JP6711737B2 - 重金属汚染土壌の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、重金属汚染土壌の処理方法に関する。
重金属は土に吸着しやすい性質を有するため、重金属に汚染された土壌を浄化することは容易ではない。重金属による土壌汚染は、人為的なもののほか、自然由来の有害物質を原因とするものもある。このような汚染土壌を含む領域において、例えばトンネル工事等を行う場合、切削に用いた水(泥水)に重金属が溶出して汚染が拡大する虞があるため、これを適切に無害化する必要がある。
重金属により汚染された汚染土壌を効果的に浄化する方法として、汚染土壌と水とを含むスラリーに対してアルカリ剤を添加し、重金属を溶存態として水層に抽出する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
また、スラリーに対して、鉄を含有する鉄含有粒子を混合する方法も知られている(例えば特許文献2及び3参照)。この方法は、鉄が重金属を吸着する性質を利用したものであり、重金属を吸着した鉄を磁気分離によって回収することで、汚染土壌に含まれていた重金属を土壌から取り除くものである。
特開2014−87801号公報 特開2011−56482号公報 特開2014−73464号公報
しかしながら、アルカリ剤を用いて重金属を抽出する方法のみでは、粒径が大きい砂礫に対しては有効であるが、粒径が小さい細粒分に対しては効果が劣る。また、鉄含有粒子をスラリーに混合しその後磁気分離によって回収する方法では、スラリーに含まれている砂鉄も回収されるために磁気分離装置の分離容量限界を早く迎えることになり、その対応のために処理コストが増大してしまう。
そこで本発明は、鉄含有粒子を用いる重金属汚染土壌の処理方法であって、細粒分に対しても効果が高く、且つ、鉄含有粒子の回収時の処理負担を軽減することができる処理方法を提供することを目的とする。
本発明は、重金属を含有する汚染土壌を浄化する重金属汚染土壌の処理方法であって、汚染土壌と水とを含むスラリーを振動篩で分級し、スラリーから所定の粒径以上の第1の土を分離する第1の分級工程と、第1の分級工程を経たスラリーを遠心分離機で分級し、スラリーから所定の粒径以上の第2の土を分離する第2の分級工程と第2の土を更に分級し、第2の土から所定の粒径以上の第3の土を分離する第3の分級工程と、第2の分級工程を経たスラリーの少なくとも一部と、第3の分級工程において第3の土が分離された第2の土とを混合し、更に、これに鉄を含有する鉄含有粒子を混合してスラリーを調製する混合工程と、混合工程において混合された鉄含有粒子をスラリーから磁気により分離して回収する磁気分離工程と、を有し、第1の分級工程の前、第2の分級工程の前、又は、第2の分級工程の後において、スラリーに抽出剤を添加する第1の調整工程を有する。
重金属は一般に比表面積が小さい土よりも比表面積が大きい土に吸着しているので、粒径の小さい土ほど浄化対象とすることが望まれる。そこで、本発明ではスラリーを対象として第1の分級工程で所定の粒径以上の土を分離し、第1の分級工程を経たスラリーを第2分級工程で分級する。そして、第2の分級工程で分離した土を第3の分級工程で分級する。ここで、第3の分級工程は第2の分級工程では分離しきらなかった土を精度よく分級する働きをする。従って、第2の分級工程を経たスラリーの少なくとも一部と、第3の分級工程において粒径の大きな土が分離された土とを混合し、これを鉄含有粒子で処理する対象とすることで、第3の土が分離された分だけ処理対象の嵩が減少することとなり、磁気分離工程の処理負担が軽減される。同時に、第2の分級工程で分離された粒径の大きな土が第3の分級工程で精度よく再分級されるため、第2の分級工程で漏れた細粒分を鉄含有粒子で処理する対象とすることができ、重金属処理の効果が高まる。
また、本発明においては第1の分級工程の前、第2の分級工程の前、又は、第2の分級工程の後に、スラリーに抽出剤を添加する第1の調整工程を有しているので、これによってスラリーにおいて重金属が水相に抽出され、鉄含有粒子によって吸着されやすくなる。
本発明では、第3の分級工程において第2の土に水を添加してスラリーを調製し、スラリーのpHを中性に近づけるように調整する第2の調整工程を有していることが好ましい。これによれば、第3の分級工程で分離された第3の土が中性となるので、第3の土が他の用途への再利用に適した土となる。
混合工程においては、スラリーのpHが低くなるように調整する第3の調整工程を有することが好ましい。スラリーのアルカリ性が強すぎると鉄含有粒子が重金属を吸着しにくくなるので、スラリーのpHが低くなるように調整することで、鉄含有粒子の重金属吸着能が高く維持される。
また、本発明は、磁気分離工程を経たスラリー、又は、第2の分級工程を経たスラリーを、新たに発生した汚染土壌と混合しながら第1の分級工程に返送する返送工程を有していてもよい。本発明の処理方法においてスラリーを循環系とすることで、水の消費量を抑制することができるとともに、そのスラリーの比重によって新たな汚染土壌を圧送するための圧送力を得ることもできて効率的となる。
また、本発明は、磁気分離工程において回収された鉄含有粒子を、再度スラリーに混合して使用する再使用工程を有することが好ましい。本発明では、砂鉄は第2の分級工程で分離されるため、鉄含有粒子を繰り返し使用する際に、砂鉄による磁気分離の処理容量の消費が少なくなる。このため、再使用工程を有している処理方法において、本発明の効果が有意に現れる。
本発明において、汚染土壌はシールド工法による掘削工事の排出土であってもよい。
本発明によれば、鉄含有粒子を用いる重金属汚染土壌の処理方法であって、細粒分に対しても効果が高く、且つ、鉄含有粒子の回収時の処理負担を軽減することができる処理方法を提供することができる。
本実施形態の処理方法の概要を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本明細書において、「重金属」とは、ヒ素、鉛、カドミウム、クロム、セレン、水銀等の重金属のほか、シアン、フッ素、ホウ素等の土壌汚染対策法で定められている物質をも包含するものとする。また、これらの単体に限られず、これらの元素を含む化合物やイオン(例えばヒ酸イオン(HAsO ,HAsO 2−等)、鉛イオン(Pb(OH)等))等も包含するものとする。
本実施形態の重金属汚染土壌の処理方法は、図1に示された処理システム1によって重金属を含有する汚染土壌を浄化する方法であり、スラリー発生部2において発生したスラリーを処理対象とする。ここで、スラリー発生部2はシールド工法による掘削工事現場であり、排出土(汚染土壌)と掘削水とを含むスラリーが生じている。
本実施形態の処理方法は、スラリーを三種類の分級機3,5,8を用いて分級し、粒径の小さい(例えば75μm未満)細粒分を浄化対象とするものである。浄化に際しては、スラリーに鉄粉を添加及び混合することによってこれに重金属を吸着させ、磁気分離装置11において、重金属が吸着した鉄粉を回収する。
初めに、スラリー発生部2で発生したスラリーを振動篩(第1の分級機)3で分級し、所定の粒径(例えば2mm)以上の土(第1の土)をスラリーから分離する(第1の分級工程)。分離された土は、土砂ピット4に排出される。
次に、振動篩3を通過したスラリーを遠心分級機5で分級し、所定の粒径(例えば75μm)以上の土(第2の土)をスラリーから分離する(第2の分級工程)。ここで、第1の分級工程と第2の分級工程とは、振動篩3と遠心分級機5とが組み合わされて成るサイクロンスクリーンを用いて行ってもよい。
遠心分級機5を通過したスラリーは調整槽6へ移送され、抽出剤が添加される(第1の調整工程)。抽出剤を添加する目的は重金属が土から溶出しやすくすることであり、pHを8〜10のアルカリ性にすることが好ましいが、アルカリ性にする代わりに二価以上のイオンを供給する化学種を添加してもよい。
抽出剤のうち、スラリーをアルカリ性にするための薬剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化バリウムなどが挙げられる。
抽出剤のうち、二価以上のイオンを供給する化学種としては、スラリー中においてイオンを生じる化学種であることが好ましい。当該イオンとしては、陰イオンと陽イオンのいずれでもよく、土から取り除くべき重金属の種類によってこれを決定する。陰イオンとしては、リン酸イオン、硫酸イオン、炭酸イオン等が挙げられ、陽イオンとしては、アルミニウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオン、マグネシウムイオン等が挙げられる。土から重金属を溶出させる効果の大きさの観点から、二価以上のイオンであることが好ましい。
上記イオンを生じる化学種としては、水中で電離して上記イオンを生じる酸(例えばリン酸、硫酸等)や塩(例えばリン酸カルシウム、硫酸マグネシウム)等が挙げられる。抽出剤をスラリーに添加するときは、抽出剤を直接添加してもよく、水溶液として添加してもよい。例えば、抽出剤としてリン酸を採用した場合、6%水溶液として添加することができる。
抽出剤の添加量は、スラリー中で生じるイオンの質量が、スラリー100質量部に対して0.003〜0.015質量部となる量とすることが好ましい。重金属を土から溶出させる効果の観点から0.003質量部以上とすることが好ましく、経済性の観点から、0.015質量部以下とすることが好ましい。
抽出剤が添加されたスラリーの少なくとも一部は掘削現場(スラリー発生部2)に返送され、掘削水として、更には排出土を圧送する媒体として利用され、第1の分級工程へ戻る(返送工程)。
遠心分級機5において分離された土を更に分級する(第3の分級工程)。この分級に際し、土に水を混合してスラリーとする。前述した第1の調整工程及び返送工程によって当該土のpHが上昇している場合は、スラリーのpHを中性に近づけるように調整することが好ましい(第2の調整工程)。具体的には、スラリーのpHが4〜10となるように調整することが好ましく、5〜9となるように調整することがより好ましく、6〜8となるように調整することが更に好ましい。このpH調整は、硫酸、塩酸、炭酸等の水溶液、又は水を添加することで行うことができ、これらの中和剤は、中和水タンク7に貯留されている。第2の調整工程の実施は、抽出剤の添加によってスラリーのアルカリ性が強くなっている場合に特に好ましい。
第3の分級工程では、第2の分級工程における遠心分級機5よりも分級精度が高い分級機8を用いる。そのような分級機8としては、例えば、スパイラル分級機やハイメッシュセパレータが挙げられる。これにより、遠心分級機5では分級が不十分であった細粒分と砂との分離を精度よく行うことができる。第3の分級工程で分離された土(第3の土)は、土砂ピット4に排出され、他方、細粒分を含むスラリーは余剰泥水槽9に移送される。
余剰泥水槽9には、調整槽6内のスラリーの一部も移送され、第3の分級工程で土が分離されたスラリーと合流して混合される。そして、当該スラリーは反応槽10に移送され、そこで鉄粉(鉄を含有する鉄含有粒子)が添加されて混合される(混合工程)。
鉄粉の混合量は、スラリーに含まれる土の乾燥質量100質量部に対して、鉄成分として10〜100質量部とすることが好ましい。この添加量は、一回処理に用いられる量(通常は0.1〜0.3質量部)と比べると過剰であるが、後述するとおり鉄粉は再利用するため上記範囲内の量が好ましい。添加量の上限は、期待する再利用回数のほか、混合効率や後述する磁気分離装置11の負荷限度により決められる。上記の好ましい数値範囲は、100回以上の再利用を期待しているので、一回量の100倍の数値範囲となっている。なお、上記鉄粉の添加量の下限値は10質量部を超えていてもよく、10質量部を超え100質量部以下としてもよい。
鉄粉の添加量の一例を示すと、スラリー6mに含まれる土の乾燥重量が2t(これを100質量部とする。)であるとき、鉄粉の添加量を200kg(10質量部)とすることができる。
スラリーと鉄粉との混合時間は、均一な混合と重金属の吸着速度とを考慮して、1〜10分であることが好ましい。ここで下限の1分とは、均一な混合を確保するために必要と考えられる時間である。また、上限の10分とは、これ以上長く混合するとなると、より大きな反応槽が必要となるためであり、10分に抑えることが好ましい。
なお、鉄成分として添加するものは必ずしも鉄粉である必要はなく、他の形態の鉄含有粒子、例えば重金属吸着剤に鉄を接着したもの等の形態であってもよい。
混合工程において、余剰泥水槽9内のスラリーのpHが高い場合は、鉄粉の重金属吸着能力を高く維持するために、pHの値が低くなるように調整する(第3の調整工程)。具体的には10.0以下とすることが好ましく、9.5以下とすることがより好ましく、8.5以下とすることが更に好ましい。pH調整に用いることができる化合物としては、硫酸、塩酸、炭酸等が挙げられる。なお、ここで「pHの値が低くなるように」とは、液性をアルカリ性から中性に近づけることを意味しており、中性領域を超えて酸性側へ移行することまでは意味しない。
鉄粉が添加されたスラリーは、磁気分離装置11へ移送される。磁気分離装置11は、スラリーから鉄粉を回収する装置であって、スラリーに含まれる鉄粉を99%以上回収することができるものである。なお、磁気分離装置11は、毎分1m以上のスラリーの処理能力を有している。
磁気分離装置11は、磁界発生部を有しており、これを駆動することによって鉄粉を引き寄せて、スラリーから鉄粉を分離する(磁気分離工程)。具体的には、前掲した特開2011−56482号公報に開示されているとおり、磁気分離装置11内において回転体に掛けられた無終端のベルトを回転させながら、これを磁界によって磁化してスラリー中の鉄粉をベルトに付着させる。
ベルトに付着した鉄粉をブロア吸引等の手段によって回収する。回収した鉄粉は、反応槽10へ移送し、再度スラリーに添加して使用することができる(再使用工程)。
磁気分離装置11からは、鉄粉が回収されたスラリーが搬出される。スラリーは脱水設備(例えばフィルタープレス)12に移送されて処理され、固形分は汚泥として脱水ケーキピット13へ排出される。脱水設備12において固形分が除かれた水のうち、一部は中和水タンク7に移送されて第2の調整工程に利用される。当該水のうち他の部分は、ベントナイト、水酸化ナトリウム等が添加されてpH8〜10程度のアルカリ性とした後に、調整槽6に移送する。その後、掘削水として、更には排出土を圧送する媒体として、上記返送工程に利用される。
本実施形態の作用効果について説明する。重金属は一般に比表面積が小さい土よりも比表面積が大きい土に吸着しているので、粒径の小さい土ほど浄化対象とすることが望まれる。本実施形態の処理方法では、スラリーを対象として第1の分級工程で所定の粒径以上の土を分離し、第1の分級工程を経たスラリーを第2分級工程で分級している。そして、第2の分級工程で分離した土を第3の分級工程で更に分級している。
ここで、第3の分級工程は第2の分級工程では分離しきらなかった土を精度よく分級する働きをするので、第2の分級工程を経たスラリーの少なくとも一部と、第3の分級工程において粒径の大きな土が分離された土とを混合し、これを鉄粉で処理する対象とすることで、第3の土が分離された分だけ処理対象の嵩が減少することとなり、磁気分離工程の処理負担が軽減される。
それと同時に、第2の分級工程で分離された粒径の大きな土が第3の分級工程で精度よく再分級されるため、第2の分級工程で漏れた細粒分を鉄粉で処理する対象とすることができ、重金属処理の効果が高まる。
本実施形態においては、第2の分級工程の後に、調整槽6においてスラリーに抽出剤を添加する第1の調整工程を有し、その後、掘削工事現場に返送して掘削水として再利用している。こうしてスラリーが循環することによって、第1の分級工程及び第2の分級工程の時点において、分級対象のスラリーが抽出剤を含んだ状態となる。このとき、スラリーにおいては抽出剤の効果によって重金属が水相に抽出されており、分級後、土砂ピット4に排出される土に含まれる重金属は環境基準値以下の微量となる。また、分級されたスラリー側に含まれる重金属は、鉄粉によって吸着されやすい溶存態となる。
また、本実施形態においては、第3の分級工程において、第2の分級工程で分離した土に水を添加してスラリーとし、そのpHを中性付近に調整している。これによれば、第3の分級工程で分離された土が中性となるので、土砂ピット4に排出した土が他の用途への再利用に適した土となる。
また、本実施形態においては、混合工程においてスラリーのpHが低くなるように調整している。スラリーのアルカリ性が強すぎると鉄粉が重金属を吸着しにくくなるので、スラリーのpHが低くなるように(例えば9.5以下に)調整することで、鉄粉の重金属吸着能が高く維持されている。磁気分離工程を経て脱水ケーキピット13へ排出される汚泥は、重金属含有量が環境基準値以下の微量となる。
また、本実施形態では、第2の分級工程を経たスラリーの少なくとも一部、及び、磁気分離工程を経たスラリーの一部を、新たに発生した汚染土壌と混合しながら第1の分級工程に返送する返送工程を有しているため、スラリーを循環系として水の消費量を抑制することができるとともに、そのスラリーの比重によって新たな汚染土壌を圧送するための圧送力を得ることもできて効率的となる。
また、本実施形態では磁気分離工程において回収された鉄粉を再度スラリーに混合して使用している。従来、鉄粉を繰り返し使用する場面において、スラリー由来の砂鉄によって磁気分離の処理容量が消費されることが顕著に現れていたが、本実施形態では第3の分級工程で分離された土の分だけ磁気分離工程で処理する土の量が低減されているので、砂鉄の回収量を小さくすることができ、砂鉄による影響を遅延させることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、上記実施形態ではスラリーに抽出剤を添加する第1の調整工程を第2の分級工程の後に設けたが、代わりに第1の分級工程の前、又は、第2の分級工程の前等、他の段階において設けてもよい。
また、上記実施形態では、処理対象である汚染土壌がシールド工法による掘削工事の排出土である場合を示したが、他の理由で生じた汚染土壌を処理対象としてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
スラリーを分級する過程の中で第1の調整工程及び第2の調整工程を実施する効果を、実験により確認した。
(実施例1)
ヒ素を含むシールド泥水170gを用意し、これに抽出剤としての50%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを9に調整した。その後、分級して泥水と砂とに分離した。砂をその質量と同量の64%硫酸水溶液(中和剤)で洗浄し、pHを7に調整した。その後、処理後の砂についてヒ素濃度を測定したところ、環境基準値の0.01mg/Lを下回る0.006mg/L未満の値であった。
(実施例2)
中和剤の種類を二酸化炭素ガスに変更したこと以外は実施例1と同様にして実験を行った。処理後の砂のヒ素濃度は、0.006mg/L未満の値であった。
(実施例3)
砂の洗浄において中和剤を使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして実験を行った。処理後の砂のヒ素濃度は、0.013mg/Lであった。
(比較例1)
中和剤としての50%水酸化ナトリウム水溶液を使用しなかったこと、及び、砂の洗浄において中和剤を使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして実験を行った。処理後の砂のヒ素濃度は、0.020mg/Lであった。
上記実験の結果を表1に示す。これらの結果から、分級するスラリーのpHをアルカリ性にしたこと(第1の調整)で、土砂ピットに排出するべき砂のヒ素濃度を低減できたことが分かる。更に、第1の調整に加えて、分離した砂のpHを中性にしたこと(第2の調整)によって、土砂ピットに排出するべき砂のヒ素濃度を環境基準値以下に低減できたことが分かる。
Figure 0006711737
1…処理システム、2…スラリー発生部、3…振動篩(第1の分級機)、4…土砂ピット、5…遠心分級機(第2の分級機)、6…調整槽、7…中和水タンク、8…分級機(第3の分級機)、9…余剰泥水槽、10…反応槽、11…磁気分離装置、12…脱水設備、13…脱水ケーキピット。

Claims (6)

  1. 重金属を含有する汚染土壌を浄化する重金属汚染土壌の処理方法であって、
    前記汚染土壌と水とを含むスラリーを振動篩で分級し、前記スラリーから所定の粒径以上の第1の土を分離する第1の分級工程と、
    前記第1の分級工程を経たスラリーを遠心分離機で分級し、前記スラリーから所定の粒径以上の第2の土を分離する第2の分級工程と、
    前記第2の土を更に分級し、前記第2の土から所定の粒径以上の第3の土を分離する第3の分級工程と、
    前記第2の分級工程を経た前記スラリーの少なくとも一部と、前記第3の分級工程において前記第3の土が分離された前記第2の土とを混合し、更に、これに鉄を含有する鉄含有粒子を混合してスラリーを調製する混合工程と、
    前記混合工程において混合された鉄含有粒子を前記スラリーから磁気により分離して回収する磁気分離工程と、を有し、
    前記第1の分級工程の前、前記第2の分級工程の前、又は、前記第2の分級工程の後において、前記スラリーに抽出剤を添加する第1の調整工程を有する、重金属汚染土壌の処理方法。
  2. 前記第3の分級工程において、前記第2の土に水を添加してスラリーを調製し、前記スラリーのpHを中性に近づけるように調整する第2の調整工程を有する、請求項1記載の重金属汚染土壌の処理方法。
  3. 前記混合工程において、前記スラリーのpHが低くなるように調整する第3の調整工程を有する、請求項1又は2に記載の重金属汚染土壌の処理方法。
  4. 前記磁気分離工程を経たスラリー、又は、前記第2の分級工程を経た前記スラリーを、新たに発生した汚染土壌と混合しながら前記第1の分級工程に返送する返送工程を有する、請求項1〜3のいずれか一項記載の重金属汚染土壌の処理方法。
  5. 前記磁気分離工程において回収された前記鉄含有粒子を、再度スラリーに混合して使用する再使用工程を有する、請求項1〜4のいずれか一項記載の重金属汚染土壌の処理方法。
  6. 前記汚染土壌は、シールド工法による掘削工事の排出土である、請求項1〜5のいずれか一項記載の重金属汚染土壌の処理方法。
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