、約3.8、約1.9、約1.5などを含む。例えば、各株に対するHAの質量が、1株当たりの平均HA質量の10%以内、好ましくは、その平均の5%以内にあるような汎流行性株を除き、ワクチンに含まれる各株に対して実質的に同じ質量のHAを使用することが好ましい。汎流行性株のHAの質量は、好ましくは非汎流行性株の平均質量の1/2または1/4である。
生ワクチンに対する用量は、HA含有量ではなく、メジアン組織培養感染量(median tissue culture infectious dose)(TCID50)によって測定され、1株当たり10から10(好ましくは106.5〜107.5)のTCID50が典型的である。
本発明によって用いられる株は、野生型ウイルスにみられるような天然HAを有するか、または修飾されたHAを有してもよい。例えば、鳥類種におけるウイルスの病原性を高める決定要因(例えば、HA1/HA2切断部位の周囲の超塩基性領域)を除去するためにHAを修飾することは公知である。本発明と共に使用されるインフルエンザB型ウイルスの赤血球凝集素は、好ましくは、197位のアミノ酸にAsnを有し、グリコシル化部位[19]を提供する。
細胞株
ウイルス増殖の培養基としてSPF卵(ウイルスが鶏の卵の感染した尿膜腔液から採取される)を使用するよりも、インフルエンザウイルスの複製を支持する細胞株が使用される場合がある。この細胞株は典型的には哺乳動物に由来する。由来となる適切な哺乳動物細胞は、ハムスター、ウシ、霊長類(ヒトおよびサルを含む)、およびイヌの細胞を含むがこれらに限定されず、霊長類の細胞の使用は好ましくない。さまざまな細胞型、例えば、腎臓細胞、線維芽細胞、網膜細胞、肺細胞などが用いられてもよい。適切なハムスター細胞の例は、BHK21またはHKCCという名前を有する細胞株である。適切なサル細胞は、例えば、アフリカミドリザル細胞、例えば、ベロ細胞株のような腎臓細胞などである[20〜22]。適切なイヌ細胞は、例えば、CLDKおよびMDCK細胞株のような腎臓細胞などである。
したがって、適切な細胞株は以下を含むが、それらに限定されない:MDCK;CHO;CLDK;HKCC;293T;BHK;Vero;MRC−5;PER.C6[23];FRhL2;WI−38;その他。適切な細胞株は、例えば、American Type Cell Culture(ATCC)Collection[24]、Coriell Cell Repositories[25]、またはEuropean Collection of Cell Cultures(ECACC)などから広く入手可能である。例えば、ATCCは、種々の異なるベロ細胞をカタログ番号CCL−81、CCL−81.2、CRL−1586およびCRL−1587の下で供給しており、MDCK細胞をカタログ番号CCL−34の下で供給している。PER.C6は、ECACCから寄託番号96022940の下で入手可能である。
最も好ましい細胞株は、哺乳動物型のグリコシル化を伴う細胞株である。哺乳動物細胞株に対するそれより好ましくない代替法として、ウイルスは、カモ(例えば、カモ網膜)またはメンドリ由来の細胞株を含む鳥類の細胞株[例えば、参考文献26〜28]において生育させることができる。鳥類の細胞株の例としては、鳥類の胚性幹細胞[26、29]およびカモの網膜細胞[27]が挙げられる。適切な鳥類の胚性幹細胞は、ニワトリ胚性幹細胞由来のEBx細胞株、EB45、EB14およびEB14−074を含む[30]。ニワトリ胚性繊維芽細胞(CEF)もまた、使用されてもよい。しかし、鳥類の細胞を使用するよりもむしろ、哺乳動物細胞を使用することは、ワクチンが鳥類のDNAおよび卵タンパク質(オボアルブミンおよびオボムコイドなど)を含まないようにできることを意味するため、アレルゲン性が低減される。
インフルエンザウイルスを生育するために最も好ましい細胞株は、Madin Darbyイヌ腎臓に由来するMDCK細胞株[31〜34]である。元のMDCK細胞株は、ATCCからCCL−34として入手可能であるが、この細胞株の派生物が用いられてもよい。例えば、参考文献31は、懸濁培養での生育に対して適合されたMDCK細胞株を開示している(「MDCK33016」、DSM ACC2219として寄託されている)。同様に、参考文献35は、無血清培養の懸濁液中で生育するMDCK由来の細胞株を開示している(「B−702」、FERM BP−7449として寄託されている)。参考文献36は、「MDCK−S」(ATCC PTA−6500)、「MDCK−SF101」(ATCC PTA−6501)、「MDCK−SF102」(ATCC PTA−6502)、および「MDCK−SF103」(PTA−6503)を含む非腫瘍形成性MDCK細胞を開示している。参考文献37は、「MDCK.5F1」細胞(ATCC CRL−12042)を含む、非常に感染しやすいMDCK細胞株を開示している。これらのMDCK細胞株のいずれをも使用することができる。
ウイルスは、接着培養または懸濁液の細胞において生育されてもよい。マイクロキャリア培養を用いることもできる。このように、いくつかの実施形態においては、細胞は懸濁液中での生育に対して適合され得る。
好ましくは、細胞株は無血清培地および/または無タンパク質培地中で生育される。ヒトまたは動物由来の血清からの添加剤を有しない培地は、本発明の文脈において、無血清培地と呼ばれる。こうした培養において生育する細胞は、当然その細胞自身のタンパク質を含有するが、無タンパク質培地とは、タンパク質、成長因子、その他のタンパク質添加剤および非血清タンパク質の排除によっても細胞の増加(例えば、感染前に)が起こるが、場合によりウイルスの生育に必要であり得るトリプシンまたは他のプロテアーゼなどのタンパク質を含むことができるような培地を意味することが理解される。
インフルエンザウイルスの複製を支持する細胞株は、好ましくはウイルスの複製の間に37℃よりも低い温度[38](例えば、30〜36℃、または約30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃)で生育される。
培養細胞中でインフルエンザウイルスを増殖させるための方法は、通常、細胞の培養物に生育すべき株の接種物を接種するステップと、感染した細胞を、例えば、ウイルス力価または抗原発現などによって定められるウイルス増殖のための所定期間(例えば、接種後24時間から168時間)、培養するステップと、増殖したウイルスを回収するステップとを含む。培養細胞は、ウイルス(PFUまたはTCID50によって測定される)対細胞の比が1:500から1:1、好ましくは1:100から1:5、より好ましくは1:50から1:10となるように接種される。ウイルスは、細胞の懸濁液に加えられるか、または細胞の単層に適用され、ウイルスは25℃から40℃、好ましくは28℃から37℃において、少なくとも60分、通常は300分未満、好ましくは90分から240分の間、細胞に吸収される。感染した細胞培養物(例えば、単層)は、凍結−解凍によって、または採取された培養上清のウイルス含有量を増加させるための酵素作用によって除去されてもよい。採取された流体は、次いで不活化されるか、または凍結保存される。培養細胞は、約0.0001から10、好ましくは0.002から5、より好ましくは0.001から2の感染多重度(「m.o.i」)にて感染されてもよい。さらにより好ましくは、細胞は約0.01のm.o.iにて感染される。感染細胞は、感染後30時間から60時間で採取されてもよい。好ましくは、細胞は感染後34時間から48時間で採取される。さらにより好ましくは、細胞は感染後38時間から40時間で採取される。通常は、細胞培養の際にプロテアーゼ(典型的にはトリプシン)を加えることによって、ウイルスを放出させるが、このプロテアーゼは、例えば、接種前、接種と同時、または接種後など、培養中の任意の適切な段階で加えることができる[38]。
好ましい実施形態において、特にMDCK細胞について、細胞株はマスターワーキング細胞バンクから40回の倍加レベルを超えては継代されない。
ウイルス接種物およびウイルス培養物は、好ましくは、単純ヘルペスウイルス、呼吸器系合胞体ウイルス、パラインフルエンザウイルス3、SARSコロナウイルス、アデノウイルス、ライノウイルス、レオウイルス、ポリオーマウイルス、ビルナウイルス、サーコウイルス、および/またはパルボウイルスを含まない(すなわち、これらのウイルスに対してテストされて、その混入に対する陰性の結果を与える)[39]。単純ヘルペスウイルスが存在しないことが特に好ましい。
宿主細胞DNA
ウイルスが細胞株上で生育されるときには、DNAのあらゆる腫瘍形成活性を最小化するために、最終ワクチン中の残存細胞株DNAの量を最小化することが標準的に行なわれる。
このように、本発明に従って調製されるワクチン組成物は、1用量当り10ng未満(好ましくは、1ng未満、より好ましくは、100pg未満)の残留宿主細胞DNAを含有することが好ましいが、痕跡量の宿主細胞DNAが存在する場合がある。
0.25mlの容積当り<10ng(例えば、<1ng、<100pg)の宿主細胞DNAを含有するワクチンのように、15μgの赤血球凝集素当り、<10ng(例えば、<1ng、<100pg)の宿主細胞DNAを含有するワクチンが好ましい。0.5mlの容積当り、<10ng(例えば、<1ng、<100pg)の宿主細胞DNAを含有するワクチンのように、50μgの赤血球凝集素当り、<10ng(例えば、<1ng、<100pg)の宿主細胞DNAを含有するワクチンがより好ましい。
あらゆる残留宿主細胞DNAの平均の長さは、500bp未満、例えば、400bp未満、300bp未満、200bp未満、100bp未満などであることが好ましい。
混入DNAは、例えば、クロマトグラフィーなどの標準的な精製手順を用いて、ワクチン調製の間に除去できる。残留宿主細胞DNAの除去は、例えば、DNアーゼの使用などによるヌクレアーゼ処理によって高めることができる。宿主細胞DNAの混入を低減させるための便利な方法が、参考文献40および41に開示されており、この方法は、2ステップ処理を含み、最初にDNアーゼ(例えば、Benzonase)を使用し、このDNアーゼはウイルス生育の間に用いることが可能であり、次いでカチオン性洗浄剤(例えば、CTAB)を使用し、この洗浄剤はビリオン破壊の際に用いられてもよい。β−プロピオラクトン処理による除去を用いることもできる。
残留宿主細胞DNAの測定は、現在、生物製剤についての慣用的な規制要件であり、そして当業者の通常の能力の範囲内である。DNAを測定するために使用されるアッセイは、一般的に確証されたアッセイである[42、43]。確証されたアッセイの性能の特徴は、数学的項目および定量可能な項目で記載することができ、そしてその考えられる誤差の供給源が同定される。上記アッセイは、一般に、正確度、精度、特異性などの特徴について試験されるであろう。一旦アッセイが、(例えば、宿主細胞DNAの既知の標準量に対して)較正され、そして試験された場合、定量的DNA測定は、慣用的に行なうことができる。DNA定量についての以下の3つの主要な技術を使用することができる:サザンブロットまたはスロットブロットなどのハイブリダイゼーション法[44];ThresholdTMシステムなどのイムノアッセイ法[45];および定量的PCR[46]。これらの方法は全て、当業者によく知られているが、各方法の正確な特徴は、目的とする宿主細胞に依存し得る(例えば、ハイブリダイゼーションのためのプローブの選択、増幅のためのプライマーおよび/またはプローブの選択など)。Molecular Devices製のThresholdTMシステムは、ピコグラムレベルの全DNAについての定量的アッセイであり、そして生物製剤中の混入したDNAのレベルをモニタリングするために使用されている[45]。代表的なアッセイは、ビオチン化ssDNA結合タンパク質と、ウレアーゼ結合体化抗ssDNA抗体と、DNAとの間の反応複合体の非配列特異的な形成を含む。全てのアッセイ成分は、上記製造業者から入手可能である完全なTotal DNA Assay Kitに含まれる。種々の商業的な製造業者は、残留宿主細胞DNAを検出するための定量的PCRアッセイを提供する(例えば、AppTecTMLaboratory Services、BioRelianceTM、Althea Technologiesなど)。ヒトウイルスワクチンの宿主細胞DNAの混入を測定することについての化学発光ハイブリダイゼーションアッセイと全DNA ThresholdTMシステムとの比較は、参考文献47に見出すことができる。
株の選択
本発明によって生産されるワクチンは、少なくとも4種のインフルエンザウイルス株を含む。異なる株は一般的に別々に生育させられ、次いで、ウイルスが採取され、抗原が調製された後に混合される。このように、本発明の方法は、1つより多い数のインフルエンザウイルス株由来抗原を混合するステップを含み得る。
インフルエンザA型ウイルスは、現在、16のHAサブタイプ(亜型)を示す:H1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、Hl0、H11、H12、H13、H14、H15およびH16。本発明は、1つ以上のインフルエンザA型ウイルスNAサブタイプN1、N2、N3、N4、N5、N6、N7、N8またはN9から防御し得る。本明細書におけるワクチンは、少なくともHl株、H3株および汎流行性株を含む。いくつかの実施形態では、H3株は、A/Moscow/10/99と交差反応する。他の実施形態では、H3株は、A/Fujian/411/2002と交差反応する。
汎流行性インフルエンザ株の特性は、以下のとおりである:(a)そのインフルエンザ株が、最近広まっているヒト株における赤血球凝集素と比較して、新規の赤血球凝集素を含む(すなわち、10年を超えてヒト集団において顕性でないもの(例えば、H2)か、またはヒト集団において先に全く見出されていないもの(例えば、一般には鳥類集団においてのみ見出されているH5、H6またはH9)であることにより、ワクチン受容者および一般的なヒト集団が、その株の赤血球凝集素に対して免疫学的にナイーブである);(b)そのインフルエンザ株が、ヒト集団において水平伝播し得る;ならびに(c)そのインフルエンザ株が、ヒトに対して病原性である。汎流行性株としては、H2、H5、H7またはH9サブタイプ株(例えば、H5N1、H5N3、H9N2、H2N2、H7N1およびH7N7株)を挙げることができる。H5N1株が代表的である。本発明で使用するための他の汎流行性株は、2009年に豚から人に移ったH1N1株に由来し得る。このように、汎流行性株は、配列番号15より配列番号14により密接に関連がある赤血球凝集素を有するH1株であり得る(すなわち、同じアルゴリズムとパラメータに整列させたとき、それは配列番号15よりも配列番号14に対してより高度の配列同一性を有する)。
インフルエンザB型ウイルスは、現在、異なるHAサブタイプを示さないが、インフルエンザB型ウイルス株は、2つの異なる系統に分類される。これらの系統は、1980年代後半に出現し、抗原的および/または遺伝的に互いに区別され得るHAを有する[48]。現在のインフルエンザB型ウイルス株は、B/Victoria/2/87様またはB/Yamagata/16/88様のいずれかである。これらの株は、通常、抗原的に識別されるが、アミノ酸配列の違いも、2つの系統を識別するために記述されており、例えば、B/Yamagata/16/88様株が、しばしば(しかし、常にではなく)「Lee40」HA配列と比較してナンバーリングされた164位におけるアミノ酸残基の欠失を伴うHAタンパク質を有する[49]。いくつかの実施形態では、インフルエンザB型株は、B/Victoria/2/87様である。他の実施形態では、インフルエンザB型株は、B/Yamagata/16/88様である。
本発明で使用されるインフルエンザウイルスは、再集合体株であってもよく、そして逆遺伝学技術によって得ることができた。逆遺伝学技術[例えば、50〜54]は、所望のゲノムセグメントを有するインフルエンザウイルスを、プラスミドを使用してインビトロで調製されるのを可能にする。一般的に、それは、(a)例えば、polIプロモーターまたはバクテリオファージRNAポリメラーゼプロモーターにより、所望のウイルスRNA分子をコードするDNA分子を発現すること、および(b)例えば、polIIプロモーターにより、ウイルスタンパク質をコードするDNA分子を発現することを含むことで、細胞における両方の型のDNAの発現が、完全かつインタクトな感染性ビリオンの構築に至る。上記DNAは、好ましくは、上記ウイルスRNAおよびウイルスタンパク質の全てを提供するが、そのRNAおよびタンパク質のいくつかを提供するためにヘルパーウイルスを使用することもまた、可能である。各ウイルスRNAを産生するために別個のプラスミドを使用するプラスミドベースの方法を用いることができ[55〜57]、そしてこれらの方法はまた、上記ウイルスタンパク質の全てまたはいくつか(例えば、PB1タンパク質、PB2タンパク質、PAタンパク質およびNPタンパク質だけ)を発現するためのプラスミドの使用を包含し、最大12種のプラスミドが、いくつかの方法において使用される。必要とされるプラスミドの数を減少させるために、最近のアプローチ[58]は、(ウイルスRNA合成のための)同じプラスミド上の複数のRNAポリメラーゼI転写カセット(例えば、1種、2種、3種、4種、5種、6種、7種または8種全てのインフルエンザA型vRNAセグメントをコードする配列)と、別のプラスミド上のRNAポリメラーゼIIプロモーターを有する複数のタンパク質コード領域(例えば、1種、2種、3種、4種、5種、6種、7種または8種全てのインフルエンザA型mRNA転写物をコードする配列)を合わせる。参考文献58の方法の好ましい態様は、以下を含む:(a)単一プラスミド上のPB1 mRNAコード領域、PB2 mRNAコード領域およびPA mRNAコード領域;ならびに(b)単一プラスミド上の全8種のvRNAコードセグメント。1つのプラスミド上にNAセグメントおよびHAセグメントを含み、そして別のプラスミド上に6種の他のセグメントを含むこともまた、問題を容易にすることができる。
ウイルスRNAセグメントをコードするためにpolIプロモーターを使用する代わりに、バクテリオファージ・ポリメラーゼ・プロモーターを使用することが、可能である[59]。例えば、SP6ポリメラーゼ、T3ポリメラーゼまたはT7ポリメラーゼのためのプロモーターを便利に使用することができる。polIプロモーターの種特異性に起因して、バクテリオファージ・ポリメラーゼ・プロモーターは、多くの細胞型(例えば、MDCK)に関してより好都合であり得るが、細胞はまた、外因性ポリメラーゼ酵素をコードするプラスミドによってトランスフェクトされる必要がある。
他の技術において、単一の鋳型に由来して上記ウイルスRNAおよび発現可能なmRNAを同時にコードするために2重のpolIプロモーターおよびpolIIプロモーターを使用することが可能である[60、61]。
したがって、インフルエンザA型ウイルスは、A/PR/8/34ウイルス由来の1種以上のRNAセグメント(典型的には、6セグメントは、A/PR/8/34に由来し、HAセグメントおよびNセグメントは、ワクチン株に由来する、すなわち、6:2再集合体)を含み得る。それはまた、ワクチン調製のための再集合体ウイルスを産生するために有用な、A/WSN/33ウイルス由来の1種以上のRNAセグメント、または任意の他のウイルス株由来の1種以上のRNAセグメントを含み得る。インフルエンザA型ウイルスは、AA/6/60インフルエンザウイルス(A/Ann Arbor/6/60)からの6種より少ない数(すなわち0、1、2、3、4または5種)のウィルスセグメントを含み得る。インフルエンザB型ウイルスは、AA/1/66インフルエンザウイルス(B/Ann Arbor/1/66)からの6種(より少ない数すなわち0、1、2、3、4または5種)のウィルスセグメントを含み得る。一般的に、本発明は、人から人への感染が可能である株から防御し、したがって、株のゲノムは、通常、哺乳類(例えば、人)インフルエンザウイルスに由来する少なくとも1つのRNAセグメントを含む。それは、鳥類インフルエンザウイルスを起源としたNSセグメントを含み得る。
抗原が組成物に含まれることができる株は、抗ウイルス療法に対して耐性(例えば、オセルタミビル[62]および/またはザナミビルに対して耐性)の場合がある(耐性汎流行性株[63]を含む)。
特に有用な株は、患者からの単離と細胞培養システムの複製を含む間の任意の段階で卵により継代されなかった株である。MDCK細胞は、単離からウイルス複製までのすべてのステップについて排他的に使用できる。
いくつかの実施形態では、本発明で使われる株は、Sia(α2,3)Gal末端二糖を有するオリゴ糖と比較して、Sia(α2,6)Gal末端二糖を有するオリゴ糖に優先的に結合する赤血球凝集素を有する。ヒトインフルエンザウイルスは、Sia(α2,6)Gal末端二糖(ガラクトースにα−2,6結合したシアル酸)を有する受容体オリゴ糖に結合するが、卵とベロ細胞は、Sia(α2,3)Gal末端二糖を有する受容体オリゴ糖を有する。MDCKなどの細胞のヒトインフルエンザウイルスの生育は、卵継代と異なり、天然のSia(α2,6)Gal結合を維持するために、赤血球凝集素への淘汰圧を提供する。
あるウイルスがSia(α2,3)Gal末端二糖を有するオリゴ糖よりもSia(α2,6)Gal末端二糖を有するオリゴ糖に優先的に結合するかどうかを定めるために、さまざまなアッセイを使用することができる。例えば、参考文献64は、親和性定数の高感度な量的測定を与える、インフルエンザウイルス受容体結合活性に対する固相酵素結合アッセイを記載している。参考文献65が用いた固相アッセイにおいては、2つの異なるシアル酸糖タンパク質に対するウイルスの結合が評価されており(オボムコイド、Sia(α2,3)Gal決定基を有する;およびブタα−マクログロブリン、Sia(α2,6)Gal決定基である)、さらに記載されるアッセイにおいては、以下の2つの受容体類似物に対するウイルスの結合が評価されている:遊離シアル酸(Neu5Ac)および3’−シアリルラクトース(Neu5Acα2−3Galβ1−4Glc)。参考文献66は、α2,3またはα2,6結合に対する受容体の優先性を明確に区別できるグリカンアレイを用いたアッセイを報告している。参考文献67は、Sia(α2,6)GalまたはSia(α2,3)Galのいずれかを含有するように酵素的に修飾されたヒト赤血球の凝集に基づいたアッセイを報告している。アッセイはそのタイプによって、ウイルス自体によって直接的に行われてもよく、またはウイルスから精製された赤血球凝集素によって間接的に行うことができる。
いくつかの実施形態では、本発明で使われるインフルエンザ株は、卵由来ウイルスと異なるグリコシル化パターンの糖タンパク質(赤血球凝集素を含む)を有する。このように、糖タンパク質は、鶏卵では見られないグリコフォームを含む。
それから汎流行性株が使われる場合、他に明記した場合を除き、それは通常H5N1株などのH5赤血球凝集素サブタイプのインフルエンザA型ウイルスに由来するであろう。H5のサブタイプ内では、株はクレード0、1、2、3、4、5、6、7、8または9に属することができる。
2003年以降、鳥類種に伝播している大多数のH5N1型ウイルスの赤血球凝集素(HA)配列は、2つの異なった系統学的クレードに分類される。カンボジア、タイおよびベトナムで伝播しているクレード1ウイルスは、2004年と2005年の間にそれらの国で、そして、2006年にタイでヒト感染の原因となった。クレード2のウイルスは、2003年以降中国とインドネシアで鳥類に伝播した;それらは、2005年と2006年の間に中東、ヨーロッパおよびアフリカへと西の方に広がった。2005年後半から、クレード2ウイルスは、主にヒト感染の原因となった。クレード2の複数のサブクレードが識別された;これらのうちの3つ(サブクレード1、サブクレード2およびサブクレード3)は、地域分布において異なり、これまで主に人の症例の原因となった。さらなる再分割もまた知られており、例えば、クレード2.3内では、2.3.2と2.3.4を含む4つの分類がある。
2006年8月と2007年3月の間で、鳥類種で継続して伝播するか、あるいは再出現して、アフリカ、アジアおよびヨーロッパでの散発的なヒト感染を伴ったH5N1型ウイルスの大部分のHA配列は、前に示した系統学的クレードとサブクレードに分類された。クレード1ウイルスは、タイとベトナムの鳥での発生の原因となり、タイでのヒト感染の原因となった。クレード2.1ウイルスは、家禽類で伝播し続け、インドネシアではヒト感染を引き起こす。クレード2.2ウイルスは、アフリカ、アジアおよびヨーロッパの数カ国で鳥類での発生を引き起こし、エジプト、イラクおよびナイジェリアでは人の感染を伴った。クレード2.3ウイルスは、アジアで散発的に単離されて、中国とラオス人民民主共和国でヒト感染の原因となった。
さらに、これらの分類の外に分類される2、3のウイルスは、アジアでの局地的な発生の過程で国内の家禽から分離された。これらのウイルスは、A/goose/Guiyang/337/2006(クレード4)およびA/chicken/Shanxi/2/2006(クレード7)によって表される新型クレードに分類される。現在、全体で0〜9の10のクレードが定義されている。
本明細書で参考のために、各クレードに対する基本型株は、それらの赤血球凝集素遺伝子のコード配列と共に、以下の通りである:
Figure 2011522874
Phylipパッケージ[68](例えば、Kimuraの2−パラメータ距離と正方行列を使う)で実行されるDNADISTアルゴリズムを使用して評価されるとき、クレード1のH5ウイルスは、クレード0と2〜9のいずれかからの任意のコード配列(配列番号:2〜10)よりも、A/HongKong/213/03株(配列番号:1)からのコード配列に、より密接に関連する赤血球凝集素コード配列を有するインフルエンザA型ウイルスとして系統学の用語で本明細書に定義され得る。同様に、クレード2ウイルスは、クレード0、1および3〜9のいずれかからの任意のコード配列(配列番号:1、および3〜10)よりも、A/Indonesia/5/05株(配列番号:2)からのコード配列に、より密接に関連する赤血球凝集素コード配列を有する。他のクレードは、同様に系統学的に定義される−配列番号:1〜10の他の配列に関連するよりも、配列番号:1〜10由来の関連コード配列に、より密接に関連する赤血球凝集素コード配列を有する。
クレード1ウイルスは、配列番号:2〜10のいずれかよりも、A/HongKong/213/03株(配列番号:1)により大きな配列同一性を有する赤血球凝集素コード配列を有するインフルエンザA型ウイルスとして核酸配列用語で本明細書に定義され得る。他のクレードは、同様に定義される−配列番号:1〜10の他の配列よりも、配列番号:1〜10由来の関連コード配列に、より密接に関連する赤血球凝集素コード配列を有する。
H5ウイルスは、特徴的なHA突然変異[69]への言及によるアミノ酸配列の用語で特定のクレードとして本明細書に定義され得る。例えば、クレード3ウイルスは、以下のアミノ酸残基の1つ以上を有する場合があり、それはクレード1および2とは区別される:Asn−45;Ser−84;Asn−94;Asn−124;Leu−138;Ser−144;Glu−212;Ser−223;および/またはArg−325。クレード2ウイルスは、Asp−124を有することが可能であり、それは、クレード1と3では見られない。クレード1ウイルスは、クレード2および3と異なる以下のアミノ酸残基の1つ以上を有することが可能である:Ser−124;Leu−129。
クレード2の中では、少なくとも3つのサブクレードが認識されている:2.1、2.2および2.3。クレード2.1のH5ウイルスは、A/Anhui/1/2005株(配列番号:11)またはA/turkey/Turkey/1/05(配列番号:12)のどちらかよりも、A/Indonesia/5/05株(配列番号:2)に、より密接に関連している赤血球凝集素コード配列を有するとして系統学の用語で本明細書に定義され得る。同様に、クレード2.2のH5ウイルスは、A/Anhui/1/2005(配列番号:11)または、A/Indonesia/5/05株(配列番号:2)のどちらかよりも、A/turkey/Turkey/1/05株(配列番号:12)に、より密接に関連している赤血球凝集素コード配列を有するとして系統学の用語で本明細書に定義され得る。最後に、クレード2.3のH5ウイルスは、A/turkey/Turkey/1/05(配列番号:12)またはA/Indonesia/5/05株(配列番号:2)のどちらかよりも、A/Anhui/1/05株(配列番号:11)に、より密接に関連している赤血球凝集素コード配列を有するとして系統学の用語で本明細書に定義され得る。
いくつかの実施形態では、サブクレード2.2の株は、以下の配列の1つ以上を含むHAを有してもよい:Ile−223;Ile−230;Ile−517;ΔSer−133;配列REGRRRKRを有する切断部位(配列番号:13)。HA遺伝子は、1つ以上のヌクレオチドを含んでもよい:A−41;A−142;A−209;A−295;G−433;A−467;A−496;C−610;A−627;A−643;C−658;T−661;T−689;T−727;G−880;C−937;G−1006;T−1012;A−1019;T−1177;A−1235;T−1402;C−1415;T−1480;C−1510;T−1614;C−1615;A−1672;G−1708(そのいずれかは、関連コドンに対してコード化されたアミノ酸を変更する場合もあるし、そうでない場合もある)。NA遺伝子は、ヌクレオチドA−743を含むことがあり、それは関連コドンに対してコード化されたアミノ酸を変更しない。
有用なことに、4価の混合物において、本発明は3つの異なるインフルエンザA型ウイルス赤血球凝集素サブタイプ(例えば、H1、H3、H5)由来の抗原を含むが、3つより少ない数の異なるインフルエンザA型ウイルス・ノイラミニダーゼ・サブタイプを含む(例えば、N1とN2の2つ)。この配列(arrangement)は、共通のノイラミニダーゼサブタイプ(例えば、H1N1とH5N1)を共有する複数のインフルエンザA型ウイルス株を使うことから生じる。この共通のNサブタイプは、交差防御能(cross−protection)[70]を高めることができる。
医薬組成物
本発明のキットは、免疫原性医薬組成物(例えば、ワクチン)の即席の調製のために使用することができる。そのような組成物は、通常、インフルエンザ抗原の他に、成分を含む場合があり、例えば、それらの組成物は、典型的には、1つ以上の医薬担体(複数可)および/または賦形剤(複数可)を含む。そのような成分の徹底的な考察は、参考文献71において入手可能である。多くの実施形態では、アジュバントが含まれてもよい。
組成物は、投与時点では一般に水性形態である。
組成物は、チオメルサールまたは2−フェノキシエタノールなどの保存剤を含むことが可能である。好ましくは、ワクチンは実質的に水銀物質を含まない(例えば、<10μg/ml)ようにすべきであり、例えば、チオメルサールを含まないようにすべきである[14、72]。水銀を含まないワクチンがより好ましい。保存剤を含まないワクチンが、特に好ましい。コハク酸α−トコフェロールが、水銀化合物の代替品として含ませることができる[14]。抗原がキットの2つ以上の容器中に存在するときは、いくつかの実施形態では、これらの容器のそれぞれは、保存剤を含むが、他の実施形態においては、唯一の抗原を含む容器だけが保存剤を含む。アジュバントが抗原とは別の容器中にあるときは、そのアジュバントは、理想的に水銀を含まない。しかし、混合後では、保存剤の出所は、通常、明らかではない。
張度を制御するために、ナトリウム塩などの生理的な塩を含有することが好ましい。塩化ナトリウム(NaCl)が好ましく、塩化ナトリウムは、1mg/mlと20mg/mlとの間で存在し得る。存在し得る他の塩としては、塩化カリウム、リン酸2水素カリウム、リン酸水素2ナトリウム、および/または塩化マグネシウムなどが挙げられる。アジュバントが抗原とは別の容器にあるときは、塩化ナトリウムが両方の容器中にあってもよい。
組成物は、200mOsm/kgと400mOsm/kgとの間、好ましくは240〜360mOsm/kgの間の重量オスモル濃度を有し、より好ましくは290〜310mOsm/kgの範囲内にあってよい。
組成物は、1つ以上の緩衝剤を含有し得る。代表的な緩衝剤としては、以下が挙げられる:リン酸緩衝剤;Tris緩衝剤;ホウ酸緩衝剤;コハク酸緩衝剤;ヒスチジン緩衝剤(特に水酸化アルミニウムアジュバントとともに);またはクエン酸緩衝剤。緩衝剤は、一般に5〜20mMの範囲で含有される。アジュバントが抗原とは別の容器にあるときは、緩衝剤が両方の容器中にあってもよい。
組成物のpHは、一般に、5.0と8.1との間、より代表的には6.0と8.0との間、例えば、6.5と7.5との間、または7.0と7.8との間である。したがって、本発明の方法は、包装前にバルクワクチンのpHを調整するステップを包含し得る。
組成物は、好ましくは、無菌である。組成物は、好ましくは、非発熱性であり、例えば、1用量あたり、<1EU(エンドトキシン単位、標準的な尺度)、好ましくは1用量あたり、<0.1EUを含む。上記組成物は、好ましくは、グルテンを含まない。
本発明の組成物は、洗浄剤を含んでもよく、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(「Tween」として公知)、オクトキシノール(例えば、オクトキシノール−9(Triton X−100)またはt−オクチルフェノキシポリエトキシエタノールなど)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(「CTAB」)、またはデオキシコール酸ナトリウムなどを、特にスプリット抗原ワクチンまたは表面抗原ワクチンのために含んでもよい。洗浄剤は、痕跡量で存在していてもよい。したがって、ワクチンは、オクトキシノール−10およびポリソルベート80の各々を1mg/ml未満含んでもよい。その他の痕跡量の残余成分は、抗生物質(例えば、ネオマイシン、カナマイシン、ポリミキシンB)であってもよい。アジュバントが抗原とは別の容器中にあるときは、この洗浄剤は、通常、抗原含有容器(例えば、ポリソルベート80とオクトキシノール10と共になった抗原)中に存在する。
組成物は、単一の免疫化のための材料を含んでも、複数の免疫化のための材料を含んでもよい(すなわち「複数回用量」キット)。保存剤を含むことが、複数回用量の配置(arrangement)において好ましい。複数回用量組成物中に保存剤を含ませることの代替(またはそれに加えるもの)として、組成物は材料の取出しのための無菌アダプターを有する容器内に含有されてもよい。
インフルエンザワクチンは、典型的には約0.5mlの用量容積で投与されるが、子供には半分の用量(すなわち約0.25ml)が投与され得る。本発明のいくつかの実施形態では、組成物は、高用量で、例えば、0.5ml容積を2つ混合した後に、例えば、約1mlを投与することが可能である。
組成物およびキットは、好ましくは、2℃と8℃との間に保存される。それらは凍結されるべきではない。それらに直接光が当らないようにされることが理想的である。
アジュバント
使用の際には、本発明の組成物は、アジュバントを有利に含むことが可能であり、それは、組成物を受ける患者で誘発される免疫応答(体液性および/または細胞性の)を高めるために機能することができる。水中油型エマルジョンアジュバント(特にスクアレンを含むアジュバント)の存在は、季節性インフルエンザワクチン[73]および汎流行性インフルエンザワクチン[74、75]に対する免疫応答の株の交差反応性を高めることが示された。
エマルジョンアジュバントは、3価の季節性キット成分、1価の汎流行性キット成分と共に、または別々のキット成分として含まれてもよい。
本発明で使用するための水中油型エマルジョンは、典型的には、少なくとも1つの油と少なくとも1つの界面活性剤とを含み、その油(複数可)および界面活性剤(複数可)は生分解性(代謝性)であり、かつ生体適合性である。エマルジョン中の油の小滴は、一般的に直径が5μm未満であり、直径がミクロン以下となってもよく、こうした小さいサイズは、安定なエマルジョンを提供するためのマイクロフルイダイザーによって得られる。220nm未満のサイズの小滴は、フィルタ滅菌できるために好ましい。
本発明は、油、例えば、動物(魚など)または植物供給源からの油を使用することができる。植物油の供給源は、堅果、種子および穀物を含む。ピーナッツ油、大豆油、ココナッツ油、およびオリーブ油は、最も一般的に入手可能な堅果油の例示である。例えば、ホホバ豆から得られるホホバ油を用いることができる。種子油は、ベニバナ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油などを含む。穀物群のうちでは、トウモロコシ油が最も容易に入手可能であるが、他の穀類、例えば、小麦、オート麦、ライ麦、米、テフ、ライコムギなどの油が使用されてもよい。グリセリンと1,2−プロパンジオールとの6〜10炭素脂肪酸エステルは、種子油では天然に存在しないが、堅果油および種子油から出発する適切な材料の加水分解、分離およびエステル化によって調製することが可能である。哺乳動物の乳からの脂肪および油は代謝性であるため、本発明の実施において用いられてもよい。動物供給源から純粋な油を得るために必要な、分離、精製、ケン化およびその他の手段のための手順は、当該技術分野において周知である。ほとんどの魚は、容易に採取され得る代謝性の油を含有する。例えば、タラ肝油、サメ肝油、および鯨油(例えば、鯨ロウなど)は、本明細書において用いられ得る魚油のいくつかの例示である。多くの分岐鎖油は、5炭素イソプレン単位で生化学的に合成されて、一般的にテルペノイドと呼ばれる。サメ肝油は、スクアレン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチル−2,6,10,14,18,22−テトラコサヘキサエンとして公知の分岐鎖不飽和テルペノイドを含有する。スクアレンの飽和類似体であるスクアランもまた、使用することができる。スクアレンおよびスクアランを含む魚油は、商業的供給源から容易に入手可能であるし、当該技術分野において公知の方法によって得られてもよい。好ましいのはスクアレンである。
その他の有用な油は、トコフェロールであり、それは、高齢患者(例えば、60才以上)で使用するためのワクチンに有利に含まれるが、その理由は、ビタミンEはこの患者群での免疫応答に陽性の効果を有することが報告されているからである[76]。それらは、また、エマルジョンを安定化させる助けとなり得る抗酸化特性を有する[77]。いろいろなトコフェロール(α、β、γ、δ、εまたはξ)が存在するが、α型が通常使われる。好ましいα−トコフェロールは、DL−α−トコフェロールである。コハク酸α−トコフェロールは、インフルエンザワクチンと適合性であり、水銀化合物の代替品として有用な保存剤であることが知られている[14]。
例えば、スクアレンとα−トコフェロールの油の混合物を使用することができる。2〜20%(容積)の範囲の油の含量が一般的である。
界面活性剤は、その「HLB」(親水性−親油性バランス)によって分類できる。本発明の好ましい界面活性剤は、少なくとも10、好ましくは少なくとも15、より好ましくは少なくとも16のHLBを有する。本発明は、以下を含むがそれらに限定されない界面活性剤とともに用いることができる:ポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(通常はTweenと呼ばれる)、特にポリソルベート20およびポリソルベート80;酸化エチレン(EO)、酸化プロピレン(PO)、および/または酸化ブチレン(BO)のコポリマー、DOWFAXTMの商品名で販売される、例えば、直鎖EO/POブロックコポリマーなど;オクトキシノール、反復するエトキシ(オキシ−1,2−エタンジイル)基の数が変動可能であり、オクトキシノール−9(Triton X−100、またはt−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)は特に興味深い;(オクチルフェノキシ)ポリエトキシエタノール(IGEPAL CA−630/NP−40);リン脂質、例えば、ホスファチジルコリン(レシチン)など;ノニルフェノールエトキシレート、例えば、TergitolTMNPシリーズなど;ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、およびオレイルアルコールに由来するポリオキシエチレン脂肪エーテル(Brij界面活性剤として公知)、例えば、トリエチレングリコールモノラウリルエーテル(Brij30)など;ならびにソルビタンエステル(通常SPANとして公知)、例えば、ソルビタントリオレエート(Span85)およびソルビタンモノラウレートなど。非イオン性界面活性剤が好ましい。エマルジョンに含ませるための最も好ましい界面活性剤は、ポリソルベート80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート;Tween80)である。
界面活性剤の混合物、例えば、Tween80/Span85混合物などを用いることができる。ポリオキシエチレンソルビタンエステルとオクトキシノールの組み合わせもまた、適切である。別の有用な組み合わせは、ラウレス9と、ポリオキシエチレンソルビタンエステルおよび/またはオクトキシノールとを含む。
界面活性剤の好ましい量(重量%)は次のとおりである:ポリオキシエチレンソルビタンエステル(例えば、Tween80など)が0.01〜1%、特に約0.1%;オクチル−またはノニルフェノキシポリオキシエタノール(例えば、Triton X−100、またはTritonシリーズの他の洗浄剤など)が0.001〜0.1%、特に0.005〜0.02%;ポリオキシエチレンエーテル(ラウレス9など)が0.1〜20%、好ましくは0.1〜10%、特に0.1〜1%または約0.5%。
スクアレン含有水中油型エマルジョン、特にポリソルベート80を含むものが好ましい。本発明で有用な特定の水中油型エマルジョンアジュバントは、以下のものを含むが、それらに限定されない:
・スクアレン、ポリソルベート80、およびソルビタントリオレエートのサブミクロンエマルジョン。容積でのエマルジョンの組成は、約5%のスクアレン、約0.5%のポリソルベート80、および約0.5%のSpan85とすることができる。重量でいうと、これらの比率は4.3%のスクアレン、0.5%のポリソルベート80、および0.48%のSpan85となる。このアジュバントは、「MF59」として公知[78〜80]であり、参考文献81の第10章および参考文献82の第12章に、より詳細に記載されている。MF59エマルジョンは、有利にはクエン酸イオン、例えば、10mMのクエン酸ナトリウム緩衝液を含む。
・スクアレン、トコフェロール、およびポリソルベート80のサブミクロンエマルジョン。これらのエマルジョンは、2〜10%のスクアレンと、2〜10%のトコフェロールと、0.3〜3%のポリソルベート80とを有してもよく、より安定なエマルジョンを提供できるように、スクアレン:トコフェロールの重量比は、≦1(例えば、0.90)であるのが好ましい。スクアレンおよびポリソルベート80は、約5:2の容積比または約11:5の重量比で存在してもよい。こうしたエマルジョンの1つは、Tween80をPBSに溶解して2%溶液を与え、次いでこの溶液90mlを混合物(5gのDL−α−トコフェロールと5mlのスクアレン)と混合し、次いで混合物をマイクロ流動化することによって作製できる。得られたエマルジョンは、サブミクロンの油小滴を有してもよく、例えば、その小滴の平均直径は100〜250nm、好ましくは約180nmであってもよい。エマルジョンは、また、3−デ−O−アシル化モノホスホリル脂質A(3d−MPL)を含んでもよい。この種の別の有用なエマルジョンは、ヒトの用量当たり、0.5〜10mgのスクアレン、0.5〜11mgのトコフェロール、および0.1〜4mgのポリソルベート80を含んでもよい[83]。
・スクアレン、トコフェロール、およびTriton洗浄剤(例えば、Triton X−100)のエマルジョン。このエマルジョンは、また、3d−MPLを含んでもよい(下記を参照)。このエマルジョンは、リン酸緩衝液を含有してもよい。
・ポリソルベート(例えば、ポリソルベート80)、Triton洗浄剤(例えば、Triton X−100)、およびトコフェロール(例えば、コハク酸α−トコフェロール)を含むエマルジョン。このエマルジョンは、これら3つの成分を約75:11:10の質量比(例えば、750μg/mlのポリソルベート80、110μg/mlのTriton X−100、および100μg/mlのコハク酸α−トコフェロール)で含んでもよく、これらの濃度には抗原由来のこれらの成分のどんな寄与も含まれるべきである。このエマルジョンは、また、スクアレンを含んでもよい。このエマルジョンは、また、3d−MPLを含んでもよい。水相はリン酸緩衝液を含んでもよい。
・スクアラン、ポリソルベート80、およびポロキサマー401(「PluronicTML121」)のエマルジョン。このエマルジョンは、pH7.4のリン酸緩衝食塩水において処方できる。このエマルジョンは、ムラミルジペプチドに対する有用な送達ビヒクルであり、「SAF−1」アジュバントにおいてスレオニル−MDPとともに用いられている[84](0.05〜1%のThr−MDP、5%のスクアラン、2.5%のPluronic L121および0.2%のポリソルベート80)。「AF」アジュバントのように、Thr−MDPなしで用いることもできる[85](5%のスクアラン、1.25%のPluronic L121および0.2%のポリソルベート80)。マイクロ流動化が好ましい。
・スクアレン、水性溶媒、ポリオキシエチレンアルキルエーテル親水性非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレン(12)セトステアリルエーテル)、および疎水性非イオン性界面活性剤(例えば、ソルビタンエステルまたはマンニドエステル、例えば、モノオレイン酸ソルビタンまたは「Span80」など)を含むエマルジョン。このエマルジョンは、好ましくは熱可逆性であり、および/または油小滴の少なくとも90%(容積で)が200nm未満のサイズである[86]。このエマルジョンは、さらに、以下のうち1つまたはそれ以上を含んでもよい:アルジトール;凍結防止剤(cryoprotective agent)(例えば、糖(例えば、ドデシルマルトシドおよび/またはスクロースなど));および/またはアルキルポリグリコシド。このエマルジョンは、TLR4アゴニスト[87]を含んでもよい。こうしたエマルジョンは凍結乾燥されてもよい。
・スクアレン、ポロキサマー105、およびAbil−Care[88]のエマルジョン。アジュバントワクチンにおけるこれらの成分の最終濃度(重量)は、5%のスクアレン、4%のポロキサマー105(プルロニックポリオール)、および2%のAbil−Care85(Bis−PEG/PPG−16/16 PEG/PPG−16/16ジメチコン;カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド)である。
・0.5〜50%の油、0.1〜10%のリン脂質、および0.05〜5%の非イオン性界面活性剤を有するエマルジョン。参考文献89に記載されるとおり、好ましいリン脂質成分は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、スフィンゴミエリン、およびカルジオリピンである。サブミクロンの小滴サイズが有利である。
・非代謝性の油(例えば、軽油など)と、少なくとも1つの界面活性剤(例えば、レシチン、Tween80またはSpan80など)とのサブミクロンの水中油型エマルジョン。添加剤、例えば、QuilAサポニン、コレステロール、サポニン親油性結合体(例えば、参考文献90に記載されるGPI−0100など、これは脂肪族アミンをグルクロン酸のカルボキシル基を介してデスアシルサポニン(desacylsaponin)に加えることによって生成される)、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド、および/またはN,N−ジオクタデシル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)プロパンジアミンなどが含まれてもよい。
・サポニン(例えば、QuilAまたはQS21)およびステロール(例えば、コレステロール)が、らせん状のミセルとして会合しているエマルジョン[91]。
・鉱油、非イオン性親油性エトキシ化脂肪アルコール、および非イオン性親水性界面活性剤(例えば、エトキシ化脂肪アルコールおよび/またはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー)を含むエマルジョン[92]。
・鉱油、非イオン性親水性エトキシ化脂肪アルコール、および非イオン性親油性界面活性剤(例えば、エトキシ化脂肪アルコールおよび/またはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー)を含むエマルジョン[92]。
エマルジョンは、分離した形態にあるにせよ、あるいは、少なくとも1つの抗原と既に混合されているにせよ、送達の時に即座に別々の抗原含有成分と混合される。これらの2つの成分が液体の場合には、混合のための2つの液体の容積比は変動し得る(例えば、5:1〜1:5)が、一般的には約1:1である。
抗原とアジュバントとが混合された後、赤血球凝集素抗原は、一般的に水溶液中に残るが、油/水界面の周囲に分布し得る。一般的に、赤血球凝集素がエマルジョンの油相に入るとしてもごくわずかである。
キット成分の包装
本発明のキット成分に対する適切な容器は、バイアル、注射器(例えば、使い捨て注射器)などを含む。これらの容器は無菌であるべきである。容器は共に包装されて、例えば、同じボックス内にキットを形成することができる。
成分がバイアルに配置される場合、そのバイアルは、ガラス材料またはプラスチック材料から作製できる。バイアルは、好ましくは、組成物が添加される前に滅菌される。ラテックス過敏性の患者に伴う問題を避けるために、バイアルは好ましくはラテックスを含まないストッパーで密閉され、すべての包装材料にラテックスが存在しないことが好ましい。バイアルは、単回用量のワクチンを含んでもよいし、2回以上の用量、例えば10回用量を含んでもよい(「複数回用量」バイアル)。有用なバイアルは無色のガラスから作製される。ホウ珪酸ガラスが、ソーダ石灰ガラスよりも好ましい。バイアルは、ブチルゴム製のストッパーを有してもよい。
バイアルは、注射器がキャップに挿入できるように適合したキャップ(例えば、Luerロック)を有することができる。Vバイアルキャップは、シールまたはカバーの内側に位置することによって、キャップに接触する前にシールまたはカバーを除去する必要がある。バイアルは、特に複数回用量バイアルに関して、その内容物の無菌的な取り出しを可能にするキャップを有してもよい。
成分が注射器に包装されるとき、その注射器には針が取り付けられていてもよい。針が取り付けられていないときには、分離された針が組み立ておよび使用のために注射器とともに供給されてもよい。こうした針はシースで覆われていてもよい。注射器中のプランジャーは、吸引の際にプランジャーが誤って外れることを防ぐためのストッパーを有してもよい。注射器は、ラテックスゴムキャップおよび/またはプランジャーを有してもよい。使い捨て注射器は、単回用量のワクチンを含有する。注射器は、一般的に針の取付けの前に先端を密封するための先端キャップを有し、この先端キャップはブチルゴムでできていてもよい。注射器と針とが別々に包装されるとき、針はブチルゴムシールドを装着されていることが好ましい。有用な注射器は、商品名「Tip−Lok」TMの下で販売されている注射器である。
例えば、子供への送達を容易にするために、容器には半分の用量容積を示す印が付けられてもよい。例えば、0.5ml用量を含む注射器は、0.25mlの容積を示す印を有してもよい。
キットまたは組成物は、例えば、投与のための指示、ワクチン内の抗原の詳細などのワクチンの詳細を含むリーフレットとともに包装(例えば、同じ箱の中に)されてもよい。
患者の投与のために必要とされるより、多くの物質を含むことは、多成分の製品では普通であるので、物質の移動におけるどんな非効率性にもかかわらず、十分な最終的な用量容積が得られる。このように、個々の容器は、5〜20容積%の詰めすぎを含むことがある。
処置方法およびワクチン投与
混合後、本発明の組成物は、ヒト患者への投与に適しており、本発明は、患者において免疫応答を惹起する方法を提供し、それは本発明の混合組成物を患者に投与するステップを含む。
本発明は、また、患者において免疫応答を惹起する方法を提供し、それは、本発明のキットの容器(または注射器のチャンバー)の内容物を混合し、混合内容物を患者に投与するステップを含む。
本発明は、また、医薬として使用するための本発明のキットを提供する。
本発明は、また、患者において免疫応答を惹起するための医薬の生産におけるAとBの使用を提供し、ここに、上で定義されたように、Aが第1容器の内容物であり、Bが第2容器の内容物である。その使用は、また、Cの使用を含み得、ここで、上で定義されたように、Cは第3容器の内容物である。
これらの方法および使用は、抗体応答、好ましくは防御性の抗体応答を生じさせるために一般に用いられる。インフルエンザウイルスワクチン接種後の抗体応答、中和能力および防御を評価するための方法は、当該技術分野において周知である。ヒトにおける研究から、ヒトインフルエンザウイルスの赤血球凝集素に対する抗体力価は、防御と相関する(約30〜40の血清サンプル赤血球凝集阻害力価は、同種ウイルスによる感染から約50%の防御を与える)ことが示されている[93]。抗体応答は、典型的に、赤血球凝集阻害、マイクロ中和(microneutralisation)、一元放射免疫拡散(SRID)、および/または一元放射溶血(single−radial haemolysis)(SRH)によって測定される。これらのアッセイ技術は当該技術分野において周知である。
本発明の組成物は、種々の方法で投与できる。最も好ましい免疫経路は、筋肉内注射(例えば、腕または脚への)であるが、他の利用可能な経路には、皮下注射、鼻腔内[94〜96]、経口[97]、口腔、舌下、皮内[98,99]、経皮(transcutaneous)、経皮(transdermal)[100]などが挙げられる。
本発明に従って調製されたワクチンは、子供および成人の両方を処置するために使用され得る。現在、インフルエンザワクチンは、生後6カ月からの小児および成人の免疫化における使用が推奨されている。したがって、患者は1歳未満、1〜5歳、5〜15歳、15〜55歳、または少なくとも55歳であってもよい。このワクチンを受けることが好ましい患者は、高齢者(例えば、≧50歳、≧60歳、および好ましくは≧65歳)、低年齢者(例えば、≦5歳)、入院患者、医療従事者、軍事関係者および軍人、妊婦、慢性疾患患者、免疫不全患者、ワクチンを受ける前の7日以内に抗ウイルス化合物(例えば、オセルタミビルまたはザナミビル化合物;下記を参照)を服用した患者、卵アレルギーの人、および海外旅行者である。しかし、このワクチンは、これらの群に対してのみ適しているわけではないが、集団においてより一般的には使用され得る。
本発明の好ましい組成物は、効能についてのCHMP基準のうちの1つ、2つまたは3つを満たす。成人(18〜60歳)では、その基準は以下のとおりである:(1)≧70%の血清防御(seroprotection);(2)≧40%のセロコンバージョン;および/または(3)≧2.5倍のGMT増加。高齢者(>60歳)においては、その基準は以下のとおりである:(1)≧60%の血清防御;(2)≧30%のセロコンバージョン;および/または(3)≧2倍のGMTの増加。これらの基準は、少なくとも50人の患者による非盲検試験(open label study)に基づいている。
処置は、単回用量計画または複数回用量計画によるものであってもよい。複数回用量は、一次免疫化計画および/またはブースター免疫化計画において用いられてもよい。複数回用量計画においては、さまざまな用量が同じ経路または異なる経路によって与えられてもよく、例えば、非経口の初回免疫および粘膜の追加免疫、粘膜の初回免疫および非経口の追加免疫などであってもよい。2回以上の用量(典型的には2用量)の投与は、免疫学的に未経験の患者において、例えば、過去にインフルエンザワクチンを受けたことがない人に対して、または新たなHAサブタイプに対するワクチンに対して、特に有用である。複数回用量は、典型的には、少なくとも1週間間隔を空けて(例えば、約2週間、約3週間、約4週間、約6週間、約8週間、約12週間、約16週間など)投与される。
典型的な免疫化計画では、本発明の組成物(それは、A−H3、A−Hl、A−H5およびBを含む少なくとも4つのインフルエンザ株を含む)を受ける前に、患者は少なくとも1つの3価の季節性インフルエンザワクチン(A−H3、A−HlおよびB抗原を含む)と、別に少なくとも1つの汎流行性インフルエンザワクチン(一般的に1価のA−H5ワクチン)を受けるであろう。4価のワクチンは、これらの免疫応答の両方を高めるのに用いられてもよい。このように、患者は、A−H3、A−Hl、BおよびA−H5赤血球凝集素の各々に対する抗体を分泌するプラスマ細胞に分化することができる記憶B細胞をすでに保持しているかもしれない。A−H5ワクチンの少なくとも2つの先の投与が一般的にあったことになる。
本発明は、インフルエンザウイルスの4種の株(H1N1インフルエンザA型ウイルス株、H3N2インフルエンザA型ウイルス株、汎流行性インフルエンザウイルス(例えば、H5N1インフルエンザA型ウイルス株など)、およびインフルエンザB型ウイルス株)に対して患者において免疫応答を惹起するための方法を提供し、該方法は、(i)H1N1インフルエンザA型ウイルス、H3N2インフルエンザA型ウイルス、およびインフルエンザB型ウイルス由来の抗原を含む第1のインフルエンザウイルスワクチンを投与するステップ;(ii)H5N1インフルエンザA型ウイルスなどの汎流行性インフルエンザウイルス由来の抗原を含む第2のインフルエンザウイルスワクチンを投与するステップ;そして、(iii)H1N1インフルエンザA型ウイルス、H3N2インフルエンザA型ウイルス、汎流行性インフルエンザウイルス、およびインフルエンザB型ウイルス由来の抗原を含む第3のインフルエンザウイルスワクチンを投与するステップを含み、ここで、ステップ(i)と(ii)が、(a)同時に、または(b)いずれかの順序で連続的に、しかし、ステップ(iii)の前に実施され得る。また、本発明は、この方法で使用するための第1ワクチンと第2ワクチンを提供する。第1ワクチンは、典型的には、3価であり、第2ワクチンは、1価であり、第3ワクチンは、4価となるであろう。
本発明は、また、患者において免疫応答を惹起する(例えば、追加免疫)方法を提供し、該方法は、H1N1インフルエンザA型ウイルス、H3N2インフルエンザA型ウイルス、汎流行性インフルエンザウイルス(例えば、H5N1などのH5インフルエンザA型ウイルス)、およびインフルエンザB型ウイルス由来の抗原を含むインフルエンザウイルスワクチンを患者に投与することを含み、ここで、患者が、(a)H1N1インフルエンザA型ウイルス、H3N2インフルエンザA型ウイルス、およびインフルエンザB型ウイルス由来の抗原を含むインフルエンザウイルスワクチン(例えば、3価)と(b)汎流行性インフルエンザウイルス由来の抗原を含むインフルエンザウイルスワクチン(例えば、1価)との両方を以前に別々に受けている。
本発明は、また、患者において免疫応答を惹起する(例えば、追加免疫)方法を提供し、該方法は、H1N1インフルエンザA型ウイルス、H3N2インフルエンザA型ウイルス、汎流行性インフルエンザウイルス(例えば、H5N1などのH5インフルエンザA型ウイルス)、およびインフルエンザB型ウイルス由来の抗原を含むインフルエンザウイルスワクチンを患者に投与し、次いで、その後、(a)H1N1インフルエンザA型ウイルス、H3N2インフルエンザA型ウイルス、およびインフルエンザB型ウイルス由来の抗原を含むインフルエンザウイルスワクチン(例えば、3価)と(b)汎流行性インフルエンザウイルス由来の抗原を含むインフルエンザウイルスワクチン(例えば、1価)とを別々に投与することを含む。
本発明によって生産されるワクチンは、他のワクチンと実質的に同時に(例えば、同じ医学的診察、または医療専門家もしくはワクチン接種センターへの訪問の際に)患者に投与されてもよく、例えば、麻疹ワクチン、耳下腺炎ワクチン、風疹ワクチン、MMRワクチン、水痘ワクチン、MMRVワクチン、ジフテリアワクチン、破傷風ワクチン、百日咳ワクチン、DTPワクチン、複合H.influenzae b型ワクチン、不活化ポリオウイルスワクチン、B型肝炎ウイルスワクチン、髄膜炎菌複合ワクチン(例えば、4価のA−C−W135−Yワクチンなど)、呼吸器系合胞体ウイルスワクチン、肺炎球菌複合ワクチンなどと実質的に同時に投与されてもよい。肺炎球菌ワクチンおよび/または髄膜炎菌ワクチンと実質的に同時に投与することは、高齢の患者において特に有用である。
同様に、本発明のワクチンは、抗ウイルス化合物、特にインフルエンザウイルスに対して活性の抗ウイルス化合物(例えば、オセルタミビルおよび/またはザナミビル)と実質的に同時に(例えば、同じ医学的診察、または医療専門家への訪問の際に)患者に投与されてもよい。これらの抗ウイルス物質は、ノイラミニダーゼ阻害剤、例えば、(3R,4R,5S)−4−アセチルアミノ−5−アミノ−3(1−エチルプロポキシ)−1−シクロヘキセン−1−カルボン酸または5−(アセチルアミノ)−4−[(アミノイミノメチル)−アミノ]−2,6−アンヒドロ−3,4,5−トリデオキシ−D−グリセロ−D−ガラクトノン−2−エノン酸などを含み、それらのエステル(例えば、エチルエステル)および塩(例えば、リン酸塩)も含まれる。好ましい抗ウイルス物質は、(3R,4R,5S)−4−アセチルアミノ−5−アミノ−3(1−エチルプロポキシ)−1−シクロヘキセン−1−カルボン酸、エチルエステル、リン酸塩(1:1)であり、これはリン酸オセルタミビル(TAMIFLUTM)としても公知である。
第1および第2容器の特定の実施形態
いくつかの例では、第1容器(または注射器のチャンバー)は、インフルエンザA型ウイルスとインフルエンザB型ウイルスのH1N1とH3N2株由来の抗原を有する3価のインフルエンザワクチンを含み、第2容器(または注射器のチャンバー)は、インフルエンザA型ウイルス(例えば、NIBRG−14などのA/VietNam/1194/2004株、またはNIBRG−23などのA/turkey/Turkey/1/05株)のH5N1株由来の抗原を有する1価のインフルエンザワクチンを含む。
1つの実施形態では、3価のワクチンは、卵またはMDCK細胞上で生育させられたウイルスから調製された精製表面抗原ワクチンであり、そして、1価のワクチンも、卵またはMDCK細胞上で生育させられたウイルスから調製された精製表面抗原ワクチンである。3価のワクチンは、アジュバントを含まないが、1価のワクチンは、水中スクアレン型エマルジョンでアジュバント化されている。3価のワクチンは、1株当たり15μgのHAを含むが、1価のワクチンは7.5μgのHAを含む。ヒトの用量は、3価ワクチンと1価ワクチンの用量を、例えば、1:1の容積比で混合して、例えば、1mlの投薬量を与えることによって作製される。
1価のワクチンは、0.25mlのエマルジョン(2×強度で)を0.25mlのバルク抗原と混合して、例えば、FLUADTMに類似するが、しかし、H5Nl株の1/2抗原用量の所望の最終濃度を与えることにより作製される。
別の実施形態では、3価のワクチンは、卵上で生育させられたウイルスから調製された不活化ワクチン(典型的には、スプリットワクチン)であり、1価のワクチンは、卵上で生育させられたウイルスから調製されたスプリットワクチンである。3価のワクチンは、アジュバントを含まず、そして1価のワクチンは、さらにアジュバントを含むが、両方のワクチンは、別々の水中スクアレン型エマルジョンと共に供給される。3価のワクチンは、1用量当たり1株につき15μgのHAを含むが、1価のワクチンは、1用量当たり3.75μgのHAを含む。したがって、4価の混合生成物は、1用量当たり、H1N1、H3N2およびB型ウイルスの各々に対して15μgのHAと、H5N1型ウイルスに対して3.75μgのHAとを含む。1価の容器の抗原濃度は、15μg/mlとすることができる。1価のワクチンは、チメロサール(例えば、20μg/mlまたは10μg/ml)を含んでもよい。エマルジョンは、スクアレン、DL−α−トコフェロールおよびポリソルベート80を、それぞれ2.2:2.45:1の重量比で、例えば、1068:1186:485で含む。ヒトの用量は、3価ワクチンと1価ワクチンの用量とエマルジョンを、例えば、0.5mlの3価ワクチン、0.25mlの1価ワクチンおよび0.25mlのエマルジョンを混合することにより作製される。
レジメン
本発明は、また、4価のインフルエンザワクチンの投与のためのレジメンを提供し、そこでは、患者は6ヵ月〜18ヵ月の間隔をあけられた4価のワクチンの2用量を受ける。4価のワクチンは、上で示したように即座に調製されるか、あるいはあらかじめ混合されてもよい(例えば、製造者により4価混合ワクチンとして分配される)。
したがって、本発明は、(a)第1の4価インフルエンザワクチンをヒトに投与し、180〜540日後に、(b)第2の4価インフルエンザワクチンを同じヒトに投与するステップを含む、ヒトを免疫するための方法を提供する。
本発明は、また、この方法によってヒトを免疫する際に使用するための、第1および第2の4価インフルエンザワクチンを提供する。
本発明は、また、ヒトを免疫する際に使用するための医薬の製造における第1および第2の4価インフルエンザワクチンの使用を提供し、そこでは、第1ワクチンと第2ワクチンは、180〜540日の間隔をあけて同一のヒトに投与される。
本発明は、また、180〜540日後に第2の4価インフルエンザワクチンを受けるヒトをあらかじめ免疫するための医薬の製造における第1の4価インフルエンザワクチンの使用を提供する。
本発明は、また、ヒトを免疫するための医薬の製造における第2の4価インフルエンザワクチンの使用を提供し、そこでは、ヒトは、第1ワクチンを受けるよりも180〜540日早く第1の4価インフルエンザワクチンを受けている。
第1の4価ワクチンは、以下からの免疫原を一般的に含む:(i)H1N1インフルエンザA型ウイルス株;(ii)H3N2インフルエンザA型ウイルス株;(iii)H5N1インフルエンザA型ウイルス株;ならびに(iv)インフルエンザB型ウイルス株。第2の4価ワクチンもまた、一般的に以下からの免疫原を含む:(i)H1N1インフルエンザA型ウイルス株;(ii)H3N2インフルエンザA型ウイルス株;(iii)H5N1インフルエンザA型ウイルス株;ならびに(iv)インフルエンザB型ウイルス株。第1および第2のワクチンは同じであってもよいが、一般的には、それらは、少なくとも1つの株が異なり、例えば、それらは異なるA/H1N1株および/または異なるA/H3N2株および/または異なるA/H5N1株および/または異なるB型株由来の赤血球凝集素を含んでもよい。したがって、いくつかの実施形態では、唯一の赤血球凝集素が、第1の4価ワクチンと第2の4価ワクチンで同一である。いくつかの実施形態では、2つの赤血球凝集素だけが、第1の4価ワクチンと第2の4価ワクチンで同一である。いくつかの実施形態では、3つの赤血球凝集素だけが、第1の4価ワクチンと第2の4価ワクチンで同一である。それほど典型的でない実施形態では、全4つの赤血球凝集素は、第1の4価ワクチンと第2の4価ワクチンで同一である。
H5N1インフルエンザA型ウイルスからの免疫原を含む代わりに、第1および第2のワクチンは、別の非H1と非H3インフルエンザA型サブタイプ;例えば、H2、H5(しかし、H5N1でない)、H7またはH9インフルエンザA型ウイルス(例えば、H5N3、H9N2、H2N2、H7N1またはH7N7株)からの免疫原を含んでもよい。
第1および第2の4価のワクチンは、通常同じタイプである。すなわち、両方とも生ウイルスワクチンであり、両方とも全ビリオンワクチンであるが、スプリット・ビリオン・ワクチンであり、両方とも精製された表面抗原ワクチンであるか、あるいは両方ともビロソームワクチンである。通常、第1および第2ワクチンは、両方とも不活化されるであろう。
第1および第2の4価のワクチンは、両方ともアジュバントを加えてもよい。適切なアジュバントは、上記されている。いくつかの実施形態では、しかし、第1のワクチンだけにアジュバントが添加されている。それほど典型的でない他の実施形態では、両方ともアジュバントを含まない。
2つのワクチンは、一般的に、連続したインフルエンザの季節に、例えば、10〜14カ月離れて(例えば、11カ月、12カ月または13カ月離れて)与えられる。
一般
「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」および「からなる(consisting)」を包含し、例えば、Xを「含む」組成物は、Xのみからなっていてもよいし、例えば、X+Yなど、何か付加的なものを含んでいてもよい。
「実質的に」という語は、「完全に」を排除するものではなく、例えば、Yを「実質的に含まない」組成物は、Yを完全に含まなくてもよい。必要なときには、「実質的に」という語を本発明の定義から削除してもよい。
数値xに関係する「約」という用語は、自由選択であり、例えば、x±10%を意味する。
特定的に述べられていない限り、2つ以上の成分を混合するステップを含む方法は、混合のいかなる特定の順序も必要としない。よって複数の成分はあらゆる順序で混合され得る。3つの成分があるときには、2つの成分を互いに組み合わせることができ、次いでその組み合わせを第3の成分と組み合わせるなどしてもよい。
細胞の培養において動物(特にウシ)の材料が用いられるときには、その材料は、伝播性海綿状脳症(TSE)を含まない、特にウシ海綿状脳症(BSE)を含まない供給源から得られるべきである。全体的には、動物由来の材料がまったく存在しない条件下で細胞を培養することが好ましい。
ある化合物が組成物の一部として体内に投与されるとき、その化合物は代替的に適切なプロドラッグによって置換されてもよい。
細胞培養基が、遺伝子再集合もしくは逆遺伝学手順のために、または、ウイルス成長のために使われる場合、それは、例えば、Ph Eurの一般条項5.2.3のように、ヒトのワクチン製造で使用するために承認されたものが好ましい。
図面の簡単な説明
図面はない。
発明を実施するための様式
季節性インフルエンザワクチンは、A/H1N1、A/H3N2およびB株からの精製表面糖タンパク質を含んで調製された。抗原濃度は、1ml当たり1株につき30μg のHAであり、それは15μg/株/用量を与えた。
プレ汎流行性ワクチンは、インフルエンザA型ウイルスのH5N1株(クレード1)由来の精製表面糖タンパク質に基づいて調製された。最終的な抗原濃度は、1ml当たり15μgのHAであり、7.5μg/用量を与えた。2×強度でのバルク抗原は、1:1の容積比でMF59の水中油型エマルジョンアジュバント(2×強度)と混合して最終的なワクチン(1×強度)を与えた。
これらの2つのワクチンの各々の0.5mlを使用時に混合し、組み合わせとして患者に1mlの全容積で投与した。比較のために、他の患者は、異なる腕に別々に2つのワクチンを受ける。2つの対照群は、季節性ワクチンまたはプレ汎流行性ワクチンのいずれかを受けた。
合計405人の健康な成人(18〜40歳)は、8つの処置群(49〜52人の対象/群)に等しくランダム化された。1日目に、3つの群は、プレ汎流行性ワクチンを1つの腕に、そして季節性ワクチンを同時に他方の腕に受けた(「conc」群)。そして、3つの他の群は、プレ汎流行性ワクチンと季節性ワクチンの即席混合物を受けた(「mix」群)。22日目に、「conc」群および「mix」群からの群は、プレ汎流行性ワクチンのみを受けるか、混合ワクチンを受けるか、またはワクチンを受けなかった。2つの交差対照群は、1日目にプレ汎流行性ワクチンまたは季節性ワクチンを受けたが、22日目に他のワクチンを受けるために切り替えられた。
抗体は1日目、22日目、および43日目に赤血球凝集反応(HI)、マイクロ中和(MN)および一元放射溶血(SRH)によって評価された。結果は、季節性ワクチン(CPMP/BWP/214/96)の評価のためのCHMP基準に関連して解釈された。
ベースライン特性は、一般に、過去にインフルエンザワクチン接種を受けた対象の割合(全体平均:15%)を除いて、試験群の間で類似していた。HI分析では、ワクチンの免疫学的有効性の全3つのCHMP基準は、季節性ワクチンを受けた7つの群で、全3つの季節性株のための最初のワクチン接種の後に満たされた。H5N1株に対するSRHアッセイ結果は、季節性ワクチンを共投与するのに用いられる方法にかかわらず、プレ汎流行性ワクチンの2用量を受けた4つの試験群で2回目のワクチン接種の後、すべてのCHMP基準を満たした。匹敵する結果は、MN H5N1アッセイに関して観測された。
季節性インフルエンザワクチンと組み合わせて投与されるとき、アジュバント添加のH5N1プレ汎流行性ワクチンは、免疫原性であり、良好に許容される。季節性ワクチンが単独で、プレ汎流行性ワクチンと同時に、あるいはプレ汎流行性ワクチンと混合して投与されたかどうかにかかわらず、季節性インフルエンザウイルス株への免疫応答は類似している。
別の研究では、18〜40歳の99人の健康な成人は、より大規模な試験の一部として、季節性ワクチン(2007年の季節)の1用量の3週間前または3週間後のいずれかにプレ汎流行性ワクチンの1用量を受けた。ブースターH5N1用量が、季節性ワクチン(2008年の季節)と混合された異なる株(クレード2)由来の抗原を用いて、1年後に与えられた。両方のH5株に対する抗体は、HI、MNおよびSRHによる交差反応性を評価するために、1週間後、2週間後、および3週間後に測定されてセロコンバージョン(SC)と血清防御(≧40、SP)を評価した。
単回投与の初回免疫後、プレ汎流行性ワクチンは、ワクチン接種後3週間で同種ウイルスおよび異種ウイルスに対する類似したSC(>40%)およびSP(>40%)の割合を与えた。異種追加免疫は、既往免疫反応をもたらし、1週間以内に顕在化し、対象の90%超で免疫記憶を示し、そして、完全な2用量の同種初回免疫後に見られるものに等しいSCとSPの割合となる。SCとSPのCHMP基準は、同種および異種の両方の株について満たされ、そして越えた。
したがって、プレ汎流行性ワクチンの単回投与(single shot)は、免疫記憶を初回免疫するのに十分であり、それは少なくとも1年間、持続する。さらにまた、異種追加免疫は、既往免疫反応をもたらし、これは認可のCHMP基準を超えている。したがって、H5N1の異種株を、単回のプレ汎流行性初回免疫用量の1年後に追加免疫として季節性ワクチンと組み合わせて使用できる。
本発明は、例示としてのみ記述されており、改変が、本発明の範囲と精神の内に維持されながら、なされ得ることが理解されるであろう。
参考文献(これらの内容は、参考として本明細書に援用される)
Figure 2011522874
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Claims (22)

  1. (i)H1N1インフルエンザA型ウイルス株、H3N2インフルエンザA型ウイルス株、およびインフルエンザB型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第1容器;ならびに(ii)H5N1インフルエンザA型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第2容器、を含むキットであって、該第1容器中のH1N1、H3N2、およびB型抗原の各々の濃度が、25〜35μg/ml(赤血球凝集素)の範囲にあることを特徴とする、キット。
  2. 前記第2容器中のH5N1抗原の濃度が、5〜20μg/ml(赤血球凝集素)の範囲、例えば、10〜20μg/ml(赤血球凝集素)の範囲にある、請求項1に記載のキット。
  3. (i)H1N1インフルエンザA型ウイルス株、H3N2インフルエンザA型ウイルス株、およびインフルエンザB型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第1容器;ならびに(ii)H5N1インフルエンザA型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第2容器、を含むキットであって、該第2容器中のH5N1赤血球凝集素抗原の濃度が、5〜20μg/mlであることを特徴とする、キット。
  4. (i)H1N1インフルエンザA型ウイルス株、H3N2インフルエンザA型ウイルス株、およびインフルエンザB型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第1容器;ならびに(ii)H5N1インフルエンザA型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第2容器、を含むキットであって、該第1容器と第2容器中の水性ワクチンの容積が、実質的に同じであり、それぞれ約0.4ml〜約0.6mlの範囲にあることを特徴とする、キット。
  5. (i)H1N1インフルエンザA型ウイルス株、H3N2インフルエンザA型ウイルス株、およびインフルエンザB型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第1容器;ならびに(ii)H5N1インフルエンザA型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第2容器、を含むキットであって、該第1容器中の水性ワクチンの容積が、該第2容器中の水性ワクチンの容積の実質的に2倍であることを特徴とする、キット。
  6. (i)H1N1インフルエンザA型ウイルス株、H3N2インフルエンザA型ウイルス株、およびインフルエンザB型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第1容器;ならびに(ii)H5N1インフルエンザA型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第2容器、を含むキットであって、該容器のそれぞれが、ホウケイ酸ガラス製バイアルであることを特徴とする、キット。
  7. (i)H1N1インフルエンザA型ウイルス株、H3N2インフルエンザA型ウイルス株、およびインフルエンザB型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第1容器;ならびに(ii)H5N1インフルエンザA型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第2容器、を含むキットであって、該H5N1インフルエンザA型ウイルス株が、クレード1、2または4に属することを特徴とする、キット。
  8. 前記H5N1インフルエンザA型ウイルス株が、クレード2.1、2.2または2.3に属する、請求項7に記載のキット。
  9. 前記第1容器がアジュバント無添加であるが、前記第2容器がアジュバントを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のキット。
  10. 第1容器および第2容器が、共にアジュバント無添加であるが、前記キットが、水中油型エマルジョンアジュバントを含む第3容器を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のキット。
  11. (i)H1N1インフルエンザA型ウイルス株、H3N2インフルエンザA型ウイルス株、H5N1インフルエンザA型ウイルス株、およびインフルエンザB型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第1容器;ならびに(ii)水中油型エマルジョンアジュバントを含む第2容器、を含むキット。
  12. (i)H1N1インフルエンザA型ウイルス株、H3N2インフルエンザA型ウイルス株、およびインフルエンザB型ウイルス株由来の抗原を含む凍結乾燥された不活化インフルエンザワクチンを含む第1容器;ならびに(ii)H5N1インフルエンザA型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む第2容器、を含むキット。
  13. 前記第2容器が、水中油型エマルジョンを含む、請求項12に記載のキット。
  14. (i)H1N1インフルエンザA型ウイルス株、H3N2インフルエンザA型ウイルス株、H5N1インフルエンザA型ウイルス株、インフルエンザB型ウイルス株由来の抗原を含む凍結乾燥された不活化インフルエンザワクチンを含む第1容器;ならびに(ii)水中油型エマルジョンアジュバントを含む第2容器、を含むキット。
  15. (i)第1のチャンバーが、H1N1インフルエンザA型ウイルス株、H3N2インフルエンザA型ウイルス株、およびインフルエンザB型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含み;ならびに(ii)第2のチャンバーが、H5N1インフルエンザA型ウイルス株由来の抗原を含む水性不活化インフルエンザワクチンを含む、複数の別々のチャンバーを含む注射器。
  16. 前記H1N1インフルエンザA型ウイルス株、前記H3N2インフルエンザA型ウイルス株、前記インフルエンザB型ウイルス株、および前記H5N1インフルエンザA型ウイルス株が、すべて卵中で生育させられる、請求項1〜15のいずれか1項に記載のキットまたは注射器。
  17. 前記H1N1インフルエンザA型ウイルス株、前記H3N2インフルエンザA型ウイルス株、前記インフルエンザB型ウイルス株、および前記H5N1インフルエンザA型ウイルス株が、すべて細胞培養物で生育させられる、請求項1〜15のいずれか1項に記載のキットまたは注射器。
  18. 前記容器が鳥類DNA、オボアルブミンおよびオボムコイドを含まない、請求項17に記載のキットまたは注射器。
  19. 前記H1N1インフルエンザA型ウイルス株、前記H3N2インフルエンザA型ウイルス株、および前記インフルエンザB型ウイルス株が、第1培養基中で生育させられ、前記H5N1インフルエンザA型ウイルス株が、第2培養基中で生育させられ、ここで、前記培養基の1つが卵であり、他方の培養基が細胞培養物である、請求項1〜15のいずれか1項に記載のキットまたは注射器。
  20. インフルエンザウイルスの4種の株(H1N1インフルエンザA型ウイルス株、H3N2インフルエンザA型ウイルス株、H5N1インフルエンザA型ウイルス株、およびインフルエンザB型ウイルス株)に対して患者において免疫応答を惹起するための方法であって、(i)H1N1インフルエンザA型ウイルス、H3N2インフルエンザA型ウイルス、およびインフルエンザB型ウイルス由来の抗原を含む第1のインフルエンザウイルスワクチンを投与するステップ;(ii)H5N1インフルエンザA型ウイルスなどのH5N1インフルエンザA型ウイルス由来の抗原を含む第2のインフルエンザウイルスワクチンを投与するステップ;ならびに(iii)H1N1インフルエンザA型ウイルス、H3N2インフルエンザA型ウイルス、H5N1インフルエンザA型ウイルス、およびインフルエンザB型ウイルス由来の抗原を含む第3のインフルエンザウイルスワクチンを投与するステップを含み、ここで、ステップ(i)と(ii)が、(a)同時に、または(b)いずれかの順序で連続的にだが、ステップ(iii)の前に実施されてもよい、方法。
  21. H1N1インフルエンザA型ウイルス、H3N2インフルエンザA型ウイルス、H5N1インフルエンザA型ウイルス、およびインフルエンザB型ウイルス由来の抗原を含むインフルエンザウイルスワクチンを患者に投与することを含む、患者において免疫応答を惹起するための方法であって、該患者が、以前に、(a)H1N1インフルエンザA型ウイルス、H3N2インフルエンザA型ウイルス、およびインフルエンザB型ウイルス由来の抗原を含む3価インフルエンザウイルスワクチンと(b)H5N1インフルエンザA型ウイルス由来の抗原を含む1価インフルエンザウイルスワクチンとの両方を別々に受けている、方法。
  22. H1N1インフルエンザA型ウイルス、H3N2インフルエンザA型ウイルス、H5N1インフルエンザA型ウイルス、およびインフルエンザB型ウイルス由来の抗原を含むインフルエンザウイルスワクチンを患者に投与し、次いで、その後、(a)H1N1インフルエンザA型ウイルス、H3N2インフルエンザA型ウイルス、およびインフルエンザB型ウイルス由来の抗原を含む3価インフルエンザウイルスワクチンと(b)H5N1インフルエンザA型ウイルス由来の抗原を含む1価インフルエンザウイルスワクチンとを別々に投与することを含む、患者において免疫応答を惹起するための方法。
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