JP4400118B2 - ポリイミド製無端ベルトの製造方法 - Google Patents

ポリイミド製無端ベルトの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、プリンター、ファクシミリ、これらの複合機等電子写真方式を用いた画像形成装置に用いるポリイミド製無端ベルトの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を応用した画像形成装置では、先ず無機又は有機光導電性感光体からなる潜像担持体上に一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザーや発光ダイオード光等で静電潜像を形成した後、帯電したトナーで前記静電潜像を現像して可視化したトナー像とする。そして、前記トナー像を中間転写体を介して、あるいは直接記録紙やOHP等の転写材に静電的に転写して、さらにこれを加熱や加圧することによって転写材に定着させることによって、所要の再生画像を得る。
【0003】
前記画像形成装置に用いられる中間転写部材や転写搬送部材の材料としては、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンフタレート、PC/ポリアルキレンフタレート(PAT)のブレンド材料、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等の熱可塑性樹脂からなる半導電性の無端ベルト等が提案されている。
また、機械的特性及び熱特性等に優れたポリイミド樹脂を主成分とし、カーボンブラックを導電性微粉末として分散させた中間転写体が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0004】
一方、このような転写ベルトや転写定着ベルトを前記画像形成装置において使用する場合、走行中の蛇行を防止するため、ベルトの幅方向の端部にガイド用のリブを接合し、該リブを対向するロールの端部または溝に嵌合して走行させる方法がとられている。しかし、長期に亘るベルト走行によって、ベルトのリブ接合部分にはベルトの幅方向に荷重が加わり、リブの接着が剥がれたり、リブとベルトがずれることによって真直度が失われたりしてベルトが蛇行する問題が生じる。
【0005】
このような問題を避けるため、リブとベルトの接着強度を増す方法が公開されている。しかしながら、リブとベルトの接着強度を高めていくと、今度はベルトそのものに幅方向の過度な荷重が加わり、ベルトの周方向に平行なクラックが発生したり、割れが生じたりする問題がある(例えば、特許文献3参照。)。
また、ベルト表面あるいは裏面に補強テープを貼るなどの対策がとられているが、余分なコストが発生するほか、結局は補強テープに沿ってベルトにクラックが発生したり割れが生じたりするため、本質的な改善にはならない。
【0006】
【特許文献1】
特許2560727号明細書
【特許文献2】
特開平5−77252号公報
【特許文献3】
特開2000−122439号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、ベルトの幅方向にかかる荷重によるクラックや割れが発生しにくく、更に、リブを取り付けることにより、電子写真方式の画像形成装置において長期間走行させても、耐久性に優れ、安定した使用が可能となるポリイミド製無端ベルトの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポリイミド製無端ベルトにおける縦横の引裂強度のバランス、及び縦横の耐折回数のバランスに注目し、鋭意検討した結果、下記の本発明が前記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
<1> ポリイミド前駆体溶液を、円筒成形管の外周面又は内周面へ円筒成形管軸方向に塗布して、ポリイミド前駆体塗膜を形成するポリイミド前駆体塗膜形成工程と、前記ポリイミド前駆体塗膜を加熱によりイミド転化させてポリイミド皮膜を形成するポリイミド皮膜形成工程と、を有するポリイミド製無端ベルトの製造方法であって、前記ポリイミド前駆体塗膜形成工程が、前記ポリイミド前駆体溶液の塗布と同時又は塗布後に、前記塗布されたポリイミド前駆体溶液の表面を軸方向に摺擦する摺擦工程を有し、かつ、前記塗布されたポリイミド前駆体塗膜の円筒成形管軸方向におけるイミド転化前後の収縮率が、10%以内であることを特徴とするポリイミド製無端ベルトの製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明におけるポリイミド製無端ベルトは、ベルトの幅方向と平行な方向に荷重を掛けて測定するJIS K7128−3(1998年)に規定される直角形引裂法による引裂強度(以下、「幅方向の直角引裂強度」という場合がある。)が、周方向のJIS K7128−3(1998年)に規定される直角形引裂法による引裂強度(以下、「周方向の直角引裂強度」という場合がある。)の105%〜200%であることを特徴とする。
ここで、JIS K7128−3(1998年)に規定される直角形引裂法による引裂強度とは、JIS K7128−3(1998年)に規定される引裂強度で、試験片の直角部から引裂きを開始するときに必要とする荷重を試験片の膜厚で除した値であり、幅方向の直角引裂強度という場合、荷重の掛かる方向がベルトの幅方向と平行であることを指す。
尚、本発明における直角形引裂法による引裂強度は、試験速度20mm/minのときの値である。
【0014】
前記幅方向の直角引裂強度が前記周方向の直角引裂強度の105〜200%であると、ベルトの幅方向の荷重に対してクラックや割れが発生しにくく、特に蛇行防止用のリブを取り付けて、後述する電子写真方式の画像形成装置において、長期間走行させても、耐久性に優れ、安定した使用が可能となる。
これは、リブを取り付けたポリイミド製無端ベルトの走行時の耐久性に関しては、周方向よりもむしろ幅方向に掛かる荷重への耐性の方が要因効果が大きく、ポリイミド製無端ベルトの引裂き強度に異方性を付与させることにより、上述の効果が得られると考えられる。
前記幅方向の直角引裂強度は、前記周方向の直角引裂強度の110〜150%であることが好ましく、110〜130%であることがより好ましい。
【0015】
一方、前記幅方向の直角引裂強度が前記周方向の直角引裂強度幅の105%未満であると、前記リブを取り付けて、電子写真方式の画像形成装置において長期間走行させた場合に、リブ、或いは画像形成装置のガイド具のわずかな歪みや磨耗による変形、ポリイミド製無端ベルトそのものの寸法精度、又は画像形成装置の架張ロールの歪み等によって、ポリイミド製無端ベルトとリブの接合面に連続して荷重が掛かり続けることにより、実用的とされる目標周回数に達する前に、ベルトに周方向のクラックが生じやすくなってしまう。又、前記歪みや変形が無くても、目標回数を超える周回数においては、著しく耐久性が損なわれてしまう。
更に、前記幅方向の直角引裂強度が前記周方向の直角引裂強度幅の200%を超えると、ポリイミド製無端ベルトの周方向の強度が損なわれ、幅方向へのクラックや破損が生じやすくなってしまう。
【0016】
前記幅方向の直角引裂強度は250N/mm以上であることが好ましい。前記幅方向の直角引裂強度が250N/mm以上であると、ベルトの幅方向の荷重に対してクラックや割れが発生しにくく、蛇行防止用のリブを取り付けて、後述する電子写真方式の画像形成装置において長期間走行させても、耐久性に優れ、安定した使用を可能にするという効果がより顕著となる。
前記幅方向の直角引裂強度は、260N/mm以上であることがより好ましく、270N/mm以上であることが更に好ましい。
一方、前記幅方向の直角引裂強度が250N/mm未満であると、ベルトの駆動により、ベルトとリブの接合面で周方向のクラックが生じやすくなってしまう。
【0017】
本発明におけるポリイミド製無端ベルトは、幅方向のMIT試験法による耐折回数(以下、「幅方向の耐折回数」という場合がある。)が、周方向のMIT試験法による耐折回数(以下、「周方向の耐折回数」という場合がある。)の105%〜200%であることが好ましい。前記幅方向の耐折回数が前記周方向の耐折回数の105%〜200%であると、ベルトの幅方向の荷重に対してクラックや割れが発生しにくく、走行ガイド用のリブを取り付けて、後述する電子写真方式の画像形成装置において長期間走行させても、耐久性に優れ、安定した使用が可能となる。
これは、リブを取り付けたポリイミド製無端ベルトを用いて画像形成する場合、前記ポリイミド製無端ベルトがリブの重みにより案内溝の内部側に撓む状態に折れ曲がり、連続的にわずかな屈曲を繰り返している状態となっており、前記幅方向の耐折回数を前記周方向の耐折回数より大きくすることにより、上述の効果が得られると考えられる。
前記幅方向の耐折回数は、前記周方向の耐折回数の105〜120%であることがより好ましく、105〜110%であることが更に好ましい。
【0018】
一方、前記幅方向の耐折回数が前記周方向の耐折回数の105%未満であると、電子写真方式の画像形成装置で使用したときに、周方向のクラックが生じやすくなる場合がある。又、前記幅方向の耐折回数が前記周方向の耐折回数の200%を超えると、周方向の強度が損なわれ、幅方向へのクラックや破損が生じやすくなる場合がある。
【0019】
本発明における耐折回数は、MIT試験法による耐折回数である。該MIT試験法による耐折回数測定は、JIS P8115(1994年)に準拠(JISP8115(1994年)における「紙及び板紙」を「ポリイミド製フィルム」に読みかえる。)する方法であり、図1に示すMIT試験機を用いて測定する。図1はMIT試験機を説明するための概略構成図である。図1に示すMIT試験機は折曲げ装置取付面4に取り付けられた、試験片2を挟み折曲げるための0.38mmの曲率半径をもつ折曲げ装置6、プランジャー8に取り付けられた荷重を掛けるためのつかみ具10からなる。
【0020】
前記MIT試験法による耐折回数測定の手順は以下のとおりである。試験片2の一方を折曲げ装置6で挟む。更に試験片2の他の一方をつかみ具10で挟み、試験片2に9.8N(1kgf)の荷重を掛ける。次に折曲げ装置6を135±2°の角度で、毎分175±10回となる速度で回転させて、荷重が掛けられた試験片2を折曲げ装置6の曲率面で繰り返し折り曲げ、ストレスを与えて破断させる。
耐折強度FEは、破断までの折り曲げ回数Nより下記式(1)に従い求められる。
式(1)
FE=log10
更に、耐折回数FNは、下記式(2)に従い求められる。
式(2)
FN=10FE
【0021】
既述のように、幅方向の直角形引裂法による引裂強度を周方向の直角形引裂法による引裂強度の105%〜200%とする手段、及び幅方向のMIT試験法によるベルト耐折回数を周方向のMIT試験法による耐折回数の105%〜200%とする手段としては、ポリイミド製無端ベルトにおけるポリイミド分子鎖を幅方向と平行に配向させる手段が挙げられる。該ポリイミド分子鎖を幅方向と平行に配向させる方法については、後記本発明におけるポリイミド製無端ベルトの製造方法において詳述する。
【0022】
本発明におけるポリイミド製無端ベルトは、導電性フィラーを含有し、表面抵抗率の常用対数値が8〜15(logΩ/□)の範囲内であることが好ましく、10〜13(logΩ/□)の範囲内であることがより好ましい。
前記表面抵抗率の常用対数値が8〜15(logΩ/□)の範囲内であると、後述する画像形成装置において、中間転写ベルト或いは転写搬送ベルト等として用いる場合、トナーの飛び散りがなく高画質が得られるとともに、除電装置がなくてもチャージアップによる汚れを防止することができ好ましい。
尚、前記導電性フィラーは、後述するポリイミド製無端ベルトの製造方法に記載の導電性フィラーと同様である。
【0023】
本発明におけるポリイミド製無端ベルトは、幅方向における膜厚の変位が平均膜厚に対し、10%以下であることが好ましく、6%以下であることがより好ましく、3%以下であることが更に好ましい。前記幅方向における膜厚の変位が、平均膜厚に対し、10%を超えると画像に色ムラや色ズレを生じてしまう場合がある。
前記幅方向における膜厚の変位を平均膜厚に対し10%以下であるポリイミド製無端ベルトは、後述するポリイミド製無端ベルトの製造において、ポリイミド前駆体塗膜の幅方向におけるイミド転化前後の収縮率を10%以内とすることにより得られる。
【0024】
本発明におけるポリイミド製無端ベルトは、幅方向の端部の両側又は片側に、リブを取り付けてなることが好ましい。該リブは走行ガイド(蛇行防止)用に取り付けられるもので、リブを取り付けたポリイミド製無端ベルトを後述する画像形成装置に用いる場合に、蛇行が防止できる。
本発明におけるリブは、一般的に公知の蛇行防止用リブであれば、その材質、形状、特性値、および取り付け方法等に制限はなく、具体的には、リブの材質として、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、EPDM,NBR、CR,塩素系ポリイソプレン、水素添加ポリブタジエン、ブチルゴムなどのゴム材料等があげられ、これらは1種単独で用いても2種類以上をのレンドして用いてもよい。
【0025】
また、前記リブの取り付け方法も制限はなく、接着強度および耐久性に優れた一般公知の接着剤による取り付け方法を用いることができる。前記接着剤としては、具体的には、コニシ(株)製の特殊変成シリコンポリマーを主成分とするサイレックス100、セメダイン(株)の特殊変成シリル含有エポキシ樹脂を主成分とするスーパーX No.8008による接着等をあげることができる。
【0026】
本発明のポリイミド製無端ベルトの製造方法は、ポリイミド前駆体溶液を円筒成形管の外周面又は内周面へ、円筒成形管軸方向に塗布して、ポリイミド前駆体塗膜を形成するポリイミド前駆体塗膜形成工程と、前記ポリイミド前駆体塗膜を加熱によりイミド転化させてポリイミド皮膜を形成するポリイミド皮膜形成工程とを有する製造方法であり、前記ポリイミド前駆体塗膜形成工程が、前記ポリイミド前駆体溶液の塗布と同時又は塗布後に、前記塗布されたポリイミド前駆体溶液の表面を円筒成形管軸方向に摺擦する摺擦工程を有し、かつ、前記塗布されたポリイミド前駆体塗膜の円筒成形管軸方向におけるイミド転化前後の収縮率が10%以内であることを特徴とし、必要に応じて他の工程を有していてもよい。
以下、本発明のポリイミド製無端ベルトの製造方法を工程毎に分けて詳細に説明する。
【0027】
−ポリイミド前駆体塗膜形成工程−
ポリイミド前駆体塗膜形成工程では、先ず、ポリイミド前駆体をN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン系極性溶剤に溶解させて、ポリイミド前駆体溶液を調製する。これらの溶剤は複数併用してもよい。
【0028】
前記ポリイミド前駆体は、通常、略等モルの略等モルのテトラカルボン酸二無水物あるいはその誘導体と、ジアミンとを、前記溶媒中で重合反応させてポリアミド酸溶液として得られる。
前記テトラカルボン酸二無水物としては特に制限はなく、具体的には、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0029】
一方、前記ジアミンも特に制限はなく、具体的には、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジクロロベンジジン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルフォン、1,5-ジアミノナフタレン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、3,3’-ジメチル4,4’-ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’-ジメチルベンジジン、3,3’-ジメトキシベンジジン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノ−ベンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロボキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン、H2N(CH23O(CH22O(CH2)NH2、H2N(CH23S(CH23NH2、H2N(CH23N(CH32(CH23NH2等が挙げられる。
【0030】
本発明で用いられるポリイミド前駆体は、前記テトラカルボン酸二無水物或いはその誘導体と、ジアミンとを複数共重合させたものを用いてもよいし、異なった種類のポリアミド酸のブレンドでもよい。ポリイミド前駆体の混合比、濃度、粘度等は、適時選択して用いられる。
【0031】
本発明におけるポリイミド製無端ベルトは既述のように、導電性フィラーを含有し、表面抵抗率の常用対数値が8〜15(logΩ/□)の範囲内であることが好ましい。
前記導電性フィラーとしては、無機または有機の何れでもよく、具体的には、カーボンブラック、カーボンブラックを造粒したカーボンビーズ、カーボンファイバー、グラファイト等の炭素系物質;銅、銀、アルミニウム等の金属又は合金;、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、SnO2−In23複合酸化物等の導電性金属酸化物、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカー等が挙げられる。
前記導電性フィラーはポリイミド前駆体溶液に直接分散させてもよいし、ポリイミド前駆体の重合時に予め溶剤中に分散させておく方法を用いてもよい。また、分散の方法としては特に制限されることはなく、例えば、ボールミルや超音波等で分散させる方法がある。
【0032】
本発明において、前記ポリイミド前駆体溶液を塗布する円筒成形管としては、例えば、アルミニウムや銅、ステンレス等の金属からなる円筒成形管を好ましく用いることができる。尚、前記円筒成形管がアルミニウムからなる場合、350℃に加熱すると強度が低下して変形を起こしやすい。このようなアルミニウムの熱変形は、円筒成形管形状への冷間加工中に歪みが蓄積していると発生しやすい。そのような歪みを取り去るには、アルミニウムを焼鈍(焼きなまし)する方法が挙げられる。但し、焼鈍によっても熱変形が起こるので、所定形状への加工は、その後に施す必要がある。焼鈍とは、アルミニウム素材を350〜400℃に加熱し、空気中で自然に冷却する方法である。
【0033】
また、前記金属からなる円筒成形管の表面(内表面、外表面)に、ポリイミド前駆体の塗布液を直接塗布した場合には、後述するポリイミド樹脂皮膜形成工程において、形成されたポリイミド樹脂皮膜が円筒成形管表面に接着する可能性が高いため、円筒成形管の塗布面には離型性を付与する必要がある。そのため、円筒成形管塗布面に離型剤層を形成することが好ましい。前記離型剤としては、シリコーン系やフッ素系のオイルを変性して耐熱性を持たせたものが有効である。また、シリコーン樹脂の超微粒子を水に分散させた水系離型剤もある。離型剤層は離型剤を塗布し、溶剤を乾燥させて、そのまま、あるいは焼き付け処理をして形成される。
【0034】
本発明のポリイミド製無端ベルトの製造方法は、後述するようにポリイミド前駆体塗膜の円筒成形管軸方向(ベルトの幅方向)におけるイミド転化前後の収縮率が10%以内であることを特徴とする。このため、イミド転化による体積収縮が大きなポリイミド樹脂を用いる場合には、強制的に軸方向の収縮率を小さく制御する必要がある。その方法としては、後述するポリイミド樹脂皮膜形成工程において、ポリイミド前駆体塗膜の両端部を円筒成形管に貼り付ける方法が有効であるが、端部を全周に亘って貼り付けてしまうと、皮膜中に残留する溶剤やイミド化反応によって発生する水分子の蒸気により、ポリイミド樹脂皮膜に膨れを生じさせることがある。そのため、図2に示すように、円筒成形管20の両端部に、部分的にサンドペーパーがけ等で離型剤層を除去、もしくは離型剤塗布前に円筒成形管の両端部を予め部分的にマスキングして、部分的に離型剤が塗布されない箇所を設ける方法(離型剤除去工程)で、皮膜を円筒成形管20の両端部に貼り付かせるための貼り付け箇所22を設ける。このように部分的に貼り付かせることによって、残留溶剤や水の蒸気の放出を阻害することはないので、ポリイミド樹脂皮膜に膨れが発生することはない。
【0035】
ただし、イミド転化時の体積収縮が小さく、ポリイミド樹脂皮膜形成工程において軸方向の収縮率が10%以内である種類のポリイミド樹脂を用いた場合には、前記円筒成形管への貼り付け等の処置は必要ない。
前記イミド転化時の体積収縮が小さいポリイミド前駆体としては、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’-ジアミノジフェニルエーテルとをN−メチル−2−ピロリドン中で合成したもの等が挙げられる。
【0036】
前記ポリイミド前駆体塗膜形成工程では、前記ポリイミド前駆体溶液を円筒成形管の外周面又は内周面に塗布する。該塗布の方法としては、ポリイミド前駆体溶液が円筒成形管の軸と平行な方向に塗布されていれば限定されるものではなく、具体的には、円筒成形管をポリイミド前駆体溶液に浸漬して引き上げる浸漬環状塗布法の他、突上環状塗布法、或いはポリイミド前駆体を円筒成形管内周面に軸方向に流し込む方法等が挙げられる。
【0037】
また、前記ポリイミド前駆体塗膜形成工程は、更に前記塗布されたポリイミド駆体溶液の表面を円筒成形管軸方向に摺擦する摺擦工程を有する。尚、通常、ポリイミド前駆体溶液は粘度が非常に高いので、塗布後の膜厚を所望値に制御するために塗膜表面を掻き擦る方法でレベリングすることがあり、前記摺擦工程と該レベリングする工程を兼用してもよい。また、このポリイミド前駆体塗膜表面を円筒成形管軸方向に擦る作業は、塗布と同時に行ってもよいし、塗布後、別作業として実施してもよい。
【0038】
前記ポリイミド前駆体塗膜形成工程としては、以下に説明する浸漬環状塗布法及び突上環状塗布法が好ましく挙げられる。前記浸漬環状塗布法を図3及び4を用いて説明する。
図3は、浸漬環状塗布法に用いる装置の一例を示す概略構成図である。ただし、図3は塗布主要部のみを示し、他の装置は省略している。
図3に示すように、この浸漬環状塗布法は、塗布槽33に満たされたポリイミド前駆体溶液32に、円筒成形管31の外径よりも大きな孔36を設けた環状体35を浮かべ、孔36を通して円筒成形管31をポリイミド前駆体溶液32に浸漬し、次いで、引き上げる塗布法である。
【0039】
一方、図4は、図3に示す環状体35の設置状態を説明するための要部拡大斜視図である。図4に示すように、ポリイミド前駆体溶液32の液面に、円筒成形管31の外径よりも一定の間隙だけ大きい径を有する孔36を設けた環状体35を浮かべてある。
環状体35は、ポリイミド前駆体溶液32の液面に浮くもので、その材質は、ポリイミド前駆体溶液32によって侵されないものがよく、例えば、種々の金属、種々のプラスチック等が挙げられる。また、環状体35は中空構造でもよい。更に、環状体35の沈没防止のために、環状体35の外周面又は塗布槽33に、環状体35を支える足や腕を設けてもよい。
ポリイミド前駆体塗膜34の濡れ膜厚は、円筒成形管31と孔36との間隙により定まる。又、乾燥後の膜厚は濡れ膜厚と溶液の不揮発分濃度の積である。
【0040】
浸漬塗布を行う際、円筒成形管31を、孔36を通してポリイミド前駆体溶液32に浸漬する。その際、円筒成形管31が環状体35に接触しないようにする。次いで、孔36を通して円筒成形管31を引き上げる。この際、円筒成形管31と孔36との間隙によりポリイミド前駆体塗膜34が形成され、同時にポリイミド前駆体塗膜34の表面を円筒成形管軸方向に摺擦すること(摺擦工程)となり、ポリイミド前駆体を円筒成形管軸方向(ベルトの幅方向)に配向させる作用もある。
【0041】
この円筒成形管軸方向に配向したポリイミド前駆体塗膜34は、後述のイミド転化することにより円筒成形管軸方向に配向したポリイミド皮膜となり、これを円筒成形管31から剥離して所望の幅に切断することにより、円筒成形管軸方向(ベルトの幅方向)に配向したポリイミド製無端ベルトが得られる。既述のように、ポリイミド分子の幅方向への配向の度合いにより、引裂強度、耐折回数、膜厚の変位の度合いが決まる。つまり前記摺擦工程が本発明のポリイミド製無端ベルトの製造における大きなポイントとなる。
【0042】
前記浸漬環状塗布法において、前記ポリイミド分子の幅方向への配向の度合いに影響を及ぼす因子としては、ポリイミド前駆体塗膜34が形成された円筒成形管31の引き上げ速度、ポリイミド前駆体溶液32の固形分濃度及び粘度が挙げられる。
前記ポリイミド前駆体塗膜34が形成された円筒成形管31の引き上げ速度としては、100〜1500mm/minであることが好ましく、500〜1200mm/minであることがより好ましい。前記引き上げ速度が1500mm/minを超えると、塗膜中に気泡を巻き込みやすくなる場合がある。一方、前記引き上げ速度が100mm/min未満であると、ポリイミド分子のベルトの幅方向への配向が十分得られない場合がある。
【0043】
前記ポリイミド前駆体溶液32の固形分濃度は、10〜40質量%であることが好ましく、15〜30質量%であることがより好ましく、20〜28質量%であることが更に好ましい。前記固形分濃度が40質量%を超えると、機械的強度が弱くなる場合がある。一方、前記固形分濃度が10質量%未満であると、所望の抵抗値が得られない場合がある。
【0044】
前記ポリイミド前駆体溶液32の粘度は、1〜1000Pa・sであることが好ましく、10〜500であることがより好ましく、30〜100であることが更に好ましい。前記ポリイミド前駆体溶液32の粘度が1000Pa・sを超えると、ポリイミド分子のベルトの幅方向への配向が十分得られない場合がある。一方、前記ポリイミド前駆体溶液32の粘度が1Pa・s未満であると、ベルトの幅方向での膜厚の変位が大きくなり、求められる高画像が得られない場合がある。
【0045】
環状体35は、ポリイミド前駆体溶液32上でわずかの力で動くことができるよう、自由移動可能状態で設置するが、その方法としては、液上に浮遊させる方法のほか、環状体をロールやベアリングで支える方法、環状体をエア圧で支える方法等がある。
環状体35の孔36を通して円筒成形管31をポリイミド前駆体溶液32から上昇させると、ポリイミド前駆体溶液32の介在により、円筒成形管31と環状体35との間に摩擦抵抗が生じ、環状体35には上昇力が作用し、環状体35は少し持ち上げられる。このとき、環状体35は円筒成形管31との摩擦抵抗が周方向で一定になるように移動し、間隙が一定になるので、塗布される膜厚は周方向で均一になる。すなわち、均一な膜厚のポリイミド前駆体塗膜34が円筒成形管31上に形成される。
【0046】
更に、浸漬環状塗布法に用いる塗布装置には、円筒成形管31を保持する円筒成形管保持手段、並びに、所望により、該保持手段を上下方向に移動する第1の移動手段及び/又はポリイミド前駆体溶液を入れる容器を上下方向に移動する第2の移動手段を有してもよい。
このような、環状体35を適用することで、高粘度のポリイミド前駆体溶液を用いても、円筒成形管上端部での垂れは少なくなり、簡易に膜厚を均一にすることができると同時に、塗液表面を軸方向に擦り、ポリイミド前駆体塗膜中のポリイミド前駆体分子の配向を軸方向に揃えることができる。
【0047】
前記ポリイミド前駆体塗膜形成工程おいて、上述の浸漬環状塗布法を用いる他にも、図5に示すような突上環状塗布法も適用できる。図5は突上環状塗布法に用いる装置の1例を示す概略構成図である。
図5において、図3との違いは、塗布槽33’の底部に、円筒成形管31’を通過させることの可能な環状シール材38が設けられていることである。塗布槽33’の底部には環状シール材38が取り付けられ、円筒成形管31’を環状シール材38の中心に挿通させたところに、塗布槽33’にポリイミド前駆体溶液32’を収容する。これにより、ポリイミド前駆体溶液32’が漏れないようになっている。円筒成形管31’は、塗布槽33’の下部から上部に順次突き上げられ、環状シール材38を挿通させることにより、表面にポリイミド前駆体塗膜34’が形成される。環状体35’の機能は、浸漬環状塗布法における環状体35と同様である。尚、突上塗布法では、塗布槽33’が浸漬環状塗布法における塗布槽33よりも小さくできるので、溶液の必要量が少なくてもよいという利点がある。
前記突上環状塗布法における好ましいポリイミド前駆体塗膜34’が形成された円筒成形管31’の引き上げ速度、ポリイミド前駆体溶液32’の固形分濃度及び粘度は、前記浸漬環状塗布法における好ましいポリイミド前駆体塗膜34が形成された円筒成形管31の引き上げ速度、ポリイミド前駆体溶液32の固形分濃度及び粘度と同様である。
【0048】
前記ポリイミド樹脂皮膜形成工程においては、ポリイミド樹脂の種類によって異なるものの、好ましくは300〜450℃で、20〜60分間、ポリイミド前駆体塗膜を加熱反応させることでポリイミド樹脂皮膜を形成することができる。加熱反応の際、溶剤が残留したままイミド化反応を進めると、ポリイミド樹脂皮膜に膨れが生じることがあるため、急激な加熱は避けることが好ましく、具体的には、最終温度に達する前に、一旦150〜200℃の温度で30〜60分間加熱乾燥して残留溶剤を除去し、続けて、温度を段階的、又は一定速度で上昇させて、加熱してポリイミド樹脂皮膜を形成することが好ましい。
【0049】
ただし、前記ポリイミド樹脂皮膜形成工程において、ポリイミド前駆体塗膜が加熱乾燥および加熱してイミド転化されることによってポリイミド樹脂皮膜となるときに、軸方向への収縮率が10%を超える場合には、ポリイミド前駆体の塗膜形成工程および塗膜レベリング工程で軸方向へ配向したポリイミド前駆体分子に対し周方向への再配向の力が加わり、目的とする軸方向に配向したポリイミド樹脂皮膜が得られない。前記軸方向への収縮率を10%以下にする方法は、既述のように、収縮率が小さいポリイミド樹脂を用いる、或いは図2に示すような、両端部に貼り付け箇所22を設けた円筒成形管20を用いる方法が挙げられる。前記軸方向への収縮率は7%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましい。
【0050】
収縮率は、以下の式(3)で表される。
式(3)
軸方向への収縮率 =
[(加熱前のポリイミド前駆体塗膜の軸長/イミド反応後のポリイミド樹脂皮膜の軸長)−1] ×100 (%)
また、ポリイミド樹脂皮膜形成工程において円筒成形管軸方向の収縮率が大きなポリイミド樹脂製無端ベルトは、軸方向での部分的な収縮率が不均一になり、円筒成形管軸方向の膜厚の均一性を著しく損ない、電子写真画像形成装置内で使用したときに、蛇行や画質欠陥の原因となる。したがって、本発明の目的を達成するためには、ベルトの軸方向における膜厚の変位が、ベルトの平均膜厚に対し10%以下であることが望ましい。
【0051】
前記ポリイミド樹脂皮膜を円筒成形管からの剥離は、前記ポリイミド樹脂皮膜形成工程において、円筒成形管軸方向の収縮率を抑制させるため、円筒成形管への貼り付け等の処置を行った場合には、加熱反応後、金型が冷えて収縮する前に、ポリイミド樹脂皮膜が円筒成形管に貼り付いている、少なくとも片側の部分にシート等を差し込んで貼り付きを解除する必要がある。その最低温度の目安は100℃であり、それ以上で解除するのが好ましい。こうすることにより、円筒成形管が室温まで冷えて軸方向に収縮しても、ポリイミド樹脂皮膜が追随してしわが発生することがない。
以上説明した製造方法により得られたポリイミド製無端ベルトは、ポリイミド分子が円筒成形管軸方向(ベルトの幅方向)に配向し、この結果、幅方向の引裂強度や耐折回数などの耐久性に優れた無端ベルトとなる。
【0052】
本発明における画像形成装置は、前記本発明におけるポリイミド製無端ベルトを少なくとも1種類以上備えることを特徴とする電子写真方式の画像形成装置である。前記本発明におけるポリイミド製無端ベルトとしてはリブを取り付けたポリイミド製無端ベルトを備えることかが好ましい。
本発明における画像形成装置の転写方式は、像担持体に形成されたトナー像を中間転写体上に一次転写した後、該中間転写体上に転写されたトナー像を被転写体に二次転写する中間転写方式の画像形成装置でもよく、あるいは直接転写搬送体上の記録紙やOHP等の転写材に静電的に転写する転写搬送方式でもよい。前記本発明におけるポリイミド製無端ベルトは、画像形成装置の中で、中間転写ベルトとして、あるいは転写搬送ベルトとして、あるいはまた、その両方として画像形成装置の中で用いられることにより、長期間安定した走行を可能とし、高画質の転写画像をもたらす。
【0053】
本発明における画像形成装置としては、特に限定されるものではなく、例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラー画像形成装置や、像担持体上に担持されたトナー像を中間転写体に順次一次転写を繰り返す4サイクル型カラー画像形成装置、各色毎の現像器を備えた複数の像担持体を中間転写体や転写搬送ベルト上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置が挙げられる。本発明におけるポリイミド製無端ベルトを備えた画像形成装置の1例として、タンデム型カラー画像形成装置を図6を用いて説明する。図6は、本発明における画像形成装置の1例を説明するための概略構成図である。図6に示す画像形成装置は、4色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)の現像器55を備える各色毎の感光体49が中間転写体(中間転写ベルト)56に配置したタンデム式カラー画像形成装置であり、感光体49表面を均一に帯電する帯電装置53、感光体49表面を露光し静電潜像を形成するレーザー発生装置48、感光体49表面に形成された潜像を現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像器55、感光体に付着したトナーやゴミ等を除去するクリーニング装置54、被転写材上のトナー像を定着する定着ロール42等、必要に応じて公知の方法で任意に備えることができるものである。
【0054】
つまり本発明における画像形成装置は、像担持体、像担持体表面を均一に帯電する帯電手段、像担持体表面を露光し静電潜像を形成する露光手段、像担持体表面に形成された潜像を現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像手段、被転写材上のトナー像を定着する定着する手段、像担持体に付着したトナーやゴミ等を除去するクリーニング手段、像担持体表面に残留している静電潜像を除去する除電手段、など必要に応じて公知の方法で任意に備えることができる。
【0055】
前記像担持体としては、従来公知のものを用いることができ、その感光層としては、有機系、アモルファスシリコン等公知のものを用いることができる。前期像担持体が円筒状の場合は、アルミニウム又はアルミニウム合金を押出し成型後、表面加工する等の公知の製法により得られる。またベルト状の前記像担持体を用いることも可能である。
【0056】
前記帯電手段としては、特に制限はなく、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器などのそれ自体公知の帯電器が挙げられる。これらの中でも、帯電補償能力に優れる点で接触型帯電器が好ましい。前記帯電手段は、前記電子写真感光体に対し、通常、直流電流を印加するが、交流電流をさらに重畳させて印加してもよい。
【0057】
前記露光手段としては、特に制限はなく、例えば、前記電子写真感光体表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光源、或いはこれらの光源からポリゴンミラーを介して所望の像様に露光できる光学系機器等が挙げられる。現像手段としては、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用い接触或いは非接触させて現像する公知の現像器等が挙げられる。
【0058】
前記転写手段としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。これらの中でも、転写帯電補償能力に優れる点で接触型転写帯電器が好ましい。なお、本発明においては、前記転写帯電器の他、剥離帯電器等を併用することもできる。。
【0059】
前記光除電手段としては、例えば、タングステンランプ、LED等が挙げられ、該光除電プロセスに用いる光質としては、例えば、タングステンランプ等の白色光、LED光等の赤色光等が挙げられる。該光除電プロセスにおける照射光強度としては、通常、電子写真感光体の半減露光感度を示す光量の数倍乃至30倍程度になるよう出力設定される。
【0060】
前記定着手段としては、特に制限はなく、それ自体公知の定着器、例えば熱ローラ定着器、オーブン定着器等が挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、それ自体公知のクリーニング装置等を用いればよい。
【0061】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、各実施例は、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp-フェニレンジアミンとをN−メチル−2−ピロリドン中で合成した20質量%濃度のポリイミド前駆体溶液を用意し、その中にカーボンブラック(SPECIAL BLACK 4(Degussa社製)を所定量サンドミルで6時間室温で分散させ、カーボンブラックが分散しているポリイミド前駆体溶液Aを調製した。該ポリイミド前駆体溶液Aの粘度は、室温で35Pa・sであった。
得られたポリイミド前駆体溶液Aを用い、図5に示すような突上環状塗布法により、ポリイミド前駆体塗膜Aを形成した。
【0062】
円筒成形管31として、外径364.5mm、長さ650mmのアルミニウム製円筒体を用意した。かかるアルミニウム製円筒体は、外径377mm、長さ700mmのアルミニウム製素管を350℃で10分間加熱し、自然に冷却させた後、表面を切削して、外径を364.5mにし、更に、球形ガラス粒子によるブラスト処理により、表面をRa:1.5μmに粗面化したものである。その円筒成形管31の表面にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布し、300℃で1時間焼き付け処理を施してアルミニウム製円筒体Aを先ず作製し、更に該アルミニウム製円筒体Aに以下の離型剤除去工程を行ない、アルミニウム製円筒体Bを作製した。前記離型剤除去工程は、図2に示すように、予め35mm×70mmの大きさを等間隔で8ヶ所くり貫いたシートを円筒成形管31の両端部に巻きつけ、くり貫かれた部分10をサンドペーパー#600で研磨し、その部分の離型剤を除去する工程である。
一方、環状体35として、外径445mm、最小部の内径366mm、高さ50mmのアルミニウム製のものを作製した。内壁は傾斜状である。
【0063】
円筒成形管31(アルミニウム製円筒体B)を、その底面に内径360mmの中心孔を有するポリエチレン製の環状シール材38が取り付けられている、内径370mm、高さ150mmの環状塗布槽33’に通した。そして、その環状塗布槽33’にポリイミド前駆体溶液32’(ポリイミド前駆体溶液A)を入れ、環状体35を配置して、円筒成形管31を1.0m/分で上昇させ、塗布を行った。これにより、円筒成形管31の表面には濡れ膜厚が約420μmのポリイミド前駆体塗膜34が形成された。
【0064】
次に、円筒成形管31を水平にして、6rpmで回転させながら、170℃で60分間加熱乾燥させた。その後、360℃で30分間加熱して、イミド転化させ、カーボンブラックが分散されているポリイミド樹脂皮膜Aを形成した。
円筒成形管31の温度が100℃以下になる前に加熱炉から取り出すと、離型剤を除去した部分にポリイミド樹脂皮膜Aが貼り付いていた。そこで以下の抜き取り工程により、ポリイミド樹脂皮膜Aを円筒成形管31から抜き取った。前記抜き取り工程は、円筒成形管31の片側の貼り付いていた部分に、薄いプラスチックシートを差し入れて貼り付けを解除した。その後、円筒成形管31が室温まで冷えたときに、反対側の貼り付きも解除し、皮膜全体を剥離して芯体から抜き取る作業である。この抜き取り工程により、芯体が軸方向に収縮したときも、ポリイミド樹脂皮膜が追随せず、しわの発生しない平均膜厚78μmのカーボンブラックが分散しているポリイミド樹脂皮膜Aを剥離することができた。
【0065】
尚、前記ポリイミド樹脂皮膜Aのイミド転化前後の円筒成形管軸方向の収縮率は2.2%であり、ベルトの幅方向の膜厚差は2.0μm(したがって、ベルトの幅方向の膜厚変位は平均膜厚の2.6%)、平均表面抵抗率11.5logΩ/□、ベルトの幅方向の表面抵抗率の差は0.3logΩ/□であった。また、前記ポリイミド樹脂皮膜Aは、イミド転化時の膨れ等は発生しなかった。
ここで、膜厚の測定は、渦電流方式のフィルム膜厚測定器((株)フィッシャー・インストルメンツ製イソスコープMP30、プローブ:EAT3.3)を用いて行なった。ベルトの幅方向・円周方向ともに30mm毎に測定ポイントを置き、全点の平均値をベルトの平均膜厚とした。また、ベルトの幅方向の1測定ポイント列において膜厚の最大値と最小値の差をベルトの幅方向の変位とし、全てのベルトの幅方向の変位の中で最大のものを、該ベルトを代表するベルトの幅方向の膜厚変位とした。
また、表面抵抗率の測定は、三菱油化(株)製ハイレスターIPおよびHRプローブを用い、JIS K6991に従い測定した。
【0066】
前記剥離したポリイミド樹脂皮膜Aを369mm幅で切断し、幅5mm、高さ10mmのJIS硬度70°のウレタン樹脂製リブを、ベルト両端部の内面に、接着剤スーパーX No.8008(セメダイン社製)で貼り付けた。
また、切断した残りの皮膜で、直角引裂強度と耐折回数を、それぞれ軸(幅)方向と周方向で測定した。
直角引裂強度の測定は、JISK7128−3(1998年)に従い、軸方向、周方向への引裂をそれぞれ5回づつ繰り返した平均値を測定値とした。測定は指定の形状及び寸法の試験片を打ち抜きによって作製し、490N(50kgf)μmで測定が可能なロードセルを装着したアイコーエンジニアリング社製MODEL−1605Nを用いて、試験速度20mm/minで行った。ここで、幅方向への引裂とは、引裂荷重の方向がベルトの幅方向と平行な引裂をさす。また、周方向への引裂とは、引裂荷重の方向がベルトの周方向と平行な引裂をさす。測定の結果、幅方向の引裂強度は289.6N/mm、周方向の引裂強度は228.2N/m、したがって、幅方向の引裂強度は周方向の引裂強度の127%であった。
【0067】
耐折回数の測定は、JIS P8115(1994年)に準拠し、図1に示すMIT試験機を用い、試料片の幅11mm、張力9.8N(1kgf)でおこない、前記式(1)及び(2)により耐折回数を求めた。試験は、幅方向、周方向それぞれ5回づつおこない、平均値を測定値とした。なお、ここで幅方向の耐折回数とは、ベルトの幅方向を長手方向として試料片を作製し、ベルトの幅方向に荷重を掛けて試験をおこなったときの破断までの折り曲げ回数をさす。また、同様に、周方向の耐折回数とは、周方向に荷重を掛けて試験をおこなったときの破断までの折り曲げ回数をさす。
測定の結果、幅方向の耐折回数は104.8回、周方向の耐折回数は75.0回、したがって、幅方向の耐折回数は周方向の耐折回数の140%であった。
【0068】
さらに、前記リブを取り付けたポリイミド製無端ベルトに対して、周回テストをおこなった。該周回テストは、回転軸付きの直径28mm、長さ368.7mmのステンレス製ロール2本にベルトを架張し、ロール間に78.4Nの張力を掛けた状態で、一方のロールに外部モーターから回転駆動を与えることによっておこなった。このとき、2本のロールは意識的に平行度をずらし(ロール端部の距離が左右で0.5mm異なる)、ベルト片側のリブに過剰な荷重が掛かるようにした。また、回転数は10.5rpmであった。
その結果、連続300時間経過後も、ベルトにクラックはみられなかった。
さらに、周回テスト終了後のベルトを、図6に示す画像装置の中間転写ベルトとして組み込み、画像を得たが、色ずれや像歪みのない、高画質を得ることができた。
【0069】
(実施例2)
3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’-ジアミノジフェニルエーテルとをN−メチル−2−ピロリドン中で合成した20質量%濃度のポリイミド前駆体溶液Bを調製した。
実施例1において、ポリイミド前駆体溶液Aの代わりにポリイミド前駆体溶液Bを用い、アルミニウム製円筒体Bの代わりに、離型剤除去工程を行なわないアルミニウム製円筒体Aを用い、更に抜き取り工程を行なわなかったこと以外、実施例1と同様にして、リブを取り付けたカーボンブラック分散ポリイミド製無端ベルトを作製し、評価を行なった。
ここで、転写ベルトサイズに切断する前のポリイミド樹脂皮膜の平均膜厚は80μmであり、イミド転化前後の円筒成形管軸方向の収縮率は1.5%であり、幅方向の膜厚差は2.0μm(平均膜厚に対し2.5%)であり、平均表面抵抗率12.2logΩ/□、軸方向の表面抵抗率の差は0.2logΩ/□であった。
【0070】
また、幅方向の引裂強度は323.9N/mm、周方向の引裂強度は282.6N/m、したがって、幅方向の引裂強度は周方向の引裂強度の115%であった。幅方向の耐折回数は802.2回、周方向の耐折回数は536.2回、したがって、幅方向の耐折回数は周方向の耐折回数の150%であった。
周回テストの結果、連続300時間経過後もベルトにクラックはみられず、その後、図6に示す画像装置の中間転写ベルトとして組み込み画像を得たとき、色ずれや像歪みのない、高画質を得ることができた。
【0071】
(実施例3)
実施例1において、前記離型剤除去工程が、図2に示すように、予め15mm×20mmの大きさを等間隔で8ヶ所くり貫いたシートを円筒成形管31の両端部に巻きつけ、くり貫かれた部分10をサンドペーパー#600で研磨し、その部分の離型剤を除去する工程であること以外は、実施例1と同様にして、リブを取り付けたカーボンブラックが分散しているポリイミド製無端ベルトを作製し、同様に評価した。
ここで、転写ベルトサイズに切断前のポリイミド樹脂皮膜の平均膜厚は82μmであり、イミド転化前後の円筒成形管軸方向の収縮率は5.7%であり、幅方向の膜厚差は4.5μm(平均膜厚に対し5.5%)、平均表面抵抗率11.2logΩ/□、幅方向の表面抵抗率の差は0.4logΩ/□であった。
また、幅方向の引裂強度は269.7N/mm、周方向の引裂強度は242.5N/m、したがって、幅方向の引裂強度は周方向の引裂強度の111%であった。一方、幅方向の耐折回数は105.0回、周方向の耐折回数は84.0回、したがって、幅方向の耐折回数は周方向の耐折回数の125%であった。
周回テストの結果、連続300時間経過後もベルトにクラックはみられず、その後、図6に示す画像装置の中間転写ベルトとして組み込み画像を得たとき、色ずれや像歪みのない、高画質を得ることができた。
【0072】
(比較例1)
実施例1において、前記離型剤除去工程及び抜き取り工程を行わないこと以外は、実施例1と同様にして、リブを取り付けたカーボンブラックが分散しているポリイミド製無端ベルトを作製し、同様に評価した。
ここで、転写ベルトサイズに切断前のポリイミド樹脂皮膜の平均膜厚は85μmであり、イミド転化前後の円筒成形管軸方向の収縮率は16.0%であり、幅方向の膜厚差は12μm(平均膜厚に対し14.1%)であり、平均表面抵抗率12.0logΩ/□、幅方向の表面抵抗率の差は0.6logΩ/□であった。
また、幅方向の引裂強度は260.2N/mm、周方向の引裂強度は252.0N/m、したがって、幅方向の引裂強度は周方向の引裂強度の103%であった。一方、幅方向の耐折回数は75.4回、周方向の耐折回数は78.2回、したがって、幅方向の耐折回数は周方向の耐折回数の96%であった。
周回テストにおいて、連続100時間を超えた段階でベルトのリブ部分にクラックが発生した。
【0073】
(比較例2)
前記ポリイミド前駆体溶液Aを、内径365mm、長さ650mmのステンレス製円筒金型内周面に流し込んだ。なお、このステンレス製円筒金型内周面には、予めシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布し、300℃で1時間焼き付け処理を施してあった。次に、前記円筒金型を水平にし、室温で10分間、500rpm回転の条件で遠心成形をおこなった。更に、前記円筒金型を水平のまま6rpmで回転させながら、220℃で60分間加熱乾燥させた。その後、円筒金型からカーボンブラックが分散したポリイミド前駆体皮膜を剥がし、端部をカッターで切り揃えた後、外径364.5mm、長さ650mmのアルミニウム製円筒体に差し替え、360℃で30分間加熱して、カーボンブラックが分散しているポリイミド樹脂皮膜を形成した。このとき、アルミニウム製円筒体の表面はブラスト処理によりRa:1.5μmに粗面化しただけで、離型処理等は一切行わなかった。
得られたポリイミド樹脂皮膜に、実施例1と同様にしてリブを取り付け、リブ付きカーボンブラック分散ポリイミド製無端ベルトを作製した。
【0074】
ここで、転写ベルトサイズに切断前のポリイミド樹脂皮膜の平均膜厚は80μmであり、イミド転化前後の円筒成形管軸方向の収縮率は8.0%であり、幅方向の膜厚差は8μm(平均膜厚に対し10.0%)であり、平均表面抵抗率12.0logΩ/□、幅方向の表面抵抗率の差は0.6logΩ/□であった。
また、幅方向の引裂強度は234.3N/mm、周方向の引裂強度は300.2N/m、したがって、幅方向の引裂強度は周方向の引裂強度の78%であった。一方、幅方向の耐折回数は68.0回、周方向の耐折回数は93.2回、したがって、幅方向の耐折回数は周方向の耐折回数の73%であった。
また、周回テストにおいて、連続100時間を超えた段階でベルトのリブ部分にクラックが発生した。
【0075】
【発明の効果】
本発明は、ベルトの幅方向にかかる荷重によるクラックや割れが発生しにくく、更に、リブを取り付けることにより、電子写真方式の画像形成装置において長期間走行させても、耐久性に優れ、安定した使用が可能となるポリイミド製無端ベルトの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 MIT試験機を説明するための概略構成図である。
【図2】 離型剤が塗布されない箇所が設けてある円筒成形管の概略図である。
【図3】 浸漬環状塗布法に用いる装置の一例を示す概略構成図である。
【図4】 図3に示す環状体35の設置状態を説明するための要部拡大斜視図である。
【図5】 突上環状塗布法に用いる装置の一例を示す概略構成図である。
【図6】 本発明における画像形成装置の1例を説明するための概略構成図である。
【符合の説明】
2 試験片
4 折曲げ装置取付面
6 折曲げ装置
8 プランジャー
10 つかみ具
20 円筒成形管
22 貼り付け箇所
31,31’ 円筒成形管
32,32’ ポリイミド前駆体溶液
33,33’ 塗布槽
34,34’ ポリイミド前駆体塗膜
35,35’ 環状体
36 孔
38 環状シール材
41 トナーカートリッジ
42 定着ロール
43 バックアップロール
44 テンションロール
45 2次転写ロール
46 用紙経路
47 用紙トレイ
48 レーザー発生装置
49 感光体
50 1次転写ロール
51 駆動ロール
52 転写クリナー
53 帯電ロール
54 感光体クリナー
55 現像器
56 中間転写体

Claims (1)

  1. ポリイミド前駆体溶液を、円筒成形管の外周面又は内周面へ、円筒成形管軸方向に塗布して、ポリイミド前駆体塗膜を形成するポリイミド前駆体塗膜形成工程と、前記ポリイミド前駆体塗膜を加熱によりイミド転化させてポリイミド皮膜を形成するポリイミド皮膜形成工程と、を有するポリイミド製無端ベルトの製造方法であって、
    前記ポリイミド前駆体塗膜形成工程が、前記ポリイミド前駆体溶液の塗布と同時又は塗布後に、前記塗布されたポリイミド前駆体溶液の表面を円筒成形管軸方向に摺擦する摺擦工程を有し、
    かつ、前記塗布されたポリイミド前駆体塗膜の円筒成形管軸方向におけるイミド転化前後の収縮率が、10%以内であることを特徴とするポリイミド製無端ベルトの製造方法。
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