JP2009195901A - 家庭用電気器具の分解処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】家庭用電気器具の構成部品を破砕および粉砕することなく、家庭用電気器具を構成部品毎に分解して分別することができる、家庭用電気器具の分解処理方法を提供する。
【解決手段】複数の構成部品を接続または連結して一体に組み立てられた家庭用電気器具を、略円筒形の容器10内に投入し、この容器10内の底面10aの略中心のまわりで周方向に回転する羽根14によって、容器10内に投入された家庭用電気器具を容器10の内壁に衝突させて、構成部品の各々を実質的に破砕しないように家庭用電気器具を構成部品毎に分解した後、構成部品毎に分別する。
【選択図】図1

Description

本発明は、家庭用電気器具の分解処理方法に関し、特に、廃棄物として処理する家庭用電気器具を構成部品毎に分解した後に分別して回収する方法に関する。
従来、廃棄物として処理する携帯電話機や、コンピュータなどに使用するハードディスクドライブや各種ディスクドライブなどの多くの小型家電製品(小型の家庭用電気器具)は、分解や分別に費用がかかることから、そのまま一般廃棄物として廃棄されており、小型家電製品から金属類などの回収が進み難くなっている。そのため、廃棄物として処理する小型家電製品のうち、一部の小型家電製品を手作業で部品毎に分解した後、その電子基板などを銅製錬所などにおいて処理して、銅や貴金属を回収するに止まっている。
近年、小型家電製品の高機能化や高密度化が進み、小型家電製品の内部には、多くの金属類が使用されている。これら金属類の中には、例えば、液晶表示パネルの透明電極に使用されるインジウム、磁石材料のネオジウム、ディスプロシウム、コンデンサ材料のチタンやタンタル、電池材料のリチウムやコバルト、タングステンや、その他の資源的に希少な金属や、需給バランス上、回収するのが望ましい金属類も含まれている。
しかし、このような金属類は、小型家電製品の電子基板上にあっても、銅のようにベースメタルの金属回収工程で回収することができず、また、電子基板以外に存在する部品に使用されている場合は、その部品の分離に費用がかかることから、その部品の分離を行わずに、そのまま廃棄されることが多い。そのため、廃棄物として処理する小型家電製品に含まれる上記の希少金属は、殆ど回収されていなかった。
一方、被破砕物を小さく破砕する様々な破砕装置が提案されており(例えば、特許文献1参照)、小型家電製品の電子部品を搭載したプリント配線基板を破砕して電子部品をプリント配線基板から分離するために、このような破砕装置を使用することができる。
特開2003−10707号公報公報(段落番号0008)
しかし、このような破砕装置を使用して小型家電製品を破砕すると、小型家電製品の部品は小さく且つ強度が低いため、部品毎に分解して回収するのは困難であり、また、プリント配線基板上に搭載された電子部品がプリント配線基板に残存する場合が多く、効率的に金属類を回収することができなかった。
また、小型家電製品を破砕した後に、粉砕して細かい粒子とし、この粒子を比重、磁性、誘電率、電気抵抗などの差を利用して物理選別すると、物理的性質が似通った粒子を分離することができない。また、小型家電製品の電子部品には、多くの希少金属が含まれているが、各々の金属は微量であるため、粉砕して細かい粒子にすると、希少金属の回収ロスが大きくなる。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、家庭用電気器具の構成部品を破砕および粉砕することなく、家庭用電気器具を構成部品毎に分解して分別することができる、家庭用電気器具の分解処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明による家庭用電気器具の分解処理方法は、複数の構成部品を接続または連結して一体に組み立てられた家庭用電気器具を容器内に投入し、この容器内の底部で回転する羽根によって、容器内に投入された家庭用電気器具を容器の内壁に衝突させて、家庭用電気器具を構成部品毎に分解した後、構成部品毎に分別することを特徴とする。
この家庭用電気器具の分解処理方法において、家庭用電気機器を構成部品毎に分解する際に、構成部品の各々を実質的に破砕しないように家庭用電気機器を構成部品毎に分解するのが好ましい。また、家庭用電気器具が、同一の条件で家庭電気器具を構成部品毎に分解し得る同一種類の複数の家庭用電気器具であるのが好ましい。また、容器が略円筒形の容器であり、羽根が容器の底面の略中心のまわりで容器の周方向に回転する羽根であるのが好ましく、また、容器の内壁に複数の突起が形成されているとともに、羽根の上面に複数の突起が形成されているのが好ましい。さらに、家庭用電気器具が携帯電話機の場合には、携帯電話機を、表示パネルと、電子部品と、電子基板と、筐体に分解するのが好ましく、家庭用電気器具がハードディスクドライブの場合には、ハードディスクドライブを、電子基板と、ディスク板と、ダイカストと、カバーと、保持材と、電子部品と、プラスチックと、磁石塊に分解するのが好ましい。
本発明によれば、家庭用電気器具の構成部品を破砕および粉砕することなく、家庭用電気器具を構成部品毎に分解して分別することができるので、構成部品毎に保管または備蓄することができ、各々の構成部品に含まれる希少金属などの金属類を効率的に回収することができる。
本発明による家庭用電気器具の分解処理方法の実施の形態で使用可能な分解処理装置の概略図である。
本発明による家庭用電気器具の分解処理方法の実施の形態では、それぞれ複数の構成部品を接続または連結して一体に組み立てられた同一種類の複数の家庭用電気器具を、略円筒形の容器内に投入し、この容器内の底面の略中心のまわりで周方向に回転する羽根によって、容器内に投入された家庭用電気器具を容器の内壁に衝突させて、構成部品の各々を実質的に破砕しないように家庭用電気器具を構成部品毎に分解した後、構成部品毎に分別する。なお、構成部品の各々を実質的に破砕しないように家庭用電気器具を構成部品毎に分解するためには、事前の試験によって所望の羽根の回転数や処理時間を決定すればよい
本実施の形態の家庭用電気器具の分解処理方法に使用する分解処理装置として、例えば、図1に示す分解処理装置を使用することができる。図1に示す分解処理装置は、鉛直方向から約30°傾斜して配置された略円筒形の容器10と、この容器10の底面10aの中心部から上方に突出する中心軸12に支持されて、互いに略直交するように配置されるとともに、中心軸12のまわりを容器10の周方向に所望の回転数で回転可能な略帯板状の2枚の羽根14と、これらの羽根14の各々の先端部付近(容器10の内壁付近)から上方に突出した突起部14aと、容器10の内壁に設けられた複数の突起部16とを備えている。この分解処理装置では、容器10の底部で回転する羽根によって、投入された家庭用電気器具を跳ね上げて、容器10の内壁に家庭用電気器具を衝突させることができるようになっている。
家庭用電気器具には、廃棄された家庭用電気器具や、製造工程において不良品となった家庭用電気器具など、廃棄処分とする家庭用電気器具であれば、どのような家庭用電気器具も含まれるが、小型の家庭用電気器具であるのが好ましい。例えば、小型の家庭用電気器具としては、CDプレーヤ、MDプレーヤ、MP3プレーヤ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ハードディスク(HD)プレーヤ、DVDプレーヤ、HDレコーダ、DVDレコーダ、デジタルチューナ、CATVチューナ、テレビゲーム機、携帯ゲーム機、携帯電話機、固定電話機、ファクシミリ、(電話端末、有線・無線LAN端末などの)通信関連機器、PDA(電子手帳)、電子辞書、小型液晶機器(ワンセグTV、フォトフレーム)、カーナビゲーションシステム、カーテレビ、カーオーディオ、(ノート型、デスクトップ型の)パソコン本体、(HDドライブ、CDドライブ、DVDドライブ、カードリーダなどの)パソコン内蔵機器、(HDドライブ、CDドライブ、DVDドライブ、カードリーダなどの)パソコン外付け機器、これらの機器の電子基板、(ACアダプタ、充電器類などの)これらの機器への電源供給装置が挙げられる。
家庭用電気機器の構成部品としては、液晶表示パネルなどの表示部品、(モータ類、スピーカなどの)磁石を含む部品、光学ピックアップ、(ディスクなどの)記録媒体、電池類、電子基板類、コード類、コネクタや銅箔類、(プラスチック、金属などの)外装および構造材、(CPU、ICチップ、コンデンサ、抵抗、サーミスタ、コネクタ、LEDなどの)電子基板上の素子などの種々の構成部品が挙げられる。
また、構成部品には、電子基板に実装されたコンデンサやICチップなどの電子部品も含まれる。これらの電子部品は、非常に小さく、数g程度と非常に軽いが、金、銀、白金などの貴金属や、ゲルマニウム、ガリウム、ルテニウム、インジウム、ロジウムなどの希少な有価金属類を含んでいる。また、冷却フィンや筐体などのように、比較的材質が均質で、電子部品より大型の構成部品は、それらの材料として銅、アルミニウム、鉄、亜鉛などを含んでいる。
また、同一の条件で家庭電気器具を構成部品毎に分解し得る同一種類の複数の家庭用電気器具を同時に分解処理すれば、効率的に破損や損耗が少ない構成部品に分解または分離して、分別して回収することができ、各々の構成部品に含まれる希少金属などの金属類を効率的に回収することができる。
例えば、家庭用電気器具として携帯電話機を分解処理する場合、約200g以下の液晶表示パネル、電子基板および電池が一体に組み合わされた一般的な携帯電話機であれば、同一種類の家庭用電気器具として同時に分解処理することができるが、折り畳み式か否か、カメラ付か否かなどによって、携帯電話機を複数の種類に分類した後に、同一種類の携帯電話機を同時に分解処理するのがさらに好ましい。
また、家庭用電気器具としてパーソナルコンピュータなどのハードディスクドライブを分解処理する場合、ハードディスクドライブには、主にデスクトップパソコンで使用される3.5インチや、ノート型パソコンで使用される2.5インチや、1.8インチなどの数種類のハードディスクドライブがあり、これらの基本的な機能や形態は変わらず、外部のカバー類(ダイキャスト材と鉄板)、ディスクユニット、電子基板、ボイスコイルモータとその保持材(鉄とアルミニウム)、一部のプラスチック部品で構成されているが、3.5インチのディスクにはアルミニウムが多く、2.5インチなどのディスクにはガラスが多いので、分解後の分別の精度を向上させるために、ディスクの所謂プラッタ径の長さによって複数の種類に分類した後に、同一種類のハードディスクドライブを同時に分解処理するのが好ましい。
また、家庭用電気器具としてビデオカメラとデジタルカメラを分解処理する場合、それぞれを分別した後に、ビデオカメラまたはデジタルカメラを同時に分解処理するのが好ましい。
また、エポキシ樹脂からなる電子基板とフェノール樹脂からなる電子基板を分解処理する場合、それぞれ分別した後に、エポキシ樹脂からなる電子基板またはフェノール樹脂からなる電子基板を同時に分解処理するのが好ましい。また、(液晶表示パネル、スピンドルモータやリニアモータなどの小型精密モータ、磁気記録装置などの)特定の機能部品に特定の希少金属が使用されているので、このような特定の機能部品の搭載の有無で分別するには、電子基板の種類(エポキシ樹脂からなる電子基板またはフェノール樹脂からなる電子基板)によって分別することができる。
一度に分解処理する家庭用電気器具の重量は、構成部品の破損を少なくするために、重い方がよく、家庭用電気器具として携帯電話機やハードディスクドライブを分解処理する場合、5kg以上であるのが好ましい。
分解処理された構成部品は、篩い分け、磁力選別、風力選別、比重選別、静電分離選別、渦電流選別、手選別などの方法によって、構成部品毎に分別する。例えば、携帯電話機の場合は、外装、電子基板、シート基板、液晶表示パネル、磁石、モータなどに分別することができ、ハードディスクドライブの場合は、外装(アルミダイキャストと鉄板)、ディスク、電子基板、ボイスコイルモータ磁石などに分別することができる。
また、永久磁石を含む家庭用電気器具を分解処理すると、磁石が磁性を有する物と磁着するため、集合体として塊状となる。分解処理後は、磁性を有する構成部品と非磁性の構成部品では、形状や寸法が明らかに異なるので簡単に分離されており、磁力選別または手選別などによって構成部品毎に分別し易いが、磁石同士や磁石と鉄部品とは、磁着して塊状になる。特に、磁力が強い磁石の場合には、この塊状は殆ど崩れず、強固な状態である。
そのため、このように塊状になった磁石を脱磁すれば、脱磁後の磁石と鉄部品に分別するのが容易になるが、磁性を完全に取り除くことができないため、塊状よりは崩れ易いが磁石と鉄部品の混合体になっている。そのため、脱磁した後に、粉砕機などによって混合体を軽く粉砕する。磁石は焼結体であるため、粒径1〜5mm程度以下の小さい粉状になり、磁石からの粉体と鉄部品の混合物になる。磁石は粒径の小さい粉状になっているため、篩い、風力選別、弱磁選機などによって、容易に鉄部品と分別することができる。磁石の粉体は、磁石成分である希少金属を多く含んでいるので、希少金属を回収することができる。特に、磁石が粉状であるため、取り扱い易く、保管するために特別な形状の容器を必要としない上、薬剤などに溶解する際にも、比表面積が大きいので溶け易いなどの有利な点がある。なお、脱磁処理は、永久磁石を大気中において200℃以上に加熱すればよいが、処理量にもよるが、大気中において400℃で30分間加熱処理すれば十分である。
多種類の電子部品が実装されている(エポキシ樹脂)電子基板の場合には、電子基板から電子部品を分離した後、篩い分けによって電子基板と電子部品を分離する。電子基板上に実装されている電子部品を破損することなく回収することができ、破損の程度が少ないため、電子部品の保存性を損なうことがなく、電子部品の備蓄に適している。なお、回収された電子部品には、ペーストなども付着されているが、ペーストにも微量の有価金属が含まれているので、電子部品とともに備蓄することができる
鉄板、ダイキャスト、アルミニウム部品、プラスチック部品、電子部品を取り外した電子基板などのように、分解処理された構成部品が単一の材料で構成されている場合には、それぞれの一般的な回収工程で処理することができる。
その他の複合金属が含まれる構成部品からは、化学的な処理によって所望の金属を回収することができる。例えば、液晶表示パネルの化学処理によってインジウムを回収することができる。なお、液晶表示パネルのようなサンドイッチ構造の場合には、インジウムが挟まれているため、インジウムが浸出され易いように、ガラスパネルが若干ひび割れている方がよい。また、電子基板上に実装されていた電子部品からは、タンタルなどや貴金属や銅などを回収することができる。
このように分解処理されて回収された構成部品は、同一種類の構成部品毎に分別されているので、希少金属類などを均質に含んでいるため、金属類などの良質な原料になる。特に、構成部品毎に、あるいは同一の金属類などを含む構成部品を合わせて、金属類を回収することができるので、従来では回収されなかった希少金属類も効率的に回収することができる。また、多種類の家庭用電気機器を破砕した場合と比べて、不要な金属の影響を受け難くなり、金属類などを回収するための工程も短絡化でき、金属類などを効率的に回収することができる。また、極微量に含まれる希少金属を回収する場合には、このようにして分解処理されて回収された電子部品を一定量になるまで保管または貯留することによって、非鉄製錬において希少金属を回収することができる。また、分解処理されて回収された電子部品は、元の形状をほぼ維持しており、安定な状態であるため、特別に密閉空間などを製作する必要もなく、2次汚染のリスクも極めて少ない。
なお、電子基板上から取り外されて回収された電子部品のうち、貴金属を含む電子部品は、貴金属の回収および精錬のために、シアン剥離や王水溶解などの所謂湿式金属精錬に供するか、あるいは、銅または亜鉛製錬の原料とすることができる。また、その他の電子部品のうち、例えば、タンタルコンデンサは、篩い分けなどによって容易に分離することができる。これらの電子部品は、表面に擦り傷があるが、元の電子部品としての耐候性は維持されており、特別な保管管理、例えば、温度や湿度などの特別な管理を行う必要がなく、簡易に蓄積可能である。そのため、湿式貴金属製錬や銅または亜鉛製錬の原料としては回収されない希少金属を含む電子部品は、その希少金属の原料(例えば、タンタルコンデンサはタンタルの原料)として利用可能な状態で保管することができる。
以下、本発明による家庭用電気器具の分解処理方法の実施例について詳細に説明する。なお、以下の実施例では、典型的な小型の家庭用電気器具として、携帯電話機とハードディスクドライブを使用して分解処理を行った。
[実施例1]
図1と同様の分解処理装置として、内径860mm、高さ900mmの円筒形の容器の底部で2枚の羽根が回転可能な破砕装置(平田機工株式会社製)を用意し、この装置の容器内に7360gの携帯電話機を投入し、羽根を回転数750rpmで60秒間回転させた。その結果、投入した携帯電話機を分解して、液晶表示(LCD)パネル345gと、電子部品1475gと、電子基板1330gと、その他の筐体など3310gと、分解不良物900gとを回収することができた。
液晶表示パネルは、パネルの状態のまま回収することができた。この液晶表示パネルからは、湿式処理を経てインジウムを回収することができる。また、電子部品からは、磁力選別や篩い分けなどによって、(ネオジウムやタングステンを含む)振動モータや、(磁石を含む)スピーカなどを回収することができた。
その他の筐体などには、(プラスチックの)筐体、(プラスチックの)ボタンスイッチ、(アルミニウムの)アンテナの他、細かい鉄やアルミニウムやプラスチックからなる部品が含まれる。筐体とその他の部品は、篩い分け、風力選別、磁力選別などによって、素材に応じて分別され、鉄やプラスチックが回収されてリサイクルされるが、リサイクルできないものは、選別残として最終的に廃棄物になる。
分解不良物は、構成部品を破砕しないように羽根の回転数と時間を調整して分解処理を行ったために、液晶表示パネル、電子部品、電子基板、その他の筐体などに分解することができなかったものであり、上記の装置の容器内に再度投入し、羽根を回転数750rpmで60秒間回転させることによって、液晶表示パネルと、電子部品と、電子基板と、その他の筐体などに分解して回収することができた。
電子基板には、エポキシ樹脂基板と紙基板が含まれるが、電子基板自体が軽量であるため、一回の分解処理によって電子基板上に実装された電子部品を取り外すことができなかった。そのため、回収された電子基板1330gと、分解不良物から得られた電子基板と、別途携帯電話機を上記と同様に分解処理することによって得られた電子基板とを合わせた電子基板2500gを、上記の装置の容器内に投入し、羽根を回転数1500rpmで60秒間回転させることによって、電子基板を分解して、電子基板上に実装された電子部品1490gと、実装部品が取り外された電子基板980gとを回収することができた。実装部品が取り外された電子基板からは、銅を回収することができる。一方、電子基板上から取り外されて回収された電子部品からは、篩い分けなどによって、タンタルコンデンサを得ることができる。
なお、回収された電子部品は、表面に擦り傷があるが、元の電子部品としての耐候性は維持されており、特別な保管管理、例えば、温度や湿度などの特別な管理を行う必要がなく、簡易に蓄積可能であり、随時貴金属などの原料として利用可能な状態で保管することができる。
[実施例2]
実施例1と同様の装置の容器内に、3.5インチのハードディスクドライブ20台(10kg)を投入し、羽根を回転数750rpmで60秒間回転させた。その結果、投入したハードディスクドライブを分解して、電子基板380gと、ディスク板1025gと、アルミダイカスト2890gと、カバー(鉄板)2125gと、保持材955gと、電子部品およびプラスチック1955gと、磁石塊460gとを回収することができた。
ディスク板とアルミダイキャストは、単独の部品に分離されており、それぞれアルミニウムのリサイクルに使用することができる。また、カバー(鉄板)と保持材(鉄材)も、単独の部品に分離されており、それぞれ鉄のリサイクルに使用することができる。なお、電子基板およびプラスチックは、それぞれ破砕されずにその形状を殆ど維持したまま回収することができ、磁石塊は、磁石同士と鉄部品が磁着して塊状になっていた。
実装された電気部品が取り外されて回収された電子基板からは、銅を回収することができ、電子基板上から取り外されて回収された電子部品からは、貴金属を回収することができる。なお、回収された電子部品は、表面に擦り傷があるが、元の電子部品としての耐候性は維持されており、特別な保管管理、例えば、温度や湿度などの特別な管理を行う必要がなく、簡易に蓄積可能であり、随時貴金属などの原料として利用可能な状態で保管することができる。例えば、電子基板上から取り外されて回収された電子部品からは、篩い分けなどによって、タンタルコンデンサを得ることができる。
磁石塊からは、磁石成分を回収した。すなわち、磁石塊を大気下において400℃で30分間加熱処理して、脱磁された磁石と鉄部品が分離可能な混合体を得た後、この混合体を粉砕機で軽粉砕をした。この軽粉砕では、粉砕強度が弱いため、脱磁された磁石は簡単に粉砕されて粉状になるが、鉄部品はほぼ粉砕前の形状を維持している。そのため、軽粉砕後の混合体を目開き1mmの篩いにより、磁石の粉体と鉄部品に分離した。この処理により、磁石の全量が1mm以下に粉砕されていることがわかった。回収された磁石には、ネオジウムなどの希少金属が含まれている。なお、回収された磁石は、粉状であるため、薬液への溶解も容易であり、容易に希少金属を回収することができる。すなわち、磁石を含む小型の家庭用電気器具を分解して、磁選または手選別により磁石塊を得た後に、この磁石塊を加熱などにより脱磁し、軽く粉砕し、篩い分けをすれば、磁石の成分を容易に回収することができる。
10 容器
10a 底面
12 中心軸
14 羽根
14a、16 突起部

Claims (7)

  1. 複数の構成部品を接続または連結して一体に組み立てられた家庭用電気器具を容器内に投入し、この容器内の底部で回転する羽根によって、容器内に投入された家庭用電気器具を容器の内壁に衝突させて、家庭用電気器具を構成部品毎に分解した後、構成部品毎に分別することを特徴とする、家庭用電気器具の分解処理方法。
  2. 前記家庭用電気機器を構成部品毎に分解する際に、前記構成部品の各々を実質的に破砕しないように前記家庭用電気機器を構成部品毎に分解することを特徴とする、請求項1に記載の家庭用電気器具の分解処理方法。
  3. 前記家庭用電気器具が、同一の条件で家庭電気器具を構成部品毎に分解し得る同一種類の複数の家庭用電気器具であることを特徴とする、請求項1または2に記載の家庭用電気器具の分解処理方法。
  4. 前記容器が略円筒形の容器であり、前記羽根が前記容器の底面の略中心のまわりで前記容器の周方向に回転する羽根であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の家庭用電気器具の分解処理方法。
  5. 前記容器の内壁に複数の突起が形成されているとともに、前記羽根の上面に複数の突起が形成されていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の家庭用電気器具の分解処理方法。
  6. 前記家庭用電気器具が、携帯電話機であり、この携帯電話機を、表示パネルと、電子部品と、電子基板と、筐体に分解することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の家庭用電気器具の分解処理方法。
  7. 前記家庭用電気器具が、ハードディスクドライブであり、このハードディスクドライブを、電子基板と、ディスク板と、ダイカストと、カバーと、保持材と、電子部品と、プラスチックと、磁石塊に分解することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の家庭用電気器具の分解処理方法。
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