JP2006053190A - ポリイミド樹脂無端ベルト及び画像形成装置 - Google Patents

ポリイミド樹脂無端ベルト及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 第1の発明として、高弾性率と、可撓性とを兼ね備え、且つ部分的な抵抗低下をおこさないポリイミド樹脂無端ベルトを、第2の発明として、高弾性率と、可撓性とを兼ね備え、且つ中間転写ベルト等に用いた場合に、カラーレジの発生を防止し、高速適用性があり、耐久性と強度に優れ、高品質な画像を得ることができるポリイミド樹脂無端ベルトを提供する。
【解決手段】 第1の発明として、ベルト内部全体に残留する溶媒が1.5質量%〜5.0質量%であり、且つベルト外周表面から膜厚方向へ3μm以内の領域に存在する溶媒が0.1質量%以下であることを特徴とするポリイミド樹脂無端ベルト。第2の発明として、ベルト内部全体に残留する溶媒が1.5質量%〜5.0質量%であり、且つJIS K7127(1999)に規定される引張弾性率が6.0GPa以上であることを特徴とするポリイミド樹脂無端ベルト。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真複写機、プリンター、ファクシミリ、これらの複合機等電子写真方式を用いた画像形成装置に用いるポリイミド樹脂無端ベルト、及びそれを用いた画像形成装置に関する。
電子写真方式を応用した画像形成装置は、無機又は有機光導電性感光体からなる潜像担持体上に一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザーや発光ダイオード光等で静電潜像を形成した後、帯電したトナーで前記静電潜像を現像して可視化したトナー像とする。そして、上記トナー像を、中間転写体を介して或いは直接、記録紙やOHP等の転写材に静電的に転写し、さらにこれを加熱や加圧することによって転写材に定着させて、所要の再生画像を得る。
前記画像形成装置に用いられる中間転写体や転写搬送部材の材料としてはポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンフタレート、PC/ポリアルキレンフタレート(PAT)のブレンド材料、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等の熱可塑性樹脂からなる半導電性の無端ベルト等が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。また、機械的特性及び熱特性等に優れたポリイミド樹脂を主成分とし、カーボンブラックを導電性微粉末として分散させた中間転写ベルトが提案されている。尚、高速のフルカラー画像形成装置などには、近年、感光体を複数個並べたタンデム方式が用いられることが多く、その中間転写ベルトには、カラーレジ防止のために高弾性率の材料を用いることが必要であり、その点でも、ポリイミド樹脂は非常に優れている。
しかしながら、高弾性率のポリイミド樹脂は、一般的に脆性が大きく、可撓性に乏しい。これらの性質は、画像形成装置内の中間転写ベルトや転写搬送ベルト等として使用したときに、取り付け時或いは走行中の蛇行による割れの原因となる。また、潜像担持体と転写ロール間のニップ追従性が損なわれることによる転写不良を発生させる原因となることもある。
これに対し、高弾性率と可撓性のバランスを検討したポリイミド樹脂製半導電性ベルトが提案されている(例えば、特許文献3参照)。これは、剛性の大きな分子骨格を持つポリイミド分子A成分(ジアミン残基がp−フェニレンジアミンからなる)と可撓性の大きな分子骨格を持つポリイミド分子B成分(ジアミン残基が4,4’−ジアミノフェニルエーテルからなる)を共重合或いはブレンドすることによって剛性と可撓性のバランスを実現しているものである。しかしながら、ここでは重合工程が煩雑になりコストアップに繋がるばかりでなく、A成分単独からなるポリイミド樹脂よりも弾性率が劣り、B成分単独からなるポリイミド樹脂よりも可撓性が劣るという問題が生じる。
また、高弾性率と可撓性のバランスを検討したポリイミド樹脂製半導電性ベルトの別の例として、ベルト製造時に、イミド化反応前の溶媒量(固形分量)を制御することにより、ポリイミド分子の配向を制御し、ベルト周方向の弾性率を大きく、周方向の曲げ硬さを小さくするものがある(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、ここでは、イミド化反応前に溶媒を蒸発させるため、乾燥をゆっくりおこなう必要があり製造時間が長くなるという課題がある。また、弾性率や曲げ硬度に方向性があり、ベルト回転方向(周方向)の転写性に寄与する可撓性と、ベルト幅方向の蛇行などに対する割れ防止に寄与する可撓性を両立できないなどの問題がある。
さらに、ポリイミド樹脂製半導電性ベルトを、中間転写ベルトなどの転写部材に用いる場合には、機械的な強度だけでなく、電気抵抗の経時安定性が求められる。すなわち、カーボンブラックを分散させたポリイミド樹脂ベルトは、抵抗値の電圧依存性が大きいため、転写部において印加した電圧集中が起こり、転写電圧により電気抵抗値が低下する課題がある。これは、例えば、多重色のカラー画像のような比較的厚いトナー層を含むパッチ像を連続して転写を繰り返すうちに、ポリイミド樹脂製中間転写ベルト上のパッチ像に相当する部分の表面抵抗が周囲より低下したり、葉書のような小さな紙に繰り返し転写を行うことによって、ポリイミド樹脂製中間転写ベルト上の、葉書が通過した部分の表面抵抗が周囲より低下したりする課題である(例えば、特許文献5、6参照)。
このような課題に対し、ベルト中の残留溶媒量を少なく(1ppm以下)することによって、ポリイミド樹脂製中間転写ベルトの抵抗低下が防止できることが提案されている(例えば、特許文献7参照)。しかしながら、ポリイミド樹脂ベルトを乾燥させすぎて残留溶媒量を少なくすることは、ベルトの脆性を大きくし、可撓性を小さくする。
特許第2560727号公報 特開平5−77252号公報 特開2001−142313号公報 特開2004−62169号公報 特開2000−172085号公報 特開2001−324880号公報 特開平11−24427号公報
本発明は、前記した従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、第1の発明は、環境の変化や長期間の使用に対しても変形が少ない高弾性率と、小さなキズや折れによっても割れにくく、曲率の小さな感光体を用いてもニップ追従性が良いために転写性を損なうことのない可撓性と、を兼ね備え、また、高速適用性、耐久性、強度に優れると共に、繰り返しの使用によっても部分的な抵抗低下をおこさないポリイミド樹脂無端ベルトを低コストで提供することを目的とする。
また、第2の発明は、上記高弾性率と、可撓性と、を兼ね備え、また、高速適用性、耐久性、強度に優れると共に、中間転写ベルト等に用いた場合に、カラーレジの発生を防止し、高品質な画像を得ることができるポリイミド樹脂無端ベルトを低コストで提供することを目的とする。
更に、本発明は、上記ポリイミド樹脂無端ベルトを中間転写ベルト等として用いた画像形成装置を低コストで提供することを目的とする。
本発明者らは、ポリイミド樹脂無端ベルト中の残留溶媒がベルトに可撓性をもたらすことに着目するとともに、ポリイミド樹脂無端ベルトを中間転写ベルト等として用いたときの表面電気抵抗低下の原因が、ベルトの外周面(転写面)側のごく浅い領域に残留する溶媒に起因することを解明した。また、引張弾性率の制御により、該ベルトを中間転写ベルト等として用いた時にカラーレジの発生を有効に防止し高品質の画像が得られることを解明した。
これらより鋭意検討の結果、前記課題の解決のため、下記の本発明を完成するに至った。
即ち、本発明における第1の発明は、
<1> ベルト内部全体に残留する溶媒が1.5質量%〜5.0質量%であり、且つベルト外周表面から膜厚方向へ3μm以内の領域に存在する溶媒が0.1質量%以下であることを特徴とするポリイミド樹脂無端ベルトである。
<2> ベルト外周表面及び内周表面の、JIS B0601(2001)に規定される表面粗さRaが0.2μm以下であることを特徴とする前記<1>に記載のポリイミド樹脂無端ベルトである。
また、第2の発明は、
<3> ベルト内部全体に残留する溶媒が1.5質量%〜5.0質量%であり、且つJIS K7127(1999)に規定される引張弾性率が6.0GPa以上であることを特徴とするポリイミド樹脂無端ベルトである。
<4> 35℃の温度下で、ベルトに39.2Nの張力をかけたときのベルト周長方向の吸湿膨張率が20ppm/RH以下であることを特徴とする前記<3>に記載のポリイミド樹脂無端ベルトである。
また、上記第1の発明又は第2の発明において、
<5> 9.8Nの荷重をかけて行うMIT試験法による耐折回数が3000回以上であることを特徴とする前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のポリイミド樹脂無端ベルトである。
更に、本発明における画像形成装置は、
<6> 前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のポリイミド樹脂無端ベルトを有することを特徴とする画像形成装置である。
本発明における上記第1の発明によれば、環境の変化や長期間の使用に対しても変形が少ない高弾性率と、小さなキズや折れによっても割れにくく、曲率の小さな感光体を用いてもニップ追従性が良いために転写性を損なうことのない可撓性と、を兼ね備え、また、高速適用性、耐久性、強度に優れると共に、繰り返しの使用によっても部分的な抵抗低下をおこさないポリイミド樹脂無端ベルトを低コストで提供することをができる。
また、上記第2の発明によれば、上記高弾性率と、可撓性と、を兼ね備え、また、高速適用性、耐久性、強度に優れると共に、中間転写ベルト等に用いた場合に、カラーレジの発生を防止し、高品質な画像を得ることができるポリイミド樹脂無端ベルトを低コストで提供することができる。
更に、本発明によれば、上記ポリイミド樹脂無端ベルトを中間転写ベルト等として用いた画像形成装置を低コストで提供することができる。
<ポリイミド樹脂無端ベルト>
本発明における第1のポリイミド樹脂無端ベルト(請求項1に記載のポリイミド樹脂無端ベルトをさし、本明細書において、単に「第1の発明」ということがある。)は、ベルト内部全体に残留する溶媒が1.5質量%〜5.0質量%であり、且つベルト外周表面から膜厚方向へ3μm以内の領域に存在する溶媒が0.1質量%以下であることを特徴とする。
また、第2のポリイミド樹脂無端ベルト(請求項3に記載のポリイミド樹脂無端ベルトをさし、本明細書において、単に「第2の発明」ということがある。)は、ベルト内部全体に残留する溶媒が1.5質量%〜5.0質量%であり、且つJIS K7127(1999)に規定される引張弾性率が6.0GPa以上であることを特徴とする。
以下、上記第1の発明及び第2の発明について詳細に説明する。
尚、以下において、第1の発明及び第2の発明の両者をさす場合には、単に「本発明のポリイミド樹脂無端ベルト」という。
(残留溶媒)
従来、ベルトの電気抵抗の低下を防止するため、ベルト中の残留溶媒をできる限り除去していたが、そのためにはベルトを高温で長時間処理するか、或いはベルトの表裏面両側から加熱乾燥させるなどの工程を経なければならず、コストアップになるのみならず、加熱させすぎることによってベルトが劣化してしまうという問題があった。本発明者らは、ポリイミド樹脂無端ベルト中の残留溶媒がベルトに可撓性をもたらすことに着目すると共に、ベルトの表面(転写面)付近の残留溶媒が少なければ抵抗低下を防止できることを解明した。
よって、本発明のポリイミド樹脂無端ベルトは、ベルト中に残留する溶媒が、1.5質量%〜5.0質量%の範囲にあることを特徴とする。上記溶媒が1.5質量%未満では、目的とするベルトの可撓性を十分得ることができず、また、5.0質量%を超えると、内部から溶媒がブリードし、ポリイミド樹脂無端ベルトと接触する感光体や転写ロールを汚染することがある。尚、ベルト中に残留する溶媒量は、高弾性率と可撓性を両立させ長期間連続して安定した使用を可能とする効果が顕著となる観点から、2.0質量%〜3.0質量%であることがより好ましく、2.2質量%〜2.7質量%であることが特に好ましい。
また、第1の発明においては、ベルトの外周表面から膜厚方向へ3μm以内の領域に存在する溶媒が0.1質量%以下であることが必要とされる。ベルト外周表面(転写面)3μm以内の残留溶媒量が0.1質量%を超えると、繰り返し転写を行うことによってベルト表面の部分的な抵抗低下が発生する。尚、ベルトの外周表面から膜厚方向へ3μm以内の領域に存在する溶媒量は、0.05質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以下であることが特に好ましい。尚、後述する定量方法では0.0001質量%(1ppm)以下の残留溶媒量の測定が困難であることから、ここでの好ましい下限値の設定は困難である。この表面抵抗のメカニズムは明らかになっていないが、本発明者らは、転写電界の集中によって起こるベルトの表面抵抗低下が、ベルトの極表層で起こる現象であることを発見し、本発明に至った。
残留溶媒の定量には、熱抽出ガスクロマトグラム質量分析装置を用いた。ベルトを2〜3mg程度に切り取り、正確に秤量後、熱抽出装置(PY2020D:フロンティアラボ社製)に入れて400℃に加熱した。揮発成分を320℃のインターフェイスを経てガスクロマトグラム質量分析装置(GCMS−QP2010:島津製作所製)に注入し、定量した。すなわち、ヘリウムガスをキャリアガスとして、試料から揮発した量の1/51(スプリット比50:1)を線速度153.8cm/秒(カラム温度50℃でのキャリアガス流量1.50ml/分、圧力50kPa)で、 内径0.25μmφ×30mのカラム(フロンティアラボ社製キャピラリーカラムUA−5)に注入した。次いで、50℃で3分間保持した後、カラムを毎分8℃の割合で400℃まで昇温させ、同温度で10分間保持して、揮発成分を脱着させた。さらに、インターフェイス温度320℃で揮発成分を質量分析装置に注入し、溶媒に相当するピークの面積を求めた。(同条件で分析した場合、例えば、N−メチル−2−ピロリドンは、リテンションタイム 9.8分(質量数99)のピークに相当する。)定量は、既知量の同一溶媒で予め検量線を作成しておこなった。
また、ベルトの外周表面から膜厚方向へ3μm以内の領域に存在する溶媒の定量方法としては、ベルトの表面をカミソリで削り取り、そのベルト削り粉を試料として用いて上記と同様の定量をおこなった。削り取った深さ(ベルト外周表面から膜厚方向への深さ)は、試料を削り取る前後のベルト膜厚を測定し、差分によって知ることができる。尚、ベルトの膜厚測定は、渦電流方式のフィルム膜厚測定器((株)フィッシャー・インストルメンツ製イソスコープMP30、プローブ:EAT3.3)を用いておこなった。
ベルト中の残留溶媒量を制御する方法については、後記のポリイミド樹脂無端ベルトの製造方法において詳述する。
(表面粗さRa)
第1の発明においては、ベルトの外周表面及び内周表面の、JIS B0601(2001)に規定される表面粗さRaが0.2μm以下であることが好ましい。ベルトの外周表面或いは内周表面のどちらか一方でも表面粗さRaが0.2μmを超えるものであると、電界の集中が起きやすくなり、抵抗低下の発生要因となる。また、より抵抗の維持性が向上する観点から、両面ともRaが0.1μm以下であることがより好ましく、0.05μm以下であることが特に好ましい。尚、特に制限されるわけではないが、ベルトと金型との密着性が強まりすぎ、脱型しにくくなるという観点から、下限は0.01μm以上であることが一般的である。
表面粗さRaは、表面粗さ形状測定器(東京精密社製サーフコム1400Aシリーズ)を用い、JIS B0601(2001)に準じて測定した。詳しくは、測定長さ2.5mm、カットオフ波長0.8mm、測定速度0.60mm/sの条件で、ベルト1本につき24箇所(幅方向3箇所×周方向8箇所)を測定し、その平均値をベルトの表面粗さRaとした。表面粗さの測定は、ベルトの外周表面(転写面)、内周表面(裏面)の両方についておこなった。
(引張弾性率)
第2の発明においては、JIS K7127(1999)に規定される引張弾性率が6.0GPa以上であることを特徴とする。6.0GPa以上の高弾性率を有することにより、強い張力を掛けて高速回転させてもベルトの周長が伸びることなく、例えば中間転写ベルトに用いた場合でも、カラーレジ(中間転写ベルトの変形による転写位置のズレ)の小さな高品質の画像を得ることができる。尚、7.0GPa以上であることがより好ましく、8.0GPa以上であることが特に好ましい。また、特に制限されるわけではないが、画像形成装置内でのベルトの回転をスムーズに行い、蛇行制御機構などを有効に作動させるという観点から、上限は10GPa以下であることが一般的である。
上記引張弾性率は、ポリイミド樹脂の化学構造を選択するとともに、イミド化反応率を高めることによって、上記の範囲に制御することができる。
引張弾性率の測定は、JIS K7127(1999)に準じておこない、周方向のみ5回測定した平均値を測定値とした。より詳しくは、ダンベル3号の打ち抜き試験片(幅5mm)を作製し、アイコーエンジニアリング社製MODEL−1605Nを用いて、引張速度20mm/minで測定した。
(吸湿膨張率)
第2の発明においては、安定した回転走行を実現し、中間転写ベルト等として用いたときのカラーレジの発生を防止する目的から、張力を掛けた状態での吸湿膨張率が小さいことが好ましい。
高品位の画像を得るためには、ポリイミド樹脂無端ベルトの湿度差による周長変化(吸湿膨張率)が、1%RH当たり20ppm以下であることが好ましく、15ppm以下であることがより好ましい。
吸湿膨張率の測定は、以下の手順でおこなう。39.2N(4kgf)の張力を掛けたベルトを、35℃で20%RHに24時間放置した後、その環境下においたままベルトの周長を測定し、次に35℃で85%RHに24時間放置した後、その環境下においたままベルトの周長を測定する。これを3回繰り返し、35℃で20%RHの平均周長と35℃で85%RHの平均周長を求め、それらの差分を算出し、湿度に対する周長の変化の比率を求め、ベルトの吸湿膨張率とする。
上記吸湿膨張率は、ポリイミド樹脂の化学構造を選択するとともに、イミド化反応率を高めることによって、上記の範囲に制御することができる。
この吸湿膨張率の測定は、ベルトから試験片(幅25.4mm、測定長さ149mm)を切り出しておこなうことができる。試験片は、長手方向をベルトの周方向と平行にすることが必要である。その場合の試験片に掛ける荷重は、次式から求める。
試験荷重(N)=39.6(N)×[25.4(mm)/ベルト幅(mm)]
(耐折回数)
本発明のポリイミド樹脂無端ベルトは、その効果として十分な可撓性を有する。可撓性が小さいと、画像形成装置内でベルトが蛇行したときに、端部に無理な力が加わり、ベルト割れの原因となる。また、小さな折れやキズをきっかけとして、簡単にベルト破断を生じさせてしまう。さらに、中間転写ベルトとして用いた場合に、1次転写部で、感光体と転写ロール間のニップに追従性が悪くなり、細線の転写性が悪くなるなど、画質不良を生じさせる。
電子写真方式の画像形成装置内の中間転写ベルト、転写搬送ベルト等に必要な可撓性の指標を検討した結果、9.8N(1kgf)の荷重をかけておこなうMIT試験法による耐折回数が3000回以上であることが必要であることを見出した。すなわち、本発明のポリイミド樹脂無端ベルトは、9.8Nの荷重を掛けておこなうMIT試験法による耐折回数が3000回以上であることが好ましく、また、3500回以上であることがより好ましい。
該MIT試験法による耐折回数測定は、JIS P8115(1994)に準拠(JIS P8115(1994)における「紙及び板紙」を「ポリイミド製フィルム」に読みかえる)する方法であり、図1に示すMIT試験機を用いて測定する。図1はMIT試験機を説明するための概略構成図である。図1に示すMIT試験機は折曲げ装置取り付け面4に取り付けられた、試験片2を挟み折曲げるための0.38mmの曲率半径をもつ折曲げ装置6、プランジャー8に取り付けられた荷重を掛けるためのつかみ具10からなる。
前記MIT試験法による耐折回数測定の手順は以下のとおりである。試験片2の一方を折曲げ装置6で挟む。更に試験片2の他の一方をつかみ具10で挟み、試験片2に9.8N(1kgf)の荷重をかける。次に折曲げ装置6を135±2°の角度で、毎分175±10回となる速度で回転させて、荷重がかけられた試験片2を折曲げ装置6の曲率面で繰り返し折り曲げ、ストレスを与えて破断させる。破断までの折り曲げ回数N(5回測定の平均値)を、耐折回数とした。
(表面抵抗率)
また、本発明のポリイミド樹脂無端ベルトは、導電性フィラーを含有し、表面抵抗率の常用対数値が9.0〜13.0(logΩ/□)の範囲内であることが好ましく、10.0〜12.0(logΩ/□)の範囲内であることがより好ましい。
前記表面抵抗率の常用対数値が9.0〜13.0(logΩ/□)の範囲内であると、後述する画像形成装置において、中間転写ベルト或いは転写搬送ベルト等として用いる場合、トナーの飛び散りがなく高画質が得られるとともに、除電装置がなくてもチャージアップによる汚れを防止することができ、好ましい。
表面抵抗率は、三菱油化(株)製ハイレスターIP及びHRプローブを用いて、22℃、55%RHの環境下でJIS K6911に従い計算した。ベルトの24点(幅方向3箇所×周方向8箇所)を測定し、その平均値をベルトの表面抵抗率とした。
尚、本発明のポリイミド樹脂無端ベルトに用いる前記導電性フィラーの種類と添加量については後述する。
<ポリイミド樹脂無端ベルトの製造方法>
本発明のポリイミド樹脂無端ベルトは、ポリイミド前駆体溶液を調製するポリイミド前駆体溶液調製工程と、ポリイミド前駆体溶液を円筒成形管の外周面又は内周面に塗布してポリイミド前駆体塗膜を形成するポリイミド前駆体塗膜形成工程と、前記ポリイミド前駆体塗膜を加熱によりイミド転化させてポリイミド皮膜を形成するポリイミド皮膜形成工程と、を経ることにより製造することができ、また、必要に応じて他の工程を経ることができる。
以下、本発明のポリイミド樹脂無端ベルトの製造方法を工程毎に分けて詳細に説明する。
−ポリイミド前駆体溶液調製工程−
本発明の無端ベルトはポリイミド樹脂を主成分とする。ポリイミド樹脂は、高引張弾性率材料であることから、駆動時に、支持ロール、クリーニングブレード等の応力による変形が少ないので、前述の第2のポリイミド樹脂無端ベルトの説明においても記載したように、カラーレジ等の画像欠陥が生じにくい。尚ここで、主成分とは、無端ベルトの全固形分中65質量%以上含有されている成分をさす。
ポリイミド樹脂は、ポリイミド前駆体を加熱しイミド化反応させることによって得られる。ポリイミド前駆体は、通常、略等モルのテトラカルボン酸二無水物或いはその誘導体と、ジアミンとを溶媒中で重合反応させてポリアミド酸溶液として得られる。
前記テトラカルボン酸二無水物としては特に制限はなく、具体的には、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
また、より高弾性率を得る材料として、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物等がより好ましく用いられる。
一方、前記ジアミンも特に制限はなく、具体的には、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチル4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノベンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロボキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン、H2N(CH23O(CH22O(CH2)NH2、H2N(CH23S(CH23NH2、H2N(CH23N(CH32(CH23NH2等が挙げられる。
また、より好ましくは、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン等が挙げられ、特には、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが好ましく用いられる。
テトラカルボン酸二無水物とジアミンを重合反応させる際の溶媒としては、溶解性等の点より極性溶媒が好適に挙げられる。本発明においては、ポリイミドに可撓性を持たせるために、ポリイミド樹脂に対して可塑剤の働きを有するN−メチル−2−ピロリドンを用いることが好ましいが、他の溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等を用いてもよい。これらは単数で用いても、又は複数併用してもよい。
前記ポリイミド前駆体溶液の固形分濃度は、5〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましい。前記固形分濃度が40質量%以内であることにより、後述する円筒成形管への塗布が容易に行え塗膜の均一性が確保できるとともに、成型後のポリイミド樹脂無端ベルト内部に残留する溶媒量を規定の量に保つことができる。また、前記固形分濃度が5質量%以上であることにより、十分な強度を有する膜厚を得ることができる。前記ポリイミド前駆体溶液の粘度について特に制限はないが、一般的に、1〜500Pa・sの粘度のものが扱いやすい。
本発明のポリイミド樹脂無端ベルトは、ポリイミド樹脂中に無機或いは有機の導電性フィラーを含有することができる。導電性物質としては特に制限はないが、分散性に優れ、好適な抵抗範囲を制御しやすく、環境による抵抗変動が少ないという点で、カーボンブラックを用いることが好ましく、それらの利点を最大限に利用でき、また中間転写ベルトとして使用したときに抵抗の維持性に優れた酸性カーボンブラックを用いることがより好ましい。これらはポリイミド前駆体溶液に直接分散させてもよいし、ポリイミド前駆体の重合時に予め溶剤中に分散させておく方法を用いてもよい。また、分散の方法としては特に制限されることはなく、例えば、ボールミルや超音波等で分散させる方法がある。
−ポリイミド前駆体塗膜形成工程−
上記より得たポリイミド前駆体溶液を、円筒成形管の外周面又は内周面に塗布することにより、ポリイミド前駆体塗膜を形成する。該塗布の方法としては、例えば、ポリイミド前駆体溶液を円筒成形管の内周面に塗布する方式や、更に遠心成型をおこなう方式、或いは、外周面に浸漬する方式などの適宜な方式で行うことができる(特開昭61−95361号公報、特開昭64−22514号公報、特開平3−180309号公報等参照)。
円筒成形管としては、例えば、アルミニウムや銅、ステンレス等の金属からなる円筒成形管を好ましく用いることができる。尚、前記円筒成形管がアルミニウムからなる場合、350℃に加熱すると強度が低下して変形を起こしやすい。このようなアルミニウムの熱変形は、円筒成形管形状への冷間加工中に歪みが蓄積していると発生しやすい。そのような歪みを取り去るには、アルミニウムを焼鈍(焼きなまし:アルミニウム素材を350〜400℃に加熱し、空気中で自然に冷却する)する方法が挙げられる。但し、焼鈍によっても熱変形が起こるので、所定形状への加工は、その後に施す必要がある。
円筒成形管の内周面に塗布を行う場合、その内周面の表面粗さは、それを用いて作製されるポリイミド樹脂無端ベルトの外周面の粗さを決定する。そのため、該円筒成形管の内周面の表面粗さRaは、0.2μm以下であることが好ましい。
一方、円筒成形管の外周面に塗布を行う場合には、上記と同様にポリイミド樹脂無端ベルトの内周面の粗さを決定するため、該円筒成形管の外周面の表面粗さRaは、0.2μm以下であることが好ましい。
また、前記金属からなる円筒成形管の表面(内周面又は外周面)に、ポリイミド前駆体溶液を直接塗布する場合には、後述するポリイミド皮膜形成工程において、形成されたポリイミド皮膜が円筒成形管表面に接着する可能性が高いため、離型性を付与する必要がある。そのため、円筒成形管の内周面又は外周面に離型剤層を形成することが好ましい。前記離型剤としては、シリコーン系やフッ素系のオイルを変性して耐熱性を持たせたものが有効である。また、シリコーン樹脂の超微粒子を水に分散させた水系離型剤も用いることができる。離型剤層は離型剤を塗布し、溶剤を乾燥させて、そのまま、或いは焼き付け処理をして形成される。
円筒成形管に塗布する方法として、まず内周面に塗布する方法を具体的に説明する。ただし、ここで説明する方式は、本発明を制限するものではない。塗布装置の主要部の概略図は、図2により説明する(但し、周辺装置は省略)。
図2において、円筒成形管21を矢印Aの方向に回転させながら、ポリイミド前駆体溶液26を容器24から、ノズル25を通して流下させる。このとき加圧装置27によってポリイミド前駆体溶液26に吐出圧力が掛けられる。加圧装置27の方式には特に制限はなく、具体的には、圧縮空気や高粘度液対応のモーノポンプ等が用いられる。ノズル25は、容器24に取り付けてもよいが、両者を離して管で連結し、容器24を別置きに固定してもよい。また、ノズル25の吐出口の大きさ・形状にも制限はなく、所定粘度のポリイミド前駆体溶液を、所定圧力のもとで、所定速度で吐出できるものとする。ノズル25はポリイミド前駆体溶液26を吐出しながら矢印Bの方向に進み、らせん状の塗布をおこなう。ノズル25と円筒成形管21の距離は任意でよく、0.5mm〜100mm程度が好ましい。
このように円筒成形管の内周面にポリイミド前駆体溶液を塗布した場合は、円筒成形管21を高速回転させる遠心成形法によって塗膜の膜厚を平坦化させることが可能である。また、高速回転させなくても、ポリイミド分子をさらに円周方向に配向させる目的を兼ねて、ヘラ28で、塗布面表面を円周方向にらせん状に擦りながらせん断力を与え、膜厚を平坦化させることも可能である。へら28は、ポリイミド前駆体溶液26に侵されない材料、例えば、ポリエチレンやフッソ樹脂等のプラスチックや真鍮、ステンレス等の金属の薄い板から成ることが好ましく、弾力性を有することが好ましい。ヘラ28を通過した直後は筋が残ることがあるが、円筒成形管21を回転させ続けると、液の流動性により、筋は時間と共に消滅する。ノズル25とヘラ28は連動させて塗布することもできる。
次に、円筒成形管の外周面に塗布する方法について、塗布装置の主要部の概略図である図3により説明する(但し、周辺装置は省略)。図3において、円筒成形管41を矢印Cの方向に回転させながら、ポリイミド前駆体溶液46を容器44から、ノズル45を通して、流下させる。このとき加圧装置47によってポリイミド前駆体溶液46に吐出圧力が掛けられる。加圧装置47の方式には特に制限はなく、具体的には、前記図2の説明におけるものと同様のものが用いられる。ノズル45は、容器44に取り付けてもよいが、両者を離して管で連結し、容器44を別置きに固定してもよい。また、ノズル45の吐出口の大きさ・形状にも制限はなく、所定粘度のポリイミド前駆体溶液を、所定圧力のもとで、所定速度で吐出できるものとする。ノズル45はポリイミド前駆体溶液46を吐出しながら矢印Dの方向に進み、らせん状の塗布をおこなう。ノズル45と円筒成形管41の距離は任意でよく、0.5mm〜100mm程度が好ましい。
流下したポリイミド前駆体溶液46は、へら48により平坦化される。へら48の材質としては、前記図2の説明におけるものと同様のものが挙げられる。これを、例えば幅10〜50mm程度に成形し、軽く円筒成形管41外周に押し当てる。ポリイミド前駆体溶液が通過すれば、へら48は円筒成形管41からある隙間をもって離れ、その際にポリイミド前駆体溶液を押し広げるのである。このとき、ポリイミド前駆体溶液の厚みを制御する。
円筒成形管の外周面に塗布する方法としては、上記以外にも、円筒成形管を縦置きに配置した状態で塗布をおこなう突き上げ塗布方法や浸漬塗布方法などを用いることができる。
また、上記ポリイミド前駆体塗膜の形成は、イミド化し乾燥した後のベルト膜厚が50〜100μmとなるように形成することが好ましい。ベルト膜厚が上記範囲内となることにより、長期間の使用に耐え得る強度と、高画質を得るための曲げ硬さとを両立させやすくなるとともに、ベルトの体積抵抗値を適切に制御できるという利点がある。
−ポリイミド皮膜形成工程−
本発明のポリイミド樹脂無端ベルトにおいては、ベルト中に残留する溶媒量を1.5質量%〜5.0質量%とする必要があり、また、第2のポリイミド樹脂無端ベルトにおいては更に、ベルト外周表面から膜厚方向へ3μm以内の領域に存在する溶媒量を0.1質量%以下とする必要がある。そのためには、ポリイミド樹脂の種類によって詳細は異なるものの、イミド化反応開始温度(240℃〜280℃)まで急速に加熱し、短時間でイミド化反応を終了させた後、急速に冷却する必要がある。
具体的には、前記ポリイミド前駆体溶液を円筒成形管に塗布した後、周方向の膜厚ムラ(液ダレ)を防ぐために1分間に数回転の低速で回転を続けながら、3℃/分〜10℃/分の昇温速度(塗膜の膜厚、固形分濃度により異なる)で一気に前記イミド化反応開始温度(ポリイミド樹脂の種類によって異なる)まで、加熱をおこなう。このとき、ポリイミド前駆体塗膜のイミド化反応が十分進行していない状態で加熱を続けると、塗膜内部の溶媒及びイミド化反応によって発生する水蒸気によって塗膜にフクレが生じることがある。すなわち、ここではイミド化反応と溶媒の蒸発の進行速度のバランスが重要である。円筒成形管を前記イミド化反応開始温度(ポリイミド樹脂の種類によって異なる)まで加熱し、イミド化を適度に進行させ、塗膜強度を高めた後は、溶媒及びイミド化反応によって発生する水蒸気を徐々に揮発させることが重要であり、イミド化を進行させながら、1℃/分〜3℃/分の比較的ゆっくりした速度で、イミド化反応完了温度(280℃〜400℃:ポリイミド樹脂の種類によって異なる)まで加熱を続け、イミド化を完了させる。
前記ポリイミド前駆体塗膜形成工程で、円筒成形管を縦置きに配置した状態で外周面に塗布をおこなう場合は、周方向の膜厚ムラ(液ダレ)を防ぐために、一度、円筒成形管を横置きに配置し直し、1分間に数回転の低速で回転を続けながら、塗膜が液ダレを起こさない程度まで乾燥させることが好ましい。その場合でも、前記イミド化反応開始温度までは3℃/分〜10℃/分の早い昇温速度で円筒成形管を加熱することが必要である。塗膜が液ダレを起こさない程度まで乾燥させた後は、回転を止めても、回転を続けたままでもよく、また、円筒成形管を再度縦置きに配置し直してもよいが、できるだけ円筒成形管の温度を低下させることなく、速やかに前記イミド化反応開始温度まで加熱をおこない、その後、1℃/分〜3℃/分の比較的ゆっくりした速度で前記イミド化反応完了温度まで加熱を続け、イミド化を完了させることが必要である。尚、円筒成形管の向きを変えるなど、一旦加熱を止める必要がある場合には、溶媒の沸点より十分低い温度で、塗膜中の溶媒量が35質量%以上残存する状態でおこなうとよい。特に、溶媒がN−メチル−2−ピロリドンの場合には、150℃以下が塗膜中の溶媒量が35質量%以上残存する状態の目安であり、その後の急速加熱でも塗膜のフクレを防ぐことができる。
円筒成形管の温度が上記イミド化反応完了温度に到達したら、10〜60分間加熱保持をおこない、イミド化を完全に終了させたのち、速やかに室温まで冷却をおこなう。
このようにして得られたポリイミド皮膜を、必要な幅にカットして、本発明のポリイミド樹脂無端ベルトを得ることができる。
<画像形成装置>
本発明の画像形成装置は、前記本発明のポリイミド樹脂無端ベルトを有することを特徴とする。
上記本発明の画像形成装置によれば、まず第1の形態として、環境の変化や長期間の使用に対しても変形が少ない高弾性率と、小さなキズや折れによっても割れにくく、曲率の小さな感光体を用いてもニップ追従性が良いために転写性を損なうことのない可撓性と、を兼ね備え、また、高速適用性、耐久性、強度に優れると共に、繰り返しの使用によっても部分的な抵抗低下をおこさない第1のポリイミド樹脂無端ベルトを、例えば、中間転写ベルト、転写搬送ベルト等として用いているため、該ベルトの寿命が長く、トナーの飛び散りが少ないとともに、除電装置がなくてもチャージアップによる汚れを防止でき、且つ、高品質な画像が得られる画像形成装置を低コストで提供することができる。
また第2の形態として、上記高弾性率と、可撓性と、を兼ね備え、また、高速適用性、耐久性、強度に優れると共に、中間転写ベルト等に用いた場合に、カラーレジの発生を防止し、高品質な画像を得ることができる第2のポリイミド樹脂無端ベルトを、例えば、中間転写ベルト、転写搬送ベルト等として用いているため、上記同様該ベルトの寿命が長く、且つ、高品質な画像が得られる画像形成装置を低コストで提供することができる。
以下、本発明の画像形成装置について詳細に説明する。
前記本発明のポリイミド樹脂無端ベルトは、例えば、電子写真方式の画像形成装置の中間転写ベルト、転写搬送ベルト等に用いることができる。また、それらの中でも中間転写ベルトとして用いた場合には、特に、その効果を有効に発揮することができる。
また、本発明の画像形成装置は、電子写真方式のものであれば特に限定されるものではなく、例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容するモノカラー画像形成装置や、感光体ドラム等の潜像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体に順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色毎の現像器を備えた複数の潜像担持体を中間転写体上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等のいずれでもよい。
ここで、本発明の画像形成装置の一例を図4に示す。図4はポリイミド樹脂無端ベルトを中間転写ベルトに用いたタンデム型の画像形成装置の要部部分を説明する模試図である。
前記画像形成装置は、各色(本例では4色)毎に設けられた感光体ドラム(潜像担持体)69と、この感光体ドラム69からトナー像を転写させるために各感光体ドラム69に接触する中間転写ベルト76とを有する。
感光体ドラム69は光の照射によって抵抗値が低下する感光層を備えたものであり、各感光体ドラム69の周囲には、感光体ドラム69を帯電する帯電装置73と、帯電された感光体ドラム69上に各色成分の静電潜像を書込む露光装置68と、感光体ドラム69上に形成された各色成分潜像を各色成分トナーにて可視像化する現像装置75と、前記中間転写ベルト76と、感光体ドラム69上の残留トナーを除去するクリーニング装置(感光体クリーナー)74とが配設されている。
ここで、帯電装置73としては、例えば帯電ロールが用いられるが、コロトロンなどの帯電器を用いてもよい。
また、露光装置68は感光体ドラム69上に光によって像を書込めるものであればよく、本例では、例えばLEDを用いたプリントヘッドが用いられるが、これに限られるものではなく、ELを用いたプリントヘッドでも、レーザビームをポリゴンミラーでスキャンするスキャナなど適宜選定して差し支えない。
更に、現像装置75は各色成分トナーが収容された現像器を搭載したものであり、例えば感光体ドラム69上で露光によって電位が低下した部分に各色成分トナーを付着させるものであれば適宜選定して差し支えなく、使用するトナーも形状、粒径など特に制限はなく、感光体ドラム69上の静電潜像上に正確にのるものであればよい。
更にまた、クリーニング装置74については、感光体ドラム69上の残留トナーを除去するものであれば、ブレードクリーニング方式を採用したもの等適宜選定して差し支えない。但し、転写率の高いトナーを使用する場合にはクリーニング装置74を使用しない態様もあり得る。
また、中間転写ベルト76は、バックアップロール63、テンションロール64、駆動ロール71の3つのロールに掛け渡されるものであって、現像装置75とクリーニング装置74との間に位置する感光体ドラム69面に密着配置されている。
中間転写ベルト76が感光体ドラム69に密着した接触領域の一部には中間転写ベルト76の裏側から一次転写装置としての一次転写ロール70が接触配置されており、所定の一次転写バイアスが印加されている。
更に、中間転写ベルト76のバックアップロール63に対向した部位には、二次転写装置としての二次転写ロール65が対向配置されており、例えば二次転写ロール65に所定の二次転写バイアスが印加され、バックアップロール63が接地されている。
更にまた、中間転写ベルト76の駆動ロール71に対向した部位には、ベルト上に残留したトナーを除去するクリーニング装置(転写クリーナー)72が配設されており、このクリーニング装置72には所定のクリーニングバイアスが印加され、駆動ロール71が接地されている。
また、用紙などの記録媒体66は、供給トレイ67に収容されており、そこから二次転写部位に供給されて二次転写され、その後定着ロール62へ搬送されて定着され、画像形成装置外へ排出されるようになっている。
このような画像形成装置の作動について説明すると、画像形成装置が作像動作を開始すると、各感光体ドラム69上に各色成分トナー像が順次形成され、一次転写ロール70の転写電界により中間転写ベルト76上に順次一次転写される。しかる後、この中間転写ベルト76に一次転写されたトナー像は二次転写ロール65の転写電界により記録媒体66に二次転写され、定着工程へと運ばれる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、各実施例は、本発明を制限するものではない。尚、以下において「%」は、特に断りのない限り「質量%」を意味する。
(実施例1)
[ポリイミド樹脂無端ベルトの作製]
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとをN−メチル−2−ピロリドン中で合成した18%濃度のポリイミド前駆体溶液を用意し、その中にカーボンブラック(SPECIAL BLACK 4、Degussa社製)の所定量を、サンドミルを用いて室温で6時間分散させ、カーボンブラックが分散しているポリイミド前駆体溶液を調製した。該ポリイミド前駆体溶液の粘度は、室温で30Pa・sであった。
外径198mm、長さ400mm、の焼鈍済みのアルミニウム製円筒成形管を用意し、外周表面(粗さRa:0.05μm)にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布して、380℃で1時間、焼き付け処理をした。
塗布工程として、図3に示すように、円筒成形管41の軸方向を水平にして、20rpmで回転させた。円筒成形管41の外周面に、ポリイミド前駆体溶液46を、容器44から口径3mmのノズル45を通して、エア圧0.6MPaにて、15ml/分の流量で押し出した。次いで、ノズル45とへら48を60mm/分の速度で、矢印Dの方向に移動させて塗布した。尚、塗布の際には、円筒成形管41の両端に10mmずつの不塗布部分を設けた。
さらに水平のままオーブンに入れ、6rpmで回転させながら8℃/分の速度で250℃まで加熱し、そのまま20分間保温した後、回転を止め、1.5℃/分の速度で340℃まで再加熱し、340℃に達したところで10分間保持して、カーボンブラック分散ポリイミド皮膜を形成した。
その後、−8℃/分で円筒成形管41を急速冷却させ、110℃になったところでオーブンから取り出し、そのまま室温まで放置した。
円筒成形管41から外したカーボンブラック分散ポリイミド皮膜の幅を350mmに切り揃え、ポリイミド樹脂製の半導電性無端ベルトとした。
得られたベルト内部に残留するN−メチル−2−ピロリドン(以下、「ベルト全体の残留溶媒」という。)を、前述した方法によって熱抽出し定量したところ、2.1%であった。また、ベルトの外周表面から膜厚方向へ3μmの深さまでカミソリで削り、その削り粉中に残留するN−メチル−2−ピロリドン(以下、「表面部分の残留溶媒」という。)を、同様に熱抽出して定量したところ、0.06%であった。
また、得られたベルトの外周面(転写面)と内周面(裏面)の表面粗さRaを、前述した方法で測定したところ、外周面、内周面ともに0.05μmであった。
また、得られたベルトの可撓性を評価するため、前述のMIT試験法による耐折回数を測定したところ、3085回であった。
また、得られたベルトの表面抵抗率を前述の方法により測定したところ、その常用対数値は、10.6LogΩ/□であった。
[評価]
上記より得られたベルトを、図4に示すタンデム型画像形成装置に中間転写ベルトとして取り付け、以下の評価を行った。
−カラーレジ評価−
テスト画像を繰り返しプリントし、以下の基準より評価を行った。
○:繰り返しのプリントに対してもカラーレジ(色ズレ)が発生しない。
×:繰り返しのプリントに対してカラーレジ(色ズレ)が発生した。
−転写性評価−
テスト画像をプリントし、以下の基準よりプロセス方向細線部分の転写性の評価を、目視観察にて行った。
○:プロセス方向細線の転写性に問題はなく、良好なプリント画像が得られた。
×:プロセス方向細線部分が転写不良を起こし、破線となった。
本実施例においては、上記カラーレジは発生せず、また転写性も良好であった。
−抵抗低下試験−
得られたベルトを取り付けた上記画像形成装置を10℃、15%RHの温湿度環境下に置き、葉書サイズの用紙を用いて、連続30000枚のハーフトーン画像のプリントを行った。そして、ベルト上の用紙接触(通過)部分と非接触(非通過)部分の表面抵抗率の測定を行い、その差分を計算したところ、0.4LogΩ/□であった。
(実施例2)
[ポリイミド樹脂無端ベルトの作製]
ポリイミド前駆体溶液(18%濃度)の成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとをN−メチル−2−ピロリドン中で合成したものを用いたこと以外は、実施例1と同様に、ポリイミド樹脂製の半導電性無端ベルトを作製した。
得られたベルト全体の残留溶媒を、実施例1と同様に定量したところ、1.8%であった。また、ベルトの表面部分の残留溶媒は、0.04%であった。
また、得られたベルトの外周面(転写面)と内周面(裏面)の表面粗さRaを、前述した方法で測定したところ、外周面、内周面ともに0.05μmであった。
また、MIT試験法による耐折回数を測定したところ4320回であり、表面抵抗率は11.9LogΩ/□であった。
[評価]
得られたベルトについて実施例1と同様に評価を行ったところ、カラーレジは発生せず、また転写性も良好であった。また、抵抗低下試験を行ったところ、その値は0.2LogΩ/□であった。
(実施例3)
[ポリイミド樹脂無端ベルトの作製]
円筒成形管の外周表面をガラスビーズによってブラスト加工し、表面粗さRa1.5μmとした以外は、実施例1と同様にポリイミド樹脂製の半導電性無端ベルトを作製した。
得られたベルト全体の残留溶媒を、実施例1と同様に定量したところ、1.7%であった。また、ベルトの表面部分の残留溶媒は、0.04%であった。
また、得られたベルトの外周面(転写面)と内周面(裏面)の表面粗さRaを、前述した方法で測定したところ、外周面は0.14μmであり、内周面は1.5μmであった。
また、MIT試験法による耐折回数を測定したところ3050回であり、表面抵抗率は10.5LogΩ/□であった。
[評価]
得られたベルトについて実施例1と同様に評価を行ったところ、カラーレジは発生せず、また転写性も良好であった。
また、抵抗低下試験を行ったところ、その値は0.8LogΩ/□であり、用紙接触部分の抵抗値が若干悪化していた。試験終了後にハーフトーン画像をプリントしたところ、試験で用いた用紙が走行した部分(用紙接触部分)のプロセス方向の濃度が、試験用紙の幅に合わせて若干低下していた。
(比較例1)
[ポリイミド樹脂無端ベルトの作製]
実施例1と同様のカーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液を用意した。該ポリイミド前駆体溶液を、図2に示すように、軸方向を水平にして20rpmで回転させている円筒成形管21の内周面に、容器24から口径3mmのノズル25を通して、エア圧0.6MPaにて、15ml/分の流量で押出し、次いで、ノズル25とへら28を60mm/分の速度で、矢印Bの方向に移動させて塗布した。尚、塗布の際には、円筒成形管21の両端に10mmずつの不塗布部分を設けた。そして、円筒成形管21の両端部に蓋をし、水平のまま、600rpmで20分間遠心成形をおこなうことによって、ポリイミド前駆体塗膜を形成した。
ここで用いた円筒成形管21は、内径203mm、長さ450mm、のステンレス製円筒成形管であり、内周表面(粗さRa:0.05μm)にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布して、380℃で1時間、焼き付け処理をしたものである。
塗布終了後は、実施例1と同様に加熱、冷却をおこない、ポリイミド樹脂製の半導電性無端ベルトを作製した。
得られたベルト全体の残留溶媒を、実施例1と同様に定量したところ、2.3%であった。また、ベルトの表面部分の残留溶媒は、1.5%であった。
また、得られたベルトの外周面(転写面)と内周面(裏面)の表面粗さRaを、前述した方法で測定したところ、外周面、内周面ともに0.05μmであった。
また、MIT試験法による耐折回数を測定したところ3210回であり、表面抵抗率は10.5LogΩ/□であった。
[評価]
得られたベルトについて実施例1と同様に評価を行ったところ、カラーレジは発生せず、また転写性も良好であった。
しかし、抵抗低下試験を行ったところ、その値は1.5LogΩ/□であり、用紙接触部分の抵抗値が非常に悪化していた。試験終了後にハーフトーン画像をプリントしたところ、試験で用いた用紙が走行した部分(用紙接触部分)のプロセス方向の濃度が、試験用紙の幅に合わせて低下していた。
(比較例2)
[ポリイミド樹脂無端ベルトの作製]
比較例1と同様に作製したベルトを、実施例1で用いた円筒成形管に差込み、8℃/分の速度で340℃まで再加熱し、10分間加熱保持した後、−8℃/分で室温まで急速冷却させた。
得られたベルト全体の残留溶媒を、実施例1と同様に定量したところ、0.01%であった。また、ベルトの表面部分の残留溶媒は検出できなかった。
得られたベルトの外周面(転写面)と内周面(裏面)の表面粗さRaを、前述した方法で測定したところ、外周面、内周面ともに0.05μmであった。
得られたベルトのMIT試験法による耐折回数を測定したところ120回であり、表面抵抗率は9.8LogΩ/□であった。
[評価]
得られたベルトについて実施例1と同様に評価を行ったところ、カラーレジは発生しなかったが、転写性評価においては、プロセス方向細線の一部が転写不良をおこし破線となった。
また、抵抗低下試験を行ったところ、その値は0.2LogΩ/□であった。
上記、実施例1〜3及び比較例1〜2の結果等を、下記表1にまとめる。
Figure 2006053190
(実施例4)
[ポリイミド樹脂無端ベルトの作製]
3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp-フェニレンジアミンとをN−メチル−2−ピロリドン中で合成した18%濃度のポリイミド前駆体溶液を用意し、その中にカーボンブラック(SPECIAL BLACK 4、Degussa社製)の所定量を、サンドミルを用いて室温で6時間分散させ、カーボンブラックが分散しているポリイミド前駆体溶液を調製した。該ポリイミド前駆体溶液の粘度は、室温で30Pa・sであった。
内径301mm、長さ400mm、のステンレス製円筒成形管を用意し、内周表面(粗さRa:0.05μm)にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布して、380℃で1時間、焼き付け処理をした。
塗布工程として、図2に示すように、円筒成形管21の軸方向を水平にして、20rpmで回転させた。円筒成形管21の内周面に、ポリイミド前駆体溶液26を、容器24から口径3mmのノズル25を通して、エア圧0.8MPaにて、23ml/分の流量で押し出した。次いで、ノズル25とへら28を60mm/分の速度で、矢印Bの方向に移動させて塗布した。尚、塗布の際には、円筒成形管21の両端に10mmずつの不塗布部分を設けた。
次に、円筒成形管21の両端部に蓋をし、水平のまま、600rpmで20分間遠心成形をおこなった。
さらに水平のままオーブンに入れ、6rpmで回転させながら8℃/分の速度で250℃まで加熱し、そのまま20分間保温した後、回転を止め、1.5℃/分の速度で320℃まで再加熱し、320℃に達したところで10分間保持して、カーボンブラック分散ポリイミド樹脂皮膜を形成した。
その後、−8℃/分で円筒成形管21を急速冷却させ、110℃になったところで熱風炉から取り出し、そのまま室温まで放置した。
円筒成形管21から外したカーボンブラック分散ポリイミド樹脂皮膜の幅を350mmに切り揃え、ポリイミド樹脂製の半導電性無端ベルトとした。
得られたベルト全体の残留溶媒を、実施例1と同様に定量したところ、2.4%であった。
得られたベルトについて、JIS K7127(1999年)に規定される引張り弾性率を、前述した方法によって測定したところ7.2GPaであった。
また、MIT試験法による耐折回数を測定したところ、3320回であった。
得られたベルトから、幅25.4mm、長さ210mm(測定長さ149mm)の試験片を切り出し、前述した方法で、吸湿膨張率を測定したところ、14.5ppm/%RHであった。
また、表面抵抗率は11.4LogΩ/□であった。
[評価]
上記より得られたベルトを、図4に示すタンデム型画像形成装置に中間転写ベルトとして取り付け、以下の評価を行った。
−カラーレジ評価−
実施例1と同様の方法、及び基準より評価を行った。
−転写性評価−
実施例1と同様の方法、及び基準より評価を行った。
−ベルト割れ評価−
得られたベルトの端部に意識的にキンクを作り(ベルト端部を図5のように摘んでベルト周方向と平行する5mm程度のキンクを発生させる)、そのベルトを上記と同様に図4に示すタンデム型の画像形成装置に中間転写ベルトとして取り付け、下記の基準よりベルト割れ評価を行った。
○:連続して1000枚のテストプリントをした後も、問題なく良好なプリント画像を得ることができた。
×:連続して1000枚のテストプリントをしたところ、キンクの部分からベルト割れが観察された。
××:キンクを作ろうとしたところ、その場でベルトが割れた。
−ブリード評価−
得られたベルトを20mm角に切り取り、有機感光体上にセロテープ(登録商標)で貼り付け、35℃で48時間放置し、以下の基準よりブリード評価を行った。
○:感光体上に、特に変質等は認められない。
×:感光体上に、試験片の形状に沿って目視で観察できる変質が認められた。
本実施例においては、上記カラーレジは発生せず、また転写性も良好であった。更に、ベルト割れは発生せず良好なプリント画像が得られ、ブリード評価における感光体上の変質等も認められなかった。
(実施例5)
イミド化のための加熱工程において、最終到達温度320℃で40分間加熱を保持した以外は、実施例4と同様にポリイミド樹脂製の半導電性無端ベルトを作製した。
得られたベルト全体の残留溶媒量は1.7%であり、引張り弾性率は6.5GPaであり、MIT試験法による耐折回数は3050回であり、吸湿膨張率は15.3ppm/%RHであり、表面抵抗率は10.8LogΩ/□であった。
[評価]
得られたベルトについて実施例4と同様に評価を行ったところ、カラーレジは発生せず、また転写性も良好であった。更に、ベルト割れは発生せず良好なプリント画像が得られ、ブリード評価における感光体上の変質等も認められなかった。
(比較例3)
イミド化のための加熱工程において、最終到達温度を330℃とし60分間加熱を保持した以外は、実施例4と同様にポリイミド樹脂製の半導電性無端ベルトを作製した。
得られたベルト全体の残留溶媒量は0.8%であり、引張り弾性率は7.8GPaであり、MIT試験法による耐折回数は1545回であり、吸湿膨張率は14.5ppm/%RHであり、表面抵抗率は12.3LogΩ/□であった。
[評価]
得られたベルトについて実施例4と同様に評価を行ったところ、カラーレジは発生しなかったが、転写性評価においては、プロセス方向細線の一部が転写不良をおこし破線となった。更に、ベルト割れ評価においては、連続1000枚プリントしたところ、プリント終了後に、キンクの部分からベルトが割れ始めていることが観察できた。尚、ブリード評価における感光体上の変質等は認められなかった。
(比較例4)
イミド化のための加熱工程において、最終到達温度を350℃とし120分間加熱を保持した以外は、実施例4と同様にポリイミド樹脂製の半導電性無端ベルトを作製した。
得られたベルト全体の残留溶媒量は0.1%であり、引張り弾性率は8.0GPaであり、MIT試験法による耐折回数は115回であり、吸湿膨張率は14.3ppm/%RHであり、表面抵抗率は12.7LogΩ/□であった。
[評価]
得られたベルトについて実施例4と同様に評価を行ったところ、カラーレジは発生しなかったが、転写性評価においては、プロセス方向細線が転写不良をおこし破線となった。更に、ベルト割れ評価においては、キンクを作ろうとした段階でベルト割れが発生した。尚、ブリード評価における感光体上の変質等は認められなかった。
(比較例5)
イミド化のための加熱工程において、最終到達温度を300℃とし、300℃での加熱保持をおこなわず、即冷却を開始した以外は、実施例4と同様にポリイミド樹脂製の半導電性無端ベルトを作製した。
得られたベルト全体の残留溶媒量は5.5%であり、引張り弾性率は5.8GPaであり、MIT試験法による耐折回数は5000回以上であり、吸湿膨張率は25ppm/%RHであり、表面抵抗率は9.8LogΩ/□であった。
[評価]
得られたベルトについて実施例4と同様に評価を行ったところ、繰り返しのプリントに対してカラーレジの発生が顕著であった。また転写性は良好であり、ベルト割れも発生しなかったが、ブリード評価において、感光体上に、試験片の形状に沿って目視で観察できる変質が認められた。
尚、ブリードテストに使用した感光体を図4に示すタンデム型画像形成装置に取り付けてハーフトーンのテスト画像をプリントしたところ、感光体上の変質部分と同一形状の白抜けが発生した。
Figure 2006053190
MIT試験機を説明するための概略構成図である。 円筒成形管の内周面に塗布するための、塗布装置の主要部の概略構成図である。 円筒成形管の外周面に塗布するための、塗布装置の主要部の概略構成図である。 本発明のポリイミド樹脂無端ベルトを中間転写ベルトに用いた電子写真複写機の一例を示す概略構成図である。 ベルト割れ評価に用いられるベルトの端部に、意識的にキンクを作る方法を図示したものである。
符号の説明
2 試験片
4 折曲げ装置取り付け面
6 折曲げ装置
8 プランジャー
10 つかみ具
21 円筒成形管
24 容器
25 ノズル
26 ポリイミド前駆体溶液
27 加圧装置
28 ヘラ
41 円筒成形管
44 容器
45 ノズル
46 ポリイミド前駆体溶液
47 加圧装置
48 ヘラ
61 トナーカートリッジ
62 定着ロール
63 バックアップロール
64 テンションロール
65 二次転写ロール
66 記録媒体
67 供給トレイ
68 露光装置
69 感光体ドラム(潜像担持体)
70 一次転写ロール
71 駆動ロール
72 クリーニング装置(転写クリーナー)
73 帯電装置
74 クリーニング装置(感光体クリーナー)
75 現像装置
76 中間転写ベルト

Claims (6)

  1. ベルト内部全体に残留する溶媒が1.5質量%〜5.0質量%であり、且つベルト外周表面から膜厚方向へ3μm以内の領域に存在する溶媒が0.1質量%以下であることを特徴とするポリイミド樹脂無端ベルト。
  2. ベルト外周表面及び内周表面の、JIS B0601(2001)に規定される表面粗さRaが0.2μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリイミド樹脂無端ベルト。
  3. ベルト内部全体に残留する溶媒が1.5質量%〜5.0質量%であり、且つJIS K7127(1999)に規定される引張弾性率が6.0GPa以上であることを特徴とするポリイミド樹脂無端ベルト。
  4. 35℃の温度下で、ベルトに39.2Nの張力をかけたときのベルト周長方向の吸湿膨張率が20ppm/%RH以下であることを特徴とする請求項3に記載のポリイミド樹脂無端ベルト。
  5. 9.8Nの荷重をかけて行うMIT試験法による耐折回数が3000回以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリイミド樹脂無端ベルト。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリイミド樹脂無端ベルトを有することを特徴とする画像形成装置。
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