JP2012237774A - 導電性エンドレスベルトおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリアミド樹脂を含む基層と、芳香族ポリイミド系樹脂および導電剤を含む表層とを有する導電性エンドレスベルト。
【選択図】なし
Description
項1.ポリアミド樹脂を含む基層と、芳香族ポリイミド系樹脂および導電剤を含む表層とを有する導電性エンドレスベルト。
項2.前記芳香族ポリイミド系樹脂がポリアミドイミド樹脂である、項1に記載の導電性エンドレスベルト。
項3.前記導電剤がカーボンブラックである、項1または2に記載の導電性エンドレスベルト。
項4.前記基層に無機フィラーを含む、項1〜3のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
項5.前記表層が、厚み0.5〜8μmである、項1〜4のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
項6.前記表層の表面粗さ(Rz)が1μm未満である、項1〜5のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
項7.前記表層の60°入射角における光沢度が70以上である、項1〜6のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
項8.前記表層がコーティングにより形成されたものである、項1〜7のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
項9.表面抵抗率が、1×106Ω/□〜1×1014Ω/□の範囲である、項1〜8のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
項10.体積抵抗率が、1×104Ω・cm〜1×1014Ω・cmの範囲である、項1〜9のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
項11.10kVの直流高圧をコロナ放電として導電性エンドレスベルト表面に印加し、その正の電荷が飽和した後、印加を遮断して、前記ベルト表面上に形成された表面電位の減衰を連続的に測定し、前記ベルト表面の電位が、飽和した電位の1/2になるまでに要する時間をta 1/2とし、基層上のみで測定した当該時間をtb 1/2としたときのta 1/2/tb 1/2が、0.5〜4の範囲内である、項1〜10のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
項12.カラー画像形成装置における中間転写ベルトである、項1〜11のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
項13.下記工程(1)および(2)を含む、ポリアミド樹脂を含む基層と芳香族ポリイミド系樹脂および導電剤を含む表層とを有する、導電性エンドレスベルトの製造方法;
(1)ポリアミド樹脂および導電剤、必要に応じて無機フィラーを含む、基層形成組成物を押出成形して基層を形成する工程、および
(2)芳香族ポリイミド系樹脂および導電剤を含む表層形成組成物を、上記(1)で得られた基層の外表面に積層し、表層を形成する工程。
項14.前記工程(2)において、芳香族ポリイミド系樹脂および導電剤を有機溶媒に溶解し、当該表層組成物を基層の外表面にコーティングすることにより表層を形成する、項13に記載の製造方法。
項15.下記工程(1)〜(3)を含む、ポリアミド樹脂を含む基層と芳香族ポリイミド系樹脂および導電剤を含む表層とを有する、導電性エンドレスベルトの製造方法;
(1)ポリアミド樹脂および導電剤、必要に応じて無機フィラーを含む、基層形成組成物を押出成形して基層を形成する工程、
(2)芳香族ポリイミド系樹脂および導電剤を含む表層形成組成物を、円筒状金型を用いて遠心成形を行い、表層を形成する工程、および
(3)上記(2)で得られた表層の内面に、上記(1)で得られた基層の外面を重ね合わせて加熱処理する工程。
本発明の導電性エンドレスベルトは、ポリアミド樹脂を含む基層の外面上に、芳香族ポリイミド系樹脂および導電剤を含む表層を形成した、複層構造のエンドレスベルトである。また、当該基層および表層の間に、弾性を有するゴム層等を含む中間層を設けてもよい。
以下、各層毎に説明する。
本発明の基層には、ポリアミド樹脂を含む。基層は、ポリアミド樹脂に導電剤が分散された層であり、ポリアミド樹脂及び導電剤を含む基層形成組成物によって形成される。
本発明の表層には、芳香族ポリイミド系樹脂および導電剤を含む。表層は、芳香族ポリイミド系樹脂および導電剤を含む表層形成組成物によって形成される。
本発明の導電性エンドレスベルトは、以下の諸物性値を有する。
導電性エンドレスベルト全体の厚み(総厚み)は、通常、100〜140μm、好ましくは110〜130μm、さらに好ましくは115〜125μmである。前記範囲内にあることで、ハンドリング性にも製造コストにも優れた導電性エンドレスベルトとすることができる。
以上のような構成を有する導電性エンドレスベルトの製造方法については、特に限定されないが、例えば、以下の方法を挙げることができる。
(1)ポリアミド樹脂および導電剤、必要に応じて無機フィラーを含む、基層形成組成物を押出成形して基層を形成する工程、
(2)芳香族ポリイミド系樹脂および導電剤を含む表層形成組成物を、円筒状金型を用いて遠心成形を行い、表層を形成する工程、および
(3)上記(2)で得られた表層の内面に、上記(1)で得られた基層の外面を重ね合わせて接着若しくは加熱して融着する工程。
ポリアミド樹脂を含む基層は、ポリアミド樹脂および導電剤、必要に応じて無機フィラーを含む基層形成組成物を押出成形することによって製造することができる。例えば、次のようにして製造できる。
芳香族ポリイミド系樹脂および導電剤を含む表層は、例えば、次のようにして製膜することができる。
上記工程(1)で得られた基層の外面と、上記(2)で得られた表層の内面とを重ね合わせて、加熱処理する。
芳香族ポリイミド系樹脂および導電剤を含む表層は、芳香族ポリイミド系樹脂、導電剤および溶媒を含む表層形成組成物を、基層の外面に積層することによって製造することができる。
具体的には、基層を金属製のマンドレルに外装した後、別途表層形成組成物の溶液で満たされたバスに、基層を外層したマンドレルをバスに対して垂直に浸漬させた後、一定速度で引き上げることにより、基層上に表層を形成する。基層上の表層の厚みは、乾燥前の塗膜の厚み(h)に比例し、その厚みは塗液溶液の密度(d)および粘度(η)並びに引き上げ速度(u)に関係することが知られており、下記の式(1)で示される関係がある。
h=a(ηu/dg)1/2 (1)
(ここで、gは重力加速度を表す。)
本発明において、各値は以下のとおり測定した。
表層を形成する芳香族ポリイミド系樹脂を精秤し、この時の重量をCgとする。電子天秤上で当該樹脂を溶剤に溶かすために、攪拌しながら溶剤を徐々に加え、最終的な溶液重量をDgとしたときの固形分濃度は、次式(I)となる。
固形分濃度=C/D×100(%) (I)
<測定装置>
抵抗計:ハイレスタ-UP(三菱化学株式会社製)
電極:URSプローブ(三菱化学株式会社製)
<測定条件>
測定雰囲気:23℃/50%RH, 印加電圧:100V, 印加時間:10sec
得られたエンドレスベルト(直径120mm・幅238mm)を切開し、幅方向中央、周方向に等間隔16点を前記測定装置、前記測定条件にて測定し、その平均値を求めた。なお、測定時の荷重は2.0kgとした。
<測定装置>
抵抗計:ハイレスタ-UP(三菱化学株式会社製)
電極:URSプローブ(三菱化学株式会社製)
<測定条件>
測定雰囲気:23℃/50%RH, 印加電圧:100V, 印加時間:10sec
得られたエンドレスベルト(直径120mm・幅238mm)を切開し、幅方向中央、周方向に等間隔16点を前記測定装置、前記測定条件にて測定し、その平均値を求めた。なお、測定時の荷重は2.0kgとした。
精度0.001mmのダイヤルゲージ゛にて、得られたエンドレスベルトの幅方向中央1点、ベルト周方向に等間隔に16点、計16点測定した値の平均値を求めた。
<測定装置>
レーザー顕微鏡 VK−9510(株式会社キーエンス製)
得られたエンドレスベルト(直径120mm・幅238mm)を切開し、幅方向中央、周方向に等間隔16点のベルト断面を前記測定装置にて倍率3000倍にて観察した後、表層厚みを測定し、その平均値を求めた。
<測定装置>
オートグラフ:AG−500E(株式会社島津製作所製)
<測定条件>
測定雰囲気:23℃/55%RH,試験スピード:50mm/min,試験片幅:25mm×250mm,
チャック間距離:200mm
試験片引張方向:ベルト周方向 JIS K7127準拠
N数 5の平均値
得られたエンドレスベルトの表層および基層について、それぞれ上記条件に従って測定した。
<測定装置>
オートグラフ:AG−500E(株式会社島津製作所製)
<測定条件>
測定雰囲気:23℃/55%RH,試験スピード:50mm/min,試験片幅:10mm×150mm,
チャック間距離:200mm
試験片引張方向:ベルト周方向 JIS K7127準拠
N数 5の平均値
得られたエンドレスベルトの表層および基層について、それぞれ上記条件に従って測定した。
<測定装置>
PG−1M(日本電色工業株式会社製)
<測定条件>
JIS Z8741準拠 入射角60°
得られた導電性エンドレスベルトにおいて、表層側を幅方向中央、周方向に等間隔に8点測定し、その平均値を求めた。
<測定装置>
Surfcom408A(東京精密株式会社製)
<測定条件>
JIS B0601:1994準拠
評価長さ: 4mm, 測定速度: 0.15mm/sec, カットオフ: 0.8mm
得られた導電性エンドレスベルトにおいて、表層側を幅方向中央、周方向に等間隔に8点測定し、その平均値を求めた。
<測定装置>
MIT試験機(株式会社東洋精機製作所製)
<測定条件>
ASTM D−2176準拠
折曲角度: 135°, 折曲スピード: 175cpm, 荷重: 300g
<評価方法>
MIT試験回数;
○:30,000以上
△:5,000以上、30,000未満
×:5,000未満
導電性エンドレスベルトを25mm×50mmにカットした後に、1.5kg/cm2の圧力でA4サイズのPPC用紙に密着させた状態で、310mm/secの速度にて用紙の縦方向270mm間を700回スライドさせ、スライド前後におけるエンドレスベルトの重量差を測定し、この重量差を摩耗量とした。評価基準は下記のとおりである。
重量差;
○:0.5mg未満
△:0.5mg以上、1.2mg未満
×:1.2mg以上
下記実施例および比較例により得られた導電性エンドレスベルトを中間転写ベルトとして、実機(カラーレーザープリンタ「CLP-315k」、Samsung ELECTRONICS CO.,LTD製)に装着し、マゼンタ色のハーフトーン画像を印刷することにより、ブリードアウト性、耐フィルミング性、耐久性を確認した。
ブリードアウト性評価方法;
HH環境下(32.5℃ 85%RH)において、2万枚の耐刷試験を行い、5千枚毎に感光体表面及び画像を確認した。
×:感光体表面にブリード物が目視で確認でき、かつ画像不良が発生するもの
△:感光体表面にブリード物は確認できないが、画像不良が発生するもの
○:感光体表面にブリード物も確認できず、画像不良も発生しないもの
耐フィルミング性評価方法;
×:印刷枚数1万枚未満で、クリーニング不良が発生
△:印刷枚数1万枚以上3万枚未満で、クリーニング不良が発生
○:印刷枚数3万枚以上
耐久性評価方法;
×:印刷枚数1万枚未満で、表面にクラック発生もしくはベルト破断
△:印刷枚数1万枚以上3万枚未満で、表面にクラック発生もしくはベルト破断
○:印刷枚数3万枚以上
<使用機器>
シシド静電気株式会社製 STATIC HONEST METER H−0110
<測定条件>
測定環境:21℃ 55%RH
得られた導電性エンドレスベルト(内周長376mm・幅238mm)を切開し、前記環境下に24時間以上静置した。当該サンプルを、10kVの直流高圧をコロナ放電の形で試料に印加し、正の帯電量が飽和値に達した後、高圧印加を遮断し、その後の試料表面上の電位の減衰状態を連続的に検出して、帯電が1/2に減衰するまでの時間(t1/2)を測定した。測定は、幅方向中央、周方向の等間隔5点について行い、その平均値を求めた。
帯電特性の評価方法;
×:ta 1/2/tb 1/2<0.5 , ta 1/2/tb 1/2>4.0
△:0.5≦ta 1/2/tb 1/2≦4.0
○:1.0<ta 1/2/tb 1/2<3.0
<測定装置>
抵抗計:ハイレスタ-UP(三菱化学株式会社製)
電極:URSプローブ(三菱化学株式会社製)
<測定条件>
測定環境:28℃/80%RH,23℃/50%RH,10℃/55%RH 印加電圧:100V, 印加時間:10sec
得られたエンドレスベルト(内周長376mm・幅238mm)を切開し、幅方向中央、周方向に等間隔16点を前記測定装置、前記測定条件、各測定環境下において測定し、それぞれの環境下におけるベルトの表面抵抗率の平均値を求めた。その後、それら平均値の常用対数をとり、その最大値から最小値を引いた値(△SR)を算出した。なお、測定時の荷重は2.0kgとした。
表面抵抗率の環境依存性評価方法;
×:△SR>1.0
△:0.5≦△SR≦1.0
○:△SR<0.5
ポリアミド12(UBESTA PA−12 3020U、宇部興産(株)製)90重量%及びカーボンブラック(ケッチェンブラック、ケッチェンブラックインターナショナル(株)製)10重量%を配合した後、2軸スクリュー押出機に投入し(シリンダー温度160〜250℃)、ペレット状原料Aを作製した。
上記ペレットAを、φ50mm単軸押出機(シリンダー温度:190〜220℃)を用いて、サーキュラーマンドレルダイにて、内周長376mm、厚み120±7μm、幅238mm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω/□の円筒状のチューブ(基層)を製膜した。その後、春日電機(株)製高周波電源AGF−A60とアルミ電極(有効長:300mm)を用いて、基層の外周表面に、30W・min/m2で、コロナ処理を行った。
次に、無水トリメリット酸1モル、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート0.7モル、2,4−トリレンジイソシアネート0.3モルからなるポリアミドイミド樹脂を、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に固形分濃度15質量%となるように溶解させ、ワニスAを得た。このワニスAに、カーボンブラック(スペシャルブラック4、テグサジャパン社製)を、ワニスAの固形分100重量部に対し35重量部となるように配合し、ボールミルを用いて25℃において30分混合した。その後、得られた分散液を、SUS304の300メッシュを用いてろ過し、導電ワニスAを得た。
上記で得られた表面処理済みの基層(幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm)を金属製のマンドレルに外装した後、上記導電ワニスAで満たされたバスに、基層を外装したマンドレルをバスに対して垂直に浸漬させた後、厚み3μmの表層を形成しうるように引き上げ速度を調整し、オーブンにて乾燥させ、図1に示した構造の導電性エンドレスベルトを作製した。
なお、上記にて作製した導電性エンドレスベルトの、厚みは123μm、表面抵抗率は1×1010Ω/□、体積抵抗率は7×108Ω・cmであった。
ポリアミド12(UBESTA PA−12 3020U、宇部興産(株)製)80重量%、タルク(ナノエースKS−873N1000、日本タルク(株)製)10重量%及びカーボンブラック(ケッチェンブラック、ケッチェンブラックインターナショナル(株)製)10重量%を配合した後、2軸スクリュー押出機に投入し(シリンダー温度160〜250℃)、ペレット状原料Bを作製した。
上記ペレットBを、φ50mm単軸押出機(シリンダー温度:180〜230℃)を用いて、サーキュラーマンドレルダイにて、内周長376mm、厚み120±7μm、幅238mm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cmの円筒状のチューブ(基層)を製膜した。その後、春日電機(株)製高周波電源AGF−A60とアルミ電極(有効長:300mm)を用いて、基層の外周表面に、30W・min/m2で、コロナ処理を行った。
次に、無水トリメリット酸1モルと、イソホロンジイソシアネート1モルからなるポリアミドイミド樹脂を、γ−ブチロラクトンに固形分濃度15質量%となるように溶解させ、ワニスBを得た。このワニスBに、カーボンブラック(スペシャルブラック4、テグサジャパン社製)を、ワニスBの固形分100重量部に対し35重量部となるように配合し、ボールミルを用いて、25℃において30分混合した。その後、得られた分散液を、SUS304の300メッシュを用いてろ過し、導電ワニスBを得た。
上記で得られた表面処理済みの基層(幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm)を金属製のマンドレルに外装した後、上記導電ワニスBで満たされたバスに、基層を外装したマンドレルをバスに対して垂直に浸漬させた後、厚み3μmの表層を形成しうるように引上げ速度を調整し、オーブンにて乾燥させ、図1に示した構造の導電性エンドレスベルトを作製した。
なお、上記にて作製した導電性エンドレスベルトの、厚みは123μm、表面抵抗率は1×1010Ω/□、体積抵抗率は7×108Ω・cmであった。
無水トリメリット酸0.5モル、シクロへキサンカルボン酸0.5モル、イソホロンジイソシアネート1モルからなるポリアミドイミド樹脂を、γ−ブチロラクトンに固形分濃度20質量%となるように溶解させた。この溶液を水中に攪拌しながら徐々に加えポリマーを析出させ、濾過、乾燥させてポリアミドイミド粉末を得た。得られたポリアミドイミド粉末を、メチルアルコールとテトラヒドロフランの混合溶媒(1:1)に溶解させ、固形分濃度15質量%のポリアミドイミドワニスCを調製した。このワニスCに、カーボンブラック(スペシャルブラック4、テグサジャパン社製)を、ワニスCの固形分100重量部に対し35重量部となるように配合し、ボールミルを用いて、25℃において30分混合した。その後、得られた分散液を、SUS304の300メッシュを用いてろ過し、導電ワニスCを得た。
実施例2で得られた表面処理済の基層(幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm)を金属製のマンドレルに外装した後、上記導電ワニスCで満たされたバスに、基層を外装したマンドレルをバスに対して垂直に浸漬させた後、厚み3μmの表層を形成しうるように引上げ速度を調整し、オーブンにて乾燥させ、図1に示した構造の導電性エンドレスベルトを作製した。
なお、上記にて作製した導電性エンドレスベルトの、厚みは123μm、表面抵抗率は1×1010Ω/□、体積抵抗率7×108Ω・cmであった。
無水トリメリット酸1モル、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート0.7モル、2,4−トリレンジイソシアネート0.3モルからなるポリアミドイミド樹脂を、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に固形分濃度12質量%となるように溶解させ、ワニスDを得た。このワニスDに、カーボンブラック(スペシャルブラック4、テグサジャパン社製)を、ワニスDの固形分100重量部に対し35重量部となるように配合し、ボールミルを用いて、25℃において30分混合した。その後、得られた分散液を、SUS304の300メッシュを用いてろ過し、導電ワニスDを得た。
実施例1で得られた表面処理済の基層(幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm)を金属製のマンドレルに外装した後、上記導電ワニスDで満たされたバスに、基層を外装したマンドレルをバスに対して垂直に浸漬させた後、厚み0.5μmの表層を形成しうるように引上げ速度を調整し、オーブンにて乾燥させ、図1に示した構造の導電性エンドレスベルトを作製した。
なお、上記にて作製した導電性エンドレスベルトの、厚みは120.5μm、表面抵抗率は1×1010Ω/□、体積抵抗率7×108Ω・cmであった。
無水トリメリット酸1モル、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート0.7モル、2,4−トリレンジイソシアネート0.3モルからなるポリアミドイミド樹脂を、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に固形分濃度25質量%となるように溶解させ、ワニスEを得た。このワニスEに、カーボンブラック(スペシャルブラック4 テグサジャパン社製)を、ワニスEの固形分100重量部に対し35重量部となるように配合し、ボールミルを用いて、25℃において30分混合した。その後、得られた分散液を、SUS304の300メッシュを用いてろ過し、導電ワニスEを得た。
実施例1で得られた表面処理済の基層(幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm)を金属製のマンドレルに外装した後、上記導電ワニスEで満たされたバスに、基層を外装したマンドレルをバスに対して垂直に浸漬させた後、厚み8μmの表層を形成しうるように引上げ速度を調整し、オーブンにて乾燥させ、図1に示した構造の導電性エンドレスベルトを作製した。
なお、上記にて作製した導電性エンドレスベルトの、厚みは128μm、表面抵抗率は1×1010Ω/□、体積抵抗率7×108Ω・cmであった。
上記実施例1において、表層を形成することなく、幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cmの単層導電性エンドレスベルトを作成した。
上記実施例2において、表層を形成することなく、幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cmの単層導電性エンドレスベルトを作成した。
導電アクリル樹脂(UV−AS102、日本合成化学(株)製)を、メチルイソブチルケトン(MIBK)に固形分濃度15質量%となるように溶解させ、導電ワニスFを得た。
実施例1で作成した表面処理済の基層(幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm)を金属製のマンドレルに外装した後、上記導電ワニスFで満たされたバスに、基層を外装したマンドレルをバスに対して垂直に浸漬させ、厚み3μmの表層を形成しうるように引上げ速度を調整した後、UVランプにて硬化させ、図1に示した構造の導電性エンドレスベルトを作製した。
なお、上記にて作製した導電性エンドレスベルトの、厚みは123μm、表面抵抗率は1×1010Ω/□、体積抵抗率7×108Ω・cmであった。
無水トリメリット酸1モル、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート0.7モル、2,4−トリレンジイソシアネート0.3モルからなるポリアミドイミド樹脂を、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に固形分濃度15質量%となるように溶解し、その後、カーボンブラック(スペシャルブラック4、テグサジャパン社製)を、前記ポリアミドイミドの固形分100重量部に対して16重量部になるよう加え、更に前記ポリアミドイミドおよび前記カーボンブラックの総固形分濃度が16質量%になるようにDMAcを加えたのち、ボールミルを用いて25℃において30分混合し、導電ワニスA’を得た。
これを、内面を鏡面仕上げした金属製回転ドラム(幅400mm、内径120mm;両サイドに幅20mmの枠を有する)の内面に、ゆっくりと回転しつつ注入し全量注入した。徐々に回転をスピードアップし、最後には340回/分にして30分間回転を続行した。そして、この状態を維持して、該ドラムを加熱し200℃に到達させ、更にその温度で120分間回転を続けて溶媒を蒸発させて乾燥した。この後、ベルトを取り出し、幅をカットすることにより、内周長376mm、厚み80μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率9×108Ω・cm、幅238mmのポリアミドイミド単層導電性ベルトを得た。
各導電性エンドレスベルト表層及び基層単体の引張弾性率及び引張破断伸度を、上記の方法に従って測定し、結果を表1および2に示した。また、表層の厚み、導電性エンドレスベルトの耐屈曲性についても、上記の方法に従って測定し、結果を表1および2に示した。
各導電性エンドレスベルトを中間転写ベルトとして、上記の方法に従ってブリードアウト性、耐フィルミング性、耐久性を確認し、結果を表1および2に示した。また、表層の光沢度、表面粗さ、導電性エンドレスベルトの摩耗量、帯電性および表面抵抗値の環境依存性についても、上記の方法に従って測定し、結果を表1および2に示した。
11 表層
Claims (15)
- ポリアミド樹脂を含む基層と、芳香族ポリイミド系樹脂および導電剤を含む表層とを有する導電性エンドレスベルト。
- 前記芳香族ポリイミド系樹脂がポリアミドイミド樹脂である、請求項1に記載の導電性エンドレスベルト。
- 前記導電剤がカーボンブラックである、請求項1または2に記載の導電性エンドレスベルト。
- 前記基層に無機フィラーを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
- 前記表層が、厚み0.5〜8μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
- 前記表層の表面粗さ(Rz)が1μm未満である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
- 前記表層の60°入射角における光沢度が70以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
- 前記表層がコーティングにより形成されたものである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
- 表面抵抗率が、1×106Ω/□〜1×1014Ω/□の範囲である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
- 体積抵抗率が、1×104Ω・cm〜1×1014Ω・cmの範囲である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
- 10kVの直流高圧をコロナ放電として導電性エンドレスベルト表面に印加し、その正の電荷が飽和した後、印加を遮断して、前記ベルト表面上に形成された表面電位の減衰を連続的に測定し、前記ベルト表面の電位が、飽和した電位の1/2になるまでに要する時間をta 1/2とし、基層上のみで測定した当該時間をtb 1/2としたときのta 1/2/tb 1/2が、0.5〜4の範囲内である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
- カラー画像形成装置における中間転写ベルトである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
- 下記工程(1)および(2)を含む、ポリアミド樹脂を含む基層と芳香族ポリイミド系樹脂および導電剤を含む表層とを有する、導電性エンドレスベルトの製造方法;
(1)ポリアミド樹脂および導電剤、必要に応じて無機フィラーを含む、基層形成組成物を押出成形して基層を形成する工程、および
(2)芳香族ポリイミド系樹脂および導電剤を含む表層形成組成物を、上記(1)で得られた基層の外表面に積層し、表層を形成する工程。 - 前記工程(2)において、芳香族ポリイミド系樹脂および導電剤を有機溶媒に溶解し、当該表層組成物を基層の外表面にコーティングすることにより表層を形成する、請求項13に記載の製造方法。
- 下記工程(1)〜(3)を含む、ポリアミド樹脂を含む基層と芳香族ポリイミド系樹脂および導電剤を含む表層とを有する、導電性エンドレスベルトの製造方法;
(1)ポリアミド樹脂および導電剤、必要に応じて無機フィラーを含む、基層形成組成物を押出成形して基層を形成する工程、
(2)芳香族ポリイミド系樹脂および導電剤を含む表層形成組成物を、円筒状金型を用いて遠心成形を行い、表層を形成する工程、および
(3)上記(2)で得られた表層の内面に、上記(1)で得られた基層の外面を重ね合わせて加熱処理する工程。
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