JP6074556B2 - 白金及びルテニウムの回収方法、並びに貴金属のリサイクル方法 - Google Patents

白金及びルテニウムの回収方法、並びに貴金属のリサイクル方法 Download PDF

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Description

本発明は、貴金属のリサイクル方法として好適に使用可能な、白金及びルテニウムを含むブラスト処理物(処理粉)から白金及びルテニウムを回収する方法に関する。
従来、コンピューター用のハードディスク等の電子部品に用いられる基材を製作する際には、スパッタリング等の成膜装置が使用され、その装置内部に防着板や治具等の部品が用いられており、その部品の表面処理を行う方法として、ブラスト処理が知られている。前記ブラスト処理は、アルミナ、ガラス、樹脂等の粒子(ブラスト材)を、治具の表面に吹き付ける処理であり、金属加工品のバリ取り、劣化した塗膜の剥離、表面研磨等を目的として、幅広い分野で採用されている。
前記ブラスト処理において、白金及びルテニウムが付着した基材の表面に、ブラスト材を吹き付けて得られるブラスト処理物には、微量ながら、白金、ルテニウムなどの高価な貴金属が含まれているため、できるだけ回収して再利用することが望まれている。
しかしながら、前記ブラスト処理物に含まれる微量な貴金属の回収は、技術的には可能であると考えられるが、前記ブラスト処理物に含まれる微量な貴金属を回収するために必要な処理液の量が、前記ブラスト処理物の量に依存するため、回収する金属が微量であるのにも関わらず、その回収に必要な処理液の量は多大なものとなり、コストが高く、その収率が低いという問題がある。
例えば、白金を回収する方法としては、王水溶解によって白金を回収する技術が提案されており(例えば、特許文献1参照)、ルテニウムを回収する方法としては、不純物を含むルテニウム含有物から、不純物を析出させて、高純度のルテニウムを回収する技術が提案されているが(例えば、特許文献2参照)、これらの文献に記載の技術によっても、前記問題を解決することができず、その回収に必要な処理液の量は多大なものとなり、コストが高く、その収率が低いという問題がある。
したがって、貴金属のリサイクル方法として好適に使用可能な、白金及びルテニウムが付着した基材の表面をブラスト処理して得られるブラスト処理物(処理粉)から白金及びルテニウムを、低コスト、かつ、高収率で回収することができる白金及びルテニウムの回収方法の速やかな開発が強く求められているのが現状である。
特開2010−222613号公報 特開2010−222595号公報
本発明は、前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、貴金属のリサイクル方法として好適に使用可能な、白金及びルテニウムが付着した基材の表面をブラスト処理して得られるブラスト処理物(処理粉)から白金及びルテニウムを、低コスト、かつ、高収率で回収することができる白金及びルテニウムの回収方法、並びに貴金属のリサイクル方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、白金及びルテニウムが付着した基材の表面を、非磁性のブラスト材を用いてブラスト処理を行い、ブラスト処理物を磁選して得られた磁着物から白金及びルテニウムを回収すると、低コスト、かつ、高収率で白金及びルテニウムが回収されることを知見し、本発明の完成に至った。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 白金及びルテニウムが付着した基材の表面を、非磁性のブラスト材を用いてブラスト処理して得られるブラスト処理物を磁選して磁着物を回収する工程と、前記磁着物から白金及びルテニウムを回収する工程と、を含むことを特徴とする白金及びルテニウムの回収方法である。
<2> 磁選が、湿式磁選である前記<1>に記載の白金及びルテニウムの回収方法である。
<3> 湿式磁選が、ブラスト処理物に水を加えて泥状にして行う磁選である前記<2>に記載の白金及びルテニウムの回収方法である。
<4> 白金及びルテニウムが付着した基材が、ハードディスク製造装置の部品である前記<1>から<3>のいずれかに記載の白金及びルテニウムの回収方法である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の白金及びルテニウムの回収方法を用いることを特徴とする貴金属のリサイクル方法である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、貴金属のリサイクル方法として好適に使用可能な、白金及びルテニウムが付着した基材の表面をブラスト処理して得られるブラスト処理物(処理粉)から白金及びルテニウムを、低コスト、かつ、高収率で回収することができる白金及びルテニウムの回収方法、並びに貴金属のリサイクル方法を提供することができる。
図1は、湿式磁選のフローチャートの一例を示す図である。 図2は、乾式磁選のフローチャートの一例を示す図である。
(白金及びルテニウムの回収方法)
本発明の白金及びルテニウムの回収方法は、白金及びルテニウムが付着した基材の表面を、非磁性のブラスト材を用いてブラスト処理して得られるブラスト処理物を磁選して磁着物を回収する工程(磁着物回収工程)と、前記磁着物から白金及びルテニウムを回収する工程(白金及びルテニウム回収工程)とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
<磁着物回収工程>
前記磁着物回収工程は、白金及びルテニウムが付着した基材の表面を、非磁性のブラスト材を用いてブラスト処理して得られるブラスト処理物を磁選して磁着物を回収する工程である。
前記ブラスト処理は、白金及びルテニウムが付着した基材の表面を、非磁性のブラスト材を用いて、剥離し、粉状化することにより行う。
前記ブラスト処理する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブラスト装置により、基材の表面にブラスト材を吹き付けることにより処理する方法などが挙げられ、具体的には、ブラスト材としてアルミナ粉を用いたサンドブラスト処理により、ブラスト処理する方法などが挙げられる。
前記ブラスト装置としては、前記基材の表面にブラスト材を吹き付けることができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ショットブラスト装置、エアーブラスト装置、マイクロブラスト装置などが挙げられる。
前記白金及びルテニウムが付着した基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ハードディスク製造装置の部品等の電子部品が好ましい。
前記ブラスト材としては、前記基材の表面を粗化することができ、非磁性の粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミナ粉、炭化珪素粒、ガラスパウダー、ガラスビーズ、セラミックなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルミナ粉が好ましい。
前記ブラスト処理により、白金及びルテニウムを含む粉(ブラスト処理物)が得られる。前記ブラスト処理物は、半密閉装置の中でブラスト処理を行うことにより、回収することができる。
前記ブラスト処理物は、前記ブラスト材に含まれる原料がその割合の多数を占めており、前記ブラスト処理により磨耗された基材中に含まれる金属が微量吸着している。前記金属としては、例えば、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、モリブデン、白金、ルテニウム、アルミニウムなどが挙げられる。また、前記ブラスト処理物には、前記ブラスト材のみならず、前記基材の表面から剥離した粉粒物も含まれている。
前記ブラスト処理物の粒径としては、特に制限はないが、JIS標準ふるい(Z8801)における#80以下のメッシュを通過する粒径が好ましい。
前記ブラスト処理物から磁着物を回収する方法としては、前記回収されたブラスト処理物を、磁力選別機などによる磁力を用いて、磁石などに付着した磁着物と、非磁着物とに選別(磁選)して、磁着物を回収する方法などが挙げられる。前記磁着物は、磁性であるか否かを問わず、前記磁力選別機の磁石に磁着したものであればよい。
前記ブラスト処理物を磁選することにより、前記ブラスト処理物の割合の多数を占めている、アルミナ粉、炭化珪素粒等の非磁性のブラスト材、及びその他の非磁性の金属を含む非磁着物と、白金及びルテニウムを含む基材粉等を含む磁着物とを選別して、前記磁着物を抽出することができる。
前記磁選としては、湿式磁選又は乾式磁選のいずれかであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記磁着物における白金及びルテニウムの濃縮率が高まり、白金及びルテニウムを高収率で回収することができる点で、湿式磁選することが好ましく、前記湿式磁選の場合、凝集していた粒子が分散され、非磁性のブラスト材の巻き込みが少なくなる。また、前記磁選する際の磁力としては、例えば、3,000ガウス程度あればよい。
前記湿式磁選を行う方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ブラスト処理物に水を加えて泥状にして行う方法が好ましい。
前記湿式磁選におけるブラスト処理物等の固体と水等の液体との固液比(固体(質量W):液体(体積V))としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ハンドリング及び分離精度の点で、10:1〜1:20が、泥状にすることができる点で、好ましい。
前記湿式磁選における固液比の固体割合が下限値未満であると、不経済であり、固液比の固体割合が上限値を超えると粒子表面が濡れず、湿式磁選の効果が得られないことがある。
前記磁着物は、前記ブラスト処理物に含まれる白金及びルテニウムが濃縮されているため、前記磁着物を用いて、白金及びルテニウムを回収することにより、前記ブラスト処理物に含まれる白金の90質量%以上、及び前記ブラスト処理物に含まれるルテニウムの75質量%以上を回収することができる。
<白金及びルテニウム回収工程>
前記白金及びルテニウム回収工程は、前記磁着物から白金及びルテニウムを回収する工程であり、前記白金及びルテニウムは、公知の製錬又は貴金属をリサイクルする方法により回収することができる。また、前記磁着物を用いて、白金及びルテニウムを回収することにより、公知の白金及びルテニウムを回収する方法を用いたとしても、前記回収の際に必要な処理液の量を低減することができるため、低コスト、かつ、高収率で、白金及びルテニウムを回収することができる。
前記白金を回収する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記白金を高収率で回収することができる点で、王水を溶媒として用いて得られる白金溶解液から白金を回収する方法が好ましい。
前記ルテニウムを回収する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ルテニウムを高収率で回収することができる点で、前記王水を溶媒として用いて得られた溶解残渣を用いて、特開2010−222595号公報等に記載の方法によりルテニウムを回収する方法が好ましい。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水洗工程などが挙げられる。前記水洗工程は、湿式磁選により得られる磁着物と非磁着物とを水洗して、非磁性のブラスト材を含む非磁着物を取り除く工程である。
<用途>
本発明の白金及びルテニウムの回収方法は、従来法では実現することができなかった、ブラスト処理物に含まれる白金及びルテニウムの含有率が低い場合(例えば、白金含有率で0.1質量%、ルテニウム含有率で0.3質量%の場合)であっても、白金及びルテニウムの回収を、低コスト、かつ、高収率で行うことができる。
特に、湿式磁選を用いることで、前記ブラスト処理物における白金及びルテニウムなどの貴金属を大幅に濃縮して得られる磁着物が得られるため、低コスト、かつ、高収率で、白金及びルテニウムを回収することができる。
(貴金属のリサイクル方法)
本発明の貴金属のリサイクル方法は、前記白金及びルテニウムの回収方法を用いて、回収した貴金属をリサイクルする方法であり、前記ブラスト処理物から、低コスト、かつ、高収率で回収した白金及びルテニウムなどの貴金属をリサイクルする方法である。
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<湿式磁選による白金及びルテニウムの回収方法>
−磁着物回収工程−
ハードディスクの内部部品を、アルミナサンドによりブラスト処理して得られた白金及びルテニウムを含む粉を[ブラスト処理物A]とした。前記[ブラスト処理物A]の成分を表1に示す。なお、前記[ブラスト処理物A]における白金及びルテニウムの含有率は、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(SII社製、SPS5100)を用いて測定し、その他の元素の含有率は、蛍光X線分析装置(SHIMADZU社製、製品名「XRF−1700」)を用いて測定した。
前記[ブラスト処理物A]120kgに、固液比(固体:液体)が1:1となるように水を添加して、泥状となるように調製し、電磁分離機(日本エリーズマグネチックス株式会社製、商品名「マグネチック・セパレータ」)により湿式磁選を行い[磁着物A1]と[非磁着物A1]とに分離した。前記[磁着物A1]の組成を表1に示し、湿式磁選のフローチャートを図1に示す。なお、磁着物中の粒度は、100μm以下のものがほとんどであった。
−白金及びルテニウム回収工程−
前記[磁着物A1]を、王水で溶解した溶液を白金溶解液として、白金を回収した。また、王水溶解残渣に含まれるルテニウムについては、特開2010−222595号公報等に記載の方法により回収した。
(実施例2)
<湿式磁選による白金及びルテニウムの回収方法>
実施例1における[ブラスト処理物A]120kgを、表1に示す成分の[ブラスト処理物B]1,530kgに変えたこと以外は、実施例1と同様にして、白金及びルテニウムの回収を行った。
(実施例3)
<湿式磁選による白金及びルテニウムの回収方法>
実施例1における[ブラスト処理物A]120kgを、ブラスト材を炭化珪素粒とした[ブラスト処理物C]1,650kgに変えたこと以外は、実施例1と同様にして、白金及びルテニウムの回収を行った。
(評価)
<湿式磁選による白金及びルテニウムの回収結果>
実施例1〜3における[ブラスト処理物]、及び[磁着物]の組成を表1に示し、湿式磁選による白金及びルテニウムの回収結果を表2に示す。
ここで、磁着物の質量と非磁着物の質量との合計量が、ブラスト処理物の合計量を上回っているが、非磁着物の乾燥不十分によるものである。
なお、白金及びルテニウムにおける、分配率は、処理済ブラストと磁着物における白金及びルテニウムの含有量から求め、濃縮率は、処理済ブラストと磁着物における白金及びルテニウムの含有率から求めた。
実施例1において、前記[磁着物A1]における白金含有率は4.88質量%、前記[非磁着物A1]における白金含有率は0.01質量%であった。その結果、前記[ブラスト処理物A]における白金は、磁性側に95.3質量%分配され、濃縮倍率が5.5倍となることがわかった。
また、実施例1において、前記[磁着物A1]におけるルテニウム含有率は18.68質量%、前記[非磁着物A1]におけるルテニウム含有率は0.44質量%であった。その結果、前記[ブラスト処理物A]におけるルテニウムは、磁性側に81.6質量%分配され、濃縮倍率は4.7倍となることがわかった。
実施例1の結果から、白金及びルテニウム含有率の低い[ブラスト処理物A]から、白金及びルテニウムが濃縮されてなる[磁着物A1]を原料として、白金及びルテニウムを回収することができるため、本発明による白金及びルテニウムの回収方法を用いると、処理液の量が抑えられ、低コスト、かつ、高収率で、白金及びルテニウムを回収することができることがわかった。
実施例2において、前記[磁着物B1]における白金含有率は2.89質量%、前記[非磁着物B1]における白金含有率は0.01質量%未満であった。その結果、前記[ブラスト処理物B]における白金は、磁性側に95.5質量%分配され、濃縮倍率が26.3倍となることがわかった。
また、実施例2において、前記[磁着物B1]におけるルテニウム含有率は9.09質量%で、前記[非磁着物B1]におけるルテニウム含有率は0.08質量%であった。その結果、前記[ブラスト処理物B]におけるルテニウムは、磁性側に78.6質量%分配され、濃縮倍率は21.6倍ととなることがわかった。
実施例2の結果から、実施例1の[ブラスト処理物A]よりも、鉄やコバルトなどの強磁性体の含有率が低い[ブラスト処理物B]に対しても、本発明は有効であることがわかった。
実施例3において、前記[磁着物C1]における白金含有率は3.13質量%、前記[非磁着物C1]における白金含有率は0.01質量%未満であった。その結果、前記[ブラスト処理物C]における白金は、磁性側に94.5質量%分配され、濃縮倍率が31.3倍となることがわかった。
また、実施例3において、前記[磁着物C1]におけるルテニウム含有率は9.34質量%、前記[非磁着物C1]におけるルテニウム含有率は0.06質量%であった。その結果、前記[ブラスト処理物C]におけるルテニウムは、磁性側に85.4質量%分配され、濃縮倍率は28.3倍となることがわかった。
実施例3の結果から、実施例1の[ブラスト材A]であるアルミナだけでなく、実施例3の[ブラスト材C]である炭化珪素鉄に対しても、本発明は有効であることがわかった。
参考例4)
<乾式磁選による白金及びルテニウムの回収方法>
実施例1における[ブラスト処理物A]120kgを、[ブラスト処理物A]137kgとし、実施例1における[磁着物回収工程]における[湿式磁選]を、電磁分離機(日本エリーズマグネチックス株式会社製、商品名「マグネチック・セパレータ」)による[乾式磁選]に変えたこと以外は、実施例1と同様にして、白金及びルテニウムの回収を行った。乾式磁選のフローチャートを図2に示す。
参考例5)
<乾式磁選による白金及びルテニウムの回収方法>
参考例4における[ブラスト処理物A]137kgを、[ブラスト処理物B]1,410kgに変えたこと以外は、参考例4と同様にして、白金及びルテニウムの回収を行った。
参考例6)
<乾式磁選による白金及びルテニウムの回収方法>
参考例4における[ブラスト処理物A]137kgを、[ブラスト処理物C]1,470kgに変えたこと以外は、参考例4と同様にして、白金及びルテニウムの回収を行った。
(評価)
<乾式磁選による白金及びルテニウムの回収結果>
参考例4〜6における乾式磁選による白金及びルテニウムの回収結果を表3に示す。
なお、白金及びルテニウムにおける分配率は、ブラスト処理物と磁着物における白金及びルテニウムの含有量から求め、濃縮率は、ブラスト処理物と磁着物における白金及びルテニウムの含有率から求めた。
参考例4において、前記[磁着物A2]における白金含有率は1.51質量%、前記[非磁着物A2]における白金含有率は0.17質量%であった。その結果、前記[ブラスト処理物A]における白金は、磁性側に91.7質量%分配され、濃縮倍率が1.7倍となることがわかった。
また、参考例4において、前記[磁着物A2]におけるルテニウム含有率は6.08質量%、前記[非磁着物A2]におけるルテニウム含有率は1.10質量%であった。その結果、前記[ブラスト処理物A]におけるルテニウムは、磁性側に86.8質量%分配され、濃縮倍率は1.6倍となることがわかった。
参考例4の結果から、ある程度の濃縮効果が確認できた。ただし、実施例1の[非磁着物A1]と比較して、参考例4の[非磁着物A2]は、白金及びルテニウムにおける分配率が高くなり、濃縮率は低くなることがわかった。この原因としては、本来磁着しないはずのアルミナが磁着物に取り込まれたためだと推測される。
参考例5において、前記[磁着物B2]における白金含有率は0.34質量%、前記[非磁着物B2]における白金含有率は0.02質量%であった。その結果、前記[ブラスト処理物B]における白金は、磁性側に90.5質量%分配され、濃縮倍率が2.6倍となることがわかった。
また、参考例5において、前記[磁着物B2]におけるルテニウム含有率は0.92質量%、前記[非磁着物B2]におけるルテニウム含有率は0.1質量%であった。その結果、前記[ブラスト処理物B]におけるルテニウムは、磁性側に81.6質量%分配され、濃縮倍率は2.4倍となることがわかった。
参考例5の結果から、ある程度の濃縮効果が確認できた。ただし、実施例2の[非磁着物B1]と比較して、参考例5の[非磁着物B2]は、白金及びルテニウムにおける分配率が高くなり、濃縮率は低くなることがわかった。この原因としては、本来磁着しないはずのアルミナが、磁着物に取り込まれたためだと推測される。
参考例6において、前記[磁着物C2]における白金含有率は0.40質量%、前記[非磁着物C2]における白金含有率は0.01質量%であった。その結果、前記[ブラスト処理物C]における白金は、磁性側に94.9質量%分配され、濃縮倍率が4.4倍となることがわかった。
また、参考例6において、前記[磁着物C2]におけるルテニウム含有率は1.34質量%、前記[非磁着物C2]におけるルテニウム含有率は0.06質量%であった。その結果、前記[ブラスト処理物C]におけるルテニウムは磁性側に84.2質量%分配され、濃縮倍率は3.9倍となることがわかった。
参考例6の結果から、ある程度の濃縮効果が確認できた。ただし、実施例3の[非磁着物C1]と比較して、参考例6の[非磁着物C2]は、白金及びルテニウムにおける分配率が高くなり、濃縮率は低くなることがわかった。この原因としては、本来磁着しないはずのアルミナが、磁着物に取り込まれたためだと推測される。
本発明の白金及びルテニウム回収方法は、白金及びルテニウムを含む基材をブラスト処理して得られるブラスト処理物から、白金及びルテニウムを、低コスト、かつ、高収率で回収することができるため、貴金属のリサイクル方法として好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. 白金及びルテニウムが付着した基材の表面を、非磁性のブラスト材を用いてブラスト処理して、前記ブラスト材に白金及びルテニウムを付着させて得られるブラスト処理物を磁選して磁着物を回収する工程と、
    前記磁着物から白金及びルテニウムを回収する工程と、を含み、
    前記磁選が、前記ブラスト処理物に水を加えて泥状にして行う湿式磁選であることを特徴とする白金及びルテニウムの回収方法。
  2. 白金及びルテニウムが付着した基材が、ハードディスク製造装置の部品である請求項に記載の白金及びルテニウムの回収方法。
  3. 請求項1からのいずれかに記載の白金及びルテニウムの回収方法を用いることを特徴とする貴金属のリサイクル方法。
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