JP2014170048A - 中間転写ベルトおよびその製造方法、ならびに画像形成装置 - Google Patents

中間転写ベルトおよびその製造方法、ならびに画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電子写真方式の画像形成装置に用いられる中間転写ベルトにおいて、中間転写ベルトの耐久性を向上させ、環境変動時において画像の濃度変化が起こらない高い画像安定性を得る。
【解決手段】像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写ベルトと、該中間転写ベルト上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備えた画像形成装置に装備される中間転写ベルトであって、前記中間転写ベルトは、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂であって、残留溶媒として、該ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂は、5ppm以上5000ppm以下のγーブチロラクトンのみを含有するものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機あるいはプリンタ等の画像形成装置に装備される中間転写ベルトおよびその製造方法、ならびに画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置では、様々な用途でベルト、特にシームレスベルトが部材として用いられている。特に近年のフルカラー画像形成装置においては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の現像画像を一旦中間転写媒体上に色重ねし、その後一括して紙などの転写媒体に転写する中間転写ベルト方式が用いられている。
このような中間転写ベルト方式は、1つの感光体に対して4色の現像器を用いるシステムで用いられていたが、プリント速度が遅いという欠点があった。そのため、高速プリントとしては、感光体を4色分並べ、各色を連続して紙に転写する4連タンデム方式が用いられている。
しかし、この方式では紙の環境による変動などもあり、各色画像を重ねる位置精度を合わせることが非常に困難であり、画像の色ずれを引き起こしていた。そこで、近年では、4連タンデム方式に中間転写方式を採用することが主流になってきている。
このような情勢の中で、中間転写ベルトにおいても、従来よりも要求特性(高速転写、位置精度)が厳しいものとなっており、これらの要求に対応する特性を満足することが必要となってきている。特に、位置精度に対しては、連続使用によるベルト自体の伸びなどの変形による変動を抑えることが求められている。また、中間転写ベルトは、装置の広い領域に亘ってレイアウトされ、転写のために高電圧が印加されることから難燃性であることが求められている。このような要求に対応するため、中間転写ベルト材料として主に、高弾性率で高耐熱樹脂であるポリイミド樹脂が用いられている。
一方で、このような中間転写ベルトを画像形成装置で長期に渡って使用した場合、ベルト端部から亀裂が入ったり、駆動ローラによるベルト屈曲によって割れたりするため、昨今に求められるほどの耐久性が充分でないという課題があった。
そこで、例えば特許文献1においては、中間転写ベルト内の揮発性物質を10〜100000ppmの範囲とすることにより耐久性と転写性を上げることが提案されている。しかし、本提案は表面層の耐久性向上に関するものであり、本発明と技術思想が異なる。
また、特許文献2においては、γ−ブチロラクトンとN―メチル―2―ピロリドンの混合溶媒を用いたポリアミック酸を使った中間転写ベルトが提案されている。しかしながら、本提案の方式ではN―メチル―2―ピロリドンが残留溶媒として残りやすく、その結果、低温低湿(もしくは高温高湿)などの環境変動時に抵抗が変化しやすくなるため画像の濃度変化が起こりやすい、またN―メチル―2―ピロリドンが吸湿性の高い物質のため、ベルトの寸法が変化しやすいという問題があった。
また、一般的にポリイミドは非常に高価な材料であるため、その代替としてポリアミドイミドが広く使用されているが、ポリアミドイミドはポリイミドに比べて吸湿しやすいため寸法安定性が劣るだけでなく、樹脂としての屈曲性が低いため、割れたり切れたりしやすく、耐久性が低いという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、画像形成装置に装備される中間転写ベルトであって、低温低湿環境下などの厳しい環境変動時にも画像の濃度変化が起こらない高品質な画像を得ることができ、さらには中間転写ベルトの耐久性を向上させることが可能な中間転写ベルトを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決し目的を達成するために、像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写ベルトと、該中間転写ベルト上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備えた画像形成装置に装備される中間転写ベルトであって、
前記中間転写ベルトは、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂であって、
前記ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂は、残留溶媒として、5ppm以上5000ppm以下のγーブチロラクトンのみを含有することを特徴とするものである。
本発明によれば、中間転写ベルトが、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂であって、前記ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂は、残留溶媒として5ppm以上5000ppm以下のγ−ブチロラクトンのみを含有することにより、画像形成装置に装備して使用した場合、低温低湿環境下においても画像濃度が低下しない高品質な画像を得ることができ、さらには、耐久性をも向上させることができる。
本発明の中間転写ベルトの一実施形態を示す概略斜視図である。 本発明のフルカラーの電子写真画像形成装置の一実施形態を示す要部模式図である。 本発明のフルカラーの電子写真画像形成装置の一実施形態を示す要部模式図である。
(第1の実施形態)
本発明の実施形態である中間転写ベルトについてについて以下に説明する。図1に、本発明の中間転写ベルトの斜視図を示す。
本実施形態の中間転写ベルトは、電子写真装置に用いられる継ぎ目のないシームレス(無端)ベルトである。本発明の中間転写ベルトが装備される電子写真装置は、該像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写ベルトと、該中間転写ベルト上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備えたフルカラーの電子写真装置である。像担持体(例えば、感光体ドラム)上に順次形成される複数のカラートナー現像画像(潜像)を、該中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行い、その一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する。このような電子写真装置においては、いくつかの部材にシームレスベルトが用いられるが、継ぎ目のない中間転写ベルトは高い電気的特性を満たすための重要な部材の一つである。また、昨今の電子写真装置の高速化の面から、継ぎ目がない無端のシームレス構成であることが望ましい。
本発明の中間転写ベルト10は、ポリイミド樹脂11であって、該ポリイミド樹脂11は、残留溶媒として、5ppm以上5000ppm以下のγ−ブチロラクトンのみを含有するものである。より好ましくは、10ppm以上100ppm以下である。γ−ブチロラクトンの含有量が5ppm未満の場合は、ベルトの割れや切れが起こりやすいため耐久性が低くなり破断評価試験において早期に破断するため好ましくない。また、γ−ブチロラクトンの含有量が5000ppm以上の場合は、温湿度変化の際の画像安定性が悪くなるため好ましくない。
ポリイミド樹脂11の平均厚さとしては、40μm以上120μm以下の厚さであることが望ましい。より好ましくは50μm以上100μm以下である。前記ポリイミド樹脂の平均厚さが40μm未満の場合は、ベルト駆動時に端部が切れやすくなるため好ましくない。また前記ポリイミド樹脂の平均厚さが120μmを超えると、ローラ駆動時に割れやすくなるため好ましくない。
なお、前記平均厚さとは、中間転写ベルト内を任意に10点測定した際の平均値である。厚さの測定には、指針式の膜厚計や渦電流式の膜厚計などの一般汎用品が使用できるが、例えば、アンリツ社のエレクトリックマイクロメーターを使用することができる。
本実施形態では単層構造のものについて説明するが、2層以上の積層構造としても良い。ただし、層間の接着性向上の観点から、同一樹脂を使用することが好ましい。
本発明の中間転写ベルトは、ポリイミド樹脂であって、前記ポリイミド樹脂に電気抵抗を調整する充填材(又は、添加材)、いわゆる電気抵抗調整材を含有する。電気抵抗調整材としては、金属酸化物やカーボンブラック、イオン導電剤、導電性高分子材料などがある。詳細については後述する。
<ポリイミド樹脂>
次に、本発明の中間転写ベルトの材料として用いられるポリイミド樹脂(以下、「ポリイミド」と略称することがある。)について説明する。
芳香族系のポリイミドに限定されるものではないが、芳香族系のポリイミドが好ましい例として挙げることができる。
芳香族系のポリイミドは、例えば、芳香族多価カルボン酸無水物又はその誘導体と芳香族ジアミンとの反応によって、ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を経由して得られる。
芳香族系のポリイミドは、その剛直な主鎖構造により溶媒等に対して不溶であり、また不融の性質を有する。そのため、先ず、芳香族多価カルボン酸無水物と芳香族ジアミンとの反応により、有機溶媒に可溶なポリイミド前駆体(ポリアミック酸)を合成し、このポリアミック酸の段階で様々な方法で成形加工が行われ、その後ポリアミック酸を加熱もしくは化学的な方法で脱水反応させて環化(イミド化)しポリイミドとされる。芳香族系のポリイミドを得る反応を例にその概略を下記式(1)に示す。
式中、Ar1は少なくとも1つの炭素6員環を含む4価の芳香族残基を示し、Ar2は少なくとも1つの炭素6員環を含む2価の芳香族残基を示す。
芳香族系のポリイミドを得る場合には、上記芳香族多価カルボン酸無水物成分と芳香族ジアミン成分とを略等モル用いて有機極性溶媒中で重合反応させることにより、ポリイミド前駆体(ポリアミック酸)を得、その後ポリアミック酸を脱水反応させて環化(イミド化)し、ポリイミドとする。
以下に、ポリアミック酸の製造方法について具体的に説明する。
<ポリイミド前駆体(ポリアミック酸)の製造方法>
ここで、ポリアミック酸を得る際の重合反応に使用される有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−、又はp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソランなどのエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒、ブチルセロソルブなどのセロソルブ系、又はヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができる。
これら溶媒のなかで、前記ポリアミック酸を溶解するにはγ−ブチロラクトン単独が好ましい。混合溶媒ではポリアミック酸のイミド転化時に揮発しやすくなり、結果としてγ−ブチロラクトンを残す量の制御が困難となるため好ましくない。
γ−ブチロラクトン以外の溶媒では、ポリイミド前駆体の加熱イミド転化後に残った残留溶媒が環境変動時にベルト抵抗を変化させ、画像濃度変化を起こしやすい。これら問題を解決するには残留溶媒を無くす必要があるが、そのためには350℃〜450℃程度の高温でさらに長時間加熱する必要がある。しかし、これではベルトが脆くなることにより破断しやすくなるという別の問題があった。
γ−ブチロラクトンを単独で使用し、かつベルト内に5ppm以上5000ppm以下の範囲で残すことにより、このようなトレードオフの問題は起こらなくなる。5ppm未満では塗膜の破断が起こりやすくなり、5000ppmを超えると環境変動時に画像濃度変化が起こりやすい。
γ−ブチロラクトンを少量残した場合のみ、上述したトレードオフの問題が起こらない原因は定かではないが、恐らくγ−ブチロラクトンがポリイミドのイミド転化の際に一部未反応として残っている未反応基の部分と弱い水素結合を形成し、塗膜に適度に可撓性を持たせることが出来ているためと考えられる。なお、上述したような酸無水物とジアミンの溶解性は、γ−ブチロラクトンよりもN―メチル―2―ピロリドンの方が高い分、高固形分化が可能なため、γ−ブチロラクトンとN―メチル―2―ピロリドンの混合溶媒の使用も考えられる。しかし、この場合は、上述したようにイミド転化時にγ−ブチロラクトンだけが揮発してしまい塗膜中に意図的に残すことが困難である。また、後述するがγ−ブチロラクトンとN―メチル―2―ピロリドンとの混合溶媒では画像安定性と耐久性の点において好ましくない。
ポリイミド前駆体を製造する場合の例として、先ず、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下において、1種又は複数種のジアミンを上記の有機溶媒に溶解するか、又はスラリー状に分散させる。この溶液に前記した少なくとも1種の芳香族多価カルボン酸無水物(又はその誘導体)を添加(固体状態のままでも、有機溶媒に溶解した溶液状態でも、スラリー状態でもよい)すると、発熱を伴って開環重付加反応が起こり、急速に溶液の粘度増大が見られ、高分子量のポリアミック酸溶液が得られる。この際の反応温度は、通常−20℃〜100℃、望ましくは60℃以下に制御することが好ましい。反応時間は、30分〜12時間程度である。
上記は一例であり、反応における上記添加手順とは逆に、先ず、芳香族テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体を有機溶媒に溶解又は分散させておき、この溶液中に前記芳香族ジアミン(略、「ジアミン」)を添加させてもよい。ジアミンの添加は、固体状態のままでも、有機溶媒に溶解した溶液状態でも、スラリー状態でもよい。すなわち、芳香族テトラカルボン酸二無水物成分と、ジアミン成分との混合順序は限定されない。さらには、芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを同時に有機極性溶媒中に添加して反応させてもよい。
上記のようにして、芳香族多価カルボン酸無水物又はその誘導体と、芳香族ジアミン成分とをおよそ等モル、有機極性溶媒中で重合反応することにより、ポリアミック酸が有機極性溶媒中に均一に溶解した状態でポリイミド前駆体溶液が得られる。
<芳香族多価カルボン酸無水物>
前記芳香族多価カルボン酸無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<芳香族ジアミン化合物>
前記芳香族ジアミン化合物としては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、4,4’−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベンゾフェノン、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル〕スルホン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ〕−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記のようにして、芳香族多価カルボン酸無水物又はその誘導体と、芳香族ジアミン化合物とをおよそ等モル、有機極性溶媒中で重合反応することにより、ポリアミック酸をγ−ブチロラクトンに均一に溶解した状態でポリイミド前駆体溶液が得られる。
合成又は入手したポリアミック酸溶液に、必要に応じて充填剤(例えば、電気抵抗調整材、あるいは分散助剤、補強材、潤滑材、熱伝導材、酸化防止剤などの添加剤)を混合・分散して塗工液が調製される。塗工液を後述のように支持体(成形用の型)に塗布した後、加熱等の処理することにより、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸からポリイミドへの転化(イミド化)が行われる。
前記ポリアミック酸は、加熱する方法(1)、又は化学的方法(2)によってイミド化することができる。加熱する方法(1)は、ポリアミック酸を、例えば、200℃〜350℃に加熱処理することによってポリイミドに転化する方法であり、ポリイミド(ポリイミド樹脂)を得る簡便かつ実用的な方法である。一方、化学的方法(2)は、ポリアミック酸を脱水環化試薬(カルボン酸無水物と第3アミンの混合物など)により反応した後、加熱処理して完全にイミド化する方法であり、(1)の加熱する方法に比べると煩雑でコストのかかる方法であるため、通常(1)の方法が多く用いられている。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電気抵抗を調整する充填材(又は、添加材)、電気抵抗調整材、分散助剤、補強材、潤滑材、熱伝導材、酸化防止剤などが挙げられる。
電気抵抗調整材としては、金属酸化物やカーボンブラック、イオン導電剤、導電性高分子材料などがある。
金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等が挙げられる。また、分散性を良くするため、前記金属酸化物に予め表面処理を施したものも挙げられる。このなかでも分散しやすく、強度低下しにくいカーボンブラックを使用するのが好ましい。
カーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラック等が挙げられる。
イオン導電剤としては、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウム等が挙げられる。
導電性高分子材料としてはポリアニリンなどが挙げられ、必要に応じてこれらを併用して用いてもよい。
なお、本発明における電気抵抗調整材は、上記例示化合物に限定されるものではない。また、本発明のシームレスベルトの製造方法における少なくとも樹脂成分を含む塗工液には必要に応じて、さらに分散助剤、補強材、潤滑材、熱伝導材、酸化防止剤などの添加材を含有してもよい。
<カーボンブラック分散液>
上述した中間転写ベルト中に均一にカーボンブラックを分散させるには、予めγ−ブチロラクトン中に均一に分散したものをポリイミド前駆体と充分に混合して使用するのが好ましい。
続いて、分散工程について説明する。
本発明に使用する分散機は一般に使用される分散機であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、サンドミルなどが挙げられる。
前記中間転写ベルトとして好適に装備されるシームレスベルトに使用する場合、抵抗値として、好ましくは500V印加時の表面抵抗で1×10〜1×1015Ω/□、100V印加時の体積抵抗で1×10〜1×1014Ω・cmになる様なカーボンブラック量を含有させるが、機械強度の面から、膜が脆く割れやすくならない程度の添加量で達成できるものを選択する。つまり、中間転写ベルトとする場合には、前記樹脂成分(例えば、ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体)と電気抵抗調整材の配合を適正に調整した塗工液を用いて、電気特性(表面抵抗及び体積抵抗)と機械強度のバランスが取れたシームレスベルトを製造して用いるのが好ましい。
本発明における電気抵抗調整材の含有量としては、カーボンブラックの場合には、塗工液中の全固形分の10〜25wt%、好ましくは15〜20wt%である。また、金属酸化物の場合の含有量としては、塗工液中の全固形分の1〜50wt%、好ましくは10〜30wt%である。含有量が前記それぞれの電気抵抗調整材の範囲よりも少ないと抵抗値の均一性が得られにくくなり、任意の電位に対する抵抗値の変動が大きくなる。また含有量が前記それぞれの範囲よりも多いと前記中間転写ベルトの機械強度が低下し、実使用上好ましくない。
<ポリイミド樹脂の中間転写ベルトの製造方法>
本発明の中間転写ベルトの製造方法の一例を具体的に説明する。
本実施形態の中間転写ベルトの製造方法は、円筒形の金型の外面に、ポリイミド前駆体および有機溶媒として少なくともγ−ブチロラクトンを含有する塗工溶液を塗工して前記ポリイミド前駆体を含有する塗工膜を形成する工程と、該塗工膜を、前記円筒形の金型の内側から加熱することにより前記ポリイミド前駆体をポリイミド樹脂に転化し、かつ、該ポリイミド樹脂中に有機溶媒として前記γ−ブチロラクトンのみを5ppm以上5000ppm以下残留させる工程と、前記ポリイミド樹脂を前記円筒形の金型から脱型する工程と、を含むものである。
例えば、円筒形の金型として金属製の金型を用い、該金型をゆっくりと回転させながら、ポリイミド前駆体を含有する塗工液を、ノズル、ディスペンサーなどの液供給装置にて前記円筒形の金属金型の外面全体に均一になるように塗布し流延(塗工膜を形成)する。その後、回転速度を所定速度まで上げ、所定速度に達したら一定速度に維持し、所望の時間回転を継続する。そして、金型を回転させつつ徐々に昇温させながら、80℃〜150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が形成されたところで段階的に昇温し、最終的に200℃〜350℃程度で高温加熱処理(焼成)し、ポリイミド前駆体のイミド化(転化)を行う。
この際、中間転写ベルト内のγ−ブチロラクトンの含有量を5ppm以上5000ppm以下の範囲に制御するため、金属金型の内側から加熱することがより望ましい。このような加熱手段を適用することができればどのような加熱器を使用してもよいが、具体的には、例えばハロゲンヒーター、IHヒーターなどが挙げられる。外面塗工し、かつ金型の内側から加熱するという方法をとることにより、より効率良くγ−ブチロラクトンを5ppm以上5000ppm以下の範囲に制御することが可能である。
金型の加熱の方法としては、円筒形の金型の外面から加熱する方法と、内側から加熱する方法に大別されるが、目的に応じて適宜選択することができる。しかし、本発明の中間転写ベルトを得るためには、円筒形の金型の外面にポリイミド前駆体を含有する塗工液を塗工し、金型の内側から加熱することが効果的である。
中間転写ベルトの製造方法としては、この方法に限られず、目的に応じて適宜選択することができる。上記のように、ポリイミド前駆体溶液(ポリアミック酸溶液)に、必要に応じて、前記電気抵抗調整材などの前記その他の成分を分散した塗工液を調製し、該塗工液を支持体に塗布した後、加熱などの処理をすることにより、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸からポリイミドへ転化(イミド化)を行うことにより形成する方法などが挙げられる。
また、前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、円筒状の金属金型などが挙げられ、金型の外面もしくは内面にポリイミド前駆体溶液を塗布する。この中でも、ベルト内のγ−ブチロラクトンの含有量5ppm以上5000ppm以下に制御しやすい金型の外面に塗工する方法が好ましい。
<γ−ブチロラクトンの測定方法>
γ−ブチロラクトンの測定方法としては、中間転写ベルトの任意の場所から切り出したものを、熱抽出ガスクロマトグラフ質量分析(GC−MS)法にて分析することが出来る。GC−MS装置としては市販のものを使用することが出来るが、例えば島津製作所(株)製GCMS−QP2010にて測定することが出来る。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態の中間転写ベルトについて説明する。本実施形態の中間転写ベルトはポリアミドイミド樹脂である。上記第1の実施形態とは中間転写ベルトにおいて材料が異なるものである。
本発明の中間転写ベルトは、上記第1の実施形態に記載した写真画像装置に装備される中間転写ベルトであって、該中間転写ベルトは、ポリアミドイミド樹脂であって、該ポリアミドイミド樹脂は、残留溶媒として5ppm以上5000ppm以下のγ−ブチロラクトンのみを含有するものである。γ−ブチロラクトンの含有量が5ppm未満の場合は、ベルトの割れや切れが起こりやすいため耐久性が低くなり破断評価試験において早期に破断するため好ましくない。また、γ−ブチロラクトンの含有量が5000ppm以上の場合は、温湿度変化の際の画像安定性が悪くなるため好ましくない。
ポリアミドイミド樹脂の平均厚さとしては、40μm以上120μm以下の厚さであることが望ましい。より好ましくは50μm以上100μm以下である。前記ポリアミドイミド樹脂の平均厚さが40μm未満の場合は、ベルト駆動時に端部が切れやすくなるため好ましくない。また前記ポリアミドイミド樹脂の平均厚さが120μmを超えると、ローラ駆動時に割れやすくなるため好ましくない。
なお、前記平均厚さとは、中間転写ベルト内を任意に10点測定した際の平均値である。厚さの測定には、指針式の膜厚計や渦電流式の膜厚計などの一般汎用品が使用できるが、例えば、アンリツ社のエレクトリックマイクロメーターを使用することができる。
本発明の中間転写ベルトは、ポリアミドイミド樹脂であって、該ポリアミドイミド樹脂中に電気抵抗を調整する充填材(又は、添加材)、いわゆる電気抵抗調整材を含有する。電気抵抗調整材としては、金属酸化物やカーボンブラック、イオン導電剤、導電性高分子材料などがある。これらについては上記第1の実施形態において記載したその他の成分と同様のものを使用することができる。
次に、本発明の中間転写ベルトの材料として用いられるポリアミドイミド樹脂(ポリアミドイミド)と略称することがある。)について説明する。
<ポリアミドイミド樹脂>
ポリアミドイミド樹脂は、分子骨格中に剛直なイミド基と柔軟性を付与するアミド基を有する樹脂であり、本発明に用いられるポリアミドイミド樹脂としては一般的に知られている構造のものを使用することができる。
一般的にポリアミドイミド樹脂を合成する方法としては、酸クロライド法(a):酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライド、最も代表的には当該誘導体のクロライド化合物とジアミンとを溶媒中で反応させて製造する公知の方法(例えば、特公昭42−15637号公報参照。)が知られている。または別な方法として、イソシアネート法(b):酸無水物基とカルボン酸を含む3価の誘導体と芳香族イソシアネートとを溶媒中で反応させて製造する公知の方法(例えば、特公昭44−19274号公報)等が知られており、いずれも使用することができる。各製造方法について以下に説明する。
(a)酸クロライド法
酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライド化合物としては、例えば、下記式(2)および式(3)に示す化合物を使用することができる。
式中、Xはハロゲン元素を示す。
式中、Xはハロゲン元素を示し、Yは−CH−、−CO−、−SO−または−O−を示す。
前記各式において、ハロゲン元素はクロライドが好ましく、誘導体の具体例を挙げると、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’ビフェニルジカルボン酸、4,4’ビフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’ベンゾフェノンジカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、3,3’,4,4’ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’ビフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’ビフェニルテトラカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマール酸、ダイマー酸、スチルベンジカルボン酸、1,4シクロヘキサンジカルボン酸、1,2シクロヘキサンジカルボン酸等の多価カルボン酸の酸クロライドが挙げられる。
一方、ジアミンとしては特に限定されないが、芳香族ジアミン、脂肪族ジアミン、および脂環族ジアミンのいずれも用いられるが、芳香族ジアミンが好ましく用いられる。
芳香族ジアミンとしては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、オキシジアニリン、メチレンジアミン、ヘキサフルオロイソプロピリデンジアミン、ジアミノ−m−キシリレン、ジアミノ−p−キシリレン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)へキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、イソプロピリデンジアニリン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4’−ビス−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]へキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
また、ジアミンとして両末端にアミノ基を有するシロキサン系化合物、例えば1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノフェノキシメチル)ポリジメチルシロキサン、1,3,−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)エチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)エチル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)プロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)プロピル)ポリジメチルシロキサン等を用いればシリコーン変性ポリアミドイミドを得ることができる。
酸クロライド法により本発明におけるポリアミドイミド(ポリアミドイミド樹脂)を得るためには、上記した酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体ハライドとジアミンとを有機極性溶媒に溶解した後、低温(0〜30℃)で反応させ、ポリアミドイミド前駆体(ポリアミド−アミック酸)とする。
使用することのできる有機極性溶媒としてはホルムアミド系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等)、アセトアミド系溶媒(例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等)、ピロリドン系溶媒(例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン等)、フェノール系溶媒(例えば、フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコール等)、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等)、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等)、セロソルブ系溶媒(例えば、ブチルセロソルブ等)、またはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。これらのなかでγ−ブチロラクトン単独が望ましいが、必要に応じて他の溶媒と混合して用いてもよい。
上記により得たポリアミドイミド前駆体溶液を支持体(成形用の型)に塗布された後、加熱等の処理をすることにより、ポリアミドイミドへの転化(アミドイミド化)が行われる。
アミドイミド化の方法としては、加熱処理により脱水閉環させる方法、および脱水閉環触媒を用いて化学的に閉環させる方法が挙げられる。加熱処理により脱水閉環させる場合、例えば、反応温度は150〜400℃、好ましくは180〜350℃であり、加熱処理時間は30秒間〜10時間、好ましくは5分間〜5時間である。また、脱水閉環触媒を用いる場合、反応温度は0〜180℃、好ましくは10〜80℃であり、反応時間は数十分間〜数日間、好ましくは2時間〜12時間である。脱水閉環触媒の例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸等の酸無水物等が挙げられる。
(b)イソシアネート法
イソシアネート法の場合に用いる酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体としては、例えば、式(4)または式(5)で示す化合物を使用することができる。
式中、Rは水素、炭素数1〜10のアルキル基またはフェニル基を示す。
式中、Rは水素、炭素数1〜10のアルキル基またはフェニル基を示し、Yは−CH−、−CO−、−SO−または−O−を示す。
上記一般式で表される誘導体は何れも使用することができるが、最も代表的には無水トリメリット酸が挙げられる。また、これらの酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体は、目的に応じて単独または混合して用いることができる。
<芳香族ポリイソシアネート>
次に、本発明のポリアミドイミドの合成に用いられる一方の芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート、ビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ビフェニル−3,3’−ジイソシアネート、ビフェニル−3,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジエチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジエチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート等が挙げられる。
これらの芳香族ポリイソシアネートは単独で使用することもできるし、組み合わせて使用することもできる。必要に応じてこの一部としてヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族、脂環式イソシアネートおよび3官能以上のポリイソシアネートを使用することもできる。
上記各酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体と、芳香族ポリイソシアネートとを有機極性溶媒に溶解調整して得られるポリアミドイミド前駆体を含む溶液を支持体に塗布した後、加熱処理することにより、ポリアミドイミド前駆体からポリアミドイミドへの転化が行われる。この方法によるポリアミドイミドへの転化の際、概略ポリアミック酸を経由することなく(炭酸ガスを発生して)ポリアミドイミドを生成する。下記式(6)に無水トリメリット酸と芳香族イソシアネートとを用いた場合のポリアミドイミド化の例を示す。
式中、Arは芳香族基を示す。
使用することのできる有機極性溶媒としてはγ−ブチロラクトンが好ましい。通常、ポリアミドイミドはポリイミドに比べて安価であるものの、温湿度などの環境変動に対する安定性(抵抗や寸法)が低く、温湿度の影響を受けやすい。また、比較的剛直な構造をしているため強度は高いものの屈曲性が低く、曲げにより切れやすい、割れやすいという問題がある。前者は画像濃度ムラ、後者は耐久性への影響がある。これらの課題に対してγ−ブチロラクトンは有効である。
それ以外の溶媒では、ポリアミドイミド前駆体の加熱イミド転化後に残った残留溶媒が環境変動時にベルト抵抗を変化させ、画像濃度変化を起こしやすい。これら問題を解決するには残留溶媒を無くす必要があるが、そのためには350℃〜450℃程度の高温でさらに長時間加熱する必要があり、今度はベルトが脆くなることにより破断しやすくなるという別の問題が起こる。γ−ブチロラクトンを使用し、かつベルト内に5〜5000ppmの範囲で残すことにより、このようなトレードオフの問題は起こらなくなる。5ppm未満では塗膜の破断が起こりやすくなり、5000ppmを超えると環境変動時に画像濃度変化が起こりやすい。
γ−ブチロラクトンを少量残した場合のみ、上述したトレードオフの問題が起こらない原因は定かではないが、恐らく酸性のγ−ブチロラクトンがポリアミドイミド樹脂のアミドイミド転化の際に一部未反応として残っている未反応基の部分と弱い水素結合を形成し、塗膜に適度に可撓性を持たせることが出来ているためと考えられる。なお、上述したような酸無水物とイソシアネートやジアミンの溶解性はγ−ブチロラクトンよりもN―メチル―2―ピロリドンの方が高いぶん高固形分化が可能なためγ−ブチロラクトンとN―メチル―2―ピロリドンの混合溶媒の使用も考えられるが、この場合はアミドイミド転化時にγ−ブチロラクトンだけが揮発してしまって塗膜中に意図的に残すことが困難である。また、後述するがγ−ブチロラクトンとN―メチル―2―ピロリドンとの混合溶媒では画像安定性と耐久性の点において好ましくない。
上記に示した、ポリアミドイミドは通常単独で使用するが、相溶性を考慮して選択されたものを併用したり、シリコーンやフッ素などの変性基を導入したりすることも可能である。また、ポリアミドイミドワニスとして既に上市しているものを入手して使用することが出来る。このような例としてはたとえば日立化成工業社のHPC-3010が挙げられる。
<カーボンブラック分散液>
上述した中間転写ベルト中に均一にカーボンブラックを分散させるには、予めγ−ブチロラクトン中に均一に分散したものをポリアミドイミド前駆体と充分に混合して使用するのが好ましい。
続いて、分散工程について説明する。
本発明に使用する分散機は一般に使用される分散機であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、サンドミルなどが挙げられる。
前記中間転写ベルトとして好適に装備されるシームレスベルトに使用する場合、抵抗値として、好ましくは500V印加時の表面抵抗で1×10〜1×1015Ω/□、100V印加時の体積抵抗で1×10〜1×1014Ω・cmになる様なカーボンブラック量を含有させるが、機械強度の面から、膜が脆く割れやすくならない程度の添加量で達成できるものを選択する。つまり、中間転写ベルトとする場合には、前記樹脂成分(例えば、ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体)と電気抵抗調整材の配合を適正に調整した塗工液を用いて、電気特性(表面抵抗及び体積抵抗)と機械強度のバランスが取れたシームレスベルトを製造して用いるのが好ましい。
本発明における電気抵抗調整材の含有量としては、カーボンブラックの場合には、塗工液中の全固形分の10〜25wt%、好ましくは15〜20wt%である。また、金属酸化物の場合の含有量としては、塗工液中の全固形分の1〜50wt%、好ましくは10〜30wt%である。含有量が前記それぞれの電気抵抗調整材の範囲よりも少ないと抵抗値の均一性が得られにくくなり、任意の電位に対する抵抗値の変動が大きくなる。また含有量が前記それぞれの範囲よりも多いと前記中間転写ベルトの機械強度が低下し、実使用上好ましくない。
前記ポリアミドイミド樹脂の平均厚さとしては、40μm以上120μm以下であることがより好ましい。前記ポリアミドイミド樹脂の平均厚さが、40μm未満であると、ベルト駆動時に端部が切れやすくなる。また前記平均厚さが、120μmを超えると、ベルト駆動時に割れが発生しやすくなるため好ましくない。
なお、前記平均厚さは、中間転写ベルト内を任意に10点測定した際の平均値である。総厚さは、指針式の膜厚計や渦電流式の膜厚計などの一般汎用品が使用できるが、例えば、アンリツ社のエレクトリックマイクロメーターにより測定することができる。
また、前記中間転写ベルトは昨今の現像ユニットの多数化やマシンの高速化の面から、継ぎ目がない無端のシームレス構成であることが望ましい。
<ポリアミドイミド樹脂の中間転写ベルトの製造方法>
本発明の中間転写ベルトの製造方法の一例を具体的に説明する。
本実施形態の中間転写ベルトの製造方法は、、ポリアミドイミド前駆体および有機溶媒として少なくともγ−ブチロラクトンを含有する塗工溶液を塗工してポリアミドイミド前駆体を含有する塗工膜を形成する工程と、該塗工膜を、前記円筒形の金型の内側から加熱することにより前記ポリアミドイミド前駆体をポリアミドイミド樹脂に転化し、かつ、該ポリアミドイミド樹脂中に有機溶媒として前記γ−ブチロラクトンのみを5ppm以上5000ppm以下残留させる工程と、前記ポリアミドイミド樹脂を前記円筒形の金型から脱型する工程と、を含むものである。
例えば、円筒状の金属金型をゆっくりと回転させながら、ポリアミドイミド前駆体を含有する塗工溶液を、ノズル、ディスペンサーなどの液供給装置にて前記円筒形の金属金型の外面全体に均一になるように塗布し流延(塗工膜を形成)する。その後、回転速度を所定速度まで上げ、所定速度に達したら一定速度に維持し、所望の時間回転を継続する。そして、金型を回転させつつ徐々に昇温させながら、80℃〜150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が形成されたところで段階的に昇温し、最終的に200℃〜350℃程度で高温加熱処理(焼成)し、ポリアミドイミド前駆体のアミドイミド化(転化)を行う。
この際、中間転写ベルト内のγ−ブチロラクトンの含有量を5ppm以上5000ppm以下の範囲に制御するため、金属金型の内側から加熱することがより望ましい。このような加熱手段を適用することができればどのような加熱器を使用しても良いが、具体的には、例えばハロゲンヒーター、IHヒーターなどが挙げられる。外面塗工し、かつ金型の内側から加熱するという方法をとることにより、より効率良くγ−ブチロラクトンを5ppm以上5000ppm以下の範囲に制御することが可能である。
金型の加熱の方法としては、金型の外面から加熱する方法と、内側(裏側)から加熱する方法に大別されるが、目的に応じて適宜選択することができる。しかし、本発明の中間転写ベルトを得るためには、円筒形の金型の外面にポリアミドイミド前駆体を含有する塗工溶液を塗工し、円筒形の金型の内側から加熱することが効果的である。
中間転写ベルトの製造方法としては、上記の方法に限られず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリアミドイミド前駆体溶液に、必要に応じて、前記電気抵抗調整材などの前記その他の成分を分散した塗工液を調製し、該塗工液を支持体に塗布した後、加熱などの処理をすることにより、ポリアミドイミド前駆体をポリアミドイミドへ転化を行うことにより形成する方法などが挙げられる。
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、円筒状の金属金型などが挙げられ、金型の外面もしくは内面にポリアミドイミド前駆体溶液を塗布する。この中でも、ベルト内のγ−ブチロラクトンの含有量5ppm以上5000ppm以下に制御しやすい金型の外面に塗工する方法が好ましい。
<γ−ブチロラクトンの測定方法>
γ−ブチロラクトンの測定方法としては、中間転写ベルトの任意の場所から切り出したものを、熱抽出ガスクロマトグラフ質量分析(GC−MS)法にて分析することが出来る。GC−MS装置としては市販のものを使用することが出来るが、例えば島津製作所(株)製GCMS−QP2010にて測定することが出来る。
<画像形成装置>
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態として、本発明の中間転写ベルトが装備された画像形成装置について説明する。図2に本発明のフルカラーの電子写真画像形成装置の一実施形態を示す要部模式図を示す。本実施形態の画像形成装置は、像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写ベルトと、該中間転写ベルト上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備えてなるものである。そして、中間転写ベルトは上記第1あるいは第2の実施形態の中間転写ベルトが装備されている。本画像形成装置は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための1つの感光体ドラムを備えたデジタルカラープリンタの一構成例である。
上記実施形態のシームレスベルトは、像担持体上に順次形成される複数のカラートナー現像画像を中間転写ベルト上に順次重ね合わせて一次転写を行い、その一次転写画像を被記録媒体に一括して二次転写する、いわゆる中間転写方式の電子写真装置の中間転写ベルトとして好適に用いられ、高画質画像形成な電子写真画像形成装置を構成することができる。本発明における画像形成装置に装備されるベルト構成部に用いられるシームレスベルトについて、要部模式図を参照しながら以下に詳しく説明する。なお、模式図は一例であって本発明はこれに限定されるものではない。図2は、本発明の中間転写ベルトをベルト部材として装備する画像形成装置を説明するための要部模式図である。
図2に示すように、ベルト部材を含む中間転写ユニット500は、複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト501などにより構成されている。この中間転写ベルト501の周りには、2次転写ユニット600の2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ605、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード504、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ505などが対向するように配設されている。
また、位置検知用マークが中間転写ベルト501の外周面または内周面に図示しない位置検知用マークが設けられる。ただし、中間転写ベルト501の外周面側については位置検知用マークがベルトクリーニングブレード504の通過域を避けて設ける工夫が必要であり、配置上の困難さを伴うことがあるので、その場合には位置検知用マークを中間転写ベルト501の内周面側に設けてもよい。マーク検知用センサとしての光学センサ514は、中間転写ベルト501が架け渡されている1次転写バイアスローラ507とベルト駆動ローラ508との間の位置に設けられる。
この中間転写ベルト501は、1次転写電荷付与手段である1次転写バイアスローラ507、ベルト駆動ローラ508、ベルトテンションローラ509、2次転写対向ローラ510、クリーニング対向ローラ511、及びフィードバック電流検知ローラ512に張架されている。各ローラは導電性材料で形成され、1次転写バイアスローラ507以外の各ローラは接地されている。1次転写バイアスローラ507には、定電流または定電圧制御された1次転写電源801により、トナー像の重ね合わせ数に応じて所定の大きさの電流または電圧に制御された転写バイアスが印加されている。
中間転写ベルト501は、図示しない駆動モータによって矢印方向に回転駆動されるベルト駆動ローラ508により、矢印方向に駆動される。このベルト部材である中間転写ベルト501は、通常、半導体、又は絶縁体で、単層または多層構造となっているが、本発明においてはシームレスベルトが好ましく用いられ、これによって耐久性が向上すると共に、優れた画像形成が実現できる。また、中間転写ベルトは、感光体ドラム200上に形成されたトナー像を重ね合わせるために、通紙可能最大サイズより大きく設定されている。
2次転写手段である2次転写バイアスローラ605は、2次転写対向ローラ510に張架された部分の中間転写ベルト501のベルト外周面に対して、後述する接離手段としての接離機構によって、接離可能に構成されている。2次転写バイアスローラ605は、2次転写対向ローラ510に張架された部分の中間転写ベルト501との間に被記録媒体である転写紙Pを挟持するように配設されており、定電流制御される2次転写電源802によって所定電流の転写バイアスが印加されている。
レジストローラ610は、2次転写バイアスローラ605と2次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501との間に、所定のタイミングで転写材である転写紙Pを送り込む。また、2次転写バイアスローラ605には、クリーニング手段であるクリーニングブレード608が当接している。該クリーニングブレード608は、2次転写バイアスローラ605の表面に付着した付着物を除去してクリーニングするものである。
このような構成のカラー複写機において、画像形成サイクルが開始されると、感光体ドラム200は、図示しない駆動モータによって矢印で示す半時計方向に回転され、該感光体ドラム200上に、Bk(ブラック)トナー像形成、C(シアン)トナー像形成、M(マゼンタ)トナー像形成、Y(イエロー)トナー像形成が行われる。中間転写ベルト501はベルト駆動ローラ508によって矢印で示す時計回りに回転される。この中間転写ベルト501の回転に伴って、1次転写バイアスローラ507に印加される電圧による転写バイアスにより、Bkトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Yトナー像の1次転写が行われ、最終的にBk、C、M、Yの順に中間転写ベルト501上に各トナー像が重ね合わせて形成される。
例えば、上記Bkトナー像形成は次のように行われる。図2において、帯電チャージャ203は、コロナ放電によって感光体ドラム200の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。上記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザ光によるラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム200の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。このBk静電潜像に、Bk現像器231Kの現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム200の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
このようにして感光体ドラム200上に形成されたBkトナー像は、感光体ドラム200と接触状態で等速駆動回転している中間転写ベルト501のベルト外周面に1次転写される。この1次転写後の感光体ドラム200の表面に残留している若干の未転写の残留トナーは、感光体ドラム200の再使用に備えて、感光体クリーニング装置201で清掃される。この感光体ドラム200側では、Bk画像形成工程の次にC画像形成工程に進み、所定のタイミングでカラースキャナによるC画像データの読み取りが始まり、そのC画像データによるレーザ光書き込みによって、感光体ドラム200の表面にC静電潜像を形成する。
そして、先のBk静電潜像の後端部が通過した後で、且つC静電潜像の先端部が到達する前にリボルバ現像ユニット230の回転動作が行われ、C現像機231Cが現像位置にセットされ、C静電潜像がCトナーで現像される。以後、C静電潜像領域の現像を続けるが、C静電潜像の後端部が通過した時点で、先のBk現像機231Kの場合と同様にリボルバ現像ユニットの回転動作を行い、次のM現像機231Mを現像位置に移動させる。これもやはり次のY静電潜像の先端部が現像位置に到達する前に完了させる。なお、M及びYの画像形成工程については、それぞれのカラー画像データ読み取り、静電潜像形成、現像の動作が上述のBk、Cの工程と同様であるので説明は省略する。
このようにして感光体ドラム200上に順次形成されたBk、C、M、Yのトナー像は、中間転写ベルト501上の同一面に順次位置合わせされて1次転写される。これにより、中間転写ベルト501上に最大で4色が重ね合わされたトナー像が形成される。一方、上記画像形成動作が開始される時期に、転写紙Pが転写紙カセット又は手差しトレイなどの給紙部から給送され、レジストローラ610のニップで待機している。そして、2次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501と2次転写バイアスローラ605によりニップが形成された2次転写部に、上記中間転写ベルト501上のトナー像の先端がさしかかるときに、転写紙Pの先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ610が駆動されて、転写紙ガイド板601に沿って転写紙Pが搬送され、転写紙Pとトナー像とのレジスト合わせが行われる。
このようにして、転写紙Pが2次転写部を通過すると、2次転写電源802によって2次転写バイアスローラ605に印加された電圧による転写バイアスにより、中間転写ベルト501上の4色重ねトナー像が転写紙P上に一括転写(2次転写)される。この転写紙Pは、転写紙ガイド板601に沿って搬送されて、2次転写部の下流側に配置した除電針を含有する転写紙除電チャージャ606との対向部を通過することにより除電された後、ベルト構成部であるベルト搬送装置210により定着装置270に向けて送られる(図1参照)。そして、この転写紙Pは、定着装置270の定着ローラ271、272のニップ部でトナー像が溶融定着された後、図示しない排出ローラで装置本体外に送り出され、図示しないコピートレイに表向きにスタックされる。なお、定着装置270は必要によりベルト構成部を備えた構成とすることもできる。
一方、上記ベルト転写後の感光体ドラム200の表面は、感光体クリーニング装置201でクリーニングされ、上記除電ランプ202で均一に除電される。また、転写紙Pにトナー像を2次転写した後の中間転写ベルト501のベルト外周面に残留した残留トナーは、ベルトクリーニングブレード504によってクリーニングされる。該ベルトクリーニングブレード504は、図示しないクリーニング部材離接機構によって、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して所定のタイミングで接離されるように構成されている。
このベルトクリーニングブレード504の上記中間転写ベルト501の移動方向上流側には、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離するトナーシール部材502が設けられている。このトナーシール部材502は、上記残留トナーのクリーニング時に上記ベルトクリーニングブレード504から落下した落下トナーを受け止めて、該落下トナーが上記転写紙Pの搬送経路上に飛散するのを防止している。このトナーシール部材502は、上記クリーニング部材離接機構によって、上記ベルトクリーニングブレード504とともに、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離される。
このようにして残留トナーが除去された中間転写ベルト501のベルト外周面には、上記潤滑剤塗布ブラシ505により削り取られた潤滑剤506が塗布される。該潤滑剤506は、例えば、ステアリン酸亜鉛などの固形体からなり、該潤滑剤塗布ブラシ505に接触するように配設されている。また、この中間転写ベルト501のベルト外周面に残留した残留電荷は、該中間転写ベルト501のベルト外周面に接触した図示しないベルト除電ブラシにより印加される除電バイアスによって除去される。ここで、上記潤滑剤塗布ブラシ505及び上記ベルト除電ブラシは、それぞれの図示しない接離機構により、所定のタイミングで、上記中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離されるようになっている。
ここで、リピートコピーの時は、カラースキャナの動作及び感光体ドラム200への画像形成は、1枚目の4色目(Y)の画像形成工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目の1色目(Bk)の画像形成工程に進む。また、中間転写ベルト501は、1枚目の4色重ねトナー像の転写紙への一括転写工程に引き続き、ベルト外周面の上記ベルトクリーニングブレード504でクリーニングされた領域に、2枚目のBkトナー像が1次転写されるようにする。その後は、1枚目と同様動作になる。以上は、4色フルカラーコピーを得るコピーモードであったが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、上記同様の動作を行うことになる。また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、リボルバ現像ユニット230の所定色の現像機のみを現像動作状態にし、ベルトクリーニングブレード504を中間転写ベルト501に接触させたままの状態にしてコピー動作を行う。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態である画像形成装置について説明する。上記第3の実施形態では、感光体ドラム1を一つだけ備えた複写機について説明したが、本発明の中間転写ベルトは、例えば、複数の感光体ドラムをシームレスベルトからなる一つの中間転写ベルトに沿って並設した画像形成装置にも適用できる。図3に複数の感光体ドラムをシームレスベルトからなる一つの中間転写ベルトに沿って並設した画像形成装置の要部模式図を示す。
本画像形成装置は、像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写ベルトと、該中間転写ベルト上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備えてなるものである。そして、中間転写ベルトは上記第1または第2の実施形態の中間転写ベルトが装備されている。本画像形成装置は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム21BK、21Y、21M、21Cを備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例である。
図3において、プリンタ本体30は電子写真方式によるカラー画像形成を行うための、画像書込部12、画像形成部13、給紙部14、から構成されている。画像信号を元に画像処理部で画像処理して画像形成用の黒(BK)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)の各色信号に変換し、画像書込部12に送信する。画像書込部12は、例えば、レーザ光源と、回転多面鏡等の偏向器と、走査結像光学系、及びミラー群、からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部13の各色毎に設けられた像坦持体(感光体)21BK、21M、21Y、21Cに各色信号に応じた画像書込を行う。
画像形成部13は黒(BK)用、マゼンタ(M)用、イエロー(Y)用、シアン(C)用の各像坦持体である感光体21BK、21M、21Y、21Cを備えている。この各色用の各感光体としては、通常OPC感光体が用いられる。各感光体21BK、21M、21Y、21Cの周囲には、帯電装置、上記書込部12からのレーザ光の露光部、黒、マゼンタ、イエロー、シアンの各色用の現像装置20BK、20M、20Y、20C、1次転写手段としての1次転写バイアスローラ23BK、23M、23Y、23Cが配置されている。また、中間転写ベルト22が張架されているローラ26の周辺には、クリーニング部材25、及び感光体除電装置70が配設されている。なお、上記現像装置20BK、20M、20Y、20Cには、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。ベルト構成部である中間転写ベルト22は、各感光体21BK、21M、21Y、21Cと、各1次転写バイアスローラ23BK、23M、23Y、23Cとの間に介在し、各感光体上に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される。
一方、転写紙Pは、給紙部14から給紙された後、レジストローラ16を介して、ベルト構成部である転写搬送ベルト50に担持される。そして、中間転写ベルト22と転写搬送ベルト50とが接触するところで、上記中間転写ベルト22上に転写されたトナー像が、2次転写手段としての2次転写バイアスローラ60により2次転写(一括転写)される。これにより、転写紙P上にカラー画像が形成される。このカラー画像が形成された転写紙Pは、転写搬送ベルト50により定着装置15に搬送され、この定着装置15により転写された画像が定着された後、プリンタ本体外に排出される。
なお、上記2次転写時に転写されずに上記中間転写ベルト22上に残った残留トナーは、ベルトクリーニング部材25によって中間転写ベルト22から除去される。このベルトクリーニング部材25の下流側には、潤滑剤塗布装置27が配設されている。この潤滑剤塗布装置27は、固形潤滑剤と、中間転写ベルト22に摺擦して固形潤滑剤を塗布する導電性ブラシとで構成されている。前記導電性ブラシは、中間転写ベルト22に常時接触して、中間転写ベルト22に固形潤滑剤を塗布している。固形潤滑剤は、中間転写ベルト22のクリーニング性を高め、フィルミィングの発生を防止し耐久性を向上させる作用がある。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって制限されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りこれらの実施例を適宜改変したものも本発明の範囲内である。
なお、中間転写ベルト内のγ−ブチロラクトン(以下GBLと略することがある)、もしくは他溶剤の量はベルトの任意の箇所を切り出し、島津製作所(株)のGCMS−QP2010を使って熱抽出ガスクロマトグラフ質量分析法により、[γ−ブチロラクトン(もしくは他溶剤)測定量(μg)]÷[ベルトサンプル片重量(g)]から算出した。
<実施例1>
まず、中間転写ベルトの材料としてポリイミド樹脂を用いた場合の実施例について説明する。この中間転写ベルトは継ぎ目のないシームレスベルトである。
<実施例1−1>
「ベルト用塗工液1Aの調製」
マナック社製4−(2−フェニルエチニル)無水フタル酸(PEPA)とダイセル化学工業社製3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)と和歌山精化工業社製3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(3,4’−DDE)をモル比0.5:0.5:1.0でγ−ブチロラクトン中で窒素雰囲気下、130℃で重合して固形分15%、粘度10Pa・s(25℃)のポリイミド前駆体溶液1Aを調製した。続いて、γ−ブチロラクトン中に分散させたカーボンブラック(Regal400R;キャボット社製)の分散液を、カーボンブラック含有率がポリアミック酸固形分の18重量%になるように調合し、よく攪拌混合してベルト用塗工液Aを調製した。
「シームレスベルト1Aの作製」
次に、外径375mm、長さ340mmの外面をブラスト処理にて粗面化した金属製円筒を型として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、塗工液1Aを円筒外面に均一に流延するようにディスペンサーにて塗布した。所定の全量を流し終えて塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転数を100rpmに上げたまま、乾燥機に金型を入れた後、金型内部中央にハロゲンヒーターを設置して110℃まで徐々に昇温して60分加熱した。その後、さらに昇温して200℃で20分加熱し、続いて320℃まで段階的に昇温して60分加熱処理(焼成)してイミド転化を行い、徐冷した後に脱型を行い、シームレスベルトAを得た。
上記のように作製したシームレスベルト1Aの厚さは53μm、γ−ブチロラクトンの含有量は26ppmであった。
<実施例1−2>
実施例1−1においてディスペンサーの塗布量を変化させてシームレスベルト1Aの厚さを変える以外は同様にしてシームレスベルト1Bを得た。このときシームレスベルト1Bの厚さは109μm、γ−ブチロラクトンの量は188ppmであった。
<実施例1−3>
実施例1−1においてディスペンサーの塗布量を変化させてシームレスベルト1Aの厚さを変える以外は同様にしてシームレスベルト1Cを得た。このときシームレスベルト1Cの厚さは38μm、γ−ブチロラクトンの量は6ppmであった。
<実施例1−4>
実施例1−1においてディスペンサーの塗布量を変化させてシームレスベルト1Aの厚さを変える以外は同様にしてシームレスベルト1Dを得た。このときシームレスベルト1Dの厚さは136μm、γ−ブチロラクトンの量は345ppmであった。
<実施例1−5>
実施例1−2のシームレスベルト1Bの作成において、320℃での加熱処理60分を300℃での加熱処理30分に変えた以外は実施例1と同様にして、シーレスベルト1Eを得た。このときシームレスベルト1Eの厚さは114μm、γ−ブチロラクトンの量は4375ppmであった。
<実施例1−6>
「ベルト用塗工液1Fの調製」
三菱ガス化学社製の無水ピロメリット酸(PMDA)とダイセル化学工業社製3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)と和歌山精化工業社製4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−DDE)と日本化薬社製m−フェニレンジアミン(m−PDA)をモル比0.5:0.5:0.9:0.1でγ−ブチロラクトン中で窒素雰囲気下、135℃で重合して固形分14%、粘度17Pa・s(25℃)のポリイミド前駆体溶液1Fを調製した。続いて、γ−ブチロラクトン中に分散させたカーボンブラック(Regal400R;キャボット社製)の分散液を、カーボンブラック含有率がポリアミック酸固形分の19.2重量%になるように調合し、よく攪拌混合してベルト用塗工液1Fを調製した。その後は実施例1−1と同様にして、シームレスベルト1Fを得た。
このときシームレスベルト1Fの厚さは64μm、γ−ブチロラクトンの量は15ppmであった。
<実施例1−7>
「ベルト用塗工液1Gの調製」
マナック社製4−(2−フェニルエチニル)無水フタル酸(PEPA)と宇部興産社製の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と和歌山精化工業社製1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)をモル比0.5:0.5:1.0でγ−ブチロラクトン中で窒素雰囲気下、130℃で重合して固形分15%、粘度15Pa・s(25℃)のポリイミド前駆体溶液1Gを調製した。続いて、γ−ブチロラクトン中に分散させたカーボンブラック(MA100;三菱化学社製)の分散液を、カーボンブラック含有率がポリアミック酸固形分の15.4重量%になるように調合し、よく攪拌混合してベルト用塗工液1Gを調製した。その後は実施例1−1と同様にして、シームレスベルト1Gを得た。このときシームレスベルト1Gの厚さは66μm、γ−ブチロラクトンの量は87ppmであった。
<実施例1−8>
実施例1−1のベルト塗工液1Aを使い、以下の手順でシームレスベルト1Hを作製した。
「シームレスベルト1Hの作製」
内径375mm、長さ340mmの内面を鏡面仕上げし、離型剤処理を施した金属製円筒を支持体(型)として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、上記ベルト塗工液1Aを円筒内面に均一に流延するように流して塗布した。
所定の全量を流し終えて塗膜が万遍なく広がった時点で回転数を100rpmに上げ、金型の外面から熱風が発生する循環乾燥機に投入して、110℃まで徐々に昇温して60分加熱した。その後さらに昇温して200℃で20分加熱し、回転を停止、徐冷して取り出し、これを金型の外面から加熱する高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に投入し、段階的に320℃まで昇温して60分加熱(焼成)した。その後は加熱を停止し、常温まで徐冷してから型を取り出し、形成された塗膜を円筒内面から離型し、シームレスベルト1Hを得た。このときシームレスベルト1Hの厚さは61μm、γ−ブチロラクトンの量は1066ppmであった。
本実施例1−8は、シームレスベルトの製造方法として、円筒の支持体の外面にベルト塗工液を塗布した後、該円筒支持体の外面から加熱を行っているのに対し、上記実施例1−1乃至実施例1−7は、円筒支持体の内側から加熱を行っている点で異なる。
<比較例1−1>
「ベルト塗工液1Iの作製」
宇部興産社製の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と和歌山精化工業社製4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−DDE)をγ−ブチロラクトンとN―メチル―2―ピロリドンの重量比40:60の混合溶媒で窒素雰囲気下、15℃で重合して固形分20%、粘度14Pa・s(25℃)のポリイミド前駆体溶液1Iを調製した。続いてγ−ブチロラクトンとN―メチル―2―ピロリドンの重量比40:60の混合溶媒中に分散させたカーボンブラック(SPECIAL BLACK4;エボニックデグサ社製)をカーボンブラック含有率がポリアミック酸固形分の16.7重量%になるように調合し、よく攪拌混合してベルト用塗工液1Iを調製した。
「シームレスベルト1Iの作製」
その後は実施例1−1と同様にして、シームレスベルト1Iを得た。このときシームレスベルト1Iの厚さは58μmであり、γ−ブチロラクトンの量は3ppmであり、N―メチル―2―ピロリドンの量は166ppmであった。
<比較例1−2>
実施例1−1のシームレスベルト1Aの作成において、320℃での加熱処理60分を340℃での加熱処理30分に変えた以外は実施例1−1と同様にして、シーレスベルト1Jを得た。このときシームレスベルト1Jの厚さは50μm、γ−ブチロラクトンの量は3ppmであった。
<比較例1−3>
実施例1−1においてディスペンサーの塗布量を変化させてシームレスベルト1Aの厚さを変え、320℃での加熱処理60分を300℃での加熱処理10分に変えた以外は実施例1−1と同様にして、シーレスベルト1Kを得た。このときシームレスベルト1Kの厚さは157μm、γ−ブチロラクトンの量は5778ppmであった。
<比較例1−4>
比較例1−1において溶剤のN―メチル―2―ピロリドンをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に変更した以外は比較例1と同様にして、シームレスベルト1Lを得た。このときシームレスベルト1Lの厚さは53μmであり、γ−ブチロラクトンの量は2ppmであり、N,N−ジメチルホルムアミドの量は187ppmであった。
<比較例1−5>
比較例1−1において溶剤のN―メチル―2―ピロリドンをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)に変更した以外は比較例1−1と同様にして、シームレスベルト1Mを得た。このときシームレスベルト1Mの厚さは55μmであり、γ−ブチロラクトンの量は3ppmであり、N,N−ジメチルアセトアミドの量は222ppmであった。
<画像安定性評価>
上記各実施例および比較例の中間転写ベルト1A〜1Lを図3の画像形成装置に搭載した。そしてそのまま25℃50%RH(MM環境)下で24時間静置した後、シアン、マゼンタの2色ブルーベタの通紙を行った。その後、通紙環境を10℃15%RH(LL環境)に変更して24時間静置した後、シアン、マゼンタの2色ブルーベタの1000枚通紙を行い、25℃50%RH環境下での画像濃度と10℃15%RH環境下での画像濃度を1枚ずつ目視による比較判定をする画像安定性試験を行った。◎は、濃度低下サンプルが1枚も無い場合を示す。○は、濃度低下サンプルが1〜5枚有った場合を示す。△は、濃度低下サンプルが5〜10枚有った場合を示す。11枚以上濃度低下が確認された場合は×とした。
<耐久性評価>
また、ベルトの耐久性を見るために、上記試験とは別に10℃15%RH、25℃50%RHのそれぞれの環境で40万枚の連続通紙耐久試験を行った。なお、試験の途中でベルトが破断したものはそこで評価を中止した。
結果を表1に示す。
実施例1−1乃至実施例1−8(残留溶媒はγ−ブチロラクトンのみの場合)と、比較例1−1、比較例1−4及び比較例1―5(残留溶媒はγ−ブチロラクトンとN―メチル―2―ピロリドンの場合)との画像安定性評価結果と耐久性評価結果を比較する。これらより、残留溶媒としてγ−ブチロラクトンのみを残留させた場合は、濃度低下サンプルの枚数が5枚以下であり、画像安定性が顕著に向上していることがわかる。さらにはLL環境において中間転写ベルトが破断するまでの枚数(表中の破断枚数)が増加していることがわかる。
また、実施例1−1乃至実施例1−8と、比較例1−2及び1−3とを比較する。これらより、γ−ブチロラクトンを中間転写ベルト内に5ppm以上5000ppm以下の範囲で残すことにより、画像安定性が顕著に向上して及び破断枚数が19%から42%程度が向上していることがわかる。
さらには、実施例1−1、実施例1−2、及び実施例1−5、実施例1−6、実施例1−7及び実施例1−8と、実施例1−3及び実施例1−4とを比較すると、中間転写ベルトの厚さを40μm以上120μm以下とすることにより、LL環境下における40万枚の通紙試験において破断がみられず、耐久性が格段に向上したことがわかる。
実施例1−1乃至実施例1−7と、実施例1−8とを比較すると、円筒形の金型の外面に塗工液を塗布し、金型の内面から加熱した場合の方(実施例1−8)が、金型の外面から加熱した場合(実施例1−1乃至実施例1−7)より、画像安定性が優れていることがわかる。
以上、本発明の中間転写ベルトおよびその製造方法を用いることにより、中間転写ベルトにおいて、低温低湿環境下においても画像濃度低下が発生しない高品質な画像が得られ、かつ耐久性を向上させることができる。
<実施例2>
次に、中間転写ベルトの材料としてポリアミドイミド樹脂を用いた場合の実施例について説明する。なお、ベルト内のγ−ブチロラクトン(以下GBLと略することがある)もしくは他溶剤の量は、上記実施例1と同様の方法により測定及び算出した。
<実施例2−1>
「ベルト用塗工液2Aの調製」
無水トリメリット酸と4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートをモル比1.0:1.0でγ−ブチロラクトン中で窒素雰囲気下、室温から150℃まで昇温し、5時間反応させて固形分15%、粘度19Pa・s(25℃)のポリアミドイミド前駆体溶液2Aを調製した。続いて、γ−ブチロラクトン中に分散させたカーボンブラック(MA100;三菱化学社製)の分散液を、カーボンブラック含有率がポリアミック酸固形分の22重量%になるように調合し、よく攪拌混合してベルト用塗工液2Aを調製した。
「シームレスベルト2Aの作製」
次に、外径375mm、長さ340mmの外面をブラスト処理にて粗面化した金属製円筒を型として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、塗工液Aを円筒外面に均一に流延するようにディスペンサーにて塗布した。所定の全量を流し終えて塗膜がまんべんなく広がった時点で、回転数を100rpmに上げたまま、乾燥機に金型を入れた後、金型内部中央にハロゲンヒーターを設置して110℃まで徐々に昇温して60分加熱した。その後、さらに昇温して200℃で20分加熱し、続いて260℃まで段階的に昇温して60分加熱処理(焼成)してアミドイミド転化を行い、徐冷した後に脱型を行い、シームレスベルト2Aを得た。このときシームレスベルト2Aの厚さは53μm、γ−ブチロラクトンの量は88ppmであった。
<実施例2−2>
実施例2−1においてディスペンサーの塗布量を変化させてシームレスベルト2Aの厚さを変える以外は同様にしてシームレスベルト2Bを得た。このときシームレスベルト2Bの厚さは113μm、γ−ブチロラクトンの量は390ppmであった。
<実施例2−3>
実施例2−1においてディスペンサーの塗布量を変化させてシームレスベルト2Aの厚さを変える以外は同様にしてシームレスベルト2Cを得た。このときシームレスベルト2Cの厚さは35μm、γ−ブチロラクトンの量は9ppmであった。
<実施例2−4>
実施例2−1においてディスペンサーの塗布量を変化させてシームレスベルト2Aの厚さを変える以外は同様にしてシームレスベルト2Dを得た。このときシームレスベルト2Dの厚さは133μm、γ−ブチロラクトンの量は667ppmであった。
<実施例2−5>
実施例2のシームレスベルト2Bの作成において、260℃での加熱処理60分を240℃での加熱処理30分に変えた以外は実施例2−1と同様にして、シーレスベルト2Eを得た。このときシームレスベルト2Eの厚さは117μmであり、γ−ブチロラクトンの量は4873ppmであった。
<実施例2−6>
実施例1のベルト塗工液2Aを使い、以下の手順でシームレスベルト2Fを作製した。
「シームレスベルト2Fの作製」
内径375mm、長さ340mmの内面を鏡面仕上げし、離型剤処理を施した金属製円筒を支持体(型)として用い、この円筒型を50rpm(回/分)で回転させながら、上記ベルト塗工液Aを円筒内面に均一に流延するように流して塗布した。所定の全量を流し終えて塗膜が万遍なく広がった時点で回転数を100rpmに上げ、金型の外面から熱風が発生する循環乾燥機に投入して、110℃まで徐々に昇温して60分加熱した。
その後、さらに昇温して200℃で20分加熱し、回転を停止、徐冷して取り出し、これを金型の外面から加熱する高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に投入し、段階的に260℃まで昇温して60分加熱(焼成)した。
その後は加熱を停止し、常温まで徐冷してから型を取り出し、形成された塗膜を円筒内面から離型し、シームレスベルト2Fを得た。このときシームレスベルト2Fの厚さは61μmであり、γ−ブチロラクトンの量は1517ppmであった。
本実施例2−6は、シームレスベルトの製造方法として、円筒の支持体の外面にベルト塗工液を塗布した後、該円筒支持体の外面から加熱を行っているのに対し、上記実施例2−1乃至実施例2−5は、円筒支持体の内側から加熱を行っている点で異なる。
<比較例2−1>
実施例2−1において、重合時の溶媒をγ−ブチロラクトン100%から、γ−ブチロラクトンとN―メチル―2―ピロリドンの重量比50:50の混合溶媒に変更した以外は実施例2−1と同様にして、シームレスベルト2Gを得た。このときシームレスベルト2Gの厚さは61μmであり、γ−ブチロラクトンの量は4ppmであり、N―メチル―2―ピロリドンの量は1867ppmであった。
<比較例2−2>
比較例2−1において、γ−ブチロラクトンとN―メチル―2―ピロリドンの重量比50:50の混合溶媒をγ−ブチロラクトンとN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)の重量比50:50に変更した以外は実施例2−1と同様にして、シームレスベルト2Hを得た。このときシームレスベルト2Hの厚さは59μmであり、γ−ブチロラクトンの量は2ppmであり、N,N−ジメチルホルムアミドの量は130ppmであった。
<比較例2−3>
比較例2−1において、γ−ブチロラクトンとN―メチル―2―ピロリドンの重量比50:50の混合溶媒をγ−ブチロラクトンとN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)の重量比50:50に変更した以外は実施例2−1と同様にして、シームレスベルト2Iを得た。このときシームレスベルト2Iの厚さは60μm、γ−ブチロラクトンの量は3ppm、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)の量は662ppmであった。
<比較例2−4>
実施例2−5において、ディスペンサーの塗布量を変化させてシームレスベルト2Aの厚さを変える以外は同様にしてシームレスベルト2Jを得た。このときシームレスベルト2Jの厚さは153μmであり、γ−ブチロラクトンの量は5824ppmであった。
<比較例2−5>
実施例2−1において、260℃での加熱処理60分を300℃での加熱処理60分に変えた以外は実施例2−1と同様にして、シーレスベルト2Kを得た。このときシームレスベルト2Kの厚さは50μmであり、γ−ブチロラクトンの量は3ppmであった。
<比較例2−6>
実施例2−1において、溶媒をγ−ブチロラクトン100%からN―メチル―2―ピロリドン100%に変更した以外は実施例2−1と同様にしてポリアミドイミド前駆体溶液2Lを調製した。続いて、N―メチル―2―ピロリドン中に分散させたカーボンブラック(MA77;三菱化学社製)の分散液を、カーボンブラック含有率がポリアミック酸固形分の23重量%になるように調合し、よく攪拌混合してベルト用塗工液2Lを調製した。その後は実施例1と同様にしてシームレスベルト2Lを得た。このときシームレスベルト2Lの厚さは66μmであり、N―メチル―2―ピロリドンの量は3792ppmであった。
<画像安定性評価>
上記各実施例、比較例の中間転写ベルト2A〜2Lを、上記第3の実施形態の画像形成装置に搭載した。そしてそのまま25℃50%RH(MM環境)下で24時間静置した後、シアン、マゼンタの2色ブルーベタの通紙を行った。その後、通紙環境を10℃15%RH(LL環境)に変更して24時間静置した後、シアン、マゼンタの2色ブルーベタの1000枚通紙を行い、25℃50%RH環境下での画像濃度と10℃15%RH環境下での画像濃度を1枚ずつ目視による比較判定をする画像安定性試験を行った。◎は濃度低下サンプルが1枚も無かった場合である。○は濃度低下サンプルが1〜5枚有った場合である。△は濃度低下サンプルが5〜10枚有った場合である。11枚以上濃度低下が確認された場合は×とした。
<耐久性評価>
また、ベルトの耐久性を見るために、上記試験とは別に10℃15%RH、及び25℃50%RHのそれぞれの環境で10万枚の連続通紙耐久試験を行った。なお、試験の途中でベルトが破断したものはそこで評価を中止した。
結果を表2に示す。
表2より、実施例2−1乃至実施例2−6(残留溶媒はγ−ブチロラクトンのみの場合)と、比較例2−1、比較例2−2、比較例2−3及び比較例2−6(残留溶媒はγ−ブチロラクトンとN―メチル―2―ピロリドンの場合)との画像安定性評価結果と耐久性評価結果を比較する。これらより、γ−ブチロラクトンのみを残留させた場合はγ−ブチロラクトンとN―メチル―2―ピロリドンの混合溶媒を残留させた場合より、画像安定性が格段に向上していることがわかる。また、γ−ブチロラクトンとN―メチル―2―ピロリドンの混合溶媒を残留させた場合は、破断枚数が0.3万枚〜5万枚程度であるのに対し、γ−ブチロラクトンのみを残留させた場合は、LL環境においても破断枚数が8万枚あるいは9万枚まで向上していることがわかる。
また、実施例2−1乃至実施例2−6と、比較例2−4及び2−5とを比較すると、γ−ブチロラクトンを中間転写ベルト内に5ppm以上5000ppm以下の範囲で残すことにより、画像安定性と、耐久性試験の両方において向上していることがわかる。
さらには、実施例2−1、実施例2−2、及び実施例2−5及び実施例2−6と、実施例2−3及び実施例2−4とを比較すると、中間転写ベルトの厚さを40μm以上120μm以下とすることにより、LL環境下における10万枚の通紙試験において破断がみられず、耐久性が格段に向上したことがわかる。
また、実施例2−1乃至実施例2−4(金型の内側から加熱した場合)と、実施例2−6(金型の外側から加熱した場合)とを比較すると、金型の側から加熱した方が、画像安定性が優れていることがわかる。
以上、本発明の中間転写ベルトおよびその製造方法を用いることにより、中間転写ベルトにおいて、低温低湿環境下でも画像濃度低下が発生しない高品質な画像が得られ、かつ高い耐久性を得ることができる。また、本発明の中間転写ベルトを画像形成装置に用いることにより、高品質な画像形成装置を提供することが可能である。
10 中間転写ベルト
11 ポリイミド樹脂からなる層
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
16 レジストローラ
20C 現像装置(シアン)
20Y 現像装置(イエロー)
20M 現像装置(マゼンダ)
20BK 現像装置(ブラック)
21C 像担持体(シアン)
21Y 像担持体(イエロー)
21M 像担持体(マゼンダ)
21BK 像担持体(ブラック)
22 中間転写ベルト
25 ベルトクリーニング部材
27 潤滑剤塗布装置
30 画像形成装置
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ
P 転写紙
70 除電ローラ
80 アースローラ
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
204 電位センサー
205 画像濃度センサー
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231Y Y現像機
231K Bk現像機
231C C現像機
231M M現像機
270 定着装置
271、272 定着ローラ
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
502 トナーシール部材
503 帯電チャージャ
504 ベルトクリーニングブレード
505 潤滑剤塗布ブラシ
506 潤滑剤
507 1次転写バイアスローラ
508 ベルト駆動ローラ
509 ベルトテンションローラ
510 2次転写対向ローラ
511 クリーニング対向ローラ
512 フィードバッグ電流検知ローラ
513 トナー画像
514 光学センサ
600 2次転写ユニット
601 転写紙ガイド板
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
608 クリーニングブレード
610 レジストローラ
801 1次転写電源
802 2次転写電源
特許第4840038号公報 特許第4356508号公報

Claims (7)

  1. 像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写ベルトと、該中間転写ベルト上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備えた画像形成装置に装備される中間転写ベルトであって、
    前記中間転写ベルトは、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂であって、
    前記ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂は、残留溶媒として、5ppm以上5000ppm以下のγーブチロラクトンのみを含有することを特徴とする中間転写ベルト。
  2. 前記中間転写ベルトの平均厚さは、40μm以上120μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の中間転写ベルト。
  3. 前記中間転写ベルトは、カーボンブラックを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の中間転写ベルト。
  4. 円筒形の金型の外面に、ポリイミド前駆体および有機溶媒として少なくともγ−ブチロラクトンを含有する塗工溶液を塗工して前記ポリイミド前駆体を含有する塗工膜を形成する工程と、
    該塗工膜を、前記円筒形の金型の内側から加熱することにより前記ポリイミド前駆体をポリイミド樹脂に転化し、かつ、該ポリイミド樹脂中に有機溶媒として前記γ−ブチロラクトンのみを5ppm以上5000ppm以下残留させる工程と、
    前記ポリイミド樹脂を前記円筒形の金型から脱型する工程と、
    を含むことを特徴とする中間転写ベルトの製造方法。
  5. 円筒形の金型の外面に、ポリアミドイミド前駆体および有機溶媒として少なくともγ−ブチロラクトンを含有する塗工溶液を塗工してポリアミドイミド前駆体を含有する塗工膜を形成する工程と、
    該塗工膜を、前記円筒形の金型の内側から加熱することにより前記ポリアミドイミド前駆体をポリアミドイミド樹脂に転化し、かつ、該ポリアミドイミド樹脂中に有機溶媒として前記γ−ブチロラクトンのみを5ppm以上5000ppm以下残留させる工程と、
    前記ポリアミドイミド樹脂を前記円筒形の金型から脱型する工程と、
    を含むことを特徴とする中間転写ベルトの製造方法。
  6. 像担持体と、
    該像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像する現像手段と、
    該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写ベルトと、
    該中間転写ベルト上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段と、を備えてなり、
    前記中間転写ベルトが請求項1から3のいずれか1項記載の中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記画像形成装置がフルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の像担持体を直列に配置してなることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
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