JP2023066953A - 濃縮白金族元素の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、直接浸出法による廃触媒からの白金族元素の回収技術であって、複数の異なる条件での溶出操作に依存せずに優れた白金族元素の溶出率が達成できる技術を提供することを目的とする。【解決手段】白金族元素を含む廃触媒を塩酸の存在下でマイクロ波照射により加熱し前記白金族元素を溶出させる工程1と;前記白金族元素を含む溶出液を分離回収する工程2と;前記溶出液から濃縮白金族元素を含む材料を得る工程3と、を含む、濃縮白金族元素の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、廃触媒から白金族元素をリサイクルする技術に関する。
白金族元素は、高い耐熱性、優れた耐蝕性、及び特異な触媒特性を有することから産業界での有用性が高い。白金族金属の需要の大部分は、自動車等の排気ガスを浄化するための触媒(排ガス浄化触媒)が占めている。
使用済みの排ガス浄化触媒(廃触媒)にはこのような有用な白金族元素が含まれるため、当該元素の再利用を目的として、廃触媒から白金族元素を回収する取り組みが盛んに行われている。
しかしながら、廃触媒中の白金族元素の含有量がわずか500~5000ppm程度であること、及び白金族元素特有の難溶性及び難分離性から、白金族元素の抽出及び分離には時間と手間がかかり、環境負荷も大きい。このため、効率的に白金族金元素を回収することを目指して様々な技術開発が行われている。白金族金元素を回収する方法の1つとして、廃触媒を直接的に酸により浸出して白金族元素を溶出させる方法(直接浸出法)がある。
より具体的には、特許文献1によれば、多孔性無機物質に白金族金属を担持させた触媒より、白金族金属を溶解抽出して回収するに当り、外気を遮断できる密閉容器中に、無機酸と触媒及び酸化剤を加え、更に、該無機酸の濃度を上昇させ、この後に加熱抽出することを特徴とする使用済み触媒からの白金族金属回収方法が記載されている。
また、特許文献2によれば、廃触媒を希硫酸で浸出してアルミニウム分とマグネシウム分を溶出させて固液分離する硫酸浸出工程と、この硫酸浸出残渣を塩酸と次亜塩素酸ナトリウム水溶液で浸出して白金族金属を溶出させて固液分離する塩酸浸出工程と、塩酸浸出後液に還元用金属粉を添加して白金族金属を析出させる還元工程と、析出した白金族金属を固液分離して回収する工程とを有することを特徴とする廃触媒の処理方法が記載されている。
特開平6-136465号公報 特開2011-184764号公報
特許文献1の方法では、溶解残渣中に白金族元素が数%残留するため、多量の白金族元素がリサイクルされずに廃棄されることとなる。近年の白金族金属価格高騰を考慮すると、数%の廃棄であっても大きな損失となる。特許文献2の方法では、硫酸浸出工程と塩酸浸出工程という、複数の異なる条件での溶出操作を要し、それぞれの工程で得られた溶出液の両方に白金族元素が含まれるため、操作が複雑になる。
そこで、本発明は、直接浸出法による廃触媒からの白金族元素の回収技術であって、複数の異なる条件での溶出操作に依存せずに優れた白金族元素の溶出率が達成できる技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、加熱手段としてマイクロ波を用いることによって、廃触媒からの白金族元素の回収が、1回の溶出工程のみを行った場合であっても優れた溶出効率で可能となることを見出した。本発明は、この知見に基づいてさらに検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 白金族元素を含む廃触媒を塩酸の存在下でマイクロ波照射により加熱し前記白金族元素を溶出させる工程1と、
前記白金族元素を含む溶出液を分離回収する工程2と、
前記溶出液の揮発成分の除去を含む処理を行い、濃縮白金族元素を含む材料を得る工程3と、
を含む、濃縮白金族元素の製造方法。
項2. 前記工程1においてさらに酸化剤を共存させる、項1に記載の製造方法。
項3. 前記酸化剤が、過酸化水素及び/又はオゾンである、項2に記載の製造方法。
項4. 前記塩酸の塩化水素1モル当たりの前記酸化剤の量が、0.1~0.23モルである、項2又は3に記載の製造方法。
項5. 前記工程1を150~250℃の密閉系で行う、項1~4のいずれかに記載の製造方法。
項6. 前記白金族元素がロジウムを含み、前記廃触媒に含まれるロジウムの98.5重量%以上が前記濃縮白金族元素を含む材料に含まれる、項1~5のいずれかに記載の製造方法。
項7. 前記工程2において、前記溶出液からの分離物として不溶残渣を得て、
前記不溶残渣から白金族元素を溶出する工程4をさらに含む、項1~6のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、直接浸出法による廃触媒からの白金族元素の回収技術であって、複数の異なる条件での溶出操作に依存せずに優れた白金族元素の溶出率が達成できる技術が提供される。
本発明の濃縮白金族元素の製造方法は、白金族元素を含む廃触媒を塩酸の存在下でマイクロ波照射により加熱し前記白金族元素を溶出させる工程1と;前記白金族元素を含む溶出液を分離回収する工程2と;前記溶出液の揮発成分の除去を含む処理を行い、濃縮白金族元素を含む材料を得る工程3と、を含むことを特徴とする。以下、本発明の製造方法について詳述する。
工程1
工程1では、白金族元素を含む廃触媒を塩酸の存在下でマイクロ波照射により加熱し前記白金族元素を溶出させる。より具体的には、工程1では、塩酸を含む浸出用液中で廃触媒を浸漬させた状態でマイクロ波照射により加熱し前記白金族元素を溶出させる。これにより、廃触媒に含まれていた白金族元素が浸出用液に溶出し、白金族元素を含む溶出液が得られる。
白金族元素を含む廃触媒は、自動車排ガス等の内燃機関排ガスの浄化用触媒の使用済みのものである。これらの触媒の典型例では、ハニカム構造の無機担体に、白金族元素を含む触媒がコーティング等の形態で担持させられている。
無機担体としては、コーディエライト、アルミナ、スピネル、ムライト、チタン酸アルミニウム、リン酸ジルコニウム、炭化珪素、ゼオライト、ペロブスカイト、シリカアルミナ等のセラミックスが挙げられる。
白金族元素としては、白金、パラジウム、ロジウムが挙げられ、これらの少なくとも1種、好ましくは少なくとも2種、特に好ましくはこれら3種が全て含まれる。廃触媒中の白金の含有量としては特に限定されないが、例えば0.06~1重量%、好ましくは0.07~0.5重量%、より好ましくは0.08~0.2重量%が挙げられる。廃触媒中のパラジウムの含有量としては特に限定されないが、例えば0.04~1重量%、好ましくは0.15~0.7重量%、より好ましくは0.2~0.0.4重量%が挙げられる。廃触媒中のロジウムの含有量としては特に限定されないが、例えば0.02~0.1重量%、好ましくは0.02~0.07重量%、より好ましくは0.04~0.06重量%が挙げられる。廃触媒に含まれる元素としては、上記白金族元素のほか、セリウム、マグネシウム、ジルコニウム、及び/又はアルミニウム等が挙げられる。
工程1に供される廃触媒の形態としては特に限定されないが、粉砕された形態であることが好ましい。
当該浸出用液は、少なくとも水及び塩化水素が含まれていればよい。浸出用液中の塩化水素の濃度としては特に限定されないが、例えば4~13.5mol/L、好ましくは6~113.5mol/L、より好ましくは8~12mol/L、さらに好ましくは10~12mol/Lが挙げられる。
白金族元素の溶出効率をより一層向上させる観点から、上記浸出用液は、さらに酸化剤を含むことが好ましい。酸化剤としては特に限定されないが、中でも、白金族元素の溶出効率の向上効果が優れるものの例として、好ましくは過酸化水素及びオゾンが挙げられ、特に、ロジウムの溶出率を一層向上させる観点から、より好ましくは過酸化水素が挙げられる。浸出用液が酸化剤を含む場合における、浸出用液中の酸化剤の濃度としては特に限定されないが、例えば0.5~3mol/L、好ましくは1~2.3mol/L、より好ましくは1.3~2mol/L、さらに好ましくは1.5~1.8mol/Lが挙げられる。
また、浸出用液が酸化剤を含む場合における塩化水素と酸化剤との比率については、上記各濃度に応じて定まるが、白金族元素の溶出効率をより一層向上させる観点から、塩化水素1モル当たりの酸化剤の量として、好ましくは0.1~0.23モル、より好ましくは0.13~0.2モル、さらに好ましくは0.15~0.18モル、特に好ましくは0.16~0.17モルが挙げられる。
なお、一般的に、難溶性金属を溶解させるために、塩酸に硝酸を組み合わせた溶解用液(典型例として、王水が挙げられる。)が用いられることがある。本発明の製造方法は白金族元素の溶出率に優れているため、浸出用液には硝酸を含まなくてもよい。
工程1では、加熱手段としてマイクロ波を用いる。加熱温度としては、白金族元素の溶出が可能となる温度である限りにおいて特に限定されない。加熱温度の具体例としては、例えば150~250℃、好ましくは175~245℃、より好ましくは190~240℃、さらに好ましくは200~235℃、一層好ましくは210~230℃が挙げられる。マイクロ波の出力及び周波数については、加熱温度に応じて当業者が適宜設定することができる。たとえば、マイクロ波出力としては、例えば300~2000W、好ましくは500~1500Wが挙げられ、マイクロ波周波数としては、例えば0.5~10GHz、好ましくは1~5GHz、より好ましくは2~3.5GHzが挙げられる。なお、上記の加熱温度に設定するために、工程1は通常密閉系で行われる。
工程1にかかる時間としては特に限定されない。本発明の製造方法は、白金族元素の溶出効率に優れているため、工程1を比較的短時間で行うことができる。工程1にかかる具体的な時間としては、廃触媒の仕込みスケールにもよるが、例えば0.1~5時間、好ましくは0.1~3時間、より好ましくは0.1~2.5時間が挙げられる。
あるいは、工程1にかかる時間としては、廃触媒に含まれていた白金族元素の例えば99.0%以上、好ましくは99.2%以上が浸出用液中に溶出されるのにかかる時間として設定してもよい。より具体的には、工程1にかかる時間としては、廃触媒に含まれていたパラジウムの例えば99.5%以上、廃触媒に含まれていた白金の例えば99.0%以上、及び/又は、廃触媒に含まれていたロジウムの例えば98.5%以上が浸出用液中に溶出されるのにかかる時間として設定することができる。本発明の製造方法は白金族元素(特にロジウム)の溶出効率に優れているため、1回の工程1で、上述の溶出率となるまで溶出を行うことができる。なお、上記の溶出率は、工程1で得られる溶出液中に含まれる白金族元素を、適宜、後述の工程2及び工程3に供した後に通常の方法で計測し、計測値を、廃触媒中に含まれていた当該白金族元素の含有量を基準とした相対量として導出すればよい。
工程2
上記工程1では、白金族元素を含む溶出液が得られるほか、廃触媒の担体の一部は不溶残渣として残る。不溶残渣には、例えば、アルミナ、セリア、二酸化ケイ素、炭化ケイ素等が含まれる。このため、工程2では、工程1で得られた白金族元素を含む溶出液を不溶残渣と分離して回収する。分離回収の方法としては、固液分離法を用いればよい。固液分離法としては、好ましくは濾過が挙げられる。
工程3
工程3では、工程2で得られた溶出液から濃縮白金族元素を含む材料を得る。濃縮白金族元素を含む材料を得る具体的な方法としては、溶出液中の白金族元素を濃縮できる任意の方法であってよく、このような方法は、当業者によって適宜選択される。
工程3で行われる方法の具体例としては、揮発成分除去、中和、抽出、還元沈降、及び単一元素の分離等から選択される1種又は複数種が挙げられる。これら具体的な方法の具体的な操作手順は、当業者が適宜決定することができる。
工程3において得られる濃縮白金族元素を含む材料は、少なくとも、廃触媒に含まれていた白金族元素を、廃触媒に含まれていた濃度に比べて極めて高い濃度で(つまり濃縮された状態で)含む。濃縮白金族元素を含む材料に含まれる具体的な成分は、工程3において適用された方法に依存して異なりうる。
例えば、工程3において、単一元素の分離以外の方法を行った場合、得られる濃縮白金族元素を含む材料は、典型的には、廃触媒に含まれていた白金族元素の組み合わせを含む。廃触媒が、白金、パラジウム、及びロジウムのうち2種以上を含んでいた場合は、通常、濃縮白金族元素を含む材料は、当該2種以上の白金族元素を含む混合物として得られる。濃縮白金族元素を含む材料には、さらに、工程1において白金族元素と同時に溶出した他の元素(つまり、セリウム、マグネシウム、ジルコニウム、及び/又はアルミニウム等)も含まれ得る。
工程3において、単一元素の分離を行った場合、得られる濃縮白金族元素を含む材料は、白金族元素をそれぞれ単独で(つまり、白金、パラジウム、又はロジウム)含む。
工程4
本発明の製造方法では、上記の工程2で得られた不溶残渣から、さらに白金族元素を回収する工程を行ってもよい。つまり、本発明の製造方法の一形態は、前記工程2において、前記溶出液からの分離物として不溶残渣を得て、前記不溶残渣から白金族元素を溶出する工程4をさらに含む。
不溶残渣から白金族元素を溶出する具体的な方法は、不溶残渣に残存している白金族元素を溶出できる方法であれば特に限定されない。そのような方法の例としては、工程1で廃触媒に対して適用されるものと同じ方法を不溶残渣に浸漬する方法、及びフッ酸中に不溶残渣を浸漬させる方法が挙げられる。
工程4を行った後は、上記工程2で挙げた方法と同じ方法を適用することで、白金族元素を含む新たな溶出液を得ることができる。当該新たな溶出液は、単独で上記工程3で挙げた方法と同じ方法に供し濃縮白金族元素を含む材料を得てもよいし、上記工程2で分離回収された溶出液と混合された後に、上記工程3で挙げた方法と同じ方法に供し濃縮白金族元素を含む材料を得てもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
表1及び表2に示す品位の自動車の廃触媒を用意して粉砕し、その1gを、表示の溶出用液12mlに浸漬した。表示の加熱手段を用い、表示の温度及び時間にて溶出を行った(工程1)。なお、溶出系の雰囲気の条件に関しては、実施例1~6は密閉系、比較例1,2-1,2-2,2-3は加圧条件(密閉系)とし、比較例3-1,3-2,3-3は常圧条件(開放系)であった。その後、濾過にて不溶残渣から溶出液を分離回収し(工程2)、さらに、溶出液を乾固させ、濃縮白金族元素を含む材料を得た(工程3)。
なお、溶出用液のうち、「HCl」と記載されるものは、12mol/Lの濃塩酸であり;「HCl+O3」と記載されるものは、12mol/Lの濃塩酸とオゾン濃度1mg/Lのオゾンマイクロバブル水とを、体積比で10:2(濃塩酸:オゾンマイクロバブル水)となるように混合した液であり:「HCl+H22」と記載されるものは、12mol/Lの濃塩酸と10mol/Lの過酸化水素水とを、体積比で10:2(濃塩酸:過酸化水素水)となるように混合した液である。
さらに、溶出用液のうち、「HCl+H22(HF)」と記載されるものを用いた実施例は、工程2で残った不溶残渣をフッ酸中に浸漬し、80~100℃で30分溶出した(工程4)。その後、工程2と同じ方法で濾過にて溶出液を分離回収した。分離回収した溶出液は、上記工程2で分離回収した溶出液と混合し、上記工程3と同じ方法に供した。
得られた濃縮白金族元素を含む材料について、下記式に基づいて回収率を導出した。式中、「PGM」は、白金族元素を表し、「全PGM量」は、廃触媒中のPGM量をJISR9301-3-3_1999に準じたアルカリ融解法により測定した値であり、「残渣中PGM量」は、工程2で得られた不溶残渣(他の工程を行った実施例の場合は、工程2で得られた不溶残渣と他の工程により得られた不溶残渣との混合物)中のPGM量をJISR9301-3-3_1999に準じたアルカリ融解法により測定した値である。
Figure 2023066953000001
Figure 2023066953000002
Figure 2023066953000003
表1から明らかな通り、白金族元素を含む廃触媒を塩酸の存在下でマイクロ波照射により加熱することで、白金族元素の溶出率が顕著に向上した(各実施例)。また、比較例1と実施例6の対比から明らかなとおり、加熱手段としてマイクロ波を用いることで、加熱時間が1/6という極めて短時間に短縮されたにも関わらず、白金族元素の回収率が向上した。特に、一般的に溶出困難なロジウムの回収率が顕著に向上していた。
また、実施例1、4、5の中でも、酸化剤として過酸化水素を用いた場合(実施例5)には、ロジウムの回収率の向上効果が顕著であった。別途、実施例5で用いた浸出用液にロジウム金属粉末を溶解させる試みを行っても溶解しなかったことが確認された。このことに鑑みると、酸化剤として過酸化水素を用いたことによって一般的に溶出困難なロジウムの回収率が顕著に向上したことは極めて予想外であった。
また、他の工程をさらに組み合わせた場合(実施例7-1~7-3)には、白金、パラジウム、及びロジウムの全てにおいて、99.9%以上という驚異的な回収率が達成され、白金族元素の含有量が異なる様々な廃触媒を用いて試験しても、その驚異的な回収率は再現性良く確認できた。

Claims (7)

  1. 白金族元素を含む廃触媒を塩酸の存在下でマイクロ波照射により加熱し前記白金族元素を溶出させる工程1と、
    前記白金族元素を含む溶出液を分離回収する工程2と、
    前記溶出液から濃縮白金族元素を含む材料を得る工程3と、
    を含む、濃縮白金族元素の製造方法。
  2. 前記工程1においてさらに酸化剤を共存させる、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記酸化剤が、過酸化水素及び/又はオゾンである、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記塩酸の塩化水素1モル当たりの前記過酸化水素の量が、0.1~0.23モルである、請求項2又は3に記載の製造方法。
  5. 前記工程1を150~250℃の密閉系で行う、請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記白金族元素がロジウムを含み、前記廃触媒に含まれるロジウムの98.5重量%以上が前記濃縮白金族元素を含む材料に含まれる、請求項1~5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記工程2において、前記溶出液からの分離物として不溶残渣を得て、
    前記不溶残渣から白金族元素を溶出する工程4をさらに含む、請求項1~6のいずれかに記載の製造方法。
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