JPH06170247A - 金属製担体触媒からの白金族金属の回収方法 - Google Patents

金属製担体触媒からの白金族金属の回収方法

Info

Publication number
JPH06170247A
JPH06170247A JP32511192A JP32511192A JPH06170247A JP H06170247 A JPH06170247 A JP H06170247A JP 32511192 A JP32511192 A JP 32511192A JP 32511192 A JP32511192 A JP 32511192A JP H06170247 A JPH06170247 A JP H06170247A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group metal
platinum group
metal
recovering
peeling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32511192A
Other languages
English (en)
Inventor
Eisaku Kondo
栄作 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Cataler Corp
Original Assignee
Cataler Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Cataler Industrial Co Ltd filed Critical Cataler Industrial Co Ltd
Priority to JP32511192A priority Critical patent/JPH06170247A/ja
Publication of JPH06170247A publication Critical patent/JPH06170247A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】白金族金属を担持した金属製担体触媒から効率
よく、しかも低コストで白金族金属を回収する方法を提
供すること。 【構成】白金族金属を担持した耐熱性無機酸化物層を有
する金属製担体触媒から(a)白金族金属を含有する耐
熱製無機酸化物層を投射材を含有した空気を投射するこ
とにより剥離させること、(b)剥離した耐熱性無機酸
化物層から白金族金属を回収すること、により白金族金
属を回収する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属製担体触媒から白
金族金属(第8族元素)を回収する方法に関する。特
に、本発明は、自動車、ボイラーまたはガスエンジン等
の排気ガス浄化用として使用された金属製担体触媒から
白金族金属を回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、ボイラーまたはガスエンジンな
どの排気ガス浄化用として使用される担体触媒から触媒
金属を効率よく回収する方法を開発することは、排気ガ
ス浄化装置等のコストダウンの面から重要なことであ
る。特に、従来からよく使用されているアルミナベー
ス、セラミックベース、金属製担体触媒等であって、無
機酸化物被膜を有し、白金族金属(第8族元素)を担持
した触媒から白金族金属を回収する方法が重要である。
【0003】このような無機酸化物被膜を有する触媒か
ら白金族金属を回収する方法としては、これらの触媒を
粉砕または破砕し、還元および焼成のような前処理を行
なった後、酸溶解またはプラズマ溶融により回収する方
法がある。この方法は、アルミナベースやセラミックベ
ースの触媒において一般に使用されており、コート層を
剥離することなく白金族金属を回収することが可能であ
る等の利点を有する。
【0004】しかし、上述の方法を金属製担体触媒に適
用すると、粉砕等の前処理後の酸処理工程において担体
金属等も溶解するため膨大な不純物が混入する。従っ
て、その中から白金族金属を回収することは非常に困難
であり、回収率が悪いうえコストもかかることになる。
このようなことから、金属製担体触媒に上述の方法をそ
のまま使用することは出来ない。
【0005】金属製担体触媒に適用できる他の方法とし
ては、粉砕せずに被膜層のみを超音波、冷熱サイクル、
または薬品等で処理し、剥離させる方法がある。しか
し、自動車、ボイラーまたはガスエンジン等の排気ガス
浄化用として使用された金属製担体触媒は、排ガス流や
自動車の振動に十分耐えられるように設計されており、
このような方法による剥離はどれも剥離率が悪く問題が
あった。
【0006】更に最近では、高温高圧下でNaCN溶液
を用いて白金族金属を溶解し回収する方法も報告されて
いる(Chem.Eng.Nov.1990,p21)
が、猛毒であるNaCNを使うため危険を伴い、好まし
い方法とはいえなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みてなされたもので、その目的は、耐熱性無機コー
ト層を有し、該コート層に白金族金属を担持した金属製
担体触媒からコート層を剥離することにより高回収率、
低コストで白金族金属を回収する方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者等は、耐熱性無機
コート層を有し、該コート層に白金族金属を担持した金
属製担体触媒から白金族金属を短時間で効率的に回収す
るためには、耐熱性無機コート層を短時間で効率よく剥
離させることが必要であるとの考えに基づいて鋭意研究
を重ねた結果、投射材(研磨材のような粉末)を含有し
た空気を適当な空気圧で投射することによって物理的に
かなり強い衝撃を加える方法が有効であることを見い出
し、発明を完成するに至った。即ち、投射材(研磨材の
ような粉末)を混入し得、該投射材を適当な空気圧で投
射できる装置を用い、金属製担体触媒に投射材を吹きか
け、金属製担体触媒の白金族金属を含むコート層を剥離
させ、この後、捕集したコート層を含む投射材から白金
族金属を回収することにより上記課題が解決された。従
って、本発明の方法は、白金族金属を担持した耐熱性無
機酸化物層を有する金属製担体触媒から(a)白金族金
属を含有する耐熱製無機酸化物層を投射材を含有した空
気を投射することにより剥離させることと、(b)剥離
した耐熱性無機酸化物層から白金族金属を回収するこ
と、とにより白金族金属を回収する方法である。以下に
本発明を各工程に沿って更に詳細に説明する。
【0009】工程(a)は、白金族金属を担持した耐熱
性無機酸化物層を有する金属製担体触媒から耐熱性無機
酸化物層を剥離する工程である。該酸化物層の剥離は、
金属製担体触媒に投射材を吹き付けることにより行な
う。
【0010】装置は投射材を空気に混入し得、該投射材
を空気と共に適当な圧力で投射できるものであれば特に
限定されるものではない。この装置の例としては、表面
処理用に一般に用いられるショトブラスト装置の改造機
がある。
【0011】投射材は、白金族金属を担持したコート層
を剥離させることができるものであれば特に限定されな
いが、一般に研磨材と呼ばれる無機粉末が好適である。
投射材の材質は、投射材とコート材が混合するので、該
混合物から白金族金属を回収することができる材質であ
れば、特に限定されるものではない。このような材質の
投射材としては、アルミナ粉等を例として挙げることが
できる。
【0012】材質以外では投射材の粒度もコート層の剥
離に大きく影響する。例えば、粒径が細かすぎるとコー
ト層を剥離させるのに十分な効果が得られず、大きすぎ
るとセルのコーナー部への接触が悪く、剥離残りが生じ
る。従って、投射材の材質によって異なるが、投射材の
好ましい粒子径は、20〜300μであり、50〜15
0μが特に好ましい。投射材は、コート材と分離が可能
であれば、回収して再使用することが可能である。
【0013】コート層を十分に剥離させるためには、投
射の空気圧が5kg/cm2 以上であることが好まし
い。例えば、空気の流量が0.5m3 /min以上であ
る場合、空気圧を5kg/cm2 以上で行なえば細長い
金属担体触媒であってもコート層を高効率で剥離するこ
とが可能である。一方、研磨材を加えない場合はコート
層の剥離が不十分となる。投射の方向は剥離が十分効率
よく行なわれるように適宜調節する。例えば、1方向だ
けでは十分に剥離することができない場合、数方向から
投射を行なう。
【0014】本工程では、前処理として金属製担体触媒
に熱処理または化学処理を行なうことができる。このよ
うな前処理を併用することは、効率よくコート層の剥離
を行なうことができるので好ましい。工程(b)は、工
程(a)で得られた剥離した無機コート材と投射材の混
合物から白金族金属を回収する工程である。
【0015】白金族金属を含有する剥離されたコート材
は投射材と共に捕集される。捕集時にエアーガン等で軽
く空気を金属製担体に吹きかけ、金属製担体上に残留し
ているコート材および研磨材を捕集することが好まし
い。
【0016】次に、捕集したコート材および研磨材の混
合物から白金族金属を回収する。白金族金属の回収は、
投射材とコート材の混合物から直接行なうか、または投
射材をコート材から分離した後行なう。場合に応じてど
ちらかを適宜選択すればよい。特に、工程(a)で使用
した投射材とコート材との混合物から白金族金属が回収
困難な場合は投射材とコート材の分離が必要となる。分
離方法はコート材と投射材が分離できる方法であれば特
に限定されないが、例えば投射材の粒子径を粗めに選択
し、風力分離等にかけることによって、投射材とコート
材との分離が行なえる。この他にも、ふるいによる分
離、又は金属ショット材を用いた場合には磁選等で分離
が可能である。更に、投射材は、上記の方法等でコート
材と分離が可能であれば、回収して再使用することが可
能であり、コストの削減等の面から有効である。
【0017】コート材またはコート材と投射材の混合物
から白金族金属を回収する方法は、特に限定されるもの
ではないが、従来から行なわれている酸溶解法、プラズ
マ溶融法等を好適に用いることができる。
【0018】本発明の方法に適した触媒は、金属製担体
触媒だけではなく、耐熱性無機コート層を有し該コート
層に白金族金属を担持した触媒であって、投射材(研磨
材)によって該無機コート層を剥離できる触媒であれば
どのようなのものでもよく、特に制限するものではな
い。
【0019】本発明の方法に適した触媒として、例え
ば、断面が蜂の巣状になったいわゆるハニカム構造を有
し、これにアルミナ等の耐熱性無機コート層を施し、更
に白金族金属を担持した筒状の触媒を挙げることができ
る。
【0020】金属製担体触媒、特に排気ガス浄化用の金
属製担体触媒には、上述のハニカム構造を有するものが
多く、このような構造の触媒は、触媒効率や強度の面か
ら特に、自動車、ボイラーまたはガスエンジン等の排気
ガス浄化用の金属製担体触媒に多く見られる。
【0021】以下に、排ガス浄化用の金属製担体触媒と
して特に重要なもの、即ち上記のハニカム構造を有し、
アルミナ系耐熱性無機コート材をコートし、これに白金
等の第8族金属(白金族金属)を担持させた金属製担体
触媒を例に本発明を更に説明する。 <工程(a)>
【0022】上記金属製担体触媒(サイズは特に限定さ
れない)で排気ガス浄化用に使用したものを、前述のよ
うな適切な空気圧で投射材(研磨材)を投射できる装置
にかけ、耐熱性無機コート層を剥離する。
【0023】コート層の剥離は、ハニカム構造を有する
金属製担体触媒の筒方向(セル方向)に投射材を含有し
た空気を吹きかけることにより行なう。投射材を含有し
た空気を吹きかける方向は、コート層の剥離が十分効率
よく行なわれるように適宜調節する。通常、ハニカム構
造を有する金属製担体触媒の場合、筒方向(セル方向)
の一方向からの投射では不十分な場合が多いので、反対
側からも投射材を含有した空気を吹きかけ剥離を行な
う。
【0024】投射材の材質は、投射材とコート材の混合
物から白金族金属を回収することができる材質であれ
ば、特に限定されるものではない。本工程の場合、投射
材としては、コート材と材質が同質であるアルミナ粉が
好適である。他に用いることができる投射材としては、
例えば、スチール粉、ガラス粉等がある。
【0025】投射材の粒径は、耐熱性無機コート層が、
効率よく剥離できる粒径であれば特に限定されない。例
えば、投射材の材質によって異なるが、アルミナ粉の場
合、80メッシュ程度が好ましい。
【0026】コート層を十分に剥離させるための空気圧
は、投射材の材質および粒径によって異なるが、例えば
アルミナ粉(80メッシュ)の場合、5kg/cm2
上であればよい。好ましくは、6kg/cm2 以上であ
り、更に好ましくは10kg/cm2 以上である。一
方、研磨材を加えない場合、コート層の剥離は不十分と
なる。
【0027】本方法では、コート層の剥離を行なう前に
冷熱処理または薬品処理によってハニカム構造を有する
金属製担体触媒のコート層を脆弱化させておくことが効
果的である。 <工程(b)>
【0028】白金族金属を含有する剥離されたコート材
は投射材と共に捕集される。捕集時にエアーガン等で軽
く空気を金属製担体に吹きかけ、金属製担体上に残留し
ているコート材および研磨材を捕集することが好まし
い。この後、捕集したコート材および研磨材の混合物か
ら白金族金属を回収する。
【0029】投射材がコート材と同質であるアルミナ粉
の場合は、特にコート材から投射材を分離する必要はな
いが、分離すれば、該投射材を繰り返し使用することが
できるのでコストの面から有利である。この場合、利用
できる分離方法としては、風力分離、ふるい分級等のふ
るいによる分離、又は金属ショット材を用いた場合に
は、磁選等がある。回収したコート材から白金族金属を
回収する方法は、特に限定されるものではないが、酸溶
解法、プラズマ溶融法等を好適に用いることができる。
【0030】例えば酸溶解法の場合、捕集したコート材
と投射材の混合物に王水を加え、加熱して溶解した後、
白金族金属を抽出することによって回収する。分析をす
る場合、抽出液を誘導結合高周波プラズマ法(ICP
法)等で分析すればよい。
【0031】
【実施例】
<サンプルの調製>
【0032】フェライト系の金属製担体にγアルミナ
(アルミナ系)の無機担体層をコートし、これにジニト
ロジアンミン白金(Pt)水溶液、および硝酸ロジウム
(Rh)水溶液を用いて担持し、Pt1.3g/l・c
atおよびRh0.3g/l・catの触媒を得た。即
ち、フェライト系の金属担体を、γ−アルミナ粉末、ア
ルミナゾル、硝酸アルミニウム水溶液および水よりなる
スラリー中に浸漬後、余剰のスラリーを吹き払い、乾
燥、焼成して、アルミナコートした担体を得た。この担
体をジニトロジアンミン白金水溶液と硝酸ロジウム水溶
液に順次浸漬し、Pt1.3g/l,Rh0.3g/l
・catの触媒を得た。この触媒は、担体サイズが80
×117(直径(mm)×長さ(mm))のものを使用
した。担体容量は588ccであり、触媒中のPtおよ
びRhの含量は、それぞれ882mgおよび117.6
mgである。この触媒を各々を800℃の自動車排ガス
で50時間エージングして、サンプルAとした。
【0033】以下の実施例1、2、および比較例1、
2、3、4、5において示した回収率および回収量は、
サンプルAを複数個(2乃至3個)使用して得られた結
果を平均したものである。 実施例1
【0034】空気中にアルミナ粉(80メッシュ)を混
入できる装置の加圧ホッパー内にアルミナ粉を封入し、
ノズルから加圧Airと共にアルミナ粉が出るように設
計した装置を用い、6kg/cm2 の圧力で研磨材をサ
ンプルAの両端からセル中に噴射し、白金族金属を含有
するコート層を剥離した。このときの空気の使用量は
2.5Nm3 /minであった。この後、セル中にエア
ーガンで空気を軽く送り、セル内に残留している研磨材
および剥離物を払い出した。剥離物を含有した研磨材を
回収し、この剥離物と研磨材の混合物の全量に王水を加
え、加熱して溶解した後、白金族金属を抽出した。抽出
液を誘導結合高周波プラズマ法(ICP法)で分析し
た。白金族金属の回収量および回収率は表1に示す通り
であった。
【0035】
【表1】 本発明の方法による剥離工程の所要時間は、1個当たり
約2分であった。同様な操作を、空気圧10および15
kg/cm2 についても行った。結果を表1に示した。
【0036】表1で示されるように、本発明の方法は、
6kg/cm2 の空気圧で90%以上の回収率を達成
し、10および15kg/cm2 では約95%程度の高
回収率を達成できた。 実施例2
【0037】空気中にコージェライト粉(100〜15
0μ)を混入できる装置の加圧ホッパー内にアルミナ粉
を封入し、ノズルから加圧Airと共にアルミナ粉が出
るように設計した装置を用い、20kg/cm2 の圧力
で研磨材をサンプルAの片端からセル中に噴射し、白金
族金属を含有するコート層を剥離した。このときの空気
の使用量は1Nm3 /minであった。この後、セル中
にエアーガンで空気を軽く送り、セル内に残留している
研磨材および剥離物を払い出した。剥離物を含有する研
磨材を捕集し、ふるい(160メッシュ)にかけ、研磨
材と剥離物とを分離した。得られた剥離物に王水を加
え、加熱して溶解した後、白金族金属を抽出した。抽出
液を誘導結合高周波プラズマ法(ICP法)で分析し
た。白金族金属の回収量および回収率は表1に示す通り
であった。本発明の方法による剥離工程の所要時間は、
1個当たり約5分であった。 比較例1 実施例1および2との比較のために研磨材を用いない場
合の剥離実験を行った。
【0038】10kg/cm2 の圧力でサンプルAの両
端からセル中に空気のみを噴射し、白金族金属を含有す
るコート層を剥離した。このときの空気の使用量は3N
3 /minであった。この後、剥離物に王水を加え、
加熱して溶解した後、白金族金属を抽出した。抽出液を
誘導結合高周波プラズマ法(ICP法)で分析した。白
金族金属の回収量および回収率は表1に示す通りであっ
た。所要時間は、1個当たり約2分であった。表1で示
されるように、この方法では、回収率は約2.2から
2.3%であった。 比較例2 実施例1および2との比較のために、実施例1における
空気の圧力を下げた場合の実験を行った。
【0039】実施例1の装置を用い、空気の圧力を3k
g/cm2 にして白金族金属を含有するコート層を剥離
した。剥離材を含有するコート層を捕集し、実施例1と
同様に処理して白金族金属の回収量および回収率を求め
た。結果を表1に示した。表1で示されるように、この
方法では、回収率は、約69〜70%であった。 比較例3 実施例1および2との比較のために冷熱サイクルと超音
波洗浄器とを組み合わせた剥離実験を行った。
【0040】サンプルAに1000℃での焼成(2分)
と空気での送風による冷却(2分)を100回繰り返し
た。このサンプルを水を溶媒として超音波洗浄器に24
時間かけ、コート層を剥離させた。コート材を含有した
剥離溶液を濾過し、濾別した剥離物に王水を加え、加熱
して溶解した後、白金族金属を抽出した。抽出液を誘導
結合高周波プラズマ法(ICP法)で分析した。白金族
金属の回収量および回収率は表1に示す通りであった。
表1で示されるようにこの方法では、回収率は、約41
〜42%であった。 比較例4 実施例1および2との比較のために薬品処理と超音波洗
浄器とを組み合わせた剥離実験を行った。
【0041】サンプルAを10%のNaOH水溶液(2
000ml)に1分間浸漬させ、乾燥させた後、600
℃で10時間焼成することによりコート層を脆弱化させ
た。次いでこのものを水を溶媒として超音波洗浄器で2
4時間剥離した。剥離物を濾別し、濾別した剥離物に王
水を加え、加熱して溶解した後、白金族金属を抽出し
た。抽出液を誘導結合高周波プラズマ法(ICP法)で
分析した。回収量および回収率は表1に示す通りであっ
た。表1で示されるようにこの方法では、回収率は、約
58〜60%であった。 比較例5 実施例1および2との比較のために王水で直接溶解する
実験を行った。
【0042】サンプルAを王水にそのまま溶解し、酸性
溶液のまま白金族金属を鉄粉(200g)を加えて還元
した。この操作により白金族金属の粗ブラックが得られ
る。得られた粗ブラックに王水を加え、加熱して溶解し
た後、白金族金属を抽出した。抽出液を誘導結合高周波
プラズマ法(ICP法)で分析した。回収量および回収
率は表1に示す通りであった。表1で示されるようにこ
の方法では、回収率は、約85〜88%であった。 実施例3
【0043】金属製担体(フェライト系の80×117
(直径(mm)×長さ(mm))の金属製担体)をベー
スにした自動車用金属製担体触媒(白金(Pt)、パラ
ジウム(Pd)およびロジウムを含有するもの)を市場
から回収し、コーンおよびフランジ部をプラズマで切断
し試料とた。このサンプル60個をそれぞれ1N−Na
OH水溶液に1分間浸漬し、乾燥した後、800℃で焼
成した。冷却後、これらのサンプルのコート層を剥離し
た。研磨材としてアルミナ紛を使用し、空気圧を15k
g/cm2 として触媒の片端面づつ両端面からセル内に
研磨材を吹き付けた。剥離の時間は片端面が約2分で、
両端で計約4分であった。次に、金属製担体に付着した
剥離物と研磨材をエアーブローで吹き払った。この操作
を繰り返し、連続的に60個のサンプルを処理した。研
磨材はサイクロンで回収し、リサイクルした。剥離物は
サイクロンを介し、バックフィルターで捕集した。
【0044】全サンプルを剥離した後、バックフィルタ
ーで捕集した剥離物の重量とリサイクル使用している研
磨材の重量を測定した(結果を表2にし示した)。次
に、剥離物と研磨材にそれぞれ王水を加え、加熱して溶
解した後、白金族金属を抽出した。抽出液を誘導結合高
周波プラズマ法(ICP法)で分析し、剥離物と研磨材
中に含まれる白金族金属の量を求めた。一方、コート層
を剥離した後の金属製担体上に残された白金族金属につ
いても同様にその含量を求めた。これらの量と先に求め
た各白金族金属の全量をもとに、下式により回収率を求
めた。結果は表2に示した通りである。 (貴金属量)÷(合計貴金属量)×100
【0045】
【表2】
【0046】更に、実施例3における合計回収率(剥離
材およびリサイクル投射材中の回収率を加算したもの)
および白金族金属の全量(剥離材、リサイクル投射材お
よび剥離処理後の金属製担体触媒上に残留していたP
t、PdおよびRhの量をそれぞれ合計したもの)を表
3に示した。
【0047】
【表3】
【0048】
【発明の効果】上述のように、本方法は、比較例1から
4に比べ短時間でしかも高回収率で白金族金属を回収で
きる。また、以下のような利点を有する。
【0049】(1)本発明の方法は、白金族金属が担持
された耐熱性無機コート層のみを剥離させるため、金属
担体をそのまま酸溶解する等の従来法に比べ不純物の含
有を最小限にできる。 (2)本発明の方法は、きわめてシンプルであるため、
工業的行なうとき、設備費、およびランニングコストが
安価ですむ。
【0050】(3)本発明の方法は、酸溶解により白金
族金属を回収する場合、金属製担体を溶解しないため、
溶解に必要な薬品の量が少なくてすみ、ロスも少ない。 (4)本発明の方法は、無機コート層の剥離に要する時
間が非常に短い(2〜5分)ため、処理能力を大きくで
きる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白金族金属を担持した耐熱性無機酸化物
    層を有する金属製担体触媒から白金族金属を回収する方
    法であって、(a)該白金族金属を含有する耐熱製無機
    酸化物層を投射材を含有した空気を投射することにより
    剥離させることと、(b)剥離した耐熱性無機酸化物層
    から白金族金属を回収すること、とを特徴とする白金族
    金属の回収方法。
JP32511192A 1992-12-04 1992-12-04 金属製担体触媒からの白金族金属の回収方法 Pending JPH06170247A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32511192A JPH06170247A (ja) 1992-12-04 1992-12-04 金属製担体触媒からの白金族金属の回収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32511192A JPH06170247A (ja) 1992-12-04 1992-12-04 金属製担体触媒からの白金族金属の回収方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06170247A true JPH06170247A (ja) 1994-06-21

Family

ID=18173237

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32511192A Pending JPH06170247A (ja) 1992-12-04 1992-12-04 金属製担体触媒からの白金族金属の回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06170247A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012219314A (ja) * 2011-04-07 2012-11-12 Okuchi Denshi Kk ブラスト粉からの白金回収方法
JP2012241247A (ja) * 2011-05-20 2012-12-10 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 有価金属の回収方法
JP2012241198A (ja) * 2011-05-16 2012-12-10 Dowa Holdings Co Ltd 白金族金属を含有するブラストサンドからの白金族金属回収方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012219314A (ja) * 2011-04-07 2012-11-12 Okuchi Denshi Kk ブラスト粉からの白金回収方法
JP2012241198A (ja) * 2011-05-16 2012-12-10 Dowa Holdings Co Ltd 白金族金属を含有するブラストサンドからの白金族金属回収方法
JP2012241247A (ja) * 2011-05-20 2012-12-10 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 有価金属の回収方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5279464A (en) Method of and apparatus for recycling catalytic converters
EP2240614B1 (en) Process for the recovery of precious metals from used and/or defective catalytic carriers
US7285250B2 (en) Apparatus for treating perfluorocompound gas
TWI617355B (zh) 自含貴金屬催化劑成形體移除貴金屬之方法
WO1995020434A1 (en) Process for recovering catalyst supports
JPH06170247A (ja) 金属製担体触媒からの白金族金属の回収方法
US4074865A (en) Method of recovering platinum group metal values from a used washcoated catalyst
JP4274802B2 (ja) 白金族の貴金属回収方法
JPH06170246A (ja) 金属製担体触媒からの白金族金属の回収方法
WO2005100622A1 (en) Process for removal of the catalytic coating material from spent, defective or unused metal support catalytic converters
US20070183951A1 (en) Method for recovering noble metals from metallic carrier catalytic device
CN107326192A (zh) 从汽车尾气催化剂中回收铑的方法
WO2005100621A1 (en) Method for recovery of palladium
WO2010084364A1 (en) Method for recovering precious metals from waste catalyst
US11225702B2 (en) Platinum group metals recovery
JP2001335855A (ja) 廃触媒からの白金回収方法
JPH0587574B2 (ja)
JP2943813B2 (ja) 排気ガス浄化用モノリス触媒からの白金族金属回収方法
JPH05212297A (ja) 金属箔担体触媒からの白金族金属回収方法
JP2023066953A (ja) 濃縮白金族元素の製造方法
JP4560700B2 (ja) 触媒金属担持方法及び触媒リサイクル方法
JPH01189347A (ja) 自動車排気ガス用触媒からの白金族金属回収方法
JP3091372B2 (ja) 固体粒子粉末の処理方法
JP2506386B2 (ja) 自動車排ガス用触媒からの白金族金属回収方法
JPH02209433A (ja) 金属担体触媒からの白金族の回収方法