JP2012241247A - 有価金属の回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】白金族などの有価金属を含有する使用済みブラスト材などのスクラップから有価金属を効率よく濃縮し回収できる有価金属の回収方法を提供する。
【解決手段】白金族元素を含有する粒状物を磁力選鉱によって回収する方法であって、前記粒状物を、磁力選鉱によって磁着物と非磁着物とに分離する分離工程と、分離工程において得られる非磁着物を、磁力選鉱によって磁着物と非磁着物とに分離する再分離工程と、備えている。分離工程において分離された非磁着物について、再分離工程において再度磁力選鉱を行うので、非磁着物として回収されない有価金属の割合を少なくすることができるので、有価金属の実収率を高くすることができる。また、分離工程で回収できなかった有価金属を含有する粒状物を再分離工程で回収できるので、分離工程では、回収率を抑えて処理効率を向上させることも可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、有価金属の回収方法に関する。さらに詳しくは、白金族元素の有価金属を含有するスクラップ等の被処理物から、白金族元素の有価金属を簡便にかつ効率良く回収することができる有価金属の回収方法に関する。
近年、電子機器類の分野において、回路設計や各種の電気・電子素子形成のために様々な薄膜が利用されており、かかる薄膜形成にはスパッタリング処理が多く用いられている。
スパッタリング処理によって薄膜形成する場合、以下のような方法で処理が行われる。
まず、スパッタリング処理装置内に、薄膜を形成する基材と白金族などの有価金属で作られたターゲット材とを対向するように配置する。この状態で、装置内を真空にして、ターゲット材にイオン粒子を照射して、イオン粒子をターゲット材の表面に衝突させる。すると、ターゲット材表面の原子・分子がターゲット材からはじき出される(蒸発する)ので、このはじき出された原子・分子(蒸着粒子)を基板表面に付着させれば、ターゲット材の素材からなる薄膜を基材表面に形成させることができる。
かかるスパッタリング処理に使用されるターゲット材は、使用初期における放電特性の安定化が重要であり、このためにはターゲット材の表面は高精度に平滑化する必要がある。このため、ターゲット材には、ショットブラストなどの方法によって、その表面の平均粗さを特定の範囲内に収める研磨処理が行われる。
また、スパッタリング処理を行った後の装置内は、飛散した蒸着粒子が装置内面などに付着して汚れた状態となる。このような汚れた装置では、異なるターゲット材を使用してスパッタリング処理を行った場合、装置内に付着している蒸着粒子が、基材表面に形成される薄膜に混入してしまう可能性がある。このため、スパッタリング処理を行った後の装置内は、ショットブラストなどの方法を利用して、装置内に付着した蒸着粒子を除去する洗浄処理が行なわれる。
ターゲット材の表面処理や装置内部の洗浄処理に使用されるショットブラストなどでは、ブラスト材と呼ばれる粒子を、ターゲット材の表面や装置内部に噴き付けて処理を行うのであるが、上述したような処理に使用した使用済みブラスト材には、処理によって除去された蒸着粒子が付着している。また、使用済みブラスト材を回収すると、ブラスト材中に蒸着粒子が混在することになる。つまり、上記処理を行うと、除去された蒸着粒子が混在した使用済みブラスト材が発生する。
ターゲット材の素材には、有価金属、特に高価な白金やルテニウムなどの白金族有価金属が使用されるので、電子部品や機器を生産する工場において多量に発生する使用済みブラスト材から有価金属を回収することが求められている。
有価金属を含有するスクラップから白金等の有価金属を回収する方法としては、スクラップを王水等の酸によって全て溶解し、その後、王水等から中和やセメンテーション等の方法によって有価金属を回収する方法が一般的である。
しかし、スクラップを溶解して中和やセメンテーション等の方法によって有価金属を浸出し回収しようとする場合、有価金属以外の材料(例えば、ブラスト材など)も溶解することになる。すると、有価金属の品位が低い場合、回収したい有価金属の単位量に対して溶解に必要な薬液量は多くなるため、非効率でコストがかかるという問題がある。
かかる問題を解決する技術として、特許文献1の技術が開発されている。
特許文献1の技術は、スパッタリング用白金及び白金含有ターゲット等の製造工程等において発生する砥粒、端材、切削屑、平研屑等のスクラップに混入する非磁性粉等を効率良く除去することを目的とする技術であり、非磁性粉を含む白金等の有価金属含有磁性スクラップを水溶液中で攪拌しながら白金等の有価金属含有磁性スクラップのみを磁石に吸着させ、有価金属含有磁性スクラップと非磁性粉とを分別するものである。
また、特許文献1には、液中で強い空気バブリングを行うことによって、スクラップ及び砥粒相互の衝突を生じさせれば、スクラップに付着又は突き刺さった砥粒を分離することができるので、有磁性スクラップへの砥粒の巻き込みを防止することができ、分別効果を上げることができる旨の記載もある。
しかるに、特許文献1の方法は、スクラップに砥粒が付着又は突き刺さった状態のように、空気バブリングなどのような物理的手段によってもある程度両者を分離し得る状態のものあれば、有価金属と他の材料(砥石など)とを磁力選鉱で分離回収して、分離回収された回収物中に有価金属を濃縮できると考える。
しかし、特許文献1の方法では、有価金属と他の材料とを物理的手段によって分離することが困難な場合には、有価金属と他の材料とを磁力選鉱で分離回収しても、分離回収された回収物中における有価金属の濃縮割合を十分に高くすることができず、有価金属の実収率を高くすることは困難である。
以上のごとき事情もあり、使用済みブラスト材などのように、有価金属と他の材料との分離が困難な状態でも、有価金属を高い実収率でかつ高品位に濃縮できる技術が求められている。
特開2004−141824号公報
本発明は上記事情に鑑み、白金族などの有価金属を含有する使用済みブラスト材などのスクラップから有価金属を効率よく濃縮し回収できる有価金属の回収方法を提供することを目的とする。
第1発明の有価金属の回収方法は、白金族元素を含有する粒状物を磁力選鉱によって回収する方法であって、前記粒状物を、磁力選鉱によって磁着物と非磁着物とに分離する分離工程と、該分離工程において得られる非磁着物を、磁力選鉱によって磁着物と非磁着物とに分離する再分離工程と、備えていることを特徴とする。
第2発明の有価金属の回収方法は、第1発明において、再分離工程が、複数回の磁力選鉱工程を有しており、2回目以降の磁力選鉱工程では、再分離工程における先に行った磁力選鉱工程において得られる非磁着物について、磁力選鉱を行うことを特徴とする。
第3発明の有価金属の回収方法は、第1または第2発明において、前記粒状物は、被処理物を湿式粉砕して形成したものであることを特徴とする。
第4発明の有価金属の回収方法は、第1、第2または第3発明において、前記被処理物が、使用済みブラスト材であることを特徴とする。
第1発明によれば、分離工程において分離された非磁着物について、再分離工程において再度磁力選鉱を行うので、一度の磁力選鉱で回収できなかった有価金属を含有する粒状物を回収することができる。したがって、非磁着物として回収されない有価金属の割合を少なくすることができるので、有価金属の実収率を高くすることができる。しかも、回収された有価金属を含有する粒状物は、原料に比べて、有価金属が濃縮されているので、酸による溶解を行っても、使用する酸の量を抑えることができるから、処理コストを低減でき、排水処理の負荷も少なくすることができる。また、分離工程で回収できなかった有価金属を含有する粒状物を再分離工程で回収できるので、分離工程では、回収率を抑えて処理効率を向上させることも可能となる。
第2発明によれば、非磁着物について複数回の磁力選鉱を行うので、有価金属を含有する粒状物の回収漏れを抑えることができる。
第3発明によれば、粒状物は、被処理物を湿式粉砕して形成しているので、乾式粉砕を行う場合に比べて、粉砕時に粉塵の発生を抑えることができる。すると、粉じんが飛散した場合に生じる可能性がある諸問題(有価金属のロスや、作業環境の悪化、回収する有価金属による粉塵爆発や発火など)の発生を防止できる。
第4発明によれば、使用済みブラスト材のように有価金属を物理的手段によって分離することができないものでも、有価金属を含有する粒状物を効率よく回収することができる。
本発明の有価金属の回収方法の処理フローの一例である 実施例の処理フローを示した図である 実施例の結果を示した図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の有価金属の回収方法は、有価金属を含む材料から有価金属を効率よく回収する方法であって、物理的手段によって材料から有価金属を分離することが困難である含む材料から有価金属を回収することに適している。
なお、本発明の有価金属の回収方法が対象とする有価金属は、例えば、白金やルテニウムなどの白金族に属する材料などであるが、磁性材料であればよく、とくに限定されない。
また、本発明の有価金属の回収方法が対象とする有価金属を含む材料(以下、処理対象材料という)は、例えば、スパッタリングに使用するターゲット材の表面処理やスパッタリング装置内の洗浄処理に使用した、ショットブラスト等の使用済みブラスト材やブラスト時に発生する粉塵などであるが、とくに限定されない。また、処理対象材料の素材は、非磁性材料であればよく、とくに限定されない。例えば、ブラスト材であれば、その素材として、アルミナ(Al)や炭化ケイ素(SiC)などを挙げることができる。
以下では、使用済みブラスト材から有価金属を回収する場合を代表として説明する。
(使用済みブラスト材について)
まず、本発明の有価金属の回収方法を説明する前に、処理対象材料である使用済みブラスト材について簡単に説明する。
ショットブラスト等の使用済みブラスト材は、アルミナ(Al)や炭化ケイ素(SiC)などの非磁性材料を素材とする、その粒径が約75〜250μmの粒子である。かかるブラスト材を用いて、ショットブラスト等により、スパッタリングに使用するターゲット材の表面処理やスパッタリング装置内の洗浄処理を行うと、ブラスト材の表面に有価金属が付着する。具体的には、約1〜5μmの粒径を有する有価金属が、使用済みブラスト材の表面に付着する。
かかる付着有価金属は、ブラスト材と強固に結合しているため、ブラスト材から物理的手段によって分離することは困難である。また、ブラスト材に混入している有価金属粒子も、ブラスト時の衝撃によりブラスト材と圧着された状態となっていることから、篩等によってブラスト材から物理的に分離することは困難である。
したがって、本発明の有価金属の回収方法では、ブラスト材が非磁性材料である一方、有価金属が磁性材料であるので、磁力選鉱によって有価金属の粒子および有価金属が付着しているブラスト材を回収する方法を採用している。
なお、有価金属の粒子および有価金属が付着しているブラスト材が、特許請求の範囲にいう磁着物に相当し、有価金属が付着していないブラスト材が、特許請求の範囲にいう非磁着物に相当する。
以下では、有価金属の粒子および有価金属が付着しているブラスト材を磁着物といい、有価金属が付着していないブラスト材を非磁着物という。
(本発明の有価金属の回収方法)
図1に示すように、本発明の有価金属の回収方法では、処理対象材料である粒状物の使用済みブラスト材を、磁力選鉱によって磁着物と非磁着物とに分離する分離工程と、この分離工程において得られる非磁着物を、再度磁力選鉱することによって磁着物と非磁着物とに分離する再分離工程と、備えている。
つまり、本発明の有価金属の回収方法では、分離工程において分離された非磁着物について、再度、再分離工程において再度磁力選鉱を行うのである。
すると、分離工程において非磁着物に混入した磁着物でも、再分離工程において回収することができるから、非磁着物として回収されない有価金属の割合を少なくすることができる。このため、回収された磁着物を処理して有価金属を回収した場合、有価金属の実収率を高くすることができるのである。
また、回収された磁着物は、従来と同様に、王水溶解などの湿式処理法によって白金等の有価金属を酸溶液に浸出し、これを中和やセメンテーションなどの処理を行うことで回収するのであるが、回収された磁着物は、分離工程を行う前のブラスト材(使用済みブラスト材)に比べて、有価金属が濃縮されている。つまり、回収された磁着物の量は、当然のごとく、元の使用済みブラスト材の全体量よりも少なくなっている。言い換えれば、有価金属以外の物質の量が少なくなっている。
すると、王水溶解を行っても、溶解する物質(つまり、磁着物)の量が少ないので、使用する薬液の量を抑えることができる。したがって、処理コストを低減でき、排水処理の負荷も少なくすることができる。そして、処理する磁着物の量や取り扱う薬液の量が減少するので、処理設備の小型化も可能となる。
また、分離工程で回収できなかった磁着物を再分離工程で回収できるので、分離工程では、回収率を抑えて処理効率を向上させることも可能となる。例えば、分離工程をバッチ処理する場合であれば、一回の処理時間を短くすることができる可能性があるし、連続処理を行う場合でも、分離工程における使用済みブラスト材の滞留時間を短くすることも可能になる。
そして、再分離工程において、複数回の磁力選鉱を行うようにして、2回目以降の磁力選鉱工程では、再分離工程における先に行った磁力選鉱工程において得られる非磁着物について、磁力選鉱を行うようにすることが好ましい。この場合、非磁着物について複数回の磁力選鉱を行うので、磁着物の回収漏れをより確実に抑えることができる。しかも、分離工程および再分離工程の各磁力選鉱工程の時間を短くすることが可能となるので、各工程での回収率を抑えて処理効率を向上させても、最終的な磁着物の回収効率を高くすることが可能となる。
(磁力選鉱)
分離工程および再分離工程における、磁力選鉱は、実質的に同じ装置および条件で行うことができる。具体的には、一般的な磁選機のように、水などの液体を入れて液体を撹拌できる撹拌槽と、この撹拌槽内の液体中に浸漬し得る磁石と、を備えた装置によって磁力選鉱を行うことができる。
かかる磁選機では、以下の方法で磁力選鉱が行われる。
まず、水などの液体を入れた撹拌槽内に使用済みブラスト材を投入する。この状態で撹拌槽内の液体を撹拌し、撹拌槽内の液体中に磁石を浸漬する。すると、水流によって磁着物および非磁着物は、順次、磁石近傍に流れて磁石に接近する。磁着物は磁石の磁力によって磁石に引き寄せられて磁石にくっつく一方、非磁着物は水流にのって槽内を旋回する。したがって、一定の時間経過後、磁石を槽外に取り出せは、磁着物を磁石とともに槽外に回収できるとともに、非磁着物は槽内に残しておくことができるから、磁着物と非磁着物とを分離することができるのである。
なお、再分離工程における磁力選鉱では、磁着物の割合が低い非磁着物について磁力選鉱を行うので、分離工程における磁力選鉱から磁束密度やドラム回転数を変更してもよい。この場合には、非磁着物中の磁性が弱い有価金属が付着したブラスト材であっても回収することが可能となる。
磁力選鉱を行う方法は上記の方法に限られない。例えば、湿式高磁力磁選機などの装置を使用して磁力選鉱を行ってもよい。
また、磁力選鉱に使用する磁石もとくに限定されず、常磁性磁石および電磁石のいずれも利用できる。使用する磁石の磁力もとくに限定されず、磁着物をくっつることができる磁力があればよい。例えば、使用済みブラスト材から磁着物を回収する場合、ブラスト材の大きさやブラスト材表面への有価金属の付着状況によって必要となる磁力は変化するので、処理する使用済みブラスト材の状況に応じて適宜磁力を調整すればよい。
(湿式粉砕)
処理対象物は、分離工程を行う前に、湿式粉砕しておくことが好ましい。湿式粉砕、つまり、処理対象物と水などの液体とを混合した状態で粉砕すると、処理対象物の粒径を揃えることができる。
なお、被処理物を粉砕する方法は、湿式粉砕に限られず乾式粉砕でもよい。しかし、被処理物を湿式粉砕して粒状物を形成すれば、乾式粉砕を行う場合に比べて、粉砕時に粉塵の発生を抑えることができる。すると、粉じんが飛散した場合に生じる可能性がある諸問題(有価金属のロスや、作業環境の悪化、回収する有価金属による粉塵爆発や発火など)の発生を防止できる。
本発明の有価金属の回収方法の有効性を確認した。
実験では、貴金属の除去に用いた使用済みブラスト粉から本発明の有価金属の回収方法を用いて磁着物を回収し、この回収された磁着物から有価金属濃縮物を得た。
実験では、図2に示すように、使用済みブラスト粉500gを湿式粉砕した後に磁力選鉱して磁着物1を回収し(1回目磁力選鉱)、非磁着物1について1回目磁力選鉱と同様の条件で磁力選鉱を行って磁着物2を回収した(2回目磁力選鉱)。同様に、3〜5回目磁力選鉱を行って磁着物3〜5を回収した。なお、今回の実験では、5回目磁力選鉱で得られた非磁着物5中に磁着物は検出されなくなったので、磁力選鉱は、5回目で終了した。
そして、各磁力選鉱で得られた磁着物1〜5および非磁着物5について、それぞれ濾過して乾燥したのち、重量を測定して化学分析を行った。
実験に使用した使用済みブラスト粉の組成は以下の表1のとおりである。
磁力選鉱は、湿式ドラム式磁選機(商品名:エリーズモデル L−8型 電磁湿式ドラムセパレータ)で行った。なお、湿式ドラム式磁選機は、ドラムの回転数は14rpmとし80mT(テスラ)の磁束密度が発生するように調整した。
なお、磁着物および非磁着物の化学分析は、ICP発光分析装置(SII社製:型式SPS 7700)を用いて求め、磁着物および非磁着物の重量は、Metller Toledo社製計量機:型式PJ 6000によって測定した。
実験結果を図3および表2に示す。
図3および表2には、各回の磁力選鉱によって得られた磁着物および非磁着物5の品位と元の試料に対する分配率(実収率)を示している。
図3および表2に示すように、磁着物の総重量(磁着物1〜5の合計重量)が非磁着物の量の約10分の1となっており、磁力選鉱によって白金やルテニウムなどの白金族元素が10倍以上濃縮されていることが確認できる。
図3および表2に示すように、一回目の磁力選鉱では、白金およびルテニウムの磁着物1への分配率はそれぞれ92%、91%であった。
これに対して1回目の非磁着物1を対象として2回目の磁力選鉱を行なった場合、白金およびルテニウムの磁着物2への分配率はそれぞれ3%、4%であり、1回目の磁力選鉱結果とあわせると、使用済みブラスト粉に含まれていた白金およびルテニウムのうち、白金の95%、ルテニウムの95%を磁着物1、2として回収できた。
一方、3回目までの磁力選鉱ではある程度積算としての分配率の向上が見られたが、4回以上の磁力選鉱を繰り返しても積算としての分配率の向上はほとんど見られず、5回目の磁力選鉱を行っても、白金およびルテニウムの積算の分配率は約97%、約98%でほぼ一定に収束した。
以上の結果より、本発明の有価金属の回収方法のように、複数回の磁力選鉱を行うことは有価金属の回収率を向上させる上で有効であることが確認できた。
また、対象となる物質の状態によっては、磁力選鉱を行う回数について、分配率を向上させる限界が存在することが確認できた。
本発明の有価金属の回収方法は、白金族元素の有価金属を、使用済みブラスト材などから回収する方法として適している。

Claims (4)

  1. 白金族元素を含有する粒状物を磁力選鉱によって回収する方法であって、
    前記粒状物を、磁力選鉱によって磁着物と非磁着物とに分離する分離工程と、
    該分離工程において得られる非磁着物を、磁力選鉱によって磁着物と非磁着物とに分離する再分離工程と、備えている
    ことを特徴とする有価金属の回収方法。
  2. 再分離工程が、複数回の磁力選鉱工程を有しており、
    2回目以降の磁力選鉱工程では、
    再分離工程における先に行った磁力選鉱工程において得られる非磁着物について、磁力選鉱を行う
    ことを特徴とする請求項1記載の有価金属の回収方法。
  3. 前記粒状物は、
    被処理物を湿式粉砕によって粉砕して形成したものである
    ことを特徴とする請求項1または2記載の有価金属の回収方法。
  4. 前記被処理物が、
    使用済みブラスト材である
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の有価金属の回収方法。
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